JPH0838925A - Ｗｃ基超硬合金製造用原料粉末の混合粉砕用ボール及びｗｃ基超硬合金製造用原料粉末の混合粉砕方法 - Google Patents
Ｗｃ基超硬合金製造用原料粉末の混合粉砕用ボール及びｗｃ基超硬合金製造用原料粉末の混合粉砕方法Info
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- JPH0838925A JPH0838925A JP17535494A JP17535494A JPH0838925A JP H0838925 A JPH0838925 A JP H0838925A JP 17535494 A JP17535494 A JP 17535494A JP 17535494 A JP17535494 A JP 17535494A JP H0838925 A JPH0838925 A JP H0838925A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 ＷＣの平均粒径：0.7 μm 以下、且つＷＣの
最大粒径：2.0 μm 以下であるＷＣ基超硬合金よりなる
ことを特徴とするＷＣ基超硬合金製造用原料粉末の混合
粉砕用ボール、及び、この混合粉砕用ボールによりＷＣ
基超硬合金製造用原料粉末を混合粉砕するＷＣ基超硬合
金製造用原料粉末の混合粉砕方法。 【効果】 ＷＣ基超硬合金製造用原料粉末の混合粉砕に
際し、超微粒ＷＣ基超硬合金製造用原料粉末への粗粒Ｗ
Ｃ粉の混入が生じ難く、粗粒ＷＣ粉を含有しない超微粒
のＷＣ基超硬合金製造用原料粉末が得られるようにな
り、引いては、粗粒ＷＣによる破壊強度の低下が生じ難
く、破壊強度に優れたＷＣ基超硬合金が得られ、ＷＣ基
超硬合金の破壊強度の向上が図れるようになる。
最大粒径：2.0 μm 以下であるＷＣ基超硬合金よりなる
ことを特徴とするＷＣ基超硬合金製造用原料粉末の混合
粉砕用ボール、及び、この混合粉砕用ボールによりＷＣ
基超硬合金製造用原料粉末を混合粉砕するＷＣ基超硬合
金製造用原料粉末の混合粉砕方法。 【効果】 ＷＣ基超硬合金製造用原料粉末の混合粉砕に
際し、超微粒ＷＣ基超硬合金製造用原料粉末への粗粒Ｗ
Ｃ粉の混入が生じ難く、粗粒ＷＣ粉を含有しない超微粒
のＷＣ基超硬合金製造用原料粉末が得られるようにな
り、引いては、粗粒ＷＣによる破壊強度の低下が生じ難
く、破壊強度に優れたＷＣ基超硬合金が得られ、ＷＣ基
超硬合金の破壊強度の向上が図れるようになる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、ＷＣ基超硬合金製造用
原料粉末の混合粉砕用ボール及びＷＣ基超硬合金製造用
原料粉末の混合粉砕方法に関し、詳細には、ＷＣ基超硬
合金製造用原料粉末を混合又は混合粉砕する際に用いる
混合粉砕用ボール及びＷＣ基超硬合金製造用原料粉末の
混合粉砕方法であり、特には、高強度を必要とするドリ
ルや金型等の如きＷＣ基超硬合金焼結体の製造用原料粉
末を得るために好適に用いられるＷＣ基超硬合金製造用
原料粉末の混合粉砕用ボール及びＷＣ基超硬合金製造用
原料粉末の混合粉砕方法に関する。
原料粉末の混合粉砕用ボール及びＷＣ基超硬合金製造用
原料粉末の混合粉砕方法に関し、詳細には、ＷＣ基超硬
合金製造用原料粉末を混合又は混合粉砕する際に用いる
混合粉砕用ボール及びＷＣ基超硬合金製造用原料粉末の
混合粉砕方法であり、特には、高強度を必要とするドリ
ルや金型等の如きＷＣ基超硬合金焼結体の製造用原料粉
末を得るために好適に用いられるＷＣ基超硬合金製造用
原料粉末の混合粉砕用ボール及びＷＣ基超硬合金製造用
原料粉末の混合粉砕方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】ＷＣ基超硬合金は、ベース粉末であるＷ
Ｃ粉末とその他の粉末とを混合し、又は、混合粉砕（混
合及び粉砕）して得られる超微細粒の混合粉末を、原料
粉末として用いて、所定形状に成形する方法により製造
される。この合金は、極めて硬度の高いＷＣを基本成分
とする高硬度合金（即ちＷＣ基超硬合金）であるので、
特に高硬度を必要とするドリルや金型等の構成材料とし
て使用される。ここで、その他（ＷＣ粉末以外）の粉末
としては、一般にＣｏ粉末が使用され、更に必要に応じ
てTiＣ粉末やＶＣ粉末も添加される。混合又は混合粉砕
後の混合粉末の平均粒径は通常１μm 以下である。成形
は、通常、プレス成形或いは更に焼結する方法により行
われる。この成形のときに、Ｃｏ粉末は溶融固化してＷ
Ｃ粉末同士を接着、或いは更にＷＣ粉末とTiＣ粉末等の
粉末とを接着させるバインダーの役目をする。
Ｃ粉末とその他の粉末とを混合し、又は、混合粉砕（混
合及び粉砕）して得られる超微細粒の混合粉末を、原料
粉末として用いて、所定形状に成形する方法により製造
される。この合金は、極めて硬度の高いＷＣを基本成分
とする高硬度合金（即ちＷＣ基超硬合金）であるので、
特に高硬度を必要とするドリルや金型等の構成材料とし
て使用される。ここで、その他（ＷＣ粉末以外）の粉末
としては、一般にＣｏ粉末が使用され、更に必要に応じ
てTiＣ粉末やＶＣ粉末も添加される。混合又は混合粉砕
後の混合粉末の平均粒径は通常１μm 以下である。成形
は、通常、プレス成形或いは更に焼結する方法により行
われる。この成形のときに、Ｃｏ粉末は溶融固化してＷ
Ｃ粉末同士を接着、或いは更にＷＣ粉末とTiＣ粉末等の
粉末とを接着させるバインダーの役目をする。
【０００３】上記ＷＣ基超硬合金製造での粉末の混合や
混合粉砕は、混合粉砕用ボールにより行われる。即ち、
ボールミル、アトライター等の装置の混合粉砕部内に、
ＷＣ粉末及びその他の粉末と共に混合粉砕用ボールを充
填し、これらを攪拌させ、運動する混合粉砕用ボールに
よって粉末を混合又は混合粉砕する方法により行われ
る。混合粉砕時間は、アトライターによる場合、通常３
〜５時間程度である。
混合粉砕は、混合粉砕用ボールにより行われる。即ち、
ボールミル、アトライター等の装置の混合粉砕部内に、
ＷＣ粉末及びその他の粉末と共に混合粉砕用ボールを充
填し、これらを攪拌させ、運動する混合粉砕用ボールに
よって粉末を混合又は混合粉砕する方法により行われ
る。混合粉砕時間は、アトライターによる場合、通常３
〜５時間程度である。
【０００４】ここで、混合粉砕用ボールとしては、従
来、低級のＷＣ基超硬合金よりなる混合粉砕用ボール、
例えば超硬合金の回収粉（回収されたＷＣ基超硬合金
粉）を原料粉末として用いて製造された混合粉砕用ボー
ルが使用されている。かかる混合粉砕用ボールを構成す
るＷＣ基超硬合金中のＷＣの平均粒径は通常２〜３μm
程度である。
来、低級のＷＣ基超硬合金よりなる混合粉砕用ボール、
例えば超硬合金の回収粉（回収されたＷＣ基超硬合金
粉）を原料粉末として用いて製造された混合粉砕用ボー
ルが使用されている。かかる混合粉砕用ボールを構成す
るＷＣ基超硬合金中のＷＣの平均粒径は通常２〜３μm
程度である。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来の
混合粉砕用ボールを用いてＷＣ基超硬合金製造用原料粉
末を混合粉砕すると、混合粉砕用ボールが磨耗し、その
磨耗により生じた粉（ボール磨耗粉）がＷＣ基超硬合金
製造用原料粉末にコンタミとして混入し、超微粒のＷＣ
粉中に粗粒のＷＣ粉が混ざることになり、引いては、こ
の粉末を用いて製造されるＷＣ基超硬合金において粗粒
のＷＣが破壊の起点となり、破壊強度の低下が起こると
いう問題点がある。例えば、アトライターで上記従来の
混合粉砕用ボールを用いて３〜５時間混合粉砕をする
と、この混合粉砕用ボールの約１％が磨耗し、そのボー
ル磨耗粉即ち平均粒径：通常２〜３μm の粗粒ＷＣ粉が
平均粒径：通常１μm 以下の超微粒ＷＣ粉中に混ざり、
引いては、この粉末を用いて製造されるＷＣ基超硬合金
は粗粒ＷＣが破壊の起点となって破壊し易くなるため、
高々2940MPa (300kg/mm2) 程度の抗折力しか得られな
い。
混合粉砕用ボールを用いてＷＣ基超硬合金製造用原料粉
末を混合粉砕すると、混合粉砕用ボールが磨耗し、その
磨耗により生じた粉（ボール磨耗粉）がＷＣ基超硬合金
製造用原料粉末にコンタミとして混入し、超微粒のＷＣ
粉中に粗粒のＷＣ粉が混ざることになり、引いては、こ
の粉末を用いて製造されるＷＣ基超硬合金において粗粒
のＷＣが破壊の起点となり、破壊強度の低下が起こると
いう問題点がある。例えば、アトライターで上記従来の
混合粉砕用ボールを用いて３〜５時間混合粉砕をする
と、この混合粉砕用ボールの約１％が磨耗し、そのボー
ル磨耗粉即ち平均粒径：通常２〜３μm の粗粒ＷＣ粉が
平均粒径：通常１μm 以下の超微粒ＷＣ粉中に混ざり、
引いては、この粉末を用いて製造されるＷＣ基超硬合金
は粗粒ＷＣが破壊の起点となって破壊し易くなるため、
高々2940MPa (300kg/mm2) 程度の抗折力しか得られな
い。
【０００６】このような平均粒径：２〜３μm の粗粒Ｗ
Ｃ粉の混入によるＷＣ基超硬合金の抗折力の低下は、粗
粒ＷＣ粉の混入量が極く僅かであっても起こる。即ち、
平均粒径：0.7 μm の超微粒ＷＣ粉に平均粒径：2.5 μ
m の粗粒ＷＣ粉を混合させたＷＣ基超硬合金の抗折力を
調べたところ、図１に示す如き粗粒ＷＣ粉の混合量と抗
折力との関係が得られ、これからわかるように粗粒ＷＣ
粉の混入量が１％以下でも抗折力が急激に低下する。
Ｃ粉の混入によるＷＣ基超硬合金の抗折力の低下は、粗
粒ＷＣ粉の混入量が極く僅かであっても起こる。即ち、
平均粒径：0.7 μm の超微粒ＷＣ粉に平均粒径：2.5 μ
m の粗粒ＷＣ粉を混合させたＷＣ基超硬合金の抗折力を
調べたところ、図１に示す如き粗粒ＷＣ粉の混合量と抗
折力との関係が得られ、これからわかるように粗粒ＷＣ
粉の混入量が１％以下でも抗折力が急激に低下する。
【０００７】本発明は、このような事情に着目してなさ
れたものであって、その目的は従来のものがもつ以上の
ような問題点を解消し、ＷＣ基超硬合金製造用原料粉末
の混合粉砕に際し、超微粒ＷＣ粉中への粗粒ＷＣ粉の混
入が生じ難く、粗粒ＷＣ粉を含有しない超微粒のＷＣ基
超硬合金製造用原料粉末が得られ、引いては、粗粒ＷＣ
による破壊強度の低下を防止でき、ＷＣ基超硬合金の破
壊強度の向上が図れるＷＣ基超硬合金製造用原料粉末の
混合粉砕用ボール及びＷＣ基超硬合金製造用原料粉末の
混合粉砕方法を提供しようとするものである。
れたものであって、その目的は従来のものがもつ以上の
ような問題点を解消し、ＷＣ基超硬合金製造用原料粉末
の混合粉砕に際し、超微粒ＷＣ粉中への粗粒ＷＣ粉の混
入が生じ難く、粗粒ＷＣ粉を含有しない超微粒のＷＣ基
超硬合金製造用原料粉末が得られ、引いては、粗粒ＷＣ
による破壊強度の低下を防止でき、ＷＣ基超硬合金の破
壊強度の向上が図れるＷＣ基超硬合金製造用原料粉末の
混合粉砕用ボール及びＷＣ基超硬合金製造用原料粉末の
混合粉砕方法を提供しようとするものである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は次のような構成のＷＣ基超硬合金製造用原
料粉末の混合粉砕用ボール及びＷＣ基超硬合金製造用原
料粉末の混合粉砕方法としている。
に、本発明は次のような構成のＷＣ基超硬合金製造用原
料粉末の混合粉砕用ボール及びＷＣ基超硬合金製造用原
料粉末の混合粉砕方法としている。
【０００９】即ち、本発明に係るＷＣ基超硬合金製造用
原料粉末の混合粉砕用ボールは、ＷＣ基超硬合金製造用
原料粉末の混合又は混合粉砕に用いる混合粉砕用ボール
であって、ＷＣの平均粒径：0.7 μm 以下、且つＷＣの
最大粒径：2.0 μm 以下であるＷＣ基超硬合金よりなる
ことを特徴とするＷＣ基超硬合金製造用原料粉末の混合
粉砕用ボールである。
原料粉末の混合粉砕用ボールは、ＷＣ基超硬合金製造用
原料粉末の混合又は混合粉砕に用いる混合粉砕用ボール
であって、ＷＣの平均粒径：0.7 μm 以下、且つＷＣの
最大粒径：2.0 μm 以下であるＷＣ基超硬合金よりなる
ことを特徴とするＷＣ基超硬合金製造用原料粉末の混合
粉砕用ボールである。
【００１０】本発明に係るＷＣ基超硬合金製造用原料粉
末の混合粉砕方法は、ＷＣ基超硬合金製造用原料粉末を
混合粉砕用ボールにより混合又は混合粉砕するＷＣ基超
硬合金製造用原料粉末の混合粉砕方法において、前記ボ
ールとしてＷＣの平均粒径：0.7 μm 以下、且つＷＣの
最大粒径：2.0 μm 以下であるＷＣ基超硬合金よりなる
混合粉砕用ボールを用いることを特徴とするＷＣ基超硬
合金製造用原料粉末の混合粉砕方法である。
末の混合粉砕方法は、ＷＣ基超硬合金製造用原料粉末を
混合粉砕用ボールにより混合又は混合粉砕するＷＣ基超
硬合金製造用原料粉末の混合粉砕方法において、前記ボ
ールとしてＷＣの平均粒径：0.7 μm 以下、且つＷＣの
最大粒径：2.0 μm 以下であるＷＣ基超硬合金よりなる
混合粉砕用ボールを用いることを特徴とするＷＣ基超硬
合金製造用原料粉末の混合粉砕方法である。
【００１１】
【作用】本発明に係るＷＣ基超硬合金製造用原料粉末の
混合粉砕用ボールは、前記の如く、ＷＣの平均粒径：0.
7 μm 以下、且つＷＣの最大粒径：2.0 μm 以下である
ＷＣ基超硬合金よりなるので、従来の混合粉砕用ボール
に比し、ＷＣの粒径が小さくてＷＣ粒が微細であり、そ
のため硬度が高い。即ち、従来の混合粉砕用ボールはＷ
Ｃの平均粒径：通常２〜３μm 程度のＷＣ基超硬合金よ
りなるのに対し、本発明に係る混合粉砕用ボールは粒径
の小さいＷＣ基超硬合金よりなり、ＷＣ粒が微細である
ほどＷＣ基超硬合金の硬度が高いので、本発明に係る混
合粉砕用ボールは従来の混合粉砕用ボールに比し、硬度
が高い。
混合粉砕用ボールは、前記の如く、ＷＣの平均粒径：0.
7 μm 以下、且つＷＣの最大粒径：2.0 μm 以下である
ＷＣ基超硬合金よりなるので、従来の混合粉砕用ボール
に比し、ＷＣの粒径が小さくてＷＣ粒が微細であり、そ
のため硬度が高い。即ち、従来の混合粉砕用ボールはＷ
Ｃの平均粒径：通常２〜３μm 程度のＷＣ基超硬合金よ
りなるのに対し、本発明に係る混合粉砕用ボールは粒径
の小さいＷＣ基超硬合金よりなり、ＷＣ粒が微細である
ほどＷＣ基超硬合金の硬度が高いので、本発明に係る混
合粉砕用ボールは従来の混合粉砕用ボールに比し、硬度
が高い。
【００１２】本発明に係るＷＣ基超硬合金製造用原料粉
末の混合粉砕用ボールは、このように硬度が高いので、
ＷＣ基超硬合金製造用原料粉末の混合粉砕に際し、磨耗
され難く、そのためＷＣ基超硬合金製造用原料粉末への
ボール磨耗粉の混入が生じ難くなる。又、たとえボール
が磨耗してボール磨耗粉が超微粒のＷＣ基超硬合金製造
用原料粉末に混入したとしても、もとのボールのＷＣ粒
径が小さいことに起因してボール磨耗粉のＷＣ粒径も小
さく、そのため粗粒のＷＣ粉が混ざることにはならず、
混入したボール磨耗粉はＷＣ基超硬合金の破壊の起点と
ならない。
末の混合粉砕用ボールは、このように硬度が高いので、
ＷＣ基超硬合金製造用原料粉末の混合粉砕に際し、磨耗
され難く、そのためＷＣ基超硬合金製造用原料粉末への
ボール磨耗粉の混入が生じ難くなる。又、たとえボール
が磨耗してボール磨耗粉が超微粒のＷＣ基超硬合金製造
用原料粉末に混入したとしても、もとのボールのＷＣ粒
径が小さいことに起因してボール磨耗粉のＷＣ粒径も小
さく、そのため粗粒のＷＣ粉が混ざることにはならず、
混入したボール磨耗粉はＷＣ基超硬合金の破壊の起点と
ならない。
【００１３】従って、超微粒ＷＣ基超硬合金製造用原料
粉末中への粗粒ＷＣ粉の混入が生じ難く、粗粒ＷＣ粉を
含有しない超微粒のＷＣ基超硬合金製造用原料粉末が得
られ、引いては、粗粒ＷＣによる破壊強度の低下を防止
でき、ＷＣ基超硬合金の破壊強度の向上が図れる。
粉末中への粗粒ＷＣ粉の混入が生じ難く、粗粒ＷＣ粉を
含有しない超微粒のＷＣ基超硬合金製造用原料粉末が得
られ、引いては、粗粒ＷＣによる破壊強度の低下を防止
でき、ＷＣ基超硬合金の破壊強度の向上が図れる。
【００１４】本発明に係るＷＣ基超硬合金製造用原料粉
末の混合粉砕方法は、前述の如く、ＷＣ基超硬合金製造
用原料粉末を混合粉砕用ボールにより混合又は混合粉砕
するに際し、該ボールとしてＷＣの平均粒径：0.7 μm
以下、且つＷＣの最大粒径：2.0 μm 以下であるＷＣ基
超硬合金よりなる混合粉砕用ボールを用いるようにして
いる。この混合粉砕用ボールは、前記本発明に係るＷＣ
基超硬合金製造用原料粉末の混合粉砕用ボールと同様の
混合粉砕用ボールである。故に、超微粒ＷＣ基超硬合金
製造用原料粉末中への粗粒ＷＣ粉の混入が生じ難く、粗
粒ＷＣ粉を含有しない超微粒のＷＣ基超硬合金製造用原
料粉末が得られ、引いては、粗粒ＷＣによる破壊強度の
低下を防止でき、ＷＣ基超硬合金の破壊強度の向上が図
れるようになる。
末の混合粉砕方法は、前述の如く、ＷＣ基超硬合金製造
用原料粉末を混合粉砕用ボールにより混合又は混合粉砕
するに際し、該ボールとしてＷＣの平均粒径：0.7 μm
以下、且つＷＣの最大粒径：2.0 μm 以下であるＷＣ基
超硬合金よりなる混合粉砕用ボールを用いるようにして
いる。この混合粉砕用ボールは、前記本発明に係るＷＣ
基超硬合金製造用原料粉末の混合粉砕用ボールと同様の
混合粉砕用ボールである。故に、超微粒ＷＣ基超硬合金
製造用原料粉末中への粗粒ＷＣ粉の混入が生じ難く、粗
粒ＷＣ粉を含有しない超微粒のＷＣ基超硬合金製造用原
料粉末が得られ、引いては、粗粒ＷＣによる破壊強度の
低下を防止でき、ＷＣ基超硬合金の破壊強度の向上が図
れるようになる。
【００１５】本発明において、混合粉砕用ボールを構成
するＷＣ基超硬合金のＷＣの平均粒径を0.7 μm 以下、
且つＷＣの最大粒径を2.0 μm 以下としている理由を以
下説明する。
するＷＣ基超硬合金のＷＣの平均粒径を0.7 μm 以下、
且つＷＣの最大粒径を2.0 μm 以下としている理由を以
下説明する。
【００１６】ＷＣの平均粒径を0.7 μm 以下としている
のは、ＷＣの平均粒径を0.7 μm 超にすると、混合粉砕
用ボールの硬度が低くなることに起因して磨耗され易く
なるためにＷＣ基超硬合金製造用原料粉末へのボール磨
耗粉の混入が生じ易くなると共に、ボールのＷＣ粒径が
大きくなることに起因してボール磨耗粉のＷＣ粒径も大
きくなり、従って、粗粒ＷＣ粉が超微粒ＷＣ基超硬合金
製造用原料粉末に混ざることになるからであり、引いて
は、粗粒ＷＣによる破壊強度の低下が生じ、ＷＣ基超硬
合金の破壊強度の向上が図れなくなるからである。
のは、ＷＣの平均粒径を0.7 μm 超にすると、混合粉砕
用ボールの硬度が低くなることに起因して磨耗され易く
なるためにＷＣ基超硬合金製造用原料粉末へのボール磨
耗粉の混入が生じ易くなると共に、ボールのＷＣ粒径が
大きくなることに起因してボール磨耗粉のＷＣ粒径も大
きくなり、従って、粗粒ＷＣ粉が超微粒ＷＣ基超硬合金
製造用原料粉末に混ざることになるからであり、引いて
は、粗粒ＷＣによる破壊強度の低下が生じ、ＷＣ基超硬
合金の破壊強度の向上が図れなくなるからである。
【００１７】ＷＣの平均粒径を0.7 μm 以下としても、
ＷＣの中には粒径が0.7 μm より大きいものや小さなも
のがあり、これらの中で最も粒径の大きいＷＣの粒径が
ＷＣの最大粒径である。かかるＷＣの最大粒径を2.0 μ
m 以下としているのは、そうしないと（即ちＷＣの最大
粒径が2.0 μm を超えると）、粒径：2.0 μm 超の粗粒
ＷＣが混合粉砕用ボールに含まれ、ボールが磨耗した場
合に粗粒ＷＣが超微粒ＷＣ基超硬合金製造用原料粉末に
混入し、引いては、粗粒ＷＣによる破壊強度の低下が生
じ、ＷＣ基超硬合金の破壊強度の向上が図れなくなるこ
とがあるからである。
ＷＣの中には粒径が0.7 μm より大きいものや小さなも
のがあり、これらの中で最も粒径の大きいＷＣの粒径が
ＷＣの最大粒径である。かかるＷＣの最大粒径を2.0 μ
m 以下としているのは、そうしないと（即ちＷＣの最大
粒径が2.0 μm を超えると）、粒径：2.0 μm 超の粗粒
ＷＣが混合粉砕用ボールに含まれ、ボールが磨耗した場
合に粗粒ＷＣが超微粒ＷＣ基超硬合金製造用原料粉末に
混入し、引いては、粗粒ＷＣによる破壊強度の低下が生
じ、ＷＣ基超硬合金の破壊強度の向上が図れなくなるこ
とがあるからである。
【００１８】尚、本発明において、ＷＣ基超硬合金と
は、ＷＣを基本成分とする超硬合金、即ち、ＷＣ粒を基
本粒とする超硬合金であり、ＷＣ粒からなる場合もある
し、ＷＣ粒を基本粒として更にその他の粒（TiＣ粒やＶ
Ｃ粒等）を含んでなる場合もある。混合粉砕用ボールに
よる混合粉砕を行うための装置としては、限定されず、
ボールミル、アトライター等の装置を使用できる。
は、ＷＣを基本成分とする超硬合金、即ち、ＷＣ粒を基
本粒とする超硬合金であり、ＷＣ粒からなる場合もある
し、ＷＣ粒を基本粒として更にその他の粒（TiＣ粒やＶ
Ｃ粒等）を含んでなる場合もある。混合粉砕用ボールに
よる混合粉砕を行うための装置としては、限定されず、
ボールミル、アトライター等の装置を使用できる。
【００１９】
（実施例１）平均粒径：1.2 μm 、且つ最大粒径：3.0
μm のＷＣ粉末、Ｃｏ粉末、Cr3C2粉末、ＶＣ粉末（第
１原料粉末）を、アトライターを用いて、下記又は
の混合粉砕用ボールにより混合粉砕し、平均粒径：0.7
μm 且つ最大粒径：2.0 μmの混合粉砕粉末（第２原料
粉末）を得た。このとき、粉末配合量は、ＷＣ粉末：8
8.7wt％，Ｃｏ粉末：10wt％，Cr3C2 粉末：１wt％，Ｖ
Ｃ粉末:0.3wt％とした。混合粉砕時間は５時間とした。
μm のＷＣ粉末、Ｃｏ粉末、Cr3C2粉末、ＶＣ粉末（第
１原料粉末）を、アトライターを用いて、下記又は
の混合粉砕用ボールにより混合粉砕し、平均粒径：0.7
μm 且つ最大粒径：2.0 μmの混合粉砕粉末（第２原料
粉末）を得た。このとき、粉末配合量は、ＷＣ粉末：8
8.7wt％，Ｃｏ粉末：10wt％，Cr3C2 粉末：１wt％，Ｖ
Ｃ粉末:0.3wt％とした。混合粉砕時間は５時間とした。
【００２０】 平均粒径：0.7 μm 、且つ最大粒径：
2.0 μm のＷＣ粉末及びＣｏ粉末からなる混合粉末を球
形状にプレス成形した後、焼結する方法により作製され
た混合粉砕用ボール、即ち、ＷＣの平均粒径：0.7 μm
、且つＷＣの最大粒径：2.0μm であるＷＣ基超硬合金
よりなる混合粉砕用ボール（本発明の実施例に係る混合
粉砕用ボール）。 平均粒径：2.5 μm のＷＣ粉末及びＣｏ粉末からな
る混合粉末を球形状にプレス成形した後、焼結する方法
により作製された混合粉砕用ボール、即ち、市販の混合
粉砕用ボールと同等のものであり、ＷＣの平均粒径：2.
5 μm のＷＣ基超硬合金よりなる混合粉砕用ボール（比
較例に係る混合粉砕用ボール）。
2.0 μm のＷＣ粉末及びＣｏ粉末からなる混合粉末を球
形状にプレス成形した後、焼結する方法により作製され
た混合粉砕用ボール、即ち、ＷＣの平均粒径：0.7 μm
、且つＷＣの最大粒径：2.0μm であるＷＣ基超硬合金
よりなる混合粉砕用ボール（本発明の実施例に係る混合
粉砕用ボール）。 平均粒径：2.5 μm のＷＣ粉末及びＣｏ粉末からな
る混合粉末を球形状にプレス成形した後、焼結する方法
により作製された混合粉砕用ボール、即ち、市販の混合
粉砕用ボールと同等のものであり、ＷＣの平均粒径：2.
5 μm のＷＣ基超硬合金よりなる混合粉砕用ボール（比
較例に係る混合粉砕用ボール）。
【００２１】次に、前記第２原料粉末を、厚板状にプレ
ス成形した後、焼結する方法によりＷＣ基超硬合金を作
製し、このＷＣ基超硬合金について抗折試験を行った。
その結果を図２に示す。第２原料粉末として比較例に係
る混合粉砕用ボールにより混合したものを用いた場合
のＷＣ基超硬合金の抗折力は 290kg/mm2(2840MPa）であ
るのに対し、第２原料粉末として本発明の実施例に係る
混合粉砕用ボールにより混合したものを用いた場合の
ＷＣ基超硬合金の抗折力は350kg/mm2(3430MPa)であり、
抗折力が590MPaも高く、約20％向上している。
ス成形した後、焼結する方法によりＷＣ基超硬合金を作
製し、このＷＣ基超硬合金について抗折試験を行った。
その結果を図２に示す。第２原料粉末として比較例に係
る混合粉砕用ボールにより混合したものを用いた場合
のＷＣ基超硬合金の抗折力は 290kg/mm2(2840MPa）であ
るのに対し、第２原料粉末として本発明の実施例に係る
混合粉砕用ボールにより混合したものを用いた場合の
ＷＣ基超硬合金の抗折力は350kg/mm2(3430MPa)であり、
抗折力が590MPaも高く、約20％向上している。
【００２２】一方、混合粉砕用ボールの硬度を測定した
ところ、比較例に係る混合粉砕用ボールは HRA（ロッ
クウェル硬さＡスケール）:86 であるのに対し、本発明
の実施例に係る混合粉砕用ボールは HRA:91.5 であ
り、硬度が高かった。又、混合粉砕用ボールの混合使用
による摩耗量を測定したところ、比較例に係る混合粉砕
用ボールの場合は摩耗量：約１％であるのに対し、本
発明の実施例に係る混合粉砕用ボールの場合は摩耗
量：ほぼ０％であり、殆ど摩耗しておらず、耐摩耗性に
極めて優れていた。これは、本発明の実施例に係る混合
粉砕用ボールは前記の如く硬度が高いことに起因す
る。
ところ、比較例に係る混合粉砕用ボールは HRA（ロッ
クウェル硬さＡスケール）:86 であるのに対し、本発明
の実施例に係る混合粉砕用ボールは HRA:91.5 であ
り、硬度が高かった。又、混合粉砕用ボールの混合使用
による摩耗量を測定したところ、比較例に係る混合粉砕
用ボールの場合は摩耗量：約１％であるのに対し、本
発明の実施例に係る混合粉砕用ボールの場合は摩耗
量：ほぼ０％であり、殆ど摩耗しておらず、耐摩耗性に
極めて優れていた。これは、本発明の実施例に係る混合
粉砕用ボールは前記の如く硬度が高いことに起因す
る。
【００２３】（実施例２）第１原料粉末として平均粒
径：1.0 μm 且つ最大粒径：2.5 μm のＷＣ粉末、Ｃｏ
粉末、Cr3C2 粉末、ＶＣ粉末（粉末配合量は実施例１と
同様）を用い、この粉末を前記実施例に係る混合粉砕用
ボール又は比較例に係る混合粉砕用ボールにより５
時間混合粉砕し、平均粒径：0.5 μm 且つ最大粒径：1.
7 μm の第２原料粉末を得た。次に、この第２原料粉末
を用いて、実施例１と同様の方法によりＷＣ基超硬合金
を作製し、その抗折試験を行った。その結果、ＷＣ基超
硬合金の抗折力は実施例１と同様の水準にあり、本発明
の実施例に係る混合粉砕用ボールを使用した場合は、
比較例に係る混合粉砕用ボールを使用した場合に比
し、ＷＣ基超硬合金の抗折力は高く、約20％向上するこ
とが確認された。
径：1.0 μm 且つ最大粒径：2.5 μm のＷＣ粉末、Ｃｏ
粉末、Cr3C2 粉末、ＶＣ粉末（粉末配合量は実施例１と
同様）を用い、この粉末を前記実施例に係る混合粉砕用
ボール又は比較例に係る混合粉砕用ボールにより５
時間混合粉砕し、平均粒径：0.5 μm 且つ最大粒径：1.
7 μm の第２原料粉末を得た。次に、この第２原料粉末
を用いて、実施例１と同様の方法によりＷＣ基超硬合金
を作製し、その抗折試験を行った。その結果、ＷＣ基超
硬合金の抗折力は実施例１と同様の水準にあり、本発明
の実施例に係る混合粉砕用ボールを使用した場合は、
比較例に係る混合粉砕用ボールを使用した場合に比
し、ＷＣ基超硬合金の抗折力は高く、約20％向上するこ
とが確認された。
【００２４】（実施例３）前記混合粉砕用ボールに代
えて、平均粒径:0.4μm 且つ最大粒径:1.7μm のＷＣ粉
末及びＣｏ粉末からなる混合粉末を球形状にプレス成形
した後、焼結する方法により作製された混合粉砕用ボー
ル、即ち、ＷＣの平均粒径:0.4μm 且つＷＣの最大粒
径:1.7μm であるＷＣ基超硬合金よりなる混合粉砕用ボ
ール（本発明の実施例３に係る混合粉砕用ボール）を
使用した。この点を除き、実施例１と同様の方法によ
り、同様の第１原料粉末を混合粉砕し、同様の第２原料
粉末を得、同様の方法によりＷＣ基超硬合金を作製し、
抗折試験を行った。その結果、ＷＣ基超硬合金の抗折力
は実施例１と同様の水準にあり、比較例に係る混合粉砕
用ボールを使用した場合に比し、ＷＣ基超硬合金の抗
折力は高く、約20％向上することが確認された。一方、
上記混合粉砕用ボールの硬度はHRA:93.5であり、高か
った。又、混合粉砕用ボールの混合使用による摩耗量
はほぼ０％であり、殆ど摩耗していなかった。
えて、平均粒径:0.4μm 且つ最大粒径:1.7μm のＷＣ粉
末及びＣｏ粉末からなる混合粉末を球形状にプレス成形
した後、焼結する方法により作製された混合粉砕用ボー
ル、即ち、ＷＣの平均粒径:0.4μm 且つＷＣの最大粒
径:1.7μm であるＷＣ基超硬合金よりなる混合粉砕用ボ
ール（本発明の実施例３に係る混合粉砕用ボール）を
使用した。この点を除き、実施例１と同様の方法によ
り、同様の第１原料粉末を混合粉砕し、同様の第２原料
粉末を得、同様の方法によりＷＣ基超硬合金を作製し、
抗折試験を行った。その結果、ＷＣ基超硬合金の抗折力
は実施例１と同様の水準にあり、比較例に係る混合粉砕
用ボールを使用した場合に比し、ＷＣ基超硬合金の抗
折力は高く、約20％向上することが確認された。一方、
上記混合粉砕用ボールの硬度はHRA:93.5であり、高か
った。又、混合粉砕用ボールの混合使用による摩耗量
はほぼ０％であり、殆ど摩耗していなかった。
【００２５】
【発明の効果】本発明によれば、ＷＣ基超硬合金製造用
原料粉末の混合粉砕に際し、超微粒ＷＣ基超硬合金製造
用原料粉末への粗粒ＷＣ粉の混入が生じ難く、粗粒ＷＣ
粉を含有しない超微粒のＷＣ基超硬合金製造用原料粉末
が得られるようになる。引いては、粗粒ＷＣによる破壊
強度の低下が生じ難く、破壊強度に優れたＷＣ基超硬合
金が得られ、ＷＣ基超硬合金の破壊強度の向上が図れる
ようになる。
原料粉末の混合粉砕に際し、超微粒ＷＣ基超硬合金製造
用原料粉末への粗粒ＷＣ粉の混入が生じ難く、粗粒ＷＣ
粉を含有しない超微粒のＷＣ基超硬合金製造用原料粉末
が得られるようになる。引いては、粗粒ＷＣによる破壊
強度の低下が生じ難く、破壊強度に優れたＷＣ基超硬合
金が得られ、ＷＣ基超硬合金の破壊強度の向上が図れる
ようになる。
【図１】 超微粒ＷＣ粉に粗粒ＷＣ粉を混合させたＷＣ
基超硬合金についての粗粒混合分率と抗折力との関係を
示す図である。
基超硬合金についての粗粒混合分率と抗折力との関係を
示す図である。
【図２】 実施例に係るＷＣ基超硬合金製造用原料粉末
の混合に用いた混合ボールの種類（超微粒超硬ボール、
従来のボール）と、混合粉砕された粉末を焼結してなる
ＷＣ基超硬合金の抗折力との関係を示す図である。
の混合に用いた混合ボールの種類（超微粒超硬ボール、
従来のボール）と、混合粉砕された粉末を焼結してなる
ＷＣ基超硬合金の抗折力との関係を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項１】 ＷＣ基超硬合金製造用原料粉末の混合又
は混合粉砕に用いる混合粉砕用ボールであって、ＷＣの
平均粒径：0.7 μm 以下、且つＷＣの最大粒径：2.0 μ
m 以下であるＷＣ基超硬合金よりなることを特徴とする
ＷＣ基超硬合金製造用原料粉末の混合粉砕用ボール。 - 【請求項２】 ＷＣ基超硬合金製造用原料粉末を混合粉
砕用ボールにより混合又は混合粉砕するＷＣ基超硬合金
製造用原料粉末の混合粉砕方法において、前記ボールと
してＷＣの平均粒径：0.7 μm 以下、且つＷＣの最大粒
径：2.0 μm以下であるＷＣ基超硬合金よりなる混合粉
砕用ボールを用いることを特徴とするＷＣ基超硬合金製
造用原料粉末の混合粉砕方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17535494A JPH0838925A (ja) | 1994-07-27 | 1994-07-27 | Ｗｃ基超硬合金製造用原料粉末の混合粉砕用ボール及びｗｃ基超硬合金製造用原料粉末の混合粉砕方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17535494A JPH0838925A (ja) | 1994-07-27 | 1994-07-27 | Ｗｃ基超硬合金製造用原料粉末の混合粉砕用ボール及びｗｃ基超硬合金製造用原料粉末の混合粉砕方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0838925A true JPH0838925A (ja) | 1996-02-13 |
Family
ID=15994612
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP17535494A Withdrawn JPH0838925A (ja) | 1994-07-27 | 1994-07-27 | Ｗｃ基超硬合金製造用原料粉末の混合粉砕用ボール及びｗｃ基超硬合金製造用原料粉末の混合粉砕方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0838925A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006528550A (ja) * | 2003-03-11 | 2006-12-21 | プリメット・プリシジョン・マテリアルズ・インコーポレーテッド | 多炭化物材料の製造及び使用 |
-
1994
- 1994-07-27 JP JP17535494A patent/JPH0838925A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006528550A (ja) * | 2003-03-11 | 2006-12-21 | プリメット・プリシジョン・マテリアルズ・インコーポレーテッド | 多炭化物材料の製造及び使用 |
| JP4755101B2 (ja) * | 2003-03-11 | 2011-08-24 | プリメット・プリシジョン・マテリアルズ・インコーポレーテッド | 多炭化物材料を含有する粉砕媒体を使用した磨砕方法及び磨砕装置 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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