JPH0838638A - 自動消火ガス噴射器 - Google Patents

自動消火ガス噴射器

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Publication number
JPH0838638A
JPH0838638A JP19795594A JP19795594A JPH0838638A JP H0838638 A JPH0838638 A JP H0838638A JP 19795594 A JP19795594 A JP 19795594A JP 19795594 A JP19795594 A JP 19795594A JP H0838638 A JPH0838638 A JP H0838638A
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JP
Japan
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cylinder
retainer
automatic fire
injector
cylinder receiving
Prior art date
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Pending
Application number
JP19795594A
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English (en)
Inventor
Akiyoshi Onaka
秋美 大中
Kenji Ueda
健司 上田
Hiroyuki Matsumoto
浩行 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Glory Kiki Co Ltd
Original Assignee
Glory Kiki Co Ltd
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Publication date
Application filed by Glory Kiki Co Ltd filed Critical Glory Kiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動消火ガス噴射器を火元付近の壁面や天井
に設置し、ガス噴射方向を直接火元に向けることができ
るようにする。 【構成】 ボンベ受け体4に中空部5と該中空部5と連
通する貫通孔6を設け、中空部5に半径方向外方に向け
てノズル体を設ける。また、ボンベ受け体4のフランジ
部9に段部9aを設け、その段部9aに溝10を設け
る。そして、撃針17を設けた軸体12をスプリング1
8を介してボンベ受け体4に嵌挿し、リテイナー15で
係止する。また、所定温度以上でカム体20を回動させ
る形状記憶合金製バネ22を備えたリテイナー作動機構
を設ける。そして、この噴射器本体をケース31に収容
し、ノズル体8を窓43から突出させて、噴射方向が直
接火元に向くよう回動可能とする。L字状のノズル体
(L)を噴射器本体の頭部に取り付けることも可能であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、自動消火ガス噴射器に
関する。
【0002】
【従来の技術】消火器としては、例えば、ハロンガスや
二酸化炭素といった消火性ガスを液化状態で充填したボ
ンベを使用し、そのボンベの封板を打ち破って消火性ガ
スを噴出せしめるものや、ガス圧によって粉末または水
溶性の消火剤を噴出させるものなどが従来から知られて
いる。また、これら従来の消火器は、一般に手動式であ
って消火活動に手間がかかるとか、室内の機械器具や衣
類,書類等が消火剤の付着によって甚大な被害を受ける
という問題があることから、本出願人は、先に、ボンベ
内に液体状態で充填した二酸化炭素等のガスが噴射され
て気化する時に気化潜熱により超低温となることによる
冷却消火と、気化ガスの爆発的な拡大に伴い室内又は庫
内等を酸欠状態とすることによる酸欠消火との2段階消
火機能を活用して消火能力を高め、かつ、温度記憶によ
るガスの自動噴射によって消火活動のスピードアップを
実現することのできる自動消火ガス噴射器に関する出願
を行った(特願平5−71194号,実願平5−387
04号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本出願人の上記先願に
係る自動消火ガス噴射器は、火災発生の可能性のある室
内,庫内,キャビネット内等の壁面や天井に取り付けて
使用するものであるが、消火性ガスの噴射方向はボンベ
の軸方向の下方一方向に限定されるものであるため、噴
射方向が、予想される火元の方向に向くよう噴射器を設
置することが困難な場合がある。たとえば、部屋の隅に
おいたガスコンロを火元と想定して噴射器を設置する場
合に、先願に係る噴射器では、付近の壁面や天井のどの
位置に設置したとしても、そのままでは噴射されたガス
をまともに火元に当てるよう噴射方向を設定することは
できない。
【0004】本発明の目的は、ボンベ内に液体状態で充
填した二酸化炭素等のガスが噴射されて気化する時に気
化潜熱により超低温となることによる冷却消火と、気化
ガスの爆発的な拡大に伴い室内又は庫内等を酸欠状態と
することによる酸欠消火との2段階消火機能を活用して
消火能力を高め、かつ、温度記憶によるガスの自動噴射
によって消火活動のスピードアップを実現することので
きる自動消火ガス噴射器を改良し、該自動消火ガス噴射
器を予想される火元の付近の壁面や天井に設置したとき
に、消火性ガスの噴射方向を直接火元に向けることがで
き、それにより、火災消火をより迅速に、かつ、より確
実に行えるようにすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の一態様による自
動消火ガス噴射器は、噴射器本体と、該噴射器本体を収
容可能なケースとからなる自動消火ガス噴射器であっ
て、前記噴射器本体は、気化潜熱に伴う冷却消火機能と
気化拡大に伴う酸欠消火機能を備えた二酸化炭素および
窒素の少なくとも一方を含む消火性ガスを液体状態で充
填し封板にて密閉したボンベと、該ボンベの封板を打破
する撃針機構と、前記ボンベを保持すると共に前記撃針
機構を支持するボンベ受け機構と、該ボンベ受け機構か
ら突設された消火性ガス噴射用のノズル機構と、前記撃
針機構を非作動状態に保持するリテイナー機構と、形状
記憶合金製バネを利用して所定の温度で前記リテイナー
機構を解放せしめ前記撃針機構を作動させるリテイナー
作動機構とからなり、前記ケースは、取り付け板と、前
記ノズル機構を突出させ、かつ、該ノズル機構を突出さ
せた状態で前記ボンベの軸心周りに前記噴射器本体を回
動可能とする窓を形成し、前記取り付け板に開閉自在に
取り付けたカバーとから成るものである。
【0006】好ましくは、上記自動消火ガス噴射器は、
前記ボンベ受け機構が、外周に係合用の段部を有し、前
記取り付け板が、前記ボンベ受け機構の段部に係合可能
なホルダーを有し、前記カバーが、前記ボンベ受け機構
の段部を前記取り付け板のホルダーに係合させた状態で
閉じることにより、前記窓から前記ノズル機構を突出さ
せ、前記噴射器本体を回動可能に収容可能とするものと
する。
【0007】また、好ましくは、上記自動消火ガス噴射
器は、前記ボンベが、頭部の外周にネジを有し、前記ボ
ンベ受け機構が、一方の端部の内側に設けた、前記ボン
ベのネジと螺着するネジと、前記ボンベのネジと前記ボ
ンベ受け機構の一方の端部の内側に設けたネジとを螺着
することによって該ボンベの封板付き頭部を一方の端よ
り挿入せしめる中空部と、該中空部の径より若干径が小
さく該中空部に連通する、他方の端側に設けた貫通孔
と、前記中空部と前記貫通孔との接続部分に設けた段部
と、前記中空部に設けた、前記ノズル機構に連通するノ
ズル孔とを有するものとする。
【0008】また、好ましくは、上記自動消火ガス噴射
器は、前記撃針機構が、軸体と撃針とスプリングとから
なり、前記軸体が、一方の端部に形成した鍔部と、他方
の端部に形成した、Oリングを嵌挿させる第1の凹部
と、該第1の凹部から離れた先端側の位置に形成した、
リテイナーを嵌挿させる第2の凹部とから成り、前記ボ
ンベ受けの中空部に前記鍔部を形成した一方の端部が嵌
挿されると共に前記貫通孔に前記他方の端部が嵌挿され
るよう構成された軸体であって、前記撃針が、前記軸体
の一端部に突設固定した撃針であって、前記スプリング
が、前記ボンベ受け機構内に嵌挿し前記中空部内に嵌挿
した前記軸体の鍔部と前記接続部分の段部との間に通常
圧縮した状態で介在させたスプリングである。
【0009】また、好ましくは、上記自動消火ガス噴射
器は、前記リテイナー機構が、前記第2の凹部に嵌挿可
能とした一対の脚部を有する曲がり形状のリテイナー
と、該リテイナーの頭部を前記ボンベ受け機構に螺着す
るボルトとから成る。
【0010】また、好ましくは、上記自動消火ガス噴射
器は、前記リテイナー作動機構が、前記リテイナーを構
成する一対の脚部を開放可能とするよう該一対の脚部の
間に配置したカム体と、前記カム体をボンベ受け機構の
一端面に回動可能に支持するピンと、前記カム体の端部
と前記ボンベ受け機構の一端面の所定の位置との間に接
続した所定の温度で縮小する形状記憶合金製バネとから
成る。
【0011】本発明の他の態様による自動消火ガス噴射
器は、噴射器本体と、該噴射器本体を収容可能なケース
とからなる自動消火ガス噴射器であって、前記噴射器本
体は、気化潜熱に伴う冷却消火機能と気化拡大に伴う酸
欠消火機能を備えた二酸化炭素および窒素の少なくとも
一方を含む消火性ガスを液体状態で充填し封板にて密閉
したボンベと、該ボンベの封板を打破する撃針機構であ
って、軸方向の貫通孔を有する軸体と、該軸体の一端部
から突設固定され前記軸体の貫通孔と連通する軸方向の
貫通孔を有する撃針とから成る撃針機構と、該撃針機構
の軸体の貫通孔と連通するL字状のノズル機構と、前記
ボンベを保持すると共に前記撃針機構を支持するボンベ
受け機構と、前記撃針機構を非作動状態に保持するリテ
イナー機構と、形状記憶合金製バネを利用して所定の温
度で前記リテイナー機構を解放せしめ前記撃針機構を作
動させるリテイナー作動機構とからなり、前記ケース
は、取り付け板と、前記ノズル機構を突出させ、かつ、
該ノズル機構を突出させた状態で前記ボンベの軸心周り
に前記噴射器本体を回動可能とするよう窓を形成し、前
記取り付け板に開閉自在に取り付けたカバーとから成
る。
【0012】好ましくは、上記自動消火ガス噴射器は、
前記ボンベ受け機構が外周に係合用の段部を有し、前記
取り付け板が前記ボンベ受け機構の段部に係合可能なホ
ルダーを有し、前記カバーが、前記ボンベ受け機構の段
部を前記取り付け板のホルダーに係合させた状態で閉じ
ることにより前記噴射器本体を回動可能に収容可能とす
るものである。
【0013】また、好ましくは、上記自動消火ガス噴射
器は、前記ボンベが、頭部の外周にネジを有し、前記ボ
ンベ受け機構が、一方の端部の内側に設けた、前記ボン
ベのネジと螺着するネジと、前記ボンベのネジと前記ボ
ンベ受け機構の一方の端部の内側に設けたネジとを螺着
することによって該ボンベの封板付き頭部を一方の端よ
り挿入せしめる中空部と、該中空部の径より若干径が小
さく該中空部に連通する、他方の端側に設けた貫通孔
と、前記中空部と前記貫通孔との接続部分に設けた段部
とを有する。また、好ましくは、上記自動消火ガス噴射
器は、前記撃針機構の軸体が、一方の端部に形成した鍔
部と、他方の端部に形成した、Oリングを嵌挿させる第
1の凹部と、該第1の凹部から離れた先端側の位置に形
成した、リテイナーを嵌挿させる第2の凹部とから成
り、前記ボンベ受けの中空部に前記鍔部を形成した一方
の端部が嵌挿されると共に前記貫通孔に前記他方の端部
が嵌挿されるよう構成された軸体であって、前記中空部
内に嵌挿した前記軸体の鍔部と前記接続部分の段部との
間に通常圧縮した状態でスプリングを介在させたもので
ある。
【0014】また、好ましくは、上記自動消火ガス噴射
器は、前記リテイナー機構が、前記第2の凹部に嵌挿可
能とした一対の脚部を有する曲がり形状のリテイナー
と、該リテイナーの頭部を前記ボンベ受け機構に螺着す
るボルトとから成る。
【0015】また、好ましくは、上記自動消火ガス噴射
器は、前記リテイナー作動機構が、前記リテイナーを構
成する一対の脚部を開放可能とするよう該一対の脚部の
間に配置したカム体と、前記カム体をボンベ受け機構の
一端面に回動可能に支持するピンと、前記カム体の端部
と前記ボンベ受け機構の一端面の所定の位置との間に接
続した所定の温度で縮小する形状記憶合金製バネとから
成る。
【0016】また、上記自動消火ガス噴射器において、
前記ノズル機構は回転軸継手を介して前記撃針機構の軸
体に連結することができる。
【0017】
【作用】本発明の自動消火ガス噴射器は、例えば室内、
庫内、キャビネット内の壁面あるいは天井に設置する。
その際、噴射器本体を回動させ、あるいは、ノズルの向
きを調整して、ガス噴射方向を予想される火元に向かう
よう設定する。
【0018】本発明の自動消火ガス噴射器を装着した室
内に火災が発生し、所定の温度に達すると、形状記憶合
金製バネが変形して、例えばカム体を介しリテイナーを
押圧する。その際押圧されたリテイナーが例えばカム体
によって若干開かされ、さらにリテイナーによって飛出
が阻止されていた例えば撃針付きの軸体を、例えばボン
ベ受けと軸体との間に介在しているスプリングの伸張力
によって降下させる。そして、例えばこの軸体の降下に
よって撃針も下方向に急降下し、ボンベの封板を、撃針
を構成する先端部の尖状部が破断する。
【0019】このようにして、ボンベが破断されると、
ボンベに充填している消火性ガスが火元に向かって噴射
される。そして、噴出し気化したガスが超低温となるこ
とにより、冷却消火がなされ、さらに、気化ガスが爆発
的に拡大し、室内又は庫内等を酸欠状態にすることによ
り、酸欠消火がなされる。また、本発明による自動消火
ガス噴射器は、所定の温度で自動的に封板が打ち破られ
る。したがって、消火性ガスが噴射されるまでの時間が
短く、消火活動が極めてスピーディーに開始される。ま
た、本考案による消火性ガスは、室内の各種設備や重要
品、書類等を水びたしにしたり汚損するようなことがな
い。
【0020】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明による自動消
火ガス噴射器の実施例を説明する。
【0021】図1は本発明による自動消火ガス噴射器の
一実施例を示す縦断正面図、図2は同実施例の側面図、
図3は同実施例の噴射器本体の平面図、図4は同実施例
のリテイナー作動機構の作動状態を示す平面図である。
【0022】図において、Aは自動消火ガス噴射器であ
って、内部に消火性ガスとして二酸化炭素,窒素あるい
はその混合物からなるガスを液化状態で充填し、封板2
にて密閉したボンベ1を備えている。この種のガスは、
気化すると超低温(例えば−30℃〜−40℃)となる
ため、冷却消火機能があり、また、気化によって液化状
態での体積に対し爆発的(例えば500倍)に拡大する
ため、酸欠消火機能がある。酸欠消火の効果は、室内の
酸素を21%から15%程度に減少させることによって
得られるものである。ボンベ1の頭部の外周にはネジ3
が設けられている。
【0023】自動消火ガス噴射器Aは、また、上記ボン
ベ1を装着し保持するボンベ受け体4を備えている。こ
のボンベ受け体4は、一端側に中空部5を有するととも
に、他端側に上記中空部5と連通し該中空部より若干径
の小さい軸方向の貫通孔6を有する。そして、上記中空
部5には該ボンベ受け体4の半径方向外方に開口するノ
ズル孔7が設けられ、該ノズル孔7にノズル体8が挿入
固定されている。また、ボンベ受け体4には、中空部5
の開口端内側に、上記ボンベ1の頭部のネジ3と螺着す
るネジ3’が設けられている。また、ボンベ受け体4の
他端部には、先端側が大径となるよう段部9aを介して
2段階に拡大したフランジ部9が設けられ、該フランジ
部9の段部9aにはリング状の溝10が形成されてい
る。また、上記中空部5と貫通孔の接続部分は段部11
となっている。
【0024】上記ボンベ受け体4には、一端側から中空
部5および貫通孔6を貫いて軸体12が嵌挿されてい
る。この軸体12は、中空部5に嵌挿された一端部に鍔
部12aを有し、貫通孔6に嵌挿された他端部にはOリ
ング13を嵌挿させる第1の凹部14を有し、その第1
の凹部14の上方にリテイナー15の脚部15aを嵌挿
させる第2の凹部16を有している。そして、この軸体
12の一端部に中空構造の撃針17が突設されている。
軸体12にはスプリング18が嵌挿され、このスプリン
グ18を軸体12の鍔部12aと段部11との間に圧縮
状態で介在させた状態でリテイナー15の脚部15aが
軸体12の上記第2の凹部16に嵌挿される。
【0025】リテイナー15は、頭部が上記ボンベ受け
体4の頂部周縁側に螺着されたボルト19によって固定
されている。このリテイナー15は、スプリング材によ
って構成されたものであって、頭部から同方向に一対の
脚部15aが延び、これら一対の脚部15aがボルト受
け体4の頂部周縁の反対側に設置されたカム体20の一
対のカム突起20aを常時挟み込むよう配設されてい
る。この状態でリテイナー15の脚部分15aは上記軸
体12の第2の凹部16に嵌挿され、軸体12の下降を
阻止する。
【0026】上記カム体20の一対のカム突起20a
は、該カム体20が回転することによってリテイナー1
5の脚部15aを開放可能とするよう所定間隔をおいて
設けられたものであって、該カム体20は、これら一対
の両突起20a間の中心位置においてボンベ受け体4の
フランジ部9の端面にピン21により回動可能に支持さ
れている。そして、カム体20の一端に設けられた連結
部20bと、リテイナー15の頭部を固定するボルト1
9との間に、所定の温度(例えば65℃±5℃)になる
と縮小する形状記憶合金製バネ22が接続されている。
図2において、23はリテイナー15の脚部15aを非
開放状態に保持する安全ピンである。使用時にはこの安
全ピン23が外される。図3および図4は安全ピン23
を外した状態を示す。24は安全ピン23装着用の穴で
ある。
【0027】この自動消火ガス噴射器Aは、上記のよう
に構成された噴射器本体をケース31に収容したもので
ある。
【0028】ケース31は、取り付け板32と、該取り
付け板32に開閉自在に取り付けられるカバー33とか
ら成る。上記取り付け板32は、ボンベ1の側部が浅く
嵌合するようガイドレール状に形成されたもので、上部
には上記ボンベ受け体4のフランジ部9の段部9aに設
けたリング状の溝10に係合させて噴射器本体を保持す
るためのホルダー34を備え、また、一端側と他端側に
ビス固定用の一対の穴35,36が設けられている。ま
たカバー33は、平板を断面U字状に曲げた形で、一端
側が左右でワッシャー37を介してピン38により取り
付け板32に連結され、他端側から前後に開閉自在とさ
れている。そして、上記他端側において、カバー33と
取り付け板32には、カバー33を閉じた状態で整合す
るピン穴39a,39bが左右に設けられ、さらに、カ
バー33の側にはピン穴39aの位置に合わせて内側に
ワッシャー40が固定されている。カバー33を閉じた
状態で、カバー33のピン穴39aと取り付け板32の
ピン穴39bとが整合する。そして、これらピン穴39
a,39bを貫通するよう、スプリングピンにより構成
した吊り下げ用のケースフック41が嵌着される。ケー
ス31はこの状態でケースフック41により室内等の壁
面の引掛け部に吊り下げることができる。また、ケース
31は、上記一対の穴35,36を利用して壁面や天井
に任意の姿勢で固定することができる。
【0029】上記カバー33には、開閉端側に複数列の
スリット42が設けられている。また、カバー33に
は、取り付け板32に噴射器本体を装着し、そのボンベ
受け体4のフランジ部9の溝10をホルダー34に係合
させた状態で、ノズル体8を外部に突出させ、かつ、こ
のノズル体8を噴射器本体共々、ボンベ軸線に直交する
面内で180゜回動可能とするよう窓43が形成されて
いる。
【0030】上記噴射器本体が収容されたケース31
は、室内等の壁面,天井等に吊り下げ、あるいはビス固
定する。この状態で噴射器本体のノズル体8はボンベ軸
線に直交する面内で180゜回動可能である。したがっ
て、例えば部屋の隅においたガスコンロを火元と想定し
て噴射器Aを設置する場合に、噴射器Aを横向きにして
火元付近の壁面にビス固定すれば、ノズル体8の向きを
調整することによって噴射方向が直接火元に向くようで
きる。また、火元直上の天井面に噴射器Aを固定し、ノ
ズル体8を垂直下方に向けるようにしてもよい。
【0031】この自動消火ガス噴射器Aを装着した室内
に火災が発生し、所定の温度に達すると、図4に示すよ
うに形状記憶合金製バネ22が縮小し、カム体20を回
動させる。そして、カム体20が回動すると、カム突起
20aが図示のようにリテイナー15の脚部15aを開
かせる。そして、リテイナー15によって飛出が阻止さ
れていた軸体12がスプリング18の伸張力によって降
下し、この軸体12の降下によって撃針17が急降下
し、ボンベ1の封板2を撃針17の先端の尖状部が破断
する。こうしてボンベ1が開封され、ボンベ1に充填さ
れていた消火性ガスが噴出し、それがボンベ受け体4の
中空部5に入り、ノズル体8を通って外部に噴射され
る。
【0032】なお、他の実施例として、図1に仮想線
(二点鎖線)で示すように、軸体12を、内部が軸方向
に貫通する中空構造とするとともに、その外方先端部に
回転軸継手を介してL字状のノズル体Lを取り付け、ボ
ンベ1から噴出しボンベ受け体4の中空部5に入った消
火性ガスが撃針17の内部を通り、軸体12の貫通孔を
通ってノズル体Lからボンベ軸線に直交する方向へ噴射
されるよう構成することもでき、それによって、噴射方
向が直接火元に向くようノズル体の向きを調整すること
ができる。この場合、噴射器本体ごと回動させることも
できるので、ノズル体は回転軸継手を介さずに取り付け
てもよい。
【0033】また、上記実施例においては、ボンベ受け
体4のフランジ部9の段部9aにホルダー係止用の溝1
0を設けているが、この溝10を省略し、段部9aをホ
ルダー34に係止するようにしてもよい。また、噴射器
本体Aはホルダー34がなくてもケース31から脱落し
ないので、ホルダーを省略することも可能である。
【0034】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されているの
で、ボンベ内に液体状態で充填した二酸化炭素等のガス
が噴射されて気化する時に気化潜熱により超低温となる
ことによる冷却消火と、気化ガスの爆発的な拡大に伴い
室内又は庫内等を酸欠状態とすることによる酸欠消火と
の2段階消火機能を活用して消火能力が高く消火剤付着
による被害の少ない消火を迅速に行うことができ、か
つ、自動消火ガス噴射器を予想される火元の付近の壁面
や天井に設置したときに、消火性ガスの噴射方向を直接
火元に向けることができ、それにより、火災消火をより
迅速に、かつ、より確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による自動消火ガス噴射器の一実施例を
示す縦断正面図。
【図2】図1に示す実施例の側面図。
【図3】図1に示す実施例の噴射器本体の平面図。
【図4】図1に示す実施例の作動状態を示す平面図。
【符号の説明】
1 ボンベ 2 封板 3,3’ ネジ 4 ボンベ受け体 5 中空部 6 貫通孔 7 ノズル孔 8 ノズル体 9 フランジ部 9a 段部 10 溝 11 段部 12 軸体 13 Oリング 14 第1の凹部 15 リテイナー 15a 脚部 16 第2の凹部 17 撃針 18 スプリング 19 ボルト 20 カム体 22 形状記憶合金製バネ 31 ケース 32 取り付け板 33 カバー 34 ホルダー 35,36 穴 43 窓 L L字状のノズル体

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 噴射器本体と、該噴射器本体を収容可能
    なケースとからなる自動消火ガス噴射器であって、 前記噴射器本体は、 気化潜熱に伴う冷却消火機能と気化拡大に伴う酸欠消火
    機能を備えた二酸化炭素および窒素の少なくとも一方を
    含む消火性ガスを液体状態で充填し封板にて密閉したボ
    ンベと、 該ボンベの封板を打破する撃針機構と、 前記ボンベを保持すると共に前記撃針機構を支持するボ
    ンベ受け機構と、 該ボンベ受け機構から突設された消火性ガス噴射用のノ
    ズル機構と、 前記撃針機構を非作動状態に保持するリテイナー機構
    と、 形状記憶合金製バネを利用して所定の温度で前記リテイ
    ナー機構を解放せしめ前記撃針機構を作動させるリテイ
    ナー作動機構とから成り、 前記ケースは、 取り付け板と、 前記ノズル機構を突出させ、かつ、該ノズル機構を突出
    させた状態で前記ボンベの軸心周りに前記噴射器本体を
    回動可能とする窓を形成し、前記取り付け板に開閉自在
    に取り付けたカバーとから成ることを特徴とする自動消
    火ガス噴射器。
  2. 【請求項2】 前記ボンベ受け機構は外周に係合用の段
    部を有し、前記取り付け板は前記ボンベ受け機構の段部
    に係合可能なホルダーを有し、前記カバーは、前記ボン
    ベ受け機構の段部を前記取り付け板のホルダーに係合さ
    せた状態で閉じることにより、前記窓から前記ノズル機
    構を突出させ、前記噴射器本体を回動可能に収容可能と
    するものである請求項1記載の自動消火ガス噴射器。
  3. 【請求項3】 前記ボンベは、 頭部の外周にネジを有し、 前記ボンベ受け機構は、 一方の端部の内側に設けた、前記ボンベのネジと螺着す
    るネジと、 前記ボンベのネジと前記ボンベ受け機構の一方の端部の
    内側に設けたネジとを螺着することによって該ボンベの
    封板付き頭部を一方の端より挿入せしめる中空部と、 該中空部の径より若干径が小さく該中空部に連通する、
    他方の端側に設けた貫通孔と、 前記中空部と前記貫通孔との接続部分に設けた段部と、 前記中空部に設けた、前記ノズル機構に連通するノズル
    孔とを有する請求項1または2記載の自動消火ガス噴射
    器。
  4. 【請求項4】 前記撃針機構は、軸体と撃針とスプリン
    グとから成り、 前記軸体は、 一方の端部に形成した鍔部と、 他方の端部に形成した、Oリングを嵌挿させる第1の凹
    部と、 該第1の凹部から離れた先端側の位置に形成した、リテ
    イナーを嵌挿させる第2の凹部とから成り、 前記ボンベ受けの中空部に前記鍔部を形成した一方の端
    部が嵌挿されると共に前記貫通孔に前記他方の端部が嵌
    挿されるよう構成された軸体であって、 前記撃針は、 前記軸体の一端部に突設固定した撃針であって、 前記スプリングは、 前記ボンベ受け機構内に嵌挿し前記中空部内に嵌挿した
    前記軸体の鍔部と前記接続部分の段部との間に通常圧縮
    した状態で介在させたスプリングである請求項1または
    2記載の自動消火ガス噴射器。
  5. 【請求項5】 前記リテイナー機構は、 前記第2の凹部に嵌挿可能とした一対の脚部を有する曲
    がり形状のリテイナーと、 該リテイナーの頭部を前記ボンベ受け機構に螺着するボ
    ルトとから成る請求項4記載の自動消火ガス噴射器。
  6. 【請求項6】 前記リテイナー作動機構は、 前記リテイナーを構成する一対の脚部を開放可能とする
    よう該一対の脚部の間に配置したカム体と、 前記カム体をボンベ受け機構の一端面に回動可能に支持
    するピンと、 前記カム体の端部と前記ボンベ受け機構の一端面の所定
    の位置との間に接続した所定の温度で縮小する形状記憶
    合金製バネとから成る請求項5記載の自動消火ガス噴射
    器。
  7. 【請求項7】 噴射器本体と、該噴射器本体を収容可能
    なケースとから成る自動消火ガス噴射器であって、 前記噴射器本体は、 気化潜熱に伴う冷却消火機能と気化拡大に伴う酸欠消火
    機能を備えた二酸化炭素および窒素の少なくとも一方を
    含む消火性ガスを液体状態で充填し封板にて密閉したボ
    ンベと、 該ボンベの封板を打破する撃針機構であって、軸方向の
    貫通孔を有する軸体と、該軸体の一端部から突設固定さ
    れ前記軸体の貫通孔と連通する軸方向の貫通孔を有する
    撃針とから成る撃針機構と、 該撃針機構の軸体の貫通孔と連通するL字状のノズル機
    構と、 前記ボンベを保持すると共に前記撃針機構を支持するボ
    ンベ受け機構と、 前記撃針機構を非作動状態に保持するリテイナー機構
    と、 形状記憶合金製バネを利用して所定の温度で前記リテイ
    ナー機構を解放せしめ前記撃針機構を作動させるリテイ
    ナー作動機構とから成り、 前記ケースは、 取り付け板と、 前記ノズル機構を突出させ、かつ、該ノズル機構を突出
    させた状態で前記ボンベの軸心周りに前記噴射器本体を
    回動可能とするよう前記取り付け板に開閉自在に取り付
    けたカバーとから成ることを特徴とする自動消火ガス噴
    射器。
  8. 【請求項8】 前記ボンベ受け機構は外周に係合用の段
    部を有し、前記取り付け板は前記ボンベ受け機構の段部
    に係合可能なホルダーを有し、前記カバーは、前記ボン
    ベ受け機構の段部を前記取り付け板のホルダーに係合さ
    せた状態で閉じることにより前記噴射器本体を回動可能
    に収容可能とするものである請求項7記載の自動消火ガ
    ス噴射器。
  9. 【請求項9】 前記ボンベは、 頭部の外周にネジを有し、 前記ボンベ受け機構は、 一方の端部の内側に設けた、前記ボンベのネジと螺着す
    るネジと、 前記ボンベのネジと前記ボンベ受け機構の一方の端部の
    内側に設けたネジとを螺着することによって該ボンベの
    封板付き頭部を一方の端より挿入せしめる中空部と、 該中空部の径より若干径が小さく該中空部に連通する、
    他方の端側に設けた貫通孔と、 前記中空部と前記貫通孔との接続部分に設けた段部とを
    有する請求項7または8記載の自動消火ガス噴射器。
  10. 【請求項10】 前記撃針機構の軸体は、 一方の端部に形成した鍔部と、 他方の端部に形成した、Oリングを嵌挿させる第1の凹
    部と、 該第1の凹部から離れた先端側の位置に形成した、リテ
    イナーを嵌挿させる第2の凹部とから成り、 前記ボンベ受けの中空部に前記鍔部を形成した一方の端
    部が嵌挿されると共に前記貫通孔に前記他方の端部が嵌
    挿されるよう構成された軸体であって、 前記中空部内に嵌挿した前記軸体の鍔部と前記接続部分
    の段部との間に通常圧縮した状態でスプリングを介在さ
    せた請求項7または8記載の自動消火ガス噴射器。
  11. 【請求項11】 前記リテイナー機構は、 前記第2の凹部に嵌挿可能とした一対の脚部を有する曲
    がり形状のリテイナーと、 該リテイナーの頭部を前記ボンベ受け機構に螺着するボ
    ルトとから成る請求項10記載の自動消火ガス噴射器。
  12. 【請求項12】 前記リテイナー作動機構は、 前記リテイナーを構成する一対の脚部を開放可能とする
    よう該一対の脚部の間に配置したカム体と、 前記カム体をボンベ受け機構の一端面に回動可能に支持
    するピンと、 前記カム体の端部と前記ボンベ受け機構の一端面の所定
    の位置との間に接続した所定の温度で縮小する形状記憶
    合金製バネとから成る請求項11記載の自動消火ガス噴
    射器。
  13. 【請求項13】 前記ノズル機構を回転軸継手を介して
    前記撃針機構の軸体に連結した請求項7,8,9,1
    0,11または12記載の自動消火ガス噴射器。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103055454A (zh) * 2013-02-25 2013-04-24 晏子俊 一种投掷式二氧化碳干粉爆喷灭火器
CN103845830A (zh) * 2014-03-31 2014-06-11 徐鹏 一种用于汽车自燃的自动灭火装置
CN104197188A (zh) * 2014-08-25 2014-12-10 上海宇航系统工程研究所 一种形状记忆合金丝驱动喷气装置
CN111298349A (zh) * 2020-04-15 2020-06-19 安徽世纪凯旋消防科技有限公司 一种消防用二氧化碳钢瓶自动刺破装置

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