JPH0810347A - 自動消火装置 - Google Patents

自動消火装置

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JPH0810347A
JPH0810347A JP15015694A JP15015694A JPH0810347A JP H0810347 A JPH0810347 A JP H0810347A JP 15015694 A JP15015694 A JP 15015694A JP 15015694 A JP15015694 A JP 15015694A JP H0810347 A JPH0810347 A JP H0810347A
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JP
Japan
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cooling
fire
extinguishing
holder
plunger
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JP15015694A
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English (en)
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Hisayasu Takeuchi
久康 竹内
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  • Fire-Extinguishing By Fire Departments, And Fire-Extinguishing Equipment And Control Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 主として無人状態で火災または過熱状態が発
生した時、迅速に検知して自動的に消火または冷却を行
う自動消火装置を提供すること。 【構成】 不燃性の冷却兼消火用ガスを圧縮状態で貯蔵
する貯蔵部(1) と、周囲温度を検出する温度検出部B
と、温度検出部Bで検出される周囲温度が所定値以上の
時、貯蔵部(1) 内の冷却兼消火用ガスを開放して外部に
噴射させる噴射作動部Aとを有し、周囲温度が所定値以
上の時、上記冷却兼消火用ガスを噴射することにより、
火災または過熱現場の冷却と、上記火災または過熱現場
の酸素の駆逐して酸欠状態に陥らせることとの相乗作用
によって、確実に消火または火災の予防を行うもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば家電製品のキャ
ビネット内または無人の室内等に設置され、火災の発生
時、または火災に至りうる過熱状態の発生時に自動的に
消火若しくは冷却による火災の予防を行うことができる
自動消火装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般家庭または各種建築物等に設
置される消火器は、ボンベ内に粉末消火剤を内蔵し、火
災の発生時に上記粉末消火剤をホースを通して噴射する
ことにより、手動で消火活動を行うように構成したもの
が主流である。その他、テンプラ料理等の揚げ物料理を
行う際に、鍋内の油に着火した場合、上記鍋内に投入し
て用いるようにした消火剤も知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
消火器または消火剤は、人または火災警報装置が火災の
発生を検知した際に、手動で消火活動を行うものである
ので、人目に付きにくい場所や、夜間等の無人状態で火
災が発生した場合、消火活動の開始が遅れて大火災に発
展する恐れがあった。
【0004】本発明は上記問題を解消して、主として無
人状態で火災が発生した時、迅速にこれを検知して自動
的に消火を行うことが可能な自動消火装置を提供するこ
とを目的とする。また、本発明の他の目的は、例えば、
家電製品等の各種機器内等において、過熱状態から着火
及び火災に至る場合、一定温度以上の過熱状態が生じた
時点で自動的に冷却することにより、上記の着火を未然
に防止し、万一着火に至った場合もこれを迅速に消火す
ることのできる自動消火装置を提供することである。
【0005】なお本明細書において、消火とは、既に着
火している場合にこれを消し止める行為ばかりでなく、
着火に至りうる過熱状態が生じている場合に、これを冷
却して、着火または火災の発生を未然に防止する行為を
も含むものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る自動消火
装置は、上記の課題を解決するため、不燃性の冷却兼消
火用ガスを圧縮状態で貯蔵する貯蔵部と、周囲温度を検
出する温度検出部と、この温度検出部で検出される周囲
温度が所定値以上の時上記貯蔵部内の冷却兼消火用ガス
を開放して外部に噴射させる噴射作動部とを有すること
を特徴としている。
【0007】また、請求項2に係る自動消火装置は、上
記請求項1の構成において、上記噴射作動部が上記貯蔵
部の壁部を穿孔する鋭利な先端部を有する穿孔部材と、
この穿孔部材を上記貯蔵部側に付勢して穿孔させる付勢
部材とからなり、かつ上記温度検出部が上記穿孔部材と
係合し上記付勢部材の付勢力に抗して上記穿孔部材を非
穿孔位置で保持するとともに、周囲温度の上昇に伴う熱
変形により上記穿孔部材との係合を解除して上記付勢部
材による上記穿孔部材の上記貯蔵部の壁部側への付勢を
許容するプラスチック製の温度ヒューズからなり、周囲
温度が所定値以上の時上記穿孔部材により上記貯蔵部の
壁部に穿孔され、これにより上記壁部に生じた孔から上
記冷却兼消火用ガスが噴射されるものである。
【0008】請求項3の自動消火装置は、上記請求項2
の構成において、上記貯蔵部が密閉状態のボンベからな
り、このボンベにホルダが接続固定される一方、上記穿
孔部材が上記ホルダ内に非穿孔位置と穿孔位置間で移動
自在に配置されるとともに上記鋭利な先端部としてのノ
ズルを有するプランジャからなり、上記温度ヒューズが
上記ホルダに取り付けられており、穿孔時に上記ノズル
が上記ボンベを貫通し、ボンベ内の上記冷却兼消火用ガ
スが上記ノズル内の通路及びこの通路に連通して上記プ
ランジャ及びホルダにそれぞれ設けられた第1及び第2
開孔部を介して外部に噴射されることを特徴としてい
る。
【0009】
【作用】請求項1の自動消火装置によれば、周囲温度が
所定値以上になったことを上記温度検出部が検出するこ
とにより、火災の発生が検知され、これに応じて上記噴
射作動部により上記貯蔵部内の冷却兼消火用ガスが外部
に噴射される。噴射された冷却兼消火用ガスは、例え
ば、数百倍程度の容積まで急激に膨張することにより、
周囲の熱を奪って周囲温度を低下させるとともに、上記
冷却兼消火用ガスの急激な膨張、拡散に伴って火災現場
の空気中の酸素を駆逐し、火災現場をいわゆる酸欠状態
に陥らせることにより、確実に消火を行うものである。
【0010】また、過熱状態が生じているのみで、未だ
着火していない場合でも、上記過熱状態を生じている部
位を冷却することにより、着火及び火災の発生を未然に
防止することができる。そして、本発明装置は従来の消
火剤または水を用いる消火方法とは異なり、冷却兼消火
用ガスの急激な膨張に伴う、周囲温度の低下と、火災ま
たは過熱現場の酸素を駆逐して酸欠状態に陥らせること
との相乗効果により、確実に消火または火災の予防を達
成できるものである。
【0011】本発明によれば、火災または過熱状態の検
知のみでなく、不燃性の冷却兼消火用ガスの噴射による
消火または冷却活動までも自動化したので、無人の部屋
または建築物等で発生しうる火災にも、初期段階で対応
して、大火災に発展する以前に確実に消火できるもので
ある。更に、冷却兼消火用ガスの噴射により消火または
冷却を行う形式であるから、従来の消火器や散水方式の
ように、散布された消火剤や水が火災または過熱現場に
残存することもない。従って、消火または冷却後、上記
冷却兼消火用ガスが大気中に拡散、希釈されるのを待機
する以外に、後始末は特に不要である。しかも火災また
は過熱現場が消火剤や水に浸されることがないので、火
災または過熱の原因究明も容易に行えるものである。
【0012】請求項2の自動消火装置によれば、周囲温
度の上昇に伴って、上記温度検出部としてのプラスチッ
ク製の温度ヒューズが軟化し、その結果、上記付勢部材
の付勢力により上記温度ヒューズに変形が生じる。これ
により、上記温度ヒューズと上記穿孔部材との係合が外
れて、上記穿孔部材が上記付勢部材の付勢力により上記
貯蔵部側に移動し、貯蔵部の壁部に衝突する。そして、
上記穿孔部材により上記壁部に穿孔され、この壁部に生
じた孔から上記冷却兼消火用ガスが外部に噴射される。
【0013】その場合、上記温度ヒューズを構成するプ
ラスチックの種類を選択することにより、冷却兼消火用
ガスの噴射を開始する温度は、例えば数10℃乃至百数
10℃程度の範囲内で適宜設定できる。また万一、設定
温度で上記温度ヒューズと上記穿孔部材との係合が外れ
ずに冷却兼消火用ガスの噴射が開始されなかった場合
も、更なる周囲温度の上昇に伴って上記プラスチック製
の温度ヒューズが溶解状態となることにより、上記温度
ヒューズと上記穿孔部材との係合が外れて上記付勢部材
による穿孔部材の穿孔位置への付勢が可能になるので、
多少の遅延は生じても冷却兼消火用ガスは確実に噴射さ
れ、従って消火活動は確実に行われる。
【0014】上記のように温度検出部をプラスチック製
の温度ヒューズから構成するとともに、上記穿孔部材に
より上記貯蔵部の壁部に穿孔して冷却兼消火用ガスを噴
射させる形式を取れば、本自動消火装置を全体として極
めて安価に製造できる利点がある。
【0015】請求項3の構成では、周囲温度が所定値以
上の時、上記温度ヒューズが変形することにより、上記
ホルダ内のプランジャが上記付勢部材の付勢力により上
記ボンベの壁部側に移動し、プランジャ先端の上記ノズ
ルが上記壁部を貫通する。これにより、ボンベ内の上記
冷却兼消火用ガスが、上記ノズル内の通路及び、これに
連通する上記プランジャの第1開孔部並びに上記ホルダ
の第2開孔部を介して外部に噴射される。
【0016】なお、上記冷却兼消火用ガスとして圧縮液
化した炭酸ガスまたは窒素系ガスを上記貯蔵部内に貯え
て置くようにすれば、火災または過熱状態の発生に伴う
噴射時には、液状炭酸ガスまたは液状窒素系ガスの気化
熱により、充分な冷却効果が発揮され、火災または過熱
現場の温度を急激に低下させることができる。また、炭
酸ガス若しくは窒素系ガスは比較的安価であるから、こ
れらを冷却兼消火用ガスとして用いることにより、本自
動消火装置を安価に構成できる。
【0017】また本自動消火装置を、周囲を仕切られ
て、ほぼ密閉された限定空間内に設置して使用するよう
にすれば、消火時に上記冷却兼消火用ガスが上記限定空
間外に漏洩することが殆どなく、上記冷却兼消火用ガス
による消火機能を最大限に発揮させることができる。
【0018】なお上記限定空間は、例えばテレビジョン
等の各種家電製品のキャビネットや自動車のエンジンル
ーム等の他、主として無人の各種の室、すなわち、一般
家庭やオフィスビル等の各種建築物内の各部屋、各種倉
庫及び保管庫、書庫並びに自動車の車室等であって無人
状態のものを含むものである。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。本実施例の自動消火装置は、ほぼ密閉された限定
空間であるテレビジョンのキャビネット(図示せず)内
に設置されるものである。図1及び図2に示すように、
本自動消火装置は貯蔵部としての、ほぼ中空円筒状で鋼
鉄製のボンベ1を備え、ボンベ1内には炭酸ガスまたは
窒素系ガス等からなる、不燃性の冷却兼消火用ガスが、
例えば1/500程度の容積に圧縮されて液化状態で貯
蔵されている。
【0020】ボンベ1の図1中上端部は小径で円筒状の
接続部2を成し、接続部2の上端部には壁部2aが設け
られて、ボンベ1が密閉されている。壁部2aは、後述
するノズル5aによる被穿孔部位となるので、肉厚が比
較的薄く、例えば0.3mm程度に設定されている。ま
た、ボンベ1の壁部2a以外の部位の肉厚は、例えば2
mm程度に設定されている。上記接続部2の外周には、
雄ねじ2bが形成されている。そして、円筒状で鋼鉄製
のホルダ3は、その内周の雌ねじ3aが上記雄ねじ2b
に螺合することにより、ボンベ1の接続部2に分離可能
に接続されている。
【0021】ホルダ3上部の小径内周3bには、Oリン
グ4を介して、穿孔部材としての金属製のプランジャ5
が摺動自在に嵌合し、図3にも示すように、上記プラン
ジャ5の下端部には、鋭利な先端部である、ほぼ円錐状
のノズル5aが設けられている。このノズル5a内に
は、図1に示すように、軸方向通路5b(通路)が設け
られ、軸方向通路5bの上端は、プランジャ5内に設け
た直径方向の貫通孔5c(第1開孔部)に連通してい
る。この貫通孔5cは、図1における水平断面内で、互
いに直交する2方向に十字を成すように形成されてい
る。
【0022】上記ホルダ3の上記小径内周3bと、この
小径内周3bより下方に位置する大径内周3c間に設け
られた段部と、プランジャ5の下端近傍の大径部5d間
には、付勢部材としてのコイルばね6が縮装され、プラ
ンジャ5はコイルばね6により図中下方に付勢されてい
る。上記プランジャ5とコイルばね6とは、噴射作動部
Aを構成する。
【0023】そして、図5に示すように、プランジャ5
がコイルばね6の付勢力により図中下方に移動すると、
ノズル5aが上記接続部2の上端の薄肉の壁部2aを衝
き破ることにより上記壁部2aに穿孔されて孔2c(図
6参照)が設けられ、ボンベ1内の冷却兼消火用ガスが
ノズル5a内の軸方向通路5b、上記十字状の貫通孔5
c及び、貫通孔5cに対向させてホルダ3に設けられた
4個の噴射孔3d(第2開孔部)を介して外部に噴射さ
れるようになっている。
【0024】ホルダ3の図1中上端部には、大径のフラ
ンジ3eが設けられ、フランジ3eの上面には、図4に
も示すような、プラスチック板からなる温度ヒューズ7
(温度検出部B)がビス8により取り付けられている。
上記温度ヒューズ7は、具体的には、例えばABS樹脂
(アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹
脂)から形成される。上記の取付状態で、温度ヒューズ
7に設けられた円弧状の切欠7aが、プランジャ5の上
端部に設けられた係合用凸部5eに係合して、プランジ
ャ5がコイルばね6の付勢力に抗して、図1の非穿孔位
置で保持されている。
【0025】上記の構成において、本自動消火装置を内
蔵したテレビジョンのキャビネット内のプリント基板等
で何らかの異常が発生し、一定温度以上の過熱状態とな
ると、上記キャビネット内の雰囲気温度の上昇に伴って
軟化した温度ヒューズ7の切欠7aの近傍部位が、コイ
ルばね6の付勢力により図1の下方に変形する。その結
果、温度ヒューズ7と係合用凸部5eとの係合が外れ
て、図5に示すように、プランジャ5がコイルばね6の
付勢力により下方に移動し、図6に示すように、鋭利な
先端を有するノズル5aが接続部2の壁部2aを貫通し
て孔2cを形成しながらボンベ1内に侵入する。
【0026】これに伴って、ボンベ1内の液状の上記冷
却兼消火用ガスが、気化しながらノズル5a内の軸方向
通路5b、貫通孔5c及びホルダ3の噴射孔3dを通し
て外部に噴射される。この冷却兼消火用ガスは気化熱に
より上記キャビネット内の雰囲気温度を急激に低下させ
ながら、約500倍程度の容積まで急激に膨張、拡散す
るので、上記キャビネット内が急激に冷却されて、着火
が未然に防止される。また、万一着火している場合で
も、上記キャビネット内の雰囲気温度の低下と、上記冷
却兼消火用ガスの急激な膨張、拡大に伴う上記雰囲気内
の酸素の駆逐との相乗効果により、確実に消火される。
その結果、上記テレビジョンが置かれている部屋または
建物自体の火災も未然に防止される。なお、上記冷却兼
消火用ガスの噴射後、ボンベ1は廃棄または再生処理に
付され、温度ヒューズ7は新しいものと交換されるが、
ホルダ3及びプランジャ5等、その他の部材は、そのま
ま再利用が可能である。
【0027】上記温度ヒューズ7として、上記ABS樹
脂を使用した場合、約100℃前後で温度ヒューズ7の
変形が生じ、コイルばね6の付勢力により上記ノズル5
aが上記壁部2aに穿孔し、冷却兼消火用ガスの噴射が
行われる。この冷却兼消火用ガスの噴射開始温度は、温
度ヒューズ7を構成するプラスチックの種類を選択する
ことにより、適宜変更できる。上記ABS樹脂に代えて
使用可能なプラスチックとしては、例えば塩化ビニル樹
脂やナイロン(商品名)等がある。
【0028】また、温度検出部として温度ヒューズ7を
用いた場合、万一、設定温度で上記温度ヒューズ7の変
形が生じない場合、若しくは変形が生じても温度ヒュー
ズ7とプランジャ5の係合が外れない場合でも、更なる
雰囲気温度の上昇に伴って、プラスチック製の温度ヒュ
ーズ7が溶解状態となった段階で、温度ヒューズ7とプ
ランジャ5との係合が外れて、コイルばね6によるプラ
ンジャ5の接続部2側への付勢が可能となるので、多少
の遅延はあっても冷却兼消火用ガスの噴射は確実に行わ
れる。その結果、上記キャビネット内での過熱に基づく
火災の発生は未然に防止されるか、初期段階で確実に消
し止められるようになる。
【0029】次に図7に基づいて本発明の第2実施例を
説明する。ここでは、ホルダ及びプランジャをそれぞれ
2分割体として構成している。すなわち、ボンベ1の接
続部2外周の雄ねじ2bに第1ホルダ11の内周の雌ね
じ11aが螺合することにより、第1ホルダ11がボン
ベ1に分離可能に接続されている。第1ホルダ11の上
方には第2ホルダ12が、第1及び第2ホルダ11、1
2の対応位置に設けた雄ねじ11bと雌ねじ12aを螺
合させることにより、分離可能に接続されている。
【0030】第1ホルダ11の内周には、Oリング13
を介して第1プランジャ14が軸方向摺動自在に嵌合
し、その下端の、斜め方向に裁断された、鋭利な先端部
であるノズル14aが接続部2の薄肉の壁部2aに軽く
当接するとともに、第1プランジャ14の上端が第2ホ
ルダ12の段部12bに当接して、軸方向に位置決めさ
れている。なお、この状態で上記壁部2aには未だ穿孔
されていない。
【0031】第1プランジャ14の上方において、第2
ホルダ12内周に第2プランジャ15が軸方向摺動自在
に嵌合し、その下端の大径部15aと第2ホルダ12の
段部間12cに縮装されたコイルばね6により下方、つ
まり第1プランジャ14側に付勢されている。第1、第
2プランジャ14、15及びコイルばね6は噴射作動部
Aを構成する。第2ホルダ12の上端に設けたフランジ
12dには、ビス8により、プラスチック製の温度ヒュ
ーズ7(図4参照)が固定され、その切欠7aが第2プ
ランジャ15上端の係合用凸部15bに係合することに
より、コイルばね6の付勢力に抗して、第2プランジャ
15が第1プランジャ14と所定の間隔を隔てた位置に
保持されている。
【0032】上記ノズル14a内には、軸方向通路14
bが設けられ、軸方向通路14bの上端は、第1プラン
ジャ14内にその直径方向に貫通するように設けられた
貫通孔14cに連通されている。また、第1ホルダ11
における上記貫通孔14cより若干下方位置には、貫通
孔14cの各開孔部に対応させて噴射孔11cが形成さ
れている。
【0033】上記構成において、周囲温度が所定値以上
となると、温度ヒューズ7の切欠7a近傍がコイルばね
6の付勢力により図7中下方に変形し、温度ヒューズ7
の切欠7aと第2プランジャ15の係合用凸部15bと
の係合が外れる。これにより、コイルばね6の付勢力に
よって第2プランジャ15が第1プランジャ14側に移
動して第1プランジャ14に衝突し、第1プランジャ1
4を伴って更に図7中下方に移動する。その結果、ノズ
ル14aによって上記薄肉の壁部2aに穿孔され、これ
に伴ってボンベ1内の冷却兼消火用ガスが上記軸方向通
路14b、貫通孔14c及び噴射孔11cを通して噴射
される。
【0034】そして、この第2実施例では、上記冷却兼
消火用ガスの噴射後に温度ヒューズ7の交換を行う際、
第2ホルダ12を第1ホルダ11から分離し、この第2
ホルダ12内で、図7中下端の大径部15a側から第2
プランジャ15をコイルばね6の付勢力に抗して、指等
で押し上げながら、ビス8により温度ヒューズ7の固定
作業を行うことができる。この場合、第2プランジャ1
5には、鋭利な先端を有するノズル14aが設けられて
おらず、第2プランジャ15を指等で押し上げる際にも
危険が伴なわないので、一般家庭等でも安全かつ簡単に
温度ヒューズ7の交換が行える利点がある。
【0035】本自動消火装置は、テレビジョン以外の各
種家電製品のキャビネット内等に設置したり、各種車両
のエンジンルーム内等に設置して使用することもでき
る。また、本自動消火装置は、一般家庭やオフィスビル
等の各種建築物内の各部屋内、各種保管庫内、倉庫内、
書庫内並びに各種車両の車室内等、主として無人の各種
室内に設置して使用することが可能である。
【0036】そして、本自動消火装置を無人の室内に設
置しておけば、夜間等の無人の際に万一火災または過熱
状態が発生しても、初期段階で確実に消火または冷却が
行われ、火災による被害を最小限に抑制するか、若しく
は火災の発生を未然に防止できる。また、無人の室内で
の自動による消火活動であるので、上記冷却兼消火用ガ
スの急激な膨張、拡散によって、人が呼吸困難に陥る
等、人体に悪影響が及ぼされることもない。なお、各種
室内に設置される自動消火装置は、基本的には図1また
は図7に示したものと同様に構成できるが、部屋の容積
に応じてボンベ1の容量を変更すれば良い。
【0037】また、本自動消火装置を各種室内で使用す
る場合、有人の際に誤動作等により上記冷却兼消火用ガ
スが噴射されることを防止するため、有人の際に本自動
消火装置の作動を禁止する作動禁止部材を設けて置くこ
とができる。
【0038】例えば、図2に示すホルダ3のフランジ3
eの図中上面における温度ヒューズ7と相対向する位置
に、金属等の強度が高く、かつ熱変形の生じにくい材料
からなる、図示しない作動禁止板をプランジャ5の係合
用凸部5eに係合及び離脱可能となるように設け、有人
の際は上記作動禁止板を係合用凸部5eに係合させて冷
却兼消火用ガスの噴射を禁止するとともに、無人の際は
上記作動禁止板を係合用凸部5eから離脱させることに
より、万一の火災または過熱状態の発生時に冷却兼消火
用ガスの噴射を可能とするように構成することができ
る。
【0039】上記実施例では、ノズル5a内の軸方向通
路5bを通して上記冷却兼消火用ガスの噴射を行うよう
にしたが、軸方向通路5bを有するノズル5aを使用せ
ずに、適宜の穿孔部材によって上記壁部2aに明けられ
た孔2cから直接上記冷却兼消火用ガスを漏洩させて、
これが外部に噴射されるように構成しても良い。
【0040】また、上述のように、ボンベ1の壁部の一
部に穿孔することにより、上記冷却兼消火用ガスの噴射
を行わせる方式以外に、上記温度検出部Bとして熱電対
等の感熱素子を使用するとともに、上記噴射作動部Aと
して電磁弁等を用い、上記熱電対等により周囲温度が所
定値に達したことを検出した時点で、上記電磁弁等によ
り上記冷却兼消火用ガスの噴射を行わせるように構成す
ることも可能である。なお、この場合も、室内に設置す
る場合は、有人の際、上記冷却兼消火用ガスの噴射を禁
止できるように構成することが好ましい。
【0041】本自動消火装置を室内の消火に使用する場
合、上記貯蔵部としてボンベ1を使用する代わりに、貯
蔵部を壁、床または天井内に埋込み式で設けて置いた
り、オフィスビル等の大規模建築物においては、温度検
出部及び上記冷却兼消火用ガスの噴射口のみを各部屋毎
に設けておき、万一の火災または過熱状態の発生時に
は、中央の貯蔵部から配管を通して各部屋に上記冷却兼
消火用ガスを供給するように構成することもできる。な
お、本消火ガス自動噴射装置に警報装置を付設し、上記
冷却兼消火用ガスの噴射開始と同時に警報音等で火災ま
たは過熱状態の発生及び消火活動を行っていることを報
知するように構成することも有益である。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る自動
消火装置は、周囲温度が所定値以上であることを上記温
度検出部が検出した時、上記貯蔵部内の冷却兼消火用ガ
スが、上記噴射作動部によって自動的に外部に噴射さ
れ、これが急激に膨張することにより周囲温度が低下さ
れるとともに、上記冷却兼消火用ガスの急激な膨張、拡
散に伴って火災または過熱現場の酸素が駆逐され、火災
または過熱現場がいわゆる酸欠状態に陥ることにより、
確実に消火または冷却が行われるものである。
【0043】このように本発明では、火災または過熱状
態の検知のみでなく、冷却兼消火用ガスの噴射による消
火活動までも自動化したので、無人の部屋または建築物
等で発生しうる火災にも、初期段階で対応して、大火災
に発展する以前に確実に消火できる。また、冷却兼消火
用ガスの噴射により消火または冷却を行う形式であるか
ら、従来の消火器や散水方式のように、散布された消火
剤や水が火災または過熱現場に残存することもない。従
って、消火または冷却後、上記冷却兼消火用ガスが大気
中に拡散、希釈されるのを待機する以外に、後始末は特
に不要である。しかも、火災現場が消火剤や水に浸され
ることがないので、火災または過熱の原因究明も容易に
行える。
【0044】上記噴射作動部を上記貯蔵部(例えば、ボ
ンベ)の壁部を穿孔する鋭利な先端部(例えば、先端が
鋭利な形状とされたノズル)を有する穿孔部材(例えば
プランジャ)と、この穿孔部材を上記貯蔵部側に付勢し
て穿孔させる付勢部材(例えば、コイルばね)とから構
成し、かつ上記温度検出部を上記付勢部材の付勢力に抗
して上記穿孔部材を非穿孔位置で保持するとともに、周
囲温度の上昇に伴う熱変形により上記付勢部材による上
記穿孔部材の上記貯蔵部の壁部側への付勢を許容するプ
ラスチック製の温度ヒューズから構成すれば、周囲温度
が所定値以上となった時に、上記穿孔部材により上記貯
蔵部の壁部に穿孔され、この壁部の孔から上記冷却兼消
火用ガスが外部に噴射されるものであるが、この場合、
上記温度ヒューズを形成するプラスチックの種類を選択
することにより、冷却兼消火用ガスの噴射を開始する温
度は、例えば数10℃乃至百数10℃程度の範囲内で適
宜設定できる。
【0045】また万一、設定温度で冷却兼消火用ガスの
噴射が開始されなかった際にも、更なる周囲温度の上昇
に伴って上記プラスチック製の温度ヒューズが溶解状態
となることにより、上記温度ヒューズと上記穿孔部材と
の係合が外れて上記付勢部材による上記穿孔部材の穿孔
位置への付勢が可能になるので、多少の遅延は生じても
冷却兼消火用ガスの噴射が確実に行われる。その結果、
火災の発生が未然に防止されるか、万一着火していても
確実に消火が行われるものである。
【0046】上記のように温度検出部を上記プラスチッ
ク製の温度ヒューズから構成するとともに、上記穿孔部
材により上記貯蔵部の壁部に穿孔して冷却兼消火用ガス
を噴射させる形式を取れば、本自動消火装置を全体とし
て極めて安価に製造できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る自動消火装置を示す
一部縦断面正面図。
【図2】上記自動消火装置の斜視図。
【図3】上記自動消火装置中のプランジャの斜視図。
【図4】上記自動消火装置中の温度ヒューズの斜視図。
【図5】上記自動消火装置の冷却兼消火用ガスの噴射時
を示す一部縦断面正面図。
【図6】図5の要部拡大縦断面図。
【図7】本発明の他の実施例に係る自動消火装置の一部
縦断面正面図。
【符号の説明】
A 噴射作動部 B 温度検出部 1 ボンベ(貯蔵部) 2a 壁部 2c 孔 3 ホルダ 3d 噴射孔(第2開孔部) 5 プランジャ(穿孔部材) 5a ノズル(鋭利な先端部) 5b 軸方向通路(通路) 5c 貫通孔(第1開孔部) 6 コイルばね(付勢部材) 7 温度ヒューズ 11、12 第1、第2ホルダ 11c 噴射孔(第2開孔部) 14、15 第1、第2プランジャ(穿孔部材) 14a ノズル(鋭利な先端部) 14b 軸方向通路(通路) 14c 貫通孔(第1開孔部)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不燃性の冷却兼消火用ガスを圧縮状態で
    貯蔵する貯蔵部と、周囲温度を検出する温度検出部と、
    この温度検出部で検出される周囲温度が所定値以上の時
    上記貯蔵部内の冷却兼消火用ガスを開放して外部に噴射
    させる噴射作動部とを有することを特徴とする自動消火
    装置。
  2. 【請求項2】 上記噴射作動部が上記貯蔵部の壁部を穿
    孔する鋭利な先端部を有する穿孔部材と、この穿孔部材
    を上記貯蔵部側に付勢して穿孔させる付勢部材とからな
    り、かつ上記温度検出部が上記穿孔部材に係合し上記付
    勢部材の付勢力に抗して上記穿孔部材を非穿孔位置で保
    持するとともに、周囲温度の上昇に伴う熱変形により上
    記穿孔部材との係合を解除して上記付勢部材による上記
    穿孔部材の上記貯蔵部の壁部側への付勢を許容するプラ
    スチック製の温度ヒューズからなり、周囲温度が所定値
    以上の時上記穿孔部材により上記貯蔵部の壁部に穿孔さ
    れ、これにより上記壁部に生じた孔から上記冷却兼消火
    用ガスが噴射されるものである請求項1記載の自動消火
    装置。
  3. 【請求項3】 上記貯蔵部が密閉状のボンベからなり、
    このボンベにホルダが接続固定される一方、上記穿孔部
    材が上記ホルダ内に非穿孔位置と穿孔位置間で移動自在
    に配置されるとともに上記鋭利な先端部としてのノズル
    を有するプランジャからなり、上記温度ヒューズが上記
    ホルダに取り付けられており、穿孔時に上記ノズルが上
    記ボンベを貫通し、ボンベ内の上記冷却兼消火用ガスが
    上記ノズル内の通路及びこの通路に連通させて上記プラ
    ンジャ及びホルダにそれぞれ設けられた第1及び第2開
    孔部を介して外部に噴射されるものである請求項2記載
    の自動消火装置。
JP15015694A 1994-06-30 1994-06-30 自動消火装置 Pending JPH0810347A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011101742A (ja) * 2009-11-11 2011-05-26 Mitsubishi Electric Corp 電子・電気機器用筐体
JP2015519090A (ja) * 2012-03-30 2015-07-09 サンパワー コーポレイション アクティブ防火用ウインドデフレクタ
WO2019165080A1 (en) * 2018-02-21 2019-08-29 Critchley Jacob Alan Graham Utility and appliance fire suppression system, compositions, and methods
JP2021512695A (ja) * 2018-02-13 2021-05-20 マンソク クァク 自動消火装置

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