JPH0836737A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH0836737A
JPH0836737A JP17078394A JP17078394A JPH0836737A JP H0836737 A JPH0836737 A JP H0836737A JP 17078394 A JP17078394 A JP 17078394A JP 17078394 A JP17078394 A JP 17078394A JP H0836737 A JPH0836737 A JP H0836737A
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resin
cellulose
magnetic
back coat
binder
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JP17078394A
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Taro Omura
太郎 大村
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた性能を発揮できるバックコート層を有
し、走行安定性、走行安定性の一層の向上を図ることが
できる磁気記録媒体を提供する。 【構成】 磁性相が形成された非磁性支持体の背面に、
結合剤としてセルロース樹脂とポリエステルポリウレタ
ン樹脂の混合物が用いられたバックコート層を形成する
に際し、上記ポリエステルポリウレタン樹脂中のウレタ
ン基濃度が2.5mmol/g以上とされると同時に、
上記セルロース樹脂がエチルセルロース樹脂、酢酸セル
ロース、セルロースアセテートブチレート又はセルロー
スアセテートプロピオネートのうち少なくとも1種から
選ばれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、所謂塗布型の磁気記録
媒体に関し、特にバックコート層を構成してなる結合剤
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体、特にオーディオテープや
ビデオテープ、カートリッジ用磁気テープにおいては、
走行安定性、テープ間の摩擦抵抗の低減或いは帯電性の
改良等を目的として、上記非磁性支持体の磁性層形成面
の背面にバックコート層を設けている。
【0003】上記バックコート層は、主として無機顔料
等の固体粒子と結合剤から構成される。このバックコー
ト層に用いられる結合剤としては、種々の熱可塑性樹脂
或いは熱硬化性樹脂が使用されている。
【0004】例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合
体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体等の塩化ビニ
ル系樹脂や、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリエス
テルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン
樹脂等のポリウレタン系樹脂、アクリロニトリル−ブタ
ジエン共重合体、ニトロセルロース樹脂、エポキシ樹
脂、アクリル樹脂等が単独又は複数組み合わせて使用さ
れている。
【0005】これら樹脂においては、必要とされる物理
的特性を達成できるように、2種類以上組み合わせて使
用されることが多い。例えば、これら樹脂のうち、分散
性、強靱性、耐摩耗性に優れた剛性の低い(ガラス転移
温度の低い)ポリエステルポリウレタン樹脂と、形成さ
れるバックコート層に塗膜強度を賦与する剛性の高い
(ガラス転移温度の高い)ポリ塩化ビニル系樹脂或いは
ニトロセルロース等のセルロース樹脂とが組み合わせて
使用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、近年上記塗
布型の磁気記録媒体においては、走行安定性、走行耐久
性の一層の向上が求められており、上述のようにバック
コート層の結合剤としてニトロセルロース或いは塩化ビ
ニル系樹脂を使用した場合には、満足できる特性が未だ
得られず、また地球環境の面からも好ましくない。
【0007】この問題に対して、エチルセルロース、酢
酸セルロース、セルロースアセテートブチレート、セル
ロースアセテートプロピオート等のセルロース樹脂とポ
リエステルポリウレタン樹脂を組み合わせて使用する方
法が期待されるようになっている。
【0008】上記セルロース樹脂は、塗膜強度、分散
性、電磁変換特性及び環境保護の点では結合剤樹脂とし
て極めて優れており、良好な性能を有するバックコート
層を形成することができる。
【0009】しかしながら、このようなセルロース樹脂
は、ガラス転移点が比較的高いために、磁気記録媒体の
使用環境下においては硬く脆いので、単独での使用は困
難である。また、他の結合剤樹脂と複合使用する場合、
例えばポリエステルポリウレタン樹脂等とは相溶性が悪
く、分散性、走行耐久性が不十分となる。
【0010】従って、磁気記録媒体のバックコート層に
おいては、走行安定性、耐久性及び環境保護の点から適
当な結合剤樹脂の開発が望まれている。
【0011】そこで、本発明はこのような実情に鑑みて
提案されたものであって、優れた性能を発揮できるバッ
クコート層を有し、走行安定性、耐久性の一層の向上を
図ることができる磁気記録媒体を提供することを目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の目
的を達成せんものと鋭意研究の結果、バックコート層の
結合剤としてポリエステルポリウレタン樹脂とセルロー
ス樹脂を組み合わせて使用する場合において、上記ポリ
エステルポリウレタン樹脂中のウレタン基濃度を規定す
るとともに、上記セルロース樹脂の種類を選択すること
により、両者の相溶性が改善され、良好な特性を有する
バックコート塗料用結合剤を得ることができることを見
出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0013】即ち、本発明は、非磁性支持体の磁性層形
成面の背面に、セルロース樹脂とポリエステルポリウレ
タン樹脂を含有するバックコート層が設けられてなる磁
気記録媒体において、上記ポリエステルポリウレタン樹
脂中のウレタン基濃度が2.5mmol/g以上である
とともに、上記セルロース樹脂がエチルセルロース樹
脂、酢酸セルロース、セルロースアセテートブチレート
又はセルロースアセテートプロピオネートのうち少なく
とも1種であることを特徴とするものである。
【0014】本発明の磁気記録媒体は、基本的に非磁性
支持体上に単数または複数の磁性層が積層形成されてな
り、この磁性層が形成された面と反対側の上記非磁性支
持体上に無機顔料等の固体粒子と結合剤とを主体とする
バックコート層が形成されてなる構成を有するものであ
る。
【0015】上記磁性層と上記非磁性支持体の間には、
いわゆる下塗り層としての中間層が設けられた構成とさ
れても良い。
【0016】上記バックコート層は、磁気記録媒体の走
行性の向上や帯電防止および転写防止などを目的として
設けられるものであり、例えば無機顔料等の固体粒子を
結合剤中に分散させ、該結合剤の種類に応じて選定され
た有機溶剤とともに混練して調製されたバックコート用
塗料を上記非磁性支持体の背面に塗布することにより形
成されるものである。
【0017】上記固体粒子としては、帯電防止効果、潤
滑効果を付与できるものであれば従来公知の材料がいず
れも使用可能であり、例えばグラファイト、カーボンブ
ラック、カーボンブラックグラフトポリマー、二硫化タ
ングステン、二硫化モリブデン、酸化チタン等が挙げら
れる。
【0018】本発明においては、上記バックコート用塗
料を形成する結合剤としてセルロース樹脂とポリエステ
ルポリウレタン樹脂が組み合わせて使用される。
【0019】セルロース樹脂としては、例えばメチルセ
ルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、イ
ソプロピルセルロース等の脂肪族セルロースや、酢酸セ
ルロース、セルロースアセテートブチレート、セルロー
スアセテートプロピオネート等のエステル系セルロース
等が知られているが、本発明においては、このうちエチ
ルセルロース、酢酸セルロース、セルロースアセテート
ブチレート、セルロースアセテートプロピオネートに限
定される。
【0020】これらセルロース樹脂においては、その重
量平均分子量が10,000〜50,000であること
が好ましく、より好ましくは10,000〜30,00
0とされる。該セルロース樹脂の重量平均分子量が1
0,000よりも小さいと、粘着等の問題が発生して耐
久性が悪くなり、逆に50,000よりも大きいと、磁
性塗料の粘度が高くなる傾向にあり、分散性が劣化す
る。
【0021】また、上記ポリエステルポリウレタン樹脂
は、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートをウ
レタン基濃度が2.5mmol/g以上、7.0mmo
l/g以下にウレタン化して得られる樹脂である。
【0022】本発明において、使用可能なポリエステル
ポリオールは、従来公知の多価アルコールとして、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタ
ンジオール、1,5−ペンタンジオール又はネオペンチ
ルグリコール等が挙げられ、従来公知の多価カルボン酸
として、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタ
ル酸、アジピン酸、コハク酸等が挙げられる。
【0023】一方、上記ポリイソシアネートとしては、
トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチ
レンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシ
アネート(IPDI)等が使用可能である。
【0024】なお、上記ウレタン基濃度は、製造上7.
0mmol/gより大きいと困難である。
【0025】また、上記ポリエステルポリオールと上記
ポリイソシアネートからポリウレタン樹脂を製造するに
際しては、上記多価アルコール、脂肪族ポリアミン、脂
環族ポリアミン、芳香族ポリアミン等の公知の鎖伸長剤
を適量使用することが好ましい。
【0026】このようなポリエステルポリウレタン樹脂
には、顔料粉末への樹脂の吸着性の向上及び顔料の分散
性向上のために、適当な割合のスルホン酸金属塩基等の
公知の極性基を含む成分を導入することができる。
【0027】ここで、上記結合剤において、上記セルロ
ース樹脂と上記ポリエステルポリウレタン樹脂の構成比
は、セルロース樹脂の混合比率が全結合剤樹脂の20〜
80重量%となることが必要である。該セルロース樹脂
の混合比率が20重量%よりも少ない場合には、磁気記
録媒体が柔らかすぎてしまい、走行に際してヘッドに貼
り付く可能性が高くなり、逆に80重量%を越える場合
には、磁気記録媒体が硬く脆くなり、耐久性が低下する
虞れがある。
【0028】本発明の磁気記録媒体において、上記磁性
層は、例えば磁性粉末を結合剤中に分散させ、適当な有
機溶剤と共に混練して調製された磁性塗料を上記非磁性
支持体上に塗布することにより形成することができる。
【0029】上記磁性粉末としては、通常この種の磁気
記録媒体の磁性粉末として従来より公知の材料がいずれ
も使用可能である。かかる磁性粉末としては、例えばF
e、Co,Niなどの金属材料、Fe−Co、Fe−N
i、Fe−Al、Fe−Ni−Al、Fe−Al−P、
Fe−Ni−Si−Al、Fe−Ni−Si−Al−M
n、Fe−Mn−Zn、Fe−Ni−Zn、Co−N
i、Co−P、Fe−Co−Ni、Fe−Co−Ni−
Cr、Fe−Co−Ni−P、Fe−CoーB、Feー
Co−Cr−B、Mn−Bi、Mn−Al,Fe−Co
−V等の合金材料、或いは窒化鉄、炭化鉄等が挙げられ
る。
【0030】また、還元時の焼結防止または形状維持等
の目的で添加されるAl,Si、P,Bなどの軽金属元
素が適当量含有したとしても、本発明の効果を妨げるも
のではない。
【0031】更に、γ−Fe2 3 ,Fe3 4 ,γ−
Fe2 3 とFe3 4 とのベルトライド化合物やCo
含有γ−Fe2 3 、Co含有Fe3 4 、Coを含有
するγ−Fe2 3 とFe3 4 とのベルトライド化合
物等の強磁性酸化鉄粒子、CrO2 に1種又はそれ以上
の金属元素、たとえばTe,Sb,Fe,Biなどを含
有させた強磁性二酸化クロム粒子、六角板状の六方晶フ
ェライト微粒子等もいずれも使用可能である。
【0032】これら磁性粉末は、それぞれ一種を用いる
ことができるが、二種以上を併用することができる。
【0033】また、上記磁性層に含有される結合剤とし
ては、従来公知の結合剤がいずれも使用可能である。
【0034】この従来公知の結合剤としては、熱可塑性
樹脂、熱硬化性樹脂がいずれも使用可能である。
【0035】熱可塑性樹脂としては、塩化ビニルー酢酸
ビニル共重合体、塩化ビニルー塩化ビニリデン共重合
体、塩化ビニルーアクリロニトリル共重合体、アクリル
酸エステルーアクリロニトリル共重合体、アクリル酸エ
ステルー塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステ
ルー塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステルー
塩化ビニル共重合体、メタクリル酸エステルーエチレン
共重合体、ポリ弗化ビニル、塩化ビニリデンーアルリロ
ニトリル共重合体、アクリロニトリルーブタジエン共重
合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルロ
ース誘導体(セルロースアセテートブチレート、セルロ
ースダイアセテート、セルローストリアセテート、セル
ロースプロピオネート、ニトロセルロース)、スチレン
ブタジエン共重合体、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、
合成ゴム等の熱可塑性樹脂等がある。
【0036】熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、
エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン
樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミン樹
脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等がある。
【0037】なお、上記磁性層を構成する磁性材料とし
ては、上述した磁性粉末や結合剤の他、添加剤として分
散剤、研磨剤、帯電防止剤等が加えられても良い。これ
ら分散剤、研磨剤、帯電防止剤としては、通常この種の
磁気記録媒体において用いられている材料であれば良
く、特に限定されない。
【0038】これら磁性層形成材料は、塗料化され上記
非磁性支持体上に塗布乾燥されて磁性層となされるが、
塗料化の際に用いられる有機溶剤としては、アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロ
ヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノー
ル、プロパノール等のアルコール系溶媒、酢酸メチル、
酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、乳酸エチル、
エチレングリコールアセテート等のエステル系溶媒、ジ
エチレングリコールジメチルエーテル、2ーエトキシエ
タノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテ
ル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素系溶媒、メチレンクロライド、エチレンクロライ
ド、四塩化炭素、クロロホルム、クロロベンゼン等のハ
ロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられる。これら有機溶
媒の種類は、結合剤の種類に応じて適宜選択されれば良
い。
【0039】上記磁性塗料作製のための分散・混練に
は、ロールミル、ボールミル、サンドミル、アジター、
ニーダー、エクストルーダー、ホモジナイザー、超音波
分散機などが用いられる。
【0040】また、このように形成された塗料を上記非
磁性支持体上に塗布するには、グラビアコーター、ナイ
フコーター、ワイヤーバーコーター、ドクターブレード
コーター、リバースロールコーター、ディッピングコー
ター、エアナイフコーター、ダイコーターなどが用いら
れる。
【0041】上記非磁性支持体としては、従来公知の材
料がいずれも使用可能であり、例えばポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレン-2,6- ナフタレートなどのポ
リエステル類、ポリプロピレンなどのポリオレフィン
類、セルローストリアセテート、セルロースジアセテー
トなどのセルロース類、ビニル系樹脂、ポリイミド類、
ポリカーボネート類に代表されるような高分子材料や、
アルミニウム合金、チタン合金等からなる金属板、ガラ
ス、セラミクスなどにより形成される支持体等が挙げら
れる。その形態も何等限定されるものではなく、テープ
状、シート状、ドラム状等いかなる形態であっても良
い。更に、この非磁性支持体においては、その表面性を
コントロールするために、微細な凹凸が形成されるよう
な表面処理を施しても良い。
【0042】
【作用】バックコート用塗料を形成する結合剤として所
定のウレタン基濃度を有するポリエステルポリウレタン
樹脂と、特定のセルロース樹脂を組み合わせて用いるこ
とにより、これらポリエステルポリウレタン樹脂とセル
ロース樹脂の相溶性が良好となる。これにより、得られ
るバックコート層において分散性が向上する。
【0043】また、これら樹脂は、分子内にClのよう
な有害物質の原因となる元素を有しておらず、地球環境
の点においても優れている。
【0044】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない
ことはいうまでもない。
【0045】実施例1 先ず、下記の配合比でボールミルにて48時間混合し、
バックコート用塗料を作製した。
【0046】 <バックコート用塗料配合比> カーボンブラック(コロンビヤン社製RAVEN−1255) 100重量部 ポリエステルポリウレタン樹脂 70重量部 (分子量20,000 ウレタン基濃度2.5mmol/g ガラス転位温度Tg=30℃ 官能基としてSO3Na 基を0.05モル% 含有) エチルセルロース樹脂 30重量部 メチルエチルケトン 220重量部 トルエン 220重量部 シクロヘキサノン 220重量部 次に、以下の手順により磁性塗料を調製した。
【0047】即ち、下記の塗料材料を所定の配合比でボ
ールミルにて48時間混合し、磁性塗料を作製した。
【0048】 <磁性塗料配合比> Feメタル粉(比表面積52m2 /g) 100重量部 ポリエステルポリウレタン樹脂 10重量部 (分子量20,000 ウレタン基濃度2.5mmol/g ガラス転位温度Tg=30℃ 官能基としてSO3Na 基を0.05モル% 含有) ポリ塩化ビニル共重合体 10重量部 (日本ゼオン社製,商品名MR−110) アルミナ(平均粒径0.3μm) 5重量部 カーボン(平均粒径0.15μm) 5重量部 ステアリン酸 1重量部 ステアリン酸ブチル 1重量部 メチルエチルケトン 100重量部 トルエン 100重量部 シクロヘキサノン 100重量部 以上のようにして調製されたバックコート用塗料及び磁
性塗料に硬化剤コロネートL(日本ポリウレタン社製)
をそれぞれ20重量部添加した後、厚さ7μmのポリエ
チレンテレフタレートフィルムに乾燥後のバックコート
層の厚さが0.7μmとなるようにバックコート用塗料
を塗布した。
【0049】次いで、このバックコートが施された面の
反対面に乾燥後の厚さが4μmとなるように磁性塗料を
塗布し、磁場配向、乾燥、カレンダー処理を順次行い、
更に60℃の条件下で所定時間硬化させてバックコート
層及び磁性層をそれぞれ形成した。
【0050】続いて、この磁気テープを1/2インチ幅
に裁断し、サンプルテープ1を得た。
【0051】実施例2〜14 上記実施例1において使用したバックコート層用結合剤
のセルロース樹脂の種類と添加量、及びウレタン樹脂の
種類と添加量を下記表1に示すように変えて、その他は
実施例1と同様の方法によりテープ化を行って、サンプ
ルテープ2〜14を作製した。
【0052】
【表1】
【0053】比較例1〜9 上記実施例1において使用したバックコート層用結合剤
のセルロース樹脂の種類と添加量、及びウレタン樹脂の
種類と添加量を下記表2に示すように変えて、その他は
実施例1と同様の方法によりテープ化を行って、比較テ
ープ1〜9を作製した。
【0054】
【表2】
【0055】そこで、以上のようにして作製したサンプ
ルテープ1〜14、及び比較テープ1〜9について、走
行安定性と走行耐久性の評価をそれぞれ行った。走行安
定性と走行耐久性の評価は、バックコート層の表面粗度
(Ra)、摩擦係数、バックコート層の傷の発生及び磁
性層のRF出力を測定することにより行った。なお、こ
れら諸特性の測定方法は、以下の通りである。
【0056】バックコート層の表面粗度(Ra) 走行安定性の評価としてバックコート層の表面粗度(R
a)の測定を行った。この測定に際しては、小坂研究所
株式会社の表面粗度計(商品名SE−30H)を用い、
倍率50,000倍、測定長2mm、カットオフ値0.
08mmで行った。ここで、十分な走行安定性を得るた
めには、表面粗度(Ra)が小さい値である方が良く、
20nm以下であることが望ましい。
【0057】摩擦係数 走行耐久性の評価として摩擦係数の評価を行った。この
摩擦係数は、ステンレスガイドピンに対するバックコー
ト層の摩擦係数であり、テープのシャトル回数が10パ
ス目の時と200パス目の時にそれぞれ測定を行った。
ここで、良好な走行耐久性を得るためには、摩擦係数は
数値が小さい程摩擦が低いことを表し、数値の変動が少
なく、且つ0.18以下であることが望ましい。
【0058】バックコート層の傷の発生 走行耐久性の評価として摩擦係数測定後(テープのシャ
トル回数が200パスの時)のバックコート層の傷の発
生の度合いを目視により観察した。この評価は、A,
B,Cの3段階で行い、Aは傷の発生が殆どない状態、
Bは若干の傷が発生している状態(使用不可)、Cは大
きな傷が発生している状態(使用不可)をそれぞれ表
す。なお、バック面の強度が弱いと傷が発生し易い。
【0059】磁性層のRF出力 走行安定性、走行耐久性を総合的に評価するために、ソ
ニー社製の1/2インチビデオデッキを用いて、6MH
zでのRF出力を測定した。なお、測定値は、サンプル
テープ1の出力を0dBとした時のそれぞれのサンプル
テープの相対出力を表し、数値が大きい程高出力が得ら
れる。
【0060】この結果を下記表3及び表4にそれぞれ示
す。
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】表3から明らかなように、ウレタン基濃度
が2.5mmol/g以上であるポリエステルポリウレ
タン樹脂とセルロース樹脂を用いた実施例1〜14にお
いては、結合剤中に顔料が良好な分散性を持って分散し
ており、結果として得られた磁気テープのバック面の平
滑性が向上するとともに、良好な走行性、耐久性が得ら
れた。
【0064】これに対して、表4に示すように、ウレタ
ン基濃度が2.5mmol/gより小さいポリエステル
ポリウレタン樹脂を用いた比較例1〜7では、セルロー
ス樹脂との相溶性が悪く、走行性、耐久性が不十分であ
った。
【0065】一方、バックコート層用結合剤として、上
記セルロース樹脂に変えてニトロセルロースを使用した
比較例8では、結合剤中における顔料の分散が不十分
で、走行性、耐久性が良くなかった。
【0066】また、比較例9のウレタン樹脂単独の場合
では、磁気テープに硬さがなく、傷付き易いことが判っ
た。
【0067】従って、このことから、ウレタン基濃度が
2.5mmol/g以上であるポリエステルポリウレタ
ン樹脂とセルロース樹脂は、分散性、走行耐久性の点か
ら、バックコート層用結合剤として好適であることが明
らかとなった。
【0068】なお、バックコート層にウレタン基濃度が
2.5mmol/g以上であるポリエステルポリウレタ
ン樹脂とセルロース樹脂を結合剤として使用する磁気テ
ープのうち、セルロース樹脂の結合剤全体中の混合比率
が20〜80%の範囲外である比較例1〜4及び比較例
8では、十分な走行耐久性を確保することができなかっ
た。
【0069】このことから、上記セルロース樹脂と上記
ポリエステルポリウレタン樹脂をバックコート層の結合
剤として使用する場合において、良好な耐久性を実現す
るためには、その構成比が重要となることが示された。
【0070】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の磁気記録媒体においては、バックコート層を構成して
なる結合剤として、特定のセルロース樹脂と所定量のウ
レタン基を含有したポリエステルポリウレタン樹脂との
混合物を使用しているので、バックコート層中に顔料を
均一に分散させることができ、耐久性の向上が図られ
る。従って、本発明によれば、走行安定性、走行耐久性
に優れた磁気記録媒体を提供することができる。
【0071】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体の磁性層形成面の背面に、
    セルロース樹脂とポリエステルポリウレタン樹脂を含有
    するバックコート層が設けられてなる磁気記録媒体にお
    いて、 上記ポリエステルポリウレタン樹脂中のウレタン基濃度
    が2.5mmol/g以上であるとともに、上記セルロ
    ース樹脂がエチルセルロース樹脂、酢酸セルロース、セ
    ルロースアセテートブチレート又はセルロースアセテー
    トプロピオネートのうち少なくとも1種であることを特
    徴とする磁気記録媒体。
JP17078394A 1994-07-22 1994-07-22 磁気記録媒体 Withdrawn JPH0836737A (ja)

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