JPH0835685A - 外断熱建物の蓄冷式輻射冷房装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、外断熱方法による建物におい
て、人に優しい輻射冷房効果の促進と冷房電力供給量の
限界時に一時的に電力供給を抑制することにより、健康
的冷房空間と、省エネ・省資源を促す方法の構築を目的
としたものである。 【構成】 断熱・気密性能の確立した外断熱方法の建物
の床下、壁、天井の内部を通気層７で連絡し、冷房機１
の冷気吹き出し口を室内側に、吸い込み口を天井裏に設
け、この冷房機１を天井付近に設置する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、冷房機による冷気
を、建物の構造体の中を通気させる事により、人の体に
優しい輻射冷房効果を促進させるとともに 蓄冷効果に
よって冷房電力供給量が需要に追いつけない時、一時的
に供給制限を行うことが出来る冷房装置に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来の冷房装置は、建物の断熱・気密性
能を信頼することが出来ないために、冷房機そのものよ
り直接、あるいは通気管を通じて室内に冷気を吹き出
し、リターン空気は直接、あるいは通気管を通じて冷房
機に戻す構造になっているため、輻射冷房効果を期待す
る事が出来なかった。又、建物に蓄冷する概念に乏し
く、建物と冷房装置を一体化する技術が確立していなか
った。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この発明は、断熱・気
密性能を高めた、建物の構造体を利用して、直接冷気を
人の肌に当てる事を出来るだけ避け、輻射冷房効果を促
進させるためと、蓄冷効果によって一時的な冷房電力量
の供給制限に対応出来る建物を構築するためのものであ
る。

【０００４】

【課題を解決させるための手段】解決手段を図を用いて
説明する。 （イ）冷房機１を、天井３に取り付け、冷気２を室内側
に吹き出しする構造とする。 （ロ）冷房機１のリターン空気４の吸い込み口を天井裏
などの室外側で行う構造とする。 （ハ）建物は断熱・気密性能の優れた、外断熱方法によ
り、床５、壁６天井３がレジスター９を設けた通気層７
で連絡される構造とする。 （ニ）断熱層８の内側の床５、壁６、天井３の部材は出
来るだけ熱容量の大きなものにする。

【０００５】

【作用】この発明は、以上のような構造になっているた
め、次のように作用する。冷房機１より吹き出された冷
気２は、降下して床５、壁６を冷やしますがリターン空
気４は、床や壁に設けたレジスター９より、通気層７を
通り、更に壁６や天井３を外側から冷やしながら、冷房
機１に戻る。この時断熱気密層の内側に位置する部材が
蓄冷する。

【０００６】

【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 （イ）本発明は、柱、間柱など、建物を構成する構造材
の外側に断熱層８を取り付けた外断熱方法により、従
来、断熱材が充填されていた壁内の空隙を通気層７と
し、これを床下と天井裏を連絡させた構造の建物に、室
内側への吹き出し口と、室外側からの吸い込み口を設け
た冷房機１を天井付近に設置する事により成立する。 （ロ）強制送風機１０を設置して天井裏の空気を床下に
通気管１１を用いて直接引き込み、気圧差を生じさせて
リターン空気４の上昇気流を補う事が出来る。 （ハ）内壁材や天井材を厚くしたり、床下に石やレンガ
などの蓄熱材１２を敷いて熱容量を大きくすれば更に蓄
冷量が増す。

【０００７】

【発明の効果】したがって、冷房機１を取り付けた空間
だけではなく、非冷房空間においても輻射冷房効果が発
揮される。又、冷気が建物を構成している構造体、建材
などの部材に常に蓄冷されているため、急激な日射熱の
侵入や停電及び、電力を供給する側の都合により、一時
的に電力の供給制限をする際に建物内の温度上昇を抑制
することに効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の使用総断面図

【図２】本発明の実施例

【符号の説明】

１は冷房機 ２は冷気 ３は天井 ４はリターン空気 ５は床 ６は壁 ７は通気層 ８は断熱層 ９はレジスター １０は強制送風機 １１は通気管 １２は蓄熱材

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】断熱・気密性能の高い外断熱建物におい
   て、冷房機１の冷気２を天井３付近の室内側に吹き出
   し、リターン空気４を床下５、壁６、天井３の室内側か
   らみて外側の通気層７を通じて構造体に蓄冷し、冷房機
   １に戻すように構成された、外断熱建物の蓄冷式輻射冷
   房装置。