JPH0835626A - 複合燃焼器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 給湯と風呂の複合燃焼器において、給湯燃焼
の窒素酸化物の生成を少なくし、共通の燃焼ファン８に
よって給湯バーナ装置５側と風呂バーナ装置６側を良好
に燃焼する。 【構成】 器具１内の給湯燃焼室３に給湯バーナ装置５
を設け、風呂燃焼室４に風呂バーナ装置６を設ける。風
呂バーナ装置６はブンゼンタイプのバーナによって形成
し、給湯バーナ装置５は全一次空気による濃淡燃焼式バ
ーナによって形成する。空気チャンバ７の給湯バーナ装
置５側と風呂バーナ装置６側との境界領域にオリフィス
20を設け、給湯バーナ装置５側のチャンバ内空気圧力を
風呂バーナ装置６側のチャンバ内空気圧力よりも高くす
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、給湯バーナと給湯以外
の他機能バーナとを備えた複合燃焼器に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】図６には従来の一般的な複合燃焼器の構
成が示されている。同図において、器具１内には仕切り
壁２を介して、給湯燃焼室３と、他機能燃焼室としての
風呂燃焼室４とに区画されており、給湯燃焼室３には給
湯バーナ装置５が設けられ、風呂燃焼室４には風呂バー
ナ装置６が設けられている。

【０００３】前記給湯バーナ装置５と風呂バーナ装置６
は仕切り壁２を介して並設されており、給湯バーナ装置
５と風呂バーナ装置６の下方側は共通の空気チャンバ
（空気室）７となっている。この空気チャンバ７の底面
側には給排気用の燃焼ファン８が連設されている。

【０００４】この種の従来の複合燃焼器では、給湯バー
ナ装置５と風呂バーナ装置６は共にブンゼンタイプの同
一のバーナを複数配列配置してユニット構成としたもの
であり、この一般的なブンゼンタイプのバーナ装置は、
図７に示すように、ブンゼンバーナあるいはセミブンゼ
ンバーナ等の周知のブンゼンタイプのバーナ10を複数配
列配置し、各バーナ10のガス導入口（ベルマウス）11に
ガスノズル12が対向配置されている。

【０００５】このガスノズル12からガス導入口11に燃料
ガスが噴出され、また、ガス導入口11には燃焼ファン８
から供給される空気が取り込まれることで、燃料ガスと
一次空気とがガス導入口11から燃焼面13の炎口14に至る
間に撹拌混合し、この撹拌混合により作り出された高濃
度の予混合ガス（理論空気量よりも空気混合比率が低い
空気と燃料ガスとの混合ガス）が炎口14から燃焼室内に
噴出し、その一方、燃焼ファン８から送風される空気
は、各バーナ10間の隙間を通って二次空気として燃焼室
内に噴出し、炎口14から噴出する高濃度予混合ガスは二
次空気を取り込んで完全燃焼をする。

【０００６】前記給湯燃焼室３には、給湯バーナ装置５
の上方側に給湯熱交換器15が設置されており、この給湯
熱交換器15は給水通路（図示せず）から導入される水
を、給湯バーナ装置５の燃焼火炎によって加熱して設定
温度の湯を作り出し、この湯を、給湯熱交換器15の出側
に接続される給湯通路を介して台所等の所望の給湯場所
に導き出湯を行う。

【０００７】前記風呂燃焼室４には前記風呂バーナ装置
６の上方側に風呂熱交換器16が設置され、この風呂熱交
換器16は、浴槽からの循環湯水を導入して風呂バーナ装
置６の燃焼火炎によって加熱し、この加熱した湯を浴槽
に戻すことで、風呂の追い焚きを行う。

【０００８】従来の複合燃焼器では、前記の如く、給湯
バーナ装置５と風呂バーナ装置６は同じブンゼンタイプ
のバーナ10を用いて形成されることから、空気チャンバ
７の圧力を給湯バーナ装置５側と風呂バーナ装置６側が
同じ均一な空気圧力となるようにして、給湯バーナ装置
５と風呂バーナ装置６を燃焼させている。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】周知のように、給湯燃
焼は風呂燃焼に比べ格段に高い燃焼熱量が要求されてお
り、この要求熱量をブンゼンタイプのバーナ10を用いて
達成する従来例にあっては、ブンゼンタイプのバーナ10
の炎口14から噴出する予混合ガスは、周りの二次空気を
十分に取り込んで完全燃焼するため、火炎温度が高くな
り、必然的に窒素酸化物（ＮＯｘ）が発生する。特に、
給湯燃焼側では、大きな燃焼熱量が要求されるため、そ
の分、燃焼量も大きくなるため、窒素酸化物の生成量も
大きくなり、これが環境汚染の原因となる。

【００１０】本発明者はこのような問題に鑑み、給湯側
のバーナ装置５をブンゼンタイプのバーナ10を使用する
ことなく、窒素酸化物の生成の少ない全一次空気のみの
空気を用いて燃焼させる低ＮＯｘ濃淡燃焼式バーナを用
いて給湯バーナ装置を構成することを提案し、試作して
いる。

【００１１】この提案試作の給湯バーナ装置は、図５に
示すように、理論空気量よりも空気比率の高い低濃度予
混合ガスを炎口14ａから噴出する淡バーナ17と、理論空
気量よりも空気比率の低い高濃度予混合ガスを炎口14ｂ
から噴出する濃バーナ18とを隣り合わせに配列配置して
ユニット化したもので、この淡バーナ17と濃バーナ18は
共にバーナのガス導入口から空気（一次空気）とガスノ
ズルから噴出される燃料ガスとを取り込み、淡バーナ17
はガスと一次空気とがバーナ内を通過するときに、理論
空気量よりも空気比率の高い多量の低濃度予混合ガスを
作り出し、これを炎口14ａから燃焼室内に噴出する。

【００１２】一方、濃バーナ18は、同じく空気と燃料ガ
スとがバーナ内を通るときに、理論空気量よりも空気比
率の低い少量の高濃度予混合ガスを作り出し、これを炎
口14ｂから燃焼室内に噴出する。そして、高濃度予混合
ガスは、隣側の淡バーナ17から噴出される低濃度予混合
ガスの空気をもらって燃焼し、低濃度予混合ガスは、隣
側の濃バーナ18の高温火炎の熱をもらって燃焼を行う。
この濃淡燃焼式バーナ装置では、淡バーナ17から噴出す
る低濃度予混合ガスの量が、濃バーナ18から噴出する高
濃度予混合ガスの量よりも遥かに多量であり、この結
果、給湯バーナ装置全体の燃焼面は、殆ど淡バーナ17か
噴出する低濃度予混合ガスの低温燃焼火炎によって占め
られることで、窒素酸化物の生成の極めて少ないクリー
ンな燃焼を達成することができた。

【００１３】ところが、濃淡燃焼式バーナを用いた給湯
バーナ装置は、バーナ間を通る二次空気はなく、全てバ
ーナ内部を通る全一次空気で燃焼する方式であるため、
バーナのガス導入口に取り込まれて炎口から噴出される
までのバーナ内の圧力損失（通路抵抗）がブンゼンタイ
プを用いた風呂バーナ装置に比べ遥かに大きくなり、従
来例のように、空気チャンバ７内を均一に制御して燃焼
させる方式を採用すると、例えば、空気チャンバ７内の
圧力を風呂バーナ装置の燃焼に合うように設定した場合
には、給湯バーナ装置側の圧力が低すぎて空気量が不足
し、良好な燃焼性能を得ることができなくなり、これと
は逆に、空気チャンバ７内の圧力を給湯バーナ装置側に
合わせて均一化すると、今度は、風呂バーナ装置側が過
剰空気の燃焼状態となり、風呂側の燃焼性能が悪化して
しまうという問題が生じることに直面した。

【００１４】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、その目的は、風呂側のバーナ装置をブン
ゼンタイプのバーナを用いて構成し、給湯側のバーナ装
置を全一次空気による濃淡燃焼式のバーナを用い、給湯
側と風呂側で圧力損失の異なるバーナ装置を用いた場合
においても、風呂側と給湯側を共に良好に燃焼させるこ
とができる複合燃焼器を提供することにある。

【００１５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、次のように構成されている。すなわち、本
発明は、給湯バーナ装置と給湯以外の他機能バーナ装置
とが並設され、これら給湯バーナ装置と他機能バーナ装
置の下方側は互いに連通する空気チャンバとなってい
て、該空気チャンバは給排気用の燃焼ファンと給湯バー
ナ装置側で連通されている複合燃焼器において、前記給
湯バーナ装置は全一次空気による濃淡燃焼式バーナによ
って形成され、他機能バーナ装置は二次空気を利用して
燃焼するブンゼンタイプのバーナによって形成され、前
記空気チャンバの給湯バーナ装置側と他機能バーナ装置
側との境界領域には給湯バーナ装置側から他機能バーナ
装置側に流れる空気流通の障害を設けて給湯バーナ装置
側のチャンバ内空気圧力を他機能バーナ装置側のチャン
バ内空気圧力よりも高くする圧力調整手段が設けられて
いることを特徴として構成されている。

【００１６】また、前記構成の圧力調整手段を、空気チ
ャンバの給湯バーナ装置側と他機能バーナ装置側との境
界領域の空気流通路を絞り調整するダンパによって、又
は、空気チャンバの給湯バーナ装置側と他機能バーナ装
置側との境界領域の空気流通路を仕切る複数の透孔を設
けたパンチングメタルによって、又は、空気チャンバの
給湯バーナ装置側と他機能バーナ装置側との境界領域の
空気流通路を絞るオリフィスによって構成したこともそ
れぞれ本発明の特徴的な構成とするところである。

【００１７】

【作用】上記構成の本発明において、燃焼ファンから送
風空気が空気チャンバ内に供給されて、給湯バーナ装置
と他機能バーナ装置とが共に燃焼するとき、燃焼ファン
から給湯バーナ装置側に送られた送風空気は、給湯バー
ナ装置側から他機能バーナ装置側に流通するとき、給湯
バーナ装置側と他機能バーナ装置側の境界領域に設けら
れた圧力調整手段の空気流通の障害を通るとき、空気流
通抵抗が高まり、空気チャンバの給湯バーナ装置側の圧
力は他機能バーナ装置側のチャンバ内空気圧よりも高く
なる。

【００１８】給湯バーナ装置は、全一次空気による濃淡
燃焼式バーナによって形成されることで、ブンゼンタイ
プのバーナによって形成される他機能バーナ装置よりも
空気流通の圧力損失が大きく、この圧力損失が大きい分
だけ、前記圧力調整手段により、給湯バーナ装置側が他
機能バーナ装置側よりも高い圧力に調整される。このこ
とで、燃焼ファンからの送風空気圧力はそれぞれ給湯バ
ーナ装置側と他機能バーナ装置側で最適圧力に調整され
ることとなり、給湯バーナ装置と他機能バーナ装置は共
に最適な空気圧力の下で良好に燃焼する。

【００１９】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。なお、以下に説明する各実施例の説明において、
従来例と同一の名称部分には同一符号を付し、その重複
説明は省略する。図１には本発明に係る複合燃焼器の第
１の実施例が示されている。

【００２０】この実施例の複合燃焼器は、従来例と同様
に、器具１内に給湯燃焼室３と風呂燃焼室４を仕切り壁
２を介して区画形成したもので、給湯バーナ装置５側と
風呂バーナ装置６側を連通する空気チャンバ７の底面側
に燃焼ファン８を給湯バーナ装置５側寄りに設けてい
る。

【００２１】本実施例では、風呂バーナ装置６は、従来
例と同様にブンゼンタイプのバーナを用いて形成されて
いる。本実施例において特徴的なことは、給湯バーナ装
置を、図５に示すように、淡バーナ17と濃バーナ18を隣
り合わせに配置した全一次空気による低ＮＯｘタイプの
濃淡燃焼式バーナによって構成したことと、空気チャン
バ７内の給湯バーナ装置５側と風呂バーナ装置６側との
境界領域に、空気流通路を絞る圧力調整手段としてのオ
リフィス20が設けられていることである。

【００２２】図２はこの圧力調整手段の形成部のより具
体的な詳細図を示すもので、風呂バーナ装置６は風呂バ
ーナケース21内に収容され、給湯バーナ装置６は給湯バ
ーナケース22内に収容され、風呂バーナケース21の下部
側と給湯バーナケース22の下部側は共に空気チャンバ７
として機能し、この風呂バーナケース21側の空気チャン
バ７と給湯バーナケース22側の空気チャンバ７とは、オ
リフィス20を介して連通されている。

【００２３】なお、図２中、23は給湯バーナ装置内の淡
バーナ17のガス導入口であり、24は同じく給湯バーナ装
置５の濃バーナ18のガス導入口を示しており、ガス導入
口23には淡バーナ17に多量の燃料ガスを噴出供給するガ
スノズル（図示せず）が対向配置され、濃バーナ18のガ
ス導入口24には濃バーナ18に少量の燃料ガスを噴出供給
するガスノズル（図示せず）が対向配置されることとな
る。

【００２４】本実施例では、燃焼ファン８を回転駆動し
て燃焼空気を給湯バーナ装置５側の空気チャンバ７に供
給することにより、この供給された空気はオリフィス20
を通って風呂バーナ装置６側の空気チャンバ７に供給さ
れる。このとき、給湯バーナ装置５側に供給された空気
がオリフィス20の開口25を通るとき、大きな空気抵抗を
受けて圧力損失を生じ、給湯バーナ装置５側のチャンバ
内の圧力が風呂バーナ装置６側のチャンバ内圧力よりも
高くなる。この給湯バーナ装置側と風呂バーナ装置６側
の圧力差は、オリフィス20の開口25の面積が小さくなる
ほど大きくなる。

【００２５】本実施例では、最適燃焼時の給湯バーナ装
置５側のチャンバ内空気圧力（又は流通空気抵抗の圧力
損失）と、同じく最適燃焼時の風呂バーナ装置６側のチ
ャンバ内空気圧力（又は流通空気抵抗の圧力損失）を予
め求めておき、この両バーナ装置５，６の圧力差を打ち
消す差圧が得られるようにオリフィス20の開口25の面積
を設定している。

【００２６】この結果、本実施例では、燃焼ファン８の
送風量を、給湯バーナ装置５と風呂バーナ装置６のいず
れか一方側に最適となるように制御することにより、他
方側のバーナ装置の空気供給圧力も最適な値となり、共
通の燃焼ファン８を用いて、給湯バーナ装置５側と風呂
バーナ装置６側に共に最適な空気圧力でもって燃焼空気
を供給することが可能となり、給湯バーナ装置５側と風
呂バーナ装置６側を共に、良好な燃焼性能の下で燃焼さ
せることができる。しかも、高熱量が要求される給湯バ
ーナ装置５側を全一次空気による濃淡燃焼式バーナを用
いて形成したので、窒素酸化物の生成の極めて少ないク
リーンな給湯燃焼を達成できた。

【００２７】図３は本発明の第２の実施例の要部構成を
示したものである。この実施例が前記第１の実施例と異
なる特徴的なことは、給湯バーナ装置５側と風呂バーナ
装置６側とのチャンバ内空気圧力の圧力調整手段をパン
チングメタル26を用いて構成したことであり、それ以外
の構成は前記第１の実施例と同様である。この実施例で
は、風呂バーナケース21側と給湯バーナケース22側を連
通路27で連通接続し、この連通路27の開口部を、パンチ
ングメタル26により閉鎖したことである。

【００２８】パンチングメタル26は、金属板に、プレス
等により、複数の透孔28を設けたもので、燃焼ファン８
から供給された送風空気が給湯バーナ装置５側から透孔
28を通って風呂バーナ装置６側に入り込むときに、前記
第１の実施例のオリフィス20の場合と同様に圧力損失が
生じ、この圧力損失により、給湯バーナ装置５側のチャ
ンバ内空気圧力が風呂バーナ装置６側のチャンバ内空気
圧力よりも高くなり、第１の実施例と同様に、給湯バー
ナ装置５側の空気流通のより大きな圧力損失部分（風呂
バーナ装置６側よりも大きい圧力損失部分）が補償され
ることで、給湯バーナ装置５側と風呂バーナ装置６側を
共に燃焼を行う上で最適なチャンバ内空気圧力とするこ
とができ、第１の実施例と同様に両バーナ装置５，６の
良好な燃焼が達成される。

【００２９】図４には本発明の第３の実施例の要部構成
が示されている。この実施例が前記第１および第２の実
施例と異なる特徴的なことは、給湯バーナ装置５側と風
呂バーナ装置６側とのチャンバ内空気圧力の調整を行う
圧力調整手段をダンパ30を用いて構成したことであり、
それ以外の構成は前記各実施例と同様である。この実施
例では、風呂バーナケース21と給湯バーナケース22を第
２の実施例の場合と同様に連通路27で連通し、この連通
路27内にダンパ30を設けている。この実施例では、ダン
パ30の回転位置を調整することにより、連通路27を通る
空気の空気抵抗、つまり、圧力損失を調整することがで
きる。

【００３０】したがって、上記各実施例と同様に、最適
燃焼時における給湯バーナ装置５と風呂バーナ装置６の
圧力差（バーナ装置を通る空気流通の圧力損失の差）を
打ち消す圧力差を発生するようにダンパ30の回転位置を
設定することにより、前記第１および第２の各実施例と
同様に給湯燃焼室３側と風呂燃焼室４側のチャンバ内空
気圧力の最適な調整を行うことができ、これにより、給
湯バーナ装置５と風呂バーナ装置６を共に良好に燃焼さ
せることが可能となる。

【００３１】なお、本発明は上記各実施例に限定される
ことはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば、上
記実施例では、給湯と風呂の複合燃焼器を例にして説明
したが、本発明は、給湯とガス燃焼による暖房機能との
複合燃焼器にも適用されるものであり、この場合にも、
給湯バーナ装置は全一次空気による濃淡燃焼式バーナに
よって構成し、ガス暖房のバーナ装置はブンゼンタイプ
のバーナによって構成することとなる。

【００３２】また、上記各実施例では、圧力調整手段の
空気流通の障害をオリフィス20や、パンチングメタル26
や、ダンパ30を用いて形成したが、それ以外の様々な構
成形態の空気流通の障害を用いて形成することができ
る。

【００３３】

【発明の効果】本発明は、給湯バーナ装置を、他機能バ
ーナ装置のブンゼンタイプのバーナとは異なり、全一次
空気による濃淡燃焼式バーナによって形成したものであ
るから、高熱量が要求されて窒素酸化物の発生が問題と
なる給湯燃焼側の窒素酸化物の生成を効果的に抑制する
ことができ、これにより、窒素酸化物の少ないクリーン
な給湯燃焼を達成することができる。

【００３４】また、前記の如く、他機能バーナ装置をブ
ンゼンタイプのバーナによって形成し、給湯バーナ装置
を全一次空気による濃淡燃焼式バーナによって形成する
ことで、必然的に、給湯バーナ装置と他機能バーナ装置
の空気抵抗の圧力損失が異なり、共通の燃焼ファンの送
風空気によって給湯バーナ装置と他機能バーナ装置を燃
焼させる場合には、両者のバーナ装置の圧力損失が異な
るために、両方のバーナ装置を共に性能良く燃焼させる
ことは困難であったが、本発明では、空気チャンバの給
湯バーナ装置側と他機能バーナ装置側との境界領域に空
気流通の障害を設けて給湯バーナ装置側のチャンバ内空
気圧力を他機能バーナ装置側のチャンバ内空気圧力より
も高くする圧力調整手段を設けたので、ブンゼンタイプ
のバーナによって形成される他機能バーナ装置と、全一
次空気による濃淡燃焼式バーナによって形成される給湯
バーナ装置との間に必然的に生じる空気流通の圧力損失
の差が効果的に補償されることとなる。

【００３５】このことにより、給湯バーナ装置側のチャ
ンバ内空気圧力と他機能バーナ装置側のチャンバ内空気
圧力とを共に燃焼を行う上で最適な空気圧力に調整設定
することができ、これにより、共通の燃焼ファンを用い
て給湯バーナ装置と他機能バーナ装置を共に高燃焼性能
の下で良好に燃焼させることができるという画期的な効
果を奏することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る複合燃焼器の第１の実施例を示す
構成説明図である。

【図２】同実施例における要部部分の具体的な詳細説明
図である。

【図３】第２の実施例の要部構成の説明図である。

【図４】第３の実施例の要部構成の説明図である。

【図５】全一次空気による濃淡燃焼式バーナによって形
成した給湯バーナ装置の平面図である。

【図６】従来の一般的な給湯と風呂の複合燃焼器の説明
図である。

【図７】ブンゼンタイプのバーナによって形成されるバ
ーナ装置の説明図である。

【符号の説明】

５ 給湯バーナ装置 ６ 風呂バーナ装置 ７ 空気チャンバ ８ 燃焼ファン 14，14ａ，14ｂ 炎口 20 オリフィス 26 パンチングメタル 30 ダンパ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 給湯バーナ装置と給湯以外の他機能バー
   ナ装置とが並設され、これら給湯バーナ装置と他機能バ
   ーナ装置の下方側は互いに連通する空気チャンバとなっ
   ていて、該空気チャンバは給排気用の燃焼ファンと給湯
   バーナ装置側で連通されている複合燃焼器において、前
   記給湯バーナ装置は全一次空気による濃淡燃焼式バーナ
   によって形成され、他機能バーナ装置は二次空気を利用
   して燃焼するブンゼンタイプのバーナによって形成さ
   れ、前記空気チャンバの給湯バーナ装置側と他機能バー
   ナ装置側との境界領域には給湯バーナ装置側から他機能
   バーナ装置側に流れる空気流通の障害を設けて給湯バー
   ナ装置側のチャンバ内空気圧力を他機能バーナ装置側の
   チャンバ内空気圧力よりも高くする圧力調整手段が設け
   られていることを特徴とする複合燃焼器。
2. 【請求項２】 圧力調整手段は空気チャンバの給湯バー
   ナ装置側と他機能バーナ装置側との境界領域の空気流通
   路を絞り調整するダンパによって構成されている請求項
   １記載の複合燃焼器。
3. 【請求項３】 圧力調整手段は空気チャンバの給湯バー
   ナ装置側と他機能バーナ装置側との境界領域の空気流通
   路を仕切る複数の透孔を設けたパンチングメタルによっ
   て構成されている請求項１記載の複合燃焼器。
4. 【請求項４】 圧力調整手段は空気チャンバの給湯バー
   ナ装置側と他機能バーナ装置側との境界領域の空気流通
   路を絞るオリフィスによって構成されている請求項１記
   載の複合燃焼器。