JPH0835588A - 食い込み式管継手 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は常に食い込みリングを継手本体内に正
しく装着でき、また接続完了後、ナットの締め付け作業
が行われたかどうかを確認できる継手を提供する。 【構成】本発明は、継手本体の端部にパッキンを装着す
ると共にナットを螺合し、外周端がナットの内肩部に係
止すると共に内周端が継手本体側に向けた皿バネ状の食
い込みリングをパッキンとナット間に装着し、ナットを
継手本体に螺合締付けることによって食い込みリングの
内周端を接続管の外周面に食い込ませる管継手におい
て、食い込みリングは、接続管の外周面とナットの内周
面との隙からナットの端部側に突出する指示部を設けた
食い込み式管継手である。上記において指示部は、接続
管の外周面に食い込む食い込みリングの皿バネ状部と一
体に設けてもよく、また皿バネ状部と別部材で設けても
よい。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、皿バネ状の食い込みリ
ングを用いて接続管の引き抜け阻止を行う食い込み式管
継手に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、実公昭５４−３０１６号公報で開
示された図７に示す管継手がある。このものは継手本体
９の端部に袋ナット１０を螺合し、継手本体９と接続管
８との間にパッキン１３を装着し、パッキン１３と袋ナ
ット１０間に座金１２と皿バネ状の食い込みリング１１
を装着した管継手である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の管継手は、
接続後の管の引き抜け阻止力およびシール性において非
常に優れたものである。しかしながら継手本体９に袋ナ
ット１０を螺合すると、内部の食い込みリング１１が正
しい向きで装着されているかどうかが分からず、場合に
よっては食い込みリング１１を装着し忘れて接続作業が
行われる場合もある。

【０００４】このような不良接続が行われた場合でも、
袋ナット１０を締付けることによってパッキン１３が圧
縮されるので、接続管８とのシールが行われる。従って
配管施行後の漏れ検査や外観検査で接続不良を発見する
ことが出来ず、使用時において問題を起こす恐れがあ
る。本発明は上記の課題を解消して、常に食い込みリン
グが継手本体内に正しく装着でき、また接続完了後にお
いてナットの締め付け作業が行われたかどうかを確認で
きる食い込み式管継手を提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、継手本
体の端部にパッキンを装着すると共にナットを螺合し、
外周端がナットの内肩部に係止すると共に内周端が継手
本体側に向けた皿バネ状の食い込みリングをパッキンと
ナット間に装着し、ナットを継手本体に螺合締付けるこ
とによって食い込みリングの内周端を接続管の外周面に
食い込ませる管継手において、前記食い込みリングは、
接続管の外周面とナットの内周面との隙間からナットの
端部側に突出する指示部を有することを特徴とする食い
込み式管継手である。上記において指示部は、接続管の
外周面に食い込む食い込みリングの皿バネ状部と一体に
設けてもよく、また皿バネ状部と別部材で設けてもよ
い。

【０００６】

【作用】本発明は上記の構成であり、管との接続時に継
手本体にナットを締め付けると、皿バネ状の断面が傾斜
して継手本体とナット間に装着されている食い込みリン
グが直立するので接続管の外周面に食い込み、食い込み
リングに設けてある指示部がナットの端部側に突出す
る。従って接続が完了した接続部の管継手は、ナット端
部側に食い込みリングに設けた指示部が突出しており、
外部からこの指示部を確認することにより、食い込みリ
ングが正しい向きで装着してあり、食い込みリングの装
着忘れがなく、締め付け不足がない正しい接続状態で接
続されていることを確認出来る。従って安全確実な接続
作業が行える。

【０００７】

【実施例】以下本発明の実施例について図面を参照して
説明する。図１は本発明の一実施例を示す袋ナット締め
付け前の部分断面図で、図２は締め付け後の部分断面図
である。図において２１は接続する配管用鋼管、２２は
継手本体、２３は袋ナットである。継手本体２２の端部
は外周におねじ２４を設け、端部内周には端部に向かっ
て拡がるパッキン室２５を設けて、パッキン２６を装着
してある。

【０００８】２７は環状の金属製リテーナで、その端部
側に図３、図４で示す食い込みリング２８を装着してあ
る。食い込みリング２８は断面が傾斜した円錐皿バネ状
で、内周側に４本の板足２９を約９０度に折れ曲げて設
けてある。この板足２９は本発明の指示部に相当するも
ので、袋ナットの内周と管の外周の隙間よりナットの端
部側に突出している。この板足２９によって食い込みリ
ング２８を反対の向きに装着しようとしても、板足２９
がパッキン２６やリテーナ２７と緩衝するのでナット２
３を継手本体２２に螺合することが出来ず、従って食い
込みリング２８を継手本体に装着する際の方向ミスを防
止することが出来る。

【０００９】折れ曲げ部分３０の内周は食い込みリング
２８の内周部３１より食い込み深さ分逃げており、従っ
て内周部３１が管２１の外周面に円周上断続的に食い込
むようになっている。従って従来の、内周面が円環状の
食い込みリングよりも少ないナット締め付け力で管２１
外周面へ食い込ませることが出来、管２１の引き抜け阻
止力も増す。継手本体２２のおねじ２４に螺合する袋ナ
ット２３は、その内肩部で食い込みリング２８の外周を
係止し、顎３２の内周側に食い込みリング２８の板足２
９が端部外方へ挿通している。

【００１０】図１の状態から袋ナット２３を締め付ける
と、図２のごとく食い込みリング２８が袋ナット２３の
内肩部で押圧されるので直立し、内周部３１が管２１の
外周面に食い込む。同時に直立した分食い込みリングの
板足２９が袋ナット２３の後端部に締め付け前より多く
突出し、管への食い込み量も推定出来る。従って接続
時、あるいは施行完了後において、この板足２９の突出
量を目視確認することにより、袋ナットの締め付けが行
われたか、また管への食い込みが正確に行われているか
を確かめることが出来、安心して接続確認が行える。

【００１１】図５は本発明の別の実施例を示す食い込み
リングの部分断面図で、この食い込みリング４０は皿バ
ネ状の食い込みリング本体４１の内周部に円周上等間隔
の切欠き部４２を設け、この切欠き部４２に樹脂製の指
示部４３を係止させたものである。樹脂製の指示部４３
は環状部４４と環状部４４を皿バネ状のリング本体４１
に固定する係止部４５とからなり、ナットの端部側には
指示部４３の環状部４４が管の全周に突出している。こ
の実施例の場合はナットの端部側に管の外周囲全体に指
示部の環状部４４が突出しているので前記実施例より容
易に且つ確実に確認が行える。

【００１２】図６は本発明の更に別の実施例を示す食い
込みリング５０で、この食い込みリング５０は皿バネ状
の食い込みリング本体５１の外周部に円周上当間隔の切
欠き部５２を設け、この切欠き部５２に樹脂製の指示部
５３を係止して取り付けたものである。樹脂製の指示部
５３は環状部５４と環状部５４を皿バネ状のリング本体
５１の切欠き部５２に固定する係止部５５とからなり、
全体として断面がＬ字形状を呈している。この実施例の
場合も指示部５３の環状部５４がナットの端部側に管の
全周に突出しているので容易に且つ確実に確認が行え
る。

【００１３】

【発明の効果】以上説明のごとく本発明の食い込み式管
継手は、食い込みリングの装着忘れや装着方向のミスが
防止され、常に正しい接続状態で接続されていることを
確認することができ、安全確実に配管接続作業が行える
ものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例を示す袋ナット締め付け前
の部分断面図である。

【図２】 本発明の一実施例を示す袋ナット締め付け後
の部分断面図である。

【図３】 食い込みリングを示す断面図である。

【図４】 図３の右側面図である。

【図５】 本発明の別の食い込みリングの実施例を示す
断面図である。

【図６】 本発明の更に別の食い込みリングの実施例を
示す断面図である。

【図７】 従来技術を示す部分断面図である。

【符号の説明】

２１ 配管用鋼管 ２２ 継手本体 ２３ 袋ナット ２４ おねじ ２５ パッキン室 ２６ パッキン ２７ リテーナ ２８ 食い込み
リング ２９ 板足 ３０ 折れ曲げ
部分 ３１ 皿バネ内周部 ３２ 袋ナット
の顎 ４０、５０ 食い込みリング ４１、５１ 食
い込みリング本体 ４２、５２ 切欠き部 ４３、５３ 指
示部 ４４、５４ 環状部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 継手本体の端部にパッキンを装着すると
   共にナットを螺合し、外周端がナットの内肩部に係止す
   ると共に内周端が継手本体側に向けた皿バネ状の食い込
   みリングをパッキンとナット間に装着し、ナットを継手
   本体に螺合締付けることによって食い込みリングの内周
   端を接続管の外周面に食い込ませる管継手において、 前記食い込みリングは、接続管の外周面とナットの内周
   面との隙間からナットの端部側に突出する指示部を有す
   ることを特徴とする食い込み式管継手。