JPH0834920A - 感放射線性重合体組成物 - Google Patents

感放射線性重合体組成物

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JPH0834920A
JPH0834920A JP6191199A JP19119994A JPH0834920A JP H0834920 A JPH0834920 A JP H0834920A JP 6191199 A JP6191199 A JP 6191199A JP 19119994 A JP19119994 A JP 19119994A JP H0834920 A JPH0834920 A JP H0834920A
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JP
Japan
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radiation
sensitive
film
graft
polycarbodiimide
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Application number
JP6191199A
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English (en)
Inventor
Yumiko Kato
由美子 加藤
Kazuo Kawaguchi
和雄 河口
Hideetsu Fujiwara
秀悦 藤原
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JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルカリ現像が可能で、各種溶媒に対する溶
解性および溶液としての保存安定性に優れるとともに、
各種放射線に有効に感応して短時間で架橋でき、かつ架
橋時の重合体膜の厚みの減少が問題とならず、しかも優
れた諸特性を有する架橋重合体膜、架橋重合体フィルム
等に好適に使用しうる感放射線性重合体組成物を提供す
る。 【構成】 (A)ポリカルボジイミドに、グラフト反
応性基と重合性不飽和基とを有する化合物およびグラ
フト反応性基とカルボン酸無水物基とを有する化合物が
グラフトされてなる重合体、並びに(B)感放射線性重
合開始剤を含有することを特徴とする感放射線性重合体
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定のグラフト構造を
有するポリカルボジイミド系重合体を含有するアルカリ
現像可能な感放射線性重合体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカルボジイミドは、ポリイソシアネ
ート化合物の脱炭酸縮合により得られる樹脂であり、そ
の製造方法は、例えば D.J.LymanらによるDie Makromo
l. Chem.,67,1(1963)、E.DyerらによるJ. Am. Chem. So
c.,80,5495(1958) 、L.M.AlberinoらによるJ. Appl. Po
lym. Sci.,21,1999(1977)、T.W.CampbellらによるJ. Or
g. Chem.,28,2069(1963) 、特開昭51−61599号
公報等に開示されている。ポリカルボジイミドは、加熱
により分子中のカルボジイミド基が架橋しうる樹脂であ
り、優れた耐熱性を有する熱硬化性樹脂としての応用が
期待されている。しかしながら、ポリカルボジイミドを
十分に熱硬化させるためには、相当の長時間を要すると
いう問題があり、またポリカルボジイミドは、各種溶媒
に対する溶解性が低く、しかも溶液状態における保存安
定性にも問題があり、その耐熱性樹脂としての優れた特
性が実用面で十分活用されているとはいえないのが現状
である。そこで、例えば特開平2−29316号公報、
特開平4−279618号公報等にみられるように、重
合溶媒や重合条件等を工夫して、ポリカルボジイミドの
保存安定性の向上を図る試みがなされているが、このよ
うな方法においても、ポリカルボジイミド溶液の保存安
定性は、室温で3週間程度、5℃でも3か月程度であっ
て、必ずしも十分とは言えない。しかも、これらの公報
に記載された方法により得られるポリカルボジイミド
は、各種溶媒に対する溶解性が極めて悪く、また硬化時
間を短縮することはできず、これらの点からも工業的利
用の面で問題がある。一方、近年における半導体工業の
分野においては、耐熱性を有するポリイミド系樹脂から
形成された重合体膜が、集積回路における保護膜や多層
配線基板等における層間絶縁層に盛んに用いられるよう
になってきている。また、最近になって、ポリイミド前
駆体であるポリアミド酸に光硬化特性を付与したポリイ
ミド系感光性樹脂組成物が開発され、パターニングされ
た重合体膜の形成に利用することが提案されている。こ
のようなポリイミド系感光性樹脂組成物としては、例え
ばポリアミド酸にエステル結合を介して感光性基を導入
したもの(例えばR. Rubner ら、Photograph. Sci. En
g.,23(5)参照)、感光性の不飽和結合とアミノ基
とを有する化合物をポリイミド前駆体に添加し、イオン
結合により感光性基を導入したもの(例えば特公昭59
−52822号公報参照)等が知られている。しかしな
がら、これらのポリイミド系感光性樹脂組成物は、その
殆どが現像を行う際に現像液として有機溶剤を用いる溶
剤現像タイプであり、コスト、作業環境、防災等の観点
から問題がある。しかも、その重合体成分がポリイミド
前駆体よりなるため、パターニングしたのち熱処理し
て、ポリイミド前駆体の閉環反応によるポリイミド化を
達成することが必要であるが、このような熱処理では、
感光性基を構成する原子団が離脱して揮散するため、重
合体膜の膜厚が減少する欠点がある。さらに、ポリイミ
ド前駆体は、一般に基体に対する接着性が低く、また生
成されるポリイミドの吸水性も高いという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の事情
に鑑みて鋭意検討した結果なされたものであって、その
目的は、各種アルカリ性水溶液による現像が可能であ
り、かつ各種溶媒に対する溶解性および溶液としての保
存安定性に優れるとともに、各種放射線に有効に感応し
て短時間で架橋でき、かつ架橋時の重合体膜の厚みの減
少が問題とならず、しかも優れた諸特性を有する架橋重
合体膜等に好適に使用しうる感放射線性重合体組成物を
提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)一般式
(1)
【化1】 (但し、R1は2価の有機基を示す。)で表される繰返し
単位を有するポリカルボジイミドに、グラフト反応性
基と重合性不飽和基とを有する化合物(以下、「化合物
」という。)の少なくとも1種およびグラフト反応
性基とカルボン酸無水物基とを有する化合物(以下、
「化合物」という。)の少なくとも1種がグラフトさ
れてなる重合体(以下、「グラフト重合体」とい
う。)、並びに(B)重合性重合開始剤を含有すること
を特徴とする感放射線性重合体組成物、を要旨とするも
のである。以下、本発明を詳細に説明するが、これによ
り、本発明の目的、構成および効果が明確となるであろ
う。
【0005】グラフト重合体 〈ポリカルボジイミド〉先ず、本発明におけるグラフト
重合体を構成するポリカルボジイミドは、一般式(1)
で表される繰返し単位を有するものであり、例えば有機
ポリイソシアネートを、イソシアネート基のカルボジイ
ミド化反応を促進する触媒(以下、「カルボジイミド化
触媒」という。)の存在下で反応させることにより合成
することができる。このポリカルボジイミドの合成に用
いられる有機ポリイソシアネートとしては、有機ジイソ
シアネートが好ましい。このような有機ジイソシアネー
トとしては、例えばフェニレン−1,3−ジイソシアネ
ート、フェニレン−1,4−ジイソシアネート、1−メ
トキシフェニレン−2,4−ジイソシアネート、1−メ
チルフェニレン−2,4−ジイソシアネート、2,4−
トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシ
アネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,
4−キシリレンジイソシアネート、ビフェニレン−4,
4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシビフェ
ニレン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメ
チルビフェニレン−4,4’−ジイソシアネート、ジフ
ェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、ジフェニ
ルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジ
メトキシジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネー
ト、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−
ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネ
ート、シクロブチレン−1,3−ジイソシアネート、シ
クロペンチレン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘ
キシレン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキシレ
ン−1,4−ジイソシアネート、1−メチルシクロヘキ
シレン−2,4−ジイソシアネート、1−メチルシクロ
ヘキシレン−2,6−ジイソシアネート、1−イソシア
ネート−3,3,5−トリメチル−5−イソシアネート
メチルシクロヘキサン、シクロヘキサン−1,3−ビス
(メチルイソシアネート)、シクロヘキサン−1,4−
ビス(メチルイソシアネート)、イソホロンジイソシア
ネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4’−ジイソシ
アネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソ
シアネート、エチレンジイソシアネート、テトラメチレ
ン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレン−1,
6−ジイソシアネート、ドデカメチレン−1,12−ジ
イソシアネート、リジンジイソシアネートメチルエステ
ル等や、これらの有機ジイソシアネートの化学量論的過
剰量と2官能性活性水素含有化合物との反応により得ら
れる両末端イソシアネートプレポリマー等を挙げること
ができる。前記有機ジイソシアネートは、単独でまたは
2種以上を混合して使用することができる。また、場合
により有機ジイソシアネートとともに使用される他の有
機ポリイソシアネートとしては、例えばフェニル−1,
3,5−トリイソシアネート、ジフェニルメタン−2,
4,4’−トリイソシアネート、ジフェニルメタン−
2,5,4’−トリイソシアネート、トリフェニルメタ
ン−2,4’,4”−トリイソシアネート、トリフェニ
ルメタン−4,4’,4”−トリイソシアネート、ジフ
ェニルメタン−2,4,2’,4’−テトライソシアネ
ート、ジフェニルメタン−2,5,2’,5’−テトラ
イソシアネート、シクロヘキサン−1,3,5−トリイ
ソシアネート、シクロヘキサン−1,3,5−トリス
(メチルイソシアネート)、3,5−ジメチルシクロヘ
キサン−1,3,5−トリス(メチルイソシアネー
ト)、1,3,5−トリメチルシクロヘキサン−1,
3,5−トリス(メチルイソシアネート)、ジシクロヘ
キシルメタン−2,4,2’−トリイソシアネート、ジ
シクロヘキシルメタン−2,4,4’−トリイソシアネ
ート等の3官能以上の有機ポリイソシアネートや、これ
らの3官能以上の有機ポリイソシアネートの化学量論的
過剰量と2官能以上の多官能性活性水素含有化合物との
反応により得られる末端イソシアネートプレポリマー等
を挙げることができる。前記他の有機ポリイソシアネー
トは、単独でまたは2種以上を混合して使用することが
でき、その使用量は、有機ジイソシアネート100重量
部当たり、通常、0〜40重量部、好ましくは0〜20
重量部である。さらに、ポリカルボジイミドの合成に際
しては、必要に応じて有機モノイソシアネートを添加す
ることができる。これにより、有機ポリイソシアネート
が前記他の有機ポリイソシアネートを含有する場合、ポ
リカルボジイミドのポリスチレン換算数平均分子量(以
下、「Mn」という。)を適切に規制することができ、
また有機ジイソシアネートを有機モノイソシアネートと
併用することにより、比較的低いMnのポリカルボジイ
ミドを得ることができる。このような有機モノイソシア
ネートとしては、例えばメチルイソシアネート、エチル
イソシアネート、n−プロピルイソシアネート、n−ブ
チルイソシアネート、ラウリルイソシアネート、ステア
リルイソシアネート等のアルキルモノイソシアネート
類;シクロヘキシルイソシアネート、4−メチルシクロ
ヘキシルイソシアネート、2,5−ジメチルシクロヘキ
シルイソシアネート等のシクロアルキルモノイソシアネ
ート類;フェニルイソシアネート、4−メチルフェニル
イソシアネート、2,5−ジメチルフェニルイソシアネ
ート、4−メトキシフェニルイソシアネート、4−クロ
ロフェニルイソシアネート、2−トリフルオロメチルフ
ェニルイソシアネート、4−トリフルオロメチルフェニ
ルイソシアネート、ナフタレン−1−イソシアネート、
ナフタレン−5−イソシアネート等のアリールモノイソ
シアネート類を挙げることができる。前記有機モノイソ
シアネートは、単独でまたは2種以上を混合して使用す
ることができ、その使用量は、ポリカルボジイミドの所
望のMn、他の有機ポリイソシアネートの有無等により
変わるが、有機ポリイソシアネート成分100重量部当
り、通常、0〜40重量部、好ましくは0〜20重量部
である。
【0006】カルボジイミド化触媒としては、例えば1
−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−フェ
ニル−3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1
−フェニル−2−ホスホレン−1−スルフィド、1−フ
ェニル−3−メチル−2−ホスホレン−1−スルフィ
ド、1−エチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−
エチル−3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、
1−エチル−2−ホスホレン−1−スルフィド、1−エ
チル−3−メチル−2−ホスホレン−1−スルフィド、
1−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−メチ
ル−3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−
メチル−2−ホスホレン−1−スルフィド、1−メチル
−3−メチル−2−ホスホレン−1−スルフィド等や、
これらの3−ホスホレン異性体等のホスホレン化合物;
ペンタカルボニル鉄、ノナカルボニル二鉄、テトラカル
ボニルニッケル、ヘキサカルボニルタングステン、ヘキ
サカルボニルクロム等の金属カルボニル錯体;ベリリウ
ム、アルミニウム、ジルコニウム、クロム、鉄等の金属
のアセチルアセトン錯体;トリメチルホスフェート、ト
リエチルホスフェート、トリイソプロピルホスフェー
ト、トリ−t−ブチルホスフェート、トリフェニルホス
フェート等の燐酸エステル等を挙げることができる。こ
れらのカルボジイミド化触媒は、単独でまたは2種以上
を混合して使用することができ、その使用量は、全有機
イソシアネート成分100重量部当たり、通常、0.0
01〜30重量部、好ましくは0.01〜10重量部で
ある。
【0007】ポリカルボジイミドの合成反応は、無溶媒
下もしくは適当な溶媒中で実施することができる。前記
溶媒としては、例えば1,1−ジクロロエタン、1,2
−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、
1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1,2−テト
ラクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタ
ン、ペンタクロロエタン、ヘキサクロロエタン、1,1
−ジクロロエチレン、1,2−ジクロロエチレン、トリ
クロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼ
ン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p
−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼ
ン、トリクロロメチルベンゼン等のハロゲン化炭化水素
系溶媒;ジオキサン、アニソール、テトラヒドロフラ
ン、テトラヒドロピラン、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、
ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレン
グリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、
ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレ
ングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒;
N−メチル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−ピロ
リドン、N−ベンジル−2−ピロリドン、N−メチル−
3−ピロリドン、N−アセチル−3−ピロリドン、N−
ベンジル−3−ピロリドン、ホルムアミド、N−メチル
ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エ
チルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、ア
セトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド等のアミ
ド系溶媒;ジメチルスルホキシド等の非プロトン系極性
溶媒;2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエ
チルアセテート、2−プロポキシエチルアセテート、2
−ブトキシエチルアセテート、2−フェノキシエチルア
セテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルア
セテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルア
セテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル
アセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル
アセテート等のアセテート系溶媒;シクロヘキサノン、
2−アセチルシクロヘキサノン、2−メチルシクロヘキ
サノン、3−メチルシクロヘキサノン、4−メチルシク
ロヘキサノン、シクロヘプタノン、1−デカロン、2−
デカロン、2,4−ジメチル−3−ペンタノン、4,4
−ジメチル−2−ペンタノン、2−メチル−3−ヘキサ
ノン、5−メチル−2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、
3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−メチル−3−ヘ
プタノン、5−メチル−3−ヘプタノン、2,6−ジメ
チル−4−ヘプタノン、2−オクタノン、3−オクタノ
ン、2−ノナノン、3−ノナノン、5−ノナノン、2−
デカノン、3−デカノン、4−デカノン等のケトン系溶
媒;酢酸エチル、乳酸エチル、酢酸イソアミル、エトキ
シプロピオン酸メチル、メトキシプロピオン酸エチル、
エトキシプロピオン酸エチル等のエステル系溶媒等等を
挙げることができる。これらの溶媒は、単独でまたは2
種以上を混合して使用することができる。ポリカルボジ
イミドの合成反応において、溶媒は、全有機イソシアネ
ート成分の濃度が、通常、0.5〜60重量%、好まし
くは5〜50重量%となる割合で使用される。全有機イ
ソシアネート成分の濃度が高過ぎると、生成するポリカ
ルボジイミドが合成反応中にゲル化するおそれがあり、
また全有機イソシアネート成分の濃度が低すぎても、反
応速度が遅くなり、生産性が低下する。また、ポリカル
ボジイミドの合成反応の温度は、有機イソシアネート成
分やカルボジイミド化触媒の種類に応じて適宜選定され
るが、通常、20〜200℃である。ポリカルボジイミ
ドの合成反応に際して、有機イソシアネート成分は、反
応前に全量を添加しても、あるいはその一部または全部
を反応中に、連続的あるいは段階的に添加してもよい。
合成されたポリカルボジイミドは、必要に応じて溶液か
ら分離される。この場合、ポリカルボジイミドの分離法
としては、例えばポリカルボジイミド溶液を、該ポリカ
ルボジイミドに対して不活性な非溶媒中に添加し、生じ
た沈澱物あるいは油状物をろ過またはデカンテーション
により分離・採取する方法;噴霧乾燥により分離・採取
する方法等を挙げることができる。本発明におけるポリ
カルボジイミドのMnは、通常、400〜500,00
0、好ましくは1,000〜200,000、特に好ま
しくは2,000〜100,000である。
【0008】〈化合物および〉次に、本発明におけ
るグラフト重合体を構成する化合物および化合物に
ついて説明する。化合物は、グラフト反応性基と重合
性不飽和基とを有する化合物であり、該化合物は、脂肪
族化合物、脂環族化合物あるいは芳香族化合物であるこ
とができる。ここで、グラフト反応性基としては、例え
ばカルボキシル基、第一級もしくは第二級のアミノ基、
水酸基等を挙げることができる。化合物において、前
記グラフト反応性基および重合性不飽和基はそれぞれ、
同一のあるいは異なる基が1個以上存在することができ
る。このような化合物としては、例えばアクリル酸、
メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、ブタジエン−1
−カルボン酸等の不飽和モノカルボン酸類;アリルアミ
ン、メタクリルアミン、2−アミノエチル(メタ)アク
リレート、2−アミノプロピル(メタ)アクリレート、
3−アミノプロピル(メタ)アクリレート、2−アミノ
ブチル(メタ)アクリレート、3−アミノブチル(メ
タ)アクリレート、4−アミノブチル(メタ)アクリレ
ート、5−アミノペンチル(メタ)アクリレート、6−
アミノヘキシル(メタ)アクリレート、7−アミノヘプ
チル(メタ)アクリレート、8−アミノオクチル(メ
タ)アクリレート、9−アミノノニル(メタ)アクリレ
ート、10−アミノデシル(メタ)アクリレート、ω−
アミノオクタデシル(メタ)アクリレート、2−アミノ
エチルクロトネート、3−アミノプロピルクロトネー
ト、6−アミノヘキシルクロトネート、p−アミノスチ
レン等の重合性不飽和基を有する第一級モノアミン類;
2−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−エ
チルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−n−プロ
ピルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−イソプロ
ピルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−n−ブチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−t−ブチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、p−メチルアミノ
スチレン、p−t−ブチルアミノスチレン等の重合性不
飽和基を有する第二級モノアミン類;2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)ア
クリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリ
レート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)
アクリレート、アリルアルコール、エチレングリコール
モノビニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ジ
エチレングリコールモノアリルエーテル、グリセリンジ
ビニルエーテル、グリセリンジアリルエーテル、トリメ
チロールエタンジビニルエーテル、トリメチロールエタ
ンジアリルエーテル、トリメチロールプロパンジビニル
エーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、
ペンタエリスリトールジビニルエーテル、ペンタエリス
リトールジアリルエーテル、ジグリセロールトリビニル
エーテル、ジグリセロールトリアリルエーテル、クロチ
ルアルコール、ビニルフェノール、シンナミルアルコー
ル、o−シンナミルフェノール、アリルフェノール、
【0009】
【化2】
【0010】(ここで、各R2は相互に同一でも異なって
もよく、水素原子またはメチル基を示し、iは1〜30
の整数である。)、
【0011】
【化3】
【0012】(ここで、R2は水素原子またはメチル基を
示し、jは2〜30の整数である。)、
【0013】
【化4】
【0014】(ここで、R2は水素原子またはメチル基を
示し、kは2〜30の整数である。)、
【0015】
【化5】
【0016】(ここで、R2は水素原子またはメチル基を
示す。)、
【0017】
【化6】
【0018】(ここで、R2は水素原子またはメチル基を
示す。)等の重合性不飽和基を有するモノアルコール類
またはモノフェノール類等を挙げることができる。これ
らの化合物のうち、特に不飽和モノカルボン酸類が好
ましい。前記化合物は、単独でまたは2種以上を混合
して使用することができる。化合物は、放射線の照射
(以下、「露光」という。)により重合しうる不飽和基
を有し、したがって、化合物がグラフトしたグラフト
重合体は、感放射線性重合開始剤の存在下で露光するこ
とにより架橋して、各種のアルカリ性水溶液および有機
溶剤に不溶性となるものであり、これにより、本発明に
おける重合体組成物は、感放射線性重合体組成物として
使用できることとなる。また、化合物は、グラフト反
応性基とカルボン酸無水物基とを有する化合物であり、
該化合物は、脂肪族化合物、脂環族化合物あるいは芳香
族化合物であることができる。ここで、グラフト反応性
基としては、例えばカルボキシル基、第一級もしくは第
二級のアミノ基等を挙げることができる。化合物にお
いて、前記グラフト反応性基は、同一のあるいは異なる
基が1個以上存在することができ、またカルボン酸無水
物基は1個以上存在することができる。このような化合
物としては、例えば1,2,3−プロパントリカルボ
ン酸無水物、1,2,4−ブタントリカルボン酸無水
物、ヘキサヒドロトリメリット酸無水物、トリメリット
酸無水物等のトリカルボン酸類の酸無水物:アミノコハ
ク酸無水物、4−アミノ−1,2−ブタンジカルボン酸
無水物、4−アミノヘキサヒドロフタル酸無水物、4−
アミノフタル酸無水物等のアミノジカルボン酸の酸無水
物類、N−メチルアミノコハク酸無水物、4−メチルア
ミノ−1,2−ブタンジカルボン酸無水物、4−メチル
アミノヘキサヒドロフタル酸無水物、4−メチルアミノ
フタル酸無水物等のアミノジカルボン酸類の酸無水物等
を挙げることができる。これらの化合物のうち、特に
トリメリット酸無水物が好ましい。前記化合物は、単
独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
化合物中のカルボン酸無水物基は、本発明の感放射線
性重合体組成物に対する現像液として用いられるアルカ
リ性水溶液中で加水分解されてカルボン酸塩に変換され
るものであり、したがって、化合物がグラフトしたグ
ラフト重合体は、未露光時には各種のアルカリ性水溶液
に対して可溶であり、これにより、本発明における重合
体組成物は、そのグラフト重合体が重合性不飽和基を有
することと相まって、各種のアルカリ性水溶液による現
像が可能な感放射線性重合体組成物として使用できるこ
ととなる。なお、化合物中のカルボン酸無水物基は、
100〜500℃の温度で、ポリカルボジイミド中のカ
ルボジイミド基と容易に付加反応を生じるものであり、
本発明におけるグラフト重合体は、短時間で熱硬化しう
る熱硬化性重合体としても使用しうるものである。
【0019】〈グラフト重合体の製造〉次に、グラフト
重合体の製造方法について説明する。グラフト重合体
は、ポリカルボジイミドに、化合物の少なくとも1種
と化合物の少なくとも1種とを、適当な触媒の存在下
あるいは不存在下で、適宜温度でグラフト(以下、「グ
ラフト反応」という。)させることによって製造するこ
とができる。この場合、ポリカルボジイミドは、単独で
または2種以上を混合して使用することができる。グラ
フト反応における化合物と化合物との合計使用量
(合計モル数)は、ポリカルボジイミドやこれらの化合
物の種類、感放射線性重合体組成物の用途等に応じて適
宜調節されるが、ポリカルボジイミドの一般式(1)で
表される繰返し単位1モル当り、通常、0.05〜1モ
ル、好ましくは0.1〜0.9モルである。また各化合
物の使用量は、化合物では、ポリカルボジイミドの一
般式(1)で表される繰返し単位1モル当り、通常、
0.01〜0.95モル、好ましくは0.02〜0.7
モルであり、化合物では、ポリカルボジイミドの一般
式(1)で表される繰返し単位1モル当り、通常、0.
04〜0.99モル、好ましくは0.08〜0.5モル
である。グラフト反応に際して、化合物の使用量が少
なすぎると、重合体組成物の露光による架橋性が不十分
となり、架橋時間が長くなったり、所望の特性を有する
架橋重合体膜等の形成が困難となったりするおそれがあ
り、また、化合物の使用量が少なすぎると、グラフト
重合体のアルカリ性水溶液に対する溶解性が不十分とな
り、アルカリ現像型感放射線性重合体組成物として満足
できないものとなるおそれがある。さらに、化合物と
化合物との合計使用量が多すぎると、ポリカルボジイ
ミド本来の特性が損なわれるおそれがある。前記グラフ
ト反応において、化合物および化合物は、ともに定
量的にポリカルボジイミドにグラフトし、これらの化合
物の使用量に見合うグラフト量が達成される。グラフト
反応に際して、化合物と化合物とは、同時にあるい
は別個にポリカルボジイミドと反応させることができ、
別個に反応させる場合は、いずれの化合物を先に反応さ
せてもよい。グラフト反応は、無溶媒下でも実施するこ
とができるが、適当な溶媒中で実施することが好まし
い。このような溶媒は、ポリカルボジイミド、化合物
および化合物に対して不活性であり、かつこれらを溶
解しうる限り、特に限定されるものではなく、その例と
してはポリカルボジイミドの合成に使用される前記エー
テル系溶媒、アミド系溶媒、非プロトン系極性溶媒等を
挙げることができる。またグラフト反応に、ポリカルボ
ジイミドの合成時に使用された溶媒が使用できるとき
は、その合成により得られるポリカルボジイミド溶液を
そのまま使用することもできる。これらの溶媒は、単独
でまたは2種以上を混合して使用することができ、その
使用量は、反応原料100重量部当たり、通常、10〜
10000重量部、好ましくは50〜5000重量部で
ある。グラフト反応の温度は、ポリカルボジイミド、化
合物および化合物の種類に応じて適宜選定される
が、通常、200℃以下、好ましくは−10〜+100
℃である。得られたグラフト重合体は、溶液としてある
いは溶液から分離して使用されるが、その製造時に溶液
として得られた該重合体を溶媒から分離する方法として
は、例えば該重合体溶液を、該重合体に対して不活性な
非溶媒中に添加し、生じた沈澱物あるいは油状物をろ過
またはデカンテーションにより分離・採取する方法;噴
霧乾燥により分離・採取する方法等を挙げることができ
る。本発明におけるグラフト重合体は、化合物中のグ
ラフト反応性基がポリカルボジイミドの繰返し単位の少
なくとも一部において反応して、重合性不飽和基を有す
る該化合物残基がペンダントするとともに、化合物中
のグラフト反応性基がポリカルボジイミドの繰返し単位
の少なくとも一部において反応して、カルボン酸無水物
基を有する該化合物残基がペンダントした実質的に非架
橋構造を有する重合体である。グラフト反応における典
型的な反応過程を下記に例示する。但しZは、化合物
あるいは化合物のグラフト反応性基の部分を除いた残
基を表す。
【0020】
【化7】
【0021】
【化8】
【0022】
【化9】
【0023】
【化10】
【0024】この場合、式(A)〜(K)の如きグラフ
ト構造は、ポリカルボジイミド中にランダムに生じる。
また、各グラフト反応性基に対応する式(A)〜
(D)、式(F)と(G)、あるいは式(H)〜(K)
の構造は、いずれか1種のみあるいは2種以上が同時に
生成され得る。本発明におけるグラフト重合体は、グラ
フト反応前のポリカルボジイミドとは本質的に異なる構
造を有するものであり、そのため該ポリカルボジイミド
とはその性状が異なっており、各種溶媒に対して容易に
溶解しうるとともに、溶液状態での保存安定性が極めて
優れたものとなる。このグラフト重合体の溶液としての
保存安定性は、ポリカルボジイミドの重大な欠点を解消
するものであって、工業上重要な寄与をなすものであ
る。グラフト重合体のMnは、通常、500〜1,00
0,000であり、好ましくは1,000〜400,0
00、特に好ましくは2,000〜200,000であ
る。
【0025】感放射線性重合開始剤 本発明における感放射線性重合開始剤は、露光により遊
離ラジカルを生成する化合物である。このような感放射
線性重合開始剤としては、例えばベンゾイン、2−メチ
ルベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン
エチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベ
ンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;アント
ラキノン、メチルアントラキノン、2−t−ブチルアン
トラキノン、1,2−ベンゾ−9,10−アントラキノ
ン等のアントラキノン類;ベンゾフェノン、4,4’−
ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ミヒラーズケ
トン等のベンゾフェノン類;アセトフェノン、2,2−
ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等のアセトフ
ェノン類;ジアセチル、ベンジル等のα−ジケトン類;
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メ
チル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォ
リノ−1−プロパノン、2,6−ビス(p−ジエチルア
ミノベンジリデン)−4−アザ−4−メチルシクロヘキ
サノン、2,6−ビス(p−ジエチルアミノベンジリデ
ン)−4−オキソシクロヘキサノン、2,6−ビス(p
−ジエチルアミノベンジリデン)−4−チアシクロヘキ
サノン等のケトン化合物;ベンジルジメチルケタール、
ベンジルジエチルケタール等のケタール類;1,5−ア
セナフテン、アントラセン等の多核芳香族化合物;チオ
キサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イ
ソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;ジフ
ェニルジスルフィド等のジスルフィド類等を挙げること
ができる。これらの感放射線性重合開始剤は、単独でま
たは2種以上を混合して使用することができる。本発明
における感放射線性重合開始剤の使用量は、感放射線性
重合体組成物の感度およびレジストパターンの耐熱性の
観点から、グラフト重合体100重量部当り、通常、
0.01〜50重量部、好ましくは0.1〜30重量部
である。また本発明においては、前記感放射線性重合開
始剤に、感放射線性重合開始助剤であるアミン類を少量
併用することができる。このようなアミン類としては、
例えばp−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチ
ルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸
イソプロピル、p−ジエチルアミノ安息香酸イソプロピ
ル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、p−ジエ
チルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸−2−(ジメ
チルアミノ)エチル、N,N−ジメチルアントラニル酸
エチル、N,N−ジエチルアントラニル酸エチル等のア
ミノ安息香酸類;p−ジメチルアミノベンズアルデヒ
ド、p−ジエチルアミノベンズアルデヒド等のアミノベ
ンズアルデヒド類;p−ジメチルアミノベンゾニトリ
ル、p−ジエチルアミノベンゾニトリル等のアミノベン
ゾニトリル類;N,N−ジメチルアミノナフタレン、
N,N−ジエチルアミノナフタレン等のアミノナフタレ
ン類;N−フェニルグリシン、N−(p−シアノフェニ
ル)グリシン、N−(p−クロロフェニル)グリシン、
N−(p−ブロモフェニル)グリシン等のグリシン類を
挙げることができる。これらのアミン類は、単独でまた
は2種以上を混合して使用することができる。前記アミ
ン類の使用量は、感放射線性重合開始剤に対して等モル
以下が好ましい。
【0026】感放射線性重合体組成物の調製 本発明の感放射線性重合体組成物は、前記グラフト重合
体および感放射線性重合開始剤を必須成分とするもので
あるが、該組成物には、必要に応じて各種の添加剤を配
合することができる。このような添加剤としては、例え
ば酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、難燃剤、着色
剤、滑剤、防曇剤、接着性改善剤、防カビ剤等を挙げる
ことができる。さらに、ガラス、カーボン、アルミナ、
チタン酸カリウム、ほう酸アルミニウム、炭化ケイ素、
窒化ケイ素、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポ
リイミド、全芳香族ポリエステル、超高分子量ポリエチ
レン、高強度ポリアクリロニトリル、高強力ポリビニル
アルコール等の繊維あるいはウイスカー等の補強材や、
クレー、ゼオライト、タルク、マイカ、シリカ、グラフ
ァイト、アルミナ、炭酸カルシウム、ワラストナイト等
の充填材を配合することもできる。また前記補強材を織
布、不織布、編み物等の布帛の形で用い、これらの布帛
に感放射線性重合体組成物を含浸させて使用することも
できる。本発明の感放射線性重合体組成物は、その使用
に際しては、通常、組成物溶液に調製される。前記組成
物溶液に使用される溶媒としては、グラフト重合体およ
び感放射線性重合開始剤に対して不活性である限り、特
に限定されるものではなく、その例としてはポリカルボ
ジイミドの合成に使用される前記エーテル系溶媒、アミ
ド系溶媒、非プロトン系極性溶媒、ハロゲン化炭化水素
系溶媒、エステル系溶媒等を挙げることができる。これ
らの溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用する
ことができる。前記溶媒の使用量は、グラフト重合体と
感放射線性重合開始剤との合計100重量部当り、10
〜10,000重量部が好ましく、さらに好ましくは2
0〜5,000重量部である。
【0027】架橋重合体膜の形成 以下、本発明の感放射線性重合体組成物を用いて、架橋
重合体膜を形成する方法について説明する。本発明の感
放射線性重合体組成物は、好ましくは溶液として適当な
基体上に塗布し、乾燥して感放射線性膜を形成させ、該
膜を少なくとも部分的に露光して架橋させ、好ましくは
熱処理したのち、必要に応じて現像処理することによ
り、基体上に架橋重合体膜を形成することができる。ま
た、予め離型処理した基体を用い、前述したようにして
基体上に形成された架橋重合体膜を基体から強制的に剥
離するか、あるいは前述したようにして基体上に形成さ
れた感放射線性膜を基体から強制的に剥離したのち露光
して架橋させることにより、架橋重合体膜を得ることが
できる。本発明の感放射線性重合体組成物から架橋重合
体膜を形成する際に使用される基体は、特に限定される
ものではなく、例えば鉄、ニッケル、ステンレス、チタ
ン、アルミニウム、銅、各種合金等の金属;窒化ケイ
素、炭化ケイ素、サイアロン、窒化アルミニウム、窒化
ほう素、炭化ほう素、酸化ジルコニウム、酸化チタン、
アルミナ、シリカ、これらの混合物等のセラミック;S
i、Ge、SiC 、SiGe、GaAs等の半導体; ガラス、陶磁器
等の窯業材料;芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、
ポリイミド、全芳香族ポリエステル等の耐熱性樹脂等を
挙げることができる。これらの基体には、所望により、
予め離型処理を施しておくことができ、またシランカッ
プリング剤、チタンカップリング剤等による薬品処理
や、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリ
ング、気相反応法、真空蒸着の如き適宜の前処理を施す
こともできる。本発明の感放射線性重合体組成物を溶液
として前記基体に塗布する際には、回転塗布法、ロール
塗布法、流延塗布法、浸漬塗布法、噴霧塗布法等の適宜
の塗布手段を採用することができる。また、塗布厚さ
は、塗布手段の選択、組成物溶液の固形分濃度や粘度を
調整することにより適宜制御することができる。本発明
の感放射線性重合体組成物から架橋重合体膜を形成する
際に使用される放射線としては、紫外線が好ましいが、
可視光線、エキシマレーザー等の遠紫外線、電子線等の
荷電粒子線、シンクロトロン放射線等のX線も使用する
ことができる。この場合の放射線のエネルギー密度は、
放射線の種類、感放射線性重合開始剤や場合により使用
されるアミン類の種類と使用量等により変わり、一概に
は規定できないが、例えば紫外線の場合、通常、0.1
〜50,000mJ/cm2、好ましくは1〜10,000mJ
/cm2である。本発明の感放射線性重合体組成物から架橋
重合体膜を形成する際には、露光後、熱処理を行うこと
により、該膜の機械的特性をより向上させることができ
る。このような熱処理は、比較的低温でも短時間で所期
の効果を達成することができ、この点も本発明の利点の
一つである。熱処理時間は、例えば50〜500℃の温
度範囲では、0.5〜120分程度で十分である。露光
は、感放射線性膜の全面または一部に対して行うことが
できるが、感放射線性膜の一部に露光することが好まし
く、この場合、一般のフォトレジストと同様のリソグラ
フィーにより、パターニングされた架橋重合体膜を基体
上に形成させることができる。前記パターニングされた
架橋重合体膜の形成方法は、該架橋重合体膜を形成すべ
き領域を含む基体表面に、本発明の感放射線性重合体組
成物を好ましくは溶液として塗布し、乾燥して、感放射
線性膜を形成し、該膜に、例えばフォトマスクを介し
て、部分的に露光して架橋構造を導入し、その後、現像
液としてアルカリ性水溶液を用いて現像して、感放射線
性膜の未露光部を現像液で溶解除去し、得られたパター
ニングされた架橋重合体膜を好ましくは熱処理すること
からなる。その際に現像液として使用されるアルカリ性
水溶液としては、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリ
ウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸
ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類;エチル
アミン、n−プロピルアミン等の第一級アミン類;ジエ
チルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の第二級アミン
類;トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三
級アミン類;ジメチルエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン等のアルカノールアミン類;テトラメチルアン
モニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒド
ロキシド等の第四級アンモニウム塩類等のアルカリ性化
合物の濃度0.1〜50重量%の水溶液や、これらの水
溶液にメタノール、エタノール、イソプロパノール等の
水溶性有機溶媒や界面活性剤を適量添加した水溶液を挙
げることができる。このようなアルカリ性水溶液からな
る現像液による現像後は、パターニングされた架橋重合
体膜を適宜のリンス液で洗浄し、現像液を除去すること
が好ましい。このようなリンス液としては、例えば現像
液との混和性の高い、グラフト重合体に対する非溶剤が
好ましい。好ましい非溶剤は、例えばメタノール、エタ
ノール、イソプロパノール、水等である。なお、本発明
においては、場合により、感放射線性膜の未露光部を溶
解しうる有機溶剤、例えばグラフト重合体の製造あるい
は感放射線性重合体組成物溶液の調製に使用される溶媒
を現像液として用いて現像することもできることは理解
されよう。本発明の感放射線性重合体組成物から形成さ
れる架橋重合体膜の厚さは、適宜制御することができる
が、通常、0.1〜10,000μm、好ましくは1〜
1,000μmである。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明は、その要旨を越えない限り、これらの実施
例に何ら制約されるものではない。 実施例1ポリカルボジイミドの合成 トリレンジイソシアネート(TDI) 50gを、シクロヘキ
サノン200g中で、1−フェニル−3−メチル−2−
ホスホレン−1−オキシド0.28gの存在下、80℃
で4時間反応させて、ポリカルボジイミド(P-TDI)(M
n=5,000)の溶液を得た。グラフト重合体の製造 前記溶液に、アクリル酸1.4gとトリメリット酸無水
物16.7gとを添加し、20℃で3時間反応させて、
Mnが6,000のグラフト重合体の溶液を得た。該グ
ラフト重合体におけるアクリル酸およびトリメリット酸
無水物のグラフト量は、前記一般式(1)で表される繰
返し単位1モル当たり、アクリル酸が0.1モル、トリ
メリット酸無水物が0.45モルであった。感放射線性重合体組成物溶液の調製 前記グラフト重合体の溶液に、感放射線性重合開始剤と
して1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン2.
0gを溶解したのち、孔径1μmのフィルターを用いて
加圧ろ過し、感放射線性重合体組成物溶液を調製した。架橋重合体膜の形成 前記感放射線性重合体組成物溶液を、シリコンウエハー
基体の表面に塗布し、90℃で3分間乾燥して、膜厚2
μmの感放射線性膜を形成した。この感放射線性膜に、
フォトマスクを介し、500Wの水銀灯から紫外線を1
40mJ/cm2のエネルギー密度で露光して、架橋させた。
その後、15重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキ
シド水溶液を現像液として用いて現像したのち、純水で
リンスして、最小線幅6.0μmのレリーフパターンを
形成した。次いで、200℃で10分間熱処理を行っ
て、基体上にパターニングされた架橋重合体膜を形成し
た。評価 保存安定性: 前記感放射線性重合体組成物の20重量
%シクロヘキサノン溶液は、暗所下において、室温で6
ヶ月以上、−10℃では12ヶ月以上、安定に保存する
ことができた。 吸水率 : 基体上に形成した前記架橋重合体膜を2
3℃の水中に24時間浸漬したのち、架橋重合体膜表面
の水滴を拭き取り、浸漬前後の重量変化から、架橋重合
体膜の吸水率を測定した。その結果、吸水率は0.5%
であり、極めて低かった。 接着性 : 表面積10mm2 の基体上に形成した前記
架橋重合体膜に1mm間隔で切込みを入れて、100個の
小区画に分割し、全体に粘着テープを貼り付けて引き剥
したとき、基体に接着して剥離しなかった小区画の数n
を算出し、n/100で評価するテープ剥離法により、
架橋重合体膜の基体に対する接着性を評価した。その結
果は100/100であり、極めて優れた接着性を示し
た。 実施例2架橋重合体膜の形成 実施例1で調製した感放射線性重合体組成物溶液を、予
め離型処理したガラス基体の表面に塗布し、120℃で
5分間乾燥して、膜厚50μmの感放射線性膜を形成し
た。この感放射線性膜に、500Wの水銀灯から紫外線
を140mJ/cm2のエネルギー密度で露光して架橋させ
た。その後架橋重合体膜を基体から強制的に剥離して、
膜厚50μmの架橋重合体膜を得た。評価 引張強度 : 前記架橋重合体膜の引張強度は、110
0Kgf/cm2 であった。 実施例3架橋重合体膜の形成 実施例2と同様にして形成した感放射線性膜を基体から
強制的に剥離して、膜厚50μmの感放射線性膜を得
た。次いで、この感放射線性膜に、500Wの水銀灯か
ら紫外線を140mJ/cm2のエネルギー密度で露光して架
橋させ、架橋重合体膜を得た。評価 引張強度 : 前記架橋重合体膜の引張強度は、110
0Kgf/cm2 であった。
【0029】実施例4感放射線性重合体組成物溶液の調製 感放射線性重合開始剤として、1−ヒドロキシシクロヘ
キシルフェニルケトンの代わりにベンジルジメチルケタ
ール2.0gを使用した以外は、実施例1と同様にし
て、感放射線性重合体組成物溶液を調製した。架橋重合体膜の形成 前記感放射線性重合体組成物溶液を用い、実施例1と同
様にして、膜厚5μmの感放射線性膜を形成したのち、
実施例1と同様に処理して、最小線幅6.0μmのパタ
ーニングされた架橋重合体膜を形成した。評価 保存安定性: 前記感放射線性重合体組成物の20重量
%シクロヘキサノン溶液は、暗所下において、室温で6
ヶ月以上、−10℃では12ヶ月以上、安定に保存する
ことができた。 吸水率および接着性:基体上に形成した前記架橋重合体
膜について、実施例1と同様にして評価したところ、吸
水率が0.5%、接着性が100/100であった。 実施例5架橋重合体膜の形成 実施例4で調製した感放射線性重合体組成物溶液を用い
た以外は、実施例2と同様に処理して、膜厚50μmの
架橋重合体膜を得た。評価 引張強度 : 前記架橋重合体膜の引張強度は、110
0Kgf/cm2 であった。 実施例6架橋重合体膜の形成 実施例4で調製した感放射線性重合体組成物溶液用い、
実施例2と同様にして、膜厚50μmの感放射線性膜を
形成したのち、500Wの水銀灯から紫外線を200mJ
/cm2のエネルギー密度で露光した以外は、実施例3と同
様に処理して、膜厚50μmの架橋重合体膜を得た。評価 引張強度 : 前記架橋重合体膜の引張強度は、120
0Kgf/cm2 であった。
【0030】実施例7グラフト重合体の製造 アクリル酸の代わりにメタクリル酸0.78gを用いた
以外は、実施例1と同様にして、Mnが6,000のグ
ラフト重合体の溶液を得た。該グラフト重合体における
メタクリル酸およびトリメリット酸無水物のグラフト量
は、前記一般式(1)で表される繰返し単位1モル当た
り、メタクリル酸が0.1モル、トリメリット酸無水物
が0.45モルであった。感放射線性重合体組成物溶液の調製 前記グラフト重合体の溶液を用いた以外は、実施例1と
同様にして、感放射線性重合体組成物溶液を調製した。架橋重合体膜の形成 前記感放射線性重合体組成物溶液を用い、実施例1と同
様にして、膜厚5μmの感放射線性膜を形成したのち、
実施例1と同様に処理して、最小線幅6.0μmのパタ
ーニングされた架橋重合体膜を形成した。評価 保存安定性: 前記感放射線性重合体組成物の20重量
%シクロヘキサノン溶液は、暗所下において、室温で6
ヶ月以上、−10℃では12ヶ月以上、安定に保存する
ことができた。 吸水率および接着性:基体上に形成した前記架橋重合体
膜について、実施例1と同様にして評価したところ、吸
水率が0.5%、接着性が100/100であった。 実施例8架橋重合体膜の形成 実施例7で調製した感放射線性重合体組成物溶液を用い
た以外は、実施例2と同様に処理して、膜厚50μmの
架橋重合体膜を得た。評価 引張強度 : 前記架橋重合体膜の引張強度は、110
0Kgf/cm2 であった。 実施例9架橋重合体膜の形成 実施例7で調製した感放射線性重合体組成物溶液を用
い、実施例2と同様にして、膜厚50μmの感放射線性
膜を形成したのち、実施例3と同様に処理して、膜厚5
0μmの架橋重合体膜を得た。評価 引張強度 : 前記架橋重合体膜の引張強度は、110
0Kgf/cm2 であった。
【0031】実施例10 アクリル酸の代わりにメタクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル(2-HEMA)2.5gを用い、60℃で5時間反応させた
以外は、実施例1と同様にして、Mnが6,100のグ
ラフト重合体の溶液を得た。該グラフト重合体における
2-HEMAおよびトリメリット酸無水物のグラフト量は、前
記一般式(1)で表される繰返し単位1モル当たり、2-
HEMAが0.1モル、トリメリット酸無水物が0.45モ
ルであった。感放射線性重合体組成物溶液の調製 前記グラフト重合体の溶液を用いた以外は、実施例1と
同様にして、感放射線性重合体組成物溶液を調製した。架橋重合体膜の形成 前記感放射線性重合体組成物溶液を用い、実施例1と同
様にして、膜厚5μmの感放射線性膜を形成したのち、
実施例1と同様に処理して、最小線幅6.0μmのパタ
ーニングされた架橋重合体膜を形成した。評価 保存安定性: 前記感放射線性重合体組成物の20重量
%シクロヘキサノン溶液は、暗所下において、室温で6
ヶ月以上、−10℃では12ヶ月以上、安定に保存する
ことができた。 吸水率および接着性:基体上に形成した前記架橋重合体
膜について、実施例1と同様にして評価したところ、吸
水率が0.6%、接着性が100/100であった。 実施例11架橋重合体膜の形成 実施例10で調製した感放射線性重合体組成物溶液を用
いた以外は、実施例2と同様に処理して、膜厚50μm
の架橋重合体膜を得た。評価 引張強度 : 前記架橋重合体膜の引張強度は、120
0Kgf/cm2 であった。 実施例12架橋重合体膜の形成 実施例10で調製した感放射線性重合体組成物溶液を用
い、実施例2と同様にして、膜厚50μmの感放射線性
膜を形成したのち、実施例3と同様に処理して、膜厚5
0μmの架橋重合体膜を得た。評価 引張強度 : 前記架橋重合体膜の引張強度は、120
0Kgf/cm2 であった。
【0032】実施例13ポリカルボジイミドの合成 TDI の代わりに、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソ
シアネート(MDI) 50gを用いた以外は、実施例1と同
様にして、ポリカルボジイミド(P-MDI)(Mn=5,0
00)の溶液を得た。グラフト重合体の製造 前記溶液に、アクリル酸0.8gとトリメリット酸無水
物16.7gとを添加し、20℃で3時間反応させて、
Mnが7,200のグラフト重合体の溶液を得た。該グ
ラフト重合体におけるアクリル酸およびトリメリット酸
無水物のグラフト量は、前記一般式(1)で表される繰
返し単位1モル当たり、アクリル酸が0.1モル、トリ
メリット酸無水物が0.45モルであった。感放射線性重合体組成物溶液の調製 前記グラフト重合体の溶液を用いた以外は、実施例1と
同様にして、感放射線性重合体組成物溶液の調製を行っ
た。架橋重合体膜の形成 前記感放射線性重合体組成物溶液を用い、実施例1と同
様にして、膜厚5μmの感放射線性薄膜を形成したの
ち、実施例1と同様に処理して、最小線幅6.0μmの
パターニングされた架橋重合体膜を形成した。評価 保存安定性: 前記感放射線性重合体組成物の20重量
%シクロヘキサノン溶液は、暗所下において、室温で6
ヶ月以上、−10℃では12ヶ月以上、安定に保存する
ことができた。 吸水率および接着性:基体上に形成した前記架橋重合体
膜について、実施例1と同様にして評価したところ、吸
水率が0.7%、接着性が100/100であった。 実施例14架橋重合体膜の形成 実施例13で調製した感放射線性重合体組成物溶液を用
いた以外は、実施例2と同様に処理して、膜厚50μm
の架橋重合体膜を得た。評価 引張強度 : 前記架橋重合体膜の引張強度は、130
0Kgf/cm2 であった。 実施例15架橋重合体膜の形成 実施例13で調製した感放射線性重合体組成物溶液を用
い、実施例2と同様にして、膜厚50μmの感放射線性
膜を形成したのち、実施例3と同様に処理して、膜厚5
0μmの架橋重合体膜を得た。評価 引張強度 : 前記架橋重合体膜の引張強度は、130
0Kgf/cm2 であった。
【0033】実施例16ポリカルボジイミドの合成 ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート
(HMDI)50gを、1−フェニル−3−メチル−2−ホス
ホレン−1−オキシド2.50gの存在下、180℃で
8時間反応させて、ポリカルボジイミド(P-HMDI) (M
n=5,000)を合成し、このポリカルボジイミドを
アニソール中に溶解して、濃度20重量%のポリカルボ
ジイミドの溶液を得た。グラフト重合体の製造 前記溶液に、アクリル酸0.8gとトリメリット酸無水
物16.7gとを添加し、20℃で3時間反応させて、
Mnが7,200のグラフト重合体の溶液を得た。該グ
ラフト重合体におけるアクリル酸およびトリメリット酸
無水物のグラフト量は、前記一般式(1)で表される繰
返し単位1モル当たり、アクリル酸が0.1モル、トリ
メリット酸無水物が0.45モルであった。感放射線性重合体組成物溶液の調製 前記グラフト重合体の溶液を用いた以外は、実施例1と
同様にして、感放射線性重合体組成物溶液の調製を行っ
た。架橋重合体膜の形成 前記感放射線性重合体組成物溶液を用い、実施例1と同
様にして、膜厚5μmの感放射線性薄膜を形成したの
ち、実施例1と同様に処理して、最小線幅6.0μmの
パターニングされた架橋重合体膜を形成した。評価 保存安定性: 前記感放射線性重合体組成物の20重量
%アニソール溶液は、暗所下において、室温で6ヶ月以
上、−10℃では12ヶ月以上、安定に保存することが
できた。 吸水率および接着性:基体上に形成した前記架橋重合体
膜について、実施例1と同様にして評価したところ、吸
水率が0.2%、接着性が100/100であった。 実施例17架橋重合体膜の形成 実施例16で調製した感放射線性重合体組成物溶液を用
い、膜厚50μmの感放射線性膜を形成したのち、50
0Wの水銀灯から紫外線を200mJ/cm2のエネルギー密
度で露光した以外は、実施例2と同様に処理して、膜厚
50μmの架橋重合体膜を得た。評価 引張強度 : 前記架橋重合体膜の引張強度は、120
0Kgf/cm2 であった。 実施例18架橋重合体膜の形成 実施例16で調製した感放射線性重合体組成物溶液を用
い、実施例2と同様にして、膜厚50μmの感放射線性
膜を形成したのち、500Wの水銀灯から紫外線を20
0mJ/cm2のエネルギー密度で露光した以外は、実施例3
と同様に処理して、膜厚50μmの架橋重合体膜を得
た。評価 引張強度 : 前記架橋重合体膜の引張強度は、120
0Kgf/cm2 であった。 以上の各実施例の結果を、下記表−1にまとめて示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】本発明の感放射線性重合体組成物は、各
種のアルカリ性水溶液による現像が可能で、各種溶媒に
対する溶解性および溶液としての保存安定性に優れ、ま
た各種放射線に有効に感応して短時間で架橋できるとと
もに、架橋時の重合体膜の厚みの減少が問題とならず、
しかもその架橋重合体は、吸水性が低く、各種基体に対
する接着性に優れるとともに、電気絶縁性、化学的安定
性、耐熱性、機械的特性等にも優れ、かつ微小パターン
にパターニングしうるものである。したがって、本発明
の感放射線性重合体組成物は、特に架橋重合体膜とし
て、集積回路における保護膜や多層配線基板における層
間絶縁層として、あるいはエッチング処理等に、極めて
好適に使用することができるほか、一般の架橋性重合体
膜、架橋重合体膜等の耐熱性フィルム材や、耐熱性ワニ
ス、耐熱性接着剤、耐熱性成形材料等としても有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/038 504

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式(1) 【化1】 (但し、R1は2価の有機基を示す。)で表される繰返し
    単位を有するポリカルボジイミドに、グラフト反応性
    基と重合性不飽和基とを有する化合物の少なくとも1種
    およびグラフト反応性基とカルボン酸無水物基とを有
    する化合物の少なくとも1種がグラフトされてなる重合
    体、並びに(B)感放射線性重合開始剤を含有すること
    を特徴とする感放射線性重合体組成物。
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