JPH0834818A - 繊維用染料固着剤 - Google Patents

繊維用染料固着剤

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JPH0834818A
JPH0834818A JP19017694A JP19017694A JPH0834818A JP H0834818 A JPH0834818 A JP H0834818A JP 19017694 A JP19017694 A JP 19017694A JP 19017694 A JP19017694 A JP 19017694A JP H0834818 A JPH0834818 A JP H0834818A
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repeating unit
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polymer
water
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JP19017694A
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Toshiaki Sugiyama
俊明 杉山
Reizo Fukushima
礼造 福嶋
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Hymo Corp
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Hymo Corp
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    • D06P1/00General processes of dyeing or printing textiles, or general processes of dyeing leather, furs, or solid macromolecular substances in any form, classified according to the dyes, pigments, or auxiliary substances employed
    • D06P1/44General processes of dyeing or printing textiles, or general processes of dyeing leather, furs, or solid macromolecular substances in any form, classified according to the dyes, pigments, or auxiliary substances employed using insoluble pigments or auxiliary substances, e.g. binders
    • D06P1/52General processes of dyeing or printing textiles, or general processes of dyeing leather, furs, or solid macromolecular substances in any form, classified according to the dyes, pigments, or auxiliary substances employed using insoluble pigments or auxiliary substances, e.g. binders using compositions containing synthetic macromolecular substances
    • D06P1/5207Macromolecular compounds obtained by reactions involving only carbon-to-carbon unsaturated bonds
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 湿潤堅牢度を向上させつつ耐光堅牢度をも向
上させることができる繊維用染料固着剤を提供する。 【構成】 アミジン構造を有する繰り返し単位およびそ
の他の特定の繰り返し単位を特定割合で含む水溶性高分
子であって、1規定の食塩水中0.1g/dlの溶液と
して25℃で測定した還元粘度の値が0.1〜10dl
/gである水溶性高分子からなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は繊維用染料の固着剤に関
する。さらに詳しくは染料で染色した染色物の堅牢度、
特に耐光堅牢度を向上させる新規な染料固着剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】染料は大きく分け従来より4種ある。媒
染剤を必要としないで染色可能な直接染料は主に木綿、
レーヨンなどの染色に用いられる。pH2から6程度の
範囲で羊毛、絹など染色可能な酸性染料、湿潤堅牢度が
特に優れると言われている反応性染料は主にセルロース
系繊維に用いられる。そして中性から弱酸性で動物性繊
維、特に絹布の染色に用いられる、塩基性染料である。
【0003】染料は水溶性化合物であるので、特に染色
物の湿潤堅牢度が問題になる。この湿潤堅牢度を補強す
るため、従来よりジシアンジアミド−ホルマリン樹脂、
ポリアミン樹脂(特開平2−80681号公報)などが
染料固着剤として用いられてきた。これら固着剤の染料
固着機構はアニオン性の染料分子をポリカチオン性の固
着剤によってポリイオンコンプレックスを生成させ、繊
維にからませたり、不溶化することにより洗濯時の染料
分子の流出を防止するというものである。しかし従来の
固着剤によって染料を固着させた場合は、耐光堅牢度の
低下が避けられなかった。一方、アミジン構造を有する
カチオン性高分子は有機汚泥などの凝集剤として用いた
り(特開平5−192513号公報)、製紙用添加剤な
どの紙用薬剤として用いる(特開平6−123096号
公報)技術が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】係る現状に鑑みて本発
明は湿潤堅牢度をも向上させつつ耐光堅牢度を向上させ
る繊維用染料固着剤の開発を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの本発明者等が鋭意研究を行った結果、アミジン構造
を有する特定の水溶性高分子が湿潤堅牢度をも向上させ
つつ、特に耐光堅牢度を向上できることを発見し本発明
に到達した。
【0006】即ち本発明の請求項1の発明は、下記
(1)および/または(2)で表される繰り返し単位を
20〜90モル%、下記(3)で表される繰り返し単位
を0〜40モル%、下記(4)で表される繰り返し単位
を0〜70モル%、下記(5)で表される繰り返し単位
を0〜70モル%、下記(6)で表される繰り返し単位
を0〜20モル%含有し、1規定の食塩水中0.1g/
dlの溶液として25℃で測定した還元粘度の値が0.
1〜10dl/gの水溶性高分子である。
【0007】
【化7】
【0008】
【化8】
【0009】
【化9】
【0010】
【化10】
【0011】
【化11】
【0012】
【化12】
【0013】(式中R1 ,R2 は水素原子またはメチル
基、R3 は炭素数1から4のアルキル基、R4 は水素原
子、メチル基またはカルボキシメチル基、X- は陰イオ
ン、YはCOOM、C64 SO3 M、CH2 SO3
M、CONHC(CH32 CH2 SO3 M、Mは陽イ
オンをそれぞれ表す。)
【0014】本発明の請求項2の発明は、繰り返し単位
(1)および/または(2)が50〜80モル%である
ことを特徴とする請求項1記載の繊維用染料固着剤であ
る。
【0015】本発明の請求項3の発明は、N−ビニルホ
ルムアミドとアクリロニトリル共重合体の酸加水分解物
からなることを特徴とする請求項1あるいは請求項2記
載の繊維用染料固着剤である。
【0016】上記の(1)と(2)で表されるアミジン
単位は、5員環から成るアミジン構造を有しており、核
磁気共鳴分光法(NMR)や赤外分光法(IR)等の分
析において通常、等価で観測されるものであり(1)と
(2)の総量として定量される。しかしながら下記の概
念図に示すように、後述する重合体のアミジン化反応に
おける生成高分子の繰り返し単位を考えた場合、(1)
と(2)で表される2種類の繰り返し単位を考慮しなけ
ればならない。なお上記(4)と(5)は上記アミジン
化反応に関与しなかったシアノ基単位およびアミノ基単
位の塩酸塩を示している。
【0017】
【化13】
【0018】上記のアミジン構造を有する水溶性高分子
の製造方法は特に限定されるものではないが、一般的に
は1級アミノ基または変換反応により1級アミノ基が生
成しうる置換アミノ基を有するエチレン性不飽和モノマ
ーとアクリロニトリルまたはメタアクリロニトリルなど
のニトリル類との共重合体を製造し、さらに該共重合体
中のシアノ基と1級アミノ基を反応させてアミジン化す
ることにより得ることができる。
【0019】上記のエチレン性不飽和モノマーとして
は、下記一般式
【化14】CH2 =CR2 −NHCOR3 (式中、R2 は水素原子またはメチル基を、R3 は炭素
数1から4のアルキル基または水素原子を表す。)で表
される化合物が好ましい。
【0020】共重合体中において、かかる化合物に由来
する置換アミノ基は、加水分解あるいは加アルコール分
解により容易に1級アミノ基に変換される。更にこの1
級アミノ基は、隣接したシアノ基と反応してアミジン化
する。該化合物としては、N−ビニルホルムアミド(R
2 =H,R3 =H),N−ビニルアセトアミド(R2
H,R3 =CH3 )等が例示される。
【0021】これらのエチレン性不飽和モノマーとニト
リル類との共重合モル比は通常20:80から80:2
0であるが、もし所望ならばこの範囲外の重合モル比、
たとえば更にエチレン性不飽和モノマーの比率の大きい
重合モルを採用することもできる。染料固着剤としての
応用を考えた場合、カチオン性高分子中に占めるアミジ
ン単位の比率が大きいほうが性能が高い。またアミン単
位も固着剤としての性能に寄与していると考えられる。
従って固着剤として好適な共重合体を与えるエチレン性
不飽和モノマーとニトリル類との共重合モル比は一般に
20:80から80:20、特に好ましくは40:60
から60:40である。
【0022】エチレン性不飽和モノマーとニトリル類と
の共重合の方法としては、通常のラジカル重合法が用い
られ、塊状重合、水溶液沈澱重合、懸濁重合、乳化重合
等の何れも用いられることができる。溶媒中で重合させ
る場合、原料モノマー濃度が通常5から80重量%、好
ましくは20から60重量%で実施される。重合開始剤
には一般的なラジカル重合開始剤を用いることができる
が、アゾ化合物が好ましく、2,2′−アゾビス−2−
アミジノプロパンの塩酸塩等が例示される。また重合反
応は一般に不活性ガス気流下、30から100℃の温度
で実施される。得られた共重合体はそのままの状態ある
いは希釈して、即ち、溶液状、あるいは懸濁状でアミジ
ン化反応に供することができる。また公知の方法で脱溶
媒、乾燥し、共重合体を固体として分離した後、固体状
でアミジン化反応に供することもできる。
【0023】アミジン化反応は、エチレン性不飽和モノ
マーとして前記一般式で示されるN−ビニルアミド化合
物を用いた場合には、共重合体の置換アミノ基を一級ア
ミノ基に変換し、次いで生成した一級アミノ基と隣接す
るシアノ基と反応させてアミジン構造を生成させるとい
う二段階反応により本発明に係わるカチオン性高分子を
製造することができる。そして好ましくは、該共重合体
を強酸または強塩基の存在下、水またはアルコール溶液
中で加温して、一段階でアミジン構造を生成させる。こ
の場合においても、まず一級アミノ基が中間構造として
生成していると考えられる。
【0024】該反応の具体的条件としては、例えば共重
合体に対してその置換アミノ基に対して通常0.9〜
5.0倍、好ましくは1.0〜3.0倍当量の強酸、好
ましくは塩酸を加え、通常80〜150℃、好ましくは
90〜120℃の温度で、通常0.5〜50時間加熱す
ることによりアミジン単位を有するカチオン性高分子と
することができる。一般に置換アミノ基に対する強酸の
当量比が大きいほど、かつ、反応温度が高いほどアミジ
ン化が進行する。またアミジン化に際しては、反応に供
する共重合体に対し、通常10重量%以上、好ましくは
20重量%の水を反応系内に存在させる。
【0025】本発明に係る水溶性高分子から成る染料固
着剤は、最も典型的には上記で説明したところに従い、
N−ビニルホルムアミドとアクリロニトリルとを共重合
させ、生成した共重合体を通常、水懸濁液として塩酸の
存在化に加熱して置換アミノ基と隣接するシアノ基から
アミジン単位を形成させることにより製造される。そし
て共重合に供するN−ビニルホルムアミドとアクリロニ
トリルとのモル比、及び共重合体のアミジン化条件を選
択することにより、各種の組成の水溶性高分子から成る
固着剤を製造することができる。
【0026】本発明に係る水溶性高分子から成る染料固
着剤の代表的なものの一つは、前記(1)および/また
は(2)で表される繰り返し単位を20〜90モル%、
前記(3)で表される繰り返し単位を0〜20モル%、
前記(4)で表される繰り返し単位を0〜70モル%お
よび前記(5)で表される繰り返し単位0〜70モル%
含有しており、かつ0.1〜10dl/gの還元粘度を
有している。なお本発明において、還元粘度は1規定の
食塩水中0.1dl/gの溶液として25℃で測定する
ものとする。上述の染料固着剤において、固着剤の性能
に大きく寄与するのはアミジン単位であると考えられ
る。
【0027】アミジン単位の比率が大きいほど、染料固
着剤としての性能は一般的に向上する傾向にある。しか
し上述の共重合体を塩酸水溶液中で加熱する方法等では
アミジン単位が90モル%を越える比率のものを製造す
ることは困難である。従って固着剤に占めるアミジン単
位の比率は、通常30から85モル%であるのが好まし
い。
【0028】繰り返し単位(3)はアクリロニトリルに
比して高価なN−ビニル化合物に由来するが、その存在
は固着剤としての性能にどのような影響を及ぼすかは明
らかではないが、特に有利には貢献していないようであ
る。(3)が多くなると高分子の安定性が悪くなる場合
があるが、アミジン単位の比率が50モル%以上の場合
は、繰り返し単位(3)が多量に存在しても性能の優れ
た染料固着剤となる。生成するカチオン性高分子は、一
般にはそのままでは安定性が悪いので、強酸を添加して
繰り返し単位(1)、(2)および(5)のようにカチ
オン性単位を完全に中和しておくことが好ましい。
【0029】繰り返し単位(4)の固着剤としての性能
におよぼす影響は明らかではないが、洗濯堅牢度に多少
とも良い影響を与えていることが推定され、少なくとも
悪影響はないと考えられる。繰り返し単位(4)は固着
剤中に0〜70モル%存在するが、ニトリルは安価なモ
ノマーなので繰り返し単位(4)の存在は、固着剤の製
造コストを低下させ、コストに対する性能の優位性を向
上させるのに有効である。繰り返し単位(4)の好適な
存在比率は5〜60モル%、特に5〜50モル%であ
る。
【0030】本発明に係る繊維用染料固着剤において、
繰り返し単位(4)とアミジン単位とのモル比〔(1)
+(2)/(4)〕は一般に0.5〜10.0の範囲に
あるべきである。なぜならばアミジン単位の多いほうが
一般的に染料固着機能は優れていると考えられるからで
ある。
【0031】繰り返し単位(5)はカチオン性であり、
アミジン単位と同じく染料固着作用に有効に作用してい
ると考えられる。繰り返し単位(5)は固着剤中に0か
ら70モル%、好ましくは5〜60モル%存在する。繰
り返し単位(1)、(2)および(5)はいずれも繰り
返し単位(3)から誘導されるものである。従って一般
的に言ってできるだけ多くの繰り返し単位(3)が、繰
り返し単位(1)、(2)または(5)に変換されてい
るのが好ましい。
【0032】固着剤に占める繰り返し単位(1)、
(2)および(5)の合計は一般に40モル%以上、好
ましくは60から95モル%である。これは固着剤を構
成する各繰り返し単位のうち、染料固着に有利に貢献す
ると考えられる繰り返し単位が大部分をしめることを意
味する。なお、本発明に係る固着剤において繰り返し単
位(5)とアミジン単位とのモル比〔(1)+(2)/
(5)〕は、一般に0.5〜10.0の範囲にある。繰
り返し単位(5)よりもアミジン単位のほうが固着剤の
性能により有効に作用すると考えられるので〔(1)+
(2)/(5)〕は2.0から5.0の範囲にあるほう
がより好ましい。
【0033】本発明に係る繊維用染料固着剤は繰り返し
単位(6)のようなアニオン性繰り返し単位を含有す
る。例えば下記の繰り返し単位(7)で表されるカルボ
キシル基は繰り返し単位(4)の加水分解によって、一
般的には0〜5モル%生成するが、両性高分子を製造す
る場合はアクリル酸、メタクリル酸、アリルスルホン
酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸のようなアニオン性モノマーを
共重合するほうが便利である。一般に0〜20モル%が
好適であるが、0〜10モル%がさらに好ましい。20
モル%以上になるとアニオン性が強くなり過ぎアミジン
構造の特徴が発現されず実用的ではない。本発明に係る
繊維用染料固着剤には、前述の繰り返し単位の他、さら
に他の繰り返し単位が含まれていてもよい。しかし前述
の繰り返し単位(1)〜(6)の合計が90モル%以上
を占めるべきである。本発明に係る繊維用染料固着剤に
含まれうる他の繰り返し単位としては下記(8)〜(1
0)のようなものが挙げられる。繰り返し単位(8)は
繰り返し単位(4)の加水分解によって生成し、通常0
〜5モル%の範囲にある。繰り返し単位(9)および
(10)は繰り返し単位(5)と繰り返し単位(8)に
よって生成し、通常0から5モル%生成する。
【0034】
【化15】
【0035】
【化16】
【0036】
【化17】
【0037】
【化18】
【0038】本発明に係る水溶性高分子からなる固着剤
の還元粘度は、前述の如く通常0.1〜10dl/g、
好ましくは、0.1から7.0dl/gの範囲にある。
粘度があまり高すぎると染料と水溶性高分子から生成し
た複合体が粗大化し、繊維に固着しにくくなり、洗濯堅
牢などが低下し、また取扱い時に問題を生ずる。一方、
粘度が低すぎると染料の固着効果が低下し、実用的でな
い。
【0039】本発明に係る水溶性高分子を用いて染料の
固着処理を行う際、使用可能な染料としては、直接染
料、酸性染料、反応性染料など染料分子中にアニオン性
基を有する染料である。反応性染料は繊維と共有結合し
て耐水堅牢度を向上させようとするものであるが、本発
明に係る水溶性高分子を用いれば、染料の歩留率を向上
させることが可能で、その結果、染料の添加量を減少す
ることができる。
【0040】本発明に係る前記水溶性高分子を用いて染
色物を処理する方法としては特に制限はなく、従来公知
の方法を適用できる。例えば、該水溶性高分子の0.1
g/l〜5g/lの水溶液中に、処理すべき染色物を所
定時間浸漬した後、水洗して乾燥すればよい。浴比は通
常1:10〜20であり、処理温度は通常室温から80
℃であり、また処理時間は通常5〜20分である。
【0041】
【実施例】本発明を一層明らかにするために、本発明の
染料固着剤である水溶性高分子の製造例を参考例として
示し、次いで本発明の固着剤による染色物の処理、およ
びその結果についての実施例を示す。なお実施例は代表
例であり本発明は実施例に限定されるものではない。
【0042】(水溶性高分子の製造例)攪拌機、窒素導
入管、コンデンサーを備えた反応装置に表1に示すよう
な組成で単量体20g、脱塩水133.1gを仕込ん
だ。窒素ガス気流中下、60℃に昇温後30分間保持し
た後、2、2’アゾビスアミジノプロパン2塩酸塩の1
0%水溶液0.19gを添加し、攪拌下60℃に4時間
保持し、水中に重合体が析出した懸濁物を得た。なお重
合度調節のため連鎖移動剤として2−メルカプトエタノ
ールを重合体N○.1とN○.2は対単量体0.8%、
重合体N○.3とN○.4および重合体NO.7からN
○.10は0.2%、重合体NO.5とN○.6は0.
05%、それぞれ重合時添加した。また重合体NO.7
およびN○.8はアクリル酸を共重合し、重合体NO.
9およびN○.10はN−ビニルホルムアミド単独重合
体である。重合後、該懸濁物に重合体中のホルミル基に
対して表1のような当量の塩酸を添加して攪拌しつつ、
90℃に4時間保持し重合体をアミジン化した。得られ
た重合体の溶液をアセトン中に添加し、析出せしめこれ
を乾燥して固体状重合体NO.1からNO.10を得
た。該重合体NO.1からNO.10につき以下に示す
方法により組成と還元粘度を測定した。結果を表1に合
わせて示す。
【0043】(組成の分析法)アミジン化前の各重合体
の組成は、13C−NMRスペクトル(13C−核磁気共鳴
スペクトル)の各モノマー単位に対応した吸収スペクト
ルの積分値より算出した。アミジン化後の重合体NO.
1からNO.10の組成は13C−NMRスペクトルの各
繰り返し単位に対応した吸収ピークの積分値より算出し
た。なお繰り返し単位(1)と(2)は区別することな
くその総量として求めた。繰り返し単位(9)と(1
0)も区別することなくその総量として求めた。また繰
り返し単位(1)と(2)、(8)および(9)と(1
0)の吸収ピークは170ppmから185ppm付近
に近接した位置に認めらたため、以下のような方法によ
り各吸収ピークに対応する構造を帰属した。即ち重合体
の元素分析、水分量の測定により重量収支を確認し、さ
らに重合体の13C−NMRスペクトルの他にIRスペク
トルも測定し、重合体のスペクトルとアミジン基、アミ
ド基及びラクタム基等を既知化合物でのスペクトルとを
詳細に比較検討する方法を採用したものである。
【0044】(還元粘度の測定)重合体NO.1からN
O.10につき、1規定の食塩水中0.1g/dlの溶
液として25℃でオストワルトの粘度計を用いて測定し
た。
【0045】
【表1】
【0046】(実施例1〜8)直接染料につき下記の条
件で染色処理を行った後、本発明の水溶性重合体の0.
1%水溶液中に浴比1:20、温度50℃、20分間処
理した後水洗し、風乾した。このように染色、固着処理
した綿布につき洗濯堅牢度(JIS L−0844,A
−2)および耐光堅牢度(JIS L−0842)の試
験を行った。結果を表2に示す。 (染色処理条件) Kayarasu supura blue 4BL(日本化薬製)1% 芒硝 5g/l 浴比 1:30 染色温度、時間 90℃、60分、後洗浄 被染物 綿布
【0047】(比較例1〜5)比較としてN−ビニルホ
ルムアミドのホモポリマー塩酸加水分解物(重合体N
O.9とNO.10)(比較例1〜2)、ジシアンジア
ミド−ホルマリン樹脂(重合体NO.11)(比較例
3)、ポリエチレンイミン(分子量5000)(重合体
NO.12)(比較例4)および水溶性重合体による処
理を行わなかった場合(比較例5)につき試験した。結
果を合わせて表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】(実施例9〜16)酸性染料につき下記の
条件で染色処理を行った後、本発明の水溶性重合体0.
1%水溶液中に浴比1:20、50℃、20分間処理し
た後、水洗し風乾した。その後実施例1と同様な洗濯堅
牢度、耐光堅牢度の試験を行った。結果を表3に示す。 (染色処理条件) シルクデイスチャージレッドG(サンド社製) 3重量% 硫酸アンモニウム 1g/l 浴比 1:30 温度 98℃ 時間 60分 被染物 絹布
【0050】(比較例6〜10)比較としてN−ビニル
ホルムアミドのホモポリマー塩酸加水分解物(重合体N
O.9とNO.10)(比較例6〜7)、ジシアンジア
ミド−ホルマリン樹脂(重合体NO.11)(比較例
8)、ポリエチレンイミン(分子量5000)(重合体
NO.12)(比較例9)および水溶性重合体による処
理を行わなかった場合(比較例10)につき試験した。
結果を合わせて表3に示す。
【0051】
【表3】
【0052】(実施例17〜24)反応性染料につき下
記の条件で染色処理を行った後、本発明の水溶性重合体
の0.1%溶液に浴比1:20、50℃、20分間処理
した後、水洗し乾燥した。その後実施例1と同様な洗濯
堅牢度、耐光堅牢度の試験を行った。結果を表4に示
す。 (染色処理条件) カヤシオンブラウンE−3R 2重量% 芒硝 80g/l ソーダ灰 20g/l 浴比 1:20 染色時間、温度 80℃、90分 被染物 綿布
【0053】(比較例11〜15)比較としてN−ビニ
ルホルムアミドのホモポリマー塩酸加水分解物(重合体
NO.9とNO.10)(比較例11〜12)、ジシア
ンジアミド−ホルマリン樹脂(重合体NO.11)(比
較例13)、ポリエチレンイミン(分子量5000)
(重合体NO.12)(比較例14)および水溶性重合
体による処理を行わなかった場合(比較例15)につき
試験した。結果を合わせて表4に示す。
【0054】
【表4】
【0055】
【発明の効果】本発明のアミジン構造を有する水溶性高
分子からなる繊維用染料固着剤は、従来の固着剤に較べ
染色物の耐水堅牢度だけでなく、耐光堅牢度も向上させ
ることができるので、繊維産業における利用価値が高
い。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(1)および/または(2)で表さ
    れる繰り返し単位を20〜90モル%、下記(3)で表
    される繰り返し単位を0〜40モル%、下記(4)で表
    される繰り返し単位を0〜70モル%、下記(5)で表
    される繰り返し単位を0〜70モル%、下記(6)で表
    される繰り返し単位を0〜20モル%含有し、1規定の
    食塩水中0.1g/dlの溶液として25℃で測定した
    還元粘度の値が0.1〜10dl/gであることを特徴
    とする水溶性高分子からなる繊維用染料固着剤。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 (式中R1 ,R2 は水素原子またはメチル基、R3 は炭
    素数1から4のアルキル基、R4 は水素原子、メチル基
    またはカルボキシメチル基、X- は陰イオン、YはCO
    OM、C64 SO3 M、CH2 SO3 M、CONHC
    (CH32 CH2 SO3 M、Mは陽イオンをそれぞれ
    表す。)
  2. 【請求項2】 繰り返し単位(1)および/または
    (2)が50〜80モル%であることを特徴とする請求
    項1記載の繊維用染料固着剤。
  3. 【請求項3】 N−ビニルホルムアミドとアクリロニト
    リル共重合体の酸加水分解物からなることを特徴とする
    請求項1あるいは請求項2記載の繊維用染料固着剤。
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