JPH0834765A - アミノアルキルシクロプロパン誘導体 - Google Patents

アミノアルキルシクロプロパン誘導体

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Publication number
JPH0834765A
JPH0834765A JP1456595A JP1456595A JPH0834765A JP H0834765 A JPH0834765 A JP H0834765A JP 1456595 A JP1456595 A JP 1456595A JP 1456595 A JP1456595 A JP 1456595A JP H0834765 A JPH0834765 A JP H0834765A
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JP
Japan
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compound
mmol
reaction
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phenyl
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JP1456595A
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English (en)
Inventor
Daisuke Mochizuki
大介 望月
Satoshi Shuto
智 周東
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式(1) 【化1】 (式中、Rは低級脂肪族基を示すか、または置換基を有
していてもよいフェニル基を示し、*は不斉炭素原子を
示す)で表される光学活性な化合物もしくはそのラセミ
体またはそれらの薬学的に許容し得る酸付加塩である。 【効果】 本発明の目的化合物またはその薬学的に許容
し得る酸付加塩は、NMDA受容体拮抗作用が公知のア
ミノメチルシクロプロパン誘導体より著しく活性が高
く、脳梗塞防止、虚血性疾患保護剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、N−メチル−D−アス
パラギン酸(以下、「NMDA」と称する)受容体拮抗
作用を有する新規アミノアルキルシクロプロパン誘導体
に関する。
【0002】
【従来の技術】式(A)
【化2】 で表される1−フェニル−1−ジエチルアミノカルボニ
ル−2−アミノメチル−シクロプロパン塩酸塩(一般名
Milnacipran)(以下、「化合物A」と称す
る)等の1−フェニル−2−アミノメチル6−シクロプ
ロパン誘導体が中枢神経系の障害の治療に利用し得、特
に神経性抑鬱病および心因性神経病に有効であることが
知られている(特公昭63−23186号公報)。
【0003】また、上記化合物(A)はノルエピネフィ
リンおよび5−HT取込み阻害作用を有することも知ら
れている(Neuropharmacology,Vo
l.24,No.12,1211−1219,198
5)。さらにまた、上記1−フェニル−2−アミノメチ
ル6−シクロプロパン誘導体はNMDA受容体拮抗作用
を有し、虚血性脳細胞障害に対する細胞保護剤として有
用であることが知られている(特開平3−56415号
公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】公知化合物より活性の
高いNMDA受容体拮抗作用を有する誘導体を見出すこ
とは医薬品の開発には重要なことである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するため、シクロプロパン環の立体構造特性に
基づき、種々研究を続けた結果、一般式(1)
【0006】
【化3】 (式中、Rは低級脂肪族基を示すか、または置換基を有
していてもよいフェニル基を示し、*は不斉炭素原子を
示す)で表される光学活性な化合物およびそのラセミ体
が極めて高いNMDA受容体拮抗作用を有することを見
出し、上記の知見に基づき、本発明を完成したものであ
る。
【0007】すなわち、本発明は、前記一般式(1)で
表される光学活性な化合物もしくはそのラセミ体〔以
下、「化合物(1)」と称する)またはそれらの薬学的
に許容される酸付加塩を提供するものである。本明細書
においては、化合物の位置番号の表示は、一般式(1)
に記載の位置番号に基づいて行った。
【0008】前記一般式(1)中の基Rにおいて定義さ
れる低級脂肪族基は炭素数1〜5個の飽和または不飽和
の分鎖を有していてもよい脂肪族基を示す。このような
脂肪族基としてはアルキル、アルケニルまたはアルキニ
ル基が挙げられる。アルキル基としてはメチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル基等
が挙げられるが、メチル、エチル基は好ましい一例であ
る。アルケニル基としてはビニル、アリル、イソプロペ
ニル基等が挙げられる。アルキニル基としてはエチニ
ル、1−プロピニル、2−プロピニル基等が挙げられ
る。置換基を有していてもよいフェニル基は1〜3個の
同一もしくは異なるハロゲン原子、炭素数1〜4個のア
ルキル基、ニトロ、アミノ、ヒドロキシまたは炭素数1
〜4個のアルコキシ基で置換されていてもよいフェニル
基を示すが、フェニル基は好ましい一例である。
【0009】本発明の目的化合物(1)は、その一般式
(1)から明らかな通り、1位、2位および2’位に3
つの不斉炭素原子を有し、8種の光学活性体が存在し
得、例えば、1S,2R,2’Sの光学活性体、1S,
2R,2’Rの光学活性体、1R,2S,2’Rの光学
活性体、1R,2S,2’Sの光学活性体、それらのラ
セミ混合物等が挙げられる。特に、Rが低級脂肪族基で
ある場合は、1S,2R,2’Sの光学活性体およびそ
の光学活性体を含むラセミ混合物が好ましい。
【0010】上記の薬学的に許容される塩としては、塩
酸、硫酸、リン酸等の無機酸との塩、酢酸、プロピオン
酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グリコー
ル酸、フマール酸、メタンスルホン酸、p−トルエンス
ルホン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等の有機酸と
の塩が挙げられる。
【0011】本発明の目的化合物(1)は、例えば次の
方法により製造される。フェニルアセトニトリルに反応
溶媒中強塩基試薬の存在下エピクロロヒドリンを反応さ
せ、得られた生成物を加水分解した後、酸処理して、式
(2)
【0012】
【化4】 で表されるラクトン体〔以下、「ラクトン体(2)」と
称する〕を得、該ラクトン体(2)に反応溶媒中リチウ
ムジエチルアミドを反応させて、式(3)
【0013】
【化5】 で表されるヒドロキシメチル体〔以下、「ヒドロキシメ
チル体(3)」と称する〕を得、該ヒドロキシメチル体
(3)に反応溶媒中スウン酸化法、モファット酸化法、
クロム酸酸化法等の酸化法により酸化して、式(4)
【0014】
【化6】 (式中、Rは前記と同じ意味を有する)で表されるアル
デヒド体〔以下、「アルデヒド体(4)」と称する〕を
得、該アルデヒド体(4)に反応溶媒中グリニャール試
薬を反応させて、一般式(5)
【0015】
【化7】 (式中、Rは前記と同じ意味を有する)で表されるアル
コール体〔以下、「アルコール体(5)」と称する〕を
得、該アルコール体(5)を反応溶媒中トリフェニルホ
スフィンおよび四ハロゲン化炭素の存在下NaN3 を反
応させて、一般式(6)
【0016】
【化8】 (式中、Rは前記と同じ意味を有する)で表されるアジ
ド体〔以下、「アジド体(6)」と称する〕を得、該ア
ジド体(6)を反応溶媒中水素ガス雰囲気下接触還元触
媒の存在下で還元することにより目的化合物(1)が得
られる。
【0017】エピクロロヒドリンからラクトン体(2)
を得る反応工程において、フェニルアセトニトリルに反
応溶媒中強塩基試薬の存在下エピクロロヒドリンを反応
させる反応に使用される反応溶媒としては、テトラヒド
ロフラン(THF)、ジエチルエーテル、トルエン、ヘ
キサン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジ
メチルスルホキサイド(DMSO)等が挙げられる。強
塩基試薬としては、ナトリウムアミド、ナトリウムヒド
リド、ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド
等が挙げられる。上記の反応においては、無水系で行う
のが好ましく、またアルゴンのような不活性ガス気流下
で行うのが好ましい。
【0018】上記の反応により得られた生成物、すなわ
ち1−フェニル−1−シアノ−2−ヒドロキシメチルシ
クロプロパンは、エタノールのような反応溶媒中アルカ
リ水溶液で加熱下加水分解した後、酸処理することによ
り、所望のラクトン体(2)が得られる。上記のアルカ
リ水溶液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム
等の水酸化アルカリ水溶液が挙げられる。上記の加水分
解反応によりニトリルが加水分解され、1−フェニル−
2−ヒドロキシメチルシクロプロパンカルボン酸が生成
される。上記の酸処理により前記生成物がラクトン化さ
れるのであるが、この処理に使用される酸としては、塩
酸、硫酸等の無機酸などの公知の酸が挙げられる。
【0019】ラクトン体(2)からヒドロキシメチル体
(3)を得る反応工程において、使用されるリチウムジ
エチルアミドはジエチルアミンとブチルリチウムとを反
応させることにより調製できる。使用される反応溶媒と
しては、THF、ジエチルエーテル、トルエン、ヘキサ
ン、DMF、DMSO、ジクロロメタン等が挙げられ
る。上記の反応においては、無水系で行うのが好まし
く、またアルゴンのような不活性ガス気流下で行うのが
好ましい。通常は、0℃以下の低温下で行われる。
【0020】ヒドロキシメチル体(3)からアルデヒド
体(4)を得る反応工程において、使用される反応溶媒
としては、酸化反応に使用される通常の不活性溶媒が挙
げられる。上記反応における酸化法としては、DMSO
を用いるスウン酸化法またはモファット酸化法、ピリジ
ニウムクロロクロメート、二クロム酸ピリジニウム等を
用いるクロム酸化法が挙げられるが、オキザリルクロラ
イドおよびDMSOで処理後、トリエチルアミンのよう
な塩基処理によるスウン酸化法が好ましい一例である。
上記の反応は、通常、0℃以下の低温下で行われる。
【0021】アルデヒド体(4)からアルコール体
(5)を得る反応工程において、使用される反応溶媒と
してはTHF、ジエチルエーテル、トルエン、ヘキサ
ン、DMF、DMSO等が挙げられる。上記の反応にお
いては、無水系で行うのが好ましく、またアルゴンのよ
うな不活性ガス気流下で行うのが好ましい。通常は、0
℃以下の低温下で行われる。2’位のアルキル化に使用
されるグリニャール試薬としては、メチルMgBr、エ
チルMgBr、プロピルMgBr、イソプロピルMgB
r、ブチルMgBr、イソブチルMgBr等の低級アル
キルMgBr、低級アルケニルMgBr、低級アルキニ
ルMgBr等の低級脂肪族MgBr、フェニルMgBr
等の置換基を有していてもよいフェニルMgBrが挙げ
られる。上記反応は0℃以下の低温下、通常は−20℃
付近で行われる。
【0022】アルコール体(5)からアジド体(6)を
得る反応工程において、使用される反応溶媒としては非
プロトン性溶媒が挙げられる。四ハロゲン化炭素として
は、四臭化炭素、四塩化炭素、四沃化炭素等が挙げられ
る。上記反応は、通常室温で行われる。アジド体(6)
から目的化合物(1)を得る反応工程において、使用さ
れる反応溶媒としては、接触還元反応に用いられる種々
の溶媒が用いられるが、例えば、酢酸エチル、ヘキサ
ン、エタノール、THF等は好ましい一例である。接触
還元触媒としては、Pd、Ni、Pt等の金属触媒が挙
げられるが、Pd/Cは好ましい一例である。
【0023】上記のエピクロロヒドリンから目的化合物
(1)を得る工程において、出発原料として(R)−
(−)−エピクロロヒドリンを使用した場合には、1
S,2R,2’Sの光学活性な化合物(1)、即ち、一
般式(1a)
【0024】
【化9】 (式中、Rは前記と同じ意味を有する)で表される化合
物〔以下、「化合物(1a)」と称する〕が得られ、出
発原料として(S)−(+)−エピクロロヒドリンを使
用した場合には、1R,2S,2’Rの光学活性な化合
物(1)、即ち、一般式(1c)
【0025】
【化10】 (式中、Rは前記と同じ意味を有する)で表される化合
物〔以下、「化合物(1c)」と称する〕が得られ、出
発原料としてラセミ体エピクロロヒドリンを使用した場
合には、化合物(1a)と化合物(1c)のラセミ混合
物が得られる。
【0026】従って、(R)−(−)−エピクロロヒド
リンを使用した場合の中間生成物であるラクトン体
(2)、ヒドロキシメチル体(3)およびアルデヒド体
(4)は各々1S,2Rの光学活性体、アルコール体
(5)およびアジド体(6)は各々1S,2R,2’S
の光学活性体として得られ、(S)−(+)−エピクロ
ロヒドリンを使用した場合の中間生成物であるラクトン
体(2)、ヒドロキシメチル体(3)およびアルデヒド
体(4)は各々1R,2Sの光学活性体、アルコール体
(5)およびアジド体(6)は各々1R,2S,2’R
の光学活性体として得られる。
【0027】また、本発明においては、目的化合物
(1)は、例えば、次の方法によっても製造される。す
なわち、上記アルコール体(5)に反応溶媒中スウン酸
化法、モファット酸化法、クロム酸酸化法等の酸化法に
より酸化して、一般式(7)
【0028】
【化11】 (式中、Rは前記と同じ意味を有する)で表されるケト
ン体〔以下、「ケトン体(7)」と称する〕を得、該ケ
トン体(7)を反応溶媒中ケトンをアルコールに還元す
ることのできる還元剤で還元して、一般式(8)
【0029】
【化12】 (式中、Rは前記と同じ意味を有する)で表されるアル
コール体〔以下、「アルコール体(8)」と称する〕を
得、該アルコール体(8)を反応溶媒中トリフェニルホ
スフィンおよび四ハロゲン化炭素の存在下でNaN3
反応させて、一般式(9)
【0030】
【化13】 (式中、Rは前記と同じ意味を有する)で表されるアジ
ド体〔以下、「アジド体(9)」と称する〕を得、該ア
ジド体(9)を反応溶媒中水素ガス気流下接触還元触媒
の存在下で還元することにより目的化合物(1)が得ら
れる。
【0031】アルコール体(5)からケトン体(7)を
得る反応工程において、使用される反応溶媒としては、
酸化反応に使用される通常の不活性溶媒が挙げられる。
上記反応における酸化法としては、DMSOを用いるス
ウン酸化法またはモファット酸化法、ピリジニウムクロ
ロクロメート、二クロム酸ピリジウム等を用いるクロム
酸化法が挙げられるが、二クロム酸ピリジウムを用いる
クロム酸化法法が好ましい一例である。上記の反応は、
通常、室温下で行われる。
【0032】ケトン体(7)からアルコール体(8)を
得る反応工程において、使用される反応溶媒としては、
THF等の酸化に対して安定な不活性溶媒が挙げられ
る。ケトンをアルコールに還元することのできる還元剤
としては、BH3 、NaBH4、LiAlH4 、NaB
3 CN等のホウ素系またはアルミニウム系還元剤、P
d、Pt、Ni等の接触水素還元触媒等が挙げられる。
上記の反応は通常、室温下で行われる。
【0033】アルコール体(8)からアジド体(9)を
得る反応工程は、前記のアルコール体(5)からアジド
体(6)を得る反応工程の方法と同様にして行うことが
できる。また、アジド体(9)から目的化合物(1)を
得る反応工程は、前記のアジド体(6)から目的化合物
(1a)を得る反応工程の方法と同様して行うことがで
きる。
【0034】上記のアルコール体(5)からケトン体
(7)を経由する目的化合物(1)を得る工程におい
て、出発原料として(R)−(−)−エピクロロヒドリ
ンを使用した場合には、1S,2R,2’Rの光学活性
な化合物(1)、すなわち、一般式(1b)
【0035】
【化14】 (式中、Rは前記と同じ意味を有する)で表される化合
物〔以下、「化合物(1b)」と称する〕が得られ、出
発原料として(S)−(+)−エピクロロヒドリンを使
用した場合には、1R,2S,2’Sの光学活性な化合
物(1)、即ち、一般式(1d)
【0036】
【化15】 (式中、Rは前記と同じ意味を有する)で表される化合
物〔以下、「化合物(1d)」と称する〕が得られ、出
発原料としてラセミ体エピクロロヒドリンを使用した場
合には、化合物(1b)と化合物(1d)のラセミ混合
物が得られる。
【0037】従って、(R)−(−)−エピクロロヒド
リンを使用した場合の中間生成物であるアルコール体
(8)及びアジド体(9)は各々1S,2R,2’Rの
光学活性体として得られ、(S)−(+)−エピクロロ
ヒドリンを使用した場合の中間生成物であるアルコール
体(8)およびアジド体(9)は各々1R,2S,2’
Sの光学活性体として得られる。
【0038】更にまた、本発明においては、Rが低級不
飽和脂肪族基である目的化合物(1)を製造する場合に
は、アジド体(6)または(9)を還元する工程におい
て、基R中の不飽和結合が還元される恐れが生じる。こ
のような場合には、アルデヒド体(4)にグリニャール
試薬を反応させて基Rを導入する代わりに、アジド体か
らアミノ体に還元する工程の後で所望の不飽和脂肪族基
に変換し得る基を予め導入するような製造工程を採用す
ればよい。
【0039】例えば、Rがビニル基である場合を例にし
て説明すれば、次の通りである。すなわち、アルデヒド
体(4)をTHFのような反応溶媒中リチウム酢酸エチ
ルエステル等のリチウム酢酸低級アルキルエステルを反
応させ、一般式(10)
【0040】
【化16】 (式中、R1 は低級アルキル基を示す)で表されるアル
コール体〔以下、「アルコール体(10)」と称する〕
を得、該アルコール体(10)を低級アルコール、例え
ばメタノール等の反応溶媒中NaBH4 で還元して式
(11)
【0041】
【化17】 で表されるジオール体〔以下、「ジオール体(11)」
と称する〕を得、該ジオール体(11)の3位の水酸基
を一級水酸基を選択的に保護できる水酸基保護基、例え
ばピバロイル基等で保護した後、反応溶媒中トリフェニ
ルホスフィンおよび四ハロゲン化炭素の存在下NaN3
を反応させて、一般式(12)
【0042】
【化18】 (式中、R2 は水酸基の保護基を示す)で表されるアジ
ド体〔以下、「アジド体(12)」と称する〕を得、該
アジド体(12)の水酸基の保護基を脱離化した後、該
水酸基をジクロロメタン、クロロホルム等の反応溶媒中
トリエチルアミン、ジメチルアミノピリジン等の第3級
有機アミンの存在下スルホニルハライド、例えばメタン
スルホニルハライド、トルエンスルホニルハライド等で
スルホニル化して一般式(13)
【0043】
【化19】 (式中、R3 は有機スルホニル基を示す)で表されるア
ジド体〔以下、「アジド体(13)」と称する〕を得、
該アジド体(13)の有機スルホニルオキシ基を低級ア
ルコール等の反応溶媒中ジフェニルジセレニドとNaB
4 の反応物でフェニルセレニル化して式(14)
【0044】
【化20】 で表されるアジド体〔以下、「アジド体(14)」と称
する〕を得、該アジド体(14)をピリジン中トリフェ
ニルホスフィンを反応させた後、アンモニア水を作用さ
せて式(15)
【0045】
【化21】 で表されるアミノ体〔以下、「アミノ体(15)」と称
する〕を得、該アミノ体(15)のアミノ基を酸処理に
より脱離されるような公知のアミノ保護基、例えばt−
ブトキシカルボニル基で保護して、一般式(16)
【0046】
【化22】 (式中、R4 はアミノ基の保護基を示す)で表されるセ
レニル体〔以下、「セレニル体(16)」と称する〕を
得、該セレニル体(16)のフェニルセレニルエチル基
をTHF等の反応溶媒中過酸化水素で酸化脱離して式
(17)
【0047】
【化23】 (式中、R4 はアミノ保護基を示す)で表される保護ア
ミノ体〔以下、「保護アミノ体(17)」と称する〕を
得、該保護アミノ体(17)のアミノ保護基を公知の方
法により脱離化して、Rがビニル基である目的化合物
(1)が得られる。
【0048】アルデヒド体(4)と反応させるリチウム
酢酸エチルエステルは、ヘキサメチルジシラザンとTH
Fの混合溶液にアルゴン気流下ブチルリチウムのヘキサ
ン溶液を加えて後、ドライアイス冷媒冷却下無水酢酸エ
チルを加えて調製される。
【0049】アルデヒド体(4)からアルコール体(1
0)への反応は、好ましくはドライアイス冷媒冷却下ア
ルゴンガス気流下で行われる。上記反応の結果、2’位
の立体配置の異なる2種のアルコール体(10)が得ら
れるが、シリカゲル等の担体を用いるカラムクロマトグ
ラフィーにより分離精製できる。従って、1S,2Rの
光学活性体のアルデヒド体(4)を使用した場合は、1
S,2R,2’S及び1S,2R,2’Rの光学活性体
のアルコール体(10)が得られる。
【0050】アルコール体(10)からジオール体(1
1)への反応は、通常室温下で充分進行する。ジオール
体(11)の一級水酸基の保護化反応は、好ましくは氷
冷下アルゴンガス気流下で行われる。アジド体(12)
を得る工程は前記のアルコール体(5)からアジド体
(6)を得る工程と同様にして行われる。
【0051】アジド体(12)の水酸基の保護基、例え
ばピバロイル基の脱離化は、メタノール等の反応溶媒
中、好ましくはアルゴンガス気流下、ナトリウムメトキ
サイドを反応させることにより行われる。上記の反応は
室温で充分に進行する。上記の反応より得られたアルコ
ール体の水酸基の有機スルホニル化に使用される有機ス
ルホニルハライドの好ましい一例としてはトシルクロラ
イドが挙げられる。上記の反応においては、アルゴンガ
ス気流下で行うのが好ましい。
【0052】アジド体(13)のフェニルセレニル化
は、ジフェニルジセレニドを無水エタノール等の反応溶
媒に溶解した溶液にNaBH4 を加えて溶液とし、これ
にアジド体(13)を反応させればよい。反応はアルゴ
ン気流下で行うのが好ましい。反応は室温で充分に進行
する。
【0053】アジド体(14)からアミノ体(15)を
得る工程の反応は、室温で充分に進行する。アミノ体
(15)のアミノ基の保護は、公知のアミノ保護化方法
と同様の方法で行われる。セレニル体(16)の酸化反
応は、通常、加熱下で行われる。
【0054】保護アミノ体(17)のアミノ基の保護基
の脱離化は、公知のアミノ保護基を脱離化する公知の方
法により行われる。例えばt−ブトキシカルボニル基の
脱離化は、メタノール等の反応溶媒中トリフルオロ酢酸
等で酸処理すればよく、このようにして所望のRがビニ
ル基である目的化合物(1)が得られる。
【0055】上記の各反応においては、薄層クロマトグ
ラフィー(TLC)、高速液体クロマトグラフィー(H
PLC)等によって反応の経過を追跡することができる
ので、生成物が最大に生成されるのを待って、適宜反応
を終了させればよい。
【0056】上記の各反応において得られた目的化合物
(1)およびその製造中間体を分離、精製する場合に
は、有機化合物を分離、精製する公知の手段により、例
えば、抽出、洗浄、濃縮、結晶化、クロマトグラフィー
等を適宜組み合わせることにより行えばよい。
【0057】このようにして得られた目的化合物(1)
を薬学的に許容される酸との付加塩を得る場合には、公
知の手段を適宜組み合わせることにより得られる。例え
ば、塩酸塩を得る場合には、本目的化合物(1)をクロ
ロホルム等の非親水性有機溶媒に溶解し、水酸化ナトリ
ウム水溶液のようなアルカリ水溶液を加えて分液した
後、有機層の溶媒を留去し、得られた残渣をメタノー
ル、エタノール等の親水性有機溶媒に溶解し、この溶液
を塩酸水で平衡化した陰イオン交換樹脂にチャージし、
上記親水性有機溶媒で溶出することにより行うことがで
きる。
【0058】
【発明の効果】次に本目的化合物(1)またはその薬学
的に許容される酸付加塩のNMDA受容体拮抗作用につ
いて述べる。 (1)ラット大脳皮質膜成画分の調製 SD系雄性ラット(200〜300g、5匹)を断頭
後、すばやく脳を取り出し、これを氷冷した0.32M
蔗糖溶液に浸しながら大脳皮質を摘出し、重量を測定し
たところ4.0gであった。これに10mM N−2−
ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホ
ン酸水溶液(HEPES)(pH7.4)20ml(3
0倍量)を加え、ホモジナイザー(500rpm)でホ
モジネートした。
【0059】このホモジネートを遠心分離(48000
G、15分、以下の遠心分離条件は特記しない限り、こ
れに同じ)し、得られた沈渣を蒸留脱イオン水20ml
で再浮遊し、37℃で20分間保温した。これを遠心分
離し、得られた沈渣を再び蒸留脱イオン水20mlで再
浮遊し、37℃で20分間保温した後、遠心分離により
沈渣を集めた。この沈渣を1mMエチレンジアミン四酢
酸(EDTA)含有10mM HEPES(pH7.
4)20mlで再浮遊し、37℃で20分間保温した
後、遠心分離により沈渣を集め、10mM HEPES
(pH7.4)26mlに再浮遊した後、2mlづつ分
注し、大脳皮質膜画分として−80℃で保存した。
【0060】(2) 3H−MK801結合能の測定方法 上記で調製したラット大脳皮質膜画分凍結保存液2ml
を測定実験の直前に解凍し、10mM HEPES(p
H7.4)30ml(100倍量)を加えて希釈した。
この希釈液を遠心分離し、得られた沈渣を10mM H
EPES(pH7.4)30mlに再浮遊し、再び遠心
分離により沈渣を集めた。この沈渣を同様の方法でさら
に2回洗浄し、得られた沈渣を10mM HEPES
(pH7.4)6mlに再浮遊し、 3H−MK801結
合能測定用膜画分として使用した。
【0061】この膜画分0.1mlに被検体、 3H−M
K801〔一般名Dizocilpine,(5R,1
0S)−(+)−5−メチル−10,11−ジヒドロ−
5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプタン−5,10−
イミン〕〔ニューイングランド・ヌクレア社製、比活性
24Ci(888GBq)/mM、最終濃度4nM〕、
グルタミン酸(最終濃度10-5M)およびグリシン(最
終濃度10-5M)を加え、全量1mlとして25℃で6
0分間保温した。この溶液をガラス繊維濾紙(What
man GF/C.)を用いて吸引濾過し、濾紙を10
mMHEPES(pH7.4)5mlで2回洗浄した。
この濾紙をバイアル瓶に移して乾燥させた後、トルエン
系液体シンチレータを5ml加えて放射活性を測定し
た。特異的結合能はフェンシクリジン(PCP)10μ
M存在下で行った値を非存在下で行った値から差し引い
て算定した。
【0062】(3)測定結果 ラット大脳皮質膜画分における本目的化合物(1)また
はその薬学的に許容される酸付加塩の 3H−MK801
結合阻害能を測定した結果は、表1の通りである。尚、
公知化合物の化合物(A)を対照とした。
【0063】
【表1】
【0064】上記の結果から、本発明の化合物(1)の
塩酸塩は、公知化合物である化合物(A)より極めて高
いNMDA受容体拮抗作用を有することが分かる。本発
明の目的化合物(1)またはその薬学的に許容される酸
付加塩は、NMDA受容体拮抗作用が公知化合物より著
しく活性が高く、脳梗塞防止、虚血性疾患保護剤として
有用である。
【0065】
【実施例】次に、参考例および実施例を挙げて、本発明
の製造例について具体的に説明するが、これにより本発
明を限定するものではない。後記の参考例1〜5および
実施例1〜2で得られる生成物は、後記の化24〜25
の各反応式において示される化合物番号で示し、参考例
6〜8および実施例3〜4で得られる生成物は、後記の
化26の各反応式において示される化合物番号で示し、
参考例9〜13および実施例5〜6で得られる生成物
は、後記の化27の各反応式で示される化合物番号で示
し、参考例14〜16および実施例7〜8で得られる生
成物は、後記の化28の各反応式で示される化合物番号
で示し、
【0066】参考例17〜21および実施例9〜10で
得られる生成物は、後記の化29の各反応式で示される
化合物番号で示し、参考例22〜25および実施例11
〜14で得られる生成物は、後記の化24〜25の各反
応式において示される化合物番号で示し、参考例26〜
34および実施例15〜16で得られる生成物は、後記
の化30〜31の各反応式で示される化合物番号で示
す。
【0067】各化合物番号の生成物の核磁気共鳴スペク
トルの分析結果は後記の表2〜4に記載する。尚、化2
4〜28中の「Ph」はフェニル基、「Me」はメチル
基、「Et」はエチル基を示し、化29〜30中の「P
h」はフェニル基、「Et」はエチル基、「Piv」は
ピバロイル基、「Tos」はトシル基、「Boc」はt
−ブトキシカルボニル基を示す。
【0068】
【化24】
【0069】参考例1 (1S,2R)−1−フェニル−2−ヒドロキシメチル
シクロプロパンカルボン酸無水物(化合物1) ナトリウムアミド8.58g(0.22mol)を無水
ベンゼン40mlに懸濁し、これにアルゴン気流下0℃
に冷却下フェニルアセトニトリル11.5ml(0.1
0mol)と無水ベンゼン20mlとの混合溶液を滴下
した。滴下終了後、室温で3時間撹拌した。反応液に氷
冷下(R)−(−)−エピクロロヒドリン6.8ml
(0.087mol)と無水ベンゼン20mlとの混合
溶液を滴下した。滴下終了後、室温で2時間撹拌した。
反応後、溶媒を減圧下留去した反応液にエタノール20
mlおよび1N−KOH水溶液10mlを加え、15時
間還流させた。反応後、反応液を氷冷下12N塩酸で酸
性にした後。減圧濃縮した。残渣に飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和
食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を
減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー (酢酸エチル:ヘキサン= 1 :3)にて精製し、
橙色油状物質として表題の化合物1(10.1g,0.
058mol,収率58%)を得た。
【0070】参考例2 (1S,2R)−1−フェニル−2−ヒドロキシメチル
シクロプロパン N,N−ジエチルカルボキサミド(化
合物2) ジエチルアミン1.7ml(16mmol)と無水テト
ラヒドロフラン20mlとの混合溶液にアルゴン気流下
0℃に冷却下1.64Mブチルリチウムのヘキサン溶液
11ml(16mmol)を滴下してリチウムジエチル
アミンを調製した。この溶液にアルゴン気流下−78℃
に冷却下1.7g(10mmol)の化合物1と無水テ
トラヒドロフラン20mlとの混合溶液を滴下した。滴
下終了後、同温度にて2時間撹拌した後、反応液に飽和
塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止した。溶媒
を減圧下留去後、残渣に水を加え酢酸エチルで抽出し、
有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて
乾燥した後減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー (酢酸エチル:ヘキサン= 1 : 1 )で精
製し、黄色油状物質として表題の化合物2(2.1g,
8.7mmol,収率87%)を得た。
【0071】参考例3 (1S,2R)−1−フェニル−2−ホルミルシクロプ
ロパン N,N−ジエチルカルボキサミド(化合物3) オキザリルクロライド0.55ml(6.40mmo
l)と無水ジクロロメタン4mlとの混合溶液にアルゴ
ン気流下−78℃に冷却下ジメチルスルホキシド0.9
1ml(12.8mmol)と無水ジクロロメタン4m
lとの混合溶液を滴下し、30分間撹拌した後、同温度
で805mg(3.26mmol)の化合物2と無水ジ
クロロメタン4mlとの混合溶液を滴下し、2 時間撹拌
した。反応液にトリエチルアミン1.9ml(25.6
mmol)を加え1時間撹拌した後、飽和塩化アンモニ
ウム水溶液を加えて反応を停止した。反応混合液をクロ
ロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮した。残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル:ヘ
キサン= 2:1)で精製し、白色結晶の表題化合物3
(791mg,3.22mmol,収率99%)を得
た。
【0072】参考例4 (1S,2R,2’S)−1−フェニル−2−(1−ヒ
ドロキシエチル)−シクロプロパン N,N−ジエチル
カルボキサミド(化合物4a)および(1S,2R,
2’S)−1−フェニル−2−(1−ヒドロキシプロピ
ル)−シクロプロパン N,N−ジエチルカルボキサミ
ド(化合物4b) 化合物3(6.5mmol)と無水テトラヒドロフラン
40mlとの混合溶液にアルゴン気流下、−20℃に冷
却下各々グリニャール試薬(CH3 MgBrまたはC2
5 MgBr)(13mmol)を加え、2時間攪拌し
た。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応
を停止し、溶媒を減圧下留去した。残渣に水を加え、酢
酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無
水硫酸ナトリウムにて乾燥した後、減圧濃縮した。残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:
ヘキサン= 1:2)にて精製し、CH3 MgBrを用い
た場合は表題化合物4a(6.0mmol,収率92
%)を、C2 5 MgBrを用いた場合は表題化合物4
b(6.4mmol,収率98%)を得た。
【0073】参考例5 (1S,2R,2’S)−1−フェニル−2−(1−ア
ジドエチル)−N,N−ジエチルシクロプロパン カル
ボキサミド(化合物5a)および(1S,2R,2’
S)−1−フェニル−2−(1−アジドプロピル)−
N,N−ジエチルシクロプロパン カルボキサミド(化
合物5b) 化合物4aまたは化合物4b(3.8mmol)をジメ
チルホルムアミド10mlに溶解し、これに氷冷下アジ
化ナトリウム(72mmol)、トリフェニルホスフィ
ン(11mmol)、四臭化炭素(11mmol)を順
に加えた後、室温に戻し、3時間撹拌した。反応後、溶
媒を減圧下留去し、残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出
した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー (化合物5aは酢酸エチル:ヘキ
サン=1:5、化合物5bは酢酸エチル:ヘキサン=
1:9)にて精製し、化合物4aからは表題化合物5a
(2.5mmol,収率66%)を、化合物4bからは
表題化合物5b(収率62%)を得た。
【0074】実施例1 (1S,2R,2’S)−1−フェニル−2−(1−ア
ミノエチル)−シクロプロパン N,N−ジエチルカル
ボキサミド(化合物6a)および(1S,2R,2’
S)−1−フェニル−2−(1−アミノプロピル)−シ
クロプロパン N,N−ジエチルカルボキサミド(化合
物6b) 化合物5aまたは化合物5b(2.1mmol)のメタ
ノール(10ml)溶液に10%Pd−炭素44mgを
加え、水素ガス雰囲気下室温で1時間攪拌した。反応液
をセライト濾過し、濾液を減圧濃縮した。残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー (化合物6aはクロロホ
ルム:メタノール:アンモニア水:=10:1:0.
2、化合物6bはクロロホルム:メタノール:アンモニ
ア水:水=65:25:1:2)にて精製し、化合物5
aからは表題化合物6a(1.7mmol,収率82
%)を、化合物5bからは表題化合物6b(収率95
%)を得た。
【0075】実施例2 (1S,2R,2’S)−1−フェニル−2−(1−ア
ミノエチル)−シクロプロパン N,N−ジエチルカル
ボキサミド塩酸塩(化合物7a)および(1S,2R,
2’S)−1−フェニル−2−(1−アミノプロピル)
−シクロプロパン N,N−ジエチルカルボキサミド塩
酸塩(化合物7b) イオン交換樹脂Diaion WA−30をIN−Na
OH水溶液で処理後、蒸留水で洗浄し、中性にした。さ
らに、1N塩酸で処理後、蒸留水で洗浄し、中性にして
精製に使用した。化合物6aまたは化合物6b(1.7
mmol)をクロロホルムに溶解し、これに1N−Na
OH水溶液を加えて分液した。有機層を飽和食塩水で洗
浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去
した。残渣をメタノールに溶解し、これを先に調製した
イオン交換樹脂のカラムにチャージし、メタノールで溶
出した。溶出液を減圧濃縮後、析出した結晶をジエチル
エーテルで洗浄し、白色粉末として化合物6aからは表
題化合物7a(1.1mmol,収率65%)を、化合
物6bからは表題化合物7b(収率91%)を得た。
【0076】
【化25】
【0077】参考例6 (1S,2R)−1−フェニル−2−(1−オキソエチ
ル)−シクロプロパン N,N−ジエチルカルボキサミ
ド(化合物8a)および(1S,2R)−1−フェニル
−2−(1−オキソプロピル)−シクロプロパン N,
N−ジエチルカルボキサミド(化合物8b) 化合物4aまたは化合物4b(5.4mmol)をジク
ロロメタン20mlに溶解し、二クロム酸ピリジニウム
19mmol、モルキュラーシーブス4Aの粉末7gを
加え、室温で一晩撹拌した。反応液をセライト濾過し、
濾液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2)にて精製
し、化合物4aからは表記化合物8a(5.2mmo
l,収率96%)を、化合物4bからは表記化合物8b
(収率87%)を得た。
【0078】参考例7 (1S,2R,2’R)−1−フェニル−2−(1−ヒ
ドロキシエチル)−N,N−ジエチルシクロプロパン
カルボキサミド(化合物9a)および(1S,2R,
2’R)−1−フェニル−2−(1−ヒドロキシプロピ
ル)−N,N−ジエチルシクロプロパン カルボキサミ
ド(化合物9b) 化合物8aまたは化合物8b(3.73mmol)を無
水テトラヒドロフラン20mlに溶解し、これにアルゴ
ン気流下、−78℃に冷却下0.93Mジイソブチルア
ルミニウムヒドリド(DIBAL−H)のヘキサン溶液
(7.46mmol)を加え、同温度で1時間撹拌し
た。反応液に1N塩酸を加えて反応を停止し、溶媒を減
圧下留去した。残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出し
た。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー (化合物9aは酢酸エチル:ヘキサン=
1:1、化合物9bは酢酸エチル:ヘキサン=1:2)
にて精製し、化合物8aからは表題化合物9a(3.6
6mmol,収率96%)を、化合物8bからは表題化
合物9b(収率100%)を得た。
【0079】参考例8 (1S,2R,2’R)−1−フェニル−2−(1−ア
ジドエチル)−N,N−ジエチルシクロプロパン カル
ボキサミド(化合物10a)および(1S,2R,2’
R)−1−フェニル−2−(1−アジドプロピル)−
N,N−ジエチルシクロプロパン カルボキサミド(化
合物10b) 化合物9aまたは化合物9b(3.8mmol)をジメ
チルホルムアミド10mlに溶解し、これに氷冷下アジ
化ナトリウム(72mmol)、トリフェニルホスフィ
ン(11mmol)、四臭化炭素(11mmol)を順
に加えた後、室温に戻し、3時間撹拌した。反応後、溶
媒を減圧下留去し、残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出
した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー (化合物10aは酢酸エチル:ヘ
キサン=1:5、化合物10bは酢酸エチル:ヘキサン
=1:9)にて精製し、化合物9aからは表題化合物1
0a(収率84%)、化合物9bからは表題化合物10
b(収率89%)を得た。
【0080】実施例3 (1S,2R,2’R)−1−フェニル−2−(1−ア
ミノエチル)−シクロプロパン N,N−ジエチルカル
ボキサミド(化合物11a)および(1S,2R,2’
R)−1−フェニル−2−(1−アミノプロピル)−シ
クロプロパン N,N−ジエチルカルボキサミド(化合
物11b) 化合物10aまたは化合物10b(2.1mmol)の
メタノール(10ml)溶液に10%Pd−炭素44m
gを加え、水素ガス雰囲気下室温で1時間攪拌した。反
応液をセライト濾過し、濾液を減圧濃縮した。残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー (化合物11aはク
ロロホルム:メタノール:アンモニア水:=80:2
0:0.5、化合物11bはクロロホルム:メタノー
ル:アンモニア水=90:20:0.5)にて精製し化
合物10aからは表題化合物11a(収率90%)を、
化合物10bからは表題化合物11b(収率99%)を
得た。
【0081】実施例4 (1S,2R,2’R)−1−フェニル−2−(1−ア
ミノエチル)−シクロプロパン N,N−ジエチルカル
ボキサミド塩酸塩(化合物12a)および(1S,2
R,2’R)−1−フェニル−2−(1−アミノプロピ
ル)−シクロプロパン N,N−ジエチルカルボキサミ
ド塩酸塩(化合物12b) 化合物11aおよび化合物11b(1.7mmol)を
各々実施例3に記載の方法と同様に処理して、白色粉末
として各々表題化合物12a(収率81%)および表題
化合物12b(収率84%)を得た。
【0082】
【化26】
【0083】参考例9 (1R,2S)−1−フェニル−2−ヒドロキシメチル
シクロプロパンカルボン酸無水物(化合物13) ナトリウムアミド8.58g(0.22mol)を無水
ベンゼン40mlに懸濁し、これにアルゴン気流下0℃
に冷却下フェニルアセトニトリル11.5ml(0.1
0mol)と無水ベンゼン20mlとの混合溶液を滴下
した。滴下終了後、室温で3時間撹拌した。反応液に氷
冷下(S)−(+)−エピクロロヒドリン6.8ml
(0.087mol)と無水ベンゼン20mlとの混合
溶液を滴下した。滴下終了後、室温で2時間撹拌した。
反応後、溶媒を減圧下留去した反応液にエタノール20
mlおよび1N−KOH水溶液10mlを加え、15時
間還流させた。反応後、反応液を氷冷下12N塩酸で酸
性にした後。減圧濃縮した。残渣に飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽
和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒
を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー (酢酸エチル:ヘキサン= 1 :3)にて精製
し、橙色油状物質として表題の化合物13(10.0
g)を得た。
【0084】参考例10 (1R,2S)−1−フェニル−2−ヒドロキシメチル
シクロプロパン N,N−ジエチルカルボキサミド(化
合物14) ジエチルアミン1.7ml(16mmol)と無水テト
ラヒドロフラン20mlとの混合溶液にアルゴン気流下
0℃に冷却下1.64Mブチルリチウムのヘキサン溶液
11ml(16mmol)を滴下してリチウムジエチル
アミンを調製した。この溶液にアルゴン気流下−78℃
に冷却下1.7g(10mmol)の化合物13と無水
テトラヒドロフラン20mlとの混合溶液を滴下した。
滴下終了後、同温度にて2時間撹拌した後、反応液に飽
和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止した。溶
媒を減圧下留去後、残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出
し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム
にて乾燥した後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー (酢酸エチル:ヘキサン= 1: 1
)で精製し、黄色油状物質として表題の化合物14
(2.0g)を得た。
【0085】参考例11 (1R,2S)−1−フェニル−2−ホルミルシクロプ
ロパン N,N−ジエチルカルボキサミド(化合物1
5) オキザリルクロライド0.55ml(6.40mmo
l)と無水ジクロロメタン4mlとの混合溶液にアルゴ
ン気流下−78℃に冷却下ジメチルスルホキシド0.9
1ml(12.8mmol)と無水ジクロロメタン4m
lとの混合溶液を滴下し、30分間撹拌した後、同温度
で805mg(3.26mmol)の化合物14と無水
ジクロロメタン4mlとの混合溶液を滴下し、2 時間撹
拌した。反応液にトリエチルアミン1.9ml(25.
6mmol)を加え1時間撹拌した後、飽和塩化アンモ
ニウム水溶液を加えて反応を停止した。反応混合液をク
ロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮した。残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル:
ヘキサン= 2:1)で精製し、白色結晶の表題化合物1
5(790mg)を得た。
【0086】参考例12 (1R,2S,2’R)−1−フェニル−2−(1−ヒ
ドロキシエチル)−シクロプロパン N,N−ジエチル
カルボキサミド(化合物16a)および(1R,2S,
2’R)−1−フェニル−2−(1−ヒドロキシプロピ
ル)−シクロプロパン N,N−ジエチルカルボキサミ
ド(化合物16b) 化合物15(6.5mmol)と無水テトラヒドロフラ
ン40mlとの混合溶液にアルゴン気流下、−20℃に
冷却下各々グリニャール試薬(CH3 MgBrまたはC
2 5 MgBr)(13mmol)を加え、2時間攪拌
した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反
応を停止し、溶媒を減圧下留去した。残渣に水を加え、
酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、
無水硫酸ナトリウムにて乾燥した後、減圧濃縮した。残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチ
ル:ヘキサン= 1:2)にて精製し、CH3 MgBrを
用いた場合は表題化合物16a(収率91%)を、C2
5 MgBrを用いた場合は表題化合物16b(収率9
7%)を得た。
【0087】参考例13 (1R,2S,2’R)−1−フェニル−2−(1−ア
ジドエチル)−N,N−ジエチルシクロプロパン カル
ボキサミド(化合物17a)および(1R,2S,2’
R)−1−フェニル−2−(1−アジドプロピル)−
N,N−ジエチルシクロプロパン カルボキサミド(化
合物17b) 化合物16aまたは化合物16b(3.8mmol)を
ジメチルホルムアミド10mlに溶解し、これに氷冷下
アジ化ナトリウム(72mmol)、トリフェニルホス
フィン(11mmol)、四臭化炭素(11mmol)
を順に加えた後、室温に戻し、3時間撹拌した。反応
後、溶媒を減圧下留去し、残渣に水を加え、酢酸エチル
で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー (化合物17aは酢酸エチ
ル:ヘキサン=1:5、化合物17bは酢酸エチル:ヘ
キサン=1:9)にて精製し、化合物16aからは表題
化合物17a(収率65%)を、化合物16bからは表
題化合物17b(収率61%)を得た。
【0088】実施例5 (1R,2S,2’R)−1−フェニル−2−(1−ア
ミノエチル)−シクロプロパン N,N−ジエチルカル
ボキサミド(化合物18a)および(1R,2S,2’
R)−1−フェニル−2−(1−アミノプロピル)−シ
クロプロパン N,N−ジエチルカルボキサミド(化合
物18b) 化合物17aまたは化合物17b(2.1mmol)の
メタノール(10ml)溶液に10%Pd−炭素44m
gを加え、水素ガス雰囲気下室温で1時間攪拌した。反
応液をセライト濾過し、濾液を減圧濃縮した。残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー (化合物18aはク
ロロホルム:メタノール:アンモニア水:=10:1:
0.2、化合物18bはクロロホルム:メタノール:ア
ンモニア水:水=65:25:1:2)にて精製し、化
合物17aからは表題化合物18a(収率81%)を、
化合物17bからは表題化合物18b(収率94%)を
得た。
【0089】実施例6 (1R,2S,2’R)−1−フェニル−2−(1−ア
ミノエチル)−シクロプロパン N,N−ジエチルカル
ボキサミド塩酸塩(化合物19a)および(1R,2
S,2’R)−1−フェニル−2−(1−アミノプロピ
ル)−シクロプロパン N,N−ジエチルカルボキサミ
ド塩酸塩(化合物19b) イオン交換樹脂Diaion WA−30をIN−Na
OH水溶液で処理後、蒸留水で洗浄し、中性にした。さ
らに、1N塩酸で処理後、蒸留水で洗浄し、中性にして
精製に使用した。化合物18aまたは化合物18b
(1.7mmol)をクロロホルムに溶解し、これに1
N−NaOH水溶液を加えて分液した。有機層を飽和食
塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減
圧下留去した。残渣をメタノールに溶解し、これを先に
調製したイオン交換樹脂のカラムにチャージし、メタノ
ールで溶出した。溶出液を減圧濃縮後、析出した結晶を
ジエチルエーテルで洗浄し、白色粉末として化合物18
aからは表題化合物19a(収率64%)を、化合物1
8bからは表題化合物19b(収率90%)を得た。
【0090】
【化27】
【0091】参考例14 (1R,2S)−1−フェニル−2−(1−オキソエチ
ル)−シクロプロパン N,N−ジエチルカルボキサミ
ド(化合物20a)および(1R,2S)−1−フェニ
ル−2−(1−オキソプロピル)−シクロプロパン
N,N−ジエチルカルボキサミド(化合物20b) 化合物16aまたは化合物16b(5.4mmol)を
ジクロロメタン20mlに溶解し、二クロム酸ピリジニ
ウム19mmol、モルキュラーシーブス4Aの粉末7
gを加え、室温で一晩撹拌した。反応液をセライト濾過
し、濾液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2)にて
精製し、化合物16aからは表記化合物20a(収率9
5%)を、化合物16bからは表記化合物20b(収率
86%)を得た。
【0092】参考例15 (1R,2S,2’S)−1−フェニル−2−(1−ヒ
ドロキシエチル)−N,N−ジエチルシクロプロパン
カルボキサミド(化合物21a)および(1R,2S,
2’S)−1−フェニル−2−(1−ヒドロキシプロピ
ル)−N,N−ジエチルシクロプロパン カルボキサミ
ド(化合物21b) 化合物20aまたは化合物20b(3.73mmol)
を無水テトラヒドロフラン20mlに溶解し、これにア
ルゴン気流下、−78℃に冷却下0.93Mジイソブチ
ルアルミニウムヒドリド(DIBAL−H)のヘキサン
溶液(7.46mmol)を加え、同温度で1時間撹拌
した。反応液に1N塩酸を加えて反応を停止し、溶媒を
減圧下留去した。残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出し
た。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで
乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー (化合物9aは酢酸エチル:ヘキサン=
1:1、化合物9bは酢酸エチル:ヘキサン=1:2)
にて精製し、化合物20aからは表題化合物21a(収
率95%)を、化合物20bからは表題化合物21b
(収率99%)を得た。
【0093】参考例16 (1R,2S,2’S)−1−フェニル−2−(1−ア
ジドエチル)−N,N−ジエチルシクロプロパン カル
ボキサミド(化合物22a)および(1R,2S,2’
S)−1−フェニル−2−(1−アジドプロピル)−
N,N−ジエチルシクロプロパン カルボキサミド(化
合物22b) 化合物21aまたは化合物21b(3.8mmol)を
ジメチルホルムアミド10mlに溶解し、これらに氷冷
下アジ化ナトリウム(72mmol)、トリフェニルホ
スフィン(11mmol)、四臭化炭素(11mmo
l)を順に加えた後、室温に戻し、3時間撹拌した。反
応後、溶媒を減圧下留去し残渣に水を加え、酢酸エチル
で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー (化合物22aは酢酸エチ
ル:ヘキサン=1:5、化合物22bは酢酸エチル:ヘ
キサン=1:9)にて精製し、化合物21aからは表題
化合物22a(収率83%)を、化合物21bからは表
題化合物22b(収率88%)を得た。
【0094】実施例7 (1R,2S,2’S)−1−フェニル−2−(1−ア
ミノエチル)−シクロプロパン N,N−ジエチルカル
ボキサミド(化合物23a)および(1R,2S,2’
S)−1−フェニル−2−(1−アミノプロピル)−シ
クロプロパン N,N−ジエチルカルボキサミド(化合
物23b) 化合物22aまたは化合物22b(2.1mmol)の
メタノール(10ml)溶液に10%Pd−炭素44m
gを加え、水素ガス雰囲気下室温で1時間攪拌した。反
応液をセライト濾過し濾液を減圧濃縮した。残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー (化合物23aはクロ
ロホルム:メタノール:アンモニア水:=80:20:
0.5、化合物23bはクロロホルム:メタノール:ア
ンモニア水=90:20:0.5)にて精製し、化合物
22aからは表題化合物23a(収率89%)を、化合
物22bからは表題化合物23b(収率98%)を得
た。
【0095】実施例8 (1R,2S,2’S)−1−フェニル−2−(1−ア
ミノエチル)−シクロプロパン N,N−ジエチルカル
ボキサミド塩酸塩(化合物24a)および(1R,2
S,2’S)−1−フェニル−2−(1−アミノプロピ
ル)−シクロプロパン N,N−ジエチルカルボキサミ
ド塩酸塩(化合物24b) 化合物23aおよび化合物23b(1.7mmol)を
各々実施例7に記載の方法と同様に処理して、白色粉末
として各々表題化合物24a(収率80%)および表題
化合物24b(収率83%)を得た。
【0096】参考例9〜13、実施例5〜6、参考例1
4〜16および実施例7〜8で得られる各生成物の核磁
気共鳴スペクトルの分析結果は、後記の表2〜12に記
載されている参考例1〜5、実施例1〜2、参考例6〜
8および実施例3〜4で得られた各生成物の核磁気共鳴
スペクトルの分析結果とそれぞれ一致した。
【0097】
【化28】
【0098】参考例17 (1S* ,2R* )−1−フェニル−2−ヒドロキシメ
チルシクロプロパンカルボン酸無水物(化合物25) ナトリウムアミド8.58g(0.22mol)を無水
ベンゼン40mlに懸濁し、これにアルゴン気流下0℃
に冷却下フェニルアセトニトリル11.5ml(0.1
0mol)と無水ベンゼン20mlとの混合溶液を滴下
した。滴下終了後、室温で3時間撹拌した。反応液に氷
冷下ラセミ体エピクロロヒドリン6.8ml(0.08
7mol)と無水ベンゼン20mlとの混合溶液を滴下
した。滴下終了後、室温で2時間撹拌した。反応後、溶
媒を減圧下留去した反応液にエタノール20mlおよび
1N−KOH水溶液10mlを加え、15時間還流させ
た。反応後、反応液を氷冷下12N塩酸で酸性にした
後。減圧濃縮した。残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水
で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下
留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(酢酸エチル:ヘキサン= 1 :3)にて精製し、橙色油
状物質として表題化合物25(収率60%)を得た。
【0099】参考例18 (1S* ,2R* )−1−フェニル−2−ヒドロキシメ
チルシクロプロパンN,N−ジエチルカルボキサミド
(化合物26) ジエチルアミン1.7ml(16mmol)と無水テト
ラヒドロフラン20mlとの混合溶液にアルゴン気流下
0℃に冷却下1.64Mブチルリチウムのヘキサン溶液
11ml(16mmol)を滴下してリチウムジエチル
アミンを調製した。この溶液にアルゴン気流下−78℃
に冷却下1.7g(10mmol)の化合物25と無水
テトラヒドロフラン20mlとの混合溶液を滴下した。
滴下終了後、同温度にて2時間撹拌した後、反応液に飽
和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止した。溶
媒を減圧下留去後、残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出
し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム
にて乾燥した後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー (酢酸エチル:ヘキサン= 1: 1
)で精製し、黄色油状物質として表題の化合物26(収
率88%)を得た。
【0100】参考例19 (1S* ,2R* )−1−フェニル−2−ホルミルシク
ロプロパン N,N−ジエチルカルボキサミド(化合物
27) オキザリルクロライド0.55ml(6.40mmo
l)と無水ジクロロメタン4mlとの混合溶液にアルゴ
ン気流下−78℃に冷却下ジメチルスルホキシド0.9
1ml(12.8mmol)と無水ジクロロメタン4m
lとの混合溶液を滴下し、30分間撹拌した後、同温度
で805mg(3.26mmol)の化合物26と無水
ジクロロメタン4mlとの混合溶液を滴下し、2 時間撹
拌した。反応液にトリエチルアミン1.9ml(25.
6mmol)を加え1時間撹拌した後、飽和塩化アンモ
ニウム水溶液を加えて反応を停止した。反応混合液をク
ロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮した。残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル:
ヘキサン= 2:1)で精製し、白色結晶の表題化合物2
7(収率99%)を得た。
【0101】参考例20 (1S* ,2R* ,2’S* )−1−フェニル−2−
(1−ヒドロキシエチル)−シクロプロパン N,N−
ジエチルカルボキサミド(化合物28a)および(1S
* ,2R* ,2’S* )−1−フェニル−2−(1−ヒ
ドロキシプロピル)−シクロプロパン N,N−ジエチ
ルカルボキサミド(化合物28b) 化合物27(6.5mmol)と無水テトラヒドロフラ
ン40mlとの混合溶液にアルゴン気流下、−20℃に
冷却下各々グリニャール試薬(CH3 MgBrまたはC
2 5 MgBr)(13mmol)を加え、2時間攪拌
した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反
応を停止し、溶媒を減圧下留去した。残渣に水を加え、
酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、
無水硫酸ナトリウムにて乾燥した後、減圧濃縮した。残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチ
ル:ヘキサン= 1:2)にて精製し、CH3 MgBrを
用いた場合は表題化合物28a(収率93%)を、C2
5 MgBrを用いた場合は表題化合物28b(収率9
8%)を得た。
【0102】参考例21 (1S* ,2R* ,2’S* )−1−フェニル−2−
(1−アジドエチル)−N,N−ジエチルシクロプロパ
ン カルボキサミド(化合物29a)および(1S*
2R* ,2’S* )−1−フェニル−2−(1−アジド
プロピル)−N,N−ジエチルシクロプロパン カルボ
キサミド(化合物29b) 化合物28aまたは化合物28b(3.8mmol)を
ジメチルホルムアミド10mlに溶解し、これに氷冷下
アジ化ナトリウム(72mmol)、トリフェニルホス
フィン(11mmol)、四臭化炭素(11mmol)
を順に加えた後、室温に戻し、3時間撹拌した。反応
後、溶媒を減圧下留去し、残渣に水を加え、酢酸エチル
で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー (化合物29aは酢酸エチ
ル:ヘキサン=1:5、化合物29bは酢酸エチル:ヘ
キサン=1:9)にて精製し、化合物28aからは表題
化合物29a(収率67%)を、化合物28bからは表
題化合物29b(収率63%)を得た。
【0103】実施例9 (1S* ,2R* ,2’S* )−1−フェニル−2−
(1−アミノエチル)−シクロプロパン N,N−ジエ
チルカルボキサミド(化合物30a)および(1S*
2R* ,2’S* )−1−フェニル−2−(1−アミノ
プロピル)−シクロプロパン N,N−ジエチルカルボ
キサミド(化合物30b) 化合物29aまたは化合物29b(2.1mmol)の
メタノール(10ml)溶液に10%Pd−炭素44m
gを加え、水素ガス雰囲気下室温で1時間攪拌した。反
応液をセライト濾過し、濾液を減圧濃縮した。残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー (化合物30aはク
ロロホルム:メタノール:アンモニア水:=10:1:
0.2、化合物30bはクロロホルム:メタノール:ア
ンモニア水:水=65:25:1:2)にて精製し、化
合物29aからは表題化合物30a(収率83%)を、
化合物29bからは表題化合物30b(収率95%)を
得た。
【0104】実施例10 (1S* ,2R* ,2’S* )−1−フェニル−2−
(1−アミノエチル)−シクロプロパン N,N−ジエ
カルボキサミド塩酸塩(化合物31a)および(1
* ,2R* ,2’S* )−1−フェニル−2−(1−
アミノプロピル)−シクロプロパン N,N−ジエチル
カルボキサミド塩酸塩(化合物31b) イオン交換樹脂Diaion WA−30をIN−Na
OH水溶液で処理後、蒸留水で洗浄し、中性にした。さ
らに、1N塩酸で処理後、蒸留水で洗浄し、中性にして
精製に使用した。化合物30aまたは化合物30b
(1.7mmol)をクロロホルムに溶解し、これに1
N−NaOH水溶液を加えて分液した。有機層を飽和食
塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減
圧下留去した。残渣をメタノールに溶解し、これを先に
調製したイオン交換樹脂のカラムにチャージし、メタノ
ールで溶出した。溶出液を減圧濃縮後、析出した結晶を
ジエチルエーテルで洗浄し、白色粉末として化合物30
aからは表題化合物31a(収率66%)を、化合物3
0bからは表題化合物31b(収率92%)を得た。
【0105】参考例17〜21および実施例9〜10で
得られる各生成物の核磁気共鳴スペクトルの分析結果
は、後記の表2〜12に記載されている参考例1〜5お
よび実施例1〜2で得られた各生成物の核磁気共鳴スペ
クトルの分析結果とそれぞれ一致した。
【0106】参考例22 (1S,2R,2’S)−1−フェニル−2−(1−ヒ
ドロキシブチル)−シクロプロパン N,N−ジエチル
カルボキサミド(化合物4c)および(1S,2R,
2’S)−1−フェニル−2−(1−ヒドロキシイソペ
ンチル)−シクロプロパン N,N−ジエチルカルボキ
サミド(化合物4d) 化合物3(1.60mmol)と無水テトラヒドロフラ
ン10mlとの混合溶液にアルゴン気流下、−20℃に
冷却下各々グリニャール試薬(C3 7 MgBrまたは
iso−C4 9 MgBr)(3.20mmol)を加
え、2時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水
溶液を加えて反応を停止し、溶媒を減圧下留去した。残
渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食
塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した後減圧
濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(酢酸エチル:ヘキサン= 1:2)にて精製し、C3
7MgBrを用いた場合は表題化合物4c(収率87
%)を、iso−C4 9 MgBrを用いた場合は表題
化合物4d(収率88%)を得た。
【0107】参考例23 (1S,2R,2’S)−1−フェニル−2−(1−ア
ジドブチル)−N,N−ジエチルシクロプロパン カル
ボキサミド(化合物5c)および(1S,2R,2’
S)−1−フェニル−2−(1−アジドイソペンチル)
−N,N−ジエチルシクロプロパン カルボキサミド
(化合物5d) 化合物4cまたは化合物4d(1.03mmol)をジ
メチルホルムアミド3mlに溶解し、これに氷冷下アジ
化ナトリウム(19.6mmol)、トリフェニルホス
フィン(3.09mmol)、四臭化炭素(3.09m
mol)を順に加えた後、室温に戻し3時間撹拌した。
反応後、溶媒を減圧下留去し、残渣に水を加え、酢酸エ
チルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸
ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮した。残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル:ヘキサン
=1:9)にて精製し、化合物4cからは表題化合物5
c(収率67%)を、化合物4dからは表題化合物5d
(収率94%)を得た。
【0108】実施例11 (1S,2R,2’S)−1−フェニル−2−(1−ア
ミノブチル)−シクロプロパン N,N−ジエチルカル
ボキサミド(化合物6c)および(1S,2R,2’
S)−1−フェニル−2−(1−アミノイソペンチル)
−シクロプロパン N,N−ジエチルカルボキサミド
(化合物6d) 化合物5cまたは化合物5d(0.476mmol)の
メタノール(5ml)溶液に10%Pd−炭素50mg
を加え、水素ガス雰囲気下室温で1時間攪拌した。反応
液をセライト濾過し、濾液を減圧濃縮した。残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム:メタ
ノール:アンモニア水:水=65:25:1:2)にて
精製し、化合物5cからは表題化合物6c(収率99
%)を、化合物5dからは表題化合物6d(収率51
%)を得た。
【0109】実施例12 (1S,2R,2’S)−1−フェニル−2−(1−ア
ミノブチル)−シクロプロパン N,N−ジエチルカル
ボキサミド塩酸塩(化合物7c)および(1S,2R,
2’S)−1−フェニル−2−(1−アミノイソペンチ
ル)−シクロプロパン N,N−ジエチルカルボキサミ
ド塩酸塩(化合物7d) イオン交換樹脂Diaion WA−30をIN−Na
OH水溶液で処理後、蒸留水で洗浄し、中性にした。さ
らに、1N塩酸で処理後、蒸留水で洗浄し、中性にして
精製に使用した。化合物6cまたは化合物6d(0.3
29mmol)をクロロホルムに溶解し、これに1N−
NaOH水溶液を加えて分液した。有機層を飽和食塩水
で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下
留去した。残渣をメタノールに溶解し、これを先に調製
したイオン交換樹脂のカラムにチャージし、メタノール
で溶出した。溶出液を減圧濃縮後、析出した結晶をジエ
チルエーテルで洗浄し、白色粉末として化合物6cから
は表題化合物7c(収率96%)を、化合物6dからは
表題化合物7d(収率86%)を得た。
【0110】参考例24 (1S,2R,2’R)−1−フェニル−2−(1−ヒ
ドロキシベンジル)−シクロプロパン N,N−ジエチ
ルカルボキサミド(化合物4e) 化合物3(1.20mmol)と無水テトラヒドロフラ
ン10mlとの混合溶液にアルゴン気流下、−20℃に
冷却下グリニャール試薬(フェニルMgBr)(2.4
0mmol)を加え、2時間攪拌した。反応液に飽和塩
化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止し、溶媒を減
圧下留去した。残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出し
た。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム
にて乾燥した後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン= 1:
2)にて精製し、表題化合物4e(収率86%)を得
た。
【0111】参考例25 (1S,2R,2’R)−1−フェニル−2−(1−ア
ジドベンジル)−N,N−ジエチルシクロプロパン カ
ルボキサミド(化合物5e) 化合物4e(0.80mmol)をジメチルホルムアミ
ド3mlに溶解し、これに氷冷下アジ化ナトリウム(1
5.2mmol)、トリフェニルホスフィン(2.40
mmol)、四臭化炭素(2.40mmol)を順に加
えた後、室温に戻し、3時間撹拌した。反応後、溶媒を
減圧下留去し、残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出し
た。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥した後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー (酢酸エチル:ヘキサン=1:9)
にて精製し、表題化合物5e(0.63mmol,収率
79%)を得た。
【0112】実施例13 (1S,2R,2’R)−1−フェニル−2−(1−ア
ミノベンジル)−シクロプロパン N,N−ジエチルカ
ルボキサミド(化合物6e) 化合物5e(0.44mmol)のメタノール(5m
l)溶液に10%Pd−炭素50mgを加え、水素ガス
雰囲気下室温で1時間攪拌した。反応液をセライト濾過
し、濾液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー (クロロホルム:メタノール:アンモニ
ア水:水=65:25:1:2)にて精製し、表題化合
物6e(0.41mmol,収率99%)を得た。
【0113】実施例14 (1S,2R,2’R)−1−フェニル−2−(1−ア
ミノベンジル)−シクロプロパン N,N−ジエチルカ
ルボキサミド塩酸塩(化合物7e) イオン交換樹脂Diaion WA−30を1N−Na
OH水溶液で処理後、蒸留水で洗浄し、中性にした。さ
らに、1N塩酸で処理後、蒸留水で洗浄し、中性にして
精製に使用した。化合物6e(0.21mmol)をク
ロロホルムに溶解し、これに1N−NaOH水溶液を加
えて分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸
ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。残渣をメ
タノールに溶解し、これを先に調製したイオン交換樹脂
のカラムにチャージし、メタノールで溶出した。溶出液
を減圧濃縮後、析出した結晶をジエチルエーテルで洗浄
し、白色粉末として表題化合物7e(0.18mmo
l,収率86%)を得た。
【0114】
【化29】
【0115】
【化30】
【0116】参考例26 (1S,2R,2’S)−1−フェニル−2−(1−ヒ
ドロキシ−2−エトキシカルボニルエチル)−シクロプ
ロパン N,N−ジエチルカルボキサミド(化合物32
a)および(1S,2R,2’R)−1−フェニル−2
−(1−ヒドロキシ−2−エトキシカルボニルエチル)
−シクロプロパン N,N−ジエチルカルボキサミド
(化合物32b) ヘキサメチルジシラザン3.93ml(18.6mmo
l)と無水THF20mlの混合溶液にアルゴン気流下
−10℃に冷却下1.66Mのブチルリチウムのヘキサ
ン溶液11.2ml(18.3mmol)を加えた後、
20分間攪拌した。この溶液を−78℃に冷却下無水酢
酸エチル1.86ml(18.6mmol)を加えた
後、20分間攪拌し、これに化合物3(3.8g,1
5.5mmol)と無水THF20mlの溶液を滴下し
た。滴下後、同温度で2時間攪拌した後、飽和塩化アン
モニウム水溶液を加え、反応を停止した。反応液を減圧
濃縮後、残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機
層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=2:1〜1:2)で
精製し、無色油状物質として化合物32aを4.1g
(12.3mmol,収率79%)と黄色結晶として化
合物32bを485mg(1.46mmol,収率9.
4%)得た。
【0117】参考例27 (1S,2R,2’S)−1−フェニル−2−(1,3
−ジヒドロキシプロピル)−シクロプロパン N,N−
ジエチルカルボキサミド(化合物33) 3.97g(11.9mmol)の化合物32aをメタ
ノール40mlに溶解し、これにNaBH4 4.50g
(119mmol)を室温でゆっくりと加え、室温で2
時間攪拌した後、1時間加熱還流した。反応液に酢酸を
加えて反応を停止し、減圧濃縮した。残に水を加え、酢
酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水
硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノ
ール=6:1)で精製し、白色結晶として化合物33を
3.40g(11.7mmol,収率98%)得た。
【0118】参考例28 (1S,2R,2’S)−1−フェニル−2−(1−ヒ
ドロキシ−3−ピバロイルオキシプロピル)−シクロプ
ロパン N,N−ジエチルカルボキサミド(化合物3
4) 1.60g(5.50mmol)の化合物34を無水ピ
リジン30mlに溶解し、これにアルゴン気流下で氷冷
下ピバロイルクロライド1.26ml(7.59mmo
l)を加え、同温度で1.5時間攪拌した。反応液に水
を加えて反応を停止した。反応混合液を減圧濃縮し、残
渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食
塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮
した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢
酸エチル:ヘキサン=1:3)で精製し、無色油状物質
として化合物34を1.81g(4.83mmol,収
率88%)得た。
【0119】参考例29 (1S,2R,2’S)−1−フェニル−2−(1−ア
ジド−3−ピバロイルオキシプロピル)−シクロプロパ
ン N,N−ジエチルカルボキサミド(化合物35) 1.50g(4.0mmol)の化合物34のDMF3
5ml溶液に氷冷下アジ化ナトリウム4.94g(76
mmol)、トリフェニルホスフィン3.15g(12
mmol)、四臭化炭素3.98g(12mmol)を
順に加えた後、室温に戻し、一晩攪拌した。反応液を減
圧濃縮し、残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有
機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:4)で精製し、
無色油状物質として化合物35を1.46g(3.65
mmol,収率91%)得た。
【0120】参考例30 (1S,2R,2’S)−1−フェニル−2−(1−ア
ジド−3−ヒドロキシプロピル)−シクロプロパン
N,N−ジエチルカルボキサミド(化合物36) 1.33g(3.33mmol)の化合物35の無水メ
タノール30ml溶液にアルゴン気流下28%ナトリウ
ムメトキサイド2.5mlを加え、室温で一晩攪拌し
た。反応液に酢酸を加えて反応を停止した。反応混合液
を減圧濃縮し、残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出し
た。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥後減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=3:1)で精製
し、白色結晶として化合物36を1.04g(3.29
mmol,収率99%)得た。
【0121】参考例31 (1S,2R,2’S)−1−フェニル−2−(1−ア
ジド−3−トシルオキシプロピル)−シクロプロパン
N,N−ジエチルカルボキサミド(化合物37) 400mg(1.27mmol)の化合物36を無水ジ
クロロメタンに溶解し、これに室温でアルゴン気流下ジ
メチルアミノピリジン20mg、トリエチルアミン0.
89ml(6.36mmol)、トシルクロライド60
6mg(3.18mmol)を順に加えた後、同温度で
一晩攪拌した。反応液に水を加え、ジクロロメタンで抽
出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:3)
で精製し、無色油状物質として化合物37を592mg
(1.26mmol,収率99%)得た。
【0122】参考例32 (1S,2R,2’S)−1−フェニル−2−(1−ア
ジド−3−フェニルセレニルプロピル)−シクロプロパ
ン N,N−ジエチルカルボキサミド(化合物38) ジフェニルジセレニド165mg(0.528mmo
l)を無水エタノール8mlに溶解し、これにアルゴン
気流下室温でNaBH4 60mg(1.58mmol)
を加え、しばらく攪拌した後、溶液が透明になったこと
を確認し、190mg(0.404mmol)の化合物
37の無水エタノール4ml溶液を加え、一晩攪拌し
た。反応液に水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。
有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:5)で精製
し、無色油状物質として化合物38を156mg(0.
342mmol,収率85%)得た。
【0123】参考例32 (1S,2R,2’S)−1−フェニル−2−(1−ア
ミノ−3−フェニルセレニルプロピル)−シクロプロパ
ン N,N−ジエチルカルボキサミド(化合物39) 80.0mg(0.176mmol)の化合物38をピ
リジン2mlに溶解し、これにトリフェニルホスフィン
180mg(0.264mmol)を加えた後、室温で
5時間攪拌した。反応液に28%アンモニア水2mlを
加え、室温で一晩攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣
に水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽
和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧
濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=9
0:10:0.2)で精製し、無色油状物質として化合
物39を70mg(0.163mmol,収率93%)
得た。
【0124】参考例33 (1S,2R,2’S)−1−フェニル−2−(1−t
−ブトキシカルボニルアミノ−3−フェニルセレニルプ
ロピル)−シクロプロパン N,N−ジエチルカルボキ
サミド(化合物40) 960mg(2.11mmol)の化合物39を無水ジ
クロロメタン35mlに溶解し、これにアルゴン気流下
ジ−t−ブチルジカーボネート1.27g(5.58m
mol)を加え、室温で5時間攪拌した。反応液に水を
加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水
で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し
た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸
エチル:ヘキサン=1:3)で精製し、白色結晶として
化合物40を1.02g(1.92mmol,収率92
%)得た。
【0125】参考例34 (1S,2R,2’S)−1−フェニル−2−(1−t
−ブトキシカルボニルアミノ−2−プロペニル)−シク
ロプロパン N,N−ジエチルカルボキサミド(化合物
41) 135mg(0.255mmol)の化合物40をTH
F6mlに溶解し、これに30%過酸化水素水を加え、
室温で6日間攪拌した。反応液に水を加え、ジクロロメ
タンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫
酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノー
ル=20:1)で精製し、白色結晶として化合物41を
80mg(0.215mmol,収率84%)得た。
【0126】実施例15 (1S,2R,2’S)−1−フェニル−2−(1−ア
ミノ−2−プロペニル)−シクロプロパン N,N−ジ
エチルカルボキサミド(化合物6f) 100mg(0.268mmol)の化合物41をメタ
ノール4.5mlに溶解し、これに90%トリフルオロ
酢酸3mlを加え、室温で一晩攪拌した。反応液に3N
水酸化ナトリウム水溶液を加えてアルカリ性とし、ジク
ロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メ
タノール:28%アンモニア水=80:20:0.2)
で精製し、茶色様油状物質として化合物6fを40mg
(0.147mmol,収率55%)得た。
【0127】実施例16 (1S,2R,2’S)−1−フェニル−2−(1−ア
ミノ−2−プロペニル)−シクロプロパン N,N−ジ
エチルカルボキサミド塩酸塩(化合物7f) カラムに充填したイオン交換樹脂Diaion WA−
30を1N水酸化ナトリウム水溶液で処理後、蒸留水で
洗浄し、中性にした。さらに1N塩酸で処理し、蒸留水
で洗浄し、中性にして精製した。このカラムに30mg
(0.110mmol)の化合物41をメタノールに溶
解した溶液をチャージし、メタノールで溶出した。溶出
液を減圧濃縮後、析出した結晶をジエチルエーテルで洗
浄し白色粉末として化合物7fを30mg(0.097
4mmol,収率89%)得た。
【0128】
【表2】
【0129】
【表3】
【0130】
【表4】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、Rは低級脂肪族基を示すか、または置換基を有
    していてもよいフェニル基を示し、*は不斉炭素原子を
    示す)で表される光学活性な化合物もしくはそのラセミ
    体またはそれらの薬学的に許容される酸付加塩。
  2. 【請求項2】 低級脂肪族基が低級アルキル基または低
    級アルケニル基である請求項1記載の光学活性な化合物
    もしくはそのラセミ体またはそれらの薬学的に許容され
    る酸付加塩。
  3. 【請求項3】 置換基を有していてもよいフェニル基が
    フェニル基である請求項1記載の光学活性な化合物もし
    くはそのラセミ体またはそれらの薬学的に許容される酸
    付加塩。
JP1456595A 1994-02-22 1995-01-31 アミノアルキルシクロプロパン誘導体 Withdrawn JPH0834765A (ja)

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JP2451394 1994-02-22
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006001498A1 (ja) * 2004-06-25 2006-01-05 Sumitomo Chemical Company, Limited (z)-1-フェニル-1-ジエチルアミノカルボニル-2-ヒドロキシメチルシクロプロパンの製造方法
JP2012516307A (ja) * 2009-01-29 2012-07-19 ピエール、ファーブル、メディカマン (1s,2r)−ミルナシプランの合成方法

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