JPH0834689B2 - 電力変換装置の制御装置 - Google Patents

電力変換装置の制御装置

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JPH0834689B2
JPH0834689B2 JP62334764A JP33476487A JPH0834689B2 JP H0834689 B2 JPH0834689 B2 JP H0834689B2 JP 62334764 A JP62334764 A JP 62334764A JP 33476487 A JP33476487 A JP 33476487A JP H0834689 B2 JPH0834689 B2 JP H0834689B2
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【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は交流電源から電力供給を受け、定電圧の直流
電力に変換するパルス幅変調制御の電力変換装置の制御
装置に関する。
(従来の技術) 直流電圧源を電源とする負荷装置としては、パルス幅
変調制御(PWM)インバータ+誘導電動機、あるいは直
流チョッパ装置+直流電動機などがある。この直流電圧
源として、バッテリーを使う場合はあまり問題ないが、
商用電源から交直電力変換器(コンバータ)を介して直
流電圧を得るとき、当該商用電源側に発生する無効電力
や高調波が近年問題になっている。
この問題を解決するために、交直電力変換器として、
パルス幅変調制御(PWM)コンバータを商用電源と直流
電圧源(コンデンサ)との間に挿入する方式(特願昭57
−171886等)が提案されている。
第3図は、交直電力変換器として、PWMコンバータを
用いた従来の電力変換装置の構成図を示す。
図中、SUPは単相交流電源、LSは交流リアクトル、CON
Vは交直電力変換器(コンバータ)、Cdは直流平滑コン
デンサ、LOADは負荷装置である。コンバータCONVは、自
己消孤能力のある素子(例えばゲートターンオフサイリ
スタ)S1〜S4、ホイーリングダイオードD1〜D4及び直流
リアクトルL1,L2から構成され上記素子S1〜S4は交流側
電圧Vcの値を制御するため、公知のパルス幅変調制御が
行なわれている。すなわち、コンバータCONVは直流電圧
源(コンデンサ)Cdから見た場合、パルス幅変調制御
(PWN)インバータとなり、その場合交流電源SUP側は一
種の負荷と見ることができる。
この従来の電力変換装置は上記直流電圧源Cdの電圧Vd
がほぼ一定になるように、交流電源から供給される電流
Isを制御するもので、 負荷装置LOADからの電力需要に応じて4象限動作が
可能なこと。
上記入力電流Isは電源電圧Vsと常に同相に制御さ
れ、入力力率が1になること。
また、入力電流Isは正弦波状に制御されるため、高
調波がきわめて小さくなること。
が特長としてあげられる。
以下、この装置の制御動作を簡単に説明する。
制御回路としては、次のものが用意されている。CTc
は交流電流検出器、R1,R2は直流電圧を検出するための
分圧抵抗、ISOは絶縁増幅幅器、VRは直流電圧設定器、C
1〜C3は比較器、Gv(S)は電圧制御補償回路、MLは乗算
器、OAは反転演算増幅器、GI(S)は電流制御補償回路、T
RGは搬送波(三角波)発生器、GCはゲート制御回路であ
る。
まず、絶縁増幅器ISOを介して検出された直流電圧Vd
と電圧設定器VRからの電圧指令値Vd *を比較器C1に入力
し、偏差εV=Vd *−Vdを求める。当該偏差εVは、制御
補償回路Gv(S)に入力され、積分増幅あるいは比例増幅
されて、入力電流ISの波高値指令Imとなる。
当該波高値指令Imは乗算器MLに入力され、もう一方の
入力sinωtと掛け合わせられる。当該入力信号sinωt
は電源電圧Vs=Vm・sinωtに同期した単位正弦波で、
当該電源電圧Vsを検出し、定数倍(1/Vm倍)することに
よって求められる。
乗算器MLの出力信号Is *は電源から供給されるべき電
流の指令値を与えるもので、次式のようになる。
Is *=Im・sinωt …(1) 当該入力電流指令値Is *は反転増幅器OAで反転され、
コンバータCONVから電源SUPへ供給される交流電流Ic
指令値Ic *となる。以下、ここではIc *をコンバータ出力
電流指令値と呼ぶ。
コンバータ出力電流Icは交流電流検出器CTcによって
検出され比較器C2に入力される。比較器C2によって上記
指令値Ic *と検出値Icが比較され、偏差εI=Ic *−Ic
求められる。当該偏差εIは次の制御補償回路GI(S)に入
力され、比例増幅されて、パルス幅変調制御のための制
御入力信号eiとなる。
パルス幅変調制御は公知の手法で、搬送波発生器TR
G、比較C3及びゲート制御回路GCによって当該制御を行
っている。
すなわち搬送波発生器TRGは周波数1kHz程度の三角波e
Tを発生し、比較器C3は当該三角波eTと前記入力信号ei
を比較し、その偏差εT=ei−eTに応じてゲート制御回
路GCから、ゲートターンオフサイリスタS1〜S4にオン,
オフ信号を与えている。
ei>eTのとき、すなわち偏差εTが正のとき、サイリ
スタS1とS4がオンされ(このときS2,S3はオフ)コンバ
ータの交流出力電圧Vcは+Vdとなる。
またei<eTのとき、すなわち偏差εTが負のとき、サ
イリスタS2とS3がオンされ(このとき、S1,S4はオ
フ)、Vc=−Vdとなる。
しかも、eiが正の値で大きければ上記ケースS1とS4
オン期間は長くなり、S2とS3のオン期間は短くなって、
Vcの平均値は入力信号eiに比例した電圧で正の値とな
る。逆にeiが負の値のときはS1とS4のオン期間よりS2
S3のオン期間のほうが長くなって、コンバータの出力電
圧Vcの平均値は、入力信号eiに比例した値で負の値とな
る。
すなわち入力信号eiに比例した値に、コンバータの出
力電圧Vcが制御されることになる。
コンバータの出力電流Ic(電源から供給される入力電
流Isの反転値)は上記コンバータの出力電圧Vcを調整す
ることにより制御される。
交流リアクトルLsには電源電圧Vsと、上記コンバータ
の出力電圧Vcとの差電圧VL=VS−VCが印加される。
VS>VCのとき、電源電流ISは図の矢印の方向に増加す
る。言いかえるとコンバータ出力電流ICは図の矢印方向
へは減少するように働らく。逆にVS<VCのとき、コンバ
ータ出力電流ICは図の矢印の方向に増加しようと働ら
く。
コンバータの出力電流指令値Ic *に対して実電流ICがI
c *>ICの関係にあるとき、偏差εI=Ic *−ICは正の値と
なり、制御補償回路GI(S)を介してPWN制御の入力信号ei
を増加させる。故にコンバータ出力電圧VCも入力信号ei
に比例して大きくなり、VC>VSとなりコンバータ出力電
流ICを図の矢印方向に増加させる。逆にIc *<ICとなっ
た場合、偏差εIは負の値となりeiすなわちVCを減少さ
せる。故にコンバータの出力電流ICはその指令値Ic *
一致するように制御される。当該指令値Ic *を正弦波状
に変化させれば、それに追従して実電流ICも正弦波状に
制御される。
コンバータの出力電流ICは電源からの入力電流ISの反
転値であり、また、コンバータ出力電流の指令値Ic *
電源からの入力電流の指令値Is *の反転値である。故
に、入力電流ISはその指令値IS *に追従して制御される
ことになる。
次に直流コンデンサCdの電圧Vdの制御動作を説明す
る。
比較器C1によって、直流電圧検出値Vdとその指令値Vd
*を比較する。Vd *>Vdの場合偏差εvは正の値となり、
制御補償回路Gv(S)を介して、入力電流波高値Imを増加
させる。入力電流指令値Is *は、(1)式で示したよう
に電源電圧と同相の正弦波で与えられる。故に、実入力
電流ISが前述の如く、IS=IS *に制御されるものとすれ
ば、上記波高値Imが正の値のとき、次式で示される有効
電力PSが単相電源SUPからコンバータCONVを介して直流
コンデンサCdに供給される。
PS=VS×IS =Vm・Im・(sinωt) =Vm・Im・(1−cos2ωt)/2 …(2) 従って、エネルギーPs・tが直流コンデンサCdとして蓄積され、その結果、直流電圧Vdが上昇する。
逆にVd *<Vdとなった場合、偏差εvは負の値となり、
制御補償回路Gv(S)を介して上記波高値Imを減少させつ
いにはIm<0とする。故に、有効電力Psも負の値とな
り、今度は、エネルギーPstが直流コンデンサCdから電
源に回生される。その結果、直流電圧Vdは低下し、最終
的にVd≒Vd *に制御される。
負荷装置LOADは例えば、公知のPWMインバータ駆動誘
導電動機等があり、直流電圧源たる直流コンデンサCd
対して、電力のやりとりを行う。負荷装置LOADが電力を
消費すれば、直流電圧Vdが低下するが上記制御によっ
て、電源から有効電力Psを供給して常にVd≒Vd *に制御
される。逆に負荷装置LOADから電力回生(誘導電動機を
回生運転した場合)が行われると、Vdが一旦上昇する
が、その分電源SUPに有効電力Psを回生することによ
り、やはりVd≒Vd *となる。すなわち、負荷装置LOADの
電力消費あるいは電力回生に応じて、電源SUPから供給
する電力Psが自動的に調整されているのである。
このとき入力電流Isは電源電圧と同相あるいは逆相
(回生時)の正弦波に制御されるので、当然入力力率=
1で、高調波成分はきわめて小さい値となっている。
[発明が解決しようとする問題点] 上記従来の電力変換装置は、次のような問題点があ
る。
すなわち、電源SUPが単相交流電源の場合、当該電源
から供給される有効電力は前述の(2)式のようになり
定常分PSO=Vm・Im/2と変動分ΔPs=(Vm・Im/2)・cos
2ωtを含んでいる。当該変動分ΔPsによって平滑コン
デンサCdに印加される電圧Vdが変動する。その変動分Δ
Vdは次式のように近似できる。
ただし、Vdoは直流電圧の平均値 この直流電圧の変動ΔVdは前述の直流電圧制御(Vd
御)とは無関係の値で変換器が授受する有効電力Psの大
きさに比例する。
また、前記直流電圧Vdは負荷急変等によっても変動す
る。この場合は直流電圧制御系が関係し追従性の良い制
御系では前記負荷急変による直流電圧変動は小さくな
る。
このように種々の原因により直流電圧Vdが変化するこ
とが考えられる。
直流電圧Vdが変動した場合、従来の電力変換装置で
は、入力電流Isの制御がうまくいかなくなる。すなわ
ち、直流電圧Vdが平均値Vdoより小さくなった場合、PWM
制御入力信号eiに対してコンバータCONVから出力される
交流電圧Vcは予定していた電圧より小さな値となり、そ
の結果交流リアクトルLsに印加される電圧VL=Vs−VC
増大し入力電流Isは指令値Is *より大きな値となってし
まう。逆に、Vd>Vdoとなった場合、VLが減少し、入力
電流ISは指令値Is *より小さな値となってしまう。従っ
て、指令値Is *を正弦波状に与えても実電流Isは正弦波
にはならず、歪んだ波形となり高調波成分を多く含んだ
電流となる。この現象は交流リアクトルLsの値を小さく
していくと顕著になる。すなわちVLが少し大きくなった
ことによって入力電流Isは急激に増大し、コンバータを
構成する素子S1〜S4のしゃ断電流許容値を超えてしまう
こともあり、素子の破壊を招くことにもなる。またVL
少し小さくなったことによってIsが急激に減少し必要な
電流が得られなくなりその結果、さらに直流電圧の変動
を招き制御不能におちいることさえある。
従って、直流電圧の変動の影響を小さくするため従来
装置では交流リアクトルLsの値を大きくしなければなら
ず装置の重量、寸法を増大させ、コストの増大を招いて
いた。
本発明は以上の問題点に鑑みてなされたもので、交流
リアクトルLsの容量を増大させることなく入力電流Is
その指令値IS *に一致させ、素子の破壊や制御不能の状
態を除去する電力変換装置の制御装置を提供することを
目的とする。
[発明の構成] (問題点を解決する手段) 以上の目的を達成するために、単相交流電源と、該単
相交流電源に交流リアクトルを介して接続されたパルス
幅変調制御コンバータと、このパルス幅変調制御コンバ
ータの直流側に接続された平滑コンデンサと、当該平滑
コンデンサを電圧源とする負荷装置とからなる電力変換
装置において、前記平滑コンデンサの直流電圧検出値Vd
とその指令値Vd *とを比較し、その偏差εvの定常分が零
になるように制御する直流電圧制御回路と、この直流電
圧制御回路の出力を電源電圧に同期した単位正弦波sin
ωtと乗算して入力電流指令値Is *を出力する入力電流
指令値発生回路と、この入力電流指令値発生回路より出
力される入力電流指令値Is *と前記単相交流電源から供
給される入力電流Isとを比較し、その偏差εIを比例増
幅する入力電流制御回路と、この入力電流制御回路の出
力と前記コンバータから電源電圧を打消すための電圧を
発生させるための補償量Vs *とを加算し、その加算値を
前記平滑コンデンサの直流電圧検出値Vdを演算増幅して
得られる値で除算するPWM制御入力信号補正回路と、こ
のPWM制御入力信号補正回路より得られるパルス幅変調
制御入力信号eiに基いて前記パルス幅変調制御コンバー
タを制御するPWM制御回路とを備え、直流電圧検出値
Vd、規格化定数をVdoとした場合、パルス幅変調制御入
力信号eiを、Vdo/Vdに比例するように補正することを
特徴とするようにしている。
(作用) パルス幅変調制御コンバータは、平滑コンデンサに印
加される電圧がほぼ一定になるように交流電源から供給
される電流を制御する。この入力電流を電源電圧と同相
の正弦波に制御することにより入力力率=1で高調波の
少ない運転がなされる。パルス幅変調制御回路には、上
記入力電流制御回路からの出力信号が入力されるが、当
該入力信号は前記平滑コンデンサに印加される電圧に応
じて補正される。すなわち、直流電圧Vdが大きくなった
ときは前記PWM制御入力信号eiを小さくし逆にVdが小さ
くなったときはeiを大きくする。このように補正するこ
とによって、コンバータの交流側に発生する電圧Vcが常
に上記入力信号eiに比例した値となり前記入力電流はそ
の指令値に従って忠実に制御される。
故に交流リアクトルの容量を増大させることなく入力
電流をその指令値に従って電源電圧と同相(力率=1)
の正弦波(高調波小)に制御することができ、従来問題
となっていた素子の破壊や制御不能の状態を防止するこ
とが可能となる。この結果、本発明の電力変換装置は装
置の重量、寸法を減少することができ、安価なシステム
を提供することができる。
(実施例) 第1図は本発明の電力変換装置の実施例を示す構成図
である。
図中、SUPは単相交流電源、LSは交流リアクトル、CON
Vはパルス幅変調制御コンバータ、Cdは直流平滑コンデ
ンサ、LOADは負荷装置である。
コンバータCONVは自己消弧能力のある素子(例えばゲ
ートターンオフサイリスタ等)S1〜S4、フリーホイーリ
ングダイオードD1〜D4及び直流リアクトルL1,L2から構
成されている。
また、制御回路として電流検出器CTs、絶縁アンプIS
O、比較器C1,C2、加算器AD、乗算器ML、割算器DIV、電
圧制御補償回路Gv(S)、電流制御補償回路GI(S)、演算増
幅器Kd、パルス幅変調制御回路PWMが用意されている。
直流平滑コンデンサCdの電圧Vdは絶縁アンプISOを介
して検出され、比較器C1によってその指令値Vd *と比較
される。その偏差εv=Vd *−Vdは次の電圧制御補償回路
Gv(S)に入力される。Gv(S)は通常積分要素が使われ、上
記偏差εvの定常分が零になるように制御している。G
v(S)の出力Imは乗算器MLに入力され電源電圧Vs=Vm・si
nωtに同期した単位正弦波sinωtと掛け合わせられ
る。この乗算器MLの出力IS *=Im・sinωtは電源SUPか
ら供給される入力電流Isの指令値となる。
比較器C2には電流検出器CTSによって検出した入力電
流Isと上記指令値IS *が入力され、その偏差εI=Is *−I
sを求めている。当該偏差εIは次の電流制御補償回路GI
(S)に入力され、比例増幅される。なお、GI(S)は反転比
例増幅器が用いられ、その比例定数をKIとした場合G
I(S)=−KLとなる。
入力電流電流制御系に対して電源電圧Vsは外乱として
作用する。そこでこれを打ち消す電圧をコンバータから
発生させるため補償量Vs *を加算器ADを介してPWM制御回
路に入力している。
加算器ADの出力信号aは割算器DIVを介してPWM制御回
路に入力される。一方、前述の平滑コンデンサCdの検出
電圧Vdは割算増幅器Kdを介して上記割算器DIVに入力さ
れる。直流電圧Vdの定格値をVdoとした場合Kd=(1/
Vdo)の定数となる。
割算器DIVの出力ei=(a/b)がパルス幅変調制御回路
PWMの入力信号となる。式で表わすと次のようになる。
パルス幅変調制御は公知の手法で、搬送波信号(三角
波信号)と上記制御入力信号eiを比較し、コンバータを
構成する自己消弧素子S1〜S4のゲート信号を作ってい
る。
第2図にそのパルス幅変調制御の動作説明を行うため
のタイムチャート図を示す。
第2図において、X,Yは搬送波信号、eiは制御入力信
号、g1は素子S1,S2のゲート信号、g2は素子S3,S4のゲ
ート信号、Vcはコンバータの交流側の発生電圧を示す。
搬送波XとYは位相が180°ずれた2つの三角波でX
とeiを比較することにより、ゲート信号g1を作り、また
Yとeiを比較することによりゲート信号g2を作る。
すなわち、eiXのとき、g1=“1"で素子S1がオン、
S2がオフとなり、ei<Xのときg1=“0"で素子S2がオ
ン、S1がオフとなる。またeiYのとき、g2=“1"で素
子S4がオン、S3がオフとなり、ei<Yのときg2=“0"で
素子S3がオン、S4がオフとなる。
コンバータの交流側の発生電圧VcはS1とS4がオンのと
き(S2とS3がオフのとき)Vc=+Vdとなり逆にS2とS3
オンのとき(S1とS4がオフのとき)Vc=−Vdとなる。他
のモード(例えば、S1とS3がオン又はS2とS4がオン)で
はVc=0となる。
第2図からわかるように、素子S1〜S4は搬送波周波数
でオン,オフするが、コンバータの発生電圧Vcは搬送波
の2倍の周波数で制御される。Vcの平均値(破線で示し
た)は制御入力信号eiに比例した値となる。
第1図にもどって各制御動作を説明する。まず入力電
流Isの制御動作を述べる。
平滑コンデンサCdに印加される電圧Vdが変化した場合
PWM制御入力信号eiに対してコンバータの発生電圧Vc
次式のようになる。
Vc=kc・Vd・ei …(5) 従って、(4)式を(5)式に代入することによって
次のような関係式が得られる。
すなわち、Vdoは一定値であるのでVcは偏差εIと補償
量Vs *にだけ関係し、直流電圧Vdの変動の影響を受けな
くなる。
(6)式の第2項kc・Vdo・Vs *は電源電圧Vsに対向す
るもので、交流リアクトルLsに印加される電圧VLは次式
のようになる。
VL=Vs−Vc =kc・Vdo・KI・εI …(7) 従って、IS *>ISとなった場合、偏差εIは正の値とな
り、VLを増加させることにより入力電流ISを増加させ、
IS≒IS *となるように制御される。逆に、IS *<ISとなっ
た場合、偏差εIは負の値となりVLを減少させ入力電流I
Sを減らして、やはりIS≒IS *となるように制御される。
指令値Is *を正弦波状に変化させれば、それに従って入
力電流Isも正弦波状に制御される。
(7)式の関係は直流電圧Vdが変化してもそれに影響さ
れることなく、常に成り立つ。従って入力電流制御は直
流電圧Vdの変動に影響されることなく行うことができ、
実電流ISとその指令値を常に一致させて運転することが
可能となる。
次に、直流電圧制御の動作を説明する。
Vd *>Vdとなった場合、偏差εVは正の値となり、波高
値指令Imを増加させる。すなわち入力電流Isを増加さ
せ、電源SUPから供給する有効電力Ps≒Vs・Isを増加さ
せる。その結果、平滑コンデンサCdにはエネルギー(1/
2)Cd・Vd 2=Ps・tが蓄積され直流電圧Vdを増加させ
る。
逆にVd *<Vdとなった場合には、偏差εVは負の値とな
り波高値指令Imを減少させさらには負の値にする。Im
負の値になると平滑コンデンサCdに蓄積されたエネルギ
ーが電源SUPに回生され直流電圧Vdは減少する。従って
結果的にはVd=Vd *となるように制御される。
以上のように直流電圧Vdはその指令値Vd *に一致する
ように制御され、Vd *=一定とした場合、直流電圧Vd
一定になるはずであるが、単相電源の場合には前にも述
べたように本質的に電力変動を伴なうためその分の電圧
変動ΔVdは制御によっても取除くことはできない。しか
し本発明の装置では、例え上記電圧変動ΔVdがあっても
前述のように入力電流制御はその影響を受けることなく
実電流ISとその指令値IS *を常に一致させることができ
る。
[発明の効果] 以上のように本発明の電力変換装置の制御方法によれ
ば、単相電源の電力変動に伴なう直流電圧の変動あるい
は負荷急変等による直流電圧の変動が発生しても、入力
電流制御系はその影響を受けることなく実電流ISをその
指令値IS *に一致させることができる。従って従来の装
置で問題となった素子の破壊や制御不能の状態はなくな
り交流リアクトルの容量を必要以上に増加させることも
なくなる。
また、直流電圧の変動を許容できるので、平滑コンデ
ンサの容量を小さくして運転できるようになり装置の小
形、軽量化が図られ、かつ安価なシステムを提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の電力変換装置の実施例を示す構成図、
第2図は第1図の装置の動作を説明するためのタイムチ
ャート図、第3図は従来の電力変換装置の構成図であ
る。 SUP…交流電源、LS…交流リアクトル、CONV…パルス幅
変調制御コンバータ、Cd…直流平滑コンデンサ、LOAD…
負荷装置、S1〜S4…自己消弧素子、D1〜D4…ダイオー
ド、L1〜L2…直流リアクトル、CTS…電流検出器、ISO…
絶縁アンプ、C1,C2…比較器、AD…加算器、ML…乗算
器、DIV…割算器、Kd…演算増幅器、Gv(S)…電圧制御補
償回路、GI(S)…電流制御補償回路、PWM…パルス幅変調
制御回路。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単相交流電源と、該単相交流電源に交流リ
    アクトルを介して接続されたパルス幅変調制御コンバー
    タと、このパルス幅変調制御コンバータの直流側に接続
    された平滑コンデンサと、当該平滑コンデンサを電圧源
    とする負荷装置とからなる電力変換装置において、前記
    平滑コンデンサの直流電圧検出値Vdとその指令値Vd
    を比較し、その偏差εvの定常分が零になるように制御
    する直流電圧制御回路と、この直流電圧制御回路の出力
    を電源電圧に同期した単位正弦波sinωtと乗算して入
    力電流指令値Is を出力する入力電流指令値発生回路
    と、この入力電流指令値発生回路より出力される入力電
    流指令値Is と前記単相交流電源から供給される入力電
    流Isとを比較し、その偏差εIを比例増幅する入力電流
    制御回路と、この入力電流制御回路の出力と前記コンバ
    ータから電源電圧を打消すための電圧を発生させるため
    の補償量Vs とを加算し、その加算値を前記平滑コンデ
    ンサの直流電圧検出値Vdを演算増幅して得られる値が除
    算するPWM制御入力信号補正回路と、このPWM制御入力信
    号補正回路より得られるパルス幅変調制御入力信号eiに
    基いて前記パルス幅変調制御コンバータを制御するPWM
    制御回路とを備え、直流電圧検出値Vd、規格化定数をV
    doとした場合、パルス幅変調制御入力信号eiを、Vdo/V
    dに比例するように補正することを特徴とする電力変換
    装置の制御装置。
JP62334764A 1987-12-28 1987-12-28 電力変換装置の制御装置 Expired - Lifetime JPH0834689B2 (ja)

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