JPH0834581A - エレベーターの制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 制御装置は、視覚障害者が点字銘板６ａ、６
ｂに触れたことを検出し、その後に昇り呼ボタンスイッ
チ２ａ、降り呼ボタンスイッチ２ｂを押すこと、即ち、
視覚障害者のエレベーター使用時の通常動作そのものを
検出するので、視覚障害者に特別な操作をさせなくて、
正確に、一般乗客が、視覚障害者かを判別できる。 【効果】 視覚障害者の安全な乗客を確保できるととも
に、視覚障害者が利用しないにもかかわらず、戸開時間
が長いという効率の悪さを減少させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、視覚障害者が利用す
るに好適な戸開き時間を延長したエレベーターの制御装
置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の視覚障害者兼用エレベーターは、
視覚障害者が乗降に手間取るため、戸開き時間を一律長
く（約１０秒程度）設定し安全を確保している。なお、
視覚障害者兼用でない通常のエレベーターでは、戸開き
時間は約４秒程度である。

【０００３】しかしながら、一般乗客が戸が閉じるまで
の時間が長いということで、早く扉が閉じるようにカゴ
操作盤の戸閉ボタンを毎回押すというわずらわしさがあ
った。

【０００４】つぎに、他の従来の視覚障害者兼用エレベ
ーターについて図４を参照しながら説明する。図４は、
例えば特公平４−２８６２５号公報に示された従来の視
覚障害者兼用エレベーターに用いられるカゴ呼寄せ用の
乗場操作盤を示す正面図である。

【０００５】図４において、１は乗場操作盤のパネル、
２ａは昇り呼ボタンスイッチ、２ｂは降り呼ボタンスイ
ッチである。また、３ａ，３ｂは、ボタンスイッチ２
ａ，２ｂに近接して取付けられた点字銘板であって、３
ａは点字で「うえ」、３ｂは点字で「した」と打ってあ
るもので、各ボタンスイッチ２ａ、２ｂの役目を案内す
るためのものである。さらに、４は階床名を案内する点
字銘板であって、２階に設けられた乗場ボタンであるな
ら、「ここは２かい」と点字で打ってある。５はボタン
スイッチ２ａ、２ｂの操作方法を案内する点字銘板であ
って、「ピーッとおとがでるまでおしつづけてくださ
い」と点字で打ってある。

【０００６】操作方法を案内する点字銘板５により、昇
り呼ボタンスイッチ２ａ、もしくは降り呼ボタンスイッ
チ２ｂを長時間押させることで、ボタンスイッチ２ａ、
２ｂが一定時間以上、押された時にだけ、戸開き時間を
長くし、その結果、戸開き時間を一律長くする場合に比
べて効率低下を抑制していた。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上述したような従来の
視覚障害者兼用エレベーターでは、視覚障害者が利用し
ないにもかかわらず、一律に戸開時間が長く効率が悪い
という問題点があった。

【０００８】また、上述したような従来の視覚障害者兼
用エレベーターでは、一般乗客が戸が閉じるまでの時間
が長いということで、早く扉が閉じるようにカゴ操作盤
の戸閉ボタンを毎回押さなければならず、操作がわずら
わしいという問題点があった。

【０００９】さらに、上述したような他の従来の視覚障
害者兼用エレベーターでは、操作方法を案内する点字銘
板５により、視覚障害者に特殊な（余計な）操作をさせ
ていた。また、操作方法を案内する点字銘板５を読まな
ければ、戸開き時間を長くできず、視覚障害者の安全を
確保することができないという問題点があった。

【００１０】この発明は、前述した問題点を解決するた
めになされたもので、一般乗客か視覚障害者かを正確に
判別して戸開時間を切り換え、視覚障害者の安全な乗降
を確保でき、かつ戸開時間の効率を向上できるエレベー
ターの制御装置を得ることを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】この発明の請求項１に係
るエレベーターの制御装置は、エレベーターの利用者が
触れたことを検出する点字銘板と、前記点字銘板が触れ
られたことを検出してから一定時間以内にボタンスイッ
チが押されたことを検出したときには戸の電動開閉装置
へ戸開時間延長の信号を送る戸開時間延長手段とを備え
たものである。

【００１２】この発明の請求項２に係るエレベーターの
制御装置は、前記点字銘板が、乗場操作盤に設けられ、
静電式タッチボタンスイッチとし、かつ前記ボタンスイ
ッチが、前記乗場操作盤に設けられ、昇り又は降り呼ボ
タンスイッチとしたものである。

【００１３】この発明の請求項３に係るエレベーターの
制御装置は、前記点字銘板が、カゴ操作盤に設けられ、
静電式タッチボタンスイッチとし、かつ前記ボタンスイ
ッチが、前記カゴ操作盤に設けられ、行先ボタンスイッ
チとしたものである。

【００１４】

【作用】この発明の請求項１に係るエレベーターの制御
装置においては、エレベーターの利用者が触れたことを
検出する点字銘板と、前記点字銘板が触れられたことを
検出してから一定時間以内にボタンスイッチが押された
ことを検出したときには戸の電動開閉装置へ戸開時間延
長の信号を送る戸開時間延長手段とを備えたので、視覚
障害者が通常の操作をすることで一般乗客か視覚障害者
かを正確に判定でき、視覚障害者の安全な乗降を確保で
きるとともに、視覚障害者が利用しないにもかかわらず
戸開時間が長いという効率の悪さを減少させることがで
きる。

【００１５】この発明の請求項２に係るエレベーターの
制御装置においては、前記点字銘板が、乗場操作盤に設
けられ、静電式タッチボタンスイッチとし、かつ前記ボ
タンスイッチが、前記乗場操作盤に設けられ、昇り又は
降り呼ボタンスイッチとしたので、視覚障害者が乗場で
通常の操作をすることで一般乗客か視覚障害者かを正確
に判定でき、視覚障害者の安全な乗降を確保できるとと
もに、視覚障害者が利用しないにもかかわらず戸開時間
が長いという効率の悪さを減少させることができる。

【００１６】この発明の請求項３に係るエレベーターの
制御装置においては、前記点字銘板が、カゴ操作盤に設
けられ、静電式タッチボタンスイッチとし、かつ前記ボ
タンスイッチが、前記カゴ操作盤に設けられ、行先ボタ
ンスイッチとしたので、視覚障害者がカゴ内で通常の操
作をすることで一般乗客か視覚障害者かを正確に判定で
き、視覚障害者の安全な乗降を確保できるとともに、視
覚障害者が利用しないにもかかわらず戸開時間が長いと
いう効率の悪さを減少させることができる。

【００１７】

【実施例】

実施例１．この発明の一実施例について図１及び図２を
参照しながら説明する。図１は、この発明の実施例１に
係るカゴ呼び寄せ用の乗場操作盤を示す正面図である。
また、図２は、この発明の実施例１の動作を示すフロー
チャートである。

【００１８】図１において、乗場操作盤のパネル１，昇
り呼ボタンスイッチ２ａ，降り呼ボタンスイッチ２ｂ，
点字銘板４は従来装置と同様なので省略する。６ａは、
例えば人が触れることにより静電容量の変化を検出して
動作する静電式タッチボタンスイッチの機能を有した点
字銘板であり、点字で「うえ」と打ってある。また、６
ｂも同様で点字で「した」と打ってある。

【００１９】図示していないが、昇り呼ボタンスイッチ
２ａ、降り呼ボタンスイッチ２ｂ、点字銘板６ａ及び６
ｂは、信号ケーブルを通じて機械室の制御盤（ＣＰＵ等
を備えた制御装置を含む。）に接続されている。

【００２０】例えば、視覚障害者が上の階に行きたいと
き、乗場の昇り呼ボタンスイッチ２ａに近接した点字銘
板６ａに触れて、方向を確認した後、昇り呼ボタンスイ
ッチ２ａを押し、呼を登録する。

【００２１】これに対し制御装置は、ステップ２０にお
いて、点字銘板６ａに触れたかどうかを検出し触れた場
合にのみ、ステップ２１において一定時間、例えば数秒
間記憶しておく。その後、一定時間の間に昇り呼ボタン
スイッチ２ａが押されたとき、点字銘板６ａに触れた信
号を記憶していた場合は、ステップ２４〜２５におい
て、視覚障害者の利用と判定し、信号ケーブルを介して
電動開閉装置へ制御信号を送りカゴの到着時、戸開き時
間を延長する。記憶していない場合は、ステップ２６〜
２７において、通常の戸開き時間とする。

【００２２】従来例では一般乗客か視覚障害者かを判別
して戸開時間を延長するために視覚障害者が特別な操作
をしなければならなかったが、この実施例１は、視覚障
害者が点字銘板６ａ、６ｂに触れたことを検出し、その
後に昇り呼ボタンスイッチ２ａ、降り呼ボタンスイッチ
２ｂを押すこと、即ち、視覚障害者のエレベーター使用
時の通常動作そのものを検出するので、視覚障害者に特
別な操作をさせなくて、正確に、一般乗客が、視覚障害
者かを判別できる。

【００２３】上述のようにこの実施例１によれば、視覚
障害者が点字銘板６ａ、又は６ｂに触れた後に昇り呼ボ
タンスイッチ２ａ、又は降り呼ボタンスイッチ２ｂを押
すという通常の操作をすること（特別な操作をしない）
で一般乗客か、視覚障害者かを正確に判定することがで
き、視覚障害者の安全な乗客を確保できるとともに、視
覚障害者が利用しないにもかかわらず、戸開時間が長い
という効率の悪さを減少させることができる。

【００２４】実施例２．この発明の実施例２について図
３を参照しながら説明する。図３は、この発明の実施例
２に係る、カゴ内に設ける行先ボタンを有したカゴ操作
盤を示す正面図である。

【００２５】図３において、７はカゴ操作盤のパネル、
８ａ〜８ｅは５階〜１階の行先ボタン、９ａ〜９ｅは静
電式タッチボタンスイッチの機能を有した点字銘板であ
り、例えば５階を示す９ａには「５かい」と点字を打っ
てある。また、１０は戸閉ボタン、１０ａは「しめ」と
点字を打ってある点字銘板、１１は戸開ボタン、１１ａ
は「あけ」と点字を打ってある点字銘板である。行先ボ
タン８ａ〜８ｅ、点字銘板９ａ〜９ｅ、戸閉ボタン１０
及び戸開ボタン１１は、信号ケーブルを介して制御盤に
接続されている。

【００２６】前述した実施例１と同様に、例えば点字銘
板９ａに触れたことを検出した後、数秒の間に行先ボタ
ン８ａが押された時に視覚障害者が押した呼と判定し、
目的階に到着したときに戸開き時間を延長する。

【００２７】エレベーターの利用者はカゴに乗った後、
目的階に到着すると、その場を離れてしまう。よって、
従来例のように一律に戸開時間を延長すると最後にカゴ
から人が降りるときの戸開き時間が最も無駄となるが、
この実施例２を合わせて実施することで、効率を向上さ
せることができる。

【００２８】

【発明の効果】この発明の請求項１係るエレベーターの
制御装置は、以上説明したとおり、エレベーターの利用
者が触れたことを検出する点字銘板と、前記点字銘板が
触れられたことを検出してから一定時間以内にボタンス
イッチが押されたことを検出したときには戸の電動開閉
装置へ戸開時間延長の信号を送る戸開時間延長手段とを
備えたので、視覚障害者が通常の操作をすることで一般
乗客か視覚障害者かを正確に判定でき、視覚障害者の安
全な乗降を確保できるとともに、視覚障害者が利用しな
いにもかかわらず戸開時間が長いという効率の悪さを減
少させることができるという効果を奏する。

【００２９】この発明の請求項２に係るエレベーターの
制御装置は、以上説明したとおり、前記点字銘板が、乗
場操作盤に設けられ、静電式タッチボタンスイッチと
し、かつ前記ボタンスイッチが、前記乗場操作盤に設け
られ、昇り又は降り呼ボタンスイッチとしたので、視覚
障害者が乗場で通常の操作をすることで一般乗客か視覚
障害者かを正確に判定でき、視覚障害者の安全な乗降を
確保できるとともに、視覚障害者が利用しないにもかか
わらず戸開時間が長いという効率の悪さを減少させるこ
とができるという効果を奏する。

【００３０】この発明の請求項３に係るエレベーターの
制御装置は、以上説明したとおり、前記点字銘板が、カ
ゴ操作盤に設けられ、静電式タッチボタンスイッチと
し、かつ前記ボタンスイッチが、前記カゴ操作盤に設け
られ、行先ボタンスイッチとしたので、視覚障害者がカ
ゴ内で通常の操作をすることで一般乗客か視覚障害者か
を正確に判定でき、視覚障害者の安全な乗降を確保でき
るとともに、視覚障害者が利用しないにもかかわらず戸
開時間が長いという効率の悪さを減少させることができ
るという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この発明の実施例１に係る乗場操作盤の正面
を示す図である。

【図２】 この発明の実施例１の動作を示すフローチャ
ートである。

【図３】 この発明の実施例２に係るカゴ操作盤の正面
を示す図である。

【図４】 従来のエレベーターの乗場操作盤の正面を示
す図である。

【符号の説明】

１ 乗場操作盤のパネル、２ａ 昇り呼ボタンスイッ
チ、２ｂ 降り呼ボタンスイッチ、４ 点字銘板、６ａ
点字銘板（静電式タッチボタンスイッチ）、６ｂ 点
字銘板（静電式タッチボタンスイッチ）、７ カゴ操作
盤のパネル、８ａ、８ｂ、８ｃ、８ｄ、８ｅ 先ボタン
スイッチ、９ａ、９ｂ、９ｃ、９ｄ、９ｅ点字銘板（静
電式タッチボタンスイッチ）、１０ 戸閉ボタン、１０
ａ 点字銘板、１１ 戸開ボタン、１１ａ 点字銘板。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エレベーターの利用者が触れたことを検
   出する点字銘板、及び前記点字銘板が触れられたことを
   検出してから一定時間以内にボタンスイッチが押された
   ことを検出したときには戸の電動開閉装置へ戸開時間延
   長の信号を送る戸開時間延長手段を備えたことを特徴と
   するエレベーターの制御装置。
2. 【請求項２】 前記点字銘板は、乗場操作盤に設けら
   れ、静電式タッチボタンスイッチであり、かつ前記ボタ
   ンスイッチは、前記乗場操作盤に設けられ、昇り又は降
   り呼ボタンスイッチであることを特徴とする請求項１記
   載のエレベーターの制御装置。
3. 【請求項３】 前記点字銘板は、カゴ操作盤に設けら
   れ、静電式タッチボタンスイッチであり、かつ前記ボタ
   ンスイッチは、前記カゴ操作盤に設けられ、行先ボタン
   スイッチであることを特徴とする請求項１記載のエレベ
   ーターの制御装置。