JPH0834156A - 印刷版および印刷方法 - Google Patents

印刷版および印刷方法

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JPH0834156A
JPH0834156A JP17081694A JP17081694A JPH0834156A JP H0834156 A JPH0834156 A JP H0834156A JP 17081694 A JP17081694 A JP 17081694A JP 17081694 A JP17081694 A JP 17081694A JP H0834156 A JPH0834156 A JP H0834156A
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JP
Japan
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ink
plate
printing
pattern
paraffin wax
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JP17081694A
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English (en)
Inventor
Masao Mogi
雅男 茂木
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】PS版にパラフィンワックス6を塗布し平版を
作った。この版のインキに紫外線を照射し、被印刷体の
ガラス板を圧接しながら加熱し、その後ガラス板を引き
剥した。溶融したパラフィンワックスとインキの接着力
よりガラスへの付着力は上回るため、インキとインキに
付着したパラフィンワックスは容易に版から剥離し、イ
ンキ皮膜の厚さも厚く均一になり、耐エッチング性も向
上し、約30μmの線幅をもつパターンを印刷できた。 【効果】版に形成したインキパターンのインキ全量を、
ピンホール欠陥や表面の凹凸の欠陥等がなく、移し取る
ことが可能な印刷版と印刷方法を提供することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、精細なパターンを印刷
する版の構造と印刷方法に関するものである、さらに詳
しくはプリント配線板やTFTやICの基板等にエッチ
ング法で電気回路等を形成するための精細なレジストパ
ターン等を印刷で形成する際に用いて好適な、印刷版の
構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】レジストパターンは電気回路形成におい
て、断線やショート等欠陥があってはならないため、レ
ジストの幅や厚さが高い精度で求められている。しか
し、従来から電気回路等を形成するのに、レジストパタ
ーンを印刷で形成することが行われている。印刷版式と
してスクリーン印刷、平版、凸版、凹版等が用いられて
いる。そのうちの、平版や凸版を用いたオフセット印刷
法では、印刷で得られるインキのパターンにピンホール
などの欠陥がない印刷をする必要があり、まに版には高
い解像性が求められている。そこで、オフセット印刷版
としてプレセンシタイズ版(以下PS版とする)や、樹
脂凸版が用いられている。
【0003】これら、従来のレジストパターンの印刷に
用いられる版には、オフセット印刷に用いられるPS版
として、感光性樹脂を砂目立てしたアルミニウム基板に
塗布乾燥したものがある。このPS版にパターンを露光
現像し、いわゆる製版を行って、印刷版としている。印
刷版は、アルミニウム基板表面が親水性となり、感光性
樹脂のパターンが親油性のインキ受容層となって、版と
して機能するものである。
【0004】またPS版として、シリコン樹脂を非画線
部とすることで、平版印刷における水を用いない(株)
東レ製TAP版もある。この版もPS版同様にパターン
を露光現像し、印刷版としている。TAP版は、シリコ
ン樹脂表面がインキ反発(付着防止)層となり、現像で
シリコン樹脂が除かれるために現れた部分の樹脂層が、
親油性のインキ受容層となって、版として機能するもの
である。
【0005】このTAP版を用いて、特開昭60−20
8484号公報にあるように、プリント配線板のレジス
トパターンを印刷し、得られたレジストパターンで、銅
箔をエッチングすることが行われている。
【0006】また凸版についても、感光製樹脂を用いた
版材で形成した凸版で、レジストパターンを印刷法で形
成し、プリント配線板を加工することも行われている。
【0007】これらの版を用いて印刷して得られたイン
キパターン、つまりレジストパターンのピンホール等の
欠陥を防止するために、同じ被印刷物に多数回印刷を重
ねる方法や、レジストパターンを厚くもしくは硬く形成
してレジストパターンのエッチング耐性を上げる方法が
ある。版からブランケット(転写体)へのインキの転移
率を増やす要求もあり、その要求に答える方法として例
えば、特開昭55−43919号公報には、インキの乾
燥や紫外線の照射による硬化が開示されている。
【0008】ところが前記従来の技術では、印刷したイ
ンキの層にピンホールや表面の凹凸が多く、エッチング
パターンにも欠陥が多くなってしまうという問題が生じ
ていた。そのためプリント配線板やTFTの微細なパタ
ーンをインキで形成することは難しかった。すなわち、
PS版については、インキ受容層とインキは密着性が良
い。そのために、インキを版からブランケットや被印刷
物に写し取る転移時に、版上のインキ層は版側と被印刷
物等の側に分裂して、版上のインキを被印刷物等の側に
全量移し取ることはできないでいる。つまり、版上のイ
ンキパターンはピンホール等の欠陥は非常に少ないが、
写し取ったインキパターンはピンホールの欠陥や表面の
凹凸の欠陥等が多く、またインキ皮膜の厚さも薄いもの
である。従って印刷で得られたインキパターンの皮膜
は、エッチング耐性は劣るものとなってしまう欠点をも
っているため、エッチングで形成する電気回路パターン
はピンホールやパターンの欠け、断線などが発生してし
まう。
【0009】ピンホールの発生防止の対策として、印刷
回数を1回ではなく2〜5回と多数回行ってインキの厚
さを厚くすることが行われている。しかし、このように
すると、結果としてエッチングパターンは、インキパタ
ーンの表面は凹凸となり、凹部が薄くなる。この部分の
エッチング耐性が弱くなりピンホールの発生を完全防止
できずにいる。またインキパターンの凸部のインキは転
移時の圧力で潰れて、予め設定したパターンの寸法から
はみ出し太ってしまう欠点があり、隣のパターンとつい
てしまうこともある。このレジストパターンを用いてエ
ッチングすると、パターンに太りやショート等の欠陥が
発生している。
【0010】凸版についても、版上のインキを全量移し
取ることはできないので、写し取ったインキのパターン
や表面はPS版と同様の欠陥を持ち、従って得られるエ
ッチングパターンの欠陥はPS版で得られたものと同様
である。
【0011】また、版上のインキの乾燥や硬化によっ
て、インキの転移率を増やす方法では、版へのインキの
付着力がインキと被転写体との付着力より大きいため、
容易に実施できないでいる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記問題点に
鑑みなされたものであり、その目的とするところは、版
に形成したインキパターンのインキ全量を転写体や非印
刷物に、ピンホール欠陥や表面の凹凸の欠陥等がなく、
移し取ることが可能な印刷版と印刷方法を提供すること
にある。
【0013】
【課題を解決しようとする手段】前記課題を解決するた
めに本発明が提供する手段は、すなわち、印刷に用いる
版のインキパターン形成部分が、加熱によって固相から
液相に相変化する有機物であることを特徴とした印刷版
を用い、版上に形成したインキパターンを被印刷物に写
し取るのに、版を加熱して版上のインキパターンのイン
キ全量をピンホール欠陥や表面の凹凸の欠陥等がなく被
印刷物に写し取るものである。以下、4つの条件に区分
して以下説明する。
【0014】(a)インキパターン形成部分をアルミニ
ウム支持基材の表面に形成する構造であること。 (b)インキパターン形成部分をアルミニウム支持基材
の表面に形成した、凸部と側面に形成する構造であるこ
と。 (c)インキパターン形成部分をアルミニウム支持基材
の表面に形成した、凹部と側面に形成する構造であるこ
と。 (d)インキパターン形成部分を加熱によって固相から
液相に相変化する有機物を用いた印刷版であること。 (a)、(b)または(c)の構造の版で(d)の印刷
版であることを特徴とする。また、この版を用いた印刷
方法である。印刷方法としては、版上にインキパターン
を形成し、この版上のインキを乾燥や硬化をした後、被
印刷物等を押し当て、インキを接着させた後、版の温度
をインキパターン形成部分の相変化温度より高くするこ
とによって、版とインキの接着力をインキと被印刷物の
接着力より弱くすることによって版上のインキ全量を写
し取る方法である。
【0015】そして好ましくは、(a)のインキパター
ン形成部分を、一般の平版の感光性樹脂の上に形成した
構造であり、あるいは別の好ましい実施態様としては、
支持基材の表面に直接インキ受容性部分を形成する構造
である。
【0016】また好ましくは、(d)におけるインキパ
ターンを形成しない部分は、親水化処理したアルミニウ
ム金属の表面である。
【0017】なお、本発明では支持基材がアルミニウム
としたが、これは固相から液相に相変化する有機物を感
光性樹脂の表面だけに付着させるために、親水化処理を
施したアルミニウム表面にはつかないようにするためで
あり、アルミニウムでなくとも親水化処理ができる他の
アンバー、ニッケル、クロム、亜鉛等の金属でも支障な
く使用できる。また固相から液相に相変化する有機物
を、支持基材につけるときに、支持基材表面が親水性の
必要がない場合、つまり凸版の場合は、親水化処理がで
きる金属基材以外やガラス等も使用できる。
【0018】また、感光性樹脂としては、ノボラックエ
ポキシ、環化ゴム等を主成分としたものも使用できる。
【0019】また(d)における有機物は、インキパタ
ーン形成部分を形成するときに液体で、塗布することが
でき、室温で硬化するものが使用できる、好ましくはパ
ラフィンワックス等や液状パラフィン、ワセリン、天然
ワックス等が使用できる。またパラフィンワックス等や
液状パラフィン、ワセリン等の混合物を用いることで、
インキの凝集力とインキと版の付着力のバランスを調節
することができる。
【0020】
【作用】本発明の特徴である、前記インキパターン形成
部分の表面叉は表面と側面が、固相から液相に相変化す
る有機物であることを特徴とした印刷版は、次のような
働きをする。すなわち、パラフィンワックス等のインキ
パターン形成部分の表面叉は表面と側面は、インキパタ
ーンを形成する場合に、インキ受容層として働き、版上
のインキパターンはピンホール欠陥や表面の凹凸の欠陥
等がない。さらに版上のインキパターンが、乾燥や硬化
した後に、粘着剤を表面に塗布した被転写体等に押し当
てて、版をパラフィンワックス等の融点以上に加熱する
と、パラフィンワックスは液化し、版上のインキパター
ン全量を版から剥離できる。つまり版上に形成したイン
キパターンのインキ全量を写し取ることで、被印刷物上
のインキパターンは、ピンホール欠陥や表面の凹凸の欠
陥等がなく、またインキ皮膜の厚さも均一になる。イン
キにエッチングレジストを用いると、エッチング耐性を
向上させることが可能になり、TFTやICの基板等に
精細なレジストパターン等を印刷で形成することを可能
にするものである。
【0021】
【実施例】以下には、本発明に係わる版の構造の例を、
図面に基づいてさらに詳細に説明する。
【0022】<実施例1>以下PS版上に、固相と液相
に相変化する有機物でインキパターン形成部分を形成し
た版を用いた実施例を示す。
【0023】砂目立てと電解研磨を施したアルミニウム
基材2の上に、厚さ約2μmの感光性樹脂4をもつPS
版に、30μmの線幅をもつパターンを露光現像処理し
て作成し、パラフィンワックス6(日本精蝋(株)製S
P−0145)を感光性樹脂に以下のように塗布した。
まず感光性樹脂で覆われていないアルミニウム基材2の
部分を親水化処理(富士写真フィルム(株)製EU−
3、GU−7を表面に塗布したのち水洗する)し、水で
湿った状態で70℃に加熱した。次に70℃に加熱した
ゴム製ロール表面にパラフィンワックスを5μmの厚さ
に均一に付け、これを水で湿っている平版の感光性樹脂
に押しつけて転がした。以上のようにして、版の感光性
樹脂部分の表面に厚さ5μmのパラフィンワックス6の
層を形成した。これを室温に戻し、融点が約64℃のパ
ラフィンワックスの層を固化させ、平版を作った。
【0024】この版のパラフィンワックス以外の表面を
水で湿らせた状態で、紫外線硬化型オフセット印刷イン
キ(東洋インキ製造(株)製FD)を付けたロールを1
00から500mm/sec、好ましくは300mm/
secの速度で回転しながら接触させてインキを供給す
ると、パラフィンワックス上にインキが付着した。図1
に示す構造のインキパターンを形成した平版ができた。
このインキパターンの皮膜は、ピンホール欠陥や表面の
凹凸の欠陥等がなかった。
【0025】この版のインキにインキにタックが残る程
度の紫外線を照射し、版表面のインキに、インキパター
ンがつぶれない圧力で被印刷体のガラス板を図2に示す
ように圧接しながら70℃に加熱し、その後ガラス板を
引き剥した。ガラス板表面には、あらかじめアルミニュ
ウム層を真空蒸着法で形成した。溶融したパラフィンワ
ックスとインキの接着力より、インキのガラスへの付着
力は上回るため、インキとインキに付着したパラフィン
ワックスは容易に版から剥離し、その結果、図3に示す
ようにインキ被膜は分裂することなく全量が剥され、ガ
ラス板にインキのパターンをピンホール欠陥や表面の凹
凸の欠陥等がなく、またインキ皮膜の厚さも厚く均一に
なり、耐エッチング性も向上し、約30μmの線幅をも
つパターンを印刷できた。その後、ガラス板上のインキ
に紫外線を照射し、インキを完全に硬化させ、塩酸を含
有するエッチング液でエッチングしたところ、24〜3
0μmの線幅をもつアルミニュウムのパターンが得られ
た。
【0026】さらに、版に紫外線硬化型オフセット印刷
インキを付け同様の操作を繰り返したところ、インキは
容易に版から剥離し、2枚目のガラス板に印刷できた。
【0027】つぎに、版の感光性樹脂部分の表面に、2
枚のガラスに印刷を行うことで薄くなったパラフィンワ
ックスの層を補うために、ゴム製ロール表面にパラフィ
ンワックスを5μmの厚さに均一に付け、これを水で湿
っている平版の感光性樹脂に押しつけて転がした。この
版を用いると、2枚のガラスに続けて印刷できた。
【0028】また、紫外線硬化型オフセット印刷インキ
ではなく、酸化重合型のインキを用い、インキが乾燥硬
化した後同様の操作を行っても、印刷被膜は分裂するこ
となく全量が剥れ、ガラス板に印刷できた。
【0029】因みにそのときの条件としては、以下の通
りである。 パラフィンワックス 38〜65度 ワセリン 38〜50度 ペースト状 パラフィン 40〜100度
【0030】<実施例2>PS版(富士写真フィルム
(株)製FPS及びVPS)上に、固相と液相に相変化
する有機物でインキパターン形成部分を形成した版を用
いて、粘着剤を表面に塗布した被転写体に転写する実施
例を示す。
【0031】30μmの線幅をもつパターンを形成した
実施例1と同様の版に、実施例1と同様のパラフィンワ
ックス6の層を形成した。この版のパラフィンワックス
以外の表面を水で湿らせた状態で、紫外線硬化型オフセ
ット印刷インキ(東洋インキ製造(株)製FD)を付け
たロールを100から500mm/sec、好ましくは
300mm/secの速度で回転しながら接触させてイ
ンキを供給すると、パラフィンワックス上にインキが付
着し図4に示す構造のインキパターンを形成した平版が
できた。インキパターンの皮膜はピンホール欠陥や表面
の凹凸の欠陥等がなかった。
【0032】この版上のインキにインキに紫外線を照射
(500〜1000mJ)し、版表面のインキをタック
が残らない程度に硬化させた。ガラス板表面に、アルミ
ニュウム層を真空蒸着法で形成しフォトレジスト東京応
化製OFPR800を1.8μmの厚さに塗布し乾燥
後、さらに粘着剤を塗布した。図5に示すように、ガラ
ス板を圧接した後、70℃に加熱し、その後ガラス板を
引き剥した。その結果、パラフィンワックスが溶融する
ためインキと版の接着力より、インキと粘着剤の付着力
が上回るため、インキとインキに付着したパラフィンワ
ックスは容易に版から剥離し、図6に示すようにインキ
被膜は分裂することなく全量が剥され、ガラス板にイン
キのパターンをピンホール欠陥や表面の凹凸の欠陥等が
なく、約30μmの線幅をもつパターンを印刷できた。
インキパターンをマスクとしてガラス板に紫外線を照射
し、フォトレジストを感光させ、インキと粘着剤をトル
エンで溶解除去し、つぎにフォトレジストを現像しフォ
トレジストパターンを得た。塩酸を含有するエッチング
液でエッチングしたところ、20〜30μmの線幅をも
つアルミニュウムのパターンが得られた。
【0033】さらに、版に紫外線硬化型オフセット印刷
インキを付け同様の操作を繰り返したところ、インキは
容易に版から剥離し、2枚目のガラス板に印刷できた。
つぎに、版の感光性樹脂部分の表面に、2枚のガラスに
印刷を行うことで薄くなったパラフィンワックスの層を
補うために、ゴム製ロール表面にパラフィンワックスを
5μmの厚さに均一に付け、これを水で湿っている平版
の感光性樹脂に押しつけて転がした。この版を用いて、
同様に印刷したところ2枚のガラスに印刷できた。
【0034】また、紫外線硬化型オフセット印刷インキ
ではなく、酸化重合型のインキを用い、インキが乾燥硬
化した後同様の操作を行っても、印刷被膜は分裂するこ
となく全量が剥れ、ガラス板に印刷できた。
【0035】<実施例3>凸版上に、固相と液相に相変
化する有機物もちいたインキパターン形成部分を形成し
た版を用いた実施例を示す。
【0036】厚さ0.25mmの鉄基材12の表面にあ
る感光性樹脂層16を通常の露光現像法で、100μm
の線幅のパターンを形成した。70℃に保った凸版の表
面に、95℃に保ったゴム製ロール表面にパラフィンワ
ックス6(日本精蝋(株)製SP−0145を3重量
部、日本精蝋(株)製HI−MIC−2065を7重量
部を融解混合したもの、または天然ワックスの(株)野
田ワックス精製 製カルナバワックスを4重量部、
〔(株)野田ワックス精製〕製キャンデリラワックスを
6重量部を融解混合したもの等)を厚さ2μm均一に付
け、凸版表面に押しつけて数回転がすことにより、凸版
の表面にパラフィンワックス6の層を形成させた。
【0037】パラフィンワックス6の層を形成する方法
としてほかに、70℃に保った凸版の表面に溶融ワック
スをスピンコートする方法や、溶融したワックスに凸版
を浸し引き上げるデップコートなども用いる事ができ
る。
【0038】この版を23℃に冷やしパラフィンワック
ス6を硬化させた後、東洋インキ製造(株)製紫外線硬
化型オフセット印刷インキFDを付けたロールを100
〜800好ましくは500mm/secの速度で回転し
ながら接触させてインキを供給すると、パラフィンワッ
クス6にインキが付着し図7に示す構造のインキパター
ンを形成した平版ができた。100μmの線幅のパター
ン上でピンホール欠陥や表面の凹凸の欠陥等がなくイン
キパターンが形成できた。
【0039】実施例1と同様に、この版上のインキを表
面のタックが残らない程度に硬化させ粘着剤を表面に塗
布したガラス板を図8に示すように圧接した後、95℃
に加熱し、その後図9に示すようにガラス板を引き剥し
た。その結果、印刷被膜は分裂することなく全量が剥さ
れ、100μmの線幅のパターン上で、ピンホール欠陥
や表面の凹凸の欠陥等がなく、ガラス板に印刷できた。
【0040】<比較例>PS版の例では、インキパター
ンを形成する部分である感光製樹脂4の上に紫外線硬化
型オフセット印刷インキ(東洋インキ製造(株)製F
D)でインキパターン18を図10の様に形成すると、
インキは比較的滑らかな薄い皮膜となる。インキが流動
可能な状態で他に図11の様に写し取ると、図12に示
すように全量写し取れないで皮膜は版と被転写体に付着
し分裂し、分裂面は激しい凹凸となりピンホールも発生
した。また、パターンは版上に形成した初期の幅30μ
mから太り60μm程に太り、部分的には細り断線する
箇所も発生した。そこで、版上のインキの凝集力を皮膜
が分裂しない程度に上げると、つまり紫外線を(500
〜1000mJ)照射するとインキが版と強固に接着
し、図13に示すように写し取ることができなくなって
しまう。
【0041】表面に粘着剤を塗布した被転写体を用いた
場合や凸版についても同様で、版上にインキパターンを
形成した後、インキが流動可能な状態の場合は、パター
ンは版上に形成した初期の幅から太り崩れてしまい、イ
ンキの凝集力を皮膜が分裂しない程度に上げると、イン
キを写し取ることができなかった。
【0042】以上のように、前記<実施例1>から<実
施例3>に示すように、本発明に係わる印刷版の構造に
よると、いずれの場合にも、インキパターン形成部分の
表面叉は表面と側面をパラフィンワックス等で形成する
ことができ、これらの版を用いた印刷方法では、インキ
パターンの全量を版からピンホール欠陥や表面の凹凸の
欠陥等がなく、インキ皮膜の厚さも均一に写し取ること
ができる。また、印刷したパターンは版上に形成した初
期の幅から大きくずれることなく写し取ることができ
る。
【0043】一方、前記<比較例>に示すように、従来
の版によると、インキが流動可能な状態で他に写し取る
と、全量写し取れない。またパターンは、インキの凝集
力を上げると、版の表面にインキパターンが強固に接着
してしまい、版からインキパターンを写し取ることはが
できなかった。
【0044】
【発明の効果】したがって、以上のように、本発明の印
刷版及び印刷方法は、インキパターン形成部分上のイン
キの全量をピンホール欠陥や表面の凹凸の欠陥等がな
く、被印刷物のインキ皮膜の厚さも厚く均一になるた
め、耐エッチング性が向上し、TFTやICの基板等に
精細なレジストパターン等を印刷で形成することに都合
が良い。
【0045】つまり、本発明が目的とする、版に形成し
たインキパターンのインキ全量を、ピンホール欠陥や表
面の凹凸の欠陥等がなく、移し取ることが可能な印刷版
と印刷方法を提供することができる。
【0046】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる版の構造の一実施例のうち、平
版のインキパターン形成部にパラフィンワックスを塗布
した構造の版を用いた印刷方法における印刷直前の状態
の部分断面図である。
【図2】図1の印刷方法における印刷時の部分断面図で
ある。
【図3】図1の印刷方法における印刷後の部分断面図で
ある。
【図4】図1の印刷方法とは別な実施例のうち、平版の
インキパターン形成部にパラフィンワックスを塗布した
構造の版を用い、表面に粘着剤を塗布した被転写体に印
刷する印刷方法における印刷直前の状態の部分断面図で
ある。
【図5】図4の印刷方法における印刷時の部分断面図で
ある。
【図6】図4の印刷方法における印刷後の部分断面図で
ある。
【図7】図1、図4の印刷方法とは別な実施例のうち、
凸版のインキパターン形成部である凸部に、パラフィン
ワックスを配置した構造の版を用いた印刷方法における
印刷直前の状態の部分断面図である。
【図8】図7の印刷方法における印刷時の部分断面図で
ある。
【図9】図7の印刷方法における印刷後の部分断面図で
ある。
【図10】従来のPS版を用いた印刷前の部分断面図で
ある。
【図11】従来のPS版を用いた印刷中の部分断面図で
ある。
【図12】従来のPS版を用いた印刷後の部分断面図で
ある。
【図13】従来のPS版を用いたインキを硬化後の印刷
方法を示す部分断面図である。
【符号の説明】
2 アルミニウム基材 4 感光性樹脂 6 パラフィンワックス 8 粘着材 10 被印刷体 18 インキパターン

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともインキが載るパターン形成部分
    の表面部分に加熱によって固相から液相に相変化する有
    機物層が設けられていることを特徴とした印刷版。
  2. 【請求項2】該有機物の溶融温度が、10から100℃
    であることを特徴とする請求項1に示す印刷版。
  3. 【請求項3】湿し水用オフセット印刷版上に該有機物パ
    ターンが形成されていることを特徴とする請求項1又は
    2に示す印刷版の印刷版。
  4. 【請求項4】版表面全体に該有機物層が形成されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に示す印刷版。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4の何れかに示す印刷版のイ
    ンキパターン形成部分に該有機物の溶融温度以下でイン
    キを供給した後インキを硬化させ、被転写体を押しつけ
    該有機物の溶融温度以上に版を加熱し、被転写体にイン
    キを転写することを特徴とする印刷方法。
  6. 【請求項6】請求項5に示す印刷方法のうち、粘着剤を
    表面に塗布した被転写体に印刷版からインキを転写する
    ことを特徴とする印刷方法。
  7. 【請求項7】印刷と印刷の間に於いて、該有機物を適宜
    補充した版を用いて印刷することを特徴とする請求項5
    又は6に示す印刷方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2020116180A1 (ja) * 2018-12-05 2021-02-15 Dicグラフィックス株式会社 活性エネルギー線硬化型インキ、インキ硬化物の製造方法及び印刷物

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