JP3376618B2 - 凹版の製造方法 - Google Patents

凹版の製造方法

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JP3376618B2 JP01855893A JP1855893A JP3376618B2 JP 3376618 B2 JP3376618 B2 JP 3376618B2 JP 01855893 A JP01855893 A JP 01855893A JP 1855893 A JP1855893 A JP 1855893A JP 3376618 B2 JP3376618 B2 JP 3376618B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明による凹版は、微細なパタ
ーンを印刷する必要がある分野、特にインキの形状,厚
さ,位置精度についての要求が厳しい電気部品製造に使
用され、さらに特定すれば、エッチング法による電子回
路形成のためのレジストパターンの印刷に使用される。
【0002】
【従来の技術】一般に電子回路形成のためのエッチング
レジストパターンでは、ピンホールが許されない。一
方、通常の印刷ではピンホールが発生しないようにする
ことは難しく、対策としてエッチングレジスト用インキ
の膜厚を厚く印刷している。レジストの厚さは、ピンホ
ール発生対策以外に、エッチング液耐性やエッチング条
件、被エッチング材の種類、厚さによって規定される。
通常数μm〜10数μmの厚さで印刷されている。
【0003】そのため一般的には、インキの膜厚を厚く
印刷できるスクリーン印刷法が使用されている。しか
し、スクリーン印刷法で形成できる最小線幅は一般に1
00μm前後であって、電子回路で要求されるような5
0μm以下の線巾の高精度印刷をすることはできなかっ
た。
【0004】しかし、コストダウンのためこのような微
細パターンも、印刷法で行うことが求められている。ま
た、電子回路関係ではますます微細化が進んでおり、従
来フォトリソグラフ法で形成されていた線巾10〜20
μmという微細な線巾のレジストパターンも印刷法で形
成することが要求されている。
【0005】最近になって、電子回路等の微細なパター
ンの印刷に凹版オフセット印刷法が検討され、一部使用
されている。また、凹版印刷も検討されている。印刷可
能な線巾として30μm程度を達成したとの報告もあ
る。しかし、実用されているのは線巾60〜70μm以
上である。版としての凹版、および印刷法としてのオフ
セット印刷法および凹版印刷は、いずれも原理的には数
μmの線巾を印刷できる可能性があるのにかかわらず、
実際には線巾数μmのパターンを印刷できない。その理
由はいくつかあるが、その一つは版に対する解像力、パ
ターンの鮮明さ、版深、インキング性等の仕様に充分対
応した版を製造できないことにある。
【0006】実際に使用されている版は、2種類ある。
ひとつは通常の凹版印刷に使用される凹版とほぼ同一の
ものであって、インキング(版へインキを供給するこ
と)を、ワイピングまたはドクタリングで行うものであ
る。他は、通常の水なしオフセット印刷に使用される平
凹版を転用するか、またはそれと同一の形式のものであ
って版深を増したものである。
【0007】この版は通常のオフセット印刷用の版とし
て使用されると共に、表面が弾力性があるので、ガラス
板等の剛体に印刷するための凹版印刷用の版としても使
用される。インキングは通常の平版へのインキングと同
じようにインキングロールで行う。本発明は後者に関
し、解像力の高い新規な製法を提供するものである。
【0008】通常の水なしオフセット印刷用の版の構造
は、インキ受容性基板に接着性の感光性樹脂層と、シリ
コーンゴムよりなるインキ反発層を順に積層したもので
ある。製版工程は以下のようである。まず所望のパター
ンで感光性樹脂層を露光硬化することで感光性樹脂層の
接着力を向上させる。つぎに膨潤液によって、未露光部
分のシリコーンゴム層を膨潤させる。その後、ブラシ現
像で代表される接触による物理的現像手段によって、膨
潤したインキ反発層を除去して現像し、所望の凹部を有
するパターンを得る。
【0009】すなわち、通常の水なしオフセット印刷用
の版は、一種の凹版であり、版深が3〜5μmのものが
実用化されている。この版の利点の一つは、インキング
時に湿し水が不要なので、インキ中に水が混入してピン
ホールが発生することがない点である。この点は、電子
回路製造のためのレジストパターンの形成方法として、
大きな利点である。また、もう一つの利点は、凹部の側
面がインキ反撥性なので、インキの転移率が高いことで
ある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしこの版には以下
の問題がある。それは現像方法が、物理現像といわれる
方法である点である。すなわち、膨潤したインキ反発層
をブラシ現像で代表される接触による物理的手段によっ
て除去して現像し、所望の凹部をなすパターンを得てい
ることである。そのような方法では、インキ反発層はこ
すられ、引きちぎられるので、その厚さが厚くなるにつ
れて、微細な凹部を形成することが難しくなる。すなわ
ち、解像力が低下する。解像力はインキ反発層が5μm
のとき30μm程度、3μmのとき10μm程度である
とされている。
【0011】また擦り現像では、インキ反発層の除去は
均一にならず、端部がギザギサになってしまう。したが
って、インキングしてもインキが均一に充填されず、印
刷してもインキパターンの周辺部が滑らかにならず、電
子回路用の微細なレジストパターンの印刷を目的をする
場合には、使用できる範囲が限られている。
【0012】またこのインキパターンの周辺部が滑らか
にならない傾向は、ピンホールの発生対策としてインキ
の厚さを厚くするためにインキ反発層の厚さを厚くする
と、大きくなる。一方、インキ反発層を薄くすると、ギ
ザギザは小さくなるが、インキの厚さを所定の厚さにす
るためには、重ね刷が必要となる。しかし、重ね刷する
と、インキがつぶれたり、印刷位置がずれたりしてパタ
ーンの形状は悪くなる。また、スループットも低下す
る。
【0013】従って、重ね刷りが不要なほど十分な版
深、すなわち数μm〜10数μmまたはそれ以上の版
深、を持ち、凸部の形状にギザギザのない、しかも底部
のみがインキ受容性を持つ、解像力の高い水なしオフセ
ット印刷用の凹版の製造方法が望まれていた。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は上記した従来技
術の課題を解決するためになされたもので、型取り母型
基板の凸部上にインキ受容層を設けてある型取り母型
を、凹版基板上に未硬化のインキ反発層を形成した上で
型取りし、前記インキ反発層を硬化した後、前記型取り
母型基板を除去する事により、凹版の底面にインキ受容
層を有し他の部分がインキ反発性の凹版を製造する凹版
の製造方法を提供するものである。
【0015】
【0016】さらに本発明は、型取り母型基板の凸部上
に、未硬化のインキ受容層を設けてある型取り母型を、
凹版基板上に未硬化のインキ反発層を形成した上で型取
りし、前記インキ反発層を硬化し、前記型取り母型基板
を除去した後、凹版の底面のインキ受容層を硬化する事
により、凹版の底面にインキ受容層を有し他の部分がイ
ンキ反発性の凹版を製造する凹版の製造方法を提供する
ものである。
【0017】またさらに本発明は、前記型取り母型基板
が、型取り母型基板の基材上に全面に設けた水溶性層と
撥水性凸部が順に形成された構造であり、前記型取り母
型基板の除去を前記水溶性層の水溶除去と凸部の溶解除
去により行なうことを特徴とする凹版の製造方法を提供
するものである。
【0018】またさらに本発明は、型取り母型基板の凸
部上のみにインキ受容層を形成するための好適な手段を
提供するものである。第一の手段は、型取り母型基板は
一種の凸版であるので、凸版へのインキング技術を使用
するものである。第二の手段は、平版へのインキング技
術を使用するものである。以下に示すように、本発明者
等は平版へのインキング技術を用いることが特に好適で
ある構成を見いだした。
【0019】すなわち、型取り母型基板の基材表面を親
水性とし、凸部を撥水性とし、前記型取り母型基板上に
薄い水膜を付与する事により型取り母型基板の基材表面
にのみ水膜を形成したのちロール等でインキを着けるこ
とで、凸部上にインキ層を設けて形成した型取り母型を
得ることができる。
【0020】型取り母型基板の基材として使用する材料
に関しては、伸縮性のない表面の平滑な、凸部を形成す
る際に障害のないものなら、使用できる。たとえば、ガ
ラス板、金属板、プラスチックフィルム等である。可撓
性のあるものなら、型取りした後容易に版から除去する
ことができる。基材側からUV光を照射する場合はUV
光を透過するガラス板、プラスチック板が好適である。
特に寸法精度が要求され、温度による基材の伸縮が問題
になる場合には、石英ガラスやインバーを使用する。
【0021】インキ反発性の材料としては、シリコーン
樹脂系、フロロカーボン樹脂系があるが、型取り可能な
材料として現在使用可能なものは、シリコーン樹脂系で
あり、中でも室温硬化可能のシリコーンゴム系のものが
好適である。
【0022】型取り母型基板は、凹版において凹部とな
る位置に対応する位置に凸部が設けられていなければな
らない。その構造は問わないが、請求項4に示す構造で
あれば、型取り母型基板の除去が容易になる。型取り母
型基板の凸部を形成するために使用する材料としては、
微細な凸部を高精度で形成できるので、フォトレジスト
が好適である。普通の2〜3μmの厚さのフォトレジス
トでも良いが、版深の深い凹版を得る方法としては、プ
リント基板等に用いられる厚膜用(6μm〜30μm)
フォトレジストの凸部を使用して所要のパタ−ンを形成
したほうが効果が高い。フォトレジストの種類として
は、光分解型のポジレジストと光重合型のネガレジスト
があるが、型取り後にUV光を照射して分解し、溶解除
去するためにはポジ型レジストが好ましい。
【0023】その中でも、インキ反発性の材料として好
ましいシリコーンゴム系を使用した場合は、アルカリ性
水系現像タイプが好ましい。その理由は、アルカリ性水
系現像液はシリコーンゴム系を溶解したり、膨潤したり
しないからである。また、フォトレジストだけでは高さ
が不足する場合は、エッチング法を併用することも可能
である。すなわち、フォトレジストで所要のパターンを
形成した後、型取り母型基板をエッチングして、凸部の
高さを高くすることができる。
【0024】型取り母型基板の凸部を形成する別の方法
がある。それは形型取り母型基板の基材自体を加工して
形成する方法であり、加工方法としてはエッチング法、
レーザ加工法等がある。この場合、凸部の上面だけをイ
ンキ受容層とする必要がある。その方法としては、基板
が親水性の場合はエッチングに使用したフォトレジスト
をそのまま利用する方法があり、基板が撥水性の場合に
は、該フォトレジスを置いたまま、凹部に親水性の金属
を無電解メッキする方法等がある。
【0025】また、型取り母型基板として、各種の平凸
版が使用できる。平凸版とはオフセット印刷用の版で、
印刷パターン部が凸状に形成されているものである。具
体的には、通常、PS版と呼ばれているもの、トリメタ
ル版・バイメタル版と呼ばれているもの等である。
【0026】インキ受容層の材料には少なくとも三つの
特性が必要である。一つは、ある程度の硬度をもち、印
刷中に大きく変形したり、使用するインキと共に版内か
ら取り出されることがないことである。ただし、成分の
一部が取り出されても、後から補給できるものなら、全
く使用できないことはない。二番目は使用するインキに
よって、溶解しないことである。膨潤することは多少な
らかまわない。三番目は、使用するインキに対する濡れ
性があることである。
【0027】使用するインキをインキングロールでイン
キングした時、インキが版内に留まる程度のインキに対
する濡れ性が必要である。実際に使用できる材料の範囲
は広いが、例えば重合硬化する各種の樹脂組成が好適で
あり、インキによって溶解することが少ないので、使用
できるインキの範囲が広い。ただし、型取り母型基板の
凸部に供給する方法として、通常のオフセット印刷にお
けるロールインキングと同様な方法を用いる場合には、
インキ受容層の材料はロールインキングが可能な状態に
できる必要がある。
【0028】インキ反発材はインキ受容層も反発してし
まい、インキ反発層の凹部にインキ受容層が形成されな
い場合がある。以下に本発明が提供する対策を示す。
【0029】対策1:型取り母型基板の凸部上にインキ
受容層を形成した後、さらに接着層または粘着層を形成
する。粘着層は粘着力によって、インキ反発材に粘着す
る、シリコーン樹脂系の粘着材が特に好適である。
【0030】対策2:インキ受容層自体が粘着性のある
ものとする。シリコーン樹脂系、アクリル樹脂系の粘着
材が特に好適である。この場合、型取り母型基板を型取
りした凹版から取り去る際に、インキ受容層が型取り母
型基板側に取られることを避けるため、場合によっては
後に示す方法を用いる必要がある。
【0031】対策3:インキ受容材にインキ反発材と接
着しうる成分を加える。インキ受容材と混合しうるもの
で、インキ反発材の硬化と、インキ受容材を必要な硬度
することを妨害しないものである必要がある。インキ反
発層が硬化する際に、インキ受容層とインキ反発層が接
着する。インキ反発材がシリコーン樹脂系である場合に
は、変性シリコーン樹脂、シランカップリング剤であ
る。
【0032】対策4:インキ受容層を未硬化の状態にし
ておき、型取りし、インキ反発層を硬化させ、型取り母
型を除去する。インキ受容層は粘着性があるので、凝集
破壊して、型取り母型基板の凸部上とインキ反発材上に
分裂する。この方法はインキ受容層の凝集力がインキ受
容層の材料とインキ反発材の間の粘着力より小さい時に
使用できる方法である。インキ受容層の材料にインキ反
発材との粘着力を向上する成分を付加する場合もある。
例えば、インキ反発材がシリコーン樹脂系である場合に
は、変性シリコーン樹脂、シランカップリング剤であ
る。
【0033】対策5:型取り母型基板の凸部とインキ受
容層との間の接着力を減少させるため、型取り母型基板
の凸部に分離層を形成してからインキ受容層を形成す
る。インキ受容層を形成するためには、分離層の凝集力
がインキ受容層の凝集力より高い必要がある。また、イ
ンキ受容層は必要部分に供給された後、硬化させて、凝
集力を分離層より高くすることができることが望まし
い。さらに、使用するインキに対して悪影響をもたらす
場合には、凹版を形成した後、洗浄等で除去できる必要
がある。なお、分離層の凝集力をインキ受容層より低く
くする方法として、加温する方法がある。この場合、分
離層は融点が少なくともインキ受容層より低いものを使
用する。
【0034】対策6:型取り母型基板上の凸部を溶解除
去する。溶剤はインキ反発層およびインキ受容層を傷め
ないものである必要がある。インキ反発層がシリコーン
ゴム樹脂材である場合には、水性の溶剤が好ましい。そ
の場合には、凸部はポジ型のフォトレジストで、アルカ
リ性水系現像剤を使用するもので形成することが好まし
い。またその場合には、フォトレジストがアルカリ性水
系現像剤に溶解するようにするため、型取り前に露光す
る。
【0035】ただし、露光した後のフォトレジストが、
水に弱く、オフセット印刷法によるインキ受容層形成時
の湿し水供給によって溶解破損などの害が発生するとき
には、インキ受容層形成後に、ポジ型フォトレジストを
露光する。この場合、版の基材とインキ反発層がともに
透明でなければ、型取り母型基板が透明である必要があ
る。型取りしたままの状態で、溶液中に浸漬すると、溶
剤はインキ反発層と型取り母型基板の間から徐々に浸透
して、露光したフォトレジストを溶解する。
【0036】対策6においてフォトレジストの溶剤がイ
ンキ反発層と型取り母型基板の間から浸透するのに時間
がかかる。この時間を短くするために加熱したり、超音
波振動を与えることも有効であるが、さらに有効な手段
がある。それは、型取り母型基板の凸部の下に、前記フ
ォトレジストの溶剤で溶解する層を型取り母型基板の全
面にわたって形成する手段である(図8〜11参照)。
【0037】この層がフォトレジストの溶剤で溶解する
ので、浸透時間が短縮される。具体的には、インキ反発
層がシリコーン樹脂系である場合には、フォトレジスト
の溶剤は水性であることが望ましく、従ってこの層の材
料には、カゼイン、ポリビニルアルコール等の水溶性の
樹脂を使用する。
【0038】ただし、この場合はフォトレジストで凸部
を形成する際、通常のアルカリ性水系現像剤は使用でき
ず、有機系の現像剤を使用する。この場合、形成できる
パターンはポジ、ネガが逆になるので、使用するフォト
マスクもポジ、ネガを逆にする。すなわち、型取り母型
基板の凸部を形成するフォトレジストには、未露光部が
有機系の溶剤に溶解し、露光部が水系の溶剤に溶解する
ものを用い、凸部を形成する際は有機系の溶剤で未露光
の不要部分を溶解する。
【0039】凸部は露光されていて、水溶性であり、型
取りしたままの状態で、水性現像液中に浸漬すると、現
像液は水溶性樹脂を型取り基板の端部から順次溶解し、
凸部の既露光のフォトレジストも溶解する。具体的なフ
ォトレジスト材の例としては、ナフトキノンジアジドー
ノボラック樹脂系やナフトキノンジアジドークレゾール
樹脂系があり、現像方法は、例えば英国特許No.84
4,039(1960年)等に示されている。
【0040】
【作用】従来の水なしオフセット印刷用の凹版では、現
像方法が擦り現像であったので、版深が深くなると解像
力が低下した。また、インキ反発層の端部の形状がギザ
ギザになり、微細パターンの印刷には適しなかった。
【0041】一方、本発明の方法による版は、型取り方
法によってインキ反発層を形成するので、解像力は型取
り母型の解像力に等しく、前記した如く凸部材料として
フォトレジストを用いれば、数μmの解像力が容易に得
られる。また、版深も数μm〜30μm程度は容易にあ
られる。また、母型の表面が滑らかなら、インキ反発層
の端部も滑らかになる。母型となるのはフォトレジスト
のエッチングパターンと、その上に形成されたインキな
ので、母型の形状は滑らかであり、得られる版のインキ
反発層の端部も滑らかである。
【0042】また、凹版の凹部パターンの寸法も電子回
路製造用のレジストパターンを形成するのに使用する場
合には、フォトリソ法によるレジストパターンと同程度
の精度が必要である。本発明においては、型取り母型基
板は、フォトリソ法そのものであり、寸法精度も同じで
ある。また、型取りも室温で行い、型取り材が硬化して
から、型取り母型基板を取り外しているので、凹版の凹
部パターンの寸法は型取り母型基板と同一である。型取
り母型基板を取りはずす際にも、外力がほとんど掛から
ない方法を提供しているので、必要により用いることに
より、外力による形状変化、寸法変化がない。
【0043】また、凹版の基板の材質、厚さに関しては
格別の条件がないので、凹版として、種々の印刷方式、
印刷機に対応できるものを製造できる。なおかつ以上の
構造を本発明の製造方法により製造すると、インキ反発
層の形状が原版パターンに忠実であり、特に端部の形状
が凸凹にならない。また、確実に凹部のみにインキ受容
層を形成することが出来、しかも容易に実行することが
出来る。
【0044】インキ反発層の厚さに関して、製造上規制
されることはないので、任意に設定することができる。
凹版印刷において、ガラス基板のような剛体に印刷する
場合には、凹版にはある程度にクッション性が必要であ
るが、本発明によれば、最適な厚みのものを得ることが
できる。インキ反発層の材質として、シリコーンゴム系
を使用すれば、硬度をかなり広い範囲から選択すること
ができるので、クッション性も最適にすることができる
可能性が高い。なかでも室温硬化型シリコーンゴム系
は、室温で型取り作業ができるので好適である。
【0045】製造できる凹版のサイズに関して、製造上
格別の規制はないので、大面積、例えば600mm角の
ものを製造できる。
【0046】したがって、本発明の製造方法により凹版
を製造すると、フォトリソ法に匹敵する解像力、寸法精
度を有し、基板として種々の材質、厚さのものを選択で
きた、版深も数μm〜30μm程度の範囲で精度良くコ
ントロールできた、インキ反発層の厚さも必要な値にす
ることができた凹版を得ることができる。また、サイズ
もかなり大きなもの、例えば600mm角のものを製造
できる。
【0047】
【実施例】
(実施例1)本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説
明する。ガラス基板2にポジ形のプリント基版用厚膜用
感光性樹脂材(ヘキストジャパン社製商品名AZ LP
−10)1をスピンナーコートし、80℃のオーブンで
20分間乾燥して、図1に示す10μmの膜厚の感光性
樹脂層を塗布した。
【0048】その上に所要のパターンが形成されたフイ
ルム原版3を、図2の様に膜面を密着させ露光をした
後、1:4に希釈した現像液(AZ 303N(ヘキス
トジャパン社製商品名))で120/sec現像して、
フィルムの透過部32の部分の感光性樹脂材12を現像
液で除去し、フイルムの黒化部31により遮光された感
光性樹脂材を残して、図3の様な所要のパターンを有し
た型取り母型基板を形成した。
【0049】湿し水として小量の水を型取り母型基板に
塗布し、アマニ油系のインキを巻いたインキングロール
でインキを供給し、アマニ油系のインキの層41を形成
した。そのインキの表面が酸化して皮膜を形成した後、
その上にUV硬化インキを巻いたインキングロールでU
Vインキを供給し、UV硬化インキの層42を形成し
た。UV光を照射してUV硬化インキを硬化した後、シ
リコーンゴムとの接着性を高めるためプライマー(東芝
シリコーン株式会社商品名ME123)43を同様な方
法で塗布し、図4に示す型取り母型を得た。
【0050】即ち、ガラスの表面が親水性で感光性樹脂
材が撥水性であるので、型取り基材上の小量の水はガラ
スの表面部分のみに乗る。この状態でアマニ油系インキ
やUV硬化インキを供給すると、撥水性の感光性樹脂材
部分にのみアマニ油系インキやUV硬化インキが付着す
る。つまりオフセット印刷版へのインキ供給と同一のメ
カニズムである。
【0051】次に凹版基板として厚さ0.3mmのステ
ンレス板7を用意し、その上にシリコーンゴムとの接着
性を高めるためプライマー71(例えば、東芝シリコー
ン株式会社商品名ME121)を塗布した後、厚さ2m
m,幅20mmのアルミニュームの板4枚で140mm
角の枠72を作り、シリコーンゴムTSE 3466
(東芝シリコ−ン株式会社製商品名)に硬化剤10%を
添加混合したものを注入し、その上に型取り母型をの
せ、図5の状態で5時間放置してシリコーンゴム5を硬
化させた。
【0052】物理的にガラス基板2を外すと、図6の様
に、アマニ油系インキ41の層が分裂して、感光性樹脂
材11にインキングされていたアマニ油系インキ41の
層の一部と硬化したUV硬化インキ42全部とがシリコ
ーンゴム5の凹版の凹部の底面に充鎮された状態となっ
た。アマニ油系インキ41が自然に酸化重合するまで1
週間放置して、インキ受容層を形成した。
【0053】このようにして完成した凹版では、通常の
ロールインキングで図7の様なインキ供給が可能であ
り、線巾10μmのパターンの周辺部にギザギザがなか
った。このため微細なパターンを正確に印刷することが
できた。
【0054】(実施例2)型取り母型基板の基材および
凹版の基板が共に剛体である場合には、型取り後両者を
物理的に引きはがすことは難しい。この場合の実施例を
図にもとづいて詳細に説明する。
【0055】ガラス基板2に水溶性樹脂8であるポリビ
ニルアルコールをスピンコートし、乾燥膜厚20μmの
厚さに塗布した。その上に、ポジ形のプリント基版用厚
膜用感光性樹脂材(ヘキストジャパン社製商品名AZ
4903)1をスピンコートし、乾燥膜厚8μmの厚さ
に塗布して、図8に示す水溶性樹脂層の上に感光性樹脂
層がある構造のものを得た。
【0056】その上に所要のパターンが形成されたフイ
ルム原版3を、図9に示す膜面を密着させ露光をした
後、キシレンとイソプロピルアルコールの混合系現像液
に浸漬して、フイルムの黒化部31により遮光された感
光性樹脂材11を除去した。透過部32の部分の感光性
樹脂材12が残って、図10に示すような所要のパター
ンが形成された型取り母型基板ができた。
【0057】次に小量の水を型取り基材に塗布し、シラ
ンカップリング材を添加したUV硬化インキを巻いたイ
ンキローラでインキを供給し、感光性樹脂材12のパタ
−ンの上に、このUV硬化インキの層44を形成した。
次に、UV光を照射して、このUV硬化インキの層44
を硬化させ、型取り母型を図11に示す様に完成した。
【0058】即ち、水溶性樹脂の表面が親水性で感光性
樹脂材が撥水性であるので、型取り基材上の小量の水は
水溶性樹脂8の表面部分のみに乗る。この状態でUV硬
化インキを供給すると、撥水性の感光性樹脂材部分にの
みUV硬化インキが付着する。つまりオフセット印刷版
へのインキ供給と同一のメカニズムである。
【0059】次に凹版基板9として厚さ5mmのガラス
板を用意し、表面にプライマー(例えば、東芝シリコ−
ン株式会社製商品名ME121)を塗布し、その上に厚
さ1mm,幅20mmのステンレス板4枚で140mm
角の枠を作り、シリコーンゴムTSE 3450(東芝
シリコ−ン株式会社製商品名)に硬化剤10%を添加混
合したものを注入し、その上に型取り母型をのせ、図1
2の状態で5時間放置してシリコーンゴム5を硬化さ
せ、型取りした。
【0060】次に、ステンレス板の枠73をとりはず
し、シリコーンゴム5に型取りをしたままの状態で、ア
ルカリ性水系現像液(ヘキストジャパン社製商品名 A
Z400K)に浸漬した。充分時間をかけて水溶性樹脂
8を溶解するとガラス基板2が外れ、さらに浸漬を続け
ると感光性樹脂材12が除去されて、図13の様に感光
性樹脂材12上にインキングされていた硬化したUV硬
化インキ44がシリコーンゴム5の凹版の凹部の底面に
充鎮された状態となり、インキ受容層ができた。このよ
うにして形成した凹版は、線巾5μmのパターンの周辺
部にギザギザがなく、微細なパターンを印刷するのに適
していた。
【0061】
【発明の効果】以上説明した様に本発明になる凹版のイ
ンキ受容層作成方法を取り入れた凹版ではパターンへの
インキ供給が容易に出来、版深が深いので印刷パターン
のインキの厚さが厚く、パターンのエッジもシャープに
なる。また、一度の印刷で十分な厚さのパターンが形成
できるため、それによるパターン乱れや、パターンのエ
ッジ崩れも起きない。
【0062】型取り母型基板にインキ供給するときのパ
ターン形状では、センター部分でインキの厚さは1〜2
μmで、エッジの部分で0.5μmとなるが、露光に用
いる場合にはエッジの部分も遮光するには十分なインキ
の厚さがあるので、パターンを正確に転写することがで
きる。また、プラズマエッチングの場合にもエッチング
選択比の関係上レジストの厚さがあった方が有利であ
り、本発明の厚さでこれに用いるに十分なので、これか
らの微細パターン印刷に適用して実用的な効果を挙げる
ことができる。
【0063】また、この様な凹版を、以上の様な方法を
用いる事で確実に凹版の凹部のみにインキ受容層を形成
することが可能になったため、実際の印刷においてパタ
ーン部以外にインキが乗る地汚れ等の防止が出来、印刷
品質の向上に効果がある。特に印刷が電気部品や光学部
品の場合、一つの欠陥により全体が欠陥となるため、実
際の印刷においてパターン部以外にインキがのる可能性
を低くすることは、大きな効果となる。さらに、インキ
受容層をインキ反発層の凹部に形成する方法を各種開示
しており、インキ受容層の材質を広範囲に選択できるの
で、使用できるインキの種類も広範囲である。すなわ
ち、レジストインキを使用する場合も、必要なレジスト
特性を有するものを選定することが容易である。
【0064】さらに、インキとしてUV硬化インキを使
用すれば、インキング後、ガラス側からUV光を照射し
てインキを硬化することができる。その結果、印刷時の
圧力によりインキが変形する度合いを減少させることが
できるので、特に微細なパターンを印刷するための凹版
として適している。
【0065】また、凹版の基板の材質、厚さに関しては
格別の条件がないので、凹版として、種々の印刷方式、
印刷機に対応できるものを製造できる。なおかつ以上の
構造を本発明の製造方法により製造すると、インキ反発
層の形状が原版パターンに忠実であり、特に端部の形状
が凸凹にならない。また、確実に凹部のみにインキ受容
層を形成することが出来、しかも容易に実行することが
出来る。
【0066】
【図面の簡単な説明】
【図1】ガラス基板に露光前感光性樹脂を作成した状態
の断面図である。
【図2】図1の基板を露光している状態の断面図であ
る。
【図3】型取り母型基板の断面図である。
【図4】型取り母型の断面図である。
【図5】型取り状態の断面図である。
【図6】完成した凹版の断面図である。
【図7】完成した凹版のインキング状態の断面図であ
る。
【図8】図1と別な実施例の感光性樹脂を作成した状態
の断面図である。
【図9】図8の基板を露光している状態の断面図であ
る。
【図10】型取り母型基板の断面図である。
【図11】型取り母型の断面図である。
【図12】型取り状態の断面図である。
【図13】完成した凹版の断面図である。
【符号の説明】
1 感光性樹脂材 11 パターンニングした感光性樹脂材 12 パターンニングした感光性樹脂材 2 ガラス基板 3 フイルム原版 31 黒化部 32 透過部 4 UV硬化インキ 41 アマニ油系インキ 42 UV硬化インキ 43 プライマー 44 シランカップリング剤を添加したUV硬化インキ 5 シリコーンゴム 51 型取りしたシリコーンゴム 61 印刷インキ 7 ステンレス板 8 水溶性樹脂 9 凹版基板 72 枠 73 枠

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】型取り母型基板の基材に凸部を設けて型取
    り母型基板とし、前記凸部上にインキ受容層を設けて型
    取り母型とし、凹版基板上に未硬化のインキ反発層を形
    成した上で型取りし、前記インキ反発層を硬化した後、
    前記型取り母型基板を除去する事により、凹版の底面に
    インキ受容層を有し他の部分がインキ反発性の凹版を製
    造する凹版の製造方法。
  2. 【請求項2】型取り母型基板の凸部上に、未硬化のイン
    キ受容層を設けてある型取り母型を、凹版基板上に未硬
    化のインキ反発層を形成した上で型取りし、前記インキ
    反発層を硬化し、前記型取り母型基板を除去した後、凹
    版の底面のインキ受容層を硬化する事により、凹版の底
    面にインキ受容層を有し他の部分がインキ反発性の凹版
    を製造する凹版の製造方法。
  3. 【請求項3】前記型取り母型基板が、型取り母型基板の
    基材上に全面に設けた水溶性層と撥水性凸部が順に形成
    された構造であり、前記型取り母型基板の除去を前記水
    溶性層の水溶除去と凸部の溶解除去により行なうことを
    特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の凹版の製造方
    法。
  4. 【請求項4】前記型取り母型基板の基材の表面が親水性
    で、前記凸部が撥水性で、前記型取り母型基板上に水分
    を付与する事により前記凸部のみ親油性とした後、ロー
    ル等でインキを着けることで、凸部にのみインキ受容層
    を形成した型取り母型を用いることを特徴とする請求項
    1〜4の何れかに記載の凹版の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1〜4の何れかにおいて、インキ受
    容層が粘着層であることを特徴とする凹版の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1〜4の何れかにおいて、型取り母
    型基板の凸部上にインキ受容層を設けた後、さらに接着
    層または粘着層を設けたことを特徴とする凹版の製造方
    法。
  7. 【請求項7】請求項1〜4の何れかにおいて、型取り母
    型基板の凸部に分離層を形成してからインキ受容層を形
    成することを特徴とする凹版の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項1〜4の何れかにおいて、インキ受
    容層にインキ反発層と接着し得る成分を付与したことを
    特徴とする凹版の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項7において、インキ反発層としてシ
    リコーン系ポリマーを 使用する場合、インキ受容層に付
    与するインキ反発層と接着し得る成分として、シランカ
    ップリング剤または/およびシリコーン系ポリマーを付
    与したことを特徴とする凹版の製造方法。
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