JPH08339826A - リチウム電池 - Google Patents
リチウム電池Info
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- JPH08339826A JPH08339826A JP8008539A JP853996A JPH08339826A JP H08339826 A JPH08339826 A JP H08339826A JP 8008539 A JP8008539 A JP 8008539A JP 853996 A JP853996 A JP 853996A JP H08339826 A JPH08339826 A JP H08339826A
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- negative electrode
- lial
- lithium battery
- conductive polymer
- battery
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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- Secondary Cells (AREA)
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 負極と溶媒との反応やデントライトの成長を
抑制することができ、サイクル劣化を抑制し、長寿命で
高エネルギー密度のリチウム電池を提供すること。 【解決手段】 導電性ポリマー中に陽イオン交換体とし
てアニオン性低分子量化合物であるアルキルスルホン酸
を複合化させてなる導電性ポリマー/アルキルスルホン
酸複合体を正極とし、プロピレンカーボネートを主成分
とする有機溶媒中に過塩素酸リチウムを溶かした非水溶
液を電解液とし、かつLiAl合金を負極とするリチウ
ム電池であって、電解液中に第3成分を添加するか、負
極としてLiにAlを5〜10重量%添加したLiAl
共晶合金板としてなることを特徴とするリチウム電池。
抑制することができ、サイクル劣化を抑制し、長寿命で
高エネルギー密度のリチウム電池を提供すること。 【解決手段】 導電性ポリマー中に陽イオン交換体とし
てアニオン性低分子量化合物であるアルキルスルホン酸
を複合化させてなる導電性ポリマー/アルキルスルホン
酸複合体を正極とし、プロピレンカーボネートを主成分
とする有機溶媒中に過塩素酸リチウムを溶かした非水溶
液を電解液とし、かつLiAl合金を負極とするリチウ
ム電池であって、電解液中に第3成分を添加するか、負
極としてLiにAlを5〜10重量%添加したLiAl
共晶合金板としてなることを特徴とするリチウム電池。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軽量で高エネルギ
ー密度のリチウム電池、特にリチウム二次電池に関す
る。
ー密度のリチウム電池、特にリチウム二次電池に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、高分子二次電池はポリアニリンを
正極とし、過塩素酸リチウム(LiClO4 )のプロピ
レンカーボネート(PCと略記する)溶液を電解液と
し、Li金属板を負極として製造されていた。この場
合、充電時には、負極ではLiが析出し、正極ではCl
O4 - が浸入してポリマーと結合し、放電時には逆反応
が起こる。この電池では、Li+ とClO4 - の移動が
電池の容量に効いてくるので、電池の容量を大きくする
ためには、多量の電解液が必要となり、エネルギー密度
も約40Wh/kgと低く、鉛蓄電池と同程度の値であ
る。また、充電時にLiの巨大な樹枝状結晶(デントラ
イト)が生成すること、負極にLiとPCとの反応で保
護膜が形成されること等のため、充放電サイクルを繰り
返すと、性能が劣化する等の問題点があった。また、デ
ントライトの生成を抑えるために純Li金属の代わりに
LiAl合金を用いると、内部抵抗が増加するという問
題が生ずる。
正極とし、過塩素酸リチウム(LiClO4 )のプロピ
レンカーボネート(PCと略記する)溶液を電解液と
し、Li金属板を負極として製造されていた。この場
合、充電時には、負極ではLiが析出し、正極ではCl
O4 - が浸入してポリマーと結合し、放電時には逆反応
が起こる。この電池では、Li+ とClO4 - の移動が
電池の容量に効いてくるので、電池の容量を大きくする
ためには、多量の電解液が必要となり、エネルギー密度
も約40Wh/kgと低く、鉛蓄電池と同程度の値であ
る。また、充電時にLiの巨大な樹枝状結晶(デントラ
イト)が生成すること、負極にLiとPCとの反応で保
護膜が形成されること等のため、充放電サイクルを繰り
返すと、性能が劣化する等の問題点があった。また、デ
ントライトの生成を抑えるために純Li金属の代わりに
LiAl合金を用いると、内部抵抗が増加するという問
題が生ずる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、すでに
特願平5−327333号および特願平6−48699
号の出願において、導電性ポリマーに陽イオン交換体で
あるアルキルスルホン酸を複合化させた導電性ポリマー
/アルキルスルホン酸複合体電極の製造方法を提供し
た。前者は導電性ポリマーの原料モノマーとスルホン酸
基を1個有するアニオン性低分子量化合物であるアルキ
ルスルホン酸を2:1.2〜3.0のモル比でもしくは
スルホン酸を2個有するアルキルジスルホン酸を4:
1.2〜3.0のモル比で混合したのち酸化重合するこ
とにより、導電性ポリマー中にアルキルスルホン酸を均
一に等電荷量だけ分散含有させることを特徴とする。ま
た、後者は導電性ポリマー中にアニオン性化合物として
アルキルスルホン酸もしくはアルキルジスルホン酸を含
有してなる導電性ポリマー/アルキルスルホン酸複合体
をアンモニア水/アセトン混合溶液で可溶化処理してか
ら有機溶媒に溶解させてキャスト成形することを特徴と
する。
特願平5−327333号および特願平6−48699
号の出願において、導電性ポリマーに陽イオン交換体で
あるアルキルスルホン酸を複合化させた導電性ポリマー
/アルキルスルホン酸複合体電極の製造方法を提供し
た。前者は導電性ポリマーの原料モノマーとスルホン酸
基を1個有するアニオン性低分子量化合物であるアルキ
ルスルホン酸を2:1.2〜3.0のモル比でもしくは
スルホン酸を2個有するアルキルジスルホン酸を4:
1.2〜3.0のモル比で混合したのち酸化重合するこ
とにより、導電性ポリマー中にアルキルスルホン酸を均
一に等電荷量だけ分散含有させることを特徴とする。ま
た、後者は導電性ポリマー中にアニオン性化合物として
アルキルスルホン酸もしくはアルキルジスルホン酸を含
有してなる導電性ポリマー/アルキルスルホン酸複合体
をアンモニア水/アセトン混合溶液で可溶化処理してか
ら有機溶媒に溶解させてキャスト成形することを特徴と
する。
【0004】これらの方法により得られた導電性ポリマ
ー/アルキルスルホン酸複合体電極を正極とする高分子
二次電池においては、充電時には負極ではLiが析出す
るとともに正極では吸着していたLiイオンが電解液中
に溶け出し、放電時には逆の反応が起こる。すなわち、
この電池においてLi+ イオンが電解液中を移動するの
みであり、従来の電池のようにLi+ とClO4 - イオ
ンを電解液中に貯めておく必要がないので電解液の量を
低減でき、エネルギー密度が約100Wh/kgと高エ
ネルギー密度の電池が得られる。しかし、この電池も充
放電サイクルを繰り返すと性能が次第に劣化するという
問題点がある。
ー/アルキルスルホン酸複合体電極を正極とする高分子
二次電池においては、充電時には負極ではLiが析出す
るとともに正極では吸着していたLiイオンが電解液中
に溶け出し、放電時には逆の反応が起こる。すなわち、
この電池においてLi+ イオンが電解液中を移動するの
みであり、従来の電池のようにLi+ とClO4 - イオ
ンを電解液中に貯めておく必要がないので電解液の量を
低減でき、エネルギー密度が約100Wh/kgと高エ
ネルギー密度の電池が得られる。しかし、この電池も充
放電サイクルを繰り返すと性能が次第に劣化するという
問題点がある。
【0005】このサイクル劣化の原因としては、種々の
試験を行った結果、次の(1)および(2)の要因が考
えられた。(1)溶媒PCまたはPC中の不純物である
水分とLiとが反応し、LiOH,Li2 CO3 ,RO
CO2 Li(アルキル炭酸リチウム:Rはアルキル基を
表す)等が生成し、保護膜として負極表面に付着するの
で、負極の有効面積が減少し、内部抵抗が次第に増加す
る。(2)充電時にLiのデントライトが生成すると、
Liの微細な粒子が生成する場合に比較してLiの比表
面積が小さくなること、放電時にデントライトは一部く
びれて負極から脱離すること等のため、負極が消耗し性
能が低下する。そこで、サイクル劣化を抑制し、長寿命
で高エネルギー密度の高分子二次電池を得るためには、
負極と溶媒との反応やデントライトの成長を抑制するこ
と等が課題となる。
試験を行った結果、次の(1)および(2)の要因が考
えられた。(1)溶媒PCまたはPC中の不純物である
水分とLiとが反応し、LiOH,Li2 CO3 ,RO
CO2 Li(アルキル炭酸リチウム:Rはアルキル基を
表す)等が生成し、保護膜として負極表面に付着するの
で、負極の有効面積が減少し、内部抵抗が次第に増加す
る。(2)充電時にLiのデントライトが生成すると、
Liの微細な粒子が生成する場合に比較してLiの比表
面積が小さくなること、放電時にデントライトは一部く
びれて負極から脱離すること等のため、負極が消耗し性
能が低下する。そこで、サイクル劣化を抑制し、長寿命
で高エネルギー密度の高分子二次電池を得るためには、
負極と溶媒との反応やデントライトの成長を抑制するこ
と等が課題となる。
【0006】本発明は上記従来技術における問題点を解
決し、負極と溶媒との反応やデントライトの成長を抑制
することができ、サイクル劣化を抑制し、長寿命で高エ
ネルギー密度のリチウム電池を提供することを目的とす
る。
決し、負極と溶媒との反応やデントライトの成長を抑制
することができ、サイクル劣化を抑制し、長寿命で高エ
ネルギー密度のリチウム電池を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する手段
として、本発明は次の(1)ないし(9)の態様を含む
ものである。 (1)導電性ポリマー中に陽イオン交換体としてアニオ
ン性低分子量化合物であるアルキルスルホン酸を複合化
させてなる導電性ポリマー/アルキルスルホン酸複合体
を正極とし、PCを主成分とする有機溶媒中に過塩素酸
リチウムを溶かし、さらに第3成分としてジメトキシエ
タン、テトラヒドロフラン、2メチルフラン、ジメチル
カーボネートから選ばれる低分子量有機化合物を添加し
た非水溶液を電解液とし、かつLiAl合金を負極とし
てなることを特徴とするリチウム電池。 (2)前記第3成分の添加量が0.5〜50容量%であ
ることを特徴とする前記(1)のリチウム電池。 (3)前記負極が主としてLiとLi9 Al4 粒子とか
ら構成されるLiAl合金板からなり、かつ前記正極よ
りも有効面積が大きいことを特徴とする前記(1)また
は(2)のリチウム電池。 (4)前記負極がLiにAlを5〜10重量%添加した
LiAl共晶合金板からなることを特徴とする前記
(1)または(2)のリチウム電池。
として、本発明は次の(1)ないし(9)の態様を含む
ものである。 (1)導電性ポリマー中に陽イオン交換体としてアニオ
ン性低分子量化合物であるアルキルスルホン酸を複合化
させてなる導電性ポリマー/アルキルスルホン酸複合体
を正極とし、PCを主成分とする有機溶媒中に過塩素酸
リチウムを溶かし、さらに第3成分としてジメトキシエ
タン、テトラヒドロフラン、2メチルフラン、ジメチル
カーボネートから選ばれる低分子量有機化合物を添加し
た非水溶液を電解液とし、かつLiAl合金を負極とし
てなることを特徴とするリチウム電池。 (2)前記第3成分の添加量が0.5〜50容量%であ
ることを特徴とする前記(1)のリチウム電池。 (3)前記負極が主としてLiとLi9 Al4 粒子とか
ら構成されるLiAl合金板からなり、かつ前記正極よ
りも有効面積が大きいことを特徴とする前記(1)また
は(2)のリチウム電池。 (4)前記負極がLiにAlを5〜10重量%添加した
LiAl共晶合金板からなることを特徴とする前記
(1)または(2)のリチウム電池。
【0008】(5)導電性ポリマー中に陽イオン交換体
としてアニオン性低分子量化合物であるアルキルスルホ
ン酸を複合化させてなる導電性ポリマー/アルキルスル
ホン酸複合体を正極とし、PCを主成分とする有機溶媒
中に過塩素酸リチウムを溶かした非水溶液を電解液と
し、かつLiにAlを5〜10重量%添加したLiAl
共晶合金板を負極としてなることを特徴とするリチウム
電池。 (6)前記電解液の水分含有量が0.1重量%以下であ
ることを特徴とする前記(5)のリチウム電池。
としてアニオン性低分子量化合物であるアルキルスルホ
ン酸を複合化させてなる導電性ポリマー/アルキルスル
ホン酸複合体を正極とし、PCを主成分とする有機溶媒
中に過塩素酸リチウムを溶かした非水溶液を電解液と
し、かつLiにAlを5〜10重量%添加したLiAl
共晶合金板を負極としてなることを特徴とするリチウム
電池。 (6)前記電解液の水分含有量が0.1重量%以下であ
ることを特徴とする前記(5)のリチウム電池。
【0009】(7)前記導電性ポリマーがポリアニリ
ン,ポリピロール,ポリチオフェン,ポリフランから選
ばれるものであることを特徴とする前記(1)ないし
(6)のいずれかのリチウム電池。 (8)前記アルキルスルホン酸がメタンスルホン酸、エ
タンスルホン酸、エタンジスルホン酸及びブタンジスル
ホン酸から選ばれるものであることを特徴とする前記
(1)ないし(7)のいずれかのリチウム電池。
ン,ポリピロール,ポリチオフェン,ポリフランから選
ばれるものであることを特徴とする前記(1)ないし
(6)のいずれかのリチウム電池。 (8)前記アルキルスルホン酸がメタンスルホン酸、エ
タンスルホン酸、エタンジスルホン酸及びブタンジスル
ホン酸から選ばれるものであることを特徴とする前記
(1)ないし(7)のいずれかのリチウム電池。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて説明する。正極として導電性ポリマー/アルキルス
ルホン酸複合体を用いることにより、高エネルギー密度
となることはすでに説明した。導電性ポリマーとして
は、ポリアニリンが安価で作製しやすいので、後述する
本発明の実施例においてはポリアニリンを用いたが、ポ
リピロール、ポリチオフェン、ポリフラン等も使用する
ことは可能である。
いて説明する。正極として導電性ポリマー/アルキルス
ルホン酸複合体を用いることにより、高エネルギー密度
となることはすでに説明した。導電性ポリマーとして
は、ポリアニリンが安価で作製しやすいので、後述する
本発明の実施例においてはポリアニリンを用いたが、ポ
リピロール、ポリチオフェン、ポリフラン等も使用する
ことは可能である。
【0011】アルキルスルホン酸としては、メタンスル
ホン酸、エタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、ブタ
ンジスルホン酸等を用いることができるが、エタンジス
ルホン酸を用いた場合、最もエネルギー密度が高くな
る。これは、ジスルホン酸は2つのスルホン基を持つの
で、Liイオンの吸着サイトが多いこと、導電性ポリマ
ーとの結合力が強く、長時間充放電サイクルを繰り返し
ても複合体として安定に存続することができること等の
作用による。
ホン酸、エタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、ブタ
ンジスルホン酸等を用いることができるが、エタンジス
ルホン酸を用いた場合、最もエネルギー密度が高くな
る。これは、ジスルホン酸は2つのスルホン基を持つの
で、Liイオンの吸着サイトが多いこと、導電性ポリマ
ーとの結合力が強く、長時間充放電サイクルを繰り返し
ても複合体として安定に存続することができること等の
作用による。
【0012】本発明の電解液はPC等の有機溶媒、過塩
素酸リチウム及び第3成分としての低分子量有機化合物
からなる。なお、負極の材料として後述のLiAl共晶
合金板を使用する場合など、他の条件によっては第3成
分の添加を省略することもできる。該第3成分としては
ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2メチルフラ
ン、ジメチルカーボネート等から選ばれる低分子量の有
機化合物が挙げられ、特に好ましくは電解液中0.5〜
50容量%となるように添加する。添加した第3成分は
負極表面に吸着し、LiとPCとの反応を抑制し、負極
にLiOH等の絶縁性物質が付着することによるサイク
ル劣化を遅くする方向に作用できる。該第3成分の添加
量が0.5容量%未満では効果が小さく、添加量が50
容量%を超えても、効果は増えることはなく、逆にコス
ト高等の問題が生ずる。本発明においては一般的には特
に限定する必要はないが、添加量としては0.5〜50
容量%が特に好ましく、とりわけ好ましい範囲は1〜5
容量%である。
素酸リチウム及び第3成分としての低分子量有機化合物
からなる。なお、負極の材料として後述のLiAl共晶
合金板を使用する場合など、他の条件によっては第3成
分の添加を省略することもできる。該第3成分としては
ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2メチルフラ
ン、ジメチルカーボネート等から選ばれる低分子量の有
機化合物が挙げられ、特に好ましくは電解液中0.5〜
50容量%となるように添加する。添加した第3成分は
負極表面に吸着し、LiとPCとの反応を抑制し、負極
にLiOH等の絶縁性物質が付着することによるサイク
ル劣化を遅くする方向に作用できる。該第3成分の添加
量が0.5容量%未満では効果が小さく、添加量が50
容量%を超えても、効果は増えることはなく、逆にコス
ト高等の問題が生ずる。本発明においては一般的には特
に限定する必要はないが、添加量としては0.5〜50
容量%が特に好ましく、とりわけ好ましい範囲は1〜5
容量%である。
【0013】電解液は非水溶液であるが、PC等の有機
溶媒中には通常不純物として0.2重量%程度の水分が
含まれている。水分含有量が多いと、Liと水との反応
により生成したLiOH等の絶縁性物質が付着した皮膜
が負極表面に形成されるので、電池の内部抵抗が増加
し、経時劣化が大きくなる。前記第3成分の添加により
水分の影響による性能劣化を抑制することができるが、
蒸留等の手段によりにより電解液中の水分含有量を0.
1重量%以下としておくのが効果的である。
溶媒中には通常不純物として0.2重量%程度の水分が
含まれている。水分含有量が多いと、Liと水との反応
により生成したLiOH等の絶縁性物質が付着した皮膜
が負極表面に形成されるので、電池の内部抵抗が増加
し、経時劣化が大きくなる。前記第3成分の添加により
水分の影響による性能劣化を抑制することができるが、
蒸留等の手段によりにより電解液中の水分含有量を0.
1重量%以下としておくのが効果的である。
【0014】本発明に係る電解液中の過塩素酸リチウム
含有量は0.05〜5モル/リットルの範囲が好まし
い。濃度が5モル/リットルを超えると電解液が重くな
り、軽量であるという高分子二次電池の利点を損なうと
ともに、導電率も低くなるので好ましくない。濃度が
0.0.5モル/リットル未満ではやはり導電率が低く
なり、電解液としての使用に好ましいない。より好まし
くは0.1〜2モル/リットルの範囲である。電解液の
導電率は過塩素酸リチウム濃度1モル/リットルの前後
の最も大きくなるので、後記する本発明の実施例では1
モル/リットル濃度の溶液を使用した。なお有機溶媒と
してはPC以外に、例えばPCとエチレンカーボネート
との混合物を使用することも可能である。
含有量は0.05〜5モル/リットルの範囲が好まし
い。濃度が5モル/リットルを超えると電解液が重くな
り、軽量であるという高分子二次電池の利点を損なうと
ともに、導電率も低くなるので好ましくない。濃度が
0.0.5モル/リットル未満ではやはり導電率が低く
なり、電解液としての使用に好ましいない。より好まし
くは0.1〜2モル/リットルの範囲である。電解液の
導電率は過塩素酸リチウム濃度1モル/リットルの前後
の最も大きくなるので、後記する本発明の実施例では1
モル/リットル濃度の溶液を使用した。なお有機溶媒と
してはPC以外に、例えばPCとエチレンカーボネート
との混合物を使用することも可能である。
【0015】本発明の電池において、負極の材料として
Li濃度が50モル%(80重量%)以上の合金であれ
ば、種々の組成、また、製法の異なるLiAl合金を使
用することができる。従来のLiAl負極はLi金属の
強度を補うため、例えば厚さ200μm程度のAl板と
Li板を張り合わせ、熱間プレスして接合したものであ
り、図2の(b)に示すように表側はLiと他の相(主
としてLi9 Al4 )から形成されているLiAl合金
であり、裏側はAlである。この負極を用いると正極と
負極の面積が同じとなり、内部抵抗が大きいという欠点
があった。本発明者らは負極の表面に保護膜が生成する
と有効面積が減少するため、正極よりも負極の面積の方
を大きくするすることとし、例えば図1のような構造に
電池を設計すればよいと考え種々の試験を行った結果、
厚さ200μm程度のAl板を2枚の厚さ200μm程
度のLi板で挟んで張り合わせ、熱間プレスして接合
し、図2の(a)に示すように負極の両面がLiAl合
金であるサンドイッチ状の構造とすることにより、Li
Al合金板と電解液とが触れる面積を従来のものに比較
して2倍とすることができて、電池の内部抵抗を低くす
ることができることを見いだした。
Li濃度が50モル%(80重量%)以上の合金であれ
ば、種々の組成、また、製法の異なるLiAl合金を使
用することができる。従来のLiAl負極はLi金属の
強度を補うため、例えば厚さ200μm程度のAl板と
Li板を張り合わせ、熱間プレスして接合したものであ
り、図2の(b)に示すように表側はLiと他の相(主
としてLi9 Al4 )から形成されているLiAl合金
であり、裏側はAlである。この負極を用いると正極と
負極の面積が同じとなり、内部抵抗が大きいという欠点
があった。本発明者らは負極の表面に保護膜が生成する
と有効面積が減少するため、正極よりも負極の面積の方
を大きくするすることとし、例えば図1のような構造に
電池を設計すればよいと考え種々の試験を行った結果、
厚さ200μm程度のAl板を2枚の厚さ200μm程
度のLi板で挟んで張り合わせ、熱間プレスして接合
し、図2の(a)に示すように負極の両面がLiAl合
金であるサンドイッチ状の構造とすることにより、Li
Al合金板と電解液とが触れる面積を従来のものに比較
して2倍とすることができて、電池の内部抵抗を低くす
ることができることを見いだした。
【0016】なお、この負極は内部はAlでその表面の
構造は主としてLi9 Al4 +Liの共存状態となって
いる。負極としては、LiにAlを0.5〜50重量%
添加し、高温で溶融した後、冷却して合金を作製し、圧
廷等により主としてLi9 Al4 とLiとからなるLi
Al合金板を作製するか、LiにAlを5〜10重量%
添加したLiAl共晶合金板を用いることができ、これ
らの方法で作製した負極は表裏同じ結晶構造であり、従
来の負極(図2(b)の形)と比較すると2倍の表面積
を持っているので、電池の内部抵抗を低くすることがで
きる。
構造は主としてLi9 Al4 +Liの共存状態となって
いる。負極としては、LiにAlを0.5〜50重量%
添加し、高温で溶融した後、冷却して合金を作製し、圧
廷等により主としてLi9 Al4 とLiとからなるLi
Al合金板を作製するか、LiにAlを5〜10重量%
添加したLiAl共晶合金板を用いることができ、これ
らの方法で作製した負極は表裏同じ結晶構造であり、従
来の負極(図2(b)の形)と比較すると2倍の表面積
を持っているので、電池の内部抵抗を低くすることがで
きる。
【0017】本発明者らは、種々のLiAl合金を負極
とした場合の内部抵抗を測定した結果、LiにAlを5
〜10重量%添加したLiAl共晶合金板を使用すると
内部抵抗が最も小さく、サイクル劣化も小さくなり、こ
の組成範囲が負極として最も最適であることを見出し
た。なお、ここでいうLiAl共晶合金も、主としてL
i9 Al4 とLiとからなるLiAl合金の一種である
が、特に組織が均質で微細なLi9 Al4 粒子が均質に
Li中に分散しているものをいう。
とした場合の内部抵抗を測定した結果、LiにAlを5
〜10重量%添加したLiAl共晶合金板を使用すると
内部抵抗が最も小さく、サイクル劣化も小さくなり、こ
の組成範囲が負極として最も最適であることを見出し
た。なお、ここでいうLiAl共晶合金も、主としてL
i9 Al4 とLiとからなるLiAl合金の一種である
が、特に組織が均質で微細なLi9 Al4 粒子が均質に
Li中に分散しているものをいう。
【0018】完全なLiAl共晶組成はAl濃度7重量
%であり、この組成ではLi金属中に粒径1〜10μm
程度のLi9 Al4 粒子が均一に析出した組織が得られ
る。このためLiAl圧着板に比べLiの有効面積が非
常に大きい。Li9 Al4 のイオン化電位はLiと比較
して小さいので、充電時にはLi9 Al4 粒子の回りに
Li粒子が析出し、Li9 Al4 粒子がLi粒子析出の
結晶核となるため、微細なLi粒子が充電により生成
し、デントライトの生成が抑えられる。さらに、LiA
l共晶は電解液中のPCに安定であり、保護膜の成長速
度が小さく劣化が少ないという作用を有する。これはL
iとLi9 Al4 粒子のイオン化電位が異なるため、負
極表面に局所的な電池が形成され、局所的にLiが溶解
析出を繰り返すため、表面がクリーンに保たれるためと
推定されるが、その機構は未解明である。なお、Al濃
度が共晶組成である7重量%未満では、均一な共晶組織
以外に粗大なLi粒子が析出し、その部分ではLi9 A
l4 の結晶核が存在しないためデントライトが局所的に
成長すると考えられる。さらに、Al濃度が共晶組成で
ある7重量%を超えると、粗大なLi9 Al4 の粒子が
析出し、負極表面に占めるLiの面積が小さくなること
がわかった。そのため、負極の組成としてはできるだけ
共晶組成に近いものとするのが好ましく、Al濃度が5
〜10重量%の範囲が好ましい。
%であり、この組成ではLi金属中に粒径1〜10μm
程度のLi9 Al4 粒子が均一に析出した組織が得られ
る。このためLiAl圧着板に比べLiの有効面積が非
常に大きい。Li9 Al4 のイオン化電位はLiと比較
して小さいので、充電時にはLi9 Al4 粒子の回りに
Li粒子が析出し、Li9 Al4 粒子がLi粒子析出の
結晶核となるため、微細なLi粒子が充電により生成
し、デントライトの生成が抑えられる。さらに、LiA
l共晶は電解液中のPCに安定であり、保護膜の成長速
度が小さく劣化が少ないという作用を有する。これはL
iとLi9 Al4 粒子のイオン化電位が異なるため、負
極表面に局所的な電池が形成され、局所的にLiが溶解
析出を繰り返すため、表面がクリーンに保たれるためと
推定されるが、その機構は未解明である。なお、Al濃
度が共晶組成である7重量%未満では、均一な共晶組織
以外に粗大なLi粒子が析出し、その部分ではLi9 A
l4 の結晶核が存在しないためデントライトが局所的に
成長すると考えられる。さらに、Al濃度が共晶組成で
ある7重量%を超えると、粗大なLi9 Al4 の粒子が
析出し、負極表面に占めるLiの面積が小さくなること
がわかった。そのため、負極の組成としてはできるだけ
共晶組成に近いものとするのが好ましく、Al濃度が5
〜10重量%の範囲が好ましい。
【0019】本発明においてはこのLiにAlを5〜1
0重量%添加した共晶組成の近傍にあるLiAl合金板
をLiAl共晶合金板という。このLiAl共晶合金板
は負極の材料として極めてすぐれた性能を示し、電解液
への第3成分の添加、負極面積の増大、電解液中の水分
含有量の制御などと組み合わせることにより、高性能の
電池を得ることができる。特に電解液として水分が0.
1重量%以下のものを使用すれば、前記の第3成分の添
加は不要となり、さらに負極面積も正極の面積と同程度
でも電池の内部抵抗が大きくなることはない。
0重量%添加した共晶組成の近傍にあるLiAl合金板
をLiAl共晶合金板という。このLiAl共晶合金板
は負極の材料として極めてすぐれた性能を示し、電解液
への第3成分の添加、負極面積の増大、電解液中の水分
含有量の制御などと組み合わせることにより、高性能の
電池を得ることができる。特に電解液として水分が0.
1重量%以下のものを使用すれば、前記の第3成分の添
加は不要となり、さらに負極面積も正極の面積と同程度
でも電池の内部抵抗が大きくなることはない。
【0020】本発明のリチウム電池は、特に二次電池と
して優れた性能を示すが、使用の形態によっては一次電
池として使用することもできる。
して優れた性能を示すが、使用の形態によっては一次電
池として使用することもできる。
【0021】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。以下の実施例において作製した本発明電池の基本構
成を図1及び図3に示す。図1、3において1はLiA
l負極、2は正極、3は電解液、4はポリプロピレン製
の電池容器、5はシール部材、6は集電部材、7は導電
板、8はリード線である。作製した正極2および負極1
の直径はいずれも30mmである。なお、図3の構成で
はLiAl負極1の表面積と正極2の表面積はほぼ等し
くなっているが、図1の構成では負極1と電池容器4の
間には間隙が設けられていて負極1の裏側にも電解液3
が触れているので、負極1の有効面積が正極2の約2倍
と広くなっており、これにより電池の内部抵抗を低くす
る構造となっている。
的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。以下の実施例において作製した本発明電池の基本構
成を図1及び図3に示す。図1、3において1はLiA
l負極、2は正極、3は電解液、4はポリプロピレン製
の電池容器、5はシール部材、6は集電部材、7は導電
板、8はリード線である。作製した正極2および負極1
の直径はいずれも30mmである。なお、図3の構成で
はLiAl負極1の表面積と正極2の表面積はほぼ等し
くなっているが、図1の構成では負極1と電池容器4の
間には間隙が設けられていて負極1の裏側にも電解液3
が触れているので、負極1の有効面積が正極2の約2倍
と広くなっており、これにより電池の内部抵抗を低くす
る構造となっている。
【0022】〔参考例1〕導電性ポリマーとしては、合
成が簡単で安価であるポリアニリンを選び、陽イオン交
換体としてメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、エタ
ンジスルホン酸、ブタンジスルホン酸を複合化させた導
電性ポリマー/アルキルスルホン酸複合体を、アンモニ
ア水/アセトン混合溶液で可溶化処理してから有機溶媒
に溶解させキャスト成形することにより電極を作製し
た。これを正極とし、1モル/リットル濃度のLiCl
O4 /PC溶液を電解液(水分約0.2重量%)とし、
従来のLiAl圧着板を負極として図3の構成の電池を
作製し、0.2mA/cm2 の電流密度で充放電を行
い、エネルギー密度を求めた結果を表1に示す。この結
果、エタンジスルホン酸を用いた複合体が最も高エネル
ギー密度であることがわかったので、以後の実施例で
は、エタンジスルホン酸複合体を用いることにした。な
お、他のスルホン酸を用いても、性能は少し劣るが、電
池として使用することは可能である。この試験におい
て、PCを蒸留により精製し、不純物として含まれる水
分の量を0.1重量%以下にした電解液を使用してもほ
ぼ同様の結果が得られた。
成が簡単で安価であるポリアニリンを選び、陽イオン交
換体としてメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、エタ
ンジスルホン酸、ブタンジスルホン酸を複合化させた導
電性ポリマー/アルキルスルホン酸複合体を、アンモニ
ア水/アセトン混合溶液で可溶化処理してから有機溶媒
に溶解させキャスト成形することにより電極を作製し
た。これを正極とし、1モル/リットル濃度のLiCl
O4 /PC溶液を電解液(水分約0.2重量%)とし、
従来のLiAl圧着板を負極として図3の構成の電池を
作製し、0.2mA/cm2 の電流密度で充放電を行
い、エネルギー密度を求めた結果を表1に示す。この結
果、エタンジスルホン酸を用いた複合体が最も高エネル
ギー密度であることがわかったので、以後の実施例で
は、エタンジスルホン酸複合体を用いることにした。な
お、他のスルホン酸を用いても、性能は少し劣るが、電
池として使用することは可能である。この試験におい
て、PCを蒸留により精製し、不純物として含まれる水
分の量を0.1重量%以下にした電解液を使用してもほ
ぼ同様の結果が得られた。
【0023】
【表1】
【0024】〔比較例1〕1モル/リットル濃度のLi
ClO4 /PC溶液を電解液(水分約0.2重量%)と
し、参考例1の導電性ポリマー/エタンジスルホン酸複
合体電極(直径30mm、厚さ2mm)を正極とし、従
来のLiAl圧着板〔図2(b)の構造〕を負極とし
て、図3に示した構造の電池を作製し、0.2mA/c
m2 の電流密度で充放電を繰り返し、エネルギー密度
(Wh/kg)とサイクル数(充放電の回数)との関係
を調べ、劣化挙動を明らかにした結果を図4の曲線1お
よび表2の*印欄に示す。この電池の初期性能は240
Wh/kgであり、高エネルギー密度であるが、60サ
イクル後にはエネルギー密度が約30%低下し、この電
池はさらに改善の必要があることがわかる。
ClO4 /PC溶液を電解液(水分約0.2重量%)と
し、参考例1の導電性ポリマー/エタンジスルホン酸複
合体電極(直径30mm、厚さ2mm)を正極とし、従
来のLiAl圧着板〔図2(b)の構造〕を負極とし
て、図3に示した構造の電池を作製し、0.2mA/c
m2 の電流密度で充放電を繰り返し、エネルギー密度
(Wh/kg)とサイクル数(充放電の回数)との関係
を調べ、劣化挙動を明らかにした結果を図4の曲線1お
よび表2の*印欄に示す。この電池の初期性能は240
Wh/kgであり、高エネルギー密度であるが、60サ
イクル後にはエネルギー密度が約30%低下し、この電
池はさらに改善の必要があることがわかる。
【0025】〔実施例1〕比較例1と同じ構成の電池に
おいて、電解液(水分約0.2重量%)に第3成分とし
てジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン
(THF)、2メチルフラン(2MeF)、ジメチルカ
ーボネート(DMC)等の有機化合物を0.5〜50容
量%添加した電池を作製し、0.2mA/cm2 の電流
密度で充放電を繰り返し、エネルギー密度とサイクル数
との関係を調べ、劣化挙動を明らかにした結果を表2に
示す。また、表2中の**印をつけた電池を本実施例の
代表例としてそのサイクル劣化特性を図4の曲線2に示
す。この結果、第3成分を添加することにより、比較例
1(曲線1)に比べサイクル特性が大幅に改善されるこ
とがわかる。この原因としては、添加した第3成分が負
極表面に吸着し、LiとPCとの反応を抑制し、負極に
LiOH等の絶縁性物質が付着するのを抑制するため、
サイクル劣化を遅くする方向に作用したことが考えられ
る。
おいて、電解液(水分約0.2重量%)に第3成分とし
てジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン
(THF)、2メチルフラン(2MeF)、ジメチルカ
ーボネート(DMC)等の有機化合物を0.5〜50容
量%添加した電池を作製し、0.2mA/cm2 の電流
密度で充放電を繰り返し、エネルギー密度とサイクル数
との関係を調べ、劣化挙動を明らかにした結果を表2に
示す。また、表2中の**印をつけた電池を本実施例の
代表例としてそのサイクル劣化特性を図4の曲線2に示
す。この結果、第3成分を添加することにより、比較例
1(曲線1)に比べサイクル特性が大幅に改善されるこ
とがわかる。この原因としては、添加した第3成分が負
極表面に吸着し、LiとPCとの反応を抑制し、負極に
LiOH等の絶縁性物質が付着するのを抑制するため、
サイクル劣化を遅くする方向に作用したことが考えられ
る。
【0026】
【表2】
【0027】このことを実証するために、図3の電池容
器中に第3成分を添加し、負極と正極の代わりに、2枚
のLiAl圧着板を挿入したLiAl/LiAlセルを
作製し、電気抵抗の周波数依存性を交流インピーダンス
法により解析し、負極表面での電荷移動反応(Li+ +
e- =Li)の抵抗を決定し、電解液中で負極を保持し
た時の電荷移動抵抗(RCT)と保持時間との関係を調べ
た結果を表3に示す。この結果、第3成分の添加によ
り、RCTの増加が抑制されることが明らかとなった。添
加した第3成分が負極表面に吸着し、絶縁性の保護膜の
形成を抑制するため、サイクル劣化特性の改善に有効な
作用を及ぼしていると考えられる。
器中に第3成分を添加し、負極と正極の代わりに、2枚
のLiAl圧着板を挿入したLiAl/LiAlセルを
作製し、電気抵抗の周波数依存性を交流インピーダンス
法により解析し、負極表面での電荷移動反応(Li+ +
e- =Li)の抵抗を決定し、電解液中で負極を保持し
た時の電荷移動抵抗(RCT)と保持時間との関係を調べ
た結果を表3に示す。この結果、第3成分の添加によ
り、RCTの増加が抑制されることが明らかとなった。添
加した第3成分が負極表面に吸着し、絶縁性の保護膜の
形成を抑制するため、サイクル劣化特性の改善に有効な
作用を及ぼしていると考えられる。
【0028】
【表3】
【0029】〔実施例2〕実施例1で用いた図2(b)
の構造のLiAl圧着板からなるLiAl電極は、RCT
が大きいので、負極の有効面積をさらに大きくすること
を試みた。実施例1で用いたLiAl圧着板は、厚さ2
00μmのAl板とLi板を接合したものであり、表側
は高Li濃度のLiAl合金であり、裏側はAlであ
る。このため、表側の面しか充放電に寄与していない。
そこで、本実施例では、厚さ200μmのAl板を2枚
の厚さ200μmのLi板で挟んで張り合わせ、熱間プ
レスして接合し、図2(a)に示す負極の両面がLiA
l合金であるサンドイッチ状の構造の負極を用いると、
内部抵抗が表3の値の約1/2と小さくなることを確認
した。この負極を用いた図1の構造の電池を作製し、
0.2mA/cm2 の電流密度で充放電を繰り返し、エ
ネルギー密度とサイクル数との関係を調べ、劣化挙動を
明らかにした結果を表4に示す。また、表4中の**印
をつけた電池を本実施例の代表例としてそのサイクル劣
化特性を図4の曲線3に示す。
の構造のLiAl圧着板からなるLiAl電極は、RCT
が大きいので、負極の有効面積をさらに大きくすること
を試みた。実施例1で用いたLiAl圧着板は、厚さ2
00μmのAl板とLi板を接合したものであり、表側
は高Li濃度のLiAl合金であり、裏側はAlであ
る。このため、表側の面しか充放電に寄与していない。
そこで、本実施例では、厚さ200μmのAl板を2枚
の厚さ200μmのLi板で挟んで張り合わせ、熱間プ
レスして接合し、図2(a)に示す負極の両面がLiA
l合金であるサンドイッチ状の構造の負極を用いると、
内部抵抗が表3の値の約1/2と小さくなることを確認
した。この負極を用いた図1の構造の電池を作製し、
0.2mA/cm2 の電流密度で充放電を繰り返し、エ
ネルギー密度とサイクル数との関係を調べ、劣化挙動を
明らかにした結果を表4に示す。また、表4中の**印
をつけた電池を本実施例の代表例としてそのサイクル劣
化特性を図4の曲線3に示す。
【0030】
【表4】
【0031】以上の参考例1、実施例1、2及び比較例
1はいずれも約0.2重量%の水分を含む電解液を使用
したものであるが、これらの結果から明らかなように、
本発明に従い第3成分を添加し、有効面積の大きい負極
を用いることにより、サイクル劣化特性が大幅に改善さ
れることがわかった。この原因としては、電解液とLi
との反応で絶縁性の物質が生成したとしても、最初の負
極の面積が大きいので、全面積に占める被毒された面積
の相対的な割合が小さく、サイクル劣化が抑制されるの
で、高エネルギー密度で寿命の長い電池が得られると考
えられる。
1はいずれも約0.2重量%の水分を含む電解液を使用
したものであるが、これらの結果から明らかなように、
本発明に従い第3成分を添加し、有効面積の大きい負極
を用いることにより、サイクル劣化特性が大幅に改善さ
れることがわかった。この原因としては、電解液とLi
との反応で絶縁性の物質が生成したとしても、最初の負
極の面積が大きいので、全面積に占める被毒された面積
の相対的な割合が小さく、サイクル劣化が抑制されるの
で、高エネルギー密度で寿命の長い電池が得られると考
えられる。
【0032】〔参考例2〕1モル/リットル濃度のLi
ClO4 /PC溶液からなる電解液(水分0.1重量%
以下)に2枚の組成の異なるLiAl合金からなる負極
を浸してLiAl/LiAlセルを作製し、交流インピ
ーダンス法により負極1枚当たりの電荷移動(Li+ +
e- =Li)抵抗と内部抵抗の保持時間依存性を測定し
た結果を表5に示す。
ClO4 /PC溶液からなる電解液(水分0.1重量%
以下)に2枚の組成の異なるLiAl合金からなる負極
を浸してLiAl/LiAlセルを作製し、交流インピ
ーダンス法により負極1枚当たりの電荷移動(Li+ +
e- =Li)抵抗と内部抵抗の保持時間依存性を測定し
た結果を表5に示す。
【0033】表5の結果から次のことがいえる。純Li
金属は内部抵抗が小さいが、長時間保持するとPCと反
応し、負極表面に保護膜が形成されるため、電荷移動抵
抗が非常に大きくなり、劣化が著しいので、負極材料と
して適さない。LiAl圧着板は内部抵抗が大きい。こ
れはLiの有効面積が小さいためである。また、長時間
保持すると電荷移動抵抗が大きくなる傾向がある。これ
に対し、LiにAlを5〜10重量%添加したLiAl
共晶合金板では、内部抵抗はLiとほぼ同じであり、長
時間保持したときの電荷移動抵抗の増加も小さく、負極
として安定な性能を有している。特にLi7重量%の正
確な共晶組成のものが最も優れている。実際に組織をS
EMにより観察した結果、前述のように共晶組成では微
細なLi粒子が充電により生成するが、共晶組成からA
l濃度が小さくなってくると、デントライトの成長が局
所的に生じるようになり、また、Al濃度が大きくなる
とLi9 Al4 の粒子が粗大化するのが認められた。こ
の結果、LiにAlを5〜10重量%添加した組成のL
iAl共晶合金板が負極の材料として優れていることが
わかった。なお、LiAl共晶合金板負極でも、水分が
含まれると劣化が大きくなる傾向がある。また、微量の
水分が含まれる場合でも、前記第3成分を添加すると劣
化が小さくなる傾向がある。
金属は内部抵抗が小さいが、長時間保持するとPCと反
応し、負極表面に保護膜が形成されるため、電荷移動抵
抗が非常に大きくなり、劣化が著しいので、負極材料と
して適さない。LiAl圧着板は内部抵抗が大きい。こ
れはLiの有効面積が小さいためである。また、長時間
保持すると電荷移動抵抗が大きくなる傾向がある。これ
に対し、LiにAlを5〜10重量%添加したLiAl
共晶合金板では、内部抵抗はLiとほぼ同じであり、長
時間保持したときの電荷移動抵抗の増加も小さく、負極
として安定な性能を有している。特にLi7重量%の正
確な共晶組成のものが最も優れている。実際に組織をS
EMにより観察した結果、前述のように共晶組成では微
細なLi粒子が充電により生成するが、共晶組成からA
l濃度が小さくなってくると、デントライトの成長が局
所的に生じるようになり、また、Al濃度が大きくなる
とLi9 Al4 の粒子が粗大化するのが認められた。こ
の結果、LiにAlを5〜10重量%添加した組成のL
iAl共晶合金板が負極の材料として優れていることが
わかった。なお、LiAl共晶合金板負極でも、水分が
含まれると劣化が大きくなる傾向がある。また、微量の
水分が含まれる場合でも、前記第3成分を添加すると劣
化が小さくなる傾向がある。
【0034】なお、表5の(※)を付した試料は、購入
したPCを精製せずそのまま用いた例(水分含有量0.
2重量%)であり、精製したPCを使用した場合に比較
して負極の電化移動抵抗が非常に大きくなる。試験終了
後、負極の表面をX線マイクロアナライザーで分析した
結果、Liと水との反応により生成したLiOH等の絶
縁性物質が付着した皮膜が形成されているのが観察され
た。また、表5の(※※)を付した試料は未精製のPC
に第3成分としてTHFを2容量%添加したものであ
り、第3成分の添加により劣化が抑えられることがわか
る。表5の(※)及び(※※)以外の試料についての値
は蒸留により精製したPCを用いたものであり、ガスク
ロマトグラフによる分析では水分は検出されず、水分含
有量は0.1重量%以下であることが判明した。この場
合、Li負極の表面にはLiOH等の絶縁性物質は観察
されなかった。この参考例の結果から、均一な組成を持
つLiAl共晶合金板を用い、水分含有量0.1重量%
以下の高純度の電解液を用いることが、劣化の少ない高
性能のリチウム二次電池を得る上で重要な要件であるこ
とが明らかとなった。
したPCを精製せずそのまま用いた例(水分含有量0.
2重量%)であり、精製したPCを使用した場合に比較
して負極の電化移動抵抗が非常に大きくなる。試験終了
後、負極の表面をX線マイクロアナライザーで分析した
結果、Liと水との反応により生成したLiOH等の絶
縁性物質が付着した皮膜が形成されているのが観察され
た。また、表5の(※※)を付した試料は未精製のPC
に第3成分としてTHFを2容量%添加したものであ
り、第3成分の添加により劣化が抑えられることがわか
る。表5の(※)及び(※※)以外の試料についての値
は蒸留により精製したPCを用いたものであり、ガスク
ロマトグラフによる分析では水分は検出されず、水分含
有量は0.1重量%以下であることが判明した。この場
合、Li負極の表面にはLiOH等の絶縁性物質は観察
されなかった。この参考例の結果から、均一な組成を持
つLiAl共晶合金板を用い、水分含有量0.1重量%
以下の高純度の電解液を用いることが、劣化の少ない高
性能のリチウム二次電池を得る上で重要な要件であるこ
とが明らかとなった。
【0035】
【表5】 (※)は精製していない電解液(水分含有量約0.2重量%)を使用 (※※)は精製していない電解液(水分含有量約0.2重量%)にTHFを 2容量%添加したもの
【0036】〔比較例2〕1モル/リットル濃度のLi
ClO4 /PC溶液を電解液(水分0.1重量%以下)
とし、参考例1の導電性ポリマー/エタンジスルホン酸
複合体電極(直径30mm、厚さ2mm)を正極とし、
LiAl圧着板を負極として、図3に示した構造の電池
を作製した。0.2mA/cm2 の電流密度で充放電を
繰り返し、エネルギー密度(Wh/kg)と充放電サイ
クル数(充放電の回数)との関係を求めた結果を図5の
曲線1と表6の比較例に示す。この電池の初期性能は2
38Wh/kgであるが、200サイクル後にはエネル
ギー密度が約50%に低下するので、さらなる劣化特性
の改善が必要である。
ClO4 /PC溶液を電解液(水分0.1重量%以下)
とし、参考例1の導電性ポリマー/エタンジスルホン酸
複合体電極(直径30mm、厚さ2mm)を正極とし、
LiAl圧着板を負極として、図3に示した構造の電池
を作製した。0.2mA/cm2 の電流密度で充放電を
繰り返し、エネルギー密度(Wh/kg)と充放電サイ
クル数(充放電の回数)との関係を求めた結果を図5の
曲線1と表6の比較例に示す。この電池の初期性能は2
38Wh/kgであるが、200サイクル後にはエネル
ギー密度が約50%に低下するので、さらなる劣化特性
の改善が必要である。
【0037】〔実施例3〕1モル/リットル濃度のLi
ClO4 /PC溶液を電解液(水分0.1重量%以下)
とし、参考例1の導電性ポリマー/エタンジスルホン酸
複合体電極(直径30mm、厚さ2mm)を正極とし、
LiAl共晶板を負極として、図3に示した構造の電池
を作製した。0.2mA/cm2 の電流密度で充放電を
繰り返し、エネルギー密度(Wh/kg)と充放電サイ
クル数(充放電の回数)との関係を求めた結果を図5及
び表6に示す。図5の曲線1はLiAl圧着板を負極と
する電池、曲線2はLi5重量%Al、曲線3はLi7
重量%Alをそれぞれ負極とする電池の結果である。共
晶組成の負極を用いることによりサイクル劣化の小さい
電池が得られることがわかる。
ClO4 /PC溶液を電解液(水分0.1重量%以下)
とし、参考例1の導電性ポリマー/エタンジスルホン酸
複合体電極(直径30mm、厚さ2mm)を正極とし、
LiAl共晶板を負極として、図3に示した構造の電池
を作製した。0.2mA/cm2 の電流密度で充放電を
繰り返し、エネルギー密度(Wh/kg)と充放電サイ
クル数(充放電の回数)との関係を求めた結果を図5及
び表6に示す。図5の曲線1はLiAl圧着板を負極と
する電池、曲線2はLi5重量%Al、曲線3はLi7
重量%Alをそれぞれ負極とする電池の結果である。共
晶組成の負極を用いることによりサイクル劣化の小さい
電池が得られることがわかる。
【0038】さらに、図5に示した試験終了後、負極を
取出し、SEMで組織観察を行った結果、Li7重量%
Al共晶組成では、粒径0.5〜2μmのLi結晶が生
成しているのに対し、完全な共晶組成から少しずれたL
i5重量%Al組成では、微細なLi粒子以外に局所的
に大きさ5×20μm程度のデントライト結晶が生成し
ているのが観察された。そこで、劣化の少ない二次電池
を得るためには、LiにAlを5〜10重量%添加した
LiAl共晶合金板が好ましく、その中でもLi7重量
%Al共晶組成に近いものが好ましいことがわかった。
取出し、SEMで組織観察を行った結果、Li7重量%
Al共晶組成では、粒径0.5〜2μmのLi結晶が生
成しているのに対し、完全な共晶組成から少しずれたL
i5重量%Al組成では、微細なLi粒子以外に局所的
に大きさ5×20μm程度のデントライト結晶が生成し
ているのが観察された。そこで、劣化の少ない二次電池
を得るためには、LiにAlを5〜10重量%添加した
LiAl共晶合金板が好ましく、その中でもLi7重量
%Al共晶組成に近いものが好ましいことがわかった。
【0039】
【表6】
【0040】以上の参考例2、比較例2及び実施例3は
いずれも水分を0.1重量%以下とした電解液を使用し
たものであるが、これらの結果から、負極材料としてL
iにAlを5〜10重量%添加したLiAl共晶合金板
を使用することにより電池の性能が著しく向上し、電解
液中の水分を0.1重量%以下とすれば、電解液中に第
3成分を添加したり、負極の表面積を正極の表面積に比
べて大きくする必要もなく、高性能の電池が得られるこ
とがわかる。
いずれも水分を0.1重量%以下とした電解液を使用し
たものであるが、これらの結果から、負極材料としてL
iにAlを5〜10重量%添加したLiAl共晶合金板
を使用することにより電池の性能が著しく向上し、電解
液中の水分を0.1重量%以下とすれば、電解液中に第
3成分を添加したり、負極の表面積を正極の表面積に比
べて大きくする必要もなく、高性能の電池が得られるこ
とがわかる。
【0041】
【発明の効果】本発明のリチウム電池は次の効果を奏す
るものであり、移動用や電力貯蔵用の電源として、産業
上の利用価値が大きい。 (1)電解液中に第3成分を添加することにより、電解
液中に0.2重量%程度の水分が含まれていても、軽量
・高エネルギー密度でサイクル劣化の少ないリチウム高
分子二次電池が得られる。 (2)さらに、有効面積の大きいLiAl合金負極を採
用することにより、性能が向上する。 (3)負極のLiAl合金としてLiにAlを5〜10
重量%添加したLiAl共晶合金板を使用することによ
り電池の性能が著しく向上し、電解液中の水分を0.1
重量%以下とすれば、電解液中に第3成分を添加した
り、負極の表面積を正極の表面積に比べて大きくする必
要もなく、高性能の電池を得ることができる。
るものであり、移動用や電力貯蔵用の電源として、産業
上の利用価値が大きい。 (1)電解液中に第3成分を添加することにより、電解
液中に0.2重量%程度の水分が含まれていても、軽量
・高エネルギー密度でサイクル劣化の少ないリチウム高
分子二次電池が得られる。 (2)さらに、有効面積の大きいLiAl合金負極を採
用することにより、性能が向上する。 (3)負極のLiAl合金としてLiにAlを5〜10
重量%添加したLiAl共晶合金板を使用することによ
り電池の性能が著しく向上し、電解液中の水分を0.1
重量%以下とすれば、電解液中に第3成分を添加した
り、負極の表面積を正極の表面積に比べて大きくする必
要もなく、高性能の電池を得ることができる。
【図1】本発明のリチウム電池の一実施態様の構造を示
す図。
す図。
【図2】本発明の一実施態様におけるLiAl圧着板負
極の構造と従来のLiAl圧着板負極の構造とを比較し
て示す模式図。
極の構造と従来のLiAl圧着板負極の構造とを比較し
て示す模式図。
【図3】本発明のリチウム電池の他の実施態様の構造を
示す図。
示す図。
【図4】比較例1の従来品電池と、本発明の実施例1及
び実施例2をそれぞれ代表するリチウム二次電池の、エ
ネルギー密度の充放電サイクルにともなう変化を比較し
て示すグラフ。
び実施例2をそれぞれ代表するリチウム二次電池の、エ
ネルギー密度の充放電サイクルにともなう変化を比較し
て示すグラフ。
【図5】比較例2の従来品電池と、本発明の実施例3を
代表するリチウム二次電池の、エネルギー密度の充放電
サイクルにともなう変化を比較して示すグラフ。
代表するリチウム二次電池の、エネルギー密度の充放電
サイクルにともなう変化を比較して示すグラフ。
Claims (8)
- 【請求項1】 導電性ポリマー中に陽イオン交換体とし
てアニオン性低分子量化合物であるアルキルスルホン酸
を複合化させてなる導電性ポリマー/アルキルスルホン
酸複合体を正極とし、プロピレンカーボネートを主成分
とする有機溶媒中に過塩素酸リチウムを溶かし、さらに
第3成分としてジメトキシエタン、テトラヒドロフラ
ン、2メチルフラン、ジメチルカーボネートから選ばれ
る低分子量有機化合物を添加した非水溶液を電解液と
し、かつLiAl合金を負極としてなることを特徴とす
るリチウム電池。 - 【請求項2】 前記第3成分の添加量が0.5〜50容
量%であることを特徴とする請求項1記載のリチウム電
池。 - 【請求項3】 前記負極が主としてLiとLi9 Al4
粒子とから構成されるLiAl合金板からなり、かつ前
記正極よりも有効面積が大きいことを特徴とする請求項
1または2に記載のリチウム電池。 - 【請求項4】 前記負極がLiにAlを5〜10重量%
添加したLiAl共晶合金板からなることを特徴とする
請求項1または2に記載のリチウム電池。 - 【請求項5】 導電性ポリマー中に陽イオン交換体とし
てアニオン性低分子量化合物であるアルキルスルホン酸
を複合化させてなる導電性ポリマー/アルキルスルホン
酸複合体を正極とし、プロピレンカーボネートを主成分
とする有機溶媒中に過塩素酸リチウムを溶かした非水溶
液を電解液とし、かつLiにAlを5〜10重量%添加
したLiAl共晶合金板を負極としてなることを特徴と
するリチウム電池。 - 【請求項6】 前記電解液の水分含有量が0.1重量%
以下であることを特徴とする請求項5に記載のリチウム
電池。 - 【請求項7】 前記導電性ポリマーがポリアニリン,ポ
リピロール,ポリチオフェン,ポリフランから選ばれる
ものであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれ
かに記載のリチウム電池。 - 【請求項8】 前記アルキルスルホン酸がメタンスルホ
ン酸、エタンスルホン酸、エタンジスルホン酸及びブタ
ンジスルホン酸から選ばれるものであることを特徴とす
る請求項1ないし7のいずれかに記載のリチウム電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8008539A JPH08339826A (ja) | 1995-04-12 | 1996-01-22 | リチウム電池 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8696095 | 1995-04-12 | ||
JP7-86960 | 1995-04-12 | ||
JP8008539A JPH08339826A (ja) | 1995-04-12 | 1996-01-22 | リチウム電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08339826A true JPH08339826A (ja) | 1996-12-24 |
Family
ID=26343074
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8008539A Withdrawn JPH08339826A (ja) | 1995-04-12 | 1996-01-22 | リチウム電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08339826A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100354231B1 (ko) * | 2000-07-25 | 2002-09-27 | 삼성에스디아이 주식회사 | 리튬 설퍼 전지용 전해액 |
KR100441514B1 (ko) * | 2001-10-15 | 2004-07-23 | 삼성에스디아이 주식회사 | 리튬-설퍼 전지용 전해액 및 이를 포함하는 리튬-설퍼 전지 |
KR100884479B1 (ko) * | 2006-07-28 | 2009-02-20 | 주식회사 엘지화학 | 공융혼합물을 이용한 이차 전지 및 이의 제조 방법 |
WO2013172222A1 (ja) * | 2012-05-14 | 2013-11-21 | 日東電工株式会社 | 蓄電デバイス、それに用いる正極並びに多孔質シート、およびドープ率向上方法 |
JP2013239306A (ja) * | 2012-05-14 | 2013-11-28 | Nitto Denko Corp | デュアルモード型蓄電デバイス |
JP2022550822A (ja) * | 2020-05-18 | 2022-12-05 | エルジー エナジー ソリューション リミテッド | リチウム二次電池用電解液及びこれを含むリチウム二次電池 |
JP2022550941A (ja) * | 2020-05-12 | 2022-12-06 | エルジー エナジー ソリューション リミテッド | リチウム二次電池用電解液及びこれを含むリチウム二次電池 |
-
1996
- 1996-01-22 JP JP8008539A patent/JPH08339826A/ja not_active Withdrawn
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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---|---|---|---|
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