JPH08338605A - 蒸気乾燥器および原子炉の気水分離システム - Google Patents

蒸気乾燥器および原子炉の気水分離システム

Info

Publication number
JPH08338605A
JPH08338605A JP7145893A JP14589395A JPH08338605A JP H08338605 A JPH08338605 A JP H08338605A JP 7145893 A JP7145893 A JP 7145893A JP 14589395 A JP14589395 A JP 14589395A JP H08338605 A JPH08338605 A JP H08338605A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steam
liquid film
plate
pocket
corrugated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7145893A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Nagase
誠 長瀬
Michio Murase
道雄 村瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP7145893A priority Critical patent/JPH08338605A/ja
Publication of JPH08338605A publication Critical patent/JPH08338605A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin

Landscapes

  • Separating Particles In Gases By Inertia (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】構造がよりシンプルでコンパクトな蒸気乾燥器
を提供する。 【構成】波板平板20に設けられている液膜捕集ポケッ
ト22、23を、蒸気の流れの上流側から正面に見える
波板と同じ側の表面および次の下流側屈曲部の前記液膜
捕集ポケットと反対側の波板表面に設けるとともに、前
記上流側から正面に見える波板に設けられている液膜捕
集ポケット22の入口を、蒸気の流れの上流側から正面
に見えない位置に配置するようになし、かつ前記液膜捕
集ポケットと反対側の波板表面に設けられている液膜捕
集ポケット23の入口を、次の屈曲部の下流側で屈曲部
の上流側から見えない位置に配置するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子炉の気水分離シス
テムおよびその気水分離システムに用いられる蒸気乾燥
器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来一般に沸騰水型原子炉で用いられて
いる気水分離システムは、原子炉の炉心で発生した水・
蒸気混合物を遠心力を用いて水と蒸気に分離する気水分
離器と、気水分離器から出た液滴等の水分を含んだ湿り
蒸気から液滴を除去する蒸気乾燥器とから構成されてい
るのが普通である。
【0003】このうち、蒸気乾燥器では気水分離器から
放出された湿り蒸気をフードプレートにより、流量を配
分する多孔板に導き、多孔板を介して波板式ベーンに導
く。ここでは、液滴と蒸気の慣性力の差を利用して、慣
性力の大きい液滴を波板式ベーン上に衝突させて捕集す
る。衝突した液滴はベーン上を重力によって流れ落ちド
レン樋によって集められ、ドレンパイプを介してダウン
カマへと排出される。
【0004】この種の沸騰水型原子炉用の気水分離シス
テムの公知例としては、例えば特開平6−222190
号公報が挙げられる。このものでは、蒸気乾燥器の蒸気
流路に大きな液滴を捕集する部分とその下流側に小さな
液滴を捕集する部分とを設けることにより、圧力損失を
あまり大きくすること無く、液滴分離効率を向上させる
ようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般に、蒸気乾燥器で
は圧力損失が小さく、液滴分離効率が良いものほど好ま
しいことは当然のことであるが、これら2つの因子,す
なわち圧力損失と液滴分離効率とは互いに相反する関係
にある。また、蒸気乾燥器は工業的には製作性が良く、
かつシンプルで、コンパクトなものが好ましいと言え
る。
【0006】しかしながら、前述した従来の蒸気乾燥器
では、圧力損失の増加を最小限に、かつ液滴分離効率を
向上させるものであったが、その構造はより複雑になる
ため製作性が低下する嫌いがあり、また体格の点でもそ
れまでのものと大差がない。
【0007】本発明はこれに鑑みなされたもので、その
目的とするところは、その構造がよりシンプル、かつコ
ンパクトにして、圧力損失が小さく、液滴分離効率を向
上させることのできるこの種の蒸気乾燥器を提供するに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、波板
平板が複数平行に組み合わされて波板平板間に蒸気流路
が形成されるとともに、波板平板の表面に液膜捕集ポケ
ットが設けられ、この液膜捕集ポケットにより波板平板
間を流通する蒸気の液滴を捕集するようになした蒸気乾
燥器において、前記液膜捕集ポケットを、蒸気の流れの
上流側から正面に見える波板と同じ側の表面および次の
下流側屈曲部の前記液膜捕集ポケットと反対側の波板表
面に設けるとともに、前記上流側から正面に見える波板
に設けられている液膜捕集ポケットの入口を、蒸気の流
れの上流側から正面に見えない位置に配置するようにな
し、かつ前記液膜捕集ポケットと反対側の波板表面に設
けられている液膜捕集ポケットの入口を、次の屈曲部の
下流側で屈曲部の上流側から見えない位置に配置するよ
うになし所期の目的を達成するようにしたものである。
【0009】また、蒸気の流路となる多数の孔を有する
多孔板が複数平行に組み合わされ、かつその夫々の孔の
周囲に液膜捕集ポケットが設けられ、この液膜捕集ポケ
ットにより流通する蒸気の液滴を捕集するようになした
蒸気乾燥器において、前記多孔板を、蒸気の上流側の多
孔板の孔から下流側の多孔板の液膜捕集ポケットの開口
部が見えないように組み合わせるようにしたものであ
る。
【0010】また、蒸気の流路となる多数のスリットを
有する平板が複数平行に組み合わされ、かつその夫々の
スリットの周囲に液膜捕集ポケットが設けられ、この液
膜捕集ポケットによりスリットを流通する蒸気の液滴を
捕集するようになした蒸気乾燥器において、前記平板
を、蒸気の上流側の平板のスリットから下流側の平板の
液膜捕集ポケットの開口部が見えないように組み合わせ
るようにしたものである。
【0011】
【作用】すなわちこのように形成された蒸気乾燥器であ
ると、上流側から正面に見える波板に設けられている液
膜捕集ポケットの入口が、蒸気の流れの上流側から正面
に見えない位置に配置されていることから、蒸気流通路
を短長にして液滴除去効率を一段と向上させることがで
きるのである。すなわち、乾燥器に流入する蒸気の液滴
は流路の正面に見える部分に慣性力で多くが衝突する。
したがって、もし多孔板から見て正面に位置する場所に
液膜を捕集するポケットの入口が見えると、ポケットの
外側にも液滴が付着し、液滴の持つ運動量と気流による
摩擦により、付着した液滴により生成した液膜が流路の
下流側に引きずられるように移動し、次の流路の屈折部
で再び液滴を発生することになる。つまり、片側1ヶ所
しかポケットが存在しない1山タイプの波板式ベーンで
は、このような液滴を再捕集することができない。そこ
で、多孔板から見て正面に位置する場所に液膜を捕集す
るポケットの入口が見えないようにすることは、液滴除
去効率を向上させる作用があるのである。
【0012】また、蒸気乾燥器をシンプルでコンパクト
に構成するためには、波板式ベーンによる蒸気の流路長
を短くして、例えば流路長を半減して蒸気乾燥器のユニ
ットの厚みを半分にし、ユニットの数を倍増すれば、ユ
ニットの高さを半減することにより、蒸気乾燥器全体の
高さを半減することができる。波板式ベーンによる蒸気
の流路長を短くするためには、これまで用いられてきた
4山式の波板を1山とすれば良い。ただし、単純に山の
数を減らしただけでは液滴分離効率が低下するので、流
路の屈折角度を大きくするとともに、流路の両側に設置
されている液膜捕集ポケットの入口を蒸気の流れの上流
側から見えない位置に配置すればよい。
【0013】また、好ましくは、波板式ベーンの出入口
に設置されて流量配分を行う多孔板の蒸気入口側の少な
くとも上方半分に上から流れ落ちる液膜が穴にかからな
いようにするための障害物を設置することによって、蒸
気乾燥器全体での液滴捕集効率を向上できる。
【0014】波板式ベーンの山の数をこれまで用いられ
てきた4山から3山、2山、1山と減らしていくことに
より、蒸気の流路長が短くなるとともに、当然のことな
がら圧力損失も低下する。一方、山数を減らしたことに
より液滴除去効率の低下が生じるがその割合は小さいこ
とが解析および実験から明らかとなってきている。特
に、波板の屈折角度を大きくすると最初の1山による液
滴除去が一層顕著となり、後段の山が液滴除去に果たす
役割が小さくなる。
【0015】このことは、前述したように多孔板の穴を
通過した液滴が流路の正面に見える部分に慣性力で多く
が衝突することを意味する。したがって、多孔板から見
て正面に位置する場所に液膜を捕集するポケットの入口
が見えると、ポケットの外側にも液滴が付着し、液滴の
持つ運動量と気流による摩擦により、付着した液滴によ
り生成した液膜が流路の下流側に引きずられるように移
動し、次の流路の屈折部で再び液滴を発生することも考
えられる。つまり、片側1ヶ所しかポケットが存在しな
い1山タイプの波板式ベーンでは、このような液滴を再
捕集することができない。そこで、多孔板から見て正面
に位置する場所に液膜を捕集するポケットの入口が見え
ないようにすることは、液滴除去効率を向上させる作用
がある。
【0016】波板式ベーンの前後に設置されている多孔
板の流路上流側の穴の少なくとも上方半分に上から流れ
落ちる液膜が穴にかからないようにするための障害物を
設置することは、多孔板に液滴が衝突して形成された液
膜が多孔板の穴から下流側に液滴として再飛散すること
を防止する作用がある。
【0017】
【実施例】以下図示した実施例に基づいて本発明を詳細
に説明する。第1の実施例を図1から図10により説明
する。まず、図2には典型的な沸騰水型原子炉の構造が
示されている。ここに示された沸騰水型原子炉では、冷
却水は炉心2の下方に位置する下部プレナム1から炉心
に流入し、炉心2を構成する燃料集合体により過熱さ
れ、蒸気と水の混合物となって上部プレナム3へと流出
する。そして、蒸気と水の混合物は、上部プレナム3を
覆うシュラウドヘッド4の上面に取り付けられたスタン
ドパイプ5を通して気水分離器6に流入し、水と蒸気と
に分離される。
【0018】気水分離器6の上部より放出された液滴を
含む湿り蒸気は、湿り蒸気プレナム7を経て蒸気乾燥器
8へと導かれ、湿り蒸気中の液滴が除去される。蒸気乾
燥器8で水分を除去された蒸気は、主蒸気配管9を通っ
て蒸気タービンへと導かれる。蒸気乾燥器8に要求され
る性能は、一般に蒸気中の含水率を0.1(重量)%以
下とすることである。一方、蒸気乾燥器8で分離された
液滴や気水分離器6で分離された水は、給水配管から供
給される水と合流して炉心2の外周部に設けられたシュ
ラウド10と圧力容器11との間のダウンカマ12を下
降し、インターナルポンプ13により下部プレナム1へ
と強制循環される。
【0019】本実施例は、蒸気乾燥器8の構成に係るも
のであって、その全体構造が図3、図4に示されてい
る。この図において本実施例の蒸気乾燥器は、スカート
14と、スカート14の上に複数個の蒸気乾燥器ユニッ
ト15と湿り蒸気17の流路を形成するフードプレート
16とから構成される。
【0020】この蒸気乾燥器ユニット15の水平断面が
図1に示されている。蒸気乾燥器ユニット15は、さら
にフードプレート16により導かれた湿り蒸気17の流
量配分を行う入口側多孔板18と、入口側多孔板18を
通して供給された湿り蒸気17中の液滴を除去する複数
のユニット内流路19を形成する複数の波板20、およ
び出口側に配置された流量配分用の出口多孔板21とか
ら構成される。
【0021】複数の波板20のそれぞれは、互いに平行
に配置され、屈折したユニット内流路19を形成してい
る。ユニット内流路19内には、付着した液滴により形
成される液膜を捕集するための第1ポケット22と第2
ポケット23が設けられている。今、波板20の間隔を
d、第1ポケット22の開口部側のポケット構成板の長
さをa、ポケット巾をb、屈曲部流路巾をc、屈曲部の
長さをe、ポケットを構成する板の厚みをt、屈曲部の
角度をθとするとき、波板20のそれぞれが互いに平行
であることから、以下に示す式1の関係がある。
【0022】
【数1】 d=b+c+t …(1) さらに、本実施例では第1ポケット22の開口部が入口
多孔板18側から見えないようにするため、以下に示す
式2の関係を満たす必要がある。
【0023】
【数2】 (e−a)sinθ+b>d …(2) 式2に式1を代入すれば、結局式3の関係を満たすこと
が第1ポケット22の開口部が入口多孔板18側から見
えないための条件となる。
【0024】
【数3】 (e−a)sinθ>c+t …(3) このように、第1ポケット22の開口部が入口多孔板1
8側から見えないようにユニット内流路19を設計する
理由を図5を用いて説明する。
【0025】図5は、2山の屈曲部を持つ蒸気乾燥器ユ
ニット15で屈曲部の角度θが45度の時に第1ポケッ
ト22の開口部が入口多孔板18側から見える場合に、
液滴の挙動を解析した結果である。この図からわかるよ
うに、入口多孔板18側から入射した液滴は、流路正面
に見える波板と第1ポケット22を構成する分離板の外
側に衝突して付着するものが大半を占める。そして、次
の屈曲部の正面側にいくらかの液滴が付着し、その下流
側ではもはや液滴が付着する場所はない。
【0026】これは、最初の流路屈折位置で粒径の大き
い液滴が慣性力によって曲がりきれずに正面に見える部
位に衝突付着し、気流に乗って曲がった小さな液滴粒子
が次のより大きな屈折位置で曲がりきれずにその中で大
きめの液滴が付着するが、2つの屈曲部を通過した極小
さい液滴は気流に乗って出口多孔板21に到達するため
である。さらに、この図から2山目の部位は液滴除去に
ほとんど寄与していないこともわかる。
【0027】この図では付着した液滴の動きを考慮して
いないが、実際には第1ポケット22を構成する分離板
の外側に衝突して付着した液滴は、気流からの摩擦力を
受けて下流側に移動しながら下降する。その際、次の屈
折位置で再び液滴として飛散する可能性も存在する。
【0028】この場合には下流側の2山目の屈曲部が液
滴除去に寄与することも考えられる。つまり、このよう
なことを想定しなければならないのは、第1ポケット2
2を構成する分離板の外側にかなりの量の液滴が付着す
ることが原因であるから、先に示した数3の関係を満た
すようにして、第1ポケット22の開口部が入口多孔板
18側から見えないようにすれば、分離板の外側に付着
する液滴がほとんどなくなり、2山目の液滴除去効果を
期待する必要もなく、図1に示したような1山で十分な
液滴除去性能を有する蒸気乾燥器ユニット15が成立す
る。
【0029】第1ポケット22の開口部が入口多孔板1
8側から見えないようにした例として、具体的には、a
=10mm、b=5mm、c=10mm、d=16m
m、e=24mm、t=1mm、θ=60°とすれば、
数1から数3までのいずれの関係も満たす。この条件で
1山の波板によって構成された流路の液滴の挙動を解析
した結果を図6に示す。この図では、第1ポケット22
の開口部が入口多孔板18側から見えないようになって
いるため、もはや分離板の外側に付着する液滴はなくな
っている。
【0030】図7には4山の波板で構成された蒸気乾燥
器ユニット15における屈曲部の角度θと圧力損失の関
係を示す。図7からθの角度が大きくなるほど圧力損失
も大きくなっているが、山の数を4山から1山に減らす
ことで圧力損失の大きさは、60°で1山の場合は30
°で4山の場合に比べてあまり大きくなることがないこ
とがわかる。
【0031】蒸気乾燥器ユニット15における屈曲部の
角度θに関わらず1山の長さを一定と考えると、波板の
前後の直線部の合計長さを40mmとしても、4山では
入口多孔板18と出口多孔板21との間隔は136mm
となり、1山ではその間隔は64mmとなり半分以下と
できる。したがって、図3には6列の蒸気乾燥器ユニッ
ト15を備えた蒸気乾燥器8を示されているが、蒸気乾
燥器ユニット15の厚さが半分となれば、図8、図9に
示すように高さを半分とした12列の蒸気乾燥器ユニッ
ト15を備えた蒸気乾燥器8を製作することができる。
【0032】このように、蒸気乾燥器8の高さが半分と
なることで、原子炉圧力容器11の高さや原子炉建屋の
高さをその分だけ低くなった原子力プラントを製作する
ことが可能となる。
【0033】また、本実施例で示したようにθの角度を
60°とした場合、図10に示すように、液滴が蒸気乾
燥器を通過する割合は解析の結果、30°の場合と比べ
て約1/7に減少し、液滴除去性能も向上する。
【0034】本発明の1山式波板ベーンによれば、構造
がより単純になるとともに流路長を短くすることができ
るので、蒸気乾燥器ユニットの厚みを薄くできる。ま
た、屈折角度を増大したことにより、より小さな液滴を
捕集することができるので液滴捕集効率の向上ができ
る。屈折角度の増大に伴う圧力損失の増大は山の数が減
ったことによって相殺されるため、圧力損失の増大もほ
とんど生じない。すなわち、蒸気乾燥器全体としての経
済性と性能の向上を図ることができる。
【0035】本発明の第2の実施例を図11〜図13に
より説明する。図11には円形の孔を多数有する平板を
入口側多孔板18の孔から中間多孔板24の孔が見えな
いように、また中間多孔板24の孔から出口側多孔板2
1の孔が見えないように組み合わせた蒸気乾燥器ユニッ
トを示している。より具体的な孔の配置の例が図12、
13に示されている。
【0036】図12、図13では上流側の4つの孔の中
心に下流側の孔の中心がくるように配置したものであ
る。各多孔板の孔の上流側には液滴を捕集するためのポ
ケットが存在している。これは、この捕集ポケットがな
いと多孔板に衝突し液膜になった液滴が、孔から下流側
に吹き飛ばされることを防ぐ効果がある。したがって、
ポケットを構成する部材の孔が見える面に液滴が付着す
ると意味が薄れてしまう。すなわち、この面も上流側の
孔から見えないように配置することが望ましい。
【0037】本実施例では円形の孔を想定しているが、
三角形や四角形のような多角形でも差し支えはないが、
製作性や対象性の点で円形の孔が好ましい。また、図1
1では3枚の多孔板により蒸気乾燥器ユニットを構成し
ているが、圧力損失や液滴除去性を考慮して4枚以上の
多孔板による蒸気乾燥器ユニットを構成することもでき
る。
【0038】本実施例においても液滴捕集ポケットの高
さは数ミリ以上あれば十分であるので、多孔板の間隔を
小さくすれば十分に薄い蒸気乾燥器ユニットが構成でき
るので、全体としてコンパクトな蒸気乾燥器を作ること
ができる。
【0039】本発明の第3の実施例を図14〜図16に
より説明する。図14にはスリット状の開口部を複数有
する平板を入口側スリット板25のスリットから中間ス
リット板26のスリットが見えないように、また、中間
スリット板26のスリットから出口側スリット板27の
スリットが見えないように組み合わせた蒸気乾燥器ユニ
ットを示している。具体的なスリットの配置の例を図1
5、図16に示す。
【0040】図16では上流側の2本のスリットの中間
に下流側のスリットの中心がくるように配置したもので
ある。各スリット板の上流側のスリットの両側には液滴
を捕集するためのポケットが存在している。これは、こ
の捕集ポケットがないと多孔板に衝突し液膜になった液
滴が、スリットから下流側に吹き飛ばされることを防ぐ
効果がある。
【0041】本実施例では、図14で3枚のスリット板
により蒸気乾燥器ユニットを構成しているが、圧力損失
や液滴除去性を考慮して4枚以上のスリット板による蒸
気乾燥器ユニットを構成することもできる。本実施例に
おいても液滴捕集ポケットの高さは数ミリ以上あれば十
分であるので、スリット板の間隔を小さくすれば十分に
薄い蒸気乾燥器ユニットが構成できるので、全体として
コンパクトな蒸気乾燥器を作ることができる。また、ス
リット板は多孔板に比べて構造が比較的簡単で製作性が
良い。
【0042】次にもう一つの実施例について説明する。
先の実施例では、多孔板のみまたはスリット板のみで蒸
気乾燥器ユニットを構成したが、図17に示すように入
口側多孔板18と、中間スリット板26および出口側多
孔板21を組み合わせた蒸気乾燥器ユニットを構成する
こともできる。
【0043】この場合、出入口に設けた多孔板の孔の大
きさを上下方向で変える等、蒸気乾燥器としてユニット
を組み上げたときの蒸気の流れを調整することができる
とともに、スリット板の製作性の良さを一部取り込むこ
ともできる。
【0044】以上種々説明してきたように、これらの実
施例によれば、蒸気乾燥器ユニットの厚みを薄くするこ
とができ、これにより原子炉圧力容器の水平断面内に設
置できるユニットの数を増やすことが可能となり、その
分蒸気乾燥器ユニットの高さを低減することができる。
すなわち、蒸気乾燥器全体の大きさがコンパクトにな
り、高さが低くなった分原子炉圧力容器の高さ、原子炉
建屋の高さを低減することが可能となる。
【0045】
【発明の効果】以上述べてきたように本発明によれば、
その構造がよりシンプル、かつコンパクトにして、圧力
損失が小さく、液滴分離効率を向上させることのできる
この種の蒸気乾燥器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蒸気乾燥器の一実施例を示すものにし
て、その蒸気乾燥器ユニットの水平断面図である。
【図2】本発明の沸騰水型原子炉の概略構造を示す縦断
側面図である。
【図3】本発明の蒸気乾燥器の一実施例を示す縦断側面
図である。
【図4】図3のA−A線に沿う断面図である。
【図5】蒸気乾燥器ユニット内の液滴挙動を2山45度
で解析した結果を示す線図である。
【図6】蒸気乾燥器ユニット内の液滴挙動を1山60度
で解析した結果を示す線図である。
【図7】空気流量と圧力損失の関係を示した特性図であ
る。
【図8】12列の蒸気乾燥器ユニットで構成された蒸気
乾燥器の一実施例を示す縦断側面図である。
【図9】図8のB−B線に沿う断面図である。
【図10】屈折部の角度と液滴通過割合の関係を示す特
性図である。
【図11】多層多孔板による蒸気乾燥器ユニットの一実
施例を示す斜視図である。
【図12】多層多孔板の孔の配置を示した側面図であ
る。
【図13】図12のC−C線に沿う正面図である。
【図14】多層スリット板による蒸気乾燥器ユニットの
一実施例を示す斜視図である。
【図15】多層スリット板のスリットの配置を示す側面
図である。
【図16】図15のD−D線に沿う正面図である。
【図17】多孔板とスリット板を組み合わせた蒸気乾燥
器ユニットの一実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…下部プレナム、2…炉心、3…上部プレナム、4…
シュラウドヘッド、5…スタンドパイプ、6…気水分離
器、7…湿り蒸気プレナム、8…蒸気乾燥器、9…主蒸
気配管、10…シュラウド、11…圧力容器、12…ダ
ウンカマ、13…インターナルポンプ、14…スカー
ト、15…蒸気乾燥器ユニット、16…フードプレー
ト、17…湿り蒸気、18…入口側多孔板、19…ユニ
ット内流路、20…波板、21…出口側多孔板、22…
第1ポケット、23…第2ポケット、24…中間多孔
板、25…入口側スリット板、26…中間スリット板、
27…出口側スリット板。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波板平板が複数平行に組み合わされて波
    板平板間に蒸気流路が形成されるとともに、波板平板の
    表面に液膜捕集ポケットが設けられ、この液膜捕集ポケ
    ットにより波板平板間を流通する蒸気の液滴を捕集する
    ようになした蒸気乾燥器において、 前記液膜捕集ポケットを、蒸気の流れの上流側から正面
    に見える波板と同じ側の表面および次の下流側屈曲部の
    前記液膜捕集ポケットと反対側の波板表面に設けるとと
    もに、前記上流側から正面に見える波板に設けられてい
    る液膜捕集ポケットの入口を、蒸気の流れの上流側から
    正面に見えない位置に配置するようになし、かつ前記液
    膜捕集ポケットと反対側の波板表面に設けられている液
    膜捕集ポケットの入口を、次の屈曲部の下流側で屈曲部
    の上流側から見えない位置に配置するようにしたことを
    特徴とする蒸気乾燥器。
  2. 【請求項2】 波板平板が複数平行に組み合わされて波
    板平板間に蒸気流路が形成されるとともに、波板平板の
    表面に液膜捕集ポケットが設けられ、この液膜捕集ポケ
    ットにより波板平板間を流通する蒸気の液滴を捕集する
    ようになした蒸気乾燥器において、 前記液膜捕集ポケットのうち、蒸気の流れの上流側から
    正面に見える波板の表面に設けられている第1の液膜捕
    集ポケットの入口を、蒸気の流れの上流側の屈曲部の陰
    に位置するように形成するとともに、次の第2の液膜捕
    集ポケットの入口を、波板屈曲部の下流側で屈曲部の上
    流側から見えない位置で、かつ前記第1の液膜捕集ポケ
    ットと対向する側の波板表面に設けるようにしたことを
    特徴とする蒸気乾燥器。
  3. 【請求項3】 波板平板が複数平行に組み合わされて波
    板平板間に蒸気流路が形成されるとともに、波板平板の
    表面に液膜捕集ポケットが設けられ、この液膜捕集ポケ
    ットにより波板平板間を流通する蒸気の液滴を捕集する
    ようになした蒸気乾燥器において、 前記波板平板の波の高さを、波板平板の間隔より大きく
    形成するとともに、前記液膜捕集ポケットのうち、蒸気
    の流れの上流側から正面に見える波板の表面に設けられ
    ている第1の液膜捕集ポケットの入口を、蒸気の流れの
    上流側の屈曲部の陰に位置するように形成するととも
    に、次の第2の液膜捕集ポケットの入口を、波板屈曲部
    の下流側で屈曲部の上流側から見えない位置で、かつ前
    記第1の液膜捕集ポケットと対向する側の波板表面に設
    けるようにしたことを特徴とする蒸気乾燥器。
  4. 【請求項4】 前記波板平板が、前記液膜捕集ポケット
    を有するの屈曲部1山で形成されている請求項1、2若
    しくは3記載の蒸気乾燥器。
  5. 【請求項5】 前記波板平板の屈曲部の間隔をd、液膜
    捕集ポケットの入口部側のポケット構成板の長さをa、
    ポケット巾をb、屈曲部流路巾をc、屈曲部の長さを
    e、ポケットを構成する板の厚みをt、屈曲部の角度を
    θとするとき、下記数1および数2式の関係を満たすよ
    うに形成してなる請求項1、2若しくは3記載の蒸気乾
    燥器。 【数1】d=b+c+t、 【数2】(e−a)sinθ+b>d
  6. 【請求項6】 蒸気の流路となる多数の孔を有する多孔
    板が複数平行に組み合わされ、かつその夫々の孔の周囲
    に液膜捕集ポケットが設けられ、この液膜捕集ポケット
    により流通する蒸気の液滴を捕集するようになした蒸気
    乾燥器において、 前記多孔板を、蒸気の上流側の多孔板の孔から下流側の
    多孔板の液膜捕集ポケットの開口部が見えないように組
    み合わせるようにしたことを特徴とする蒸気乾燥器。
  7. 【請求項7】 蒸気の流路となる多数のスリットを有す
    る平板が複数平行に組み合わされ、かつその夫々のスリ
    ットの周囲に液膜捕集ポケットが設けられ、この液膜捕
    集ポケットによりスリットを流通する蒸気の液滴を捕集
    するようになした蒸気乾燥器において、 前記平板を、蒸気の上流側の平板のスリットから下流側
    の平板の液膜捕集ポケットの開口部が見えないように組
    み合わせるようにしたことを特徴とする蒸気乾燥器。
  8. 【請求項8】 前記平板は、スリットの長軸方向を鉛直
    方向として用いている請求項7記載の蒸気乾燥器。
  9. 【請求項9】 原子炉の炉心で発生した水・蒸気混合物
    を遠心力を用いて水と蒸気に分離する気水分離器と、気
    水分離器から出た液滴等の水分を含んだ湿り蒸気から液
    滴を除去する蒸気乾燥器とを備えた原子炉の気水分離シ
    ステムにおいて、前記蒸気乾燥器に、前記請求項1から
    請求項8に記載されているいずれかの蒸気乾燥器を用い
    たことを特徴とする原子炉の気水分離システム。
JP7145893A 1995-06-13 1995-06-13 蒸気乾燥器および原子炉の気水分離システム Pending JPH08338605A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7145893A JPH08338605A (ja) 1995-06-13 1995-06-13 蒸気乾燥器および原子炉の気水分離システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7145893A JPH08338605A (ja) 1995-06-13 1995-06-13 蒸気乾燥器および原子炉の気水分離システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08338605A true JPH08338605A (ja) 1996-12-24

Family

ID=15395495

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7145893A Pending JPH08338605A (ja) 1995-06-13 1995-06-13 蒸気乾燥器および原子炉の気水分離システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08338605A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1341187A2 (en) 2002-02-14 2003-09-03 General Electric Company Apparatus and methods for controlling flow in BWR steam dryers
JP2014202401A (ja) * 2013-04-03 2014-10-27 株式会社東芝 蒸気乾燥器
CN106737375A (zh) * 2017-01-18 2017-05-31 哈电集团(秦皇岛)重型装备有限公司 一种波形板装配间距的调整装置及波形板装配工艺
CN111122111A (zh) * 2019-12-23 2020-05-08 湖北保乾科技有限公司 一种波纹板式汽水分离器改进结构及其性能测试方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1341187A2 (en) 2002-02-14 2003-09-03 General Electric Company Apparatus and methods for controlling flow in BWR steam dryers
EP1341187A3 (en) * 2002-02-14 2003-11-05 General Electric Company Apparatus and methods for controlling flow in BWR steam dryers
US6810837B2 (en) 2002-02-14 2004-11-02 General Electric Company Apparatus and methods for controlling flow in BWR steam dryers
JP2014202401A (ja) * 2013-04-03 2014-10-27 株式会社東芝 蒸気乾燥器
CN106737375A (zh) * 2017-01-18 2017-05-31 哈电集团(秦皇岛)重型装备有限公司 一种波形板装配间距的调整装置及波形板装配工艺
CN111122111A (zh) * 2019-12-23 2020-05-08 湖北保乾科技有限公司 一种波纹板式汽水分离器改进结构及其性能测试方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4198215A (en) Fin deflector for separating liquid from a liquid/vapor mixture
US4543108A (en) Mist eliminator for eliminating droplets from a gaseous flow
US4557740A (en) Weather louver
US3899427A (en) Device for separating particles from a fluid stream
JP4087059B2 (ja) 空気処理ユニット
US3813855A (en) Separator
MX2007014198A (es) Separador de gotas.
JPS6351915A (ja) 液体分離装置
JPS6214080B2 (ja)
US4234323A (en) Collector for water separator
US5178654A (en) Wet scrubber apparatus
US4954148A (en) Apparatus for treating gas
US2921647A (en) Moisture separator
CA1163577A (en) Drift eliminator structure for counterflow water cooling tower
JPH08338605A (ja) 蒸気乾燥器および原子炉の気水分離システム
JP2002126429A (ja) 湿分分離器
JPS6176808A (ja) 含水蒸気の乾燥用水/蒸気分離装置
US3240001A (en) Device for the separation of moisture drops from a gas-stream
JPH06222190A (ja) 蒸気乾燥器及び気水分離システム並びに湿分分離器
JPS62237205A (ja) 湿分分離再熱器
JP2000153118A (ja) 気水分離システム
JP4039233B2 (ja) 蒸気乾燥器
JP2015124925A (ja) 湿分分離ユニット、液滴径粗大化装置および蒸気乾燥器
US2946401A (en) Entrainment separator
CN112403209A (zh) 一种波形板汽水分离元件