JPH08337382A - 乗客コンベアの安全装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】帰還路のハンドレール１の内側面に支持アーム
１０を介して自重により常時ハンドレール１に圧接する
方向に付勢支持された可動ローラ９を配置し、可動ロー
ラ９の回転速度を検出して異常走行であれば乗客コンベ
アの運転を停止する光センサからなる速度検出器により
構成される。 【効果】従来必要としていた押付機構を排除でき、小型
化およびコスト低減が図れる。また、走行抵抗も低減で
きハンドレールの寿命の向上が図れる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は乗客コンベア等の安全装
置に係り、特に、乗客の安全をはかるのに好適な乗客コ
ンベアの安全装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】図１は乗客コンベアの全体構成を示す側
面図で、無端状に配設されて乗客を運ぶ踏段２，この踏
段２と同一方向に同一速度で運転されている無端状のハ
ンドレール１，ハンドレール１は踏段２を駆動している
踏段ギヤ３により、チェーン５を介して駆動されている
駆動装置４との摩擦力により、踏段２と同一方向に同一
速度で運転されている。６はハンドレールを案内するガ
イドローラ、７は踏段２を案内する踏段レール、８はこ
れら全部材を支えるフレームである。

【０００３】ところで、ハンドレール１は駆動装置４と
の摩擦力によって駆動されているため、冬期などのよう
に周囲温度が低くなるとゴムを主材としているハンドレ
ール１は、曲げ剛性が大きくなり走行抵抗が増大する。
特に長時間停止後起動すると、長時間停止によりハンド
レール１の曲がりぐせが加わりハンドレール１の走行抵
抗が増加し、遂には走行抵抗が駆動装置４とハンドレー
ル１の摩擦力よりも大きくなって、駆動装置４とハンド
レール１との間に滑りを生じ、ハンドレール１の運転速
度が踏段２の運転速度よりも遅くなったり、最悪の場合
は停止してしまう問題がある。また、いたずらにハンド
レールを止めようとした場合などでも、ハンドレール１
の速度低下や停止してしまうことがある。更に屋外設置
のエスカレータでは、駆動装置４とハンドレール１との
間に雨水が浸入し、駆動装置４とハンドレール１との摩
擦力を低下させるため、上記と同じくハンドレール１の
速度低下や停止してしまうことがある。このような状態
の時に乗客が乗客コンベアに乗り込むと、ハンドレール
１と踏段２の速度が同期していないため不安定な乗り込
みとなり、転倒などの人身事故を起こすことがある。

【０００４】そこで、ハンドレールの運転速度の低下を
検出し、乗客コンベアを停止する方法として、例えば実
開昭61−288105号公報に示されるように、ハンドレール
の化粧面に転接する速度検出装置を兼ね備えた外ローラ
と、ハンドレールを介してハンドレールの内側面に転接
する内ローラとハンドレールを狭圧する押付け機構から
なるハンドレール速度検出装置が知られている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従来の技術は、ハンド
レールの化粧面に転接する速度検出機能を兼ね備えた外
ローラとハンドレールを介し外ローラと対向する位置で
ハンドレールの内側面に転接する内ローラと、且つ内ロ
ーラを押付ける押付け機構により構成されハンドレール
を狭圧し拘束していた。

【０００６】しかし、運転中のハンドレールの暴れや、
ハンドレールの曲がりぐせをおさえるため強い狭圧力を
加えており、ハンドレールの走行抵抗が増え駆動装置に
負担を掛けたり、ハンドレールの化粧面をきず付ける心
配やハンドレールの寿命にも悪影響を及ぼす問題があっ
た。また、従来この速度検出装置は非常に価格が高いた
め、屋外用等の特殊な乗客コンベアにしか適用していな
かったが、昨今のハンドレールスリップ事故の発生によ
り全機種に設ける機運にあり安値なハンドレール速度検
出装置を必要としていた。

【０００７】本発明の目的は、これらの課題を一掃した
ハンドレール速度検出装置を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、追従性を持たせたハンドレール速度検出装置をハン
ドレールの内側面に圧接し、且つ速度の検出手段として
光センサを使用する。

【０００９】

【作用】本発明によるハンドレールの速度検出装置は、
追従性を持たせたハンドレール速度検出装置をハンドレ
ールの内側面に圧接することにより、従来設けていた内
ローラと押付け機構を排除できる上、ハンドレールの化
粧面をきずつけたりする心配が回避される。また、ロー
ラを回転させるだけの弱い圧接力とすることができるた
め、走行抵抗の低減とハンドレール寿命の向上が図れ
る。また、ローラの速度検出手段として光センサを使用
することにより、光センサ以外の特別な部品を必要とし
ないため、ハンドレール速度検出装置の小型化と単純化
を実現できる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図２，図３より説
明する。９はハンドレール１の復路の内側面に追従し回
転する可動ローラ、１０は一端に可動ローラ９を軸着し
もう一端をフレーム８に軸着した支持アーム、１１は支
持アーム１０の側面に取付けた光センサの発光部、１２
は発光部と反対で向かい合う位置の支持アーム１０の側
面に取付けた光センサの受光部、１３はセンサの光を通
過または遮断させオン，オフ制御をするために可動ロー
ラ９の側面で周方向に少なくとも複数個設けた貫通孔、
１４は可動ローラ９を軸着する軸、１５は支持アーム１
１をフレームに軸着する軸、１６は各軸を締め付け固定
するナットである。

【００１１】このような構成では、ハンドレール１に追
従し回転する可動ローラ９は支持アーム１０を介して自
重により常時ハンドレール１に圧接する方向に付勢支持
されているため、ハンドレール１が上下運動しても支持
アーム１０を支点とし上下に移動することができるので
追従性に大変優れている。更に、支持アームの長さの範
囲以内にハンドレールがあるならば、ハンドレール１の
取付け位置に左右されることなくどこにでも取付け可能
であり、取付性に大変優れている。

【００１２】また、可動ローラ９と光センサの発光部１
１と受光部１２を支持アーム１０に取付けすることによ
り、可動ローラ９が上下に移動しても検出体との相対位
置関係を一定に保つことができる。

【００１３】図４は他の実施例であって、１８は弾性体
（ばね）、１９は弾性体（ばね）１８を固定するブラケ
ットにより構成しても、可動ローラは常時ハンドレール
に圧接する方向に弾性体（ばね）１８により付勢支持さ
れるので、実施例と同様の効果が得られる。

【００１４】

【発明の効果】本発明によれば、追従性を持たせたハン
ドレール速度検出装置をハンドレールの内側面に圧接す
ることにより、従来設けていた内ローラと押付け機構を
排除できコスト低減が図れる。また、ハンドレールの化
粧面をきずつけたりする心配が回避される。

【００１５】ローラを回転させるだけの弱い圧接力とし
たことにより、走行抵抗の低減とハンドレールの寿命の
向上が図れる。

【００１６】ローラの速度検出手段として光センサを使
用することにより、光センサ以外の特別な部品を必要と
しないため、ハンドレール速度検出装置の小型化と単純
化を実現できる。

【００１７】支持アームを設けたことにより、支持アー
ムの長さの範囲以内にハンドレールがあるならば、ハン
ドレールの位置に関係なく配置できるので、取付けが非
常に容易である。

【００１８】光センサの受発光部を可動ローラを支持す
るアームに配置することにより、検出体である可動ロー
ラが上下方向に移動しても、可動ローラと受発光部の相
対位置関係を一定に保つことができる。

【００１９】非接触形の光センサとすることにより、可
動ローラより多少の振動等を受けた場合でも検出する機
能を失う心配がない。

【図面の簡単な説明】

【図１】乗客コンベアの全体構成を示す側面図。

【図２】実施例のハンドレール速度検出装置の説明図。

【図３】図２の断面Ａ−Ａによるハンドレール速度検出
装置の説明図。

【図４】他の実施例のハンドレール速度検出装置の説明
図。

【符号の説明】

１…ハンドレール、９…可動ローラ、１０…支持アー
ム、１１…光センサの発光部、１２…光センサの受光
部、１３…貫通孔、１４，１５…軸、１７…ブラケッ
ト。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】無端状に配列された踏段と、前記踏段と同
   一方向に同一速度で運行される無端状のハンドレールを
   備えた乗客コンベアにおいて、前記ハンドレールの内側
   面に支持アームを介して自重により、常時、前記ハンド
   レールに圧接する方向に付勢支持された側面に複数個の
   貫通孔を有する可動ローラと、前記支持アームに光セン
   サを配置し、前記貫通孔を前記光センサの光が通過する
   ことによってオン，オフの信号を発する光検出器により
   構成されたハンドレール速度検出装置を設けたことを特
   徴とする乗客コンベアの安全装置。