JPH08336965A - インクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッド

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JPH08336965A
JPH08336965A JP14731695A JP14731695A JPH08336965A JP H08336965 A JPH08336965 A JP H08336965A JP 14731695 A JP14731695 A JP 14731695A JP 14731695 A JP14731695 A JP 14731695A JP H08336965 A JPH08336965 A JP H08336965A
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JP
Japan
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plate
ink
buckling
buckling plate
wall surface
Prior art date
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Application number
JP14731695A
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English (en)
Inventor
Shingo Abe
新吾 阿部
Tetsuya Inui
哲也 乾
Koji Matoba
宏次 的場
Susumu Hirata
進 平田
Masaharu Kimura
正治 木村
Yorishige Ishii
頼成 石井
Masaru Horinaka
大 堀中
Yutaka Onda
裕 恩田
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
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    • B41J2002/14346Ejection by pressure produced by thermal deformation of ink chamber, e.g. buckling

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インク室6a内に圧力を発生させて、インク
液100をインク吐出口7aを通して室外へ吐出させる
インクジェットヘッドであって、小型に構成でき、イン
クの吐出力や吐出速度を大きくすることができ、しかも
長寿命のものを提供する。 【構成】 インク室6aはインク吐出口7aと対向する
壁面4に窓開口4aを有する。可撓性材料からなり、窓
開口4aを実質的に液密に塞ぐ圧力発生板2を備える。
圧力発生板2は、周縁部2cのうち少なくとも一方向に
関して両端をなす部分が壁面4に取り付けられている。
この圧力発生板2に、平坦な無変位状態と、壁面4に取
り付けられた両端の間の中央部2aが壁面4に垂直な方
向に変位した変位状態とを取らせる変形手段1を備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、インク滴を吐出、飛
翔させて記録を行うインクジェットヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェットヘッドの形式とし
て、種々の液滴吐出原理に基づくものが製品化されてい
る。例えば、圧電素子に電圧を印加したときの機械的な
変形によってインク室のノズル穴からインクを吐出させ
るようにしたもの(圧電素子方式)、ヒータ加熱によっ
てインクを沸騰させて泡を形成し、この泡発生による圧
力変化でノズル穴からインクを吐出させるようにしたも
の(バブルジェット方式)がある。
【0003】また、通電により発熱して変形する圧力発
生部材を用いたインクジェットヘッドが提案されている
(特公平2−30543号公報)。このインクジェットヘ
ッドは、ノズル開口を有するノズルプレートの両端にそ
れぞれ電極を設け、これらの電極に板状の圧力発生部材
を架け渡して接続し、これらを収容するようにインク室
を構成するカバー部材を設けたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記圧
電素子方式のインクジェットヘッドは、圧電素子の変形
が比較的小さいため、圧電素子を積層したり、形状の大
きいバイモルフ型の圧電アクチュエータを形成し、変形
量を大きくしてインク滴を吐出させる必要がある。その
ため、圧電素子およびインク室が大寸法となり、例えば
複数のノズルを一体に集積化したマルチノズルヘッドを
作製するのが難しいという問題がある。
【0005】また、上記バブルジェット方式のインクジ
ェットヘッドは、ヒータ加熱によるインク沸騰時の泡を
利用するので、ヒータの小型化によりノズルの集積化が
比較的容易で、記録時間も短縮できる利点がある反面、
きれいな泡を得るためにヒータを短時間に1000℃近
くまで加熱せねばならず、その結果、ヒータが劣化しや
すく、インクジェットヘッドの寿命が短くなるという問
題がある。
【0006】また、特公平2−30543号公報で開示
されたインクジェットヘッドは、加圧時にインクが圧力
発生部材の背面に回り込み、圧力が低下してインクの吐
出力や吐出速度が不足するという問題がある。
【0007】そこで、この発明の目的は、小型に構成で
き、インクの吐出力や吐出速度を大きくすることがで
き、しかも長寿命のインクジェットヘッドを提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載のインクジェットヘッドは、インク
室内に圧力を発生させて、上記インク室内のインク液を
インク吐出口を通して室外へ吐出させるインクジェット
ヘッドであって、上記インク室は上記インク吐出口と対
向する壁面に窓開口を有し、可撓性材料からなり、上記
窓開口を実質的に液密に塞ぐ状態で、周縁部のうち少な
くとも一方向に関して両端をなす部分が上記壁面に取り
付けられた圧力発生板と、この圧力発生板に、平坦な無
変位状態と、上記壁面に取り付けられた両端の間の中央
部が上記壁面に垂直な方向に変位した変位状態とを取ら
せる変形手段を備えたことを特徴としている。
【0009】また、請求項2に記載のインクジェットヘ
ッドは、インク室内に圧力を発生させて、上記インク室
内のインク液をインク吐出口を通して室外へ吐出させる
インクジェットヘッドであって、上記インク室は上記イ
ンク吐出口と対向する壁面に窓開口を有し、上記窓開口
を実質的に液密に塞ぐ状態で、周縁部のうち少なくとも
一方向に関して両端をなす部分が上記壁面に取り付けら
れ、実質的に熱応力がない無変位状態と、熱膨張して座
屈した座屈状態とを取り得る座屈板を備え、上記座屈板
の板面に沿って又は上記座屈板の内部に板面と平行に、
通電により発熱するヒータ層が設けられていることを特
徴としている。
【0010】また、請求項3に記載のインクジェットヘ
ッドは、請求項2に記載のインクジェットヘッドにおい
て、上記座屈板の形状は楕円板状であることを特徴とし
ている。
【0011】また、請求項4に記載のインクジェットヘ
ッドは、請求項2に記載のインクジェットヘッドにおい
て、上記座屈板の厚さは、少なくとも上記両端をなす部
分の間で、部分的に薄くなっていることを特徴としてい
る。
【0012】また、請求項5に記載のインクジェットヘ
ッドは、請求項2に記載のインクジェットヘッドにおい
て、上記座屈板の形状は円板状であり、上記座屈板の周
縁部が全周にわたって上記壁面に取り付けられており、
上記ヒータ層は上記座屈板の中央部から周縁部まで実質
的に放射状に延びるパターンに形成され、上記座屈板の
うち上記ヒータ層のパターン間に存する扇状部分の厚さ
が、上記座屈板の残りの部分の厚さよりも薄くなってい
ることを特徴としている。
【0013】また、請求項6に記載のインクジェットヘ
ッドは、請求項2乃至5のいずれか一つに記載のインク
ジェットヘッドにおいて、上記座屈板は金属材料からな
ることを特徴としている。
【0014】また、請求項7に記載のインクジェットヘ
ッドは、請求項2に記載のインクジェットヘッドにおい
て、上記座屈板の形状は円板状であり、上記座屈板の周
縁部が全周にわたって上記壁面に取り付けられており、
上記座屈板を構成する材料のヤング率をE、ポアソン比
をν、線膨張係数をαとし、上記座屈板の直径をD、上
記ヒータ層の発熱による上記座屈板の温度変化をtとす
るとき、上記座屈板の厚さhは、上記座屈板が上記イン
ク室内のインク液を加圧するための座屈エネルギを発生
するように、 0<h<{3αtD2(1+ν)/π2+4c}1/2 (ただ
し、cは定数) なる範囲に設定されていることを特徴としている。
【0015】また、請求項8に記載のインクジェットヘ
ッドは、請求項7に記載のインクジェットヘッドにおい
て、上記インク吐出口から吐出されるべきインク滴の質
量をm、吐出速度をv、表面積をS、上記インク液の表面
張力をσ、粘性係数をμ、密度をρとし、インク吐出口
の長さをl、内径をd、損失係数をζとするとき、上記座
屈エネルギが上記インク滴を室外へ吐出させるのに必要
なエネルギを超えるように、上記座屈板の厚さhは、 2EhD22 2/π3(1−ν2)>mv2/2+σS+32mvl
μ/d2ρ+ζmv2/2(ただし、C2=π2{h22+4c)
−3αtD2(1+ν)}/12D2) なる関係式を満たす範囲に設定されていることを特徴と
している。
【0016】また、請求項9に記載のインクジェットヘ
ッドは、請求項7または8に記載のインクジェットヘッ
ドにおいて、上記座屈板の厚さhは、上記座屈エネルギ
を最大にするように、 hS={3αtD2(1+ν)/5(π+4c)}1/2 なる最適値に設定されていることを特徴としている。
【0017】
【作用】請求項1に記載のインクジェットヘッドは次の
ように駆動される。すなわち、動作時には予めインク室
をインクで満たす。圧力発生板は平坦な無変位状態にあ
るものとする。まず、変形手段が上記圧力発生板に、上
記壁面に取り付けられた両端の間の中央部が上記壁面に
垂直な方向に変位した変位状態とを取らせる。これによ
りインク室内に圧力が発生し、この圧力により、インク
室内のインク液がインク吐出口を通して室外へ吐出す
る。続いて、変形手段が上記圧力発生板の変位状態を解
除して平坦な無変位状態に復帰させる。このような圧力
発生板の変位と復帰との繰り返しによって印刷が行われ
る。
【0018】このインクジェットヘッドでは、変形手段
が圧力発生板を上記壁面に垂直な方向へ変形させるの
で、圧力発生板の中央部は比較的大きく変位することが
できる。したがって、従来の圧電素子方式のものと異な
り、圧力発生板やインク室の寸法を小さく設定すること
ができ、インクジェットヘッドが小型に構成され得る。
しかも、圧力発生板が上記壁面の窓開口を実質的に液密
に塞ぎ、上記壁面の一部としても働くので、インクジェ
ットヘッドの構造が極めて簡素になる。また、このイン
クジェットヘッドでは、圧力発生板が上記壁面の窓開口
を実質的に液密に塞ぐ状態にあり(圧力発生板の中央部
が上記壁面に垂直な方向に変位したときも液密に保たれ
る)、インクが圧力発生板の裏側(インク吐出口と反対
の側)に回り込むことがないので、インクの吐出力や吐
出速度が大きくなる。また、変形手段としては圧力発生
板を加熱して熱膨張力により変形させるもの、圧力発生
板を静電力や電磁力により変形させる手段などが考えら
れるが、圧力発生板を静電力や電磁力により変形させる
手段を採用した場合は当然ながら加熱を行う必要はな
く、また上記圧力発生板を加熱して熱膨張力により変形
させる手段を採用したとしても、実施例の欄で述べるよ
うに加熱温度は高々100℃程度で済む。つまり、従来
のバブルジェット方式のものと異なり、極端な高温(1
000℃)に加熱する必要はない。したがって、信頼性
が良好となり、インクジェットヘッドの寿命が長くな
る。
【0019】請求項2に記載のインクジェットヘッドは
次のように駆動される。すなわち、動作時には予めイン
ク室をインクで満たす。座屈板は平坦な無変位状態にあ
るものとする。まず、ヒータ層に通電して発熱させる。
座屈板がこのヒータ層の熱を受けて、無変位状態から熱
膨張して座屈した座屈状態となる。これによりインク室
内に圧力が発生する。この圧力により、インク室内のイ
ンク液がインク吐出口を通して室外へ吐出する。続い
て、上記ヒータ層の通電を停止する。これにより、座屈
板が無変位状態に復帰する。このような座屈板の変位と
復帰との繰り返しによって印刷が行われる。
【0020】このインクジェットヘッドでは、ヒータ層
の発熱によって座屈板を上記壁面に垂直な方向へ座屈さ
せるので、座屈板の中央部は比較的大きく変位すること
ができる。したがって、従来の圧電素子方式のものと異
なり、座屈板やインク室を小さく設定することによって
インクジェットヘッドが小型に構成され得る。しかも、
座屈板が上記壁面の窓開口を実質的に液密に塞ぎ、上記
壁面の一部としても働くので、インクジェットヘッドの
構造が極めて簡素になる。また、このインクジェットヘ
ッドでは、座屈板がインク室の窓開口を実質的に液密に
塞ぐ状態にあり(座屈板の中央部が上記壁面に垂直な方
向に変位したときも液密に保たれる)、インクが座屈板
の裏側(インク吐出口と反対の側)に回り込むことがな
いので、インクの吐出力や吐出速度が大きくなる。ま
た、実施例の欄で述べるようにヒータ層による加熱温度
は高々100℃程度で済み、従来のバブルジェット方式
のような極端な高温(1000℃)に加熱する必要はな
い。したがって、消費電力が少なくて済む上、信頼性が
良好となり、インクジェットヘッドの寿命が長くなる。
【0021】請求項3に記載のインクジェットヘッドで
は、座屈板の形状が楕円板状であるので、矩形板である
場合に比して、壁面に垂直な方向に一定の変位を起こさ
せるために必要な座屈エネルギが少なくて済む。したが
って、少ない消費電力で大きな吐出力や吐出速度を得る
ことができる。また、矩形板である場合と異なり、座屈
状態で座屈板内に応力集中が生じない。したがって、座
屈板やヒータ層の疲労が軽減され、インクジェットヘッ
ドがさらに長寿命となる。
【0022】請求項4に記載のインクジェットヘッドで
は、座屈板が少なくとも壁面に取り付けられた両端をな
す部分の間で部分的に薄くなっているため、均一な厚さ
を持つ場合に比して、座屈板の体積が小さくなってい
る。したがって、座屈板を一定の温度に上昇させための
消費電力が少なくて済む。この結果、少ない消費電力で
大きな吐出力や吐出速度を得ることができる。また、均
一な厚さを持つ場合に比して容易に変形するので、座屈
板やヒータ層に対する応力が緩和される。したがって、
座屈板やヒータ層の疲労が軽減され、インクジェットヘ
ッドの寿命が長くなる。
【0023】請求項5に記載のインクジェットヘッドで
は、上記座屈板の形状が円板状であり、厚さについても
回転対称となっているので、楕円板状である場合に比し
て、壁面に垂直な方向に一定の変位を起こさせるために
必要な座屈エネルギがさらに少なくて済む。しかも、座
屈板のうち上記ヒータ層のパターン間に存する扇状部分
の厚さが残りの部分の厚さよりも薄くなっており、均一
な厚さを持つ場合に比して座屈板の体積が小さくなって
いるので、座屈板を一定の温度に上昇させための消費電
力が少なくて済む。これらの結果として、少ない消費電
力で大きな吐出力や吐出速度を得ることができる。
【0024】また、上記座屈板の形状は円板状であるか
ら、楕円板状である場合と同様に、座屈状態で応力集中
が生じない。しかも、上記座屈板の厚さは部分的に薄く
なっているため、均一な厚さを持つ場合に比して容易に
変形する。したがって、インクジェットヘッドがさらに
長寿命となる。なお、座屈板のうち厚さが薄くなってい
る扇状部分はヒータ層のパターン間に存するので、その
扇状部分はヒータ層によって直接加熱されるわけではな
く、その扇状部分に対する熱応力は比較的小さい。した
がって、その扇状部分が疲労によってインクジェットヘ
ッド全体の寿命を短くすることはない。
【0025】請求項6に記載のインクジェットヘッド
は、上記座屈板が金属材料からなる。金属は一般に、他
の材料に比して、ヤング率、線膨張係数、熱伝導率が大
きく、延性に富んでいる。したがって、この金属材料か
らなる座屈板によって、大きな吐出力や吐出速度を得る
ことができ、周波数応答を向上させることができる。ま
た、インクジェットヘッドの寿命が長くなる。
【0026】請求項7に記載のインクジェットヘッド
は、上記座屈板の形状は円板状であり、上記座屈板の周
縁部が全周にわたって上記壁面に取り付けられており、
しかも上記座屈板の厚さhが 0<h<{3αtD2(1+ν)/π2+4c}1/2 (ただ
し、cは定数) なる範囲に設定されているので、実施例の欄で述べるよ
うに、上記座屈板が上記インク室内のインク液を加圧す
るための座屈エネルギを発生することができる。
【0027】請求項8に記載のインクジェットヘッド
は、上記座屈板の厚さhは、 2EhD22 2/π3(1−ν2)>mv2/2+σS+32mvl
μ/d2ρ+ζmv2/2(ただし、C2=π2{h22+4c)
−3αtD2(1+ν)}/12D2) なる関係式を満たす範囲に設定されているので、実施例
の欄で述べるように、上記座屈エネルギが上記インク滴
を室外へ吐出させるのに必要なエネルギを超えることが
できる。なお、上記式の左辺(2EhD22 2/π3(1−
ν2))は上記座屈エネルギを表している。また、右辺の
第1項(mv2/2)はインク滴の運動エネルギ、右辺の
第2項(σS)はインク滴を表面張力から解放するため
に必要なエネルギ、右辺の第3項(32mvlμ/d2ρ)
はインクがインク吐出口を通過する際の摩擦損失エネル
ギ、右辺の第4項(ζmv2/2)はインクがインク吐出
口を通過する際の断面積急収縮による損失エネルギを示
している。
【0028】請求項9に記載のインクジェットヘッド
は、上記座屈板の厚さhが hS={3αtD2(1+ν)/5(π+4c)}1/2 なる最適値hSに設定されているので、実施例の欄で述
べるように、上記座屈エネルギを最大にすることができ
る。
【0029】
【実施例】以下、この発明のインクジェットヘッドを実
施例により詳細に説明する。
【0030】(第1実施例)図1(a)はこの発明の一実
施例のインクジェットヘッドをインク吐出方向から見た
ところを模式的に示し、同図(b)は同図(a)におけるX−
X線矢視断面を示している。このインクジェットヘッド
10は、矩形の底板5Eと側板5A,5B,5C,5D
を有する枡状のケーシング5と、このケーシング5の蓋
をなす平板状のノズルプレート7を備えている。ケーシ
ング5内には、矩形の窓開口4aを有するフランジ板4
が底板5Eと平行に設けられている。このフランジ板4
には、窓開口4aを液密に塞ぐ状態で、圧力発生板とし
ての座屈板2が取り付けられている。上記ノズルプレー
ト7と、フランジ板4および座屈板2と、ケーシング5
の側壁5A,5B,5C,5Dのうちフランジ板4より
も上の部分とでインク室6aを構成している。ケーシン
グ5の内部のうちフランジ板4および座屈板2よりも下
側の部分は空間6bである。
【0031】上記ノズルプレート7の略中央にはインク
吐出口7aが設けられている(図1(a)では、簡単のた
めノズルプレート7を省略し、インク吐出口7aのみ示
している。)。このインク吐出口7aは、ノズルプレー
ト7を貫通する断面円形状の穴であり、その内径はイン
ク室の内側から外側へ向かって次第に小さくなるように
設定されている。一方、ケーシング5の側壁5Dのうち
フランジ板4よりも上の部分に、外部からインク室内に
インクを供給するためのインク供給口5aが設けられて
いる。このインク供給口5aは側壁5Dを貫通する断面
円形状の穴であり、その内径はインク室の外側から内側
へ向かって次第に小さくなるように設定されている。
【0032】上記座屈板2は、この例では均一な厚さ
で、窓開口4aの寸法よりも少し大きい寸法を持つ矩形
の板である。座屈板2の周縁部(すなわちフランジ板4
と重なっている部分)2cは、全周にわたってフランジ
板4に接着され、固定されている。この座屈板2は、実
質的に熱応力がない無変位状態と、加熱により熱膨張し
てフランジ板4に垂直な方向に座屈した座屈状態とを取
り得る材料、例えばアルミナからなっている。この座屈
板2は、インク室6aと下部空間6bとを仕切るダイア
フラム(仕切板)の役割を果たしている。
【0033】上記座屈板2の内部に板面と平行に、通電
により発熱するヒータ層1が設けられている。このヒー
タ層1は、有限な導電性(電気抵抗)を有する金属材
料、例えばTaからなり、座屈板2のうち窓開口4a内
の部分を帯状に蛇行して座屈板2の長手方向に延びるパ
ターンに形成されている。なお、ヒータ層1のパターン
の蛇行の振幅は、窓開口4aの幅に対応して一定になっ
ている。図1(a)においてヒータ層1の右端には電極パ
ッド1a,左端には電極パッド1bがそれぞれ設けられ
ている。右端の電極パッド1aはスイッチ8に接続され
ている。このスイッチ8は電源9と接地との切り替えを
行うようになっている。左端の電極パッド1bは接地さ
れている。
【0034】このインクジェットヘッド10は次のよう
に駆動される。
【0035】動作時には、予めインク室6a内にイン
ク供給口5aを経てインク液100を注入する。これに
より、インク室6aがインクで満たされる。
【0036】次に、図2(a)に示すようにスイッチ8
を電源9側に切り替えて、電源9の電圧を電極1a,1
b間に印加し、ヒータ層1に通電して発熱させる。座屈
板2はこの熱を受けて、無変位状態から、熱膨張して板
面に平行な面内で拡張しようとする。しかし、座屈板2
の周縁部が全周にわたってフランジ板4に固定されてい
るため、板面に平行な面内で拡張することができず、座
屈板2の内部にその反作用として圧縮力が蓄積される。
この圧縮力が座屈板2の材質、形状、寸法で決まる座屈
荷重を超えたとき、図2(b)に示すように、座屈板2は
フランジ板4に垂直な方向に座屈し、中央部2aがノズ
ルプレート7側へ変位した座屈状態となる。このように
座屈板2が座屈する結果、インク室6a内に圧力が発生
する。この圧力により、上記インク室6a内のインク液
100がノズルプレート7のインク吐出口7aを通して
インク滴100aとして室外へ吐出される。
【0037】次に、図1(a)に示したようにスイッチ
8を接地側に戻して、上記ヒータ層1に対する通電を停
止する。すると、座屈板2は冷却されて収縮し、元の無
変位状態に復帰する。このような、座屈板2の変位と復
帰との繰り返しによって、記録紙に印字が行われる。
【0038】このインクジェットヘッド10では、ヒー
タ層1の発熱によって座屈板2をフランジ板4に垂直な
方向へ座屈させるので、座屈板2の中央部2aはノズル
プレート7側へ比較的大きく変位することができる。し
たがって、従来の圧電素子方式のものと異なり、座屈板
2やインク室6aを小さく設定することによってインク
ジェットヘッドを小型に構成することができる。しか
も、座屈板2がフランジ板4の窓開口4aを液密に塞
ぎ、インク室6aの壁面の一部としても働くので、イン
クジェットヘッドの構造を極めて簡素化することができ
る。また、このインクジェットヘッドでは、座屈板2が
フランジ板4の窓開口4aを液密に塞ぐ状態にあり(座
屈板2の中央部2aがノズルプレート7側へ変位したと
きも液密に保たれる)、インク液100が座屈板2の裏
側6bに回り込むことがないので、インクの吐出力や吐
出速度が大きくなる。また、ヒータ層1による加熱温度
は後述する設計例で示すように高々100℃程度で済
み、従来のバブルジェット方式のような極端な高温(1
000℃)に加熱する必要はない。したがって、消費電
力が少なくて済む上、信頼性が良好となり、インクジェ
ットヘッドの寿命を延ばすことができる。
【0039】(第2実施例)図3〜図5は、4つのイン
クジェットヘッドを集積化して構成したマルチ型インク
ジェットヘッド20を示している。図3は上記インクジ
ェットヘッド20を分解状態で斜めから見たところを示
している。また、図4(a)は上記インクジェットヘッド
20をインク吐出方向から見たところを模式的に示し、
同図(b)は同図(a)におけるY−Y線矢視断面を示してい
る。
【0040】図3に示すように、このインクジェットヘ
ッド20は、圧力発生部材15と、この圧力発生部材1
5上に載置されて4つのインク室16aの側壁をなすス
ペーサ16と、各インク室16aの蓋をなすノズルプレ
ート17を備えている。
【0041】上記圧力発生部材15は、表面保護膜13
が形成された基板18上に、座屈板12b,12tと、
座屈板12b,12tの間に板面に沿って形成されたヒ
ータ層11を一体に有している。
【0042】基板18は、この例では面方位(100)の
単結晶シリコンからなっている。基板18の外形は略矩
形板状であり、図4(a),(b)に示すように、基板18
(および表面保護膜13)の中央には矩形の窓開口18
aが設けられている。なお、窓開口18は、基板の裏面
側から表面側へ向かって次第に寸法が小さくなるように
形成されている。
【0043】座屈板12b,12tは、この例ではアル
ミナからなっている。図3で最も良く分かるように、座
屈板12b,12tの形状は、それぞれ均一な厚さを持
つ矩形板状になっている。座屈板12bは基板18上の
全域を占めているが、座屈板12tは、次に述べる電極
パッド11a,11bを露出させるために、基板18上
で手前側(図3において)の辺18Cに沿った帯状領域
18E上の部分が取り除かれている。
【0044】ヒータ層11は、有限な導電性(電気抵
抗)を持つ金属材料、例えばTaからなっている。この
ヒータ層11は、各インク室16aに対応する領域内で
帯状に蛇行するパターンを持つ4つの発熱部11cと、
各発熱部11cの一端につながる短冊状の独立配線部1
3dと、各発熱部11cの他端につながり座屈板12b
の三辺18A,18B,18Dに沿って配置されたコの
字状の共通配線部13eとを有している。独立配線部1
3d,共通配線部13aのうち帯状領域18Eに存する
部分は、座屈板12tがそこで部分的に取り除かれてい
るお陰で、それぞれ操作電極パッド11a,共通電極パ
ッド11bとして露出している。
【0045】スペーサ16は、例えば10〜50μmの
厚みを有するステンレス鋼板からなっている。このスペ
ーサ16には、例えば打ち抜き加工により、インク室の
側壁を構成する4つの矩形の開口16aと、各開口16
aに連通するインク供給口16bが設けられている。
【0046】ノズルプレート17は、例えば0.2mm程
度のガラス材からなっている。このノズルプレート17
には、例えばふっ酸によるエッチングによって、4つの
インク吐出口17aが形成されている。このインク吐出
口17aは、ノズルプレート17を貫通する断面円形状
の穴であり、その内径はノズルプレート17の裏側から
表側へ向かって次第に小さくなるように設定されてい
る。
【0047】図4(a),(b)に示すように、完成状態で
は、圧力発生部材15上に、スペーサ16と、ノズルプ
レート17が接着剤によって取り付けられる。これによ
り、スペーサ16の各開口16aの上下がノズルプレー
ト17と、座屈板12b,12tとで実質的に液密に塞
がれて、4つのインク室が構成される。なお、座屈板1
2t(および12b)のうち各開口16aの周縁と重な
る部分は、全周にわたってスペーサ16に接着され、固
定された状態となる。結果として、各インク室16a毎
にこの発明に係るインクジェットヘッドが構成される。
【0048】また、基板18上の帯状領域18Eに露出
している操作電極パッド11aは個々にスイッチ14を
介して電源19の(+)端子に接続され、共通電極パッ
ド11bは電源19の(一)端子に接続される。
【0049】動作時には、各スイッチ14を切り替える
ことによって、ヒータ層11のうち各インク室16aに
対応した発熱部11cが独立に通電され得る。したがっ
て、各ヘッドは互いに独立に駆動され得る。各ヘッドは
それぞれ図1に示したインクジェットヘッド10と同様
に動作し、同様の作用効果を奏することができる。
【0050】上記圧力発生部材15は、詳しくは次のよ
うな手順で製造される。
【0051】まず、図5(a)に示すように、面方位(10
0)の単結晶シリコン基板18の両面に、LPCVD
(減圧化学気相成長)法により、6〜8%のリン(P)を
含む例えば厚さ2μmの酸化シリコン(SiO2)層(以下
「PSG層」という。)を成膜する。
【0052】次に、図5(b)に示すように、基板表面の
PSG層13上に、座屈板12bとして例えば厚さ3μ
mのアルミナを成膜する。
【0053】次に、図5(c)に示すように、座屈板12
b上に、ヒータ層11の材料として例えば厚さ0.1μ
mのTaを成膜し、このTa膜を上述のヒータ層11の
パターン(図3参照)に加工する。
【0054】次に、図5(d)に示すように、座屈板12
bの表面上に、ヒータ層11を挟み込むように、座屈板
12tの材料として厚さ3μmのアルミナを成膜し、こ
のアルミナ膜をヒータ層11の電極部を露出させるパタ
ーンに加工する。
【0055】次に、図6(e)に示すように、基板裏面の
PSG層13に、窓開口18aに対応する開口13aを
形成する。
【0056】次に、図6(f)に示すように、このPSG
層13をマスクとして、水酸化カリウム(KOH)水溶液
を用いて異方性エッチングを行って、基板18を貫通す
るテーパ形状の窓開口18aを形成する。
【0057】最後に、図6(g)に示すように、基板18
をマスクとしてエッチングを行って、基板裏面側のPS
G層13と、窓開口18a内に露出した基板表面側のP
SG層13を除去する。これにより、上記圧力発生部材
15が得られる。
【0058】この圧力発生部材15上にスペーサ16と
ノズルプレート17を一体に取り付けることによって、
マルチ型インクジェットヘッドを小型かつ安価に作製す
ることができる。
【0059】なお、この例では、説明の簡略化のため、
ヘッド数が4つの場合について述べたが、当然ながらヘ
ッド数はこれに限定されるものではなく、任意に設定で
きるものである。
【0060】また、この例では、座屈板12b,12t
の材料としてアルミナを採用したが、後述の理由より、
座屈板12b,12tの材料としては金属が望ましい。
ただし、座屈板12b,12tの材料として金属を用い
る場合は、ヒータ層11との界面に絶縁層を設ける必要
がある。
【0061】(第3実施例)上記各例では、座屈板とし
て矩形板状のものを採用したが、座屈板の形状はそれに
限られるわけではない。
【0062】例えば図7に示すように、座屈板の形状
を、均一な厚さを持つ楕円板状にしても良い。図7(a)
はそのような座屈板22を有するインクジェットヘッド
30をインク吐出方向から見たところを模式的に示し、
同図(b)は同図(a)におけるX−X線矢視断面を示してい
る。このインクジェットヘッド30は、図1のインクジ
ェットヘッドを変形したものであり、対応する構成要素
には図1中の参照数字に20を加えた参照数字を付して
いる。
【0063】このインクジェットヘッド30は、座屈板
22の形状に対応して、楕円板状の底板25Eと、楕円
筒状の側壁25Bを有するケーシング25と、このケー
シング25の蓋をなす平板状のノズルプレート27を備
えている。ケーシング25内には、楕円形の窓開口24
aを有するフランジ板24が底板25Eと平行に設けら
れている。このフランジ板24には、窓開口24aを液
密に塞ぐ状態で、圧力発生板としての座屈板22が取り
付けられている。上記ノズルプレート27と、フランジ
板24および座屈板22と、ケーシング25の側壁25
Bのうちフランジ板24よりも上の部分とでインク室2
6aを構成している。ケーシング25の内部のうちフラ
ンジ板24および座屈板22よりも下側の部分は空間2
6bである。
【0064】上記ノズルプレート27の略中央にはイン
ク吐出口27aが設けられている(図7(a)では、簡単
のためノズルプレート27を省略し、インク吐出口27
aのみ示している。)。このインク吐出口27aは、ノ
ズルプレート27を貫通する断面円形状の穴であり、そ
の内径はインク室の内側から外側へ向かって次第に小さ
くなるように設定されている。一方、ケーシング25の
側壁25Bのうちフランジ板24よりも上の部分に、外
部からインク室内にインクを供給するためのインク供給
口25aが設けられている。このインク供給口25aは
側壁25Bを貫通する断面円形状の穴であり、その内径
はインク室の外側から内側へ向かって次第に小さくなる
ように設定されている。
【0065】上記座屈板22は、上述のように、均一な
厚さで、窓開口24aの寸法よりも少し大きい寸法を持
つ楕円形の板である。座屈板22の周縁部(すなわちフ
ランジ板24と重なっている部分)22cは、全周にわ
たってフランジ板24に接着され、固定されている。こ
の座屈板22は、実質的に熱応力がない無変位状態と、
加熱により熱膨張してフランジ板24に垂直な方向に座
屈した座屈状態とを取り得る材料、例えばアルミナから
なっている。この座屈板22は、インク室26aと下部
空間26bとを仕切るダイアフラム(仕切板)の役割を
果たしている。
【0066】上記座屈板22の内部に板面と平行に、通
電により発熱するヒータ層21が設けられている。この
ヒータ層21は、有限な導電性(電気抵抗)を有する金
属材料、例えばTaからなり、座屈板22のうち窓開口
24a内の部分を帯状に蛇行して座屈板22の長手方向
に延びるパターンに形成されている。なお、ヒータ層2
1のパターンの蛇行の振幅は、窓開口24aの寸法に対
応して、中央部で大きく、両端で小さく設定されてい
る。図7(a)においてヒータ層21の右端には電極パッ
ド21a,左端には電極パッド21bがそれぞれ設けら
れている。右端の電極パッド21aはスイッチ28に接
続されている。このスイッチ28は電源29と接地との
切り替えを行うようになっている。左端の電極パッド2
1bは接地されている。
【0067】このインクジェットヘッド30は、図1に
示したインクジェットヘッド10と同様に動作し、同様
の作用効果を奏することができる。
【0068】しかも、座屈板22の形状が楕円板状であ
るので、矩形板である場合に比して、フランジ板24に
垂直な方向に一定の変位を起こさせるために必要な座屈
エネルギが少なくて済む。したがって、少ない消費電力
でさらに大きな吐出力や吐出速度を得ることができる。
【0069】また、座屈板22の形状が楕円板状である
ので、矩形板である場合と異なり、座屈状態で応力集中
が生じない。したがって、インクジェットヘッドの寿命
をさらに延ばすことができる。例えば、図8に示すよう
に、座屈板として、縦方向および横方向の寸法が等しい
矩形板2と楕円板22とを想定する(矩形板2の短辺,
長辺の寸法と楕円板22の短軸方向,長軸方向の寸法と
がそれぞれ等しい。)。この場合において、矩形板2,
楕円板22の中央部2a,22aがそれぞれ図8の面に
垂直な方向に変位したとき、矩形板2のコーナー部2d
では大きな応力集中が生じるが、楕円板22ではコーナ
ー部がないのでそのような応力集中は生じない。したが
って、座屈板やヒータ層の疲労を軽減でき、インクジェ
ットヘッドの寿命をさらに延ばすことができる。
【0070】(第4実施例)上記各例では、座屈板とし
て均一な厚さを持つものを採用したが、座屈板の厚さは
均一なものに限られるわけではない。
【0071】例えば図9に示すように、座屈板の厚さを
部分的に薄くしても良い。図9(a)はそのような座屈板
32を有するインクジェットヘッド40をインク吐出方
向から見たところ、同図(b)は上記インクジェットヘッ
ド40の縦断面をそれぞれ模式的に示している。このイ
ンクジェットヘッド40は、図1のインクジェットヘッ
ドを変形したものであり、対応する構成要素には図1中
の参照数字に30を加えた参照数字を付している。
【0072】このインクジェットヘッド40は、図1中
に示したケーシング5、ノズルプレート7と全く同一の
ケーシング35、ノズルプレート37を備えている。ケ
ーシング35内には、矩形の窓開口34aを有するフラ
ンジ板34が底板35Eと平行に設けられている。この
フランジ板34には、窓開口34aを液密に塞ぐ状態
で、圧力発生板としての座屈板32が取り付けられてい
る。この座屈板32は、窓開口34aの寸法よりも少し
大きい寸法を持つ矩形の板であり、各コーナー部に、残
りの領域よりも厚さが薄い矩形の領域32bが設けられ
ている。座屈板32の周縁部(すなわちフランジ板34
と重なっている部分)32cは、全周にわたってフラン
ジ板34に接着され、固定されている。この座屈板32
の材料、ヒータ層31の材料やパターン、その他の構成
は図1のインクジェットヘッド10の構成と同じであ
る。
【0073】このインクジェットヘッド30は、図1に
示したインクジェットヘッド10と同様に動作し、同様
の作用効果を奏することができる。
【0074】しかも、座屈板32の厚さが各コーナー領
域32bで部分的に薄くなっているので、均一な厚さを
持つ場合に比して、座屈板32の体積が小さくなってい
る。したがって、座屈板32を一定の温度に上昇させた
めの消費電力が少なくて済む。この結果、少ない消費電
力で大きな吐出力や吐出速度を得ることができる。
【0075】また、座屈板32は均一な厚さを持つ場合
に比して容易に変形するので、座屈板32やヒータ層3
1に対する応力が緩和される。したがって、座屈板やヒ
ータ層の疲労を軽減でき、インクジェットヘッドの寿命
を延ばすことができる。
【0076】(第5実施例)図10は、円板状で厚さが
部分的に薄くなっている座屈板42を有するインクジェ
ットヘッド50を例示している。
【0077】図10(a)はそのような座屈板42を有す
るインクジェットヘッド50をインク吐出方向から見た
ところを模式的に示し、同図(b)は同図(a)におけるX−
X線矢視断面を示している。このインクジェットヘッド
50は、図1のインクジェットヘッドを変形したもので
あり、対応する構成要素には図1中の参照数字に40を
加えた参照数字を付している。
【0078】このインクジェットヘッド50は、座屈板
42の形状に対応して、円板状の底板45Eと、円筒状
の側壁45Bを有するケーシング45と、このケーシン
グ45の蓋をなす平板状のノズルプレート47を備えて
いる。ケーシング45内には、円形の窓開口44aを有
するフランジ板44が底板45Eと平行に設けられてい
る。このフランジ板44には、窓開口44aを液密に塞
ぐ状態で、圧力発生板としての座屈板42が取り付けら
れている。上記ノズルプレート47と、フランジ板44
および座屈板42と、ケーシング45の側壁45Bのう
ちフランジ板44よりも上の部分とでインク室46aを
構成している。ケーシング45の内部のうちフランジ板
44および座屈板42よりも下側の部分は空間46bで
ある。
【0079】上記ノズルプレート47の略中央にはイン
ク吐出口47aが設けられている(図10(a)では、簡
単のためノズルプレート47を省略し、インク吐出口4
7aのみ示している。)。このインク吐出口47aは、
ノズルプレート47を貫通する断面円形状の穴であり、
その内径はインク室の内側から外側へ向かって次第に小
さくなるように設定されている。一方、ケーシング45
の側壁45Bのうちフランジ板44よりも上の部分に、
外部からインク室内にインクを供給するためのインク供
給口45aが設けられている。このインク供給口45a
は側壁45Bを貫通する断面円形状の穴であり、その内
径はインク室の外側から内側へ向かって次第に小さくな
るように設定されている。
【0080】上記座屈板42は、窓開口44aの寸法よ
りも少し大きい寸法を持つ円形の板である。座屈板42
の周縁部(すなわちフランジ板44と重なっている部
分)42cは、全周にわたってフランジ板44に接着さ
れ、固定されている。この座屈板42は、実質的に熱応
力がない無変位状態と、加熱により熱膨張してフランジ
板44に垂直な方向に座屈した座屈状態とを取り得る材
料、例えばアルミナからなっている。この座屈板42
は、インク室46aと下部空間46bとを仕切るダイア
フラム(仕切板)の役割を果たしている。
【0081】上記座屈板42の内部に板面と平行に、通
電により発熱するヒータ層41が設けられている。この
ヒータ層41は、有限な導電性(電気抵抗)を有する金
属材料、例えばTaからなり、座屈板42の中央部42
aから実質的に放射状に延びるパターンに形成されてい
る。詳しくは、ヒータ層41は、座屈板42の中央部4
2aから座屈板42の周縁部42cまで一定の振幅で蛇
行するパターンを持つ8つの発熱部41cを有してい
る。隣り合う発熱部41cの間の角度は等しく45°に
設定されている。各発熱部41cの外端にはそれぞれ電
極パッド41aが設けられている。各発熱部41cの内
端41bは共通に接続されている。図10(a)において
右側の4つの電極パッド41aはスイッチ48に接続さ
れている。このスイッチ48は電源49と接地との切り
替えを行うようになっている。図10(a)において左側
の4つの電極パッド41bは接地されている。
【0082】上記座屈板42のうちヒータ層11の発熱
部41c間に存する扇状部分42bの厚さは、座屈板4
2の残りの部分の厚さよりも薄くなっている。
【0083】このインクジェットヘッド50は、図1に
示したインクジェットヘッド10と同様に動作し、同様
の作用効果を奏することができる。
【0084】しかも、座屈板42の形状が円板状であ
り、厚さについても回転対称となっているので、楕円板
状である場合に比して、フランジ板44に垂直な方向に
一定の変位を起こさせるために必要な座屈エネルギがさ
らに少なくて済む。また、座屈板42のうちヒータ層4
1のパターン間に存する扇状部分42bの厚さが残りの
部分の厚さよりも薄くなっており、均一な厚さを持つ場
合に比して座屈板42の体積が小さくなっているので、
座屈板42を一定の温度に上昇させるための消費電力が
少なくて済む。これらの結果として、少ない消費電力で
大きな吐出力や吐出速度を得ることができる。
【0085】また、座屈板42の形状が円板状であるの
で、楕円板状である場合と同様に、座屈状態で座屈板4
2内に応力集中が生じない。しかも、座屈板42の厚さ
は部分的に薄くなっているため、均一な厚さを持つ場合
に比して容易に変形し、応力が緩和される。したがっ
て、インクジェットヘッドの寿命をさらに延ばすことが
できる。なお、座屈板42のうち厚さが薄くなっている
扇状部分42bはヒータ層41の発熱部分41c間に存
するので、その扇状部分42bは発熱部分41cによっ
て直接加熱されるわけではなく、その扇状部分42bに
対する熱応力は比較的小さい。したがって、その扇状部
分42bが疲労によってインクジェットヘッド全体の寿
命を短くすることはない。
【0086】(第6実施例)次に、円板状の座屈板が温
度変化を受けたときの、座屈のメカニズムを定量的に解
析する。
【0087】図11(a),(b)は、解析のための円板状の
座屈板のモデルを示している(同図(a)は座屈板52の
板面に垂直な方向から見たところを示し、同図(b)は同
図(a)におけるX−X線断面を示している。)。この座
屈板52は均一な厚さを持つ円板であり、座屈板52の
周縁部52cは支持部材54に固定されている。この座
屈板52に図示しないヒータ層によって温度変化(温度
上昇)tが与えられると、図12に示すように、座屈板
52は中央部52aが最も大きく変位した状態に変形す
る(以下、この座屈板52の中央部52aの変位量を単
に「座屈板の変位量」という。)。このとき、変形した
座屈板のポテンシャルエネルギUは次式(1)で表され
る。
【0088】 U=πEh(C1δ4+C2δ2+C3)/4(1−ν2) …(1) ただし、C=π4/32D22=π2{h22+4c)−3αtD2(1+ν)}/12D23=α2t22(1+ν) であり、Eは座屈板のヤング率、νは座屈板のポアソン
比、Dは座屈板の直径、hは座屈板の厚さ、αは座屈板
の線膨張係数、δは座屈板の変位量、cは定数(=1.2
2)である。
【0089】式(1)において、座屈板の変位量δを変化
させたとき、ポテンシャルエネルギUは、典型的には図
13に示す態様で変化する。この図13に示す態様で
は、δが或る有限な値δCをとるとき、ポテンシャルエ
ネルギUは最小値U2をとる。座屈板はこの最小値U2
とる状態に落ち着く。このときの座屈板の変位量δ
Cは、Uのδに関する微分係数を0とおくことで得ら
れ、次式(2)で表される。
【0090】 δC=4(−D22/π)1/2 …(2) この右辺の根号の中は必ず正でなければならないので、
座屈板の厚さhに関して次式(3)が成立することが要求
される。
【0091】 0<h<{αtD2(1+ν)/π2+4c}1/2 …(3) ここで、この式(3)は、インク吐出を行う前提条件とし
て座屈エネルギを得るための座屈板の厚さhの範囲を示
している。座屈板の変位量δが0のときポテンシャルエ
ネルギをU1とすると、座屈エネルギは(U1−U2)で
表され、これがインクに与えられるエネルギとなるから
である。この座屈エネルギ(U1−U2)は次式(4)で表
される。
【0092】 U1−U2=2EhD22 2/π3(1−ν2) …(4) この式(4)において、座屈板の厚さhを変化させたと
き、座屈エネルギ(U1−U2)は図14に示す態様で変
化する。この図14で座屈エネルギ(U1−U2)が正に
なるhの範囲が、上式(3)で示された範囲である。
【0093】また図14から分かるように、上式(3)で
示されたhの範囲内で座屈エネルギ(U1−U2)を最大
にする最適値hSが存在する。この最適値hSは、式(4)の
hに関する微分係数を0とおくことで得られ、次式(5)
で表される。
【0094】 hS={3αtD2(1+ν)/5(π2+4c)}1/2 …(5) 一方、インク滴を吐出させるのに実際に必要なエネルギ
Tは、インク滴の運動エネルギ、インク滴を表面張力
から解放するために必要な表面エネルギ、インクがイン
ク吐出口を通過する際の摩擦損失エネルギ、およびイン
クがインク吐出口を通過する際の断面積急収縮による損
失エネルギの和として次式(6)で与えられる。
【0095】 UT=mv2/2+σS+32mvlμ/d2ρ+ζmv2/2 …(6) ただし、mはインク滴の質量、vはインク滴の吐出速度、
Sはインク滴の表面積、σはインクの表面張力、μはイ
ンクの粘性係数、ρはインクの密度、lはインク吐出口
の長さ、dはインク吐出口の内径、ζは損失係数であ
る。
【0096】ここで、インク滴をインク吐出口から吐出
するためには、インクに与えられたエネルギ(U1
2)が必要なエネルギUTよりも大きいこと、すなわち (U1−U2)>UT …(7) が要求される。この式(7)に式(4),(6)を代入して、 2EhD22 2/π3(1−ν2)>mv2/2+σS+32mvlμ/d2ρ+ζmv2/2 …(8) が得られる。この式(8)を満たす範囲に座屈板の厚さ
hを設定することによって、実際にインク滴をインク吐
出口から吐出することができる。
【0097】また、上の式(4)より、座屈エネルギを大
きくするためには、座屈板の材料として、ヤング率、線
膨張係数の大きい材料を用いると良いことがわかる。さ
らに、座屈板の加熱、冷却速度を速くして周波数応答特
性を良くするためには、熱伝導率が大きい材料を用いる
ことが望ましい。また、座屈板の変位量を大きく取り、
疲労による破壊を起こりにくくするためには、延性に富
む材料を用いることが望ましい。以上の条件を総合的に
勘案すると、座屈板の材料として金属を用いるのが望ま
しい。
【0098】次に、上述の各式に基づいて、インク吐出
に適した座屈板の厚さhを実際に求めてみる。座屈板の
材質をニッケルとし、温度変化tは100℃とする。ま
た、各パラメータの値を σ=60×10-3N/m μ=2cP=2mPa・s ρ=1050kg/m3 l=100μm d=30μm ζ=0.5 α=13.4×10-6/℃ E=210GPa ν=0.306 D=250μm とする。
【0099】このとき、直径50μmのインク滴を10m
/sの速度で吐出させる場合に必要なエネルギUTは、式
(6)より略10nJとなる。
【0100】また、座屈エネルギを得るための座屈板の
厚さhの範囲(図15において座屈エネルギ(U1
2)が正となる範囲)は、式(3)より 0<h<4.72μm となる。上記インク滴の吐出に必要なエネルギUTの値
の2倍、即ち20nJ以上にするためには、座屈板の厚
さhの範囲は、式(8)より 1.37μm<h<2.83μm でなければならない。さらに、座屈板の厚さhの最適値h
Sは、式(5)より hS=2.11μm と求められる。座屈板の厚さhはこの最適値hS近傍に設
計するのが望ましい。
【0101】逆に言えば、このように座屈板の厚さhの
最適値hSが求められるということは、座屈板の温度変化
(加熱温度)tは高々100℃程度で済み、従来のバブ
ルジェット方式のような極端な高温(1000℃)に加
熱する必要はないことを意味している。したがって、消
費電力が少なくて済む上、信頼性が良好となり、インク
ジェットヘッドの寿命が長くなる。
【0102】なお、上述の各実施例では、圧力発生板と
して座屈板、変形手段として通電により発熱するヒータ
層を採用し、座屈板をヒータ層によって加熱して座屈変
形させる場合についてのみ説明した。しかし、圧力発生
板、変形手段はこれに限定されるものではない。例えば
圧力発生板として線膨張係数の異なる材料を2種類以上
積層したもの、変形手段として上と同様のヒータ層を採
用し、圧力発生板を線膨張係数の相異による曲げモーメ
ントを利用して変形させるようにしても良い。また、圧
力発生板として単に可撓性を有する材料からなるもの、
変形手段として機械的押圧力、静電力、電磁力などを印
加できるものを採用し、圧力発生板を変形手段による外
力によって変形させるようにしても良い。また、圧力発
生板は化学的性質、結晶構造を変化させて変形するもの
であっても良い。
【0103】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1に記
載のインクジェットヘッドは、変形手段が圧力発生板を
インク室の壁面に垂直な方向へ変形させるので、圧力発
生板の中央部は比較的大きく変位することができる。し
たがって、従来の圧電素子方式のものと異なり、圧力発
生板やインク室の寸法を小さく設定することができ、イ
ンクジェットヘッドを小型に構成することができる。し
かも、圧力発生板が上記壁面の窓開口を実質的に液密に
塞ぎ、上記壁面の一部としても働くので、インクジェッ
トヘッドの構造を極めて簡素化できる。また、このイン
クジェットヘッドでは、圧力発生板が上記壁面の窓開口
を実質的に液密に塞ぐ状態にあり(圧力発生板の中央部
が上記壁面に垂直な方向に変位したときも液密に保たれ
る)、インクが圧力発生板の裏側(インク吐出口と反対
の側)に回り込むことがないので、インクの吐出力や吐
出速度を大きくすることができる。また、変形手段とし
ては圧力発生板を加熱して熱膨張力により変形させるも
の、圧力発生板を静電力や電磁力により変形させる手段
などが考えられるが、圧力発生板を静電力や電磁力によ
り変形させる手段を採用した場合は当然ながら加熱を行
う必要はなく、また上記圧力発生板を加熱して熱膨張力
により変形させる手段を採用したとしても、加熱温度は
高々100℃程度で済む。つまり、従来のバブルジェッ
ト方式のものと異なり、極端な高温(1000℃)に加
熱する必要はない。したがって、信頼性を高めて、イン
クジェットヘッドの寿命を延ばすことができる。
【0104】請求項2に記載のインクジェットヘッド
は、ヒータ層の発熱によって座屈板をインク室の壁面に
垂直な方向へ座屈させるので、座屈板の中央部は比較的
大きく変位することができる。したがって、従来の圧電
素子方式のものと異なり、座屈板やインク室を小さく設
定することによってインクジェットヘッドを小型に構成
することができる。しかも、座屈板が上記壁面の窓開口
を実質的に液密に塞ぎ、上記壁面の一部としても働くの
で、インクジェットヘッドの構造を極めて簡素化でき
る。また、このインクジェットヘッドでは、座屈板がイ
ンク室の窓開口を実質的に液密に塞ぐ状態にあり(座屈
板の中央部が上記壁面に垂直な方向に変位したときも液
密に保たれる)、インクが座屈板の裏側(インク吐出口
と反対の側)に回り込むことがないので、インクの吐出
力や吐出速度を大きくすることができる。また、ヒータ
層による加熱温度は高々100℃程度で済み、従来のバ
ブルジェット方式のような極端な高温(1000℃)に
加熱する必要はない。したがって、消費電力を低減でき
る上、信頼性を高めて、インクジェットヘッドの寿命を
延ばすことができる。
【0105】請求項3に記載のインクジェットヘッドで
は、座屈板の形状が楕円板状であるので、矩形板である
場合に比して、壁面に垂直な方向に一定の変位を起こさ
せるために必要な座屈エネルギが少なくて済む。したが
って、少ない消費電力で大きな吐出力や吐出速度を得る
ことができる。また、矩形板である場合と異なり、座屈
状態で座屈板内に応力集中が生じない。したがって、座
屈板やヒータ層の疲労を軽減でき、インクジェットヘッ
ドの寿命をさらに延ばすことができる。
【0106】請求項4に記載のインクジェットヘッドで
は、座屈板が少なくとも壁面に取り付けられた両端をな
す部分の間で部分的に薄くなっているため、均一な厚さ
を持つ場合に比して、座屈板の体積が小さくなってい
る。したがって、座屈板を一定の温度に上昇させための
消費電力が少なくて済む。この結果、少ない消費電力で
大きな吐出力や吐出速度を得ることができる。また、均
一な厚さを持つ場合に比して容易に変形するので、座屈
板やヒータ層に対する応力が緩和される。したがって、
座屈板やヒータ層の疲労を軽減でき、インクジェットヘ
ッドの寿命を延ばすことができる。
【0107】請求項5に記載のインクジェットヘッドで
は、 上記座屈板の形状が円板状であり、厚さについて
も回転対称となっているので、楕円板状である場合に比
して、壁面に垂直な方向に一定の変位を起こさせるため
に必要な座屈エネルギがさらに少なくて済む。しかも、
座屈板のうち上記ヒータ層のパターン間に存する扇状部
分の厚さが残りの部分の厚さよりも薄くなっており、均
一な厚さを持つ場合に比して座屈板の体積が小さくなっ
ているので、座屈板を一定の温度に上昇させための消費
電力が少なくて済む。これらの結果として、少ない消費
電力で大きな吐出力や吐出速度を得ることができる。
【0108】また、上記座屈板の形状は円板状であるか
ら、楕円板状である場合と同様に、座屈状態で応力集中
が生じない。しかも、上記座屈板の厚さは部分的に薄く
なっているため、均一な厚さを持つ場合に比して容易に
変形する。したがって、インクジェットヘッドの寿命を
さらに延ばすことができる。
【0109】請求項6に記載のインクジェットヘッド
は、上記座屈板が金属材料からなる。金属は一般に、他
の材料に比して、ヤング率、線膨張係数、熱伝導率が大
きく、延性に富んでいる。したがって、この金属材料か
らなる座屈板によって、大きな吐出力や吐出速度を得る
ことができ、周波数応答を向上させることができる。ま
た、インクジェットヘッドの寿命を延ばすことができ
る。
【0110】請求項7に記載のインクジェットヘッド
は、上記座屈板の形状は円板状であり、上記座屈板の周
縁部が全周にわたって上記壁面に取り付けられており、
しかも上記座屈板の厚さhが 0<h<{3αtD2(1+ν)/π2+4c}1/2 (ただ
し、cは定数) なる範囲に設定されているので、上記座屈板が上記イン
ク室内のインク液を加圧するための座屈エネルギを発生
することができる。
【0111】請求項8に記載のインクジェットヘッド
は、上記座屈板の厚さhは、 2EhD22 2/π3(1−ν2)>mv2/2+σS+32mvl
μ/d2ρ+ζmv2/2(ただし、C2=π2{h22+4c)
−3αtD2(1+ν)}/12D2) なる関係式を満たす範囲に設定されているので、上記座
屈エネルギが上記インク滴を室外へ吐出させるのに必要
なエネルギを超えることができる。
【0112】請求項9に記載のインクジェットヘッド
は、上記座屈板の厚さhが hS={3αtD2(1+ν)/5(π+4c)}1/2 なる最適値hSに設定されているので、上記座屈エネル
ギを最大にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1実施例のインクジェットヘッ
ドの構成を示す図である。
【図2】 上記インクジェットヘッドの座屈板が座屈し
た状態を示す図である。
【図3】 この発明の第2実施例のインクジェットヘッ
ドを分解状態で示す斜視図である。
【図4】 上記インクジェットヘッドの完成状態を示す
図である。
【図5】 上記インクジェットヘッドの製造過程を示す
図である。
【図6】 上記インクジェットヘッドの製造過程を示す
図である。
【図7】 この発明の第3実施例のインクジェットヘッ
ドの構成を示す図である。
【図8】 矩形の座屈板と楕円の座屈板の座屈に伴う応
力集中を説明する図である。
【図9】 この発明の第4実施例のインクジェットヘッ
ドの構成を示す図である。
【図10】 この発明の第5実施例のインクジェットヘ
ッドの構成を示す図である。
【図11】 座屈板の座屈動作を解析するためのモデル
を示す図である。
【図12】 図11の座屈板が座屈した状態を示す図で
ある。
【図13】 座屈板の変位量を変化させたときのポテン
シャルエネルギの理論的変化を示す図である。
【図14】 座屈板の厚さを変化させたときの座屈エネ
ルギの理論的変化を示す図である。
【図15】 座屈板の厚さの最適値を求める仕方を説明
する図である。
【符号の説明】
1,11,21,31,41 ヒータ層 1a,1b,11a,11b,…,41a,41b 電
極パッド 2,12,22,32,42,52 座屈板 4,24,34,44 フランジ板 5,25,35,45 ケーシング 6a,16a,26a,36a,46a インク室 7,17,27,37,47 ノズルプレート 7a,17a,27a,37a,47a インク吐出口 10,20,30,40,50 インクジェットヘッド 17 スペーサ 18 単結晶シリコン基板 100,110,120,130,140 インク液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平田 進 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 木村 正治 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 石井 頼成 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 堀中 大 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 恩田 裕 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク室内に圧力を発生させて、上記イ
    ンク室内のインク液をインク吐出口を通して室外へ吐出
    させるインクジェットヘッドであって、 上記インク室は上記インク吐出口と対向する壁面に窓開
    口を有し、 可撓性材料からなり、上記窓開口を実質的に液密に塞ぐ
    状態で、周縁部のうち少なくとも一方向に関して両端を
    なす部分が上記壁面に取り付けられた圧力発生板と、 この圧力発生板に、平坦な無変位状態と、上記壁面に取
    り付けられた両端の間の中央部が上記壁面に垂直な方向
    に変位した変位状態とを取らせる変形手段を備えたこと
    を特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 インク室内に圧力を発生させて、上記イ
    ンク室内のインク液をインク吐出口を通して室外へ吐出
    させるインクジェットヘッドであって、 上記インク室は上記インク吐出口と対向する壁面に窓開
    口を有し、 上記窓開口を実質的に液密に塞ぐ状態で、周縁部のうち
    少なくとも一方向に関して両端をなす部分が上記壁面に
    取り付けられ、実質的に熱応力がない無変位状態と、熱
    膨張して座屈した座屈状態とを取り得る座屈板を備え、 上記座屈板の板面に沿って又は上記座屈板の内部に板面
    と平行に、通電により発熱するヒータ層が設けられてい
    ることを特徴とするインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のインクジェットヘッド
    において、 上記座屈板の形状は楕円板状であることを特徴とするイ
    ンクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載のインクジェットヘッド
    において、 上記座屈板の厚さは、少なくとも上記両端をなす部分の
    間で、部分的に薄くなっていることを特徴とするインク
    ジェットヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載のインクジェットヘッド
    において、 上記座屈板の形状は円板状であり、上記座屈板の周縁部
    が全周にわたって上記壁面に取り付けられており、 上記ヒータ層は上記座屈板の中央部から周縁部まで実質
    的に放射状に延びるパターンに形成され、 上記座屈板のうち上記ヒータ層のパターン間に存する扇
    状部分の厚さが、上記座屈板の残りの部分の厚さよりも
    薄くなっていることを特徴とするインクジェットヘッ
    ド。
  6. 【請求項6】 請求項2乃至5のいずれか一つに記載の
    インクジェットヘッドにおいて、 上記座屈板は金属材料からなることを特徴とするインク
    ジェットヘッド。
  7. 【請求項7】 請求項2に記載のインクジェットヘッド
    において、 上記座屈板の形状は円板状であり、上記座屈板の周縁部
    が全周にわたって上記壁面に取り付けられており、 上記座屈板を構成する材料のヤング率をE、ポアソン比
    をν、線膨張係数をαとし、上記座屈板の直径をD、上
    記ヒータ層の発熱による上記座屈板の温度変化をtとす
    るとき、上記座屈板の厚さhは、上記座屈板が上記イン
    ク室内のインク液を加圧するための座屈エネルギを発生
    するように、 0<h<{3αtD2(1+ν)/π2+4c}1/2 (ただ
    し、cは定数) なる範囲に設定されていることを特徴とするインクジェ
    ットヘッド。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のインクジェットヘッド
    において、 上記インク吐出口から吐出されるべきインク滴の質量を
    m、吐出速度をv、表面積をS、上記インク液の表面張力
    をσ、粘性係数をμ、密度をρとし、インク吐出口の長
    さをl、内径をd、損失係数をζとするとき、上記座屈エ
    ネルギが上記インク滴を室外へ吐出させるのに必要なエ
    ネルギを超えるように、上記座屈板の厚さhは、 2EhD22 2/π3(1−ν2)>mv2/2+σS+32mvl
    μ/d2ρ+ζmv2/2(ただし、C2=π2{h22+4c)
    −3αtD2(1+ν)}/12D2) なる関係式を満たす範囲に設定されていることを特徴と
    するインクジェットヘッド。
  9. 【請求項9】 請求項7または8に記載のインクジェッ
    トヘッドにおいて、上記座屈板の厚さhは、上記座屈エネ
    ルギを最大にするように、 hS={3αtD2(1+ν)/5(π+4c)}1/2 なる最適値に設定されていることを特徴とするインクジ
    ェットヘッド。
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