JPH08169110A - インクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッド

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JPH08169110A
JPH08169110A JP6316743A JP31674394A JPH08169110A JP H08169110 A JPH08169110 A JP H08169110A JP 6316743 A JP6316743 A JP 6316743A JP 31674394 A JP31674394 A JP 31674394A JP H08169110 A JPH08169110 A JP H08169110A
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JP
Japan
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ink
buckling
buckling structure
diaphragm
container
Prior art date
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Application number
JP6316743A
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English (en)
Inventor
Shingo Abe
新吾 阿部
Tetsuya Inui
哲也 乾
Koji Matoba
宏次 的場
Susumu Hirata
進 平田
Masaharu Kimura
正治 木村
Yorishige Ishii
頼成 石井
Masaru Horinaka
大 堀中
Yutaka Onda
裕 恩田
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
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    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2002/14346Ejection by pressure produced by thermal deformation of ink chamber, e.g. buckling

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 寸法を小さく維持したままインクの吐出力や
吐出速度を大きくできる長寿命のインクジェットヘッド
を提供する。 【構成】 筺体(5)とこの上面を覆うインク吐出口(7
a)をもつノズルプレート(7)からなる容器(6)と、この
容器内の底面に長手方向の両端が固定され,イ上方に向
かって座屈変形し得る座屈構造体(1)と、この座屈構造
体の上方に間隔をあけて重なるように設けられ,容器内
を座屈構造体側の空間とインク室とに液密に区切るとと
もに中央部で結合部材(4)により座屈構造体(1)と結合
されるダイアフラム(2)と、座屈構造体(1)に通電によ
り座屈荷重を生ぜしめて座屈変形させ,インク室内のイ
ンク(100)を加圧,吐出させる電極(1a,1b)とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、容器の内部に貯えられ
たインク液に圧力を加えて外部へインク滴として吐出,
飛翔させて記録を行なうインクジェットヘッドに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のインクジェットヘッド
は、低騒音で比較的高速な印字ができ、装置の小型化や
カラー記録が容易であるなどの利点を有しており、種々
の液滴吐出原理に基づくものが製品化されている。かか
る液滴吐出原理として、例えば、圧電素子の機械的な変
形によってインク室のノズル穴からインクを吐出させる
ようにしたもの(圧電素子方式)、ヒータ加熱によってイ
ンクを沸騰させて泡を形成し、この泡発生による圧力変
化でノズル穴からインクを吐出させるようにしたもの
(バルブジェット方式)がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のイ
ンクジェットヘッドでは、次のような問題がある。すな
わち、圧電素子方式のものでは、圧電素子に電圧を印加
して変形させるが、この変形が小さいため、圧電素子を
積層したり,形状の大きいバイモルフ型の圧電アクチュ
エータを形成し、変形量を大きくしてインク滴を吐出さ
せている。そのため、ノズルピッチよりも遥かに大きな
圧電素子およびインク室が必要になって、ノズルを集約
化したマルチノズルヘッドの作製が困難である。
【0004】一方、バルブジェット方式のものでは、ヒ
ータ加熱によるインク沸騰時の泡を利用するので、ヒー
タの小型化によりノズルの集約化が比較的容易で記録時
間も短縮できる利点がある反面、きれいな泡を得るのに
ヒータを短時間に1000℃近くまで加熱せねばならず、そ
の結果、ヒータが劣化しやすく、インクジェットヘッド
の寿命が短くなるという問題がある。また、通電による
発熱に伴う熱応力で座屈変形する座屈構造体により、イ
ンク室のインクを加圧して吐出する方式のインクジェッ
トヘッドが提案されているが(特公平2−30543号
公報)、このインクジェットヘッドは、ダイアフラムを
設けていないため、加圧時にインクが座屈構造体の背面
に回り込み、圧力が低下してインクの吐出力や吐出速度
が不足するという問題がある。
【0005】そこで、本発明の目的は、寸法を小さく維
持したまま、インクの吐出力や吐出速度を大きくするこ
とができる長寿命のインクジェットヘッドを提供すると
ともに、インク吐出のための大きな座屈エネルギを発生
できるインクジェットヘッドとりわけ座屈構造体の寸
法,形状を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の請求項1に記載のインクジェットヘッド
は、壁部にインク吐出口を有する容器と、この容器内の
壁面に、周縁部のうち少なくとも一方向に関して両端を
なす部分が固定されて配設され、変形し得る構造体と、
この構造体と間隔をあけて重なるように配設され,かつ
上記構造体に少なくとも一部で結合し、インク室を液密
に区切るとともに、上記インク室側に向かって変形し得
るダイアフラムと、上記容器内に配設され、上記構造体
を変形させることにより、上記インク室内のインクを加
圧してインク吐出口から吐出させる圧縮手段とを備えた
ことを特徴とする。
【0007】また、請求項2に記載のインクジェットヘ
ッドは、壁部にインク吐出口を有する容器と、この容器
内の上記壁部に対向する壁面に、周縁部のうち少なくと
も一方向に関して両端をなす部分が固定されて配設さ
れ、上記インク吐出口に向かって座屈変形し得る板状の
座屈構造体と、この座屈構造体と間隔をあけて重なるよ
うに配設され、上記容器内を座屈構造体側の空間と上記
インク吐出口側のインク室とに液密に区切るとともに、
上記インク吐出口に向かって変形し得るダイアフラム
と、このダイアフラムと上記座屈構造体を中央部付近で
互いに結合する結合部材と、上記空間内に配設され、上
記座屈構造体に圧縮荷重を生ぜしめて座屈変形させるこ
とにより、上記インク室内のインクを加圧してインク吐
出口から吐出させる圧縮手段とを備えたことを特徴とす
る。
【0008】また、請求項3に記載のインクジェットヘ
ッドは、請求項2の結合部材が、複数あることを特徴と
する。
【0009】請求項4に記載のインクジェットヘッド
は、請求項2または3に記載のものにおいて、上記座屈
構造体が、中央部から複数の矩形片が放射状に突出して
おり、上記ダイアフラムが、周縁部のうち少なくとも一
方向に関して両端をなす部分が上記容器の内壁に固定さ
れていることを特徴とする。
【0010】請求項5に記載のインクジェットヘッド
は、請求項2または3に記載のものにおいて、上記ダイ
アフラムが、上記結合部材を介して座屈構造体に結合す
る以外にはどの部材とも結合していないことを特徴とす
る。
【0011】請求項6に記載のインクジェットヘッド
は、壁部にインク吐出口を有する容器と、この容器内の
上記壁部に対向する壁面に、中央部から2本以上の矩形
片が直線で対をなして放射状に突出し,各矩形片の先端
が上記壁面に固定されて配設され、上記インク吐出口に
向かって座屈変形し得る座屈構造体と、この座屈構造体
に間隔をあけて重なるように配設され、周縁部のうち少
なくとも一方向に関して両端をなす部分が上記容器の内
壁に固定されて、上記容器内を座屈構造体側の空間と上
記インク吐出口側のインク室とに液密に区切るととも
に、上記インク吐出口に向かって変形し得るダイアフラ
ムと、このダイアフラムと上記座屈構造体を中央部で互
いに結合する結合部材と、上記空間内に配設され、上記
座屈構造体に通電して熱応力を生ぜしめて座屈変形させ
ることにより、上記インク室内のインクを加圧してイン
ク吐出口から吐出させる圧縮手段とを備えるとともに、
上記座屈構造体を構成する矩形片のヤング率をE,幅を
b,厚さをh,線膨張係数をα,矩形片の直線対の長さ,総数
を夫々l,n,座屈時の座屈構造体の温度変化をtとし、上
記ダイアフラムのばね定数をkとするとき、上記矩形片
の厚さhが、座屈エネルギを発生すべく下式を満たすこ
とをことを特徴とする。 2l(−p)cos(u/3+4π/3)<h<2l(−p)cos(u/
3) 但し、p=−αt/π2, q=3k/nEbπ4, u=cos-1{q/
p(−p)1/2}, 0≦u≦π
【0012】請求項7に記載のインクジェットヘッド
は、請求項6に記載のものにおいて、上記インクの表面
張力をσ,粘性係数をμとし、インク滴の質量をm,吐出
速度をv,表面積をSとし、インク吐出口の長さをLとす
るとき、上記矩形片の厚さhが、インク滴の吐出に必要
な座屈エネルギ(U1−U2)を発生すべく下式をさらに満
たすことを特徴とする。 U1−U2=(3nEbhl2αtπ2−nEbh3π4−6l3k)2/1
8nEbhl3π4>mv2/2+σS+8πμL2v
【0013】請求項8に記載のインクジェットヘッド
は、請求項7に記載のものにおいて、上記矩形片の厚さ
が、インク滴を吐出させる最大座屈エネルギを発生すべ
くさらに下式で与えられる最適値hsであることを特徴と
する。 hs=l{−s+(s2+r3)1/2}1/3+l{−s−(s2+r3)1/2}1/3
; s2+r3>0 のとき hs=2l(−r)cos(w/3) ; s2+r3<0 のとき 但し、r=−αt/5π2, s=−3k/5nEbπ4, w=cos
-1{s/r(−r)1/2},0≦w≦π
【0014】請求項9に記載のインクジェットヘッド
は、壁部にインク吐出口を有する容器と、この容器内の
上記壁部に対向する壁面に、中央部から2本以上の矩形
片が直線で対をなして放射状に突出し,各矩形片の先端
が上記壁面に固定されて配設され、上記インク吐出口に
向かって座屈変形し得る座屈構造体と、この座屈構造体
に間隔をあけて重なるように配設され、周縁部のうち少
なくとも一方向に関して両端をなす部分が上記容器の内
壁に固定されて、上記容器内を座屈構造体側の空間と上
記インク吐出口側のインク室とに液密に区切るととも
に、上記インク吐出口に向かって変形し得るダイアフラ
ムと、このダイアフラムと上記座屈構造体を中央部で互
いに結合する結合部材と、上記空間内に配設され、上記
座屈構造体に通電して熱応力を生ぜしめて座屈変形させ
ることにより、上記インク室内のインクを加圧してイン
ク吐出口から吐出させる圧縮手段とを備えるとともに、
上記座屈構造体を構成する矩形片のヤング率をE,幅を
b,厚さをh,線膨張係数をα,矩形片の直線対の全長をC,
矩形片の直線対の中央部を除いた実効長,総数を夫々l,
n,座屈時の座屈構造体の温度変化をtとし、上記ダイア
フラムのばね定数をkとするとき、上記矩形片の幅bが下
式で与えられ、上記実効長lが、座屈エネルギを発生す
べく下式を満たすことをことを特徴とする。 b=(C−l)/tan{(n−1)π/2n} (3nEbhl2αtπ2−nEbh3π4−6l3k)/3nEbhπ4
【0015】請求項10に記載のインクジェットヘッド
は、請求項9に記載のものにおいて、上記インクの表面
張力をσ,粘性係数をμとし、インク滴の質量をm,吐出
速度をv,表面積をSとし、インク吐出口の長さをLとす
るとき、上記実効長lが、インク滴の吐出に必要な座屈
エネルギ(U1−U2)を発生すべく下式をさらに満たすこ
とを特徴とする。 (3nEbhl2αtπ2−nEbh3π4−6l3k)2/18nEbhl3
π4>mv2/2+σS+8πμL2v
【0016】請求項11に記載のインクジェットヘッド
は、請求項10に記載のものにおいて、上記実効長l
が、インク滴を吐出させる最大座屈エネルギを発生すべ
くさらに下式を満たすことを特徴とする。 d{(3nEbhl2αtπ2−nEbh3π4−6l3k)2/18nEbhl
3π4}/dl=0
【0017】
【作用】請求項1に記載のインクジェットヘッドは、次
のように駆動される。即ち、容器の構造体側の空間内に
配設された圧縮手段は、構造体の面内に圧縮荷重を生ぜ
しめ、これにより構造体は、上記面に垂直な方向に大き
く変形し、この変形力は、結合されて重なるダイアフラ
ムをインク吐出口に向かって変形させる。すると、この
ダイアフラムにより上記空間から液密に区切られたイン
ク室内のインクが圧縮されて、容器壁部のインク吐出口
からインク滴となって外部へ吐出される。圧縮手段によ
り圧縮荷重が除荷されると、構造体およびダイアフラム
は、変形のない元の位置に復帰する。こうして、圧縮手
段による構造体への圧縮荷重の載荷と除荷の繰り返しで
外部へ吐出されたインク滴によって、記録紙への印字が
行われる。ここで、構造体は、面内で一方向に関して両
端をなす部分を容器壁面に固定すれば、面内に加わる圧
縮荷重によって、面内方向の変位量が小さくとも面に垂
直な方向に大きな変位量を生じるので、構造が非常に簡
素化されるうえ、寸法を容易に小さくでき、それ故、寸
法を小さく維持したまま大きな吐出力を得ることができ
る。また、構造体に重なるように結合されてインク室を
液密に区切るダイアフラムを設けているので、インクが
他の空間に漏れ込むことがなく、かつ広い面積のダイア
フラムでインクを加圧できるから、大きな吐出力を得る
ことができる。
【0018】請求項2に記載のインクジェットヘッド
は、次のように駆動される。即ち、容器の座屈構造体側
の空間内に配設された圧縮手段は、座屈構造体の板状面
内に圧縮荷重を生ぜしめ、これにより座屈構造体は、上
記面に垂直な方向に大きく座屈変形し、この変形力は、
結合部材で中央部付近を結合されて重なるダイアフラム
をインク吐出口に向かって変形させる。すると、このダ
イアフラムにより上記空間から液密に区切られたインク
室内のインクが圧縮されて、容器壁部のインク吐出口か
らインク滴となって外部へ吐出される。圧縮手段により
圧縮荷重が除荷されると、座屈構造体およびダイアフラ
ムは、変形のない元の位置に復帰する。こうして、圧縮
手段による座屈構造体への座屈荷重を超える圧縮荷重の
載荷と除荷の繰り返しで外部へ吐出されたインク滴によ
って、記録紙への印字が行なわれる。ここで、座屈構造
体は、面内で一方向に関して両端をなす部分を容器壁面
に固定すれば、面内に加わる座屈荷重を超える圧縮荷重
によって、面内方向の変位量が小さくとも面に垂直な方
向に大きな変位量を生じるので、構造が非常に簡素化さ
れるうえ、寸法を容易に小さくでき、それ故、寸法を小
さく維持したまま大きな吐出力を得ることができる。ま
た、座屈構造体に重なるように結合部材で結合されてイ
ンク室を液密に区切るダイアフラムを設けているので、
インクが座屈構造体のある空間に漏れ込むことがなく、
かつ広い面積のダイアフラムでインクを加圧できるか
ら、大きな吐出力を得ることができる。
【0019】請求項3に記載のインクジェットヘッドで
は、ダイアフラムと座屈構造体を中央部付近で結合する
結合部材が複数あるので、ダイアフラムに加わる荷重が
分散して応力が緩和され、ダイアフラムの寿命を延ばす
ことができる。
【0020】請求項4に記載のインクジェットヘッドで
は、上記座屈構造体が、中央部から複数の矩形片が放射
状に突出しており、ダイアフラムの周縁部の一方向に関
して両端をなす部分が容器の内壁に固定されているの
で、複数の座屈構造体に伴う単位座屈変形で貯えられる
エネルギの増加およびダイアフラムの大きな変形によっ
て、大きな吐出力を得ることができる。
【0021】請求項5に記載のインクジェットヘッドで
は、ダイアフラムが結合部材を介して座屈構造体に結合
する以外にはどの部材にも結合していないので、インク
室の液密を保持しつつ,ダイアフラムに生じる応力を緩
和でき、ダイアフラムの寿命を延ばすことができる。
【0022】請求項6に記載のインクジェットヘッドで
は、圧縮手段による通電で座屈構造体に熱応力を生ぜし
めて座屈変形させることができるとともに、座屈構造体
を構成する矩形片の厚さを数式の範囲にして、インク加
圧に必要な座屈エネルギを発し得るインクジェットヘッ
ドを設計することができる。
【0023】請求項7に記載のインクジェットヘッドで
は、上記矩形片の厚さをさらに数式の範囲にして、イン
ク滴の吐出に必要な座屈エネルギを発し得るインクジェ
ットヘッドを設計することができる。
【0024】請求項8に記載のインクジェットヘッドで
は、上記矩形片の厚さをさらに数式の範囲にして、イン
ク滴吐出のための最大エネルギを発し得るインクジェッ
トヘッドを設計することができる。
【0025】請求項9に記載のインクジェットヘッドで
は、請求項5で述べたと同様、数式で示した幅および数
式の範囲内の直線対の実効長をもつ矩形片によって、イ
ンク加圧に必要な座屈エネルギを発し得るインクジェッ
トヘッドを設計することができる。
【0026】請求項10に記載のインクジェットヘッド
では、矩形片の直線対の実効長をさらに数式の範囲にし
て、インク滴の吐出に必要な座屈エネルギを発し得るイ
ンクジェットヘッドを設計することができる。
【0027】請求項11に記載のインクジェットヘッド
では、矩形片の直線対の実効長をさらに数式の範囲にし
て、インク滴吐出のための最大エネルギを発し得るイン
クジェットヘッドを設計することができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例により詳細に説
明する。図1は、請求項2および6に記載のインクジェ
ットヘッドの一実施例の平面図および断面図である。こ
のインクジェットヘッド10は、筐体5とこの筐体の上
面を覆い,かつ中央にインク吐出口7aをもつノズルプレ
ート7とからなる容器6と、この容器6内のノズルプレ
ート7に対向する底面に取付部材3を介して両端が固定
され,中央部が上方に向かって座屈変形し得る板状で矩
形の座屈構造体1と、この座屈構造体1の上方に間隔を
あけて重なるように配置され,筐体5の内周水平壁に載
置されかつ周縁部が固定されて容器内を下部空間と上部
のインク室とに液密に区切るとともに,上方に向かって
変形し得るダイアフラム2と、このダイアフラム2と上
記座屈構造体1とを中央部で互いに結合する結合部材4
と、スイッチ8を介して外部の電源9につながる座屈構
造体1の一端の電極1aとアースにつながる他端の電極
1bからなり,通電により座屈構造体1に熱応力を生ぜし
めて座屈変形させることにより,ダイアフラム2を介し
てインク室内のインク100を加圧してインク吐出口7aか
ら吐出させる圧縮手段を備えている。なお、図1の平面
図は、便宜上ノズルプレート7を外した状態で描かれて
いる。
【0029】上記座屈構造体1は、弾性変形するととも
に導電性を有する例えば金属などの材料からなり、スイ
ッチ8のオンで電源9から給電され、発熱,昇温による
膨張が両端の取付部材3で阻止されるため、面内に熱応
力が生じて面に垂直上方へ座屈変形する一方、スイッチ
8のオフで給電が止まると、冷却で収縮して元の状態に
復帰する。座屈構造体1のインク吐出に適した形状,寸
法については、図11以降で詳述する。上記ダイアフラ
ム2は、両側の長辺および両端の短辺つまり四周が筐体
5の内周水平壁に固定されて、インク室を液密に区切っ
ている。上記インク吐出口7aは、外方に向かって先細
のテーパ状をなす一方、筐体5の側壁には、インク室の
下部に通じるインク供給口5aが設けられている。
【0030】上記構成のインクジェットヘッド10は、
次のように駆動される。まず、容器6のインク室内にイ
ンク供給口5aを経てインク100が注入,充填される。次
に、スイッチ8がオンにされ、電源9から両端の電極1
a,1bを介して座屈構造体1に電流が流れると、座屈構
造体1は抵抗発熱により加熱され、熱膨張しようとす
る。しかし、座屈構造体1の長手方向の両端は、取付部
材3を介して筐体5の底面に固定されているため、座屈
構造体1の面内長手方向に圧縮力が蓄積される。この圧
縮力が座屈構造体の材質,寸法で決まる座屈荷重を超え
ると、座屈構造体1は、図2に示すように、面に垂直に
上方に向かって大きく座屈変形を起こす。この座屈変形
に伴う力は、結合部材4を介してダイアフラム2の中央
部に加わり、両端を筐体5の内周水平壁に固定されたダ
イアフラム2も、同様に大きく弾性変形する。すると、
このダイアフラム2により座屈構造体のある下部空間か
ら液密に区切られたインク室内のインク100が圧縮され
て、ノズルプレート7の中央のインク吐出口7aからイ
ンク滴100aとなって外部へ吐出される。
【0031】次に、スイッチ8がオフにされて通電が止
まると、座屈構造体1は、冷却で収縮して熱応力がなく
なり、図1の元の状態に復帰する。こうして、スイッチ
8のオン,オフの繰り返しで外部へ吐出されたインク滴1
00aによって、記録紙に印字が行なわれる。両端を固定
された座屈構造体1は、面内に加わる座屈荷重を超える
圧縮荷重によって面内長手方向の変位量が少なくとも面
に垂直な方向に大きな変位量を生じるので、構造が非常
に簡素化されるうえ、寸法を容易に小さくでき、それ
故、小型化を図りつつ大きな吐出力を得ることができ
る。また、インク室を液密に区切るダイアフラム2を座
屈構造体1を覆うように設けているので、インクは下部
空間に漏れ込むことがなく、かつ広い面積のダイアフラ
ム2でインク100を加圧できるので、大きな吐出力を得
ることができる。以上の実施例では、容器の1つのイン
ク室内に1個の座屈構造体が、矩形のダイアフラムと1
箇所で結合部材により結合されたインクジェットヘッド
について述べたが、座屈構造体や結合部材の個数および
ダイアフラムの形状は、この実施例に限定されるもので
はなく、任意に選ぶことができる。
【0032】図3,図4,図5は、座屈構造体,インク室
などを複数配設してなる請求項2および6に記載のイン
クジェットヘッドの実施例の夫々分解斜視図,平面図,断
面図(図4のV-V線矢視図)である。このインクジェット
ヘッド20は、図3に示すように、容器の下部空間側を
なす筐体15と、この筐体の上部にインク室側をなして
載るスペーサ16と、インク吐出口を有して上部の蓋を
なすノズルプレート17で構成される。上記筐体15
は、図5にも示すように、共通の下部空間に相当するテ
ーパ状の凹部18aを有して筐体の主要部をなす基板1
8と、基板18の上面に取付部材13を介して長手方向
の両端が固定されて4本並べて配置された略矩形の各座
屈構造体11と、これら座屈構造体11の上面に取付部
材13を介して四周が固定され,かつ結合部材14を介
して各座屈構造体の中央部と結合する1枚で共通のダイ
アフラム12とを備える。なお、図4の平面図は、座屈
構造体11の形状を明示すべく、スペーサ16および基
板の凹部18aの輪郭を破線で描いている。
【0033】基板18は、例えば面方位(100)の単結
晶シリコン板からなり、この上面に設けられた4つの座
屈構造体11は、図4に示すように、長手方向他端側で
互いにつながるとともに、その両側につながって長手方
向に延びる1対の共通電極片を有し、各座屈構造体の一
端の操作電極11aをスイッチを介して各電源19の+
端子に、各座屈構造体の他端を上記共通電極片の共通電
極11b,11bを介して電源19の−端子に夫々接続し
て、各座屈構造体への給電を行なうようにしている。ス
ペーサ16は、例えば厚さ10〜50μmのステンレス
鋼板からなり、図3に示すように、例えば打ち抜き加工
によって座屈構造体に対応して4つのインク室とインク
供給口を構成する開口16aを形成している。また、ノ
ズルプレート17は、例えば厚さ0.2mmのガラス板から
なり、例えばフッ酸を用いたエッチングで外方に向かっ
て先細の円錐状をなす4つのインク吐出口17aが設け
られており、例えば接着剤によってスペーサ16を介し
て筐体15に接合される。
【0034】上記実施例の筐体15は、図6および図7
に示すような手順で製造される。まず、図6(a)に示す
ように、面方位(100)の単結晶シリコンからなる基板
18を準備し、この基板の表裏面に、6〜8%のリン
(P)を含む例えば厚さ2μmの酸化シリコン(SiO2)層
(以下、PSG(Phospho-Silicate Glass)と略称す
る))を減圧CVD法により形成する。次に、図6(b)に
示すように、基板18の表面上に、例えば厚さ6μmの
レジストを成膜,パターニングし、レジストのパターニ
ングされていない基板18の表面上に、図6(c)に示す
ように、例えば電解めっきにより厚さ6μmのニッケル
(Ni)層を形成する。以上の工程により、ニッケル層か
らなる座屈構造体11が形成されたことになる。
【0035】更に、図6(d)に示すように、座屈構造体
11の中央部に、例えば厚さ2μmのPSG層を成膜,パ
ターニングして、PSG層からなる結合部材14を形成
し、次にPSG層のパターニングされていない座屈構造
体11の表面上に、図6(e)に示すように、レジストを
結合部材14と同じ高さになるように塗布する。その
後、図7(f)に示すように、結合部材14およびレジス
トの表面上に、たとえば電解めっきにより厚さ3μmの
ニッケル(Ni)層を成膜し、これによってニッケル層,か
らなるダイアフラム12が形成されたことになる。
【0036】続いて、基板18の裏面の加工に移り、図
7(g)に示すように、裏面のPSG層をパターニング
し、パターニングされたPSG層をマスクとして、図7
(h)に示すように、シリコンの基板18を異方性エッチ
ング液である水酸化カリウム(KOH)によってエッチン
グして、基板18を貫通するテーパ状の凹部18aを形
成する。次に、図7(i)に示すように、エッチングされ
た基板18のテーパ状の凹部18aをマスクとして、P
SG層をエッチングして、取付部材13を形成する。最
後に、レジストを除去して、図7(j)に示すような所望
の構成をもつ筐体15を完成する。
【0037】図3以降で述べた実施例のインクジェット
ヘッド20は、座屈構造体11やインク室などからなる
4つのインク吐出部が並列に設けられたものであり、個
々のインク吐出部は、夫々のスイッチでオン,オフされ
て図1の実施例と同様に動作して独立にインク吐出口1
7aからインクを吐出して印字を行なう。この実施例で
は、基板18,ダイアフラム12,スペーサ16,ノズル
プレート17を一体物に共通化し、4つのインク吐出部
を上述の製造工程で同時に作製しているので、独立に制
御できる複数のインク吐出部をコンパクトかつ安価に製
造することができ、機能性を向上させることができる。
なお、この実施例では、4つのインク吐出部をもつマル
チノズルヘッドについて述べたが、本発明の座屈構造体
の個数はこれに限られず、任意に選ぶことができる。
【0038】図8は、放射状の座屈構造体を有する請求
項4に記載のインクジェットヘッドの実施例の平面図お
よび断面図である。このインクジェットヘッド30は、
円筒状の筐体5と円板状のノズルプレート7からなる円
筒状の容器6をもち、座屈構造体1が放射状で,ダイア
フラム2が円板状である点が、図1の実施例と異なる。
上記座屈構造体1は、同一平面内において中央部から8
本の矩形片を直径方向に対をなすように放射状(直線対
の数は4本)に突出させてなり、各矩形片の先端が取付
部材3を介して筐体5の底面に固定されるとともに、中
央部の上面が結合部材4によりダイアフラム2に結合さ
れている。座屈構造体1を構成する各直線対の一端は、
電極1aおよび共通のスイッチ8を介して電源9に接続
され、他端は電極1bを介して接地されて、スイッチ8
のオンで各直線対に直径方向に同時に電流が流れるよう
になっている。
【0039】上記インクジェットヘッド30において、
スイッチ8がオンされると、座屈構造体1の両端が固定
された4本の直線対は、通電加熱による膨張が阻止され
て、同時に上方へ大きく座屈変形する。座屈変形に伴う
力は、結合部材4を介してダイアフラム2の中央部に加
わり、周縁部の一方向に関して両端をなす部分のみが容
器の環状の内周水平壁に固定され,インク室を液密に保
持するダイアフラム2も同様に大きく弾性変形する。こ
こで、ダイアフラム2の他の周縁部は、上記内周水平壁
に上から当接しているだけで、中央部が結合部材4で結
合されているので座屈構造体1の上述の動作に追従する
が、座屈変形を伴う変位量は中央部でも高々10μm程
度なうえ、吐出に伴ってインク室のインクから反力を受
けるので、インク室の液密が保たれ、インクが下部空間
に漏れ込むことはない。そして、インク室内のインク10
0が圧縮されて、ノズルプレート7の中央のインク吐出
口7aから吐出され、印字が行なわれる。この実施例で
は、座屈構造体1が放射状の4本の直線対からなるの
で、複数の座屈構造体により単位座屈変形当たりに貯え
られるエネルギの増加し、またダイアフラム2の周縁部
の一方向にのみ両端が固定されているので、大きく変形
することができて、大きな吐出力を得ることができる。
【0040】図9は、複数の結合部材を用いた請求項3
に記載のインクジェットヘッドの実施例の平面図および
断面図である。このインクジェットヘッド40は、板状
で矩形の座屈構造体1と同様のダイアフラム2を中央部
付近で4つの結合部材4によって結合した点が、図1の
実施例と異なる。従って、この実施例の座屈構造体1の
通電による座屈変形でダイアフラム2を介してインクを
吐出する動作は、図1で述べた動作と基本的には同じで
あるから、説明を省略する。この実施例では、結合部材
4が4つあるので、ダイアフラム2に加わる荷重が分散
して応力が緩和され、ダイアフラム2の寿命を延ばすこ
とができる。
【0041】図10は、ダイアフラムが結合部材のみを
介して他部材と結合される請求項5に記載のインクジェ
ットヘッドの実施例の平面図および断面図である。この
インクジェットヘッド50は、板状で矩形のダイアフラ
ム2が中央の結合部材4を介して座屈構造体1のみに結
合され、両端が筐体5の内周水平壁に固定されていない
点が、図1の実施例と異なる。上記断面図では、構造の
差異を強調すべくダイアフラム2の両端と内周水平壁と
の間に隙間があるかのように描いたが、この間は実際に
は離れておらず,当接しており、ダイアフラム2は、座
屈変形に伴う変位量が中央部での10μmほどなうえ、
インク吐出時には液圧によって内周水平壁に向けて押し
付けられるので、インク室の液圧は保持され、インクが
下部空間に漏れ込むことはない。従って、この実施例で
も、座屈構造体1によるインク吐出動作は、図1で述べ
た動作と何ら異ならないから、説明を省略する。この実
施例では、ダイアフラム2が結合部材4を介して座屈構
造体1に結合する以外にはどの部材にも結合していない
ので、インク室の液密を保持しつつ,ダイアフラム2に
生じる応力を緩和でき、ダイアフラムの寿命を延ばすこ
とができる。
【0042】図11は、請求項6〜11に記載したイン
ク吐出に適した座屈構造体の形状,寸法を求めるための
ダイアフラムをもつ力学系のモデル図である。両端を固
定された座屈構造体1と上端を固定されたダイアフラム
2は、座屈構造体1の中央部のみで互いに結合されてお
り、ダイアフラム2の変形量と荷重は、線形関係にある
ものとする。図11(A)の座屈構造体1に温度変化tが
与えられて、図11(B)に示すように変形が生じたとす
ると、系全体のエネルギUは次式で表わされる。 U={3Aπ4δ4+(2Ah2π4−6Al2αtπ2+12l
3k)δ2+12Al4α2t2}/24l3 …(1) 但し、E:座屈構造体のヤング率, b:座屈構造体の幅,
h:座屈構造体の厚さ n:座屈構造体の直線対の個数, α:座屈構造体の線膨張
係数 l:座屈構造体の長さ,k:ダイアフラムのばね定数 δ:座屈構造体の中央部の変形量,t:座屈構造体の温度
変化, A=nEbh
【0043】座屈構造体1の中央部の変位量δの変化に
対する力学系全体のエネルギUの変化は、図12に示す
ようになる。図12から、中央部の変形量δがある値δ
cのとき、系のエネルギUは最小値U2となり、系はこの
安定状態をとる。式(1)にδ=0,δcを代入すると、変
形量δが0,δcのときの系のエネルギU1,U2が夫々求
まる。 U1=Al4α2t2/2l3 …(2) U2={3Aπ4δc4+(2Ah2π4−6Al2αtπ2+12l
3k)δc2+12Al4α2t2}/24l3 …(3) 最小エネルギUを与える変形量δcは、dU2/dδc=
0から、次式で与えられる。 {6Aπ4δc3+(2Ah2π4−6Al2αtπ2+12l3k)δ
c}/12l3=0 この式を満たすδcは、次のようになる。 δc=0,±{(3Al2αtπ2−Ah2π4−6l3k)/3Aπ4}1/2 …(4) 前者は解として不適なので後者が解となるが、この解の
根号の中は必ず正でなければならないので、A=nEbh
も考慮して次式が成立する。 (3nEbhl2αtπ2−nEbh3π4−6l3k)/3nEbhπ4>0 …(5) 式(5)をhについて解けば、最小エネルギU2が存在する
ため,つまりインク加圧の前提条件たる座屈エネルギ(U
1−U2)を得ることができる座屈構造体の厚さの範囲が
次式のように求まる。 2l(−p)cos(u/3+4π/3)<h<2l(−p)cos(u/3) …(6) 但し、p=−αt/π2, q=3k/nEbπ4, u=cos-1{q/
p(−p)1/2}, 0≦u≦π 一方、座屈エネルギ(U1−U2)は、式(2),(3),(4)よ
り次式となる。 U1−U2=(3nEbhl2αtπ2−nEbh3π4−6l3k)2/18nEbhl3π4 …(7)
【0044】座屈構造体の厚さhの変化に対する式(7)
で与えられる座屈エネルギ(U1−U2)の変化の関係は、
図13に示すようになる。この図で縦軸の座屈エネルギ
が正になる横軸hの範囲が、上記式(6)で示される範囲
となる。また、図13より、上記hの範囲内で座屈エネ
ルギを最大にする最適値hsが存在し、この値は、式(7)
のhに関する微係数を0とおくことで次のように得られ
る。 hs=l{−s+(s2+r3)1/2}1/3+l{−s−(s2+r3)1/2}1/3 ; s2+r3>0 のとき hs=2l(−r)cos(w/3) ; s2+r3<0 のとき …(8) 但し、r=−αt/5π2, s=−3k/5nEbπ4, w=cos
-1{s/r(−r)1/2},0≦w≦π さらに、インク滴を吐出させるに必要なエネルギUt
は、インク滴の運動エネルギ,表面エネルギおよびイン
クが吐出口を通過する際の摩擦損失エネルギの和として
次式で与えられる。 Ut=mv2/2+σS+8πμL2v …(9) 但し、m:インク滴の質量, v:インク滴の吐出速度, σ:
インクの表面張力 S:インク滴の表面積, μ:インクの粘性係数, L:イン
ク吐出口の長さ 従って、座屈構造体がインク滴を吐出できるためには、
座屈構造体の厚さhは次式を満たす範囲になければなら
ない。 U1−U2=(3nEbhl2αtπ2−nEbh3π4−6l3k)2/18nEbhl3π4 >Ut=mv2/2+σS+8πμL2v …(10) なお、上記式(6),(10),(8)は、夫々請求項6,7,8
の限定要件として挙げられている。
【0045】図14は、請求項9〜11に記載した寸法
を求めるための座屈構造体の平面図である。この座屈構
造体1は、同一平面内において中央部から矩形片を円周
方向に90°の間隔をおいて放射状に4本突出させてな
り、直径方向に直線で対をなす直線対の数は2本とな
る。図中でハッチングを施した中央部は、各矩形片の合
流箇所で殆んど座屈変形を生じないので、座屈構造体の
長さから除外され、座屈構造体(直線対)の一端から他端
までの全長をCとすると、中央部の寸法に等しい矩形片
の幅bはb=C−lとなる(但し、lは座屈構造体の図示の
実効長)。この矩形片の幅bに関する式を直線対の数がn
の場合に拡張すれば、次式となる。 b=(C−l)/tan{(n−1)π/2n} …(11) さて、座屈構造体の実効長lの変化に対する座屈エネル
ギ(U1−U2)の変化の関係は、図15に示すようなもの
になり、座屈エネルギが得られる範囲おいてlの最適値l
sが存在する。即ち、座屈エネルギを得るためには、上
記実効長lは式(7)より下式を満たす範囲でなければな
らない。 (3nEbhl2αtπ2−nEbh3π4−6l3k)2/18nEbhl3π4>0 …(12) また、最大座屈エネルギを与える実効長の最適値lsは、
式(12)の左辺のlに関する微係数を0として、下式で
与えられる。 d{(3nEbhl2αtπ2−nEbh3π4−6l3k)2/18nEbh
l3π4}/dl=0 …(13) 更に、座屈構造体がインク滴を吐出できるためには、
(U1−U2)>Utより、上記実効長lは次式を満たす範囲
になければならない。 (3nEbhl2αtπ2−nEbh3π4−6l3k)2/18nEbhl3
π4>mv2/2+σS+8πμL2v …(14) なお、上記式(11),(12);(14);(13)は、夫々請
求項9;10;11の限定要件として挙げられている。
【0046】図11の力学的モデルに基づいて解析して
きたインク吐出に適した座屈構造体の厚さhおよび長さl
の設計例について次に説明する。直径50μmのインク
滴を10m/sの速度で吐出させる場合に必要なエネルギ
は、インクの諸特性を以下のものとすると、式(9)より
略10nJとなる。また、座屈構造体,ダイアフラムとも
材質をニッケルとし、材料定数は下記のものを用いた。
また、温度変化tは100℃とする。 σ=60×10-3N/m, μ=2cP, L=35μm インクの密度(m)=1000kg/m3 E=Ed(ダイアフラムのヤング率)=210GPa νd(ダイアフラムのポアソン比)=0.3, α=13.4×10
-6/℃
【0047】図16は、第1設計例のインクジェットヘ
ッドの各部の寸法を示している。長方形ダイアフラム2
のばね定数kは、材料力学の板の撓み理論より次式で与
えられる。 k=Edhd 3/Abd 2=81.8N/m 但し、bd:ダイアフラムの短辺, hd:ダイアフラムの厚さ A:ダイアフラムの長辺,短辺の比で決まる定数 第1設計例の座屈構造体1の厚さhの変化に対する座屈
エネルギ(U1−U2)の変化の関係を図17に示す。座屈
エネルギを得るための座屈構造体の厚さhの範囲は、式
(6)より 0.38μm<h<15.8μm となる。また、座屈
エネルギを、上記インク滴の吐出に必要なエネルギの2
倍,即ち20nJにするためには、図17より座屈構造体
の厚さhの範囲は、式(10)に基づき 2.3μm<h<13.0
μm でなければならない。さらに、座屈構造体の厚さ
の最適値hsは、式(8)より hs=7.4μm となり、この
近傍の厚さに設計するのが望ましい。
【0048】図18は、第2設計例のインクジェットヘ
ッドの各部の寸法を示している。この例では、座屈構造
体1の直線対の個数nを2とし、直線対の全長Cを500μ
mに固定し、座屈構造体の厚さhを最適値とする。半径r
の円形ダイアフラム2のばね定数kは、k=4πEdhd 3
3r2(1−νd 2)=15.5N/m となる。第2設計例の座
屈構造体1の実効長lの変化に対する座屈エネルギ(U1
−U2)の変化の関係を図19に示す。座屈エネルギを得
るための座屈構造体の実効長の範囲は、式(12)より
l<499μm でなければならない。また、座屈エネルギ
を、上記インク滴の吐出に必要なエネルギの2倍以上に
するためには、図19より座屈構造体の実効長lの範囲
は、式(14)に基づき 167μm<l<455μm でなけれ
ばならない。さらに、座屈構造体の実効長lの最適値ls
は、式(13)より ls=331μm となり、この近傍の長
さに設計することが望ましい。
【0049】図20は、第3設計例のインクジェットヘ
ッドの各部の寸法を示している。この例は、座屈構造体
1の直線対の個数nが4になる以外は、第2設計例の構
造と同じであり、ダイアフラム2のばね定数kも、同じ
15.5N/mである。第3設計例の座屈構造体1の実効
長lに対する座屈エネルギ(U1−U2)の変化の関係を図
21に示す。座屈エネルギを得るための座屈構造体の実
効長lの範囲は、式(12)より l<499μm となる。ま
た、座屈エネルギを、上記インク定数の吐出に必要なエ
ネルギの2倍以上にするためには、図19より座屈構造
体の実効長lの範囲は、式(14)に基づき 186μm<l<
441μm でなければならない。さらに、座屈構造体の実
効長lの最適値lsは、式(13)より ls=333μm とな
り、この近傍の長さに設計することが望ましい。
【0050】図19および図21より、座屈構造体の全
長Cが一定であり、座屈構造体の厚さを最適値hsとする
と、座屈構造体(直線対)の個数nが少ない方が座屈エネ
ルギを大きく取ることができる。しかし、インク吐出時
は、インクの圧力によりダイアフラムが座屈構造体に押
し付けられるので、座屈構造体の個数が少ないと、図1
8,20の斜線で示すように矩形片で区切られたダイア
フラム1区画の面積が大きくなり、この区画に大きな荷
重が加わってダイアフラムの寿命が短くなることに留意
しなければならない。
【0051】なお、以上の実施例では、圧縮手段として
座屈構造体1の両端に設けられ、スイッチ8を介する電
源9からの通電で座屈構造体に熱応力を生ぜしめて座屈
変形をさせる電極1a,1bを用いたが、本発明の圧縮手
段は、これに限らず、例えば力学的に座屈構造体に座屈
荷重を超える圧縮荷重を負荷して座屈変形させることに
より、ダイアフラムを介してインク室内のインクを加圧
して吐出させるものを任意に選ぶことができる。
【0052】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、請求項1
に記載のインクジェットヘッドは、インク吐出口を壁部
にもつ容器と、この容器内の壁面に周縁部の少なくとも
一方向に関して両端をなす部分が固定され,変形し得る
構造体と、この構造体に間隔をあけて重なるように設け
られ,かつ上記構造体に少なくとも一部で結合し,インク
室を液密に区切るとともにインク室側に向かって変形し
得るダイヤフラムと、構造体を変形させることにより,
インク室内のインクを加圧,吐出させる圧縮手段とを備
えているので、インク室からの漏れを防ぐ広面積のダイ
ヤフラムにより大きな吐出力を得ることができる。
【0053】請求項2に記載のインクジェットヘッド
は、インク吐出口を壁部にもつ容器と、この容器内の上
記壁部に対向する壁面に周縁部の両端が固定され,イン
ク吐出口に向かって座屈変形し得る座屈構造体と、この
座屈構造体に間隔をあけて重なるように設けられ,容器
内を座屈構造体側空間とインク室とに液密に区切るとと
もに中央部付近で結合部材により座屈構造体と結合され
るダイアフラムと、座屈構造体に圧縮荷重を生ぜしめて
座屈変形させて,インク室内のインクを加圧,吐出させる
圧縮手段とを備えているので、スペースを要さずに大き
な変形を生じうる座屈構造体により構造が簡素化され、
インク室からのインク漏れを防ぐ広面積のダイアフラム
により加圧と相俟って、寸法を小さく維持したまま大き
な吐出力を得ることができる。
【0054】請求項3に記載のインクジェットヘッドで
は、ダイアフラムと座屈構造体を結合する結合部材を複
数にするので、ダイアフラムに加わる荷重の分散で応力
を緩和して、ダイアフラムの寿命を延ばすことができ
る。
【0055】請求項4に記載のインクジェットヘッドで
は、座屈構造体が、中央部から複数の矩形片を放射状に
突出してなり、ダイアフラムの周縁部の一方向に関して
両端をなす部分が容器の内壁に固定されているので、複
数の座屈構造体に伴う単位座屈変形で貯えられるエネル
ギの増加およびダイヤフラムの大きな変形によって、大
きな吐出力を得ることができる。
【0056】請求項5に記載のインクジェットヘッドで
は、ダイアフラムが結合部材を介して座屈構造体に結合
する以外にはどの部材にも結合していないので、インク
室の液密を保持しつつ,ダイアフラムに生じる応力を緩
和でき、ダイアフラムの寿命を延ばすことができる。
【0057】請求項6に記載のインクジェットヘッドで
は、圧縮手段による通電で座屈構造体に熱応力を生ぜし
めて座屈変形させることができるとともに、座屈構造体
を構成する矩形片の厚さを数式の範囲にして、インク加
圧に必要な座屈エネルギを発し得るインクジェットヘッ
ドを設計することができる。
【0058】請求項7に記載のインクジェットヘッドで
は、上記矩形片の厚さをさらに数式の範囲にして、イン
ク滴の吐出に必要な座屈エネルギを発し得るインクジェ
ットヘッドを設計することができる。
【0059】請求項8に記載のインクジェットヘッドで
は、上記矩形片の厚さをさらに数式の範囲にして、イン
ク滴吐出のための最大エネルギを発し得るインクジェッ
トヘッドを設計することができる。
【0060】請求項9に記載のインクジェットヘッドで
は、請求項5で述べたと同様、数式で示した幅および数
式の範囲内の直線対の実効長をもつ矩形片によって、イ
ンク加圧に必要な座屈エネルギを発し得るインクジェッ
トヘッドを設計することができる。
【0061】請求項10に記載のインクジェットヘッド
では、矩形片の直線対の実効長をさらに数式の範囲にし
て、インク滴の吐出に必要な座屈エネルギを発し得るイ
ンクジェットヘッドを設計することができる。
【0062】請求項11に記載のインクジェットヘッド
では、矩形片の直線対の実効長をさらに数式の範囲にし
て、インク滴吐出のための最大エネルギを発し得るイン
クジェットヘッドを設計することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の請求項1,5に記載のインクジェッ
トヘッドの一実施例を示す平面図および断面図である。
【図2】 座屈構造体が座屈変形した状態の図1の実施
例を示す平面図および断面図である。
【図3】 複数のインク室をもつインクジェットヘッド
の一実施例を示す分解斜視図である。
【図4】 図3の実施例の平面図である。
【図5】 図4のV−V線矢視図である。
【図6】 図3の実施例の筐体の製造手順を示す断面図
である。
【図7】 図3の実施例の筐体の製造手順を示す断面図
である。
【図8】 放射状の座屈構造体をもつ請求項5に記載の
インクジェットヘッドの実施例を示す平面図および断面
図である。
【図9】 複数の結合部材を用いた請求項2に記載のイ
ンクジェットヘッドの実施例を示す平面図および断面図
である。
【図10】 ダイアフラムが結合部材のみで結合される
請求項4に記載のインクジェットヘッドの実施例を示す
平面図および断面図である。
【図11】 請求項5〜10に記載した座屈構造体の形
状,寸法を求めるための力学系のモデル図である。
【図12】 図11のモデルにおける中央部の変位量の
変化に対する系のエネルギの変化を示すグラフである。
【図13】 座屈構造体の厚さの変化に対する座屈エネ
ルギの変化を示すグラフである。
【図14】 請求項8〜10に記載した寸法を求めるた
めの座屈構造体の平面図である。
【図15】 最適厚さの座屈構造体における実効長の変
化に対する座屈エネルギの変化を示すグラフである。
【図16】 上記モデル解析に基づくインクジェットヘ
ッドの第1設計例を示す平面図および断面図である。
【図17】 図16の第1設計例における座屈構造体の
厚さの変化に対する座屈エネルギの変化を示すグラフで
ある。
【図18】 上記モデル解析に基づくインクジェットヘ
ッドの第2設計例を示す平面図および断面図である。
【図19】 図18の最適厚さをもつ第2設計例におけ
る座屈構造体の実効長の変化に対する座屈エネルギの変
化を示すグラフである。
【図20】 上記モデル解析に基づくインクジェットヘ
ッドの第3設計例を示す平面図および断面図である。
【図21】 図20の第3設計例における座屈構造体の
実効長の変化に対する座屈エネルギの変化を示すグラフ
である。
【符号の説明】
1…座屈構造体、2…ダイアフラム、3…取付部材、4
…結合部材、5…筺体、5a…インク供給口、7…ノズ
ルプレート、7a…インク吐出口 10…インクジェットヘッド。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平田 進 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 木村 正治 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 石井 頼成 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 堀中 大 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 恩田 裕 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 壁部にインク吐出口を有する容器と、 この容器内の壁面に、周縁部のうち少なくとも一方向に
    関して両端をなす部分が固定されて配設され、変形し得
    る構造体と、 この構造体と間隔をあけて重なるように配設され,かつ
    上記構造体に少なくとも一部で結合し、インク室を液密
    に区切るとともに、上記インク室側に向かって変形し得
    るダイアフラムと、 上記容器内に配設され、上記構造体を変形させることに
    より、上記インク室内のインクを加圧してインク吐出口
    から吐出させる圧縮手段とを備えたことを特徴とするイ
    ンクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 壁部にインク吐出口を有する容器と、 この容器内の上記壁部に対向する壁面に、周縁部のうち
    少なくとも一方向に関して両端をなす部分が固定されて
    配設され、上記インク吐出口に向かって座屈変形し得る
    板状の座屈構造体と、 この座屈構造体と間隔をあけて重なるように配設され、
    上記容器内を座屈構造体側の空間と上記インク吐出口側
    のインク室とに液密に区切るとともに、上記インク吐出
    口に向かって変形し得るダイアフラムと、 このダイアフラムと上記座屈構造体を中央部付近で互い
    に結合する結合部材と、 上記空間内に配設され、上記
    座屈構造体に圧縮荷重を生ぜしめて座屈変形させること
    により、上記インク室内のインクを加圧してインク吐出
    口から吐出させる圧縮手段とを備えたことを特徴とする
    インクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のインクジェットヘッド
    において、上記結合部材が、複数あることを特徴とする
    インクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項2または3に記載のインクジェッ
    トヘッドにおいて、上記座屈構造体は、中央部から複数
    の矩形片が放射状に突出しており、上記ダイアフラム
    は、周縁部のうち少なくとも一方向に関して両端をなす
    部分が上記容器の内壁に固定されていることを特徴とす
    るインクジェットヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項2または3に記載のインクジェッ
    トヘッドにおいて、上記ダイアフラムは、上記結合部材
    を介して座屈構造体に結合する以外にはどの部材とも結
    合していないことを特徴とするインクジェットヘッド。
  6. 【請求項6】 壁部にインク吐出口を有する容器と、 この容器内の上記壁部に対向する壁面に、中央部から2
    本以上の矩形片が直線で対をなして放射状に突出し,各
    矩形片の先端が上記壁面に固定されて配設され、上記イ
    ンク吐出口に向かって座屈変形し得る座屈構造体と、 この座屈構造体に間隔をあけて重なるように配設され、
    周縁部のうち少なくとも一方向に関して両端をなす部分
    が上記容器の内壁に固定されて、上記容器内を座屈構造
    体側の空間と上記インク吐出口側のインク室とに液密に
    区切るとともに、上記インク吐出口に向かって変形し得
    るダイアフラムと、 このダイアフラムと上記座屈構造体を中央部で互いに結
    合する結合部材と、 上記空間内に配設され、上記座屈構造体に通電して熱応
    力を生ぜしめて座屈変形させることにより、上記インク
    室内のインクを加圧してインク吐出口から吐出させる圧
    縮手段とを備えるとともに、 上記座屈構造体を構成する矩形片のヤング率をE,幅を
    b,厚さをh,線膨張係数をα,矩形片の直線対の長さ,総数
    を夫々l,n,座屈時の座屈構造体の温度変化をtとし、上
    記ダイアフラムのばね定数をkとするとき、上記矩形片
    の厚さhが、座屈エネルギを発生すべく下式を満たすこ
    とをことを特徴とするインクジェットヘッド。 2l(−p)cos(u/3+4π/3)<h<2l(−p)cos(u/
    3) 但し、p=−αt/π2, q=3k/nEbπ4, u=cos-1{q/
    p(−p)1/2}, 0≦u≦π
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のインクジェットヘッド
    において、上記インクの表面張力をσ,粘性係数をμと
    し、インク滴の質量をm,吐出速度をv,表面積をSとし、
    インク吐出口の長さをLとするとき、上記矩形片の厚さ
    hが、インク滴の吐出に必要な座屈エネルギ(U1−U2)
    を発生すべく下式をさらに満たすことを特徴とするイン
    クジェットヘッド。 U1−U2=(3nEbhl2αtπ2−nEbh3π4−6l3k)2/1
    8nEbhl3π4>mv2/2+σS+8πμL
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のインクジェットヘッド
    において、上記矩形片の厚さが、インク滴を吐出させる
    最大座屈エネルギを発生すべくさらに下式で与えられる
    最適値hsであることを特徴とするインクジェットヘッ
    ド。 hs=l{−s+(s2+r3)1/2}1/3+l{−s−(s2+r3)1/2}1/3
    ; s2+r3>0 のとき hs=2l(−r)cos(w/3) ; s2+r3<0 のとき 但し、r=−αt/5π2, s=−3k/5nEbπ4, w=cos
    -1{s/r(−r)1/2},0≦w≦π
  9. 【請求項9】 壁部にインク吐出口を有する容器と、 この容器内の上記壁部に対向する壁面に、中央部から2
    本以上の矩形片が直線で対をなして放射状に突出し,各
    矩形片の先端が上記壁面に固定されて配設され、上記イ
    ンク吐出口に向かって座屈変形し得る座屈構造体と、 この座屈構造体に間隔をあけて重なるように配設され、
    周縁部のうち少なくとも一方向に関して両端をなす部分
    が上記容器の内壁に固定されて、上記容器内を座屈構造
    体側の空間と上記インク吐出口側のインク室とに液密に
    区切るとともに、上記インク吐出口に向かって変形し得
    るダイアフラムと、 このダイアフラムと上記座屈構造体を中央部で互いに結
    合する結合部材と、 上記空間内に配設され、上記座屈構造体に通電して熱応
    力を生ぜしめて座屈変形させることにより、上記インク
    室内のインクを加圧してインク吐出口から吐出させる圧
    縮手段とを備えるとともに、 上記座屈構造体を構成する矩形片のヤング率をE,幅を
    b,厚さをh,線膨張係数をα,矩形片の直線対の全長をC,
    矩形片の直線対の中央部を除いた実効長,総数を夫々l,
    n,座屈時の座屈構造体の温度変化をtとし、上記ダイア
    フラムのばね定数をkとするとき、上記矩形片の幅bが下
    式で与えられ、上記実効長lが、座屈エネルギを発生す
    べく下式を満たすことをことを特徴とするインクジェッ
    トヘッド。 b=(C−l)/tan{(n−1)π/2n} (3nEbhl2αtπ2−nEbh3π4−6l3k)/3nEbhπ4
  10. 【請求項10】 請求項9に記載のインクジェットヘッ
    ドにおいて、上記インクの表面張力をσ,粘性係数をμ
    とし、インク滴の質量をm,吐出速度をv,表面積をSと
    し、インク吐出口の長さをLとするとき、上記実効長l
    が、インク滴の吐出に必要な座屈エネルギ(U1−U2)を
    発生すべく下式をさらに満たすことを特徴とするインク
    ジェットヘッド。 (3nEbhl2αtπ2−nEbh3π4−6l3k)2/18nEbhl3
    π4>mv2/2+σS+8πμL2v
  11. 【請求項11】 請求項10に記載のインクジェットヘ
    ッドにおいて、上記実効長lが、インク滴を吐出させる
    最大座屈エネルギを発生すべくさらに下式を満たすこと
    を特徴とするインクジェットヘッド。 d{(3nEbhl2αtπ2−nEbh3π4−6l3k)2/18nEbhl
    3π4}/dl=0
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