JPH0833486A - 細胞培養担体と、細胞培養方法 - Google Patents

細胞培養担体と、細胞培養方法

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JPH0833486A
JPH0833486A JP6172178A JP17217894A JPH0833486A JP H0833486 A JPH0833486 A JP H0833486A JP 6172178 A JP6172178 A JP 6172178A JP 17217894 A JP17217894 A JP 17217894A JP H0833486 A JPH0833486 A JP H0833486A
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JP
Japan
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temperature
hydrogel
cell culture
cells
shape
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Application number
JP6172178A
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English (en)
Inventor
Masami Watanabe
正己 渡邉
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Japan Science and Technology Agency
Original Assignee
Research Development Corp of Japan
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 任意の温度範囲でゲル化するハイドロゲル
(I)中に、このハイドロゲル(I)のゲル化温度より
高い下限臨界共溶温度を有する温度感応性高分子化合物
を架橋したハイドロゲル(II)を含有する細胞培養担体
と、この細胞培養担体を用いて細胞を培養する方法で、
非ゲル化状態の細胞培養担体に細胞を添加して均一に分
散させ、ハイドロゲル(I)をゲル化させ、温度感応性
高分子化合物の下限臨界共溶温度以下または以上の温度
で細胞を培養することを特徴とする細胞培養方法。 【効果】 培養温度を微量変化させることによりゲル内
培養した細胞間に空隙を形成し、しかもこの空隙の大き
さを制御することのできる細胞培養担体と、細胞培養方
法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、細胞培養担体と細胞
培養方法に関するものである。さらに詳しくは、この発
明は、分化機能を維持した細胞を高密度で長期間培養す
ることを可能とする培養担体と培養方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、細胞の組織培養は、生体の各種臓
器や器官の機能および構造を詳細に解析するための不可
欠な技術として位置づけられている。また、培養した細
胞は、例えば生体の病変部や欠損部を代替する人工臓
器、酵素や細胞分化・成長因子等の有用な細胞産生物の
大量生産を目的としたバイオリアクター、あるいは薬剤
等の毒性または薬効の評価などに積極的に利用されても
いる。
【0003】一般に動物細胞は、付着のための足場とな
る基質が存在しないとその生存と機能の発現が困難な接
着依存性細胞と、血液細胞やある種の癌細胞に代表され
るように、その生存と機能発現のために足場となる基質
を必要としない接着非依存性細胞に分類されるが、生体
を構成する大部分の細胞は前者の接着依存性細胞であ
る。従って、上記の目的で細胞培養を行う場合の培養対
象はほとんどが接着依存性細胞であり、このような細胞
を培養して増殖あるいは機能発現させるためには細胞が
付着するための何らかの足場が必要となる。
【0004】従来より、接着依存性細胞を培養するため
の方法としては、足場としてガラス、プラスチック等の
表面を用いる平面培養、足場としてコラーゲンの3次元
網目を用いるコラーゲンゲル内培養などが知られてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】生体組織の機能や構造
の解析、あるいは人工臓器やバイオリアクターの開発ま
たは毒性および薬効の評価等に培養細胞を用いる場合の
最も重要な要件は、細胞を高密度で長期間生存させ、し
かもその間に生体内と同様の分化機能を細胞に発現させ
ることである。しかしながら、このような観点からみる
と従来の平面培養やコラーゲンゲル内培養は必ずしも十
分なものではない。
【0006】すなわち、接着依存性細胞は、生体内では
3次元あるいは立体的構築体の構成要素として存在し、
互いに隣接する細胞を足場としてその機能を発現してい
ると考えられる。また、その立体的構築体中に網目状に
存在する毛細血管系が、各細胞への栄養の補給、あるい
は細胞の発現産物(蛋白質等の生理活性物質)や老廃
物)の放出等を効率的に行うことにより細胞の機能維持
を支えている。さらにこのような立体的構築体は、線維
芽細胞に代表される間充織細胞と構築体の表面を足場と
する上皮系および内皮系細胞との集合体によって形成さ
れており、各種細胞間の相互作用や情報交換も細胞機能
維持に重要な役割を荷なっている。従って、細胞にその
分化機能を持続的に発現させるためには以上のような生
体内の環境に近い状態をin vitroで実現することが必須
である。ところが、ガラスやプラスチック表面での培養
の場合には、細胞は平面的環境下にあり生体内の立体的
環境とは著しく異なっている。特に線維芽細胞に代表さ
れる間充織細胞にとっては、そのような平面上での2次
元的培養環境は生体内での環境と全く異なる。また、上
皮系および内皮系細胞の場合でも、これらの細胞は栄養
物を立体的構築体から摂取し、発現産物や老廃物を立体
的構築体へと放出するため、ガラスやプラスチック等が
基質の場合にはこれらの細胞代謝機能が阻害されること
にもなる。
【0007】一方、コラーゲンゲルを用いた3次元培養
法は、コラーゲンが主成分である間充織中に存在する線
維芽細胞等にとっては生体内に近い環境を提供する。し
かし、このような培養系では生体組織のような毛細血管
系がないために、栄養物の補給および発現産物や老廃物
の放出はゲル中の拡散現象のみによって行われるため、
代謝効率が悪く、細胞が急速のその機能発現を低下させ
壊死してしまうという重大な問題が生じる。さらに上皮
系あるいは内皮系細胞のように器官、組織の表面に存在
する細胞にとっては間充織のようなコラーゲンゲル中で
の培養は生体内の環境とは大きく異なり、機能発現が阻
害される。
【0008】なお、ゲル内細胞培養用の素材としてはコ
ラーゲン以外にアガロース、アルギン酸塩等が用いられ
ているが、これらのゲル化素材はコラーゲンのように細
胞に対して特異的な生理活性は有しておらず単にゲルの
構造材料としての役割しか果していない。さらに、コラ
ーゲンゲルの場合にはゲルを構成しているコラーゲン束
に実際に細胞が付着し、かつゲル中の孔径は細胞が自由
に移動できる程の充分な大きさを有しているのに対し
て、アガロースやアルギン酸塩等の場合にはゲルを形成
しているのが分子状の鎖であって、実際には細胞が足場
として付着することができず、しかもその孔径も細胞が
自由に移動できる程には大きくない。従って、これらの
ゲルを用いた培養は実質的にはゲル内培養ではなく、液
体培養と同等とみなされ、接着依存性細胞の培養には適
さない。
【0009】以上の通り、従来の培養方法では接着依存
性細胞を生体内と同様の環境で培養することはできず、
このため培養細胞の利用にも大きな制約があった。この
発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであ
り、従来の細胞培養技術、特にゲル内培養の問題点を解
消し、培養細胞の立体構築体内部への栄養物の供給やそ
の内部からの発現産物や老廃物の放出を効率よく行うこ
とによって、細胞を高密度で、かつ大きな塊として長期
間培養することができ、しかも各細胞が生体内と同様の
分化機能を発現することを可能とする新しい細胞培養担
体と、細胞培養方法を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、任意の温度範囲でゲル化するハ
イドロゲル(I)中に、このハイドロゲル(I)のゲル
化温度より高い下限臨界共溶温度を有する温度感応性高
分子化合物を架橋したハイドロゲル(II)を含有するこ
とを特徴とする細胞培養担体を提供する。
【0011】また、この発明は、上記の細胞培養担体を
用いて細胞を培養する方法であって、非ゲル化状態の細
胞培養担体に細胞を添加して均一に分散させ、ハイドロ
ゲル(I)をゲル化させたのち、温度感応性高分子化合
物の下限臨界共溶温度以下または以上の温度で細胞を培
養することを特徴とする細胞培養方法を提供する。さら
にこの発明は、任意の温度範囲でゲル化するハイドロゲ
ル(I)中に、このハイドロゲル(I)のゲル化温度よ
り高い下限臨界共溶温度を有する温度感応性高分子化合
物を架橋したハイドロゲル(II)と細胞とを添加して均
一に分散させ、次いでハイドロゲル(I)をゲル化させ
たのち、温度感応性高分子化合物の下限臨界共溶温度以
下または以上の温度で細胞を培養することを特徴とする
細胞培養方法をも提供する。
【0012】以下、この発明の構成と、その好ましい態
様についてさらに詳しく説明する。この発明の細胞培養
担体および細胞培養方法においては、従来のゲル内培養
に用いるゲル化材料と同様のハイドロゲル(I)により
細胞を包埋して立体構築体を形成するが、この発明の場
合には、ハイドロゲル(I)中に、このハイドロゲル
(I)のゲル化温度より高い下限臨界共溶温度(以下、
LCSTと略記する)を有する温度感応性高分子化合物
を架橋したハイドロゲル(II)を含有させている。そし
て、この温度感応性高分子化合物を架橋したハイドロゲ
ル(II)が、LCSTより低い温度では吸水して膨潤
し、逆に、LCSTより高い温度では脱水して収縮する
こと、しかもこのような体積変化が可逆的に生じること
を利用してゲル内細胞の栄養補給と老廃物の除去を効率
的に行うことを可能にしている。
【0013】すなわち、ハイドロゲル(I)中に均一に
混合分散されたハイドロゲル(II)は、LCSTより低
い温度では吸水して膨潤し、例えば図1に示したように
ハイドロゲル(I)とハイドロゲル(II)との間には空
間が存在しない状態となる。一方、このような状態から
LCSTより高い温度にすると、ハイドロゲル(II)は
脱水して収縮するために、図2に例示したように、体積
変化のないハイドロゲル(I)とハイドロゲル(II)と
の間には一定の空間が形成される。しかもこのようなハ
イドロゲル(II)の体積変化は温度調節によって繰り返
し行うことが可能であり、これによってハイドロゲル
(I)により包埋された細胞塊中に空間を形成してこの
空間中に培養液を導入し、かつこの空間中の培養液を強
制的に攪拌することができる。また、ハイドロゲル(I
I)の形状および/またはハイドロゲル(I)とハイド
ロゲル(II)との混合比を調整することによって連通し
た空間を形成することも可能となる。
【0014】以上の通り、この発明の培養担体および培
養方法は、培養温度を交互にLCST以下および以上に
変更することによって、ハイドロゲル(I)中の細胞に
強制的に栄養を補給することができ、同時に発現産物や
老廃物の放出も効率的に行うことができる。このため、
細胞を高密度、かつ大きな塊として培養することがで
き、しかも培養細胞は分化機能発現能を維持した状態で
長期間生存させることができる。
【0015】なお上記の作用において、ハイドロゲル
(II)の体積変化は、その温度感応性高分子化合物に特
有なLCSTにおいて最も著しく、従ってそのLCST
の上下で温度を変化させることが最も効果的である。た
だし、温度感応性高分子化合物はLCST以下の温度領
域でも相対的な温度に依存して低温で膨潤し、高温で収
縮する性質を有するため、必ずしもLCST以上に加熱
する必要はなく、ハイドロゲル(I)のゲル化処理を実
施した温度よりも高い温度でハイドロゲル(II)を収縮
させればその作用を実現できる場合もある。
【0016】この発明の細胞培養担体および培養方法に
用いられるハイドロゲル(II)を構成する温度感応性高
分子化合物は、水中あるいは培地中でそのLCSTより
高い温度では水または培地に不溶性であるが、LCST
より低い温度では可溶性に変化する性質を有する物質で
ある。このようなLCSTを有する温度感応性高分子化
合物に架橋構造を付与すると、この高分子はLCSTよ
り低い温度でも水中あるいは培地中で溶解することなく
膨潤したゲル状態を保持し、一方、LCSTより高い温
度にすると水不溶性に変化してゲルから水分が分離して
体積が著しく減少する。上述したように、この発明の細
胞培養担体および細胞培養方法は、ハイドロゲル(II)
の架橋した温度感応性高分子化合物のこのような性質を
利用している。
【0017】この発明に用いることのできる温度感応性
高分子化合物としては、ポリN−置換アクリルアミド誘
導体、ポリN−置換メタアクリルアミド誘導体およびこ
れらの共重合体、ポリビニルメチルエーテル、ポリプロ
ピレンオキサイド、ポリエチレンオキサイド、エーテル
化メチルセルロース、ポリビニルアルコール部分酢化
物、またはこれらの任意の混合物を例示することができ
る。このうち、ポリN−置換アクリルアミド誘導体、ポ
リN−置換メタアクリルアミド誘導体およびこれらの共
重合体、ポリビニルメチルエーテル、ポリプロピレンオ
キサイド、およびポリビニルアルコール部分酢化物が特
に好ましい。
【0018】さらに、この発明に用いることのできる高
分子化合物を、以下にLCSTが低い順に具体的に列挙
する。 ポリ−N−アクリロイルピペリジン;ポリ−N−n−プ
ロピルメタアクリルアミド;ポリ−N−イソプロピルア
クリルアミド;ポリ−N,N−ジエチルアクリルアミ
ド;ポリ−N−イソプロピルメタアクリルアミド;ポリ
−N−シクロプロピルアクリルアミド;ポリ−N−アク
リロイルピロリジン;ポリ−N,N−エチルメチルアク
リルアミド;ポリ−N−シクロプロピルメタアクリルア
ミド;ポリ−N−エチルアクリルアミド: これらの高分子は単独重合体(ホモポリマー)であって
も、またはそれらの重合体を構成する単量体と他の単量
体との共重合体であってもよい。このような共重合体を
構成する他の単量体としては、親水性単量体および疎水
性単量体のいずれであってもよい。
【0019】このうち、親水性単量体としては、N−ビ
ニルピロリドン、ビニルピリジン、アクリルアミド、メ
タアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、ヒドロ
キシエチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルアクリ
レート、ヒドロキシメチルメタアクリレート、ヒドロキ
シメチルアクリレート、酸性基を有するアクリル酸、メ
タアクリル酸およびそれらの塩、ビニルスルホン酸、ス
チレンスルホン酸等、並びに塩基性基を有するN,N−
ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチ
ルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミ
ノプロピルアクリルアミドおよびそれらの塩を挙げるこ
とができが、これらに限定されるものではない。
【0020】一方、疎水性単量体としては、エチルアク
リレート、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレー
ト、グリシジルメタクリレート等のアクリレート誘導体
およびメタクリレート誘導体、N−n−ブチルメタアク
リルアミド等のN−置換アルキルメタアクリルアミド誘
導体、塩化ビニル、アクリロニトリル、スチレン、酢酸
ビニル等が挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0021】なお、一般的には、上記の温度感応性高分
子化合物に親水性単量体を共重合するとLCSTは上昇
し、疎水性単量体を共重合するとLCSTは下降する。
従って、この発明の培養担体は、ハイドロゲル(II)に
架橋する温度感応性高分子化合物を構成する共重合単量
体成分を選択することによってもハイドロゲル(II)の
体積変化温度(LCSTに対応)を設定することもでき
る。
【0022】温度感応性高分子化合物に架橋構造を付与
する方法としては、その高分子を構成する単量体を重合
する際に架橋構造を導入する方法と、単量体の重合終了
後に架橋構造を導入する方法とがあり、いずれの方法を
採用してもよい。すなわち前者の方法は、一般的には、
二官能性単量体(あるいは3以上の官能基を有する単量
体)を共重合することによって行うことができる。例え
ば、N,N−メチレンビスアクリルアミド、ヒドロキシ
エチルジメタクリレート、ジビニルベンゼン等の二官能
性単量体を用いる場合に適用する。また、後者の方法
は、例えば、温度感応性高分子化合物中の官能基(例え
ば、アミノ酸等)と結合し得る官能基(例えば、イソシ
アネート基等)を分子内に複数個有する多官能性分子を
架橋剤として用いて、温度感応性高分子化合物を架橋さ
せることにより行うことができる。
【0023】なお、以上に説明したようなこの発明の培
養担体における温度依存性の体積変化の割合は、通常、
その架橋構造、特に架橋密度に依存し、一般に架橋密度
が低い方が体積変化が大きくなる傾向がある。この架橋
密度は、前者の方法では、例えば二官能性単量体の共重
合比を変えることで、また後者の方法では、例えば光、
電子線、γ線等の照射量を変えることで任意に制御する
ことが可能である。
【0024】次に、この発明の培養担体および培養方法
におけるハイドロゲル(II)の形状について好ましい態
様を例示すれば以下の通りである。すなわち、このハイ
ドロゲル(II)の形状は、培養の対象となる細胞の種類
等によって適宜選択することができるが、例えば、粒子
状、マイクロビーズ状、繊維状、スポンジ状、膜状、フ
レーク状、板状など種々の形状とすることができる。ま
た、どのような形状であっても、ハイドロゲル(II)の
成形は通常の高分子化合物の成形方法をもちいることが
できる。例えば、形状が粒子状あるいはマイクロビーズ
状の場合には、乳化重合法、懸濁重合法、沈殿重合法等
の手段が好ましく用いられる。
【0025】さらに、このようにして形成した温度感応
性高分子化合物に架橋構造を付与するには、上記の通
り、単量体を重合する際に二官能性単量体を用いて架橋
する方法、あるいは重合が終了し、形状が付与された後
に光、電子線、γ線照射等により架橋する方法等を用い
ることができる。このうち、例えばマイクロビーズ状の
架橋された温度感応性高分子化合物を、水溶性単量体お
よび水溶性二官能性単量体から合成する場合には、逆相
懸濁重合法が特に好適である。このような逆相懸濁重合
法においては、分散媒として、単量体および生成高分子
を溶解しない有機溶媒(例えば、ヘキサン等の飽和炭化
水素)を用いるのが好ましい。また、懸濁助剤として界
面活性剤(例えば、ソルビタン脂肪酸エステル等の非イ
オン性界面活性剤)を上記有機溶媒と共に用いてもよ
い。得られるマイクロビーズの粒径は、添加する界面活
性剤の種類、量、あるいは攪拌速度等により制御するこ
とができる。また、重合開始剤としては、水溶性開始剤
および非水溶性開始剤のいずれも用いることができる
が、重合生成物を効率的に回収する点からは、その高分
子化合物のLCSTより低い温度で重合することが望ま
しいため、例えばレドックス開始剤等の低温開始剤を用
いるのが好ましい。
【0026】ハイドロゲル(II)の形状を、繊維状、フ
レーク状、スポンジ状、粒子状等に成形する場合には、
例えば、LCSTより低い温度に冷却された温度感応性
高分子化合物の水溶液を、口金を用いてLCSTより高
い温度の水中あるいは水を混合しない有機溶媒中に押し
出すことによって行うことができる。このような成形方
法を用いる場合の架橋構造の付与は、成形終了後に光、
電子線、γ線照射等により行うことができる。
【0027】また、ハイドロゲル(II)を板状、膜状に
成形する場合には、例えば、温度感応性高分子化合物を
有機溶媒あるいはLCSTより低い温度の水に溶解して
ソルベントキャスティング法によって行うことができ
る。このような成形方法を用いる場合も、架橋構造の付
与は、成形終了後に光、電子線、γ線照射等により行う
ことができる。
【0028】さらには、以上の種々の成形方法によって
得られた各種の形状のハイドロゲル(II)を機械的な方
法等で粉砕し、所望の大きさとすることもできる。一
方、この発明の細胞培養担体および細胞培養方法に用い
るハイドロゲル(I)については、従来から公知のハイ
ドロゲルのなかから適宜に選択して用いることができ
る。例えば、コラーゲンゲル、寒天ゲル、アルギン酸ゲ
ル、ゼラチンゲル、メチルセルロースゲルおよびキトサ
ンゲル( K.H.Holme, et al., Macromolecules, 24, 38
28, 1991)等である。また、これらの天然高分子由来の
ゲル以外にも、例えば、ポリプロピレンオキサイドとポ
リエチレンオキサイドのブロック共重合体であるプルロ
ニックF−127( BASF Wyandotte Chemical Co.
製)、あるいはポリ−N−イソプロピルアクリルアミド
とポリエチレングリコールのブロック共重合体( Yoshi
oka, et al., J.Macromol.Sci.-Pure Appl.Chem., A31
(1), 113, 1994 )等の合成高分子を用いることもでき
る。特にこれらの合成高分子は、後述するような温度感
応特性によって培養後の細胞回収が容易であり、この発
明に用いるハイドロゲル(I)として好ましい。
【0029】なお、この発明の細胞培養担体を作成する
場合には、非ゲル状態の上記ハイドロゲル(I)中に、
ハイドロゲル(II)を添加し均一に分散、混合すればよ
い。次に、この発明の細胞培養方法について説明する。
この発明の培養方法においては、上記の細胞培養担体を
直接用いて細胞を培養することができ、また、その細胞
培養担体を構成するハイドロゲル(I)とハイドロゲル
(II)を別個に用いて細胞を培養することもできる。す
なわち、前者は、非ゲル化状態の細胞培養担体に細胞を
添加して均一に分散させ、ハイドロゲル(I)をゲル化
させたのち、ハイドロゲル(II)に架橋した温度感応性
高分子化合物の下限臨界共溶温度以下または以上の温度
で細胞を培養する方法である。一方、後者は、ハイドロ
ゲル(I)中にハイドロゲル(II)と細胞とを添加して
均一に分散させ、次いでハイドロゲル(I)をゲル化さ
せたのち、温度感応性高分子化合物の下限臨界共溶温度
以下または以上の温度で細胞を培養する方法である。以
下、この後者の方法について具体的に説明する。
【0030】例えば、ハイドロゲル(I)としてコラー
ゲンゲルを用いる場合には、コラーゲンを低温、低pH
下の培地中に溶解し、pHを中性に調整し、かつ塩濃度
を生理的条件に合わせたのち、ハイドロゲル(II)と細
胞を培地中に均一に分散させ、温度を徐々に上昇させて
コラーゲンをゲル化させる。ハイドロゲル(I)が寒天
ゲルの場合には、寒天ゲルの融解温度(例えば、90
℃)以上でゲルを融解したのち、LCST以下の温度に
冷却し、素早くハイドロゲル(II)と細胞とを均一に分
散させてゲル化させる。また、ハイドロゲル(I)がア
ルギン酸ゲルの場合は、水溶性のアルギン酸ソーダを培
地中に溶解し、LCST以下の温度でハイドロゲル(I
I)と細胞を均一に分散させたのち、濃厚塩化カルシウ
ム溶液に接触させることによりゲル化させる。
【0031】一方、上述したメチルセルロースゲル、キ
トサンゲル、プルロニックF−127,ポリ−N−イソ
プロピルアクリルアミド誘導体ゲルのような温度感応性
ゲルは、ゾルーゲル転移温度を有しており、この温度以
下ではゾル状態であり、この温度以上でゲル化するとい
う性質を有している。このような温度感応性ゲルをハイ
ドロゲル(I)として用いた場合には、そのゾル−ゲル
転移温度以下でハイドロゲル(II)と細胞とを均一に分
散させ、次いで温度を転移温度以上に上げることによっ
てゲル化することができる。なおこの場合には、温度感
応性ゲルのゾル−ゲル転移温度がハイドロゲル(II)の
LCSTより低いことが必須である。
【0032】次に、この発明の方法を用いて培養した細
胞を回収する方法について説明する。ハイドロゲル
(I)がコラーゲンゲルの場合には、コラーゲンを分解
するコラーゲナーゼ処理によって培養細胞の回収が可能
である。また、アルギン酸ゲルの場合には、EDTA
(エチレエンジアミンテトラアセティックアシッド)の
ようなカルシウムキレート剤で処理することによってゲ
ルをゾル化して細胞を回収することができる。なお、寒
天ゲルの場合には、ゲルの融解温度が80℃以上である
ため培養細胞を無損傷で分離回収することは実質的に不
可能である。これに対して、上述の温度感応性ゲル(特
に好ましくはプルロニックF−127、ポリ−N−イソ
プロピルアクリルアミドとポリチレングリコールの共重
合体)は、そのゾル−ゲル転移温度が通常の細胞培養温
度より低いため、これをハイドロゲル(I)として用い
た場合には、培養温度をその転移温度以下に下げること
によってゲルをゾル化することができ、細胞を無傷の状
態で容易に分離、回収することが可能である。
【0033】
【実施例】以下、実施例を示してこの発明をさらに詳細
かつ具体的に説明するが、この発明は以下の例に限定さ
れるものではない。実施例1 ポリ−N−イソプロピルアクリルアミドゲルビーズ(P
NIPAAmゲルビーズ)を以下の逆相懸濁重合法によ
り合成した。
【0034】アセトンにより再結晶精製したN−イソプ
ロピルアクリルアミド(NIPAAm)1.5gとN,
N−メチレンビスアクリルアミド(BIS:バイオラッ
ド社製)0.0102gを蒸留水10mlに溶解して混
合モノマー水溶液を調製した。この混合モノマー水溶液
を水流アスピレーターを使用して脱気したのち、10w
t%過硫酸アンモニウム(和光純薬製)水溶液33μl
を加え、0.75gのソルビタンモノオレエート(Sp
an 80:関東化学製)を溶解したヘキサン120m
lに、窒素を通気しながら攪拌下に懸濁させた。この懸
濁液にN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジア
ミン(TEMED:和光純薬製)300μlを加え、窒
素下20℃で4時間攪拌したのち、静置してPNIPA
Amゲルビーズを沈降させた。回収したゲルビーズは、
ヘキサンおよび蒸留水で順次洗浄した。
【0035】このようにして得たPNIPPAmゲルビ
ーズをダルベック改変イーグル培地(DMEM)中に分
散させ、37℃(LCST以上)および20℃(LCS
T以下)の温度下で光学顕微鏡により測定した結果、そ
れぞれの平均粒子径は、約80μmおよび160μmで
あった。実施例2 ハイドロゲル(I)としてアガロースゲル、ハイドロゲ
ル(II)として実施例1のPNIPAAmゲルビーズを
用い、以下の手順で細胞を培養した。
【0036】PNIPAAmゲルビーズ1.0gを10
mlの蒸留水に分散させたのち、121℃、20分間オ
ートクレーブ処理することによって殺菌し、次いで2倍
濃度のDMEM培地〔20%ウシ胎児血清(FBS)含
有〕10mlを無菌的に加え、濃度が5w/v%のPN
IPAAmゲルビーズ分散DMEM培地(10%FBS
含有)を調製した。
【0037】一方、0.2gのアガロース(シグマ製)
を10mlの蒸留水に加え、121℃、20分間オート
クレーブ処理して滅菌すると同時に溶解して2w/v%
のアガロース溶液を調製した。このアガロース溶液を3
7℃に保温し、2倍濃度のDMEM培地(20%FBS
含有)10mlを無菌的に加えて20mlの1w/v%
アガロース含有DMEM培地(10%FBS含有)を調
製し、さらに37℃に保温して溶液状態を維持した。
【0038】次に、上記5w/v%のPNIPAAmゲ
ルビーズ分散DMEM培地2mlと上記1w/v%アガ
ロース含有DMEM培地8mlとを均一に混合すると同
時に、ヒト乳癌由来の細胞株MCF−7を最終濃度が約
2×105 個/mlとなるように添加し、培地が溶液状
態のうちに細胞培養ディッシュ(35mmφ、Falcon30
01)中に1mlづつ分注したのち、約20℃(LCST
以下)で放置することにより培地をゲル化させた。な
お、このゲル化培地を光学顕微鏡で観察したところ、2
0℃での培地中のPNIPAAmゲルビーズの平均粒子
径は約160μmでアガロースゲルとこのゲルビーズと
の間に空隙は認められなかった(図1)。これに対し
て、温度を37℃まで上昇させると、このゲルビーズの
平均粒子径は約80μmにまで減少し、アガロースゲル
とゲルビーズとの間に明瞭な空隙が出現した(図2)。
【0039】このゲル化培地に、さらに約1mlのDM
EM培地(10%FBS含有)を加え、37℃のインキ
ュベター(5%炭酸ガス、95%空気)中で培地中のM
CF−7細胞を培養した。ゲル培地上の培養液は3週間
毎に交換した。また培養温度は1日1回、約30分間だ
け20℃に下げた。すなわち、このような周期的な温度
変化によりアガロースゲル中のPNIPAAmゲルビー
ズの体積を変化させ、これによってアガロースゲルとゲ
ルビーズ間の空隙量を変え、この空隙中の培養液を強制
的に循環させながら培養をおこなった。その結果、MC
F−7細胞のコロニー形成速度および形成率の著しい向
上が認められた。実施例3 ハイドロゲル(I)としてコラーゲンゲル、ハイドロゲ
ル(II)として実施例1のPNIPAAmゲルビーズを
用い、以下の手順で細胞を培養した。
【0040】0.5%のコラーゲン溶液(1−PC:高
研製pH3)10mlと等量の2倍濃度DMEM培地を
4℃で均一に混合し、0.25w/v%のコラーゲン含
有DMEM培地溶液(pH7.4)を無菌的に調製し
た。この培地溶液8mlと実施例2と同様に調製した5
w/v%のPNIPAAmゲルビーズ分散DMEM培地
2mlとを4℃で無菌的に混合し、1w/v%のPNI
PAAmゲルビーズ含有0.2w/v%コラーゲン溶液
を調製した。次いで、この溶液中に実施例2と同様のM
CF−7細胞を最終濃度が約2×105 個/mlとなる
ように添加し、培地が溶液状態のうちに細胞培養ディッ
シュ(35mmφ、Falcon3001)中に1mlづつ分注し
たのち、約25℃で放置することにより培地をゲル化さ
せた。細胞の培養は実施例2と同様に37℃のインキュ
ベータ中で行い、1日1回、約30分間だけ培養温度を
約20℃に下げた。
【0041】光学顕微鏡による観察の結果、培養温度が
20℃の場合にはコラーゲンゲルとPNIPAAmゲル
ビーズとの間には空隙がほとんど認められなかったのに
対し、37℃では大きな空隙が認められ、上記の通りの
周期的な温度変化によって空隙中の培養液を強制的に循
環することが可能であることが確認された。実施例4 ハイドロゲル(I)としてアルギン酸ゲル、ハイドロゲ
ル(II)として実施例1のPNIPAAmゲルビーズを
用い、以下の手順でこの発明の細胞培養担体を作成し
た。
【0042】0.17gのアルギン酸ソーダ(シグマ
製)を10mlのDMEM培地に溶解し、1,7w/v
%のアルギン酸ソーダ溶液を調製した。このアルギン酸
ソーダ溶液6mlと実施例2と同様の5w/v%のPN
IPAAmゲルビーズ分散DMEM培地4mlとを4℃
で混合した溶液を、21Gの注射針から4℃に冷却した
100mM塩化カルシウム溶液中に滴下し、径が2−3
mmの液滴を作成し、20分間放置することによって液
滴をゲル化させた。その後、塩化カルシウム溶液を除去
し、培地によって2回洗浄して2w/v%PNIPAA
mゲルビーズを含有するアルギン酸カルシウムゲル粒子
を作成した。この粒子の温度をLCSTの上下で変化さ
せると、アルギン酸ゲルとPNIPAAmゲルビーズと
の間隔はその温度変化に追従して増減した。実施例5 ハイドロゲル(I)としてポリプロピレンオキサイドと
ポリエチレンオキサイドとの共重合体であるプルロニッ
クF−127、ハイドロゲル(II)として実施例1のP
NIPAAmゲルビーズを用い、以下の手順で細胞を培
養した。
【0043】4.0gのプルロニックF−127(BA
SF社製)を、そのゾル−ゲル転移温度以下の15℃で
DMEM培地10ml中に溶解し、40w/v%のプル
ロニックF−127溶液を調製した。このプルロニック
F−127溶液6mlと実施例2と同様の5w/v%の
PNIPAAmゲルビーズ分散DMEM培地4mlとを
15℃で混合したのち、この混合溶液にMCF−7細胞
を最終濃度が約2×105 個/mlとなるように添加
し、培地が溶液状態のうちに細胞培養ディッシュ(35
mmφ、Falcon3001)中に1mlづつ分注し、37℃に
加温することによってプルロニックF−127を完全に
ゲル化させた。
【0044】このゲル化培地を光学顕微鏡で観察したと
ころ、25℃および37℃におけるPNIPAAmゲル
ビーズの平均粒子径は、各々約150μmおよび約80
μmであり、25℃ではプルロニックF−127ゲルと
PNIPAAmゲルビーズとの間にはほとんど空隙が認
められなかったのに対し、37℃では大きな空隙が形成
されていた。
【0045】さらに、ゲル化培地の温度を、プルロニッ
クF−127のゾル−ゲル転移温度以下の15℃に冷却
するとゲル化培地は速やかに液化し、容易に培養細胞を
回収することが可能であった。
【0046】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明によ
って、培養温度を微量変化させることによりゲル内培養
した細胞間に空隙を形成し、しかもこの空隙の大きさを
制御することのできる細胞培養担体と、細胞培養方法が
提供される。これにより、細胞の立体構築体内に培養液
を強制的に循環することができ、細胞への栄養物の補給
および細胞の発現産物や老廃物の除去、放出が可能とな
る。生体細胞を、その分化機能発現能を維持した状態
で、高密度かつ大きな塊として長期間培養することが可
能となり、培養細胞の利用、応用の範囲が大幅に拡大す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2に例示したゲル化培地の20℃におけ
る光学顕微鏡写真図(倍率:約200倍)である。図
中、Aで示す円に囲まれた部分がPNIPAAmゲルビ
ーズ〔ハイドロゲル(II)〕であり、その周囲がアガロ
ースゲル〔ハイドロゲル(I)〕である。
【図2】実施例2に例示したゲル化培地の37℃におけ
る光学顕微鏡写真図(倍率:約200倍)である。図
中、Bで示す円に囲まれた部分がPNIPAAmゲルビ
ーズであり、BとCに囲まれた部分がPNIPAAmゲ
ルビーズとアガロースゲルとの空隙で培養液によって満
たされている。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 任意の温度範囲でゲル化するハイドロゲ
    ル(I)中に、このハイドロゲル(I)のゲル化温度よ
    り高い下限臨界共溶温度を有する温度感応性高分子化合
    物を架橋したハイドロゲル(II)を含有することを特徴
    とする細胞培養担体。
  2. 【請求項2】 温度感応性高分子化合物の下限臨界共溶
    温度が、0℃より高く45℃以下である請求項1の細胞
    培養担体。
  3. 【請求項3】 温度感応性高分子化合物が、ポリN−置
    換アクリルアミド誘導体、ポリN−置換メタアクリルア
    ミド誘導体およびこれらの共重合体、ポリビニルメチル
    エーテル、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレンオ
    キサイド、エーテル化メチルセルロース、ポリビニルア
    ルコール部分酢化物、またはこれらの任意の混合物であ
    る請求項1の細胞培養担体。
  4. 【請求項4】 ハイドロゲル(II)の形状が、粒子状、
    マイクロビーズ状、繊維状、スポンジ状、膜状、フレー
    ク状または板状である請求項1の細胞培養担体。
  5. 【請求項5】 任意の温度範囲でゲル化するハイドロゲ
    ル(I)中にこのハイドロゲル(I)のゲル化温度より
    高い下限臨界共溶温度を有する温度感応性高分子化合物
    を架橋したハイドロゲル(II)を含有する細胞培養担体
    を用いて細胞を培養する方法であって、非ゲル化状態の
    細胞培養担体に細胞を添加して均一に分散させ、ハイド
    ロゲル(I)をゲル化させたのち、温度感応性高分子化
    合物の下限臨界共溶温度以下または以上の温度で細胞を
    培養することを特徴とする細胞培養方法。
  6. 【請求項6】 細胞を培養する温度を、下限臨界共溶温
    度以下および以上の温度に交互に周期的に設定する請求
    項5の細胞培養方法。
  7. 【請求項7】 細胞が、生体組織由来の接着依存性細胞
    である請求項5または6の細胞培養方法。
  8. 【請求項8】 温度感応性高分子化合物の下限臨界共溶
    温度が0℃より高く45℃以下である細胞培養担体を用
    いる請求項5または6の細胞培養方法。
  9. 【請求項9】 温度感応性高分子化合物がポリN−置換
    アクリルアミド誘導体、ポリN−置換メタアクリルアミ
    ド誘導体およびこれらの共重合体、ポリビニルメチルエ
    ーテル、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレンオキ
    サイド、エーテル化メチルセルロース、ポリビニルアル
    コール部分酢化物、またはこれらの任意の混合物である
    細胞培養担体を用いる請求項5または6の細胞培養方
    法。
  10. 【請求項10】 ハイドロゲル(II)の形状が粒子状、
    マイクロビーズ状、繊維状、スポンジ状、膜状、フレー
    ク状または板状である細胞培養担体を用いる請求項5ま
    たは6の細胞培養方法。
  11. 【請求項11】 任意の温度範囲でゲル化するハイドロ
    ゲル(I)中に、このハイドロゲル(I)のゲル化温度
    より高い下限臨界共溶温度を有する温度感応性高分子化
    合物を架橋したハイドロゲル(II)と細胞とを添加して
    均一に分散させ、次いでハイドロゲル(I)をゲル化さ
    せたのち、温度感応性高分子化合物の下限臨界共溶温度
    以下または以上の温度で細胞を培養することを特徴とす
    る細胞培養方法。
  12. 【請求項12】 細胞を培養する温度を、下限臨界共溶
    温度以下および以上の温度に交互に周期的に設定する請
    求項11の細胞培養方法。
  13. 【請求項13】 細胞が、生体組織由来の接着依存性細
    胞である請求項11または12の細胞培養方法。
  14. 【請求項14】 下限臨界共溶温度が0℃より高く45
    ℃以下である温度感応性高分子化合物を架橋したハイド
    ロゲル(II)を用いる請求項11または12の細胞培養
    方法。
  15. 【請求項15】 温度感応性高分子化合物がポリN−置
    換アクリルアミド誘導体、ポリN−置換メタアクリルア
    ミド誘導体およびこれらの共重合体、ポリビニルメチル
    エーテル、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレンオ
    キサイド、エーテル化メチルセルロース、ポリビニルア
    ルコール部分酢化物、またはこれらの任意の混合物であ
    るハイドロゲル(II)を用いる請求項11または12の
    細胞培養方法。
  16. 【請求項16】 形状が粒子状、マイクロビーズ状、繊
    維状、スポンジ状、膜状、フレーク状または板状である
    ハイドロゲル(II)を用いる請求項11または12の細
    胞培養方法。
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