JPH08334675A - カメラの距離情報出力装置 - Google Patents

カメラの距離情報出力装置

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Publication number
JPH08334675A
JPH08334675A JP3530396A JP3530396A JPH08334675A JP H08334675 A JPH08334675 A JP H08334675A JP 3530396 A JP3530396 A JP 3530396A JP 3530396 A JP3530396 A JP 3530396A JP H08334675 A JPH08334675 A JP H08334675A
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JP
Japan
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lens
absolute distance
distance
circuit
signal
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Withdrawn
Application number
JP3530396A
Other languages
English (en)
Inventor
Minoru Matsuzaki
稔 松崎
Masahito Miyazawa
優人 宮沢
Yoji Watanabe
洋二 渡辺
Toru Komatsu
亨 小松
Junichi Ito
順一 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH08334675A publication Critical patent/JPH08334675A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 相対的距離に応じた計数出力を、簡単な演算
により、広い距離範囲に亘って、精度良く絶対距離に変
換して出力できるようにする。 【解決手段】 撮影レンズの動きに応じて相対距離をカ
ウントする計数手段1と、このカウント値を絶対距離に
変換するための係数を記憶する記憶手段2と、上記カウ
ント値と係数に基づいて絶対距離を算出する演算手段3
が設けられ、上記記憶手段に記憶された係数は、撮影レ
ンズの繰出し範囲を複数の領域に分割し、この分割領域
に対応して記憶されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カメラの距離情報
出力装置、更に詳しくは、カメラにおいて、オートフォ
ーカス駆動等のために絶対距離情報を得ることのできる
距離情報出力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】レンズの距離情報の出力には、絶対距離
情報と相対距離情報とがある。オートフォーカスにおけ
る絶対距離情報とは距離そのものに対応した信号を出力
するものであり、相対距離情報とは現在ある距離を基準
としてその点からどの位ずれているかの情報である。相
対距離情報は、例えば櫛歯電極のみで距離情報を出力で
きるので、交換レンズの距離情報出力装置として構成が
簡単になる利点があるが、システムカメラとしての一眼
レフレックスカメラにあっては絶対距離情報を使用する
方が便利となる。絶対距離情報を得る手段としては、
交換レンズ内に4ビットのグレーコードのディジタル信
号を発する絶対距離エンコーダを設けたもの(特開昭5
0−67650号公報参照)、交換レンズ内に距離環
に連動する部材の移動量を永久磁石、磁電変換素子の検
出素子で検出するようにしたもの(特開昭60−108
828号公報参照)等が公知である。この,のいず
れの公知手段も、レンズ距離環の動きを変換した出力、
つまり、距離環に直接的な部材の連動により絶対的な距
離検出の工夫をしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記,の
公知手段は、交換レンズ鏡筒毎に比較的大きなスペース
を占有する絶対距離エンコーダや検出素子等を設ける必
要があるため、交換レンズ鏡筒が大型化するとともに高
価になり、ユーザにとって、システム化を図る上で好ま
しくない。本出願人は、先に、交換レンズ鏡筒内に設け
たパルス発生手段からアドレス信号を発生させ、これを
交換レンズ内のCPU(演算処理装置)でカウントし、
距離コード表との対照により絶対距離を算出する装置を
提案した(特願昭60−134800号)。この装置で
は距離コード表を用いているので、同コード表のメモリ
を設ける必要がある。本発明の目的は、このような点に
鑑み、相対的距離に応じた計数出力を簡単な演算を行な
うことにより、広い距離範囲に亘って、精度良く絶対距
離を得るようにしたカメラの距離情報出力装置を提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1に記載
のカメラの距離情報出力装置は、撮影レンズの動きに応
じて相対距離をカウントする計数手段と、上記撮影レン
ズが基準位置に達したときに上記計数手段のカウント値
をリセットするリセット手段と、上記撮影レンズの繰り
出し範囲を複数の領域に分割し、上記撮影レンズが位置
する領域に対応した絶対距離係数を出力する手段と、上
記カウント値と上記係数でもって上記撮影レンズの絶対
距離を演算する演算手段と、を具備することを特徴とす
る。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、オートフ
ォーカス(以下、AFと略記する)機能を有したレンズ
交換式のカメラに適用した本発明の実施形態を説明す
る。まず、本発明の実施形態の概略を説明するに、カメ
ラの距離情報出力装置は、第1図に示すように、撮影レ
ンズの動きに応じて相対的距離をカウントする計数手段
1が設けられているとともに、この計数手段1のカウン
ト値を絶対距離に変換するために必要とする、撮影レン
ズの固有データ(絶対距離計数等)を記憶する記憶手段
2が設けられており、この記憶手段2に記憶された固有
データと上記計数手段1からのカウント値とが演算手段
3によって演算されて絶対距離が算出されるようになっ
ている。撮影レンズが基準位置に達したときには上記計
数手段1のカウント値がリセット手段4によってリセッ
トされる。なお、上記記憶手段2には、絶対距離に応じ
て上記固有データが記憶されている。
【0006】第2図は本発明が適用されるカメラシステ
ムの電源供給を主体として見た全体のブロック図であ
る。電源電池11の電圧VCCは電源スイッチ12の開成
時にDC/DCコンバータ13により昇圧され、ライン
0 ,l1 間が電圧VDDに定電圧化されている。ライン
0 ,l1 間にメインCPU14,バイポーラII回路1
5,バイポーラI回路16,ストロボ制御回路17,レ
ンズデータ回路18,データバック回路19が接続され
ており、バイポーラII回路15の電源供給制御はメイン
CPUのパワーコントロール回路からの信号により行な
われ、バイポーラI回路16〜データバック回路19の
電源供給制御はバイポーラII回路15からのパワーコン
トロール信号により行なわれる。
【0007】合焦センサ20,A/Dコンバータ21,
AF用CPU22からなるAFブロックは電源制御用ト
ランジスタ23を介してラインl0 ,l1 間に接続され
ており、このAFブロックに対する電源供給制御はメイ
ンCPU14のAF用パワーコントロール回路からの信
号による上記トランジスタ23のオン,オフ制御により
行なわれる。AF用CPU22はAF用アルゴリズム演
算を行なうための回路で、合焦・非合焦の表示を行なう
AF表示回路24が接続されている。メインCPU14
は巻上、巻戻、露出シーケンス等カメラ全体のシーケン
スをコントロールするための回路で、上記合焦表示以外
の表示を行なう表示回路25を接続されている。バイポ
ーラII回路15は巻上、巻戻用モータ制御、レンズ駆動
およびシャッタ制御等、カメラのシーケンスに必要な各
種ドライバを含む回路で、AFモータ駆動回路26およ
びAF補助光回路27等が接続されている。バイポーラ
I回路16は主として測光をつかさどる回路であり、測
光素子28を有している。ストロボ制御回路17は内
蔵、或いは外付けされたストロボ29に対する発光制御
を行なうためのものである。レンズデータ回路18は、
交換レンズ毎に異なる、AF、測光、その他のカメラ制
御に必要な、固有のレンズデータを記憶した回路であ
る。このレンズデータ回路18に入っているレンズデー
タのうちAFに必要なデータとしては、レンズ変倍係数
(ズーム係数)、マクロ識別信号、絶対距離係数a,
b,パワーフォーカスデューティ係数,AF精度スレシ
ョールドETh,レンズ移動方向,開放F値等である。
【0008】上記バイポーラII回路15では電源電圧V
DDの状態を監視しており、電源電圧が規定電圧より低下
したときメインCPU14にシステムリセット信号を送
り、バイポーラII回路15〜データバック回路19の電
源供給、並びに、合焦センサ20,A/Dコンバータ2
1およびAF用CPU22からなるAFブロックの電源
供給を断つようにしている。メインCPU14への電源
供給は規定電圧以下でも行なわれる。
【0009】第3図はAFブロックを中心とした信号の
授受を示す系統図であり、AF用CPU22とメインC
PU14はシリアルコミュニケーションラインでデータ
の授受を行ない、その通信方向はシリアルコントロール
ラインにより制御される。このコミュニケーションの内
容としては、レンズデータ回路18内の固有のレンズデ
ータや、絶対距離情報である。また、メインCPU14
からAF用CPU22にカメラのモード(AFシングル
モード/AFシーケンスモード/パワーフォーカス(以
下、PFと略記する)モード/その他のモード)の各情
報がモードラインを通じてデコードされる。さらに、メ
インCPU14からAF用CPU22へのAFENA
(AFイネーブル)信号はAF,PFの各モードのスタ
ートおよびストップをコントロールする信号であり、A
F用CPU22からメインCPU14へのEOFAF
(エンドオブAF)信号はAF,PFモードでの動作終
了時に発せられ露出シーケンスへの移行を許可する信号
である。
【0010】また、バイポーラII回路15はAF用CP
U22からのAFモータコントロールラインの信号をデ
コードし、AFモータ駆動回路26をドライブする。A
Fモータ駆動回路26の出力によりAFモータ(レンズ
駆動モータ)31が回転すると、レンズ鏡筒の回転部材
に等間隔に設けられたスリット32が回転し、同スリッ
ト32の通路を挟んで発光部33aと受光部33bとを
対向配置させてなるフォトインタラプタ33がスリット
32をカウントする。即ち、スリット32とフォトイン
タラプタ33はレンズ移動量検出部34を構成してお
り、同移動量検出部34から発せられたアドレス信号
(スリット32のカウント信号)は波形整形されてAF
用CPU22に取り込まれる。
【0011】AF用CPU22からバイポーラII回路1
5に送られるサブランプ(以下、Sランプと略記する)
信号はAF補助光回路27をコントロールする信号で、
被写体がローライト(低輝度)、ローコントラストのと
きSランプ27aを点灯する。AF用CPU22に接続
されたAF表示回路24は合焦時に点灯する合焦表示用
LED(発光ダイオード)24aと、合焦不能時に点灯
する合焦不能表示LED24bを有している。なお、こ
のAF用CPU22にはクロック用発振器35,リセッ
ト用コンデンサ36が接続されている。
【0012】また、上記AF用CPU22とA/Dコン
バータ21はバスラインによりデータの授受を行ない、
その伝送方向はバスラインコントロール信号により制御
される。そして、AF用CPU22からA/Dコンバー
タ21にセンサ切替信号、システムクロック信号が送ら
れるようになっている。そして、A/Dコンバータ21
は例えば、CCDからなる合焦センサ20に対しCCD
駆動クロック信号、CCD制御信号を送り、合焦センサ
20からCCD出力を読み出し、この読み出したアナロ
グ値のCCD出力をディジタル変換してAF用CPU2
2に送る。
【0013】次に、本発明の距離情報出力装置を有する
カメラの上記第3図に示したAFブロックを中心とする
マイクロコンピュータのプログラム動作のフローチャー
トを説明する。AFブロックは、第2図に示したよう
に、メインCPU14のAF用パワーコントロール回路
を動作状態にすることによってトランジスタ23がオン
して電源電圧VDDが供給され、これによって、第4図に
示すパワーオン・リセットのルーチンの実行を開始す
る。このパワーオン・リセットルーチンが開始される
と、まず、<I/Oイニシャライズ>のサブルーチンで
AFブロックの駆動回路のイニシャライズが行なわれ
る。具体的には、AF表示回路24,AFモータ駆動回
路26およびAF補助光回路27等のオフ並びにメイン
CPU14とのシリアルコミュニケーションラインのイ
ニシャライズ等が行なわれる。
【0014】次に、<モード・リード>のサブルーチン
で、メインCPU14からのモードラインの信号(モー
ド信号)を読み出し、いかなるレンズ駆動モードを実行
するかを判断したのち、<タイマ>のルーチンで一定時
間を経て、再度<モード・リード>のルーチンを経てモ
ードの切換時点を読み取っている。そして、モードの切
換えが完了するまでは最初の<モード・リード>に戻
る。<モード・リード>のサブルーチンを<タイマ>を
挟んで2回通過するようにしているのは、モード切換時
点での読み取りの誤動作を防止するためである。
【0015】モードの切換えが確実に行なわれて切換前
と切換後のモードが同一になったとき、その切換後のモ
ードを読み取って各モードのサブルーチンへ移行する。
即ち、レンズ駆動の各モードとしては、<レンズリセッ
ト>,<PF(パワーフォーカス)>,<AFSIN
(AFシングル)>,<AFSEQ(AFシーケンス)
>の各モードがあり、これらのモードのうちの1つが選
ばれると、この選択されたモードのサブルーチンを実行
したのち上記<I/Oイニシャライズ>のルーチンへ戻
る。<レンズリセット>,<PF>,<AFSIN>,
<AFSEQ>のいずれのモードも選択されず、<その
他>のモードが選ばれたときなどは、これは単なるノイ
ズとみなされて、<タイマ>のルーチンで一定時間の経
過後上記<I/Oイニシャライズ>へ戻る。
【0016】ここで、<レンズリセット>モードの動作
は、レンズを強制的に無限遠(∞)の位置まで繰り込
み、これによって相対的距離信号、即ち、合焦センサ2
0から出力される測距出力信号を無限遠(∞)の位置か
らのパルス移動数に置き換えて絶対距離信号に変換しよ
うとするためのイニシャライズ動作、即ち、絶対距離カ
ウンタのクリア動作である。<レンズリセット>が選択
された場合、この絶対距離カウンタのクリアのあと、例
えば5ms経ってからI/Oイニシャライズ動作に戻
る。また、<PF>モードとは、レンズの距離環を手動
ではなく、レンズ駆動モータ31によって駆動し、レン
ズのフォーカシング動作をマニュアルのピント合せ又は
フォーカスエイドを用いて実施しようとするものであ
る。さらに詳しく言えば、後述するPFUP(アップ)
用操作スイッチSW1 ,PFDN(ダウン)用操作スイ
ッチSW2 のオン,オフによってレンズの繰り出し、繰
り込みが行なわれることになる。また、<AFSIN>
のモードの動作は、ワンショットAF動作であり、被写
体に対して、AF動作後にフォーカスロックするもので
ある。さらに、<AFSEQ>モードは、連続AFであ
り、このモードでは、レリーズ釦の1段目を動作しつづ
ける限りAF動作を連続的に行なうなことになる。
【0017】ところで、レンズ駆動の各モードに関する
操作スイッチとしては、下記の表1に示すように、4つ
の操作SW1 〜SW4 が用いられる。
【0018】
【表1】
【0019】上記表1に示す第1,第2の操作スイッチ
SW1 ,SW2 はAFモードとPFモードで共通に用い
られるものであり、第3の操作スイッチSW3 はオフの
ときAFモード,オンのときPFモードが選択される。
AFモードで第1,第2の操作スイッチSW1 ,SW2
がともにオフのときレンズリセットモードとなり、とも
にオンのときAFSEQモードとなり、第1の操作スイ
ッチSW1 がオフ,第2の操作スイッチSW2 がオンの
ときAFSINモードとなる。PFモードで第1,第2
の操作スイッチSW1 ,SW2 がともにオフ,又はとも
にオンのときはストップモードにあり、第1の操作スイ
ッチSW1 がオンのときはモータによって距離環を近距
離側に回転させてレンズを繰り出すPFUP(アップ)
モードとなり、第2の操作スイッチSW2 がオンのとき
は距離環を遠距離側に回転させてレンズを繰り込むPF
DN(ダウン)モードとなる。また第4の操作スイッチ
SW4 は、AFモードのうちのいずれのモードでオン、
オフのいずれの状態にあっても、また、PFモードのう
ちのストップモードでオン,オフのいずれの状態にあっ
ても変化はないが、PFモードでオンのときHI(高
速)モードとなり、レンズ駆動モータ31が高速回転し
距離環の粗動が行なわれ、オフのときLO(低速)モー
ドとなり、モータ31(第3図参照)が低速回転して距
離環の微動が行なわれる。
【0020】次に、各レンズ駆動モードの動作について
第5図〜第9図のフローチャートを用いて説明する。ま
ず、<AFSIN>のモードが選択された場合は、第5
図に示す<AFSIN>のルーチンが実行され、メイン
CPU14からのAFENA信号が“H”レベル(アク
ティブ)になっているか否かを検出する。レリーズ釦の
第1段目の動作でAFENA信号がアクティブになって
AF動作が開始され、<AFSIN2>のサブルーチン
が呼び出される。但し、レリーズ釦の第2段目の動作が
受け付けられるのは、AF動作が終了して合焦状態が得
られ露出シーケンスが開始されるときである。<AFS
IN2>では、後述するように、合焦センサ20のCC
D積分、測距出力の演算およびレンズの駆動等が行なわ
れる。そして、この<AFSIN2>のAF動作の結果
である合焦,非合焦の表示は、<AFSIN2>の動作
の後、AFステータスフラグを監視して行なわれる。A
Fステータスフラグはローコンフラグ(被写体がローコ
ントラストのとき“1”にセットされるフラグ、以下、
LCフラグと略記する)、移動フラグ(被写体が移動し
ているとき“1”にセットされるフラグ、以下、Mフラ
グと略記する)および最至近フラグ(レンズを最至近距
離以上に繰り出そうとしたときに“1”にセットされる
フラグ、以下Nフラグと略記する)を有しており、これ
らのうち、いずれのフラグとも“0”のとき合焦が可能
であり、上記各フラグのうち何らかのフラグが立つと合
焦不能であるので、AFステータスフラグの監視の結
果、同AFステータスフラグが“0”であれば合焦の表
示が前記AF表示回路24のLED24aによって行な
われ、AFステータスフラグが“0”でなければ合焦不
能の表示が前記LED24bによって行なわれる。合焦
であれば、EOFAF信号が発せられてAF動作が終了
し、メインCPU14にレリーズ釦の2段目の動作、即
ち、露出シーケンスの開始を待機する状態となる。つま
り、一度合焦が終了すると、AFENA信号がアクティ
ブになっていても、その後のレンズ動作が禁止され合焦
表示のLED24aが点灯したままとなり、フォーカス
ロック状態となる。メインCPU14からのAFENA
信号が“L”レベル(インアクティブ)になったときは
第4図に示すパワーオン・リセットのフローの初期動作
にリターンする。
【0021】上記<AFSIN>のモードの動作中、<
AFSIN2>のサブルーチンのプログラム動作は第6
図に示すようにして行なわれる。まず、前回の測距演算
値(前回の合焦センサ20の出力パルス)と今回の測距
演算値(今回の合焦センサ20の出力パルス)との比較
のためにRETRY(リトライ)フラグがクリアされ、
AFループカウンタに一連のAF動作における最大測距
回数がセットされる。このあと、ある明るさ以上では確
実にCCD積分が行なわれるように、ITIMEレジス
タにCCD積分時間の最大値がセットされる。そして、
AFステータスフラグがクリアされ、Sランプフラグも
クリアされる。ここまでのフローの動作でAF開始前の
イニシャライズ動作が終了する。このあと、<レンズ・
リード>のルーチンが呼び出され、前記レンズデータ回
路18に入っているレンズ内の各データが読み出された
のち、測距のための<AF>のルーチンが呼び出され
る。この<AF>のサブルーチン内では、CCD積分時
にSランプ27aを点灯させる必要があるか否かが判断
され、点灯する必要がある場合にはSランプフラグがセ
ットされ、必要ない場合にはクリアされる。また、ロー
ライトフラグ(被写体がローライトのとき“1”にセッ
トされるフラグ,以下、LLフラグと略記する)、LC
フラグがセット或いはクリアされる。
【0022】今、<AF>の測距動作後、LLフラグ,
LCフラグのいずれもクリアされた状態にあるときは、
<パルス>のルーチンを呼び出し、レンズ駆動量が計算
される。即ち、この<パルス>のルーチンでは、上記<
AF>の動作で求められたAF(測距)演算出力値を各
交換レンズ毎の距離移動量に交換するためにレンズデー
タ回路18から変倍係数等の情報を読み取り、この読み
取った変倍係数とAF演算出力値により合焦点までの移
動量に相当するパルス(アドレス信号)数が計算され
る。
【0023】このあと、上記AF演算出力値(ERRO
R)と、レンズデータ回路18より読み出したAF精度
スレッショルドEThとを比較し、上記AF演算出力値
(ERROR)がAF精度スレッショルドEThよりも
大きければ、「A」へ進み、RETRYフラグの判別を
行なう。1回目のAF動作では、RETRYフラグが
“0”であることからRETRYフラグのセットがおこ
なわれたあと、上記駆動パルス数がセーブされる。そし
て、2回目以降のAF動作ではRETRYフラグがセッ
トされているので、今回の駆動パルス数と前回の駆動パ
ルス数とが比較される。このとき、前回パルス数に比較
して今回パルス数の方が移動量だけ少なめになっていれ
ば、レンズ駆動により合焦点に近づいたことになるの
で、次のレンズ駆動では、さらに、より一層近づくであ
ろうということになり、前回パルスに代って今回パルス
がセーブされ、<MDRIVAF>のルーチンを呼び出
し、レンズ駆動を行なう。
【0024】前回パルスと今回パルスとの比較を行なう
目的は、AFシーケンス全体の発散動作を防ぐことにあ
る。両者を比較する仕方としては、(今回パルス数):
(前回パルス数× 0.5),或いは(今回パルス数):
(前回パルス数× 1.5)等が考えられる。AFシーケン
スの系が発散状態にありそうなときは被写体移動中にA
F動作を行なわせることが考えられるので、この場合に
は、速やかにレンズ駆動を中止し、AF動作の無駄を防
ぐためにMフラグをセットして「B」へ進み、後述する
<SDISCNT>、<CALDIST>のルーチンを
呼び出す。
【0025】上記<MDRIVAF>によってレンズ駆
動が行なわれたのち、AFループカウンタのセットされ
たAF動作の測距回数値から1を減じる。そして、この
結果、AFループカウンタの値が0になっていない場合
は、ITIMEレジスタに積分時間をセットし、そして
AFENA信号がアクティブ(つまり、レリーズ釦の1
段目の動作がオン)になっているとき、次回のAF動作
のために、「C」に戻る。こうして、C−C間のAF動
作が繰り返し行なわれる毎にAFループカウンタの値が
1回ずつ減じられていくことにより、次第に合焦点に近
づくことになるが、AFループカウンタの値が0になっ
てもAF演算出力値(ERROR)が上記AF精度スレ
ッショルドEThよりも小さくならないときは合焦不能
であるとしてMフラグがセットされることになる。上記
C−C間のAF動作の結果、ERROR<EThになる
と、つまり上記AF演算出力値(ERROR)がピント
誤差範囲内になると、AFステータスフラグをクリアし
て合焦状態に至ったことを示し、<SDISCNT>,
<CALDIST>のルーチンを呼び出す。
【0026】ここで、上記<AF>の動作後、もし、L
Lフラグ或いはLCフラグがセットされていれば、Sラ
ンプフラグの状態がテストされる。このとき、Sランプ
フラグが事前に“1”にセットされていれば、AFのた
めの積分動作中にSランプ27aが点灯していたにもか
かわらずローライト、ローコントラストの状態になった
ことになるので、この場合は、再度LCフラグをテスト
し、ローコントラストの場合のみ<レンズNF(合焦不
能)>のルーチンを呼び出し、合焦不能の積極的表示を
行なう。即ち、この<レンズNF>のルーチンでは、ま
ず、レンズを一旦、最至近位置まで繰り出したのち、無
限遠(∞)位置まで繰り込ませ、このレンズの大幅な移
動によって積極的に合焦不能をユーザに知らせる。な
お、合焦不能を表わすレンズ動作としては無限遠(∞)
位置から最至近位置へ繰り出す動作であってもよい。ま
た、この<レンズNF>では、無限遠(∞)位置に当て
付くことにより、レンズ距離環の無限遠(∞)位置から
の駆動パルス数(移動アドレス信号数)をセーブするた
めの絶対距離カウンタのイニシャライズが行なわれる。
もし、ローコントラストでなければ、ローライトであり
ながらAFの演算が行なわれたことになるので、この場
合は、「D」に戻る。
【0027】また、Sランプフラグが事前にクリアされ
ていたときには、以前にはSランプ27aが消灯してい
たことになるので、LLフラグ、或いはLCグラフがセ
ットされている場合は、Sランプフラグをセットし、
「E」に進む。従って、2回目以降のAF動作でSラン
プ27aが点灯することになる。
【0028】いずれにしろ、<AFSIN2>の動作の
終りには<SDISCNT>のルーチンが呼び出されて
実行されたのち、<CALDIST>が呼び出される。
<SDISCNT>のルーチンでは絶対距離カウンタに
距離環の無限遠(∞)位置からの駆動パルス数がセット
される。<CALDIST>のルーチンにおいては、上
記の絶対距離カウンタにセットされたパルス数と、レン
ズデータ回路18内の絶対距離係数a、bとから、被写
体までの絶対距離の演算が行なわれ、この求められた絶
対距離と絶対距離カウンタの内容がメインCPU14に
送られる。この<CALDIST>での絶対距離の計算
については後に詳述する。<CALDIST>が実行さ
れたあとは、第5図に示す<AFSIN>のフロー中の
<AFSIN2>の動作後の位置にリターンする。
【0029】次に、前記第4図に示すフローにおいて、
<AFSEQ>のモードが選択された場合には、第7図
に示す<AFSEQ>のルーチンが呼び出される。この
<AFSEQ>では、レリーズ釦の第1段目の動作が行
なわれると、このあと、EOFAF信号がアクティブに
なるまでの第1回目のAF動作は、前記<AFSIN>
の場合と全く同じ動作を実行する。つまり、<AFSI
N>も<AFSEQ>も<AFSIN2>の動作が行な
われ、合焦不能時には、積極的にレンズを異常駆動させ
ユーザに知らせる。
【0030】ところで、<AFSIN2>では、前述し
たように、ローライト、ローコントラストのときはSラ
ンプ27aを用いてAF動作のための測距を補助するよ
うにしているが、<AFSEQ>のモードで、AF動作
連続させるときも、同様にSランプ27aを使用するよ
うにすると、Sランプ27aは<AF>におけるCCD
積分動作の時間中に連続して点灯発光することとなり、
消費電流の増大およびSランプ27aの発熱による効率
低下が発生することになる。また、合焦不能時にレンズ
の異常駆動が連続して行なわれると、ユーザに対して不
安感を与えるものとなる。
【0031】そこで、<AFSEQ>では、AF動作が
1回実行されてEOFAF信号がセットされたあと、A
FENA信号を判別し、同信号がアクティブであれば、
レリーズ釦の第1段目の動作が継続されていることであ
り、<AFSEQ2>のルーチンが呼び出される。AF
ENA信号がノンアクティブであれば、レリーズ釦の第
1段目の動作がオフ、若くは第2段目の動作がオンに至
ったものとしてリターンすることになる。<AFSEQ
2>では後述するように、合焦センサ20のCCD積
分、AFの演算およびレンズの駆動等が行なわれるが、
レンズの異常駆動による積極的合焦不能表示および測距
のためのSランプ27aの点灯も行なわれない。そし
て、この<AFSEQ2>の動作の結果、AFステータ
スフラグの判別がなされ、同フラグが0であれば合焦の
表示が行なわれ、0でなければ合焦不能の表示が行なわ
れる。合焦の表示のあとは、EOFAF信号が発せられ
てレリーズ釦の第2段目の動作による露出シーケンスの
開始が可能となる。このEOFAF信号が発せられたあ
と、或いは合焦不能の表示がなされたあとは、再度、A
FENA信号のテストに入るので、レリーズ釦の第1段
目の動作をオンしつづける限りは、<AFSEQ2>を
中心としたAF動作が連続して行なわれる。そして、A
FENA信号がノンアクティブになったとき、第4図に
示すパワーオン・リセットのフローの初期動作にリター
ンする。なお、EOFAF信号のクリアは、次回のAF
動作におけるCCD積分の後、或いはリターン後のI/
Oイニシャライズ(第4図参照)においてなされる。
【0032】上記<AFSEQ>のモードのフローチャ
ートにおいて、<AFSEQ2>のサブルーチンのプロ
グラム動作は第8図に示すようにして行なわれる。ま
ず、ITIMEレジスタに積分時間がセットされたの
ち、AFステータスフラグがクリアされ、Sランプフラ
グがクリアされる。このあと、<レンズ・リード>のサ
ブルーチンが呼び出され、ここでレンズデータ回路18
内のレンズデータが読み出される。そして、<AF>の
ルーチンで、測距がおこなわれたあと、一旦、AF表示
回路24をオフにし、合焦表示用LED24a,合焦不
能表示用LED24bのいずれも点灯しないようにす
る。つまり、レンズ駆動中はAF用表示を行なわないよ
うにする。続いて、EOFAF信号をクリアしたのち、
LCフラグを判定し、ローコントラストであれば、リタ
ーンし、ローコントラストでなければ<パルス>のサブ
ルーチンを呼び出す。なお、ローライトであっても、コ
ントラストがある場合には測距演算は可能であるので、
LLフラグの判定はあえて省略している。
【0033】<パルス>では、前述したように、<AF
>の動作で求められたAF演算出力値を交換レンズ毎の
距離移動量に変換するためにレンズデータ回路18から
変倍係数を読み取り、これとAF演算出力値とから駆動
パルス数(アドレス数)の計算が行なわれる。そして、
上記AF演算出力値(ERROR) とレンズデータであ
るAF精度スレッショルドEThとの比較がなされ、上
記ERRORが上記スレッショルドEThよりも大きけ
れば、<MDRIVAF>が呼び出され合焦点の位置ま
でレンズ駆動が行なわれる。このあと、<SDISCN
T>が呼び出されて絶対距離カウンタに、レンズの無限
遠(∞)に繰り込まれた位置を基準とする駆動パルス数
がセットされ、続いて、<CALDIST>において、
上記絶対距離カウンタにセットされた駆動パルス数とレ
ンズデータである絶対距離係数a,bとから被写体まで
の絶対距離が演算されると、このあとリターンする。こ
の絶対距離の演算値および上記絶対距離カウンタにセッ
トされた駆動パルス数とがメインCPU14に送られ
る。また、上記ERRORが上記スレッショルドETh
よりもピント誤差範囲内に納まる程度に小さければ、A
Fステータスフラグをクリアしてリターンする。
【0034】次に、前記第4図に示すフローにおいて、
<PF>のモードが選択された場合には、第9図に示す
<PF>のルーチンが呼び出される。この<PF>のル
ーチンでは、まず、AFENA信号の判定が行なわれて
同信号がアクティブでなければリターンし、アクティブ
であれば、即ち、レリーズ釦の第1段目がオンになって
いれば、EOFAF信号をセットしてレリーズ釦の第2
段目の動作が受け付けられるようになる。つまり、PF
時はいつでも露出シーケンスへの移行が可能となる。こ
のあと、<レンズ・リード>が呼び出され、レンズデー
タ回路18内のパワーフォーカスデューティ係数等のレ
ンズデータの読み出しが行なわれたのち、状態変化フラ
グがクリアされる。パワーフォーカスデューティ係数に
は、各レンズ毎にHI(高)スピード用,LO(低)ス
ピード用の速度制御用の係数が入っている。状態変化フ
ラグとしては、スピード変化時にセットされるDIFS
P(スピード変化)フラグ、モード変化時にセットされ
るDIFMOD(モード変化)フラグがある。
【0035】このあと、<モード・リード>が呼び出さ
れ、ここで、レンズ回転方向およびレンズ駆動のスピー
ドの指示が読み取られて、レンズ回転方向のUP(アッ
プ)とDN(ダウン)のセット或いはクリア、およびS
P(スピード)フラグのセット或いはクリアが行なわれ
る。すなわち、前記表1に示したレンズ駆動モードに関
する操作スイッチSW1 〜SW4 のオン,オフ状態が読
み取られることになる。この<PF>モードでは操作ス
イッチSW3 がオンであり、さらに、PFUP用操作ス
イッチSW1 をオンにしたときはレンズ回転方向はUP
(レンズ繰り出し)方向となり、またPFDN用操作ス
イッチSW2 をオンにしたときはレンズ回転方向はDN
(レンズ繰り込み)方向となる。そして、SPフラグの
判別が行なわれるが、前記操作スイッチSW4 をオンに
したときはこのSPフラグがセットされることとなり、
この場合、レンズ駆動モータ31(第3図参照)を駆動
するパルス電流のオン,オフのデューティ比が高く設定
され、レンズの繰り出し或いは繰り込み移動が高速で行
なわれる。操作スイッチSW4 がオフのときはSPフラ
グはクリアされているので、この場合はモータ駆動用パ
ルス電流のデューティ比が低く設定されレンズの移動が
低速で行なわれる。
【0036】このあと、<PDRV>のサブルーチンを
呼び出す。この<PDRV>では、上記設定されたデュ
ーティ比に基いてモータ31のオン,オフが制御され1
パルス分のレンズ駆動が行なわれる。続いて、レンズが
無限遠(∞)或いは至近のリミット位置に当て付いて停
止しているか否かの判定が行なわれたのち、リミット位
置に当って停止しているときには、モータに100ms
程度のブレーキをかけ、<SDISCNT>を呼び出し
て絶対距離カウンタをセットする。そして、この状態の
まま、モード信号に変更がないかどうか、<モード・チ
ェンジ>のループを廻りつつウェイトしている。この<
モード・チェンジ>では、PFUP用操作スイッチSW
1 ,PFDN用操作スイッチSW2 の状態変化(モード
変化)と、スピード用操作スイッチSW4 の状態変化
(スピード変化)とをチェックしており、モード変化が
あった場合には、DIFMODフラグをセットし、スピ
ード変化があった場合には、DIFSPフラグをセット
している。そして、このうち、DIFMODフラグがセ
ットされている場合にはこれを判定して「F」に戻る。
【0037】一方、レンズがリミット位置に至らない正
常のパワーフォーカス動作の場合には、<SPCTL>
のルーチンで、レンズ駆動スピードが決められた粗動、
微動の速度になるように、上記のモータのオン・オフの
デューティ比を微調整する。即ち、レンズ駆動モータの
オン・オフによる速度調整は<PDRV>と<SPCT
L>とによって行なわれることになる。このあと、AF
ENA信号をチェックし、同信号がアクティブであると
きは、即ち、レリーズ釦の第1段目の動作がオンになっ
ている状態では<モード・チェンジ>を呼び出し、この
とき、スピード変更がなされてDIFSPフラグがセッ
トされている場合は、このまま「F」に戻り、スピード
変化がなく、DIFMODフラグがセットされてモード
変化がなされた場合には<ブレーキ>が呼び出されてモ
ータを停止させ、<SDISCNT>にて絶対距離カウ
ンタをセットして「F」に戻る。スード変化もモード変
化もない場合には<PDRV>に戻り、レリーズ釦の第
1段目の動作をオンにしつづける限り、<PDRV>と
<SPCTL>によるPF動作が継続される。
【0038】レリーズ釦の第1段目の動作をオフにする
と、AFENA信号がインアクティブになり、即ち、P
F動作の終了がメインCPU14から指示され、<ブレ
ーキ>が呼び出されてモータを停止させ、<SDISC
NT>において絶対距離カウンタをセットする。そし
て、このセットされた絶対距離カウンタの内容即ち、無
限遠(∞)位置からの移動アドレス数とレンズデータ回
路18内の絶対距離係数a,bとから、<CALDIS
T>で演算が行なわれて絶対距離が算出され、この算出
された絶対距離情報がメインCPU14へ送られる。こ
の<CALDIST>のあとリターンし、パワーオン・
リセットの初期状態に戻る。
【0039】次に、上記第6,8,9図に示すフローチ
ャート中の<CALDIST>における絶対距離の演算
式について述べる。絶対距離カウンタには、レンズの無
限遠(∞)位置からの移動量に相当するパルス(アドレ
ス信号)数がセットされるので、レンズ移動量を一次関
数として近似できれば、計算によって絶対距離を得るこ
とが可能になる。
【0040】ここで、各交換レンズ鏡筒毎にレンズ移動
量と絶対距離の関数を調べたところ、第10図に示すよ
うに、両対数グラフ上において、レンズA,B,C,D
はレンズDのマクロ領域を除き、一次直線のグラフで表
わされることがわかった。即ち、レンズ移動量をyとし
距離をXとすると、数1に示す(1)式で示される。
【0041】
【数1】
【0042】但し、レンズ移動量は無限遠位置を基準と
しており、また上記(1)式でα,β>0である。上記
(1) 式の両辺から対数をとると、下記の数2で示される
(2)式となり、xのα次関数が含まれることとなる。
【0043】
【数2】
【0044】ここで、α=1となるように、距離環の回
転角に対する繰り出し量をカムにより設計してやれば、
誤差のない絶対距離の演算ができることになる。しか
し、実際上は、この式に乗るようなカム設計は困難であ
るため、レンズ設計に当って、より簡単な近似式とし
て、下記の数3で示される(3)式の双曲線を選ぶこと
にする。
【0045】
【数3】
【0046】上記(3)式において、yはレンズの無限
遠(∞)位置からの繰り出し量、即ち、絶対距離カウン
タにセーブされたアドレス信号数であり、xは絶対距離
であるとすると、X=∞のとき、y=0(距離が無限遠
のときレンズの繰り出し量が0)であるから、上記
(3)式で、C=0とし、下記の数4で示される(4)
式で近似することができる。
【0047】
【数4】
【0048】この(4)式を対数表示してみると、下記
の数5で示される(5)式となる。
【0049】
【数5】
【0050】この(5)式を図示すると、第11図に示
すようになる。即ち、この(5)式はlogy=logb−
logxとx=aの両直線に漸近する曲線となり、aの値
が変化することにより曲線部分が変化する。つまり、上
記(5)式の直線部分と曲線部分を使って、各交換レン
ズ毎のレンズ移動量に対する絶対距離の関係を近似する
ことができる。なお、上記(5)式において、a,b>
0であり、aの値はレンズの最至近距離より大きくなら
ないことは明らかである。このa,bは前記レンズデー
タ回路18に入っている絶対距離係数である。
【0051】実際に上記(5)式からレンズ移動量に対
する絶対距離を求めるには、絶対距離係数a,bを決定
する必要がある。そこで、この絶対距離係数a,bを求
めるに当っては、各レンズ鏡筒毎に第10図に示すよう
なグラフを求め、このグラフから上記(1)式の直線の
方程式を立て、上記(2)式を求める。そして、この
(2)式を基準にして、次に上記の近似式(4)におけ
るa,bの値を求める。即ち、まず、演算基準となる距
離として例えば3mを誤差0にしようとするならば、x
=3mを上記(2)式と(4)式とに代入して両式から
(4)式中のa,bの組み合せを求める。そして、この
a,bのいくつかの組み合せの中から、さらに必要とす
る距離範囲内での誤差が最小となる。(a,b)の組み
合せを探す。例えば、x=1mからx=10mまでの距
離が必要であったら、その間の上記両式の誤差が最小に
なるようなa,bを求める。このようにしてa,bが決
定されると、上記(5)式の曲線が決定され、yの値、
即ち、絶対距離カウンタにセーブされたアドレス数から
絶対距離xを求めることができる。
【0052】レンズB,Dについて実測値による特性線
と上記(5)式の近似式による特性線を表わすと、第1
2図に示すようになる。また、1つのレンズの特性線を
いくつかの領域に分割して、a,bの異なる複数の曲線
からなるようにしておき、距離環上の位置から、所定
a,bの値を選択し、この選択されたa,bの値と絶対
距離カウンタにセーブされたアドレス値とから絶対距離
を算出することができる。例えば、第12図において、
レンズDのマクロ領域はa,bの1つの組み合せによる
近似式からかなり精度よく求められているが、分割近似
によって求めるようにしてもよい。なお、絶対距離係数
a,bは、交換レンズ鏡筒毎にレンズデータとして有し
ているか、或いは個々の交換レンズをカメラ側で識別
し、AF用CPU22内のROM内より所定の絶対距離
係数a,bを引き出すようにする。なお、この絶対距離
係数a,bについては、多少の誤差を許すならばa=0
とすることができ、bのみで絶対距離を求めることも可
能になる。
【0053】このようにして、AF、PF時にカメラか
ら被写体までの正しい距離情報を得ることができる。ま
た、もし駆動系のガタ、バックラッシュ等を考慮する必
要があれば、これを考慮して絶対距離係数a,bを決定
すればよい。この場合、バックラッシュについてはかな
りの効果が期待できる。
【0054】次に、絶対距離をより高い精度で算出する
ための実施例について説明する。絶対距離を算出したと
きの誤差として考えられるのは、距離−パルス(アドレ
ス)の二次式の関係をy=b/(x−a)に置き換える
ときの誤差が考えられる。これは、理論的な誤差である
ので、絶対距離係数a,bをゾーンに分割して持つ(複
数の絶対距離係数a,bを持つ)ことにより改善され
る。
【0055】しかしながら、現実の実施例においては、
駆動系のガタ(例えば、駆動系ギアのバックラッシ
ュ)、或いは、レンズが無限遠位置又は至近位置に当て
付いたときに発生する振動によって誤パルスを発生する
こと等が考えられる。そこで、これらの駆動系と制御系
間の誤差が最小になるように工夫した実施例をいくつか
述べる。
【0056】第13図は、前記第3図に示したように、
スリット32の通路を挟んで発光部33aと受光部33
bとからなる1つのフォトインタラプタ33を用いたレ
ンズ移動量検出部34を有してなる実施例を示す。LE
Dからなる発光部33aを駆動するLED駆動回路41
と受光部33bの出力を波形整形する波形整形回路42
はバイポーラII回路15(第3図参照)内に設けられ
る。二点鎖線で囲んで示すカウンタ駆動用パルス弁別回
路43もバイポーラII回路15内に構成される。
【0057】カウンタ駆動用パルス弁別回路43内に
は、レンズ駆動モータ31が正常な正転状態或いは逆転
状態にあることをモータ31の両端電圧から検知するた
めのモータ方向判別回路44が設けられている。このモ
ータ方向判別回路44は4個のコンパレータ47〜50
と、4個のシュミットトリガインバータ51〜54と、
2個の4入力ナンドゲート55,56とからなる。即
ち、このモータ方向判別回路44の構成を述べると、第
1のコンパレータ47の非反転入力端子と第2のコンパ
レータ48の反転入力端子がモータ31の一方の端子に
接続され、第3のコンパレータ49の非反転入力端子と
第4のコンパレータ50の反転入力端子がモータ31の
他方の端子に接続されている。また、第1,第3のコン
パレータ47,49の反転入力端子が基準電圧Vref1
与える基準電圧設定器45に接続され、第2,第4のコ
ンパレータ48,50の非反転入力端子が基準電圧V
ref2を与える基準電圧設定器46に接続されている。
【0058】ここで、上記各コンパレータ47〜50に
与えられる基準電圧は、例えばVre f1は略2/3Vcc
度に、またVref2は略1/3Vcc程度に設定されてい
る。今、モータ31の正転時においては、モータ31の
上記一方の端子の電圧がVccになるので、このとき、コ
ンパレータ47〜50の各出力はそれぞれ“H”,
“L”,“L”“H”となり、このため、一方のナンド
ゲート55の出力は“L”、他方のナンドゲート56の
出力は“H”になる。また、モータ31の逆転時におい
ては、モータ31の上記他方の端子の電圧がVcc になる
ので、この場合は、コンパレータ47〜50の各出力は
それぞれ“L”,“H”,“H”,“L”となり、一方
のナンドゲート55の出力は“H”、他方のナンドゲー
ト56の出力は“L”になる。
【0059】モータ31の回転によるレンズ移動量検出
部34からのパルスは波形整形回路42で波形整形され
たのち、立下りエッジで、インバータ57,58、抵抗
59、コンデンサ60およびナンドゲート61からなる
周知の微分パルス発生回路62によって微分され、この
微分パルス化されたアドレスパルスはインバータ63を
通じてローアクティブのオアゲート64,65の各一方
の入力端子に入力される。絶対距離カウンタ66はアッ
プアドレスの入力端子が“H”の状態ではダウンアドレ
スの入力端子に入力されるパルスによりカウントアップ
し、ダウンアドレスの入力端子が“H”の状態ではアッ
プアドレスの入力端子に入力されるパルスによりカウン
トダウンされるタイプのカウンタである。
【0060】上記モータ方向判別回路44の上記一方の
ナンドゲート55の出力が“L”の場合には、上記オア
ゲート64の一方の入力レベルのいかんにかかわらず、
このオアゲート64を通じて、AF用CPU22(第3
図参照)内に設けられた絶対距離カウンタ66のアップ
アドレスの入力端子が“H”になり、絶対距離カウンタ
66はアップカウンタとして機能するようになる。この
とき、モータ方向判別回路44の上記他方のナンドゲー
ト56の“H”の出力はオアゲート65の他方の入力端
子に入力されるので、このオアゲート65から絶対距離
カウンタ66のダウンアドレスの入力端子に上記アドレ
スパルスが入力され、この絶対距離カウンタ66によっ
てカウントアップ動作が行なわれる。
【0061】また、上記モータ方向判別回路44の上記
他方のナンドゲート56の出力が“L”の場合には、上
記オアゲート65の一方の入力レベルのいかんにかかわ
らず、このオアゲート65を通じて絶対距離カウンタ6
6のダウンアドレスの入力端子が“H”になり、絶対距
離カウンタ66はダウンカウンタとして機能するように
なる。そして、このとき、モータ方向判別回路44の上
記一方のナンドゲート55の“H”の出力はオアゲート
64の他方の入力端子に入力されるので、このオアゲー
ト64から絶対距離カウンタ66のアップアドレスの入
力端子に上記アドレスパルスが入力され、この絶対距離
カウンタ66によってカウントダウン動作が行なわれ
る。
【0062】ここで、モータ31のブレーキ時や停止時
に、制御系によりモータの両端が接地されるなどして両
端間の電位差が0になると、このときはナンドゲート5
5,56のいずれの出力も“H”になるので、絶対距離
カウンタ66は不動作状態になる。つまり、この第13
図に示した実施例では、モータ31の停止時に外部から
の強制入力により駆動系のメカニズムが動作してフォト
インタラプタ33のパルスが発生した場合や、モータ3
1がレンズ終端位置に至ってブレーキがかけられたにも
かかわらず、このレンズ終端に当て付きハンチングして
パルスが生じた場合に、絶対距離カウンタ66はパルス
カウントの動作を行なわないので、絶対距離の誤差を最
小限に抑えられる利点を有する。
【0063】なお、上記モータ方向判別回路44には4
個のコンパレータ47〜50が用いられているが、例え
ば、2個のコンパレータを用いてモータ31の両端電圧
CCを1つの基準電圧Vref (=1/2VCC)と比較す
るようにしてもよい。上記実施例で4個のコンパレータ
47〜50を用いているのは、モータ31の駆動電圧が
ノイズによって変動してもこれによって絶対距離カウン
タ66が誤動作しないようにしたもので、モータ31の
高電位側端子の電位が2/3VCC〜VCCの範囲内で、ま
た低電位側端子の電位が1/3VCC〜接地(0)の範囲
内でそれぞれ変動しても、モータ方向判別回路44は正
常に作動してモータ31の回転方向を判別する。モータ
31の端子電位が中間の1/3VCC〜2/3VCCの範囲
にあるときはモータ方向判別の不感帯となり、絶対距離
カウンタ66は動作しない。
【0064】また、第14図に示す実施例では、LED
駆動回路71と波形整形回路72との間にはスリット7
3の通路を挟んで対向する発光部74aと受光部74b
からなる第1のフォトインタラプタ74と、同じく発光
部75aと受光部75bからなる第2のフォトインタラ
プタ75によってレンズ移動量検出部76が構成されて
いる。このレンズ移動量検出部76の2つのフォトイン
タラプタ74,75は、第15図に示すように、モータ
によって回転するレンズ鏡筒内の回転部材77のスリッ
ト73を検出する際、このスリット73の検出波形が9
0°の位相差を有するような配置関係にある。すなわ
ち、第1のフォトインタラプタ74の波形整形出力はA
相として、また、第2のフォトインタラプタ75の波形
整形出力はB相として出力されるが、モータの正転時、
A相,B相の出力波形間に第16図に示すように90°
の位相差がある。
【0065】上記波形整形回路72にはカウンタ駆動用
パルス弁別回路78が接続され、このパルス弁別回路7
8を介して絶対距離カウンタ92がカウントされるよう
になっている。このパルス弁別回路78は、上記波形整
形回路72のA相出力を遅延させるためのコンデンサ8
0,84、抵抗81,85およびシュミットトリガイン
バータ79,82,86からなる遅延回路と、この遅延
回路の出力端子と上記波形整形回路72のB相出力端子
に接続されたナンドゲート83,87と、このナンドゲ
ート83,87の出力端子と絶対距離カウンタ92のア
ップ/ダウン切換入力端子との間に接続されたナンドゲ
ート88,89からなるR−Sフリップフロップ(以
下、RS−FFという)90と、ナンドゲート83,8
7の出力端と絶対距離カウンタ92のアドレス入力端子
との間に接続されたナンドゲート91によって構成され
ている。
【0066】次に、上記カウンタ駆動用パルス弁別回路
78の動作を、第17図および第18図に示す各部信号
波形のタイムチャートによって述べると、モータ31の
正転時、すなわち、レンズが無限遠方向に移動するとき
は、第17図に示すように、波形整形回路72のA相出
力S1 はB相出力S6 よりも90°進んだ波形となる。
このとき、A相出力S1 がシュミットトリガインバータ
79により反転し、コンデンサ80と抵抗81からなる
時定数回路を通過することにより波形S2 となる。ま
た、A相出力S1 は、他方、そのまま、反転しないでコ
ンデンサ84と抵抗85からなる時定数回路を通過する
ことにより波形S3 となる。波形S2 ,S 3 はそれぞれ
シュミットトリガインバータ82,86を通過すること
により波形S4 ,S5 となる。この波形S4 とB相出力
6 とがナンドゲート83に入力されると、同ナンドゲ
ート83の出力波形はS7 となり、また、波形S5 とB
相出力S6 とがナンドゲート87に入力されると、同ナ
ンドゲート87の出力波形はS8 となる。そして、この
波形S7 ,S8 がRS−FF90に入力されることによ
りRS−FF90の出力は“H”の波形S9 となる。ま
た、波形S7 ,S8 がナンドゲート91に入力されるこ
とにより同ナンドゲート91の出力は波形S10となる。
従って、この場合、絶対距離カウンタ92は波形S10
立下りエッジでカウントアップの動作を行う。
【0067】また、モータ31の逆転時、すなわち、レ
ンズが至近方向に移動する場合には、第18図に示すよ
うに、上記A相出力S1 はB相出力S6 よりも90°の
位相だけ遅れた波形となる。従って、この場合は、上記
カウンタ駆動用パルス弁別回路78内の各部信号波形は
第18図に示すような波形となり、絶対距離カウンタ9
2はアップ/ダウン切換入力端子に“L”の波形S9
与えられるので、アドレス入力端子に入力される波形S
10の立下りエッジでカウントダウンの動作を行なう。
【0068】このように、第14図に示した実施例で
は、2つのフォトインタラプタ74,75のレンズ移動
量検出部76からのA相出力とB相出力間の位相をずら
すことよりモータ31の方向を判別して絶対距離カウン
タ92のカウントアップ動作と、カウントダウン動作を
切り換えていると同時に、モータの正転時にはA相出力
の立下りエッジでアップパルス、立上りエッジでダウン
パルスを発生させているので、例えば、レンズが無限
遠、或いは至近の終端に当て付いてハンチングにより戻
りパルスを生じた場合でも、この戻りパルスを正確にカ
ウントすることができる。
【0069】上記第14図に示した実施例では、A相出
力S1 の立上りエッジおよび立下りエッジを利用したも
のであるが、次に第19図に示す実施例では、A相の立
上り、立下りおよびB相の立上り、立下りの各エッジを
利用して従来の1アドレス移動量に対して4逓倍のアッ
プ・ダウンパルスを作り出すカウンタ動作用パルス弁別
回路94が用いられている。
【0070】このカウンタ駆動用パルス弁別回路94は
上記第14図に示した実施例と同様に、位相を90°ず
らした2つのフォトインタラプタ74,75(第15図
参照)からなるレンズ移動量検出部76の波形整形回路
72に接続されるもので、波形整形回路72のA相出力
に関するD型フリップフロップ(以下、D−FFとい
う)96,97とB相出力に関するD−FF98,99
と、これらのD−FF96〜99にクロックパルスを送
出するためのクロックパルス発生器100と、D−FF
96〜99の各出力A1 (又はA1 バー)、A2 (又は
2 バー)、B1(又はB1 バー)、B2 (又はB2
ー)が入力される8個の4入力ナンドゲート101〜1
08と、これらナンドゲートの出力端子と絶対距離カウ
ンタ95のアップアドレス入力端子間、ダウンアドレス
入力端子間に継続された2個のローアクティブ4入力オ
アゲート109,110によって構成されている。上記
ナンドゲート101〜108およびオアゲート109,
110により4逓倍のパルス逓回路が形成されている。
【0071】この第19図に示す実施例においては、モ
ータ31の正転時(レンズが無限遠方向に向かう回転
時)には、4個のナンドゲート101,103,10
5,107および1個のオアゲート109を通じてA相
の立上りと立下り、B相の立上りと立下りの各エッジに
より発生する“H”パルスが絶対距離カウンタ95のア
ップアドレス入力端子に入力され、他の4個のナンドゲ
ート102,104,106,108および1個のオア
ゲート110を通じて絶対距離カウンタ95のダウンア
ドレス入力端子には“L”レベルが入力される。従っ
て、このとき、絶対距離カウンタ95は前記第22図に
示した実施例に比較して4倍の分解能でカウントアップ
の動作を行なう。また、モータ31の逆転時(レンズが
至近方向に向かう回転時)には、ナンドゲート102,
104,106,108およびオアゲート110を通じ
て絶対距離カウンタ95のダウンアドレス入力端子にA
相,B相の立上り、立下りの各エッジにより発生する
“H”パルスが入力され、他のナンドゲート101,1
03,105,107およびオアゲート109を通じて
絶対距離カウンタ95のアップアドレス入力端子に
“L”レベルが入力される。従って、この場合、絶対距
離カウンタ95は同じく4倍の分解能でカウントダウン
の動作を行なう。
【0072】すなわち、この第19図に示す実施例で
は、高分解能でパルスカウントを行なうので、例えば、
前述したように、レンズが無限遠や至近の終端位置に当
て付いた際のハンチングについて補償できるだけでな
く、駆動系ギアのバックラッシュ等のガタによる僅かの
動きについても、この分のパルスをカウントしてカウン
ト誤差を十分に補償することができる。また、前記実施
例のように、A相の立上りエッジまたは立下りエッジの
みでカウントを行なうものでは、第20図に示すよう
に、モータの回転方向が異なると、同一の移動区間でカ
ウント値も最大1パルスカウントの誤差を発生すること
になるが、この実施例では、このような誤差も1/4以
下に軽減できるので、非常に精度の高い絶対距離カウン
トを行なうことができる。
【0073】なお、以上述べた実施例は、レンズ交換式
カメラに適用したものであるが、レンズ固定式カメラに
用いても全く同様の効果を得ることができる。また、本
発明は、駆動制御系に対してフィードバックの必要のな
いシステム、つまり、駆動信号に対して駆動量が1対1
に対応するオープンループ制御システムによっても構成
することができる。
【0074】第21図は、本発明の距離情報出力装置の
絶対距離算出システムについて総合的にまとめたブロッ
ク系統図である。本発明の目的は、絶対距離xを求める
ことにある。絶対距離xは絶対距離演算手段510によ
り、x=(b/y)+aを計算することにより求められ
る。a,bは使用する撮影レンズが固有に持つ絶対距離
係数であり、絶対距離演算手段510へ絶対距離導入手
段511により入力される。この係数a,bはレンズ交
換式カメラの場合には、レンズ個々のレンズROM内、
又はそれに相当する記憶部材に記憶させておき、カメラ
本体側よりその値を読み出して絶対的距離を算出するの
が効率的である。レンズ固定式カメラにおいては、当然
カメラ本体内に上記係数a,bを持つようにすればよ
い。レンズ交換式カメラの場合には、係数a,bをカメ
ラ本体内部に複数個持ち、使用するレンズの認識コード
等により、所定の係数a,bを選択するシステムも考え
られるが、これは効率的ではない。係数a,bを整数化
して考えれば、係数aは絶対距離誤差を抑えようとする
と0以上の整数となり、駆動系のバックラッシュ等を考
慮すると負の値をとることもある。係数bは0を含まな
い正の整数となる。
【0075】基準位置からのパルス数、即ちレンズ移動
量yの算出について述べると、基準位置としては、前記
実施例で述べたように無限遠位置又は最至近位置が最適
である。基準位置では、レンズリセット動作に伴う基準
信号発生手段512により計数手段504におけるyは
リセットされる。その後、計数手段504には相対的距
離がカウントされる。前記第3図に示した実施例では、
レンズ駆動のフィードバックループをフォトインタラプ
タ33を用いて実現しているが、レンズ移動量検出手段
501としては、その他の素子、例えば、フォトリフレ
クタ、ホール素子又は機械的なスイッチ等でも代用する
ことができる。この場合は、レンズ駆動系に対しフィー
ドバックループ制御を用い、移動後のレンズ駆動をアド
レス信号発生手段503の出力等によってモニタしなが
ら相対的距離のカウント値をyとして計数手段504の
絶対距離カウンタにより算出している。
【0076】ここで、レンズ駆動をオープンループ制御
で行なう場合は、第22図に示すように、レンズ駆動モ
ータ31Aとして、例えば、ステッピングモータや超音
波モータ等、オープンループ制御に適したモータを使用
する。そして、このモータ31Aを合焦点までのずれ量
に基づくレンズ移動用制御信号によって駆動するととも
に、レンズ移動用制御信号そのものを、レンズ移動用制
御信号検出手段502からアドレス信号発生手段503
に入力し、相対的距離をカウントするため計数手段50
4へ入力することにより移動量yを求めることができ
る。そして、この場合には、第3図と第22図とを比較
して明らかなように、オープンループ制御可能なレンズ
駆動モータ31Aが用いられていることにより、アドレ
ス信号発生手段503におけるフォトインタラプタ33
からなる駆動量モニタ部34(第3図参照)が省略され
る。従って、バイポーラII回路15からのアドレス信号
をAF用CPU22に入力させる必要がないので、アド
レス信号のラインも省略することができる。すなわち、
この場合、アドレス信号発生手段503からのアドレス
信号および方向信号は、AF用CPU22内で処理する
ことができる。
【0077】また、アドレス信号発生手段503におい
て、駆動量モニタ部を有する場合、つまり、レンズ駆動
をフィードバックループ制御で行なう必要のある場合で
あって、1相パルス制御の場合には(第13図参照)、
駆動信号(例えば、無限遠方向駆動信号とそれに続くブ
レーキ区間又はモータ給電停止区間のパルス入力信号は
無限遠側駆動信号と判別し、至近方向駆動信号とそれに
続くブレーキ区間又はモータ給電停止区間のパルス入力
信号は至近側駆動信号として判別する)によりその方向
を判別する工夫が必要となる。
【0078】2相以上のパルスで制御を行なう場合には
(第14,19図参照)、パルス弁別手段により方向信
号が得られるのでこれを利用することができる。また、
第19図に示したような分解能向上手段も実現可能とな
る。2相以上のパルス制御の入力手段を用いたときは、
絶対距離カウンタの構成としては、第21図において計
数手段504内にそれぞれ鎖線505,507で囲んで
示すような構成とすることができる。例えば、第14図
に示したように、1つの絶対距離カウンタ505(9
2)を用い、方向信号によりカウントアップとカウント
ダウンの切り換えを行なうようにしてもよいが、このよ
うな絶対距離カウンタを用いる代わりに第23図に示す
ように、アドレスカウンタ508(120)と絶対距離
カウンタ509(121)を用いた構成としてもよい。
即ち、第23図に示す実施例では、駆動信号の発生時に
アドレスカウンタ120をリセットして同アドレスカウ
ンタ120によりアドレス情報のカウントを開始する。
そして、駆動モードが代わる直前に、アドレスカウンタ
120のカウンタ値を、絶対距離カウンタ121のカウ
ンタ内容に駆動方向の信号S9 により加算又は減算(例
えば、至近方向では加算、無限遠方向では減算)するよ
うに構成している。
【0079】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、撮
影レンズの繰り出し範囲を複数の領域に分割し、上記撮
影レンズが位置する領域に対応する絶対距離を用いて、
撮影レンズからの相対的距離に応じた計数出力を簡単な
演算式によって演算を行うようにしたので、広い距離範
囲に亘って、精度の高い絶対距離を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の距離情報出力装置の基本的構成を示
すブロック図である。
【図2】本発明が適用されるカメラシステムの電源供給
を主体とする電気回路のブロック図である。
【図3】上記第2図中のAFブロックを中心とした信号
の授受を示すブロック系統図である。
【図4】上記第3図に示したAF用CPUを中心とした
プログラムの一実施形態を表したフローチャートであ
る。
【図5】上記第3図に示したAF用CPUを中心とした
プログラムの一実施形態を表したフローチャートであ
る。
【図6】上記第3図に示したAF用CPUを中心とした
プログラムの一実施形態を表したフローチャートであ
る。
【図7】上記第3図に示したAF用CPUを中心とした
プログラムの一実施形態を表したフローチャートであ
る。
【図8】上記第3図に示したAF用CPUを中心とした
プログラムの一実施形態を表したフローチャートであ
る。
【図9】上記第3図に示したAF用CPUを中心とした
プログラムの一実施形態を表したフローチャートであ
る。
【図10】各交換レンズ鏡筒におけるレンズ移動量に対
する絶対距離の関係を示す特性線図である。
【図11】本発明の一実施形態に用いられる、レンズ移
動量に対する絶対距離の近似特性線を説明するための線
図である。
【図12】上記第10図に示されるレンズ鏡筒の一部の
特性線図であって、実測および近似式による演算により
求めた特性線図である。
【図13】絶対距離をより高い精度で算出するためのカ
ウンタ駆動用パルス弁別回路の一実施例を示す電気回路
図である。
【図14】カウンタ駆動用パルス弁別回路の他の実施例
を示す電気回路図である。
【図15】上記第14図中のレンズ移動量検出部の構成
を示す概略図である。
【図16】上記第14図中の波形整形回路からのA相と
B相の出力波形のタイムチャートである。
【図17】モータの正転時および逆転時における上記第
14図に示した回路の各部信号波形のタイムチャートで
ある。
【図18】モータの正転時および逆転時における上記第
14図に示した回路の各部信号波形のタイムチャートで
ある。
【図19】カウンタ駆動用パルス弁別回路の更に他の実
施例を示す電気回路図である。
【図20】モータの正転時と逆転時で生ずるカウント誤
差を説明するためのタイムチャートである。
【図21】本発明の距離情報出力装置の絶対距離算出シ
ステムのブロック系統図である。
【図22】レンズ駆動をオープンループ制御で行なう実
施形態の前記第3図に対応したブロック系統図である。
【図23】本発明における計数手段の他の実施形態の構
成を示す第14図に対応した電気回路図である。
【符号の説明】
1,504 計数手段 2 記憶手段 3,510 演算手段 4 リセット手段 18 レンズデータ保持手段(記憶手段) 511 絶対距離係数導入手段(記憶手段) 512 基準信号発生手段(リセット手段)
フロントページの続き (72)発明者 小松 亨 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 伊藤 順一 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮影レンズの動きに応じて相対距離をカ
    ウントする計数手段と、 上記撮影レンズが基準位置に達したときに上記計数手段
    のカウント値をリセットするリセット手段と、 上記撮影レンズの繰り出し範囲を複数の領域に分割し、
    上記撮影レンズが位置する領域に対応した絶対距離係数
    を出力する手段と、 上記カウント値と上記係数でもって上記撮影レンズの絶
    対距離を演算する演算手段と、 を具備してなるカメラの距離情報出力装置。
JP3530396A 1985-12-05 1996-02-23 カメラの距離情報出力装置 Withdrawn JPH08334675A (ja)

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JP3530396A JPH08334675A (ja) 1985-12-05 1996-02-23 カメラの距離情報出力装置

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JP27525185 1985-12-05
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001201677A (ja) * 2000-01-20 2001-07-27 Canon Inc 光学素子の位置検出装置、光学素子の制御装置および光学機器
JP2001324664A (ja) * 2000-05-16 2001-11-22 Canon Inc ズーム位置検出装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001201677A (ja) * 2000-01-20 2001-07-27 Canon Inc 光学素子の位置検出装置、光学素子の制御装置および光学機器
JP2001324664A (ja) * 2000-05-16 2001-11-22 Canon Inc ズーム位置検出装置

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