JPH08334229A - 燃焼器ライナの製作方法 - Google Patents

燃焼器ライナの製作方法

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JPH08334229A
JPH08334229A JP14027495A JP14027495A JPH08334229A JP H08334229 A JPH08334229 A JP H08334229A JP 14027495 A JP14027495 A JP 14027495A JP 14027495 A JP14027495 A JP 14027495A JP H08334229 A JPH08334229 A JP H08334229A
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JP
Japan
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foil
oxide dispersion
insert material
dispersion strengthened
combustor liner
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JP14027495A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Wachi
弘 和知
Toshimi Matsumoto
俊美 松本
Shozo Tanida
正三 谷田
Takao Funamoto
孝雄 舟本
Kazuya Nishi
西  和也
Nobuyuki Iizuka
信之 飯塚
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】Ni及びFe基酸化物分散強化合金からなる半
円筒状又は円筒状に加工された複数の部材を接合する場
合に、Au及びNi箔をインサート材とし、接合するこ
とを特徴とする燃焼器ライナの製作方法。 【効果】高温強度の優れた酸化物分散強化合金の接合が
可能となるため、本鋼種による構造化が容易となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化物分散強化型合金
を接合して構造化する場合の接合方法に係り、特に、A
uとNi箔とで構成されたインサート材を用いて接合す
る酸化物分散強化合金製燃焼器ライナの製作方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】酸化物分散強化合金は耐高温特性が優れ
ているため、ガスタービン用の翼及び燃焼器に適用し、
燃焼ガスの高温化を促進して、高効率化を図ろうとして
いるが、適当な接合方法が見当らず構造化の障害となっ
ていた。すなわち、この材料は、メカニカル・アロイン
グ法により製作されたもので、Ni、あるいは、Feベ
ースのマトリックス中にY23を均一に分散強化したも
のである。そのため、これを溶融溶接等で接合すると溶
融部と末溶融部との境界付近にY23が凝集し、割れが
発生したり、接合部の高温強度が著しく低下し、従来適
用されていたNi基及びFe基耐熱合金と同等かそれ以
下となる等の問題がある。また、溶融溶接のほかにNi
基合金に融点降下を目的としてBを添加したインサート
材を用いて拡散接合法で接合する方法の適用も考えられ
るが、その接合部の結晶粒界にはインサート材成分のB
に起因する硼化物が形成され、脆弱な接合部となる。そ
のため、これらの材料を接合して構造化するのは難しか
った。
【0003】さらに、従来のハステロイ系のNi基耐熱
合金を用いたガスタービン用燃焼器では、燃焼温度を高
めた時に燃焼器壁材の高温化を防止するための構造的な
検討、すなわち、燃焼器壁材に溝付き積層板を用い、壁
材の内部を冷却する方法等、構造的な検討を試みたが、
それだけでは材料を保護できないことがわかった。その
ため、材料の適用と接合方法の確立が必要となった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、酸化
物分散強化合金製燃焼器ラインの製作方法において、高
温強度及び延性に優れた接合部を得るための接合方法を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】酸化物分散強化合金の優
れた高温強度を損なうことなく、構造化するための接合
方法において、AuとNi箔とで構成されたインサート
材を前記部材の接合面となる部位に挿入し、僅かに加圧
して、真空又は不活性雰囲気中で目標温度まで加熱し、
保持して、接合することを特徴とする酸化物分散強化合
金製燃焼器ライナの製作方法。
【0006】
【作用】酸化物分散強化合金の新たな接合方法を見出し
たことで、本鋼種による構造化が可能となった。すなわ
ち、酸化物分散強化合金の接合面となる部位に、Auと
Ni箔とで構成されたインサート材を挿入し、真空又は
不活性雰囲気中で接合する接合方法である。この場合の
Ni箔は純NiかNiに1〜5%のSiを添加したNi
−Si系合金でもよい。尚、Ni−Si系合金でSiの
添加量を1〜5%としたのはNi箔の溶融温度の低下を
狙ったもので、その量が1%以下では効果がない。さら
に、Siの添加量が5%以上ではNi箔が脆弱となり好
ましくない。また、インサート材の構成方法として、純
NiまたはNi−Si系合金に厚さ0.5 〜5μmのA
uをメッキしたものでもよい。接合は、インサート材を
部材の接合面となる部位に挿入し、1×10-4Torrの真
空中又は不活性雰囲気中で0.3〜10gf/mm2の範囲
内で加圧して、AuとNiとが溶融反応する1000〜11
00℃の温度まで加熱し、その温度で30分以上保持し
た後、冷却する。
【0007】この接合で、構成インサート材にAuとN
i箔を用いた理由は、AuとNiとの溶融反応温度が1
000℃前後で、素材より融点が低いことと接合部にお
ける硼化物の影響を阻止できる。すなわち、状態図的に
Au及びNiの溶融温度は、Auが1064℃,Niが
1455℃であるが、それを混合し、その割合が92%
Au,18%NiとなるとAuの溶融温度(1064
℃)より約109℃,Niの溶融温度より約500℃低
い約955℃で完全溶融するようになる。本発明の接合
はこれを考慮し、Au箔とNi箔とを重ね合わせたもの
をインサート材として接合した。これによって従来、融
点降下剤としてBを添加したNi基のインサート材を用
いた場合に見られるように、接合部の結晶粒界に析出す
る硼化物の影響を全く無視できる。図6はAu箔とNi
箔とを重ね合わせて作製したインサート材の溶融開始温
度を示した。溶融開始温度はAu箔とNi箔の厚さの差
による大きな差は認められない。次に、図7は素材の接
合面となる部分を対面し、その間に厚さ50μmのAu
と純Ni箔で構成されたインサート材を挿入し、1×1
-4Torrの真空中で、加圧を5gf/mm2 として、95
0〜1200℃まで加熱し、同温度で1時間保持して接
合した場合の接合温度と接合率との関係を示した。良好
な接合部を得るためには接合温度を1000℃以上とす
る必要がある。図8及び図9は前記と同様の方法で、A
uと純Ni箔で構成されたインサート材を挿入し、1×
10-4Torrの真空中で、加圧を5gf/mm2 として、接
合温度を1200℃とし、同温度で1時間保持して接合
した接合部の接合強度を示した。インサート材の構成
で、その厚さが厚くなるほどインサート材の影響が顕著
となり、強度は低下の傾向を示し、伸びが向上する。次
に、接合に際して、対象接合材がNi基の酸化物分散強
化合金かFe基酸化物分散強化合金かによって適用イン
サート材の構成を多少替える必要がある。すなわち、N
i基酸化物分散酸化合金の接合では材料自身に約70%
のNiを含有しているため、適用インサート材の構成は
Ni箔をAu箔より薄くする必要がある。その理由は接
合部の強度が図8に示した値より低く(約10kgf/mm
2 )となることとインサート材の溶融温度が上昇するた
めである。さらに、Fe基酸化物分散強化合金の接合で
適用するインサート材の構成は、Au箔の厚さに対して
Ni箔の厚さを1/2とし、Ni箔をAu箔の上下に配
置したものを用いる必要がある。これは、接合の際、イ
ンサート材を構成しているAu箔が適用素材のFeと直
接接触すると、目標接合温度の1000℃より著しく高
くなり、接合不可能となるためである。また、純Niか
Ni−Si系合金にAuメッキを施してインサート材と
した場合でも前記と同様な結果が得られる。
【0008】さらに、インサート材の構成で、Au及び
Ni箔の代わりに、粉末状のAu及びNiを有機バイン
ダで固着し、使用することも可能である。この場合の粉
末の粒度は細かいほうがよい。
【0009】以上のような方法で、酸化物分散強化合金
の接合が可能なため高温で使用される構造物、例えば、
燃焼器,タービンブレード等の構造化が可能であるため
燃焼ガスの高温化に十分対処できる効率的な燃焼器を提
供できる。
【0010】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明の実施例を図面を参照して説
明する。図1は、燃焼器ライナを備えたガスタービン用
燃焼器の説明図を示す。ガスタービン用燃焼器は(単に
燃焼器という)は外筒1と、その外筒1内に設置された
燃焼器ライナ2(燃焼器)と、燃焼器ライナ2の後方に
接続する尾筒3を備えており、燃焼器ライナ2は燃焼室
を形成する。燃焼器外部から外筒1と燃焼器ライナ2の
間に供給された高圧空気4は燃焼器ライナ2の壁に設け
られた多数の高圧ガス導入孔5を通じて燃焼室に流入す
る。流入した高圧空気は燃焼室内に設けられた爪に案内
され、燃焼器ライナ2の内面に沿ってフィルム空気とし
て流れて燃焼器ライナ2の内壁部を冷却し、燃焼器ライ
ナ2内に流れる高温の燃焼ガス6から燃焼器ライナを保
護する構造となっている。図2は、本発明(図3および
図4)の接合方法により製作した燃焼器の一部を構成す
る燃焼室ライナの説明図を示し、7は円周方向の接合、
8は長手方向の接合位置を示した。
【0011】図3は、Ni基に20%Cr,0.3%A
l,0.5%Ti,0.6%Y23 からなる酸化物分散
強化合金の接合面となる部位に、Au(3μm厚さ)と
純Ni(3μm厚さ)箔をインサート材とし挿入し、1
×10-4の真空中で、1000℃まで加熱,加圧(0.
5gf/mm2)し、1000℃に達した後、同温度で1
時間保持して接合した。その接合部の断面ミクロ検査で
は融合不良及びブローホール等の欠陥は認められず、良
好な接合部であった。また、継手部の高温(900℃)
引張試験結果では約18kgf/mm2の引張強さが得られ
た。
【0012】(実施例2)図4は、実施例1と同様の材
料及び接合方法で、挿入するインサート材を変えて試験
した。そのインサート材は、3μmのAu箔にNiメッ
キを3μm施したものを用いた。接合は前述のインサー
ト材を酸化物分散強化合金の接合面となる部位に挿入
し、1×10-4の真空中で、1000℃まで加熱,加圧
(0.5gf/mm2 )し、1000℃に達した後、同温度
で30分保持して接合した。その接合部には融合不良及
びブローホール等の欠陥は認められなかった。
【0013】(実施例3)Fe基の酸化物分散強化合金
(Fe基に20%Cr,4.5%Al,0.5%Ti,
0.5%Y23)についても図5に示す方法で接合試験を
実施した。インサート材は、5μmのAu箔の上下に2
μmのNi箔を配置したものである。接合は前述のイン
サート材を酸化物分散強化合金の接合面となる部位に挿
入し、1×10-4の真空中で、1000℃まで加熱,加
圧(0.5gf/mm2)し、1000℃に達した後、同温
度で1時間保持して接合した。接合部断面のミクロ検査
では良好な接合部が得られた。
【0014】(実施例4)粉末状(メッシュ:100μ
m)のAu及びNiを有機バインダで固着し、インサー
ト材(厚さ:0.5mm )として、Fe基の酸化物分散強
化合金(Fe基に20%Cr,4.5%Al,0.5%T
i,0.5%Y23)の接合試験を実施した。接合は前述
のインサート材を酸化物分散強化合金の接合面となる部
位に挿入し、1×10-4の真空中で、1000℃まで加
熱,加圧(0.5gf/mm2 )し、1000℃に達した
後、同温度で1時間保持して接合した。接合部断面のミ
クロ検査では良好な接合部が得られた。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、高温強度の優れた酸化
物分散強化合金の接合が可能となるため、本鋼種による
構造化が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃焼器ライナを備えたガスタービン用燃焼器の
説明図。
【図2】本発明で製作した燃焼器の一部を構成する燃焼
室ライナの説明図。
【図3】Au箔とNi箔とを重ねてインサート材とした
場合の説明図。
【図4】Au箔の上下にNiメッキしてインサート材と
した場合の説明図。
【図5】Au箔の上下にNi箔を配置して作製したイン
サート材を挿入した例の説明図。
【図6】Au箔とNi箔とを重ね合わせてインサート材
とした場合のインサート材の溶融温度を示した説明図。
【図7】Au箔とNi箔とで構成されたインサート材で
接合した場合の接合率と接合温度との関係を示した説明
図。
【図8】Au箔とNi箔とを重ねてインサート材として
接合した場合の接合継手部の引張強さ及び伸びとの関係
を示したNiとAuの混合割合と溶融温度との関係を示
す説明図。
【図9】Au箔とNi箔とを重ねてインサート材として
接合した場合の接合継手部の引張強さ及び伸びとの関係
を示したNiとAuの混合割合と溶融温度との関係を示
す説明図。
【符号の説明】
2…燃焼器ライナ、5…高圧ガス導入孔、7…円筒方向
の接合部、8…長手方向の接合部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 舟本 孝雄 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 西 和也 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 飯塚 信之 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Ni及びFe基酸化物分散強化合金からな
    る半円筒状又は円筒状に加工された複数の部材を接合す
    る場合に、Au及びNi箔をインサート材とし、接合す
    ることを特徴とする燃焼器ライナの製作方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記インサート材は1
    〜100μm厚さのAuとNi箔を重ね合わせて構成し
    たもので、これを接合面間に挿入し、接合する酸化物分
    散強化合金製燃焼器ライナの製作方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、Ni箔は純N
    i又はNiに1〜5%のSiを添加した合金で、これを
    用いて接合する酸化物分散強化合金製燃焼器ライナ。
  4. 【請求項4】請求項1,2または3において、Ni基酸
    化物分散強化合金の接合に適用するインサート材は、N
    i箔がAu箔より薄箔である酸化物分散強化合金製燃焼
    器ライナの製作方法。
  5. 【請求項5】請求項1,2または3において、Fe基酸
    化物分散強化合金の接合に適用するインサート材は、A
    u箔の厚さに対してNi箔の厚さを1/2とし、Ni箔
    をAu箔の上下に配置構成したものを用いる酸化物分散
    強化合金製燃焼器ライナの製作方法。
  6. 【請求項6】請求項1,2,3,4または5において、
    純Ni又はNi基合金箔にAuメッキを施し、それをイ
    ンサート材として、接合する酸化物分散強化合金製燃焼
    器ライナの製作方法。
  7. 【請求項7】請求項1,2,3,4,5または6におい
    て、その接合方法は、素材の接合面となる部分を対面
    し、その間にAuと純Ni箔で構成されたインサート材
    を挿入し、1×10-4Torrの真空中又は不活性雰囲気中
    で0.3gf/mm2〜10gf/mm2 の範囲内で加圧し
    て、Auと純Niとが溶融反応する温度まで加熱し、保
    持して接合する酸化物分散強化合金製燃焼器ライナの製
    作方法。
  8. 【請求項8】請求項7において、その接合部は、適用素
    材に匹敵する延性を有する酸化物分散強化合金製燃焼器
    ライナの製作方法。
  9. 【請求項9】請求項1,2,3,4,5または6におい
    て、粉末状のAu及びNiを有機バインダで固着したイ
    ンサート材で接合する酸化物分散強化合金製燃焼器ライ
    ナの製作方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007508149A (ja) * 2003-05-16 2007-04-05 プラックセアー エス.ティ.テクノロジー、 インコーポレイテッド 金属部材を鑞接する方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007508149A (ja) * 2003-05-16 2007-04-05 プラックセアー エス.ティ.テクノロジー、 インコーポレイテッド 金属部材を鑞接する方法

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