JPH08333942A - 錠装置 - Google Patents

錠装置

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JPH08333942A
JPH08333942A JP16297595A JP16297595A JPH08333942A JP H08333942 A JPH08333942 A JP H08333942A JP 16297595 A JP16297595 A JP 16297595A JP 16297595 A JP16297595 A JP 16297595A JP H08333942 A JPH08333942 A JP H08333942A
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兼雄 水野
Masaharu Nishi
正治 西
Koki Nishimura
弘毅 西村
Tatsuhiko Shibata
龍彦 柴田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 盗難防止能力に優れるとともに実用性のある
錠装置を提供することを目的とする。 【構成】 本発明の錠装置1は、施錠用リングによる錠
本体2の開環部5の閉鎖・解除に伴って施錠・解錠がな
される装置であって、通常は第1施錠用リング11のみ
で施錠・解錠がなされる一方、盗難などにより、第1施
錠用リングによる施錠の解錠が正規な鍵によらないなど
不正常な解錠であれば、通常は解錠のままで待機してい
る第2施錠用リング12が直ぐさま自動的に錠本体の開
環部を閉鎖して施錠に入り、錠装置全体でみると施錠は
断たれず継続される構成をとるようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、開環形状の施錠用錠本
体と同本体に着脱可能となっている鍵とを備え、錠本体
に収容された開環形状の施錠用リングが錠本体の開環部
を閉鎖する位置に保持されることにより施錠がなされる
とともに施錠用リングによる開環部の閉鎖が解除される
ことにより解錠がなされるタイプの錠装置であって、自
転車やミニバイクなどの二輪車の盗難防止用を始めとし
て自動車や住宅などの施錠用にも使われる錠装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図12は、従来の二輪車の盗難防止用な
どに使われている錠装置の主要構成をあらわす概略平面
図であって、(a)が解錠状態を、(b)が施錠状態を
示す。以下、図12を参照しながら従来の錠装置を説明
する。錠装置100は、開環形状の施錠用錠本体101
と鍵102とを備えており、鍵102は錠本体101に
対し着脱可能となっている。錠本体101は、周方向に
開環部(空隙)111を有する円環状のリング収容部1
03とリング収容部103に隣接する鍵装着部104を
有する。リング収容部103には、施錠用リング105
が、開環部111を通る経路を周方向に沿って正逆回動
可能となるように収容されているとともに、引っ張りコ
イルバネ106が、一端が施錠用リング105の後端に
固定される一方、他端が収容部103に固定された状態
で配設されている。
【0003】鍵装着部104には、固定ピン115によ
り揺動自在に軸支されているとともに開きバネ116に
より右側(施錠用リング105側)へ押し付けられてい
る揺動レバー117が設けられており、この揺動レバー
117の右側端部下よりの位置には右側へ突出する突起
121が設けられている。この錠装置100は、施錠用
リング105が錠本体101の開環部111を閉鎖する
位置を保持することにより施錠がなされ、施錠用リング
105による開環部111の閉鎖が解除されることによ
り解錠がなされるというタイプの錠装置である。
【0004】すなわち、施錠の際は、引っ張りコイルバ
ネ106に逆らって、図12(a)に矢印で示す方向
(反時計方向)へ施錠用リング105を開環部111を
閉鎖する位置まで強制的に回転移動させる。そうする
と、図12(b)に示すように、開きバネ116により
右側へ押し付けられている揺動レバー117の突起12
1が、施錠用リング105の表面に形成されている凹部
124に嵌まり込む。揺動レバー117は常に右側へ押
し付けられているため、突起121は凹部124から外
れないままになり、突起121が凹部124への係止を
続ける。施錠用リング105は引っ張りコイルバネ10
6によって図12(b)に矢印で示す方向(時計方向)
へ引き戻されてはいるが、突起121が凹部124に係
止したままであることから、施錠用リング105は回動
せず、施錠用リング105は開環部111を閉鎖する位
置を保持する結果、錠装置100は施錠となる。鍵10
2は施錠のあと離脱させて使用者が携帯するものであ
る。
【0005】解錠の際は、まず鍵102を差し込んでか
ら、続いて錠用鍵102により揺動レバー117を左側
へ開きバネ116に逆らって押し戻してやれば、突起1
21が施錠用リング105の凹部124から抜け出す。
突起123が凹部124から抜けだすと、施錠用リング
105の回動を止めていた力はなくなるため、施錠用リ
ング105が引っ張りコイルバネ106により図12
(b)に矢印で示す方向に引き戻されて、開環部111
の閉鎖が解ける結果、錠装置100が解錠となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
錠装置100は、一本の施錠用リング105のみによる
所謂一重ロックであるために、手慣れた自転車泥棒に対
処することはやはり難しく、盗難防止能力が弱いという
問題がある。最近、住宅の遠隔地化や交通網の不備から
個人の自転車所有率は増加傾向にあり、盗難に合う自転
車の数はかなりのものである。自転車自体が高級化して
いる現在では自転車盗難に伴う被害も小さくない。その
ため、自転車の盗難防止は緊急に対応しなければならな
い問題となっている。ただ、盗難防止が使用者に新たな
手間が加わるかたちで実現されることは避けなければな
らない。新たな手間が加わるようだと使い難くなって、
実用性が損なわれてしまうからである。この発明は、上
記の事情に鑑み、盗難防止能力に優れるとともに実用性
のある錠装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記課題を
解決するため、次のような構成をとる。すなわち、請求
項1に記載の錠装置は、開環形状の施錠用錠本体と、こ
の錠本体に着脱可能となっている鍵とを備え、錠本体に
は、開環形状の第1,第2施錠用リングが錠本体の開環
部を通る経路を周方向に沿って正逆両方向に回動可能と
なるように収容されていて、前記施錠用リングが開環部
を閉鎖する位置を保持することにより施錠がなされると
ともに施錠用リングによる開環部の閉鎖が解除されるこ
とにより解錠がなされる装置であって、前記錠本体に
は、第1施錠用リングに開環部の閉鎖が解除される位置
をとらせるように付勢する第1リング付勢手段と、第2
施錠用リングに開環部が閉鎖される位置をとらせるよう
に付勢する第2リング付勢手段とが設けられているとと
もに、第1施錠用リングの回動を規制する第1回動規制
手段と、第2施錠用リングの回動を規制する第2回動規
制手段とが設けられていて、第1回動規制手段は、第1
リング付勢手段の付勢力に打ち勝って第1施錠用リング
を開環部が閉鎖される位置に止めおけるリング停止第1
機能を有するとともに鍵により前記リング停止第1機能
が解除できるように構成されており、かつ、第2回動規
制手段は、第1施錠用リングによる施錠中および同施錠
の解錠が正常になされているときは第2リング付勢手段
の付勢力に打ち勝って第2施錠用リングを開環部が閉鎖
されない位置に止めおくリング停止第2機能を有すると
ともに第1施錠用リングによる施錠の解除が不正常にな
されたときは前記リング停止第2機能を自動的に解除す
るように構成されているものである。
【0008】請求項2に記載の錠装置は、請求項1に記
載の装置において、第1施錠用リングによる施錠が解け
ているときは鍵の離脱を阻止する機能を有するとともに
第1施錠用リングによる施錠中は前記機能を解除する鍵
離脱阻止手段が錠本体に設けられており、第2回動規制
手段は、鍵の装着中は第2施錠用リングと機械的に係止
することにより第2施錠用リングの停止機能を発揮する
とともに鍵の離脱中は第2施錠用リングとの機械的な係
止が外れることにより前記停止機能を解除する第1係止
手段と、第1施錠用リングによる施錠中は第2施錠用リ
ングと機械的に係止することにより第2施錠用リングの
停止機能を発揮するとともに第1施錠用リングによる施
錠が解けているときは前記停止機能を解除する第2係止
手段とを備え、第1,第2両係止手段の停止機能により
リング停止第2機能が発現されるものである。
【0009】請求項3に記載の錠装置は、請求項1また
は2に記載の装置において、第1施錠用リングが解錠状
態であることを感知する解錠感知部と、鍵が離脱状態で
あることを感知する鍵離脱感知部と、音を出すことがで
きる発音体と、前記各感知部による解錠状態および鍵の
離脱状態の2つが揃って感知されたときに前記発音体を
駆動して警告音を発生させる発音体制御部とを具備する
警報手段を備えているものである。
【0010】請求項4に記載の錠装置は、請求項3に記
載の装置において、警報手段が、被施錠体の機械的な動
きを感知する被施錠体動き感知部をも具備し、各感知部
により解錠状態と鍵の離脱状態および被施錠体の機械的
な動きの3つが揃って感知されたときに発音体制御部が
発音体を駆動して警告音を発生させる構成のものであ
る。
【0011】請求項5に記載の錠装置は、請求項3また
は4に記載の装置において、第1施錠用リングと鍵とが
導電部材であって、錠本体内には第1と第2の固定接点
が設けられていて、第1固定接点と可動接点としての第
1施錠用リングとで第1スイッチが構成されている一
方、第2固定接点と可動接点としての鍵とで第2スイッ
チが構成されており、解錠感知部が第1スイッチの開成
により解錠状態を感知するとともに、鍵離脱感知部が第
2スイッチの開成により鍵の離脱状態を感知するもので
ある。
【0012】請求項6に記載の錠装置は、請求項3から
5までのいずれかに記載の装置において、警報手段が錠
本体に設置されてなるものである。
【0013】
【作用】請求項1に記載の錠装置は、施錠用リングによ
る錠本体の開環部の閉鎖・解除に伴って施錠・解錠がな
されるタイプの装置であるが、第1,第2の施錠用リン
グを備えており、両施錠用リングの施錠・解錠に関する
作用の基本は、通常は第1施錠用リングのみで施錠・解
錠がなされる一方、盗難などにより、第1施錠用リング
による施錠の解錠が正規な鍵によらないなど不正常な解
錠であれば、通常は解錠のままで待機している第2施錠
用リングが直ぐさま自動的に錠本体の開環部を閉鎖して
施錠に入り、錠装置全体でみると施錠は断たれず継続さ
れていることにある。つまり、第1施錠用リングによる
施錠のみならず、第2施錠用リングによる施錠も、実質
的にかかっているのである。纏めると下記のようにな
る。 第1施錠用リング・・・正常解錠 第2施錠用リング・・解錠 錠装置・・解錠 第1施錠用リング・・・施錠 第2施錠用リング・・解錠 錠装置・・施錠 第1施錠用リング・・不正常解錠 第2施錠用リング・・施錠 錠装置・・施錠
【0014】具体的には、第1施錠用リングは第1リン
グ付勢手段により解錠するよう常々付勢されているので
あるが、施錠の際は、第1施錠用リングを錠本体の開環
部を閉鎖する位置にまで強制的に回動させて、第1回動
規制手段のリング停止第1機能により、第1リング付勢
手段の付勢力をいわば殺すかたちをとることで、第1施
錠用リングをそのまま留め置き、錠本体の開環部の閉鎖
を保持する、つまり施錠するようにする。そして、解錠
の際は、鍵により第1回動規制手段のリング停止第1機
能を解除すれば、あとは、第1リング付勢手段の付勢力
により、第1施錠用リングは開環部の閉鎖を解除する位
置へ自動的に回動してくれる、つまり錠装置は解錠され
ることになる。
【0015】一方、第2施錠用リングは、第2リング付
勢手段により施錠するよう常々付勢されているのである
が、第1施錠用リングによる施錠中および同施錠の解錠
が正常になされているときは、第2回動規制手段のリン
グ停止第2機能により、第2リング付勢手段の付勢力を
いわば殺すかたちをとることで、第2施錠用リングを錠
本体の開環部を閉鎖しない位置に止めおく、つまり、第
2施錠用リングの方は、不正常な解錠が起こるまでは、
開環部を閉鎖することなく待機させておくのである。し
かし、第1施錠用リングによる施錠中、不正常な解錠が
起こった場合、第2回動規制手段のリング停止第2機能
は自動的に解かれて、第2施錠用リングは、第2リング
付勢手段の付勢力により、錠本体の開環部を閉鎖する位
置へ自動的に回動して施錠となるのである。また、第2
施錠用リングの方は不正常な解錠が起こるまではただ待
機しているだけなので、第2施錠用リングを設けたから
といって、通常の解錠・施錠のための操作に新たな操作
が加わるわけではない。
【0016】請求項2に記載の錠装置によれば、解錠中
は装着されている鍵が抜けない、つまり第1施錠用リン
グに対する解錠が正常な解錠の間は鍵が必ず装着されて
いる。したがって、解錠中という錠装置を使わない間は
鍵と錠本体は一体であり、鍵が紛失する恐れがない。勿
論、第1施錠用リングによる施錠中は鍵は離脱中とな
る。第1施錠用リングによる施錠・正常解錠と鍵の着脱
を以下に示す。 正常解錠・・・鍵の装着中 施錠中・・・鍵の離脱中
【0017】一方、錠装置の第2回動規制手段は、第1
係止手段と第2係止手段とを有する。第1係止手段は鍵
の着脱に連携して第2施錠用リングに対する回動停止・
回動許容を行い、第2係止手段は第1施錠用リングの解
錠・施錠と連携して第2施錠用リングに対する回動停止
・回動許容を行う。鍵の着脱、第1施錠用リングの解錠
・施錠、第1,2係止手段の回動停止・回動許容、およ
び、第2施錠用リングの解錠・施錠の対応関係は下記の
通りである。 鍵 第1施錠用リング 第1係止手段 第2係止手段 第2施錠用リング 装着中 正常解錠 回動停止 回動許容 解錠 離脱中 施錠 回動許容 回動停止 解錠 離脱中 不正常解錠 回動許容 回動許容 施錠 これから、第1施錠用リング、第2施錠用リング、およ
び、錠装置の解錠・施錠の対応関係をみれば、以下の通
りとなり、上で述べた請求項1に記載の装置の場合と同
一となり、必要な対応関係が満足されていることが分か
る。
【0018】 第1施錠用リング・・・正常解錠 第2施錠用リング・・解錠 錠装置・・解錠 第1施錠用リング・・・施錠 第2施錠用リング・・解錠 錠装置・・施錠 第1施錠用リング・・不正常解錠 第2施錠用リング・・施錠 錠装置・・施錠 第1,2係止手段を役割の点から見ると、第2係止手段
は、第1施錠用リングによる解錠がなされているか否
(施錠中)かを検出しており、第1係止手段は、第2係
止手段により検出された解錠は正常な解錠か否(不正
常)かを判定していることになる。一方、第1係止手段
を構成の点からみると、「鍵の離脱時:不正常解錠の可
能性有り」・「鍵の装着時:不正常解錠の可能性無し」
の関係にある鍵着脱機構を、解錠の正常・不正常の判定
機構に組み入れたかたちともなり、その分、第1係止手
段の構成の簡素化が可能になる。
【0019】請求項3に記載の錠装置は、解錠状態と鍵
の離脱状態の2つが揃ったタイミングで警告音を出す警
報手段を備え、盗難を音で知らせるため、盗難の発生を
直ちに認識して対処することができる上、警告音は泥棒
に対する牽制にもなる。
【0020】請求項4に記載の装置によれば、解錠状態
と鍵の離脱状態および被施錠体の機械的な動きの3つが
揃って感知されたタイミングで警告音を出す警報手段を
備え、適切なタイミングで音により盗難発生を告げるた
め、盗難の発生を直ちに認識して対処することができる
上、警告音が適切なタイミングで出るため、警告音が泥
棒に対しては大いに牽制となる。
【0021】請求項5に記載の錠装置によれば、錠本体
内の第1固定接点と可動接点としての第1施錠用リング
からなる第1スイッチの開成により解錠状態が感知され
るとともに、錠本体内の第2固定接点と可動接点として
の鍵とからなる第2スイッチの開成により鍵の離脱状態
を感知される。スイッチの開閉による感知は信頼性が高
く感知部構成の簡略化も期待できる。
【0022】請求項6に記載の錠装置によれば、警報手
段が錠本体に設置されているため、錠本体の据え付けと
警報手段の取り付けが同時に行えるとともに、錠本体と
警報手段との間の配線も容易である。
【0023】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の一実施例
にかかる錠装置を説明する。図1は、実施例装置の外観
をあらわす斜視図、図2は、実施例装置の第1施錠用リ
ングを中心とする構成をあらわす概略平面図であり、
(a)は解錠状態を、(b)は施錠状態を示す。図3
は、実施例装置の第2施錠用リングを中心とする構成を
あらわす概略平面図であり、(a)は解錠状態を、
(b)は施錠状態を示す。実施例の錠装置1は、図1に
示すように、開環形状の施錠用錠本体2と鍵3とを備え
ている。開環部(空隙)5を有することにより開環形状
となっている錠本体2は、施錠用リングを収容するリン
グ収容部8と、鍵3が装着される鍵装着部9、および、
錠本体2を自転車などの被施錠体へ固定するための取付
板10を有する。取付板10には取付孔10aが形成さ
れている。
【0024】リング収容部8には、第1と第2の施錠用
リング11,12と、第1,2リング付勢手段および第
2施錠用リング12の回動を規制する第2回動規制手段
用の第2係止手段が配設されており、鍵装着部9には、
鍵3の挿入口3aが形成されているとともに、第1施錠
用リング11の回動を規制する第1回動規制手段と、前
記第2係止手段と共に第2回動規制手段を構成する第1
係止手段およびこれら各手段に必要な部品の取付板15
が配設されている。リング収容部8は、隔壁29を介し
て環を重ね合わせるかたちに隣接する二つの円環部2
1,22からなり、円環部21,22の4つの各端面に
は、開口23,24,25,26がそれぞれ形成されて
いるとともに、各開口23〜26から円環部21,22
の奥へ向けて周方向に続く空間が形成されている。そし
て、円環部21には、図2に示すように、略半円環外形
で円形断面を有する金属製第1施錠用リング11と引っ
張りコイルバネ(第1リング付勢手段)13とが、円環
部22には、図3に示すように、略半円環外形で円形断
面を有する金属製第2施錠用リング12と圧縮コイルバ
ネ(第2リング付勢手段)14とが、それぞれ周方向に
沿って収められている。両施錠用リング11,12は、
円環部21,22の周方向に沿って開環部5を通る経路
で正逆両方向への回動が可能となるように収容されてい
る。
【0025】引っ張りコイルバネ13は、一端が第1施
錠用リング11の端部に固定され、他端は円環部21に
固定されていて、第1施錠用リング11が時計方向(解
錠方向)へ回動するように付勢力を常々与える。圧縮コ
イルバネ14は、一端が第2施錠用リング12の端部に
固定され、他端が円環部22に固定されていて、第2施
錠用リング12が時計方向(施錠方向)へ回動するよう
に付勢力を常々与えている。第1施錠用リング11はレ
バー27の操作により反時計方向に回動させることがで
きる。第1施錠用リング11には回動用のレバー27が
立設固定されているとともに、円環部21には周方向に
沿って長く続く貫通孔28が形成されており、レバー2
7が貫通孔28から外部に突出するように第1施錠用リ
ング11が配設されているため、レバー27を貫通孔2
8に沿って反時計方向に動かせば、それに連れて第1施
錠用リング11が回動する。
【0026】第1施錠用リング11の回動を規制する第
1回動規制手段は、揺動レバー31、V字状の開きバネ
32、取付板15に立設された固定ピン33,34、揺
動レバー31に形成された孔35および突起36を中心
に構成されている。揺動レバー31は固定ピン33を支
点として右側(第1施錠用リング11側)方向および左
側方向に揺動可能に軸支されている。開きバネ32は、
逆V字となるように固定ピン33に掛けられるととも
に、左辺の先端部を固定ピン33に係止させる一方、右
辺先端の折れ曲がり部(図示せず)を孔35に係止させ
るようにして配設されており、その結果、開きバネ32
のバネ力は揺動レバー31が右側に揺動するように常々
作用する。そして、より詳しくは、第1回動規制手段
は、図4(a)〜(c)に示すように、取付板15には
鍵離脱阻止手段用の固定突起37が設けられているとと
もに、揺動レバー31の右側端縁が裏側へ折れ曲がって
鍵離脱阻止手段用の係止部39を形成し、さらに、揺動
レバー31の裏面には揺動レバー押し戻し用の突起38
が設けられている。
【0027】第1施錠用リング11が解錠中である図4
(a)の場合、鍵3の凹部を固定突起37と係止部39
が挟み込んで鍵3の離脱を阻止している。第1施錠用リ
ング11が施錠中である図4(b)の場合、揺動レバー
31の突起36が第1施錠用リング11の第1凹部11
aに嵌まり込んでいる。そして、第1施錠用リング11
の施錠を鍵3で解錠する図4(c)の場合は、装着した
鍵3により揺動レバー31の突起38を左側へ押して、
突起36を第1凹部11aから外すようにする。図3に
示した第2施錠用リング11の回動を規制する第2回動
規制手段は、鍵装着部9へ配設された第1係止手段とリ
ング収容部8へ配設された第2係止手段とからなる。第
1係止手段は、係止棒41と引っ張りコイルバネ42を
中心に構成されている。略L字形状を有する係止棒41
は、引っ張りコイルバネ42により逆L字状のかたちで
吊設されている。取付板15の上部に一端が固定された
引っ張りコイルバネ4の他端に係止棒41の短辺41a
が固定されているのである。吊り下げられた係止棒41
は、図5の(b)に示すように、上側の短辺41aが水
平状態となり、長辺41bは垂直状態となる。さらに、
係止棒41は、短辺41aの先に下曲がりの係止部43
を有し、長辺41bの先に前曲がりの当たり部44を有
している。
【0028】一方、取付板15には上下に長い貫通孔1
5aが形成されており、この貫通孔15aから当たり部
44が反対側(鍵3の装着側)へ突き出ている。その結
果、図3(a)および図5(a)に示すように、上方か
ら差し込まれてくる鍵3の先端により、当たり部44が
押し下げられるのに伴い係止棒41が下降して、係止部
43が第2施錠用リング12の第2凹部12aに嵌まり
込み、第2施錠用リング12の回動を止めてしまう。逆
に、鍵3を引き抜くと、当たり部44を押し下げる力は
なくなり、図5の(b)に示すように、係止棒41が引
っ張りコイルバネ42に引き上げられて再び上昇し、係
止部43が第2凹部12aから外れることになる。
【0029】第2係止手段の方は、係止用の揺動体46
を中心に構成されている。リング収容部8へ配設された
揺動体46は、図6に示すように、環状部21と環状部
22の間の隔壁29における開口24,26の近傍に配
設されている。すなわち、揺動体46は、隔壁29に軸
受けされた回転軸47と長方形の板状係止片48,49
とからなる。各係止片48,49は、両係止片48,4
9が90°の角度をなすとともに、それぞれが短辺側端
部近傍を幅方向へ貫入する回転軸47へ固定されてい
る。施錠用リング11だけが開口24から進入する場
合、図6(a)に示すように、揺動体46の係止片48
が水平に押し上げられる一方、係止片49が垂直状態と
なって開口26を塞ぐ。施錠用リング11の進入してい
ない場合、図6(b)に示すように、施錠用リング12
が係止片49を水平に押し上げて開口26から進出して
ゆく。
【0030】開口26から進出して開口25から円環部
22へ進入してゆく施錠用リング12の先端は、円環部
22内で拘束を受ける。すなわち、図7(a)に示すよ
うに、一端が環状部22に固定され他端に係止突起52
aを有するとともに周方向に向けて配設されている係止
片52に第2施錠用リング12の先端が当たると、図7
(b)に示すように、係止突起52aを施錠用リング1
2の係止凸部12cが押し上げてゆき、最終的に、図7
(c)に示すように、係止突起52aが係止凸部12c
に係止する。係止突起52aを係止凸部12cから外す
ときは、鍵3などの先端を環状部22に形成されている
貫通孔22dから差し込んで、図7(d)に示すよう
に、係止片52を左側へ押して、係止突起52aを係止
凸部12cから離しておいて、第2施錠用リング12を
矢印の方向に強制的に回動させれば、図7(e)に示す
ように、係止突起52aが係止凸部12cから外れる。
錠装置1を自転車Aの盗難防止用として用いるときは、
図8に示すように、取付板10を自転車のフレームBへ
ねじ止めすればよい。
【0031】次に、錠装置1の解錠・施錠動作を説明す
る。 錠装置1を使って被施錠体の施錠を行うには、第1
施錠用リング11による施錠を行う。先ず、使用者がレ
バー27を握り、引っ張りコイルバネ13に逆らって、
図2(a)に示す解錠中の第1施錠用リング11を反時
計方向に回動させることにより、開環部5を閉鎖する位
置まで強制的に移動させる。そうすると、図2(b)に
示すように、揺動レバー31の突起36が、第1施錠用
リング11の第1凹部11aへ自動的に嵌まり込む。揺
動レバー31は開きバネ32により常に右側へ押し付け
られているから、突起36は第1凹部11aに嵌まり込
んだままになり、突起36が凹部11aへの係止を続け
る。第1施錠用リング11は引っ張りコイルバネ13に
よって図2(b)に矢印で示す方向へ引き戻されてはい
ても、突起36が第1凹部11aに係止したままである
ため、第1施錠用リング11は時計方向に戻り回動する
ことなく、第1施錠用リング11は開環部5を閉鎖する
位置を保持する結果、施錠となる。
【0032】図8の自転車Aが施錠された場合ならば、
スポークが錠装置1に当たって車輪が回転せず、自転車
Aは動かせない。普通、施錠したあとは鍵3は離脱させ
て使用者が携帯して持ち歩く。すなわち、図4(b)に
示すように、施錠中は、揺動レバー31が第1施錠用リ
ング11に押されて右側に移動しており、鍵3と取付板
15の固定突起37のあいだの距離が広がっていて、鍵
3が固定突起37と係止部39で挟み込まれてはいない
ため、鍵3を離脱させることができる。一方、第2施錠
用リング12は、第1施錠用リング11の施錠前も施錠
後も解錠を続ける。施錠・解錠にかかわらず、鍵3が離
脱していなければ、図3(a)に示すように、係止棒4
1の係止部43が第2施錠用リング12の第2凹部12
aに係止して第2施錠用リング12の回動を止めてい
る。施錠のあと鍵3を離脱させると、図3(b)に示す
ように、係止部43が第2凹部11aから外れるけれど
も、図6(a)に示すように、開口24からの第1施錠
用リング11の進入が続いているために、開口26は係
止片49で強制的に塞がれたままとなっており、第2施
錠用リング11は係止片49で止められて進出すること
なく、結局、第2施錠用リング12の方は、解錠を続け
る。
【0033】 被施錠体の解錠を行うには、第1施錠
用リング11を施錠状態から解錠状態へ移行させる。第
1施錠用リング11の解錠の際は、まず鍵3を挿入口3
aから差し込み、図4(c)に示すように、鍵3により
揺動レバー31の突起38を押して揺動レバー31を左
側へ開きバネ32に逆らって移動させれば、突起36が
第1凹部11aから外れて、突起36と第1凹部11a
の係止が解ける。突起36と凹部11aの係止が解けれ
ば、第1施錠用リング11の回動を止めていた力がなく
なり、第1施錠用リング11は、引っ張りコイルバネ1
3の付勢力により図2(b)に矢印で示す方向に戻り回
動する結果、開環部5の閉鎖は解けて、第1施錠用リン
グ11による施錠が解ける。図6(b)に示すように、
第1施錠用リング11は開口24から退出しており、係
止片49による開口26の閉塞機能は終了しているが、
鍵3が装着中であるから、図3(a)に示すように、係
止棒41の係止部43が第2施錠用リング12の第2凹
部12aに係止して第2施錠用リング12の回動を止め
ている。つまり、錠装置1では、第1施錠用リング11
の解錠中は鍵3が常に装着中となるため、係止棒41の
係止部43により第2施錠用リング12は回動を止めら
れていて、第2施錠用リング12は解錠を続け、施錠に
入ることはないのである。
【0034】 第2施錠用リング12の施錠は以下の
ようにして起こる。第1施錠用リング11の解錠中は、
上にみたように第2施錠用リング12が施錠に入ること
はない。しかし、第1施錠用リング11の施錠中、例え
ば、自転車泥棒が偽の鍵で無理やり解錠した場合は、た
だちに第2施錠用リング12が施錠に入る。すなわち、
第1施錠用リング11がむりやり解錠された場合、図6
(b)に示すように、第1施錠用リング11は開口24
から退出してしまうため、係止片49による開口26の
閉塞作用はなく、また、鍵3が離脱中であるから、係止
棒41の係止部43による第2施錠用リング12の回動
を止める停止機能もない。したがって、第2施錠用リン
グ12は係止板49を押し上げて開口26から出て開口
25から進入してゆくことになる結果、第2施錠用リン
グ12による開環部5の閉鎖が始まり、施錠態勢に移行
するのである。第2施錠用リング12は、図7(c)に
示すように、係止突起52aが係止凸部12cに係止し
ているため、第2施錠用リング12による施錠は簡単に
外れない。よって、錠装置1全体としては、施錠が切れ
目なく続き、泥棒は自転車を盗むことができないことに
なる。以上のようにして、実施例の錠装置は、第2施錠
用リング12があるため、盗難を確実に防止することが
できる。
【0035】なお、本発明は次のように変形実施するこ
とができる。 (1)本発明の錠装置に警報手段を設ける態様が変形例
として挙げられる。すなわち、図9に示すように、解錠
感知部61、鍵離脱感知部62、被施錠体動き感知部6
3、発音体64および発音体制御部65とを具備する警
報手段を錠装置が備える構成にするのである。解錠感知
部61は第1施錠用リング11が解錠状態であることを
感知するものであり、鍵離脱感知部62は鍵3が離脱状
態であることを感知するものであり、被施錠体動き感知
部63は被施錠体の機械的な動き(例えば、自転車の車
体の揺れや車輪の回転など)を感知するものであり、発
音体64はブザーなどの音を出すことができるものであ
り、発音体制御部65は上記の解錠状態と鍵の離脱状態
および被施錠体の機械的な動きの3つが揃って感知され
たときに発音体64を駆動して警告音を発生させるもの
である。警報手段は錠装置に設置されるのが望ましいが
別体に設けられているようであってもよい。
【0036】この警報手段の動作を、被施錠体が自転車
である場合を想定して説明する。自転車の所有者が駐車
のために施錠する(鍵離脱感知部62が鍵の離脱状態を
感知)。所有者が外した鍵3を携帯して用足しをしてい
る隙に、施錠をなんとか解いた(解錠感知部61が解錠
状態を感知)自転車泥棒は、自転車に乗って逃げようと
ペダルを漕ぎ出し始める。そうすると、自転車の車体の
揺れや車輪の回転などの機械的な動きが起こる(被施錠
体動き感知部63が自転車の機械的な動きを感知)。必
要な3つの感知が揃ったのであるから、発音体制御部6
5は発音体64を駆動して警告音を出させる。自転車の
盗難が直ちに知れて泥棒が逮捕されたり、また、泥棒が
警告音に驚いて自転車をほおりだして逃げ出したりし
て、自転車が盗まれずにすむことになる。警報手段の具
体例としては、図10に示す回路構成のものが挙げられ
る。図10においては、解錠感知部61、鍵離脱感知部
62、被施錠体動き感知部63、および、発音体64以
外のところは発音体制御部65である。
【0037】解錠感知部61はスイッチS1が、鍵離脱
感知部62はスイッチS2が担い、スイッチS1,S2
が開成すると感知がなされる構成である。被施錠体動き
感知部63は自転車の車体の揺れや車輪の回転などが検
出できるセンサが担い、センサが機械的動きを感知する
と端子63a,63b間が閉じる構成となっている。セ
ンサは、特定のセンサである必要はなく、車体の振動を
検出する振動センサや車輪の回転を検出する回転センサ
を始めとして、振動に伴う磁気変化をリードスッチの接
点のオン・オフで捉えるようなかたちのセンサなどが挙
げられる。スイッチS1,スイッチS2の具体的構成と
しては、第1施錠用リング11と鍵3とを導電部材によ
り形成するとともに、錠本体2の取付板15と円環部2
1も導電部材により形成しておいて、図11に示すよう
に、錠本体2の取付板15と円環部21の表面に絶縁物
71,72を介して第1と第2の固定接点74,75を
設け、第1固定接点74と可動接点としての第1施錠用
リング11とでスイッチS1(第1スイッチ)とし、第
2固定接点75と可動接点としての鍵3とでスイッチS
2(第2スイッチ)とする態様が挙げられる。
【0038】錠本体2を回路の共通ライン(GND)に
接続しておけば、必要な回路接続が完成する。第1施錠
用リング11の施錠中は、図11(a)に示すように、
第1固定接点74と第1施錠用リング11が接触してス
イッチS1は閉成する一方、鍵3の装着中は第2固定接
点75と鍵3が接触してスイッチS2は閉成する。第1
施錠用リング11の解錠中は、図11(b)に示すよう
に、第1固定接点74と第1施錠用リング11が解離し
てスイッチS2は開成する一方、鍵3離脱中は第2固定
接点75と鍵3も解離してスイッチS1は開成する。
【0039】スイッチS1,S2の少なくとも一方が閉
成しているときは、抵抗R2を介してサイリスタD1の
ゲート・カソード間が短絡されるため、サイリスタD1
は遮断状態にある。スイッチS1,S2の両方が開成し
ているときは、サイリスタD1のゲート・カソード間の
短絡が解かれており、抵抗R1,R2を介してサイリス
タD1のゲートに電圧がかかるから、もし上方のトラン
ジスタT1が導通していれば、サイリスタD1のカソー
ド・アノード間が直ちに導通する。また、センサの端子
63a,63b間が閉じられたときは、抵抗R3を介し
て信号トランジスタT1のベースに信号が加わり、トラ
ンジスタT1のコレクタ・エミッタ間が導通する。発音
体64としてのブザーはトランジスタT1、サイリスタ
D1の両方が導通したときに警告音を出す。端子63
a,63bの短絡が短時間であっても、コンデンサC1
に蓄積された電荷が抵抗R3を通してトランジスタT1
を導通させている間(例えば、15秒間)は警告音が出
ることになる。なお、図10において、C2はコンデン
サであり、Mは回路の稼動に必要な電力を供給する電池
である。図10の回路構成の場合、スイッチS1,S2
以外の部分も錠装置1に設けるようにすると配線作業を
行いやすくなる。
【0040】続いて、図10の回路の動作を説明する。 自転車の所有者が駐車のために施錠する。回路で
は、鍵離脱感知部62が鍵の離脱状態を感知してスイッ
チS2が開成するが、スイッチS1が閉成中であるた
め、サイリスタD1は導通不可能態勢を続ける。 所有者が外した鍵3を携帯して自転車を離れた間、
自転車泥棒が施錠をなんとか解く。回路では、解錠感知
部61が解錠状態を感知してスイッチS1も開成して、
サイリスタD1が導通可能態勢に移行する。ただ、トラ
ンジスタT1が遮断中であるため、サイリスタD1はま
だ導通しない。 泥棒が自転車に乗って逃げようとペダルを漕ぎ出し
始める。そうすると、自転車の車体の揺れや車輪の回転
などの機械的な動きが起こる。回路では、被施錠体動き
感知部63用のセンサの端子63a,63b間が閉じら
れてトランジスタT1が導通する。同時にサイリスタD
1も導通するから、発音体65であるブザーからは警告
音が発せられる。 盗難が直ちに知れて泥棒が逮捕されたり、また、泥
棒が警告音に驚いて自転車をほおりだして逃げだしたり
して、自転車は盗まれずにすむ。
【0041】図10の回路をオン・オフさせる特別の電
源スイッチが別途設けられていてもよい。3桁ほどのデ
ィジタル式スイッチ機構の数字が予め定められた暗諳数
字に設定されたときのみオンになるスイッチ、あるい
は、特定の鍵を使用して操作しないとオンさせられない
スイッチなどが挙げられる。正常な解錠中(例えば、自
転車を使用中)は鍵の離脱ができない(鍵が必ず錠本体
に装着されている)という構成である場合であって、警
告音を出さない時の回路の消費電力が実質的に無視でき
るような回路構成の場合は、オン・オフ用のスイッチを
設けずに常に回路をオンのままにしておく構成でもよ
い。解錠されていても、鍵が必ず錠本体に装着されてい
るため、誤報が出ることはない。また、図9,10にお
いて、警報手段が、被施錠体の動き感知部をもたない構
成も他の変形例として挙げられる。被施錠体に動きが起
こる前に警報が発せられる構成でもよい。また、被施錠
体が住宅など移動しないものであれば、被施錠体の動き
感知部を必要とはしない。
【0042】(2)実施例の錠装置における第2施錠用
リング12を、施錠中、抜け止め係止する図7の係止構
造において、係止を外す構成が貫通孔12cからの鍵3
の挿入操作ではなく、鍵3の正規位置への装着と連動し
て第2施錠用リング12から係止片52の係止突起52
aが外れる構成が変形例として挙げられる。また、第2
施錠用リング12の施錠中の抜け止め係止を機械的な係
止構造を用いず、圧縮コイルバネ14の付勢力を強くす
ることにより実現する構成も変形例として挙げられる。
【0043】(3)図10の回路の場合、被施錠体動き
感知部63は被施錠体の機械的動きのあった期間だけ端
子63a,63bを閉じる構成であり、被施錠体の動き
が止まると端子63a,63bを開いてしまう。したが
って、図10の回路では、普通、解錠状態と鍵の離脱状
態が先に感知されていて、被施錠体の機械的動きがトリ
ガとなって警告音が出る(被施錠体が機械的に動いてい
る最中に解錠された場合は解錠が警告音発生のトリガと
なる)。しかし、被施錠体動き感知部63は、図10の
回路のように、被施錠体の機械的動きのあった期間だけ
端子63a,63bを閉じるという構成ではなく、一回
でも被施錠体の機械的動きを感知したときは端子63
a,63bを閉じ続ける(盗難防止装置がオフのときに
リセットされる)という構成であってもよい。
【0044】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、通常の
施錠・解錠を行う第1施錠用リングの他に盗難などによ
り第1施錠用リングの施錠が不正常なかたちで解かれた
場合、第2施錠用リングが直ぐさま自動的に施錠に入
り、施錠を継続させる構成をとっており、いわば二重ロ
ック方式となっているから、盗難防止能力は極めて高
い。また、盗難を企む者が、施錠をなんとか解いたと思
った瞬間に第2施錠用リングによる新たな施錠が始まる
ため、盗難意欲が削がれて、盗難を諦める事態も期待で
きるという点でも、盗難防止能力に優れるということが
できる。それに、第2施錠用リングを設けたからといっ
て、通常の解錠・施錠のための操作に新たな操作が加わ
るわけではなく、使用者の手間が増えることもないた
め、実用性は十分である。
【0045】請求項2に記載の発明によれば、錠装置を
使わない間は鍵と錠本体は一体であり、鍵が紛失する恐
れがないため、便利である上、第2回動規制手段用の機
構を簡素化することが可能となり、設計・製造がし易く
なるため、実用性が高い。
【0046】請求項3に記載の発明によれば、警報手段
の出す警告音により、盗難の発生を直ちに認識して対処
することができる上、警告音は泥棒に対する牽制にもな
るため、錠装置の盗難防止能力はより優れる。
【0047】請求項4に記載の発明によれば、警報手段
が適切なタイミングで出す警告音により、盗難の発生を
直ちに認識して適切に対処することができる上、警告音
が泥棒に対しては大いに牽制となるため、錠装置の盗難
防止能力は顕著である。
【0048】請求項5に記載の発明によれば、解錠状態
と鍵の離脱状態の感知が鍵や第1施錠用リングを可動接
点とするスイッチの開成による構成であるため、感知部
の構成簡略化が可能となる上、スイッチの開閉による感
知は信頼性にも優れるため、錠装置の有用性はより高
い。
【0049】請求項6に記載の発明によれば、警報手段
が錠装置に設置されているため、錠本体の取り付けと警
報手段の取り付けが同時に行える上に、製造の際の錠本
体と警報手段の間の配線が簡単であり、生産性が高いた
め、錠装置の有用性は顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例装置の外観斜視図である。
【図2】実施例装置の第1施錠用リングを中心に示す概
略平面図である。
【図3】実施例装置の第2施錠用リングを中心に示す概
略平面図である。
【図4】実施例装置の鍵装着部を中心に示す部分概略平
面図である。
【図5】実施例装置の係止棒を中心に示す部分概略斜視
図である。
【図6】実施例装置の係止体を中心に示す部分概略斜視
図である。
【図7】実施例装置の係止片を中心に示す部分概略断面
図である。
【図8】実施例装置を装備した自転車を示す部分斜視図
である。
【図9】変形実施例装置の警報手段を示すブロック図で
ある。
【図10】警報手段用の電気回路図である。
【図11】警報手段用のスイッチの構成を説明する概略
平面図である。
【図12】従来装置の概略平面図である。
【符号の説明】
1 …錠装置 2 …施錠用錠本体 3 …鍵 5 …開環部 11 …第1施錠用リング 11a…第1凹部 12 …第2施錠用リング 12a…第2凹部 13 …引っ張りコイルバネ 14 …圧縮コイルバネ 31 …揺動レバー 32 …開きバネ 41 …係止棒 46 …揺動体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 龍彦 大阪市西淀川区竹島1丁目1番地 新家工 業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開環形状の施錠用錠本体と、この錠本体
    に着脱可能となっている鍵とを備え、錠本体には、開環
    形状の第1,第2施錠用リングが錠本体の開環部を通る
    経路を周方向に沿って正逆両方向に回動可能となるよう
    に収容されていて、前記施錠用リングが開環部を閉鎖す
    る位置を保持することにより施錠がなされるとともに施
    錠用リングによる開環部の閉鎖が解除されることにより
    解錠がなされる装置であって、前記錠本体には、第1施
    錠用リングに開環部の閉鎖が解除される位置をとらせる
    ように付勢する第1リング付勢手段と、第2施錠用リン
    グに開環部が閉鎖される位置をとらせるように付勢する
    第2リング付勢手段とが設けられているとともに、第1
    施錠用リングの回動を規制する第1回動規制手段と、第
    2施錠用リングの回動を規制する第2回動規制手段とが
    設けられていて、第1回動規制手段は、第1リング付勢
    手段の付勢力に打ち勝って第1施錠用リングを開環部が
    閉鎖される位置に止めおけるリング停止第1機能を有す
    るとともに鍵により前記リング停止第1機能が解除でき
    るように構成されており、かつ、第2回動規制手段は、
    第1施錠用リングによる施錠中および同施錠の解錠が正
    常になされているときは第2リング付勢手段の付勢力に
    打ち勝って第2施錠用リングを開環部が閉鎖されない位
    置に止めおくリング停止第2機能を有するとともに第1
    施錠用リングによる施錠の解除が不正常になされたとき
    は前記リング停止第2機能を自動的に解除するように構
    成されていることを特徴とする錠装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の装置において、第1施
    錠用リングによる施錠が解けているときは鍵の離脱を阻
    止する機能を有するとともに第1施錠用リングによる施
    錠中は前記機能を解除する鍵離脱阻止手段が錠本体に設
    けられており、第2回動規制手段は、鍵の装着中は第2
    施錠用リングと機械的に係止することにより第2施錠用
    リングの停止機能を発揮するとともに鍵の離脱中は第2
    施錠用リングとの機械的な係止が外れることにより前記
    停止機能を解除する第1係止手段と、第1施錠用リング
    による施錠中は第2施錠用リングと機械的に係止するこ
    とにより第2施錠用リングの停止機能を発揮するととも
    に第1施錠用リングによる施錠が解けているときは前記
    停止機能を解除する第2係止手段とを備え、第1,第2
    両係止手段の停止機能によりリング停止第2機能を発現
    させる錠装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の装置におい
    て、第1施錠用リングが解錠状態であることを感知する
    解錠感知部と、鍵が離脱状態であることを感知する鍵離
    脱感知部と、音を出すことができる発音体と、前記各感
    知部による解錠状態および鍵の離脱状態の2つが揃って
    感知されたときに前記発音体を駆動して警告音を発生さ
    せる発音体制御部とを具備する警報手段を備えている錠
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の装置において、警報手
    段が、被施錠体の機械的な動きを感知する被施錠体動き
    感知部をも具備し、各感知部により解錠状態と鍵の離脱
    状態および被施錠体の機械的な動きの3つが揃って感知
    されたときに発音体制御部が発音体を駆動して警告音を
    発生させる構成である錠装置。
  5. 【請求項5】 請求項3または4に記載の装置におい
    て、第1施錠用リングと鍵とが導電部材であって、錠本
    体内には第1と第2の固定接点が設けられていて、第1
    固定接点と可動接点としての第1施錠用リングとで第1
    スイッチが構成されている一方、第2固定接点と可動接
    点としての鍵とで第2スイッチが構成されており、解錠
    感知部が第1スイッチの開成により解錠状態を感知する
    とともに、鍵離脱感知部が第2スイッチの開成により鍵
    の離脱状態を感知する錠装置。
  6. 【請求項6】 請求項3から5までのいずれかに記載の
    装置において、警報手段が錠本体に設置されてなる錠装
    置。
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