JPH08333499A - ゲル基材 - Google Patents

ゲル基材

Info

Publication number
JPH08333499A
JPH08333499A JP14034895A JP14034895A JPH08333499A JP H08333499 A JPH08333499 A JP H08333499A JP 14034895 A JP14034895 A JP 14034895A JP 14034895 A JP14034895 A JP 14034895A JP H08333499 A JPH08333499 A JP H08333499A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pva
gel
base material
substrate
mol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP14034895A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroaki Fujii
弘明 藤井
Masanobu Abe
匡信 阿部
Takeshi Matsuda
武 松田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP14034895A priority Critical patent/JPH08333499A/ja
Publication of JPH08333499A publication Critical patent/JPH08333499A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Immobilizing And Processing Of Enzymes And Microorganisms (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ケン化度99.9モル%以上のポリビニルア
ルコールからなるゲル基材。 【効果】 本発明のゲル基材は、ゲル基材からのPVA
の溶出が激減し、耐久性も向上することから、排水処理
用担体としての実用性が著しく向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、排水処理などに用いら
れるゲル基材に関する。
【0002】
【従来の技術】微生物を担体に固定化することにより、
その機能を効率的に利用する研究がなされている。特に
「微生物固定化法による排水処理」(昭和63年産業用
水調査会出版)に詳細に説明されている。微生物を固定
化する方法としては、高分子素材を用いて微生物をその
まま包み込む包括固定法や担体に微生物を付着させる生
物膜法がある。これらの担体に用いられる高分子素材と
してポリビニルアルコール(以下、PVAと略する)、
ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、光硬化
性樹脂などが用いられている。なかでもPVAは、親水
性高分子であり、微生物の棲息性が高く、ゲル基材とし
て優れている(特開昭64−43188号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、市販されている
PVAは、完全ケン化PVAといえどもそのケン化度
は、98モル%程度であり、排水処理の担体に用いられ
ている特に高いケン化度のPVAでも99.8モル%で
ある(特開平3−146128号)。このように、従来
のケン化度99.8モル%以下のPVAを用いたゲル基
材は、その残存酢酸基のためにPVAの結晶化が不完全
となり、水中へのPVA溶出が大きく、排水処理に用い
た場合には曝気槽で泡立ったり、処理水のCODが増加
するなどの問題が生じていた。また、PVAの結晶化が
不完全であるために、排水処理に長期間使用するとゲル
基材が劣化しやすいという問題点もあった。
【0004】
【発明を解決するための手段】発明者らは、上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、ケン化度99.9モ
ル%以上のPVAからなるゲル基材を見出し、本発明を
完成するに至った。
【0005】まず、本発明において使用するPVAにつ
いて説明する。本発明に使用するPVAは、ケン化度が
99.9モル%以上のものを使用する。また、ケン化度
99.9モル%未満のPVAに水酸化ナトリウム溶液、
水酸化カリウム溶液などのアルカリを添加して、ケン化
度を99.9モル%以上にしたものを用いてもよい。あ
るいは、PVAを水に溶かしてから、ケン化に必要なア
ルカリを添加してもよい。
【0006】本発明に使用するPVAの平均重合度は1
000以上が好ましく、特に2800以上が好ましい。
また、ゲル基材中におけるPVAの濃度は、ゲル基材の
強度面からは、大きいほうが好ましいが、微生物の棲息
性からは小さいほうが好ましい。したがって、ゲル基材
中におけるPVA濃度は1〜40重量%が好ましく、3
〜20重量%がより好ましい。
【0007】本発明のゲル基材は、PVAのゲル化を阻
害しない範囲で、PVA以外の公知の成分を添加するこ
とができる。
【0008】たとえば、ゲル基材を任意の形状に成型す
るために水溶性高分子多糖類を添加してもよい。具体的
には、アルギン酸のアルカリ金属塩、カラギーナン、マ
ンナン、キトサンなどの陽イオンとの接触によってゲル
化する能力のある水溶性高分子多糖類が挙げられる。そ
の場合、任意の形状に成型するためにカルシウムイオ
ン、マグネシウムイオン、ストロンチウムイオン、バリ
ウムイオンなどのアルカリ土類金属イオン、アルミニウ
ムイオン、ニッケルイオン、セリウムイオンなどの多価
金属イオン、カリウムイオン、アンモニウムイオンなど
上記高分子多糖類をゲル化させ得る陽イオンに接触させ
てもよい。また、ゲル基材を任意の形状に成型するため
に、鋳型などにPVAを含む水溶液を流し込んでもよ
い。
【0009】本発明のゲル基材には、微生物を後付着さ
せてもよいが、ゲル基材を任意の形状に成型する前に、
PVAを含む水溶液に微生物を混合してもよい。微生物
の種類は特に限定されるものではなく、細菌、放線菌、
カビ、酵母などのいずれでもよく、純粋培養で得られた
ものでも混合培養で得られたものでも、活性汚泥のよう
なものでもよい。微生物としては、たとえば、ムコール
(Muccor)属、フザリウム(Fusarium)
属、クラドツリックス(Cladothrix)属、ス
フエロチルス(Sphaerotilus)属、ズーグ
レア(Zooglea)属、レプトミツス(Lepto
mitus)属、アスペルギルス(Aspergill
us)属、リゾプス(Rhizopus)属、シュード
モナス(Pseudomonas)属、アセトバクター
(Acetobacter)属、ストレプトマイセス
(Streptomyces)属、エシエリシア(Es
cherichia)属、サッカロマイセス(Sacc
haromyces)属、キャンディダ(Candid
a)属などの属する微生物が挙げられ、イオウ細菌、メ
タン菌、酪酸菌、乳酸菌、枯草菌、変形菌、不全菌、硝
酸菌、亜硝酸菌なども例示される。
【0010】本発明のゲル基材の形状は特に限定される
ものではなく、球状、繊維状、サイコロ状、フィルム
状、円筒状などの任意の形状を適宜選択することができ
る。
【0011】任意の形状に成型または鋳型に流し込んだ
PVAを含む水溶液を結晶化させるためには、−5℃以
下で凍結し、解凍するという操作を少なくとも1回以上
行なう。結晶化を十分に行なうために、凍結は−5℃以
下が好ましく、さらに−10℃以下が好ましい。解凍は
常温で解凍してもよいが、より結晶化を十分にするため
に、10℃以下で解凍することが好ましい。さらにこの
凍結、解凍操作を2回以上繰り返してもよい。また、凍
結または解凍の雰囲気を減圧下で行い、部分的ゲル基材
の水分を減少させてもよい。
【0012】このようにして、得られたPVAゲル基材
は、ゲル基材からのPVAの溶出が激減し、曝気槽での
泡立ちや、処理水のCODの上昇がなくなる。また、ゲ
ル基材の劣化も起こりにくく耐久性が向上する。
【0013】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例により限定されるもので
はない。尚、以下において「%」は特に断りのない限
り、「重量%」を意味する。
【0014】実施例1 (株)クラレ製のPVA(平均重合度4000、ケン化度
99.91モル%)を40℃の温水で約1時間洗浄後、
PVA濃度が5%となるように、PVAに水を加え、オ
ートクレーブで121℃、30分間処理しPVAを溶解
した。これを厚さ5mmとなるようにトレーに流延し、
−20℃の冷凍庫で24時間凍結させ、4℃の冷蔵庫で
解凍させた。この凍結、解凍操作をさらに2回繰り返し
た。できあがったPVAゲル基材を5mm角に切断し
た。溶出試験としてこのゲル基材50gに対して水50
0gを加え、30℃で1週間撹拌した。この時のゲル1
kg当たりのPVA溶出量の値を表1に示す。次に耐久
試験として、ゲル基材500gを(株)クラレ岡山工場の
排水処理槽に1年間浸漬した後の重量保持率を表1に示
す。
【0015】比較例1 ケン化度が98.50モル%であるPVAを用いた以外
は、実施例1と同様の方法で5mm角のゲル基材を得
た。溶出試験および耐久試験は実施例1と同様の方法で
行なった。
【0016】比較例2 ケン化度が99.80モル%であるPVAを用いた以外
は、実施例1と同様の方法で5mm角のゲル基材を得
た。溶出試験および耐久試験は実施例1と同様の方法で
行なった。
【0017】実施例2 (株)クラレ製のPVA(平均重合度4000、ケン化度
99.91モル%)を40℃の温水で約1時間洗浄後、
PVA濃度が10%となるように、PVAに水を加え、
オートクレーブで121℃、30分間処理しPVAを溶
解した。この10%PVA水溶液500gと4%アルギ
ン酸ナトリウム水溶液250gおよび(株)クラレ岡山工
場の排水処理槽から採取し濃縮操作を施した活性汚泥
(MLSS40000mg/リットル)250gを十分
に混合した。この混合水溶液を先端に内径1mmのノズ
ルをとりつけた内径3.2mmのシリコンチューブを装
着したローラーポンプにより5ml/分の速度で送液
し、スターラーで撹拌した濃度0.1モル/リットルの
塩化カルシウム水溶液に敵かした。滴下した液滴は塩化
カルシウム水溶液中で球状化して沈降した。この球状成
型物を塩化カルシウム水溶液と分離して水洗し、これを
トレーに入れ、−20℃の冷蔵庫で24時間凍結し、4
℃の冷蔵庫で解凍した。さらにこの凍結解凍操作を2回
繰り返した。その結果、直径約3mmの柔軟性に富んだ
球状のゲル基材が得られた。溶出試験および耐久試験は
実施例1と同様の方法で行なった。
【0018】比較例3 ケン化度が98.50モル%であるPVAを用いた以外
は、実施例2と同様の方法で約3mmの球状ゲル基材を
得た。溶出試験および耐久試験は実施例1と同様の方法
で行なった。
【0019】比較例4 ケン化度が99.80モル%であるPVAを用いた以外
は、実施例1と同様の方法で約3mmの球状ゲル基材を
得た。溶出試験および耐久試験は実施例1と同様の方法
で行なった。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】本発明のゲル基材は、ゲル基材からのP
VAの溶出が激減し、耐久性も向上することから、排水
処理用担体としての実用性が著しく向上する。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケン化度99.9モル%以上のポリビニ
    ルアルコールからなるゲル基材。
  2. 【請求項2】 ポリビニルアルコールが平均重合度28
    00以上のポリビニルアルコールである請求項1記載の
    ゲル基材。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のゲル基材に微生
    物を包括固定した生体触媒固定化ゲル。
  4. 【請求項4】 平均重合度2800以上、ケン化度9
    9.9モル%以上のポリビニルアルコールを含有する水
    溶液を−5℃以下での凍結および解凍を少なくとも1回
    以上行なうことを特徴とするゲル基材の製造方法。
  5. 【請求項5】 平均重合度2800以上、ケン化度9
    9.9モル%以上のポリビニルアルコールおよび水溶性
    高分子多糖類を含有する水溶液を、該水溶性高分子多糖
    類をゲル化する能力のある陽イオン化合物を含有する水
    溶液と接触させることにより、該混合水溶液を成型した
    後、得られた成型物を−5℃以下での凍結および解凍を
    少なくとも1回以上行なうことを特徴とするゲル基材の
    製造方法。
JP14034895A 1995-06-07 1995-06-07 ゲル基材 Pending JPH08333499A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14034895A JPH08333499A (ja) 1995-06-07 1995-06-07 ゲル基材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14034895A JPH08333499A (ja) 1995-06-07 1995-06-07 ゲル基材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08333499A true JPH08333499A (ja) 1996-12-17

Family

ID=15266746

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14034895A Pending JPH08333499A (ja) 1995-06-07 1995-06-07 ゲル基材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08333499A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2222112C (en) Polyvinyl alcohol hydrogel and process for producing the same
JP3908327B2 (ja) ポリビニルアルコール系含水ゲルの製造方法および酵素・微生物固定化成形物の製造方法
JPH09124731A (ja) アセタール化ポリビニルアルコール含水ゲル
JP3441352B2 (ja) ポリビニルアルコール系含水ゲル及びその製造法
JP3466236B2 (ja) ポリビニルアセタール系ゲル成形物
JPH08333499A (ja) ゲル基材
JP3287686B2 (ja) 高分子系粒状含水ゲルおよびその製造法
JPH09124876A (ja) アセタール化ポリビニルアルコール系含水ゲル
JPH09316271A (ja) 球状の含水ゲル
JP3203026B2 (ja) 生体触媒固定化ゲル
JPH08116974A (ja) 微生物包括固定化含水ゲル成形物
JP3055963B2 (ja) 生体触媒固定化成形物用高分子ゲル
JPH09143328A (ja) 閉鎖水系用の水質浄化剤
JP2004075762A (ja) ポリビニルアルコール系含水ゲルの製造方法
JPH09124730A (ja) ホルマール化ポリビニルアルコール含水ゲルの製造方法
JP2710816B2 (ja) 生体触媒固定化ポリビニルアルコールゲル状繊維及びその製造法
JPH09194744A (ja) 多孔質ゲル状物
JP2777211B2 (ja) 球状の生体触媒固定化成形物の製造方法
JP2004075763A (ja) ポリビニルアルコ−ル系含水ゲルおよびその製造方法
JPH09164391A (ja) 回分式排水処理用含水ゲル
JP2710815B2 (ja) ゲル基材
JPH10130329A (ja) 球状含水ゲルの製造方法
JP2777169B2 (ja) 微生物固定化用含水ゲル
JPH09192647A (ja) 魚の棲息する水系用の水質浄化剤
JPH03195489A (ja) 球状の生体触媒固定化成形物の製造方法