JPH08333441A - 新規アラルキル樹脂、その製造法及びその用途 - Google Patents

新規アラルキル樹脂、その製造法及びその用途

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JPH08333441A
JPH08333441A JP13943795A JP13943795A JPH08333441A JP H08333441 A JPH08333441 A JP H08333441A JP 13943795 A JP13943795 A JP 13943795A JP 13943795 A JP13943795 A JP 13943795A JP H08333441 A JPH08333441 A JP H08333441A
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JP
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resin
aralkyl
formula
dihydroxy
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Application number
JP13943795A
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English (en)
Inventor
Hiroko Ishihara
裕子 石原
Akio Karasawa
昭夫 唐澤
Toshihiro Motojima
敏博 元島
Hirosuke Takuma
啓輔 詫摩
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
Application filed by Mitsui Toatsu Chemicals Inc filed Critical Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式(1)で表されるアラルキル樹脂、そ
の製造法および該樹脂を用いて得られる感光性樹脂組成
物。 【効果】 感度および解像度に優れた感光性樹脂組成物
として、また、可撓性、耐熱性、耐水性等に優れたエポ
キシ樹脂硬化剤として有用なアラルキル樹脂を提供す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規にして有用なアラ
ルキル樹脂、その製造方法及びその用途に関するもので
ある。本発明のアラルキル樹脂は、感度及び解像度に優
れた感光性樹脂組成物として有用な、またその構造から
して可とう性や耐熱性及び耐水性に優れるエポキシ樹脂
硬化剤等として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】フォトレジスト用樹脂としては、一般
に、フェノールあるいはクレゾールノボラック樹脂が使
用されている。キノンジアジドスルホン酸エステルとノ
ボラック樹脂からなる組成物は、300〜500nmの
光照射によりキノンジアジド基が分解してカルボキシル
基を生ずることにより、アルカリ不溶の状態からアルカ
リ可溶性になることを利用して、ポジ型レジストとして
用いられる。このポジ型レジストは、ネガ型レジストに
比べ解像度が著しく優れているという特徴を有し、IC
や、LSIなどの集積回路の作製に利用されている。近
年、集積回路については高集積化に伴う微細化が進み、
現在、サブミクロンのパターン形成が要求されている。
その結果、ポジ型レジストについても、より優れた解像
度が求められるようになった。しかし、キノンジアジド
スルホン酸エステルと、ノボラック樹脂からなるレジス
ト材料においては、従来からある材料の組み合わせで
は、解像度の向上には限界があった。例えば、解像度を
向上させるにはキノンジアジド化合物の量を増やすこと
が考えられる。ところが、キノンジアジド化合物の量を
増やすことは感度の低下や現像残査の増加といった重大
な欠点がある。従って、解像度の向上には限度があり、
フェノールあるいはクレゾールノボラック樹脂に代わる
樹脂が求められている。
【0003】また、レジスト組成物に特定の化合物を配
合することによりレジストの感度や現像性を改善するこ
とも試みられている。例えば、特開昭61−14144
1号には、トリヒドロキシベンゾフェノンを含有するポ
ジ型レジスト組成物が開示されている。このトリヒドロ
キシベンゾフェノンを含有するポジ型フォトレジストで
は、感度および現像性が改善されるが、トリヒドロキシ
ベンゾフェノンの添加により耐熱性が悪化するという問
題があった。また、特開昭64−44439号、特開平
1−177032号、特開平1−280748号、特開
平2−10350号には、トリヒドロキシベンゾフェノ
ン以外の芳香族ポリヒドロキシ化合物を添加することに
より、耐熱性を悪化させないで高感度化する工夫が示さ
れているが、現像性の改良については必ずしも十分とは
いえない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高集
積回路製造時に要求される高解像度、高感度な感光性樹
脂組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、ある種のアラルキル樹
脂が優れた性能を有することを見出し、本発明を完成す
るに到った。すなわち、本発明は、一般式(1)(化
3)で表されるアラルキル樹脂、一般式(2)(化4)
で表されるスピロビインダノール類と、一般式(3)
(化4)で表されるアラルキル化合物とを反応させる一
般式(1)で表されるアラルキル樹脂の製造法、およ
び、該アラルキル樹脂を含む感光性樹脂組成物に関する
ものである。
【0006】
【化3】 (式中、Rは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ニ
トロ基またはハロゲン原子を、mは1〜3の整数、nは
0〜100の整数を表す)
【0007】
【化4】 (式中、Rは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ニ
トロ基またはハロゲン原子、mは1〜3の整数を、Xは
炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基またはハロゲン原
子を表す)
【0008】本発明のアラルキル樹脂は、一般式(2)
で表されるスピロビインダノール類と、一般式(3)で
表されるアラルキル化合物とを縮合反応させることによ
り得られる。本発明で使用できるスピロビインダノール
類の特に好ましい具体例としては、 ・6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テト
ラメチル−1,1’−スピロビインダン ・6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’,4,
4’−ヘキサメチル−1,1’−スピロビインダン ・6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’,5,
5’−ヘキサメチル−1,1’−スピロビインダン ・6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’,7,
7’−ヘキサメチル−1,1’−スピロビインダン ・6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テト
ラメチル−5,5’−ジエチル−1,1’−スピロビイ
ンダン ・6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テト
ラメチル−7,7’−ジエチル−1,1’−スピロビイ
ンダン ・6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テト
ラメチル−5,5’−ジイソプロピル−1,1’−スピ
ロビインダン ・6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テト
ラメチル−7,7’−ジイソプロピル−1,1’−スピ
ロビインダン
【0009】・6,6’−ジヒドロキシ−3,3,
3’,3’−テトラメチル−4,4’−ジメトキシ−
1,1’−スピロビインダン ・6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テト
ラメチル−5,5’−ジメトキシ−1,1’−スピロビ
インダン ・6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テト
ラメチル−7,7’−ジメトキシ−1,1’−スピロビ
インダン ・6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テト
ラメチル−4,4’−ジエトキシ−1,1’−スピロビ
インダン ・6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テト
ラメチル−5,5’−ジエトキシ−1,1’−スピロビ
インダン ・6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テト
ラメチル−7,7’−ジエトキシ−1,1’−スピロビ
インダン ・6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テト
ラメチル−5,5’−ジプロピル−1,1’−スピロビ
インダン ・6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テト
ラメチル−7,7’−ジプロピル−1,1’−スピロビ
インダン ・6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テト
ラメチル−4,4’−ジ−tert−ブチル−1,1’
−スピロビインダン ・6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テト
ラメチル−5,5’−ジ−tert−ブチル−1,1’
−スピロビインダン ・6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テト
ラメチル−5,5’−ジプロポキシ−1,1’−スピロ
ビインダン
【0010】・6,6’−ジヒドロキシ−3,3,
3’,3’−テトラメチル−4,4’−ジクロロ−1,
1’−スピロビインダン ・6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テト
ラメチル−5,5’−ジクロロ−1,1’−スピロビイ
ンダン ・6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テト
ラメチル−7,7’−ジクロロ−1,1’−スピロビイ
ンダン ・6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テト
ラメチル−5,5’−ジn−ブトキシ−1,1’−スピ
ロビインダン ・6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テト
ラメチル−7,7’−ジn−ブトキシ−1,1’−スピ
ロビインダン ・6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テト
ラメチル−5,5’−ジイソプロポキシ−1,1’−ス
ピロビインダン ・6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テト
ラメチル−5,5’−ジイソブチル−1,1’−スピロ
ビインダン ・6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テト
ラメチル−7,7’−ジn−ブチル−1,1’−スピロ
ビインダン等を挙げることができる。
【0011】また、一般式(3)で表されるアラルキル
化合物の例としては、α,α’−ジヒドロキシ−o−キ
シレン、α,α’−ジヒドロキシ−m−キシレン、α,
α’−ジヒドロキシ−p−キシレン、α,α’−ジメト
キシ−o−キシレン、α,α’−ジメトキシ−m−キシ
レン、α,α’−ジメトキシ−p−キシレン、α,α’
−ジエトキシ−o−キシレン、α,α’−ジエトキシ−
m−キシレン、α,α’−ジエトキシ−p−キシレン、
α,α’−ジイソプロポキシ−m−キシレン、α,α’
−ジイソプロポキシ−m−キシレン、α,α’−ジ−n
−プロポキシ−p−キシレン、α,α’−ジ−n−ブト
キシ−m−キシレン、α,α’−ジ−n−ブトキシ−p
−キシレン、α,α’−ジ−sec−ブトキシ−p−キ
シレン、α,α’−ジイソブトキシ−p−キシレン、
α,α’−ジクロロ−o−キシレン、α,α’−ジクロ
ロ−m−キシレン、 α,α’−ジクロロ−p−キシレ
ン、α,α’−ジブロモ−o−キシレン、α,α’−ジ
ブロモ−m−キシレン、α,α’−ジブロモ−p−キシ
レン、α,α’−ジフルオロ−o−キシレン、α,α’
−ジフルオロ−m−キシレン、α,α’−ジフルオロ−
p−キシレン、α,α’−ジヨード−o−キシレン、
α,α’−ジヨード−m−キシレン、α,α’−ジヨー
ド−p−キシレン等が挙げられ、好ましい化合物として
は、α,α’−ジヒドロキシ−p−キシレン、α,α’
−ジクロロ−p−キシレン、α,α’−ジメトキシ−p
−キシレン等が挙げられる。
【0012】スピロビインダノール類とアラルキル化合
物とは、スピロビインダノール類1モルに対し、アラル
キル化合物を0.1〜1.0モル、好ましくは0.2〜
0.8モルの範囲で反応させる。得られるアラルキル樹
脂の分子量範囲は500〜50000程度であり、水酸
基価は150〜250g/eqである。なお、本発明の
方法は、無触媒で、または酸触媒の存在下で行われる。
反応温度は50〜200℃、好ましくは、80〜180
℃で、反応時間は3〜30時間、好ましくは、3〜20
時間である。本発明に使用できる酸触媒としては、無機
及び有機の酸が挙げられる。例えば、塩酸、燐酸、硫
酸、硝酸、あるいは、塩化亜鉛、塩化第二錫、塩化アル
ミニウム、塩化第二鉄のようなフリーデルクラフツ系触
媒、メタンスルホン酸、ナフィオンH(商品名:デュポ
ン社製)のような超強酸等である。これらは、単独で使
用しても、併用してもよい。また、活性白土、ゼオライ
ト類の固体酸触媒やヘテロポリ酸類も使用できる。触媒
の使用量は、スピロビインダノール類とアラルキル化合
物の合計に対して、0.01〜15重量%である。固体
酸触媒の場合は、全原料に対し、1〜100wt%、好
ましくは、5〜100wt%である。この範囲以上でも
反応上問題はないが、経済的でない。一般式(3)で表
されるアラルキル化合物としてビスハロゲノメチル誘導
体を用いた場合には、触媒の不存在下でも反応を行うこ
とが出来るが、反応を速める目的で酸触媒を用いてもよ
い。その酸触媒としては、前記の酸触媒のいずれも使用
可能である。
【0013】また、本発明の反応では溶媒を使用しても
よい。溶媒としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベ
ンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、メ
チルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ
等のセロソルブ類、メタノール、エタノール、プロパノ
ール、オクタノール等のアルコール類、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチ
ルエーテル、ジプロピレンジメチルエーテル等のエーテ
ル類、スルホラン、ジメチルスルホキシド等の含硫溶媒
が挙げられる。
【0014】本発明のアラルキル樹脂を、本発明の感光
性樹脂組成物の目的に用いるに際しては、アラルキル樹
脂中のイオン性金属の含有量を極力減少させることが重
要である。従って、本発明のアラルキル樹脂を得るに
は、反応後の精製工程が必要である。その方法は、イオ
ン性金属を除去できる方法であれば、いずれの方法でも
よい。例えば、アラルキル樹脂を、トルエン、キシレン
等の芳香族炭化水素、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン等のケトン類、アミルアルコール、イソア
ミルアルコール、ヘプタノール、2−ヘプタノール、オ
クタノール、イソオクタノール等のアルコール類に溶解
し、希塩酸で洗浄後、水洗・中和する方法等が挙げられ
る。本発明のアラルキル樹脂は、上記のようにして得ら
れた反応液から、溶媒を除去した後、再結晶等の方法に
より分離することができる。
【0015】本発明の感光性樹脂組成物は、アルカリ可
溶成分および感光性成分を含有するものであり、さら
に、必要に応じて、添加物として少量の樹脂や染料等を
含有していてもよい。上記のようにして得られたアラル
キル樹脂は、本発明の感光性樹脂組成物のアルカリ可溶
成分の必須の成分として使用される。本発明のアラルキ
ル樹脂は、単独で用いてもよく、あるいは、他のアルカ
リ可溶性樹脂と併用してもよい。また、反応で得られた
未反応のスピロビインダノール類を含んだままで用いる
こともできる。本発明のアラルキル樹脂と併用されるア
ルカリ可溶性成分としては、 ・ノボラック、クレゾールノボラック、ナフトールノボ
ラック等のフェノールおよび/またはナフトール類とア
ルデヒド類を縮合して得られる、所謂、ノボラック樹
脂、 ・フェノール類または/およびナフトール類と前記一般
式(2)で表されるアラルキル化合物とを縮合して得ら
れる、所謂、ザイロック樹脂、 ・フェノール類または/およびナフトール類とジシクロ
ペンタジエンとの重合樹脂、 ・ポリヒドロキシスチレンおよびその水素化物、 ・スチレン−無水マレイン酸共重合体、 ・ポリメタクリレート等が挙げられる。 なお、本発明のアラルキル樹脂は前記樹脂と混合して使
用するのが一般的方法であるが、本発明の樹脂と前記樹
脂をアルデヒド類または/および一般式(2)で表され
るアラルキル化合物とで共縮合して使用することもでき
る。本発明のアラルキル樹脂使用量は、本発明の特徴が
表される範囲であればよく、具体的には、本発明のアラ
ルキル樹脂が、全アルカリ可溶性成分中の1〜100重
量%、好ましくは、5〜70重量%の範囲である。
【0016】本発明の感光性樹脂組成物において、アル
カリ可溶性成分とともに用いる、感光性成分としては、
アルカリ可溶性樹脂のアルカリ可溶性を抑制する能力を
持ち、且つ、光照射によりその能力を失活する能力を有
する公知の化合物を全て用いることが可能である。具体
的に例示すれば、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド
類およびそのエステルが挙げられる。より具体的には、
1,2−ナフトキノン−2−ジアジド、そのエステル類
として、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4
(5)−スルホン酸クロライドとフェノール、p−メト
キシフェノール、ジメチルフェノール、ハイドロキノ
ン、p−フェニルフェノール、α−ナフトール、β−ナ
フトール、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ビフェノ
ール、ビスフェノールA、ポリヒドロキシベンゾフェノ
ン、1,3−ジヒドロキシ−4,6−ビス〔(4−ヒド
ロキシフェニル−ジメチル)メチル〕−ベンゼン、6,
6’−ジヒドロキシ−3,3,3’3’−テトラメチル
−1,1’−スピロビインダン等とのエステル類を挙げ
ることができる。
【0017】これらの化合物は、光照射前においては、
アルカリ可溶性樹脂の水酸基と水素結合することにより
そのアルカリ可溶性を抑制するが、光照射により露光部
分で光分解してケテンへと変性し、さらに、レジスト膜
中あるいは空気中の水分と反応してカルボキシル基を急
速に生成する。この変化により、露光部分が大きく極性
変化し、アルカリ水溶液に対する溶解性が速やかに、著
しく増大するものであると推測される。本発明は、これ
らのことを利用することにより、いわゆる、ポジ型のレ
ジストパターンを得ることを可能とするものである。本
発明において、この感光性成分のアルカリ可溶性樹脂に
対する配合量は、アルカリ可溶性樹脂100重量部に対
し、1〜100重量部の範囲、好ましくは、5〜90重
量部、より好ましくは、10〜70重量部の範囲であ
る。
【0018】本発明の感光性樹脂組成物は、通常、有機
溶剤に溶解して、1〜50重量%、好ましくは、5〜3
5%の濃度の溶液として、基板表面上に塗布し、乾燥す
ることにより、均一な感光性樹脂層を形成させることが
できる。例えば、シリコンウェハーのような任意の基板
上に、本発明の感光性樹脂組成物の有機溶剤溶液を、ス
ピンナー等により均一に塗布し、これを50〜130
℃、好ましくは80〜110℃において乾燥させ、感光
性樹脂層を形成させる。この塗布膜に、レジストパター
ンを描くためには、ポジ型のフォトマスクパターンを介
して光照射させ、その後、アルカリ現像液(例えば、1
〜10重量%濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキ
シド水溶液等の4級アンモニウムヒドロキシド水溶液、
1〜10重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液、水酸化
カリウム水溶液等のアルカリ性水溶液)を用いて、現像
処理することにより、任意のレジストパターンを得るこ
とができる。
【0019】この時用いられる有機溶剤としては、アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
メチルイソアミルケトン、シクロヘキサノン等のような
ケトン類、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレング
リコールモノアセテート、プロピレングリコール、ジプ
ロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテ
ート、ジプロピレングリコールモノアセテート、ジプロ
ピレングリコールモノアセテートモノメチルエーテル、
ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピ
レングリコールモノアセテートモノプロピルエーテル、
ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等の多価ア
ルコール類およびその誘導体、テトラヒドロフラン、ジ
オキサンの様な環状エーテル類、乳酸メチル、乳酸エチ
ル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸
メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチ
ル、エトキシプロピオン酸エチル等のエステル類等およ
びこれらの混合物などが挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0020】本発明の感光性樹脂組成物は、前記したよ
うに、その塗布面に対する光照射によりレジストパター
ンを得るのに用いられる。この際用いられる露光波長と
しては、g線(436nm)、i線(365nm)が好
適であるが、エキシマレーザー等の遠紫外線も使用可能
である。また、本発明の感光性樹脂組成物は、光照射に
より架橋剤となる成分との組み合わせによる、いわゆる
ネガ型のフォトレジストとしての利用も可能である。
【0021】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。 合成例1 温度計、撹拌機および還流冷却器を備えたガラス製容器
に、6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テ
トラメチル−1,1’−スピロビインダン27.8g
(0.09モル)、α,α’−ジクロロ−p−キシレン
5.3g(0.03モル)およびo−ジクロロベンゼン
100gを装入し、内温を178℃まで昇温した。内温
を同温度に保ちつつ、20時間撹拌を続け、反応を終了
した。次に、内温を100℃まで冷却し、100gのイ
オン交換水を加えて水蒸気蒸留を行い、o−ジクロロベ
ンゼンを除いた。得られた塊状物を濾過、粉砕して、一
般式(1)で表されるアラルキル樹脂を含む白色粉末2
6gを得た。重量平均分子量(ポリスチレン換算)は1
660であり、水酸基価は210g/eqであった。G
PCによる分析の結果、このものの組成( Area %)
は、一般式(1)において、n=0が30.3%、n=
1が8.2%、n≧2が3.2%、未反応の6,6’−
ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テトラメチル−
1,1’−スピロビインダンが58.3%であった。さ
らに、上記の粉末10gについて、80gのo−ジクロ
ロベンゼンを用いて再結晶精製を行ったところ、白色の
結晶が析出した。これを濾過により除き、濾液から蒸留
により0−ジクロロベンゼンを除去して、3.2gの一
般式(1)で表されるアラルキル樹脂を白色粉末として
得た。GPCによる分析の結果、この樹脂の組成( Are
a %)は、一般式(1)において、n=0が68.5
%、n=1が18.7%、n≧2が12.8%であっ
た。
【0022】合成例2 温度計、撹拌機および還流冷却器を備えたガラス製反応
容器に、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−ス
ルホン酸クロライド118.1g(0.44モル)、
3,3’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン
24.6g(0.1モル)を、ジメチルアセトアミド3
00gに溶解させ、撹拌を行いながら、トリエチルアミ
ン42.4gを30分間で滴下し、さらに2時間撹拌を
続けた後、析出物を濾別した。次いで、得られた濾液
に、1%塩酸水溶液250gを滴下し、反応生成物を析
出させた。このものを濾別し、イオン交換水にて十分洗
浄し、乾燥し、下記式(化5)で表される3,3’,
4,4’−テトラナフトキノンジアジドスルホン酸エス
テルを得た。GPCによる純度は100%であった。
【0023】
【化5】
【0024】実施例1 アルカリ可溶性樹脂として、合成例1において得られた
未反応の6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’
−テトラメチル−1,1’−スピロビインダンを含むア
ラルキル樹脂12g、感光性成分として合成例2におい
て得られたテトラナフトキノンジアジドスルホン酸エス
テル3.3gを混合し、35重量%濃度のエチルセロソ
ルブアセテート溶液に調製して、ポジ型レジスト液を得
た。このレジスト液を、シリコンウェハー上にスピンコ
ートし、80℃のオーブン中で2分間プリベークした。
膜厚は1μmであった。この塗膜を、ポジ型パターンを
有するフォトマスクチャートを用いて、i線による露光
を行った。露光後、140℃で5分間ポストベークし、
2.3重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水
溶液で1分間現像し、ポジ型のレジストパターンを得
た。得られたレジストパターンに基づいて、下記の方法
でレジストの評価を行った。表−1(表1、2)に結果
を示した。
【0025】比較例1 実施例1におけるアルカリ可溶性樹脂を、ノボラック樹
脂〔三井東圧化学(株)製、ミレックス#2000〕1
2gに代えた以外は、実施例1と同様にしてポジ型パタ
ーンを得た。得られたレジストパターンに基づいてレジ
ストの評価を行った。表−1に結果を示した。
【0026】実施例2〜11 実施例1におけるアルカリ可溶性樹脂および感光性成分
を、表−1に示す化合物に代えた以外は、実施例1と同
様にして、ポジ型パターンを得た。得られた各レジスト
パターンに基づいて、レジストの評価を行い、その結果
を表−1に示した。各実施例において、アルカリ可溶性
樹脂は、合成例1の6,6’−ジヒドロキシ−3,3,
3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダ
ンの代わりに、表−1の原料欄に示したスピロビインダ
ノール類を用いて合成例1と同様に合成した。なお、他
の樹脂として下記の樹脂を用いた。 ・クレゾールノボラック:m−クレゾール/p−クレゾ
ール=7/3、クレゾール/ホルマリン=1/0.8の
モル比でシュウ酸触媒を用いて、還流下に反応させて得
た重量平均分子量9800のノボラック樹脂 ・ザイロック:三井東圧化学(株)製、XL−225−
3L また、表−1中の感光性成分(I)および(II)はそれ
ぞれ下記式(化6)で表される化合物を示し、感光性成
分(II)は、合成例2の3,3’,4,4’−テトラヒ
ドロキシベンゾフェノンの代わりに、対応するフェノー
ル類を用いて、合成例2と同様にして合成した。
【0027】
【化6】
【0028】〔レジストの評価法〕 ・感度:縮小投影露光機〔(株)ニコン NSR−17
551i7A 開口数=0.50〕を用い、露光時間を
変化させ、波長365nmのi線により露光した後、
2.4重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水
溶液により、25℃で60秒間現像し、ウェハー上にポ
ジ型レジストパターンを形成した。その最適露光時間
〔線幅0.35μmのライン・アンド・スペースパター
ン(1L1S)を1対1の幅に生成する露光時間〕を感
度とした。 ・解像度:最適露光時間で露光したときに解像されてい
る最小のレジストパターンの寸法を解像度とし、比較例
と同等の寸法のものをB、それより小なる寸法のものを
Aとした。 ・フォーカス許容性:線幅0.35μmのライン・アン
ド・スペースパターン(1L1S)を走査型電子顕微鏡
を用いて観察し、解像されるパターン寸法がマスクの設
計寸法の±10%以内であり、かつレジストパターンの
現像前の膜の厚さに対する現像後の厚さの割合(残膜
率)が90%以上である場合の焦点の振れ幅からフォー
カス許容性を評価した。比較例と同等のものをB、それ
より振れ幅の大きいものをAとした。 ・現像性:走査型電子顕微鏡を用いて、比較例よりスカ
ムや現像残りの少ないものをA、比較例と同等のものを
Bとした。 ・パターン形状:線幅0.35μmのライン・アンド・
スペースパターン(1L1S)の方形状断面の下辺の寸
法L1 と上辺の寸法L2 とを走査型電子顕微鏡を用いて
測定し、0.85≦L2 /L1 ≦1であり、かつパター
ン形状が垂直である場合をAとした。 ・耐熱性:レジストパターンを形成したウェハーをオー
ブンで130℃、2分間加熱し、パターン形状が崩れな
い場合をAとした。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】 表中、樹脂(1) は一般式(1)で表される樹脂、XLは
ザイロック、NBはクレゾールノボラックを表す。
【0031】表−1の結果から明らかなように、本発明
のアラルキル樹脂を含有してなる感光性樹脂組成物は、
高解像度なポジ型パターンを形成するのに好適なもので
あり、従来のノボラック樹脂を単独でベースレジンとし
た感光性樹脂組成物に比べ、加工精度に優れた微細パタ
ーンを得ることができる。これはかかる産業分野におい
て要求される、より集積度を増す半導体デバイスの製造
に沿うものであり、かかる産業分野へ大きく寄与するも
のである。
【0032】
【発明の効果】本発明のアラルキル樹脂は、新規な樹脂
であり、この樹脂を含有する本発明の感光性樹脂組成物
は、加工精度に優れた微細パターンを得るのに好適なも
のである。このように、本発明は、より高密度な半導体
デバイス製造に寄与するものである。
フロントページの続き (72)発明者 詫摩 啓輔 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)(化1)で表される新規ア
    ラルキル樹脂。 【化1】 (式中、Rは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ニ
    トロ基またはハロゲン原子を、mは1〜3の整数、nは
    0〜100の整数を表す)
  2. 【請求項2】 一般式(2)(化2)で表されるスピロ
    ビインダノール類と一般式(3)(化2)で表されるア
    ラルキル化合物とを、アラルキル化合物/スピロビイン
    ダノール類=0.1〜1.0のモル比で反応させること
    を特徴とする請求項1のアラルキル樹脂の製造法。 【化2】 (式中、Rは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ニ
    トロ基またはハロゲン原子、mは1〜3の整数を、Xは
    炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基またはハロゲン原
    子を表す)
  3. 【請求項3】 アルカリ可溶成分および感光性成分を含
    有してなる感光性樹脂組成物において、アルカリ可溶成
    分として請求項1のアラルキル樹脂を必須の成分として
    1〜100%含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項3の樹脂組成物を基板表面上に塗
    布し、乾燥した後、フォトマスクパターンを介して光照
    射させた後に、アルカリ現像液を用いて現像処理するこ
    とにより得られるレジストパターン形成物。
JP13943795A 1995-06-06 1995-06-06 新規アラルキル樹脂、その製造法及びその用途 Pending JPH08333441A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10170738A (ja) * 1996-12-12 1998-06-26 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 高分子光導波路及びその作製方法
JPH10170739A (ja) * 1996-12-12 1998-06-26 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 高分子光導波路及びその作製方法

Cited By (2)

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JPH10170738A (ja) * 1996-12-12 1998-06-26 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 高分子光導波路及びその作製方法
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