JP3654714B2 - サリチル酸系アラルキル樹脂、その製造方法、およびそれを用いたフォトレジスト用樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なサリチル酸系アラルキル樹脂に関するものである。更に詳細には、フォトレジスト用材料におけるアルカリ可溶性成分として高い解像度を有し、微細な加工を可能にするサリチル酸系アラルキル樹脂、その製造方法およびそれを用いたフォトレジスト用樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ICやLSI等の半導体デバイス製造工程に用いられるフォトレジスト材料用のアルカリ可溶性樹脂としては、フェノール樹脂として最も汎用なフェノールやクレゾールとホルマリンとの縮合物、いわゆるノボラック樹脂が用いられており、キノンジアジドスルホン酸エステルを感光剤としてフォトレジスト用樹脂組成物が構成されている。このフォトレジスト用樹脂組成物は、常態においては、キノンジアジドスルホン酸エステルにより組成物のアルカリ可溶性が大きく阻害された状態にある。300〜500nm程度の波長の光が照射されると、キノンジアジドが分解し、その阻害効果が失われ、組成物自身はアルカリ可溶性のカルボキシル基を生じ、非照射部分と照射部分のアルカリ可溶性の差が生じる。このことを利用して、フォトレジスト用樹脂組成物は、ポジ型レジストとして広く利用されてきた。
しかしながら、最近のICやLSI等の集積回路は、高集積化が進み、それにともないフォトレジストも微細な加工が可能になる様により高い感度、解像度が求められている。このため、従来のノボラック樹脂を用いたフォトレジスト用樹脂組成物では、その感度、解像度が既に限界に近く、近年益々高度化している高集積度、例えば、256M以上の半導体メモリー作製には、さらなる改良を求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高集積半導体回路を製造するにあたり、フォトレジスト用樹脂組成物に対して要求される高解像度、高感度を満足させることが可能なアルカリ可溶成分となるサリチル酸系アラルキル樹脂を提供し、それを用いたフォトレジスト用樹脂組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述した課題を達成すべく鋭意検討した結果、ある種のサリチル酸系アラルキル樹脂を用いることにより高解像度、高感度のフォトレジスト用樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。すなわち、本発明は、( i )一般式(1)(化5)で表されるサリチル酸系アラルキル樹脂に関するものである。
【0005】
【化5】
〔式中、Xは下記(化6)で表わされる、サリチル酸の残基式(A−1)または式(A−2)もしくはスピロビインダンジフェノールの残基式(B−1)または式(B−2)のいずれかを表し、(サリチル酸の残基)/(スピロビインダンジフェノールの残基)のモル比は99/1〜50/50であり、mは0〜100の整数を表す〕
【0006】
【化6】
また、本発明は、( ii )酸触媒の存在下に、サリチル酸メチルと式(2)(化7)で表されるスピロビインダンジフェノールとを、一般式(3)(化7)で表されるアラルキルアルコール誘導体もしくはアラルキルハライドを縮合剤として共縮合させた後、未反応のサリチル酸メチルを留去し、得られた樹脂のエステルをアルカリ加水分解する前記( i )のサリチル酸系アラルキル樹脂の製造方法に関するものである。
【0007】
【化7】
(式中、R1 は水酸基、炭素数4以下の低級アルコキシ基、またはハロゲン原子を表す)さらに、本発明は、( iii )アルカリ可溶性樹脂と感光剤を含有するフォトレジスト用樹脂組成物において、アルカリ可溶性樹脂の必須の成分として前記( i )のサリチル酸系アラルキル樹脂を用いることを特徴とするフォトレジスト用樹脂組成物、( iv )アルカリ可溶性樹脂中に、サリチル酸系アラルキル樹脂を1重量%〜99重量%含有することを特徴とする前記( iii )のフォトレジスト用樹脂組成物、( v )アルカリ可溶性樹脂が、サリチル酸系アラルキル樹脂と、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、一般式(4)(化8)で表されるフェノールアラルキル樹脂、一般式(5)(化8)で表されるフェノール−ジシクロペンタジエン共縮合樹脂およびヒドロキシポリスチレンまたはその水素化物から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする前記( iv )のフォトレジスト用樹脂組成物、( vi )感光剤がキノンジアジド化合物である前記( iii )〜( v )のいずれかのフォトレジスト用樹脂組成物、に関するものである。
【0008】
【化8】
(上式中、R2 、R3 はそれぞれ水素原子、メチル基、水酸基、またはハロゲン原子を表し、nは0〜100、lは0〜20の整数を表す)
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のサリチル酸系アラルキル樹脂は、前記一般式(1)で表される新規な樹脂である。一般式(1)において、サリチル酸の残基、スピロビインダンジフェノールの残基とは、それぞれ、サリチル酸、スピロビインダンジフェノールから水素原子がはずれた1価または2価基を表す。
本発明のサリチル酸系アラルキル樹脂を製造するにあたり、サリチル酸の源としては、サリチル酸をそのまま原料として用いることも可能であり、またサリチル酸メチル、サリチル酸エチル、サリチル酸イソプロピル、サリチル酸n−ブチル、サリチル酸イソブチル、サリチル酸tert−ブチル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸フェニル等のサリチル酸エステルを原料として用い、樹脂化した後加水分解してサリチル酸とすることも可能である。特に好ましいのは、油状で、未反応分の蒸留回収も容易、且つ安価なサリチル酸メチルである。
また、式(2)で表されるスピロビインダンジフェノール(以下、SPIと略称)は、例えば、特開昭62−010030に開示されている方法、すなわち、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)を酸触媒の存在下に加熱することにより解裂、環化する方法により得ることができる。
【0010】
サリチル酸もしくはサリチル酸エステルとSPIとの縮合剤となる前記一般式(3)で表されるアラルキルアルコール誘導体もしくはアラルキルハライドとしては、α,α’−ジヒドロキシ−p−キシレン、α,α’−ジヒドロキシ−m−キシレン、α,α’−ジヒドロキシ−o−キシレン、α,α’−ジメトキシ−p−キシレン、α,α’−ジメトキシ−m−キシレン、α,α’−ジメトキシ−o−キシレン、α,α’−ジエトキシ−p−キシレン、α,α’−ジエトキシ−m−キシレン、α,α’−ジエトキシ−o−キシレン、α,α’−ジイソプロポキシ−p−キシレン、α,α’−ジイソプロポキシ−m−キシレン、α,α’−ジイソプロポキシ−o−キシレン、α,α’−ジ−n−ブトキシ−p−キシレン、α,α’−ジ−n−ブトキシ−m−キシレン、α,α’−ジ−n−ブトキシ−o−キシレン、α,α’−ジ−sec−ブトキシ−p−キシレン、α,α’−ジ−sec−ブトキシ−m−キシレン、α,α’−ジ−sec−ブトキシ−o−キシレン、α,α’−ジ−tert−ブトキシ−p−キシレン、α,α’−ジ−tert−ブトキシ−m−キシレン、α,α’−ジ−tert−ブトキシ−o−キシレン、α,α’−ジクロロ−p−キシレン、α,α’−ジクロロ−m−キシレン、α,α’−ジクロロ−o−キシレン、α,α’−ジフルオロ−p−キシレン、α,α’−ジフルオロ−m−キシレン、α,α’−ジフルオロ−o−キシレン、α,α’−ジブロモ−p−キシレン、α,α’−ジブロモ−m−キシレン、α,α’−ジブロモ−o−キシレン、α,α’−ジヨード−p−キシレン、α,α’−ジヨード−m−キシレン、α,α’−ジヨード−o−キシレン等が挙げられ、特に好ましいものとして、α,α’−ジクロロ−p−キシレン、α,α’−ジクロロ−m−キシレン、α,α’−ジヒドロキシ−p−キシレン、α,α’−ジヒドロキシ−m−キシレン、α,α’−ジメトキシ−p−キシレン、α,α’−ジメトキシ−m−キシレン等が挙げられる。これらは単独で、あるいは2種以上の混合物で用いられる。特に、p−キシリレン誘導体とm−キシリレン誘導体は、最終的に得られる樹脂の軟化点や溶融粘度等の物性に大きく差を生じるため、混合比率により、ある程度任意の物性に調整することが可能である。
【0011】
本発明のサリチル酸系アラルキル樹脂の製造においては、反応に用いるサリチル酸もしくはサリチル酸エステル/SPIは、モル比で99.5/0.5〜70/30の範囲、好ましくは99/1〜75/25の範囲、より好ましくは95/5〜80/20の範囲である。
また、(サリチル酸もしくはサリチル酸エステル+SPI)/アラルキル化合物は、モル比で1.1/1〜15/1の範囲、好ましくは1.3/1〜10/1の範囲、より好ましくは1.3/1〜5/1の範囲である。この範囲よりモル比が1に近づくと高分子量化が激しく、時にゲル状となり、実質的に製造不可能となる場合もある。逆に大きくなると、分子量の低下のために耐熱性が低下し、また、工業的には、未反応原料が多く容積効率が悪くなるため、コスト的に不利になる傾向がある。
本発明の製造方法においては、未反応のサリチル酸もしくはサリチル酸エステルが残ることもあるが、その場合には、減圧蒸留、水洗、アルカリ洗浄などの任意の方法で除去することが望ましい。(サリチル酸もしくはサリチル酸エステル+SPI)/アラルキル化合物のモル比が1に近づくにつれて、未反応成分は減少するため、実質的に問題が無いと判断される場合には必ずしも除去する必要は無くなる。
【0012】
本発明の製造方法においては、反応は酸触媒の存在下において行われる。触媒としては、具体的には、塩酸、硫酸、りん酸等の鉱酸類、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ジエチル硫酸等の有機酸、塩化アルミニウム、塩化鉄、塩化錫、三フッ化ほう素等のルイス酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の超強酸であるパーフルオロアルカンスルホン酸類、アルカンスルホン酸型イオン交換樹脂、ナフィオン(商品名:デュポン社)に代表される超強酸であるパーフルオロアルカンスルホン酸型のイオン交換樹脂等が挙げられる。これらは、単独あるいは2種以上混合して用いられる。
その使用量は種類にもよるが、全原料の重量に対して0.0001重量%〜50重量%の範囲、好ましくはパーフルオロアルカンスルホン酸(超強酸)の場合で0.0001重量%〜1重量%、鉱酸類、ルイス酸類の場合で0.001重量%〜10重量%、イオン交換樹脂類の場合で1重量%〜50重量%の範囲である。なお、反応に用いるアラルキル化合物がアラルキルハライドである場合には、反応に伴い生じるハロゲン化水素を触媒として考えることも可能であり、その量が充分である場合には見かけ上無触媒で反応させることも可能である。
【0013】
反応の際には、実質的に反応に関与しない溶媒の使用は差し支えない。例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の芳香族系溶媒、N,N−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、スルホラン、ジメチルスルホキサイド等の非プロトン性極性溶媒等を任意の使用量で用いれば良い。
なお、トルエン、キシレン等は厳密には酸触媒の存在下において、アラルキル化合物と反応するが、その反応速度は一般にフェノール類よりはるかに遅く、従って、サリチル酸類およびSPIの存在する本反応においては無視して良い程度である。しかし、僅かに樹脂中に混入してくるトルエンもしくはキシレン類の不純物が不都合である場合には使用を避けた方が良い。
通常は、使用するサリチル酸類がサリチル酸メチルの様な液体であり、また、無溶媒で充分撹拌可能で、しかも、均一な溶液となる場合には、溶媒を使用する必要はない。
反応温度は、80〜250℃、好ましくは100〜200℃、より好ましくは120℃〜180℃の範囲である。反応時間は、実質的にアラルキル化合物が消失するまで、一般的には1〜30時間の範囲であるが、現実的には高速液体クロマトグラフィーやガスクロマトグラフィーでアラルキル化合物の消失を確認するか、もしくはGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により組成の完成を確認した時点を反応終了とすることが望ましい。
【0014】
反応終了後、原料としてサリチル酸エステルを用いた場合は、エステル基の加水分解が必要になるが、通常の酸、もしくはアルカリによる加水分解を行い、サリチル酸系樹脂へと導けば良い。特に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物が望ましい。
この時、加水分解に必要なアルカリ金属の水酸化物は、回収された未反応サリチル酸エステルから推定される樹脂中のエステル基に対する小過剰量で良いが、樹脂のアルカリ金属塩を完全に水溶液とするためには、アルカリ金属の水酸化物を2倍当量以上用いた方が良い。経済的考慮を加えるならば、好ましくは2.0〜5.0倍当量、より好ましくは2.1〜3.0倍当量の範囲にあることが望ましい。もしこの段階で不溶物が生じていれば、これを濾別し、中和することにより目的とするサリチル酸系アラルキル樹脂が得られる。
実際には、この樹脂を中性になるまで洗浄し、目的とするフォトレジスト用途へと提供することができる。洗浄方法は水によるスラッジが簡単であるが、最も好ましいのは有機溶媒を用いて溶液とし、水洗、分液する方法である。
この様にして得られた本発明のサリチル酸系アラルキル樹脂は、通常のフェノール樹脂として、例えば、エポキシ樹脂原料やエポキシ樹脂の硬化剤、あるいは成形、注型、接着、塗料等の分野に用いることが可能であるが、特にフォトレジスト用の材料として用いたとき非常に高い性能を発揮する。
【0015】
本発明のフォトレジスト用樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂として本発明のサリチル酸系アラルキル樹脂を含有し、さらに感光剤を含有するフォトレジスト用樹脂組成物である。本発明のフォトレジスト用樹脂組成物において、本発明のサリチル酸系アラルキル樹脂は、用いられるアルカリ可溶性樹脂中に1重量%〜100重量%の範囲で、すなわち、ベースレジンそのものとして単独で用いる場合から、感度調節剤、添加剤として用いられる場合まで様々な使用形態が可能である。
本発明のフォトレジスト用樹脂組成物において、用いられる他のアルカリ可溶性樹脂としては、フェノール、クレゾール、ナフトール等のフェノール性化合物とアルデヒド類とを酸触媒の存在下において反応させて得られる、いわゆるノボラック類、フェノール性化合物とジシクロペンタジエンとを反応させて得られるフェノール−ジシクロペンタジエン樹脂、フェノール性化合物と前記一般式(3)で表されるアラルキルアルコール誘導体もしくはアラルキルハライドとを反応させて得られるフェノールアラルキル樹脂、ヒドロキシポリスチレンまたはその水素化物、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。
【0016】
感光剤としては、任意の感光剤が用いられるが、キノンジアジドスルホン酸エステルが好ましい。キノンジアジドスルホン酸エステルとしては、キノンジアジドスルホン酸クロライドと各種のフェノール類から誘導されるものであればよく、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、フロログリシン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,3’,4−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、等のパーヒドロキシベンゾフェノン類、没食子酸アルキルエステル、2,2−ビス〔(ポリ)ヒドロキシフェニル〕プロパン等のビス〔(ポリ)ヒドロキシフェニル〕アルカン類、オキシフラバン等の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、もしくは1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル類等である。
キノンジアジドスルホン酸エステル類の添加量は、フォトレジスト用樹脂組成物として、その固形分中の5〜50重量%の範囲にあることが望ましい。
さらに、本発明のフォトレジスト用樹脂組成物には、必要に応じて、その他の少量の樹脂、感度調節剤、染料等を添加することもできる。
【0017】
本発明のフォトレジスト用樹脂組成物は、通常、有機溶媒を用いてスピンコートにより塗布されるのが一般的であるが、この目的に使用される溶媒には、適当な沸点と蒸気圧、即ち、適度な乾燥速度を有し、且つ溶媒が蒸発、乾燥したときに平均的で均一な塗膜を与えることが求められる。
使用される溶媒として例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、プロピレングリコール、2,−ヒドロキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、ピルビン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン等が挙げられる。これら溶媒は、単独で使用してもよく、数種類を併用しても良い。
この時の濃度は、フォトレジスト用樹脂組成物としての固形分濃度として5〜75重量%、好ましくは10〜50重量%、より好ましくは20〜40重量%の範囲であることが好ましい。
【0018】
調製されたフォトレジスト用樹脂組成物の溶液は、スピンコート前に、フィルターで濾過し、不溶物および微細なゴミ等を除去することが望ましい。その後、スピンコーター(回転塗布機)を用いて、シリコンウェハー等の基盤上に塗布する。次いで、この基盤を50〜150℃で30〜180秒間ベークし、さらにフォトマスクを介して露光機で露光し、アルカリ性水溶液で現像することでパターンを描くことができる。
この現像液としてのアルカリ水溶液とは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−(5,4,0)−7−ウンデセン等のアルカリ性化合物を1〜20重量%、好ましくは1〜10重量%となるように調製して用いられる。
【0019】
露光の際用いられる放射線としては、g線(426nm)、i線(365nm)、Kr−Fエキシマレーザー(248nm)等が用いられるが、現在一般的なi線もしくはより高エネルギーであり高解像度、高感度化が可能なエキシマレーザーでの使用が好ましい。
なお、本発明の樹脂は、ポジ型フォトレジストのみならず、いわゆる化学増幅型の露光方法をとることも可能である。
【0020】
【実施例】
以下に、実施例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら制限を受けるものではない。
実施例1
温度計、撹拌機、ディーン・シュターク水分離器および還流冷却器を備えたガラス製反応装置に、サリチル酸メチル;913.2g(6mol)、SPI;23.4g(0.076mol)、トリフロロメタンスルホン酸;0.25molを装入し、撹拌を行いながら150℃まで昇温した。
さらに撹拌を行い、150〜160℃の温度を保ちながら、α,α’−ジメトキシ−p−キシレン;332g(2mol)を4時間で滴下した。反応にともない生じるメタノールは、ディーン・シュターク水分離器を用い、順次系外へ除去した。反応は少量の窒素気流下で行った。
滴下終了後、同温度を保ちながら2時間熟成し、メタノールの留出が完全に無くなっていることを確認した後、最高170℃、5mmHgの条件で未反応サリチル酸メチルを留去した。回収されたサリチル酸メチルは120gであった。
得られたサリチル酸メチル−SPI樹脂を高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、未反応のSPIモノマーは検出されなかった。
このサリチル酸メチル−SPI樹脂にトルエン300gを加え、均一なトルエン溶液とした。このトルエン溶液を、水酸化ナトリウム;320g(8モル)、水1600gの水溶液中に、85〜95℃を保ちながら、3時間で滴下した。共沸するトルエン/水は系外へ除去した。2時間熟成後、サリチル酸メチルが加水分解されると、均一な水溶液となり、不溶分はなかった。
このアルカリ水溶液を、8.8モルの塩酸を含む塩酸水2000g中に4時間で滴下し、中和することにより樹脂が粉状で析出した。滴下終了後、酸性であることを確認してさらに2時間スラリーを行い熟成した。
この後濾過し、さらに水1500gで3回スラリー洗浄し、濾液が中性になるのを確認し、乾燥して550gのサリチル酸系アラルキル樹脂を粉体で得た。
この樹脂のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による分子量(Mw)は2130(ポリスチレン換算、以下同じ。)であった。
【0022】
実施例2
温度計、撹拌機、ディーン・シュターク水分離器および還流冷却器を備えたガラス製反応装置に、サリチル酸メチル;913.2g(6mol)、トリフロロメタンスルホン酸;0.25molを装入し、撹拌を行いながら150℃まで昇温した。さらに撹拌を行い、150〜160℃の温度を保ちながら、α,α’−ジメトキシ−p−キシレン;332g(2mol)とSPI;23.4g(0.076mol)の混合溶液を4時間で滴下した。反応にともない生じるメタノールは、ディーン・シュターク水分離器を用い、順次系外へ除去した。反応は少量の窒素気流下でおこなった。滴下終了後、同温度を保ちながら2時間熟成し、メタノールの留出が完全に無くなっていることを確認した後、最高170℃、5mmHgの条件で未反応サリチル酸メチルを留去した。回収されたサリチル酸メチルは120gであった。得られたサリチル酸メチル−SPI樹脂を高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、未反応のSPIモノマーは検出されなかった。このサリチル酸メチル−SPI樹脂にトルエン300gを加え、均一なトルエン溶液とした。このトルエン溶液を、水酸化ナトリウム;320g(8モル)、水1600gの水溶液中に、85〜95℃を保ちながら、3時間で滴下した。共沸するトルエン/水は系外へ除去した。2時間熟成後、サリチル酸メチルが加水分解されると、均一な水溶液となり、不溶分はなかった。このアルカリ水溶液を、8.8モルの塩酸を含む塩酸水2000g中に4時間で滴下し、中和することにより樹脂が粉状で析出した。滴下終了後、酸性であることを確認してさらに2時間スラリーを行い熟成した。この後濾過し、さらに水1500gで3回スラリー洗浄し、濾液が中性に成るのを確認し、乾燥して550gのサリチル酸系アラルキル樹脂を粉体で得た。この樹脂のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による分子量(Mw)は1860であった。
【0024】
実施例3
実施例1で得られた樹脂17重量部、および、ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロライドと4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンから常法により合成されたジエステルを感光剤として5重量部を、エチルセロソルブアセテート48重量部に溶解し、レジスト液とした。0.2μmのテフロンフィルターで濾過したこの溶液を、常法によりよく洗浄されたシリコンウェハーにスピンコーターを用い、1.2μmの厚さに塗布し、100℃のオーブンで60秒間ベークした。次いで、このシリコンウェハーを、365nm(i線)の露光波長を有する縮小投影露光機(ニコン社製:NSR−17551i7ANA=0.50)により露光した。その後、110℃に維持されたオーブン内で1分間焼成した。これを2.4重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で1分間現像することによりポジ型パターンを得た。得られたレジストパターンについて、下記の方法で評価を行った。評価結果を表−1(表1)に示した。
【0025】
《レジストの評価方法》
◎ 感度
縮小投影露光機の露光時間を変化させ、365nm(i線)により露光した後、2.4重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液により25℃で60秒間現像し、シリコンウェハー状にポジ型レジストを形成した。その最適露光時間〔線幅0.35μmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を1対1の幅に生成する露光時間〕を感度とした。
◎ 解像度
最適露光時間で露光した時に解像されている最小のレジストパターンの寸法を解像度とし、比較例と同等の寸法を△、それより寸法の小さな物を○、それより寸法の大きな物を×とした。
◎ フォーカス許容性
線幅0.35μmの1L1Sを走査型電子顕微鏡を用いて観察し、解像されるパターン寸法がマスクの設計寸法の±10%以内であり、且つレジストパターンの現像前の膜の厚さに対する現像後の膜の厚さの割合(残膜率)が90%以上である場合の焦点の振れ幅からフォーカス許容性を評価した。比較例と同等のものを△、それより振れ幅の大きなものを○、それより振れ幅の小さなものを×とした。
◎ 現像性
走査型電子顕微鏡を用いて、比較例よりスカムや現像残りの少ないものを○、同等のものを△、スカムや現像残りの多いものを×とした。
◎ パターン形状
線幅0.35μmの1L1Sの方形状断面の下辺の寸法L1と上辺の寸法L2とを走査型電子顕微鏡を用いて測定し、0.85≦L2/L1≦1であり、且つパターン形状が垂直である場合を○とした。またこれらの条件を欠くものを×とした。
◎ 耐熱性
レジストパターンを形成したシリコンウェハーを130℃のオーブンで2分間加熱し、パターン形状が崩れない場合を○、端が崩れ始めている程度のものを△、完全に崩れ、形状が崩壊しているものを×とした。
【0027】
実施例4
実施例3における樹脂を、実施例1のものから実施例2において合成された樹脂に代えた以外は、同様にして得たレジストパターンの評価を行った。結果を表−1に示した。
【0029】
実施例5
実施例3における樹脂を、ノボラック樹脂(#1)8.5重量部、実施例2の樹脂8.5重量部の混合物とした以外は、同様にして得たレジストパターンの評価を行った。結果を表−1に示した。
(#1)ノボラック樹脂:m−クレゾール/p−クレゾール=7/3、クレゾール/ホルマリン=1/0.8、しゅう酸触媒で還流下において反応させて得られた、分子量(Mw)=9800の樹脂。
【0031】
比較例1
実施例5における樹脂を、ノボラック樹脂(#1)17重量部に代えた以外は同様にして得たレジストパターンの評価を行った。結果を表−1に示した。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】
本発明のサリチル酸系アラルキル樹脂は新奇な樹脂であり、この樹脂をアルカリ可溶性樹脂として含有するフォトレジスト用樹脂組成物は、高感度、高解像度を有し、且つ耐熱性にも優れたフォトレジスト用樹脂組成物である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なサリチル酸系アラルキル樹脂に関するものである。更に詳細には、フォトレジスト用材料におけるアルカリ可溶性成分として高い解像度を有し、微細な加工を可能にするサリチル酸系アラルキル樹脂、その製造方法およびそれを用いたフォトレジスト用樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ICやLSI等の半導体デバイス製造工程に用いられるフォトレジスト材料用のアルカリ可溶性樹脂としては、フェノール樹脂として最も汎用なフェノールやクレゾールとホルマリンとの縮合物、いわゆるノボラック樹脂が用いられており、キノンジアジドスルホン酸エステルを感光剤としてフォトレジスト用樹脂組成物が構成されている。このフォトレジスト用樹脂組成物は、常態においては、キノンジアジドスルホン酸エステルにより組成物のアルカリ可溶性が大きく阻害された状態にある。300〜500nm程度の波長の光が照射されると、キノンジアジドが分解し、その阻害効果が失われ、組成物自身はアルカリ可溶性のカルボキシル基を生じ、非照射部分と照射部分のアルカリ可溶性の差が生じる。このことを利用して、フォトレジスト用樹脂組成物は、ポジ型レジストとして広く利用されてきた。
しかしながら、最近のICやLSI等の集積回路は、高集積化が進み、それにともないフォトレジストも微細な加工が可能になる様により高い感度、解像度が求められている。このため、従来のノボラック樹脂を用いたフォトレジスト用樹脂組成物では、その感度、解像度が既に限界に近く、近年益々高度化している高集積度、例えば、256M以上の半導体メモリー作製には、さらなる改良を求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高集積半導体回路を製造するにあたり、フォトレジスト用樹脂組成物に対して要求される高解像度、高感度を満足させることが可能なアルカリ可溶成分となるサリチル酸系アラルキル樹脂を提供し、それを用いたフォトレジスト用樹脂組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述した課題を達成すべく鋭意検討した結果、ある種のサリチル酸系アラルキル樹脂を用いることにより高解像度、高感度のフォトレジスト用樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。すなわち、本発明は、( i )一般式(1)(化5)で表されるサリチル酸系アラルキル樹脂に関するものである。
【0005】
【化5】
〔式中、Xは下記(化6)で表わされる、サリチル酸の残基式(A−1)または式(A−2)もしくはスピロビインダンジフェノールの残基式(B−1)または式(B−2)のいずれかを表し、(サリチル酸の残基)/(スピロビインダンジフェノールの残基)のモル比は99/1〜50/50であり、mは0〜100の整数を表す〕
【0006】
【化6】
また、本発明は、( ii )酸触媒の存在下に、サリチル酸メチルと式(2)(化7)で表されるスピロビインダンジフェノールとを、一般式(3)(化7)で表されるアラルキルアルコール誘導体もしくはアラルキルハライドを縮合剤として共縮合させた後、未反応のサリチル酸メチルを留去し、得られた樹脂のエステルをアルカリ加水分解する前記( i )のサリチル酸系アラルキル樹脂の製造方法に関するものである。
【0007】
【化7】
(式中、R1 は水酸基、炭素数4以下の低級アルコキシ基、またはハロゲン原子を表す)さらに、本発明は、( iii )アルカリ可溶性樹脂と感光剤を含有するフォトレジスト用樹脂組成物において、アルカリ可溶性樹脂の必須の成分として前記( i )のサリチル酸系アラルキル樹脂を用いることを特徴とするフォトレジスト用樹脂組成物、( iv )アルカリ可溶性樹脂中に、サリチル酸系アラルキル樹脂を1重量%〜99重量%含有することを特徴とする前記( iii )のフォトレジスト用樹脂組成物、( v )アルカリ可溶性樹脂が、サリチル酸系アラルキル樹脂と、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、一般式(4)(化8)で表されるフェノールアラルキル樹脂、一般式(5)(化8)で表されるフェノール−ジシクロペンタジエン共縮合樹脂およびヒドロキシポリスチレンまたはその水素化物から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする前記( iv )のフォトレジスト用樹脂組成物、( vi )感光剤がキノンジアジド化合物である前記( iii )〜( v )のいずれかのフォトレジスト用樹脂組成物、に関するものである。
【0008】
【化8】
(上式中、R2 、R3 はそれぞれ水素原子、メチル基、水酸基、またはハロゲン原子を表し、nは0〜100、lは0〜20の整数を表す)
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のサリチル酸系アラルキル樹脂は、前記一般式(1)で表される新規な樹脂である。一般式(1)において、サリチル酸の残基、スピロビインダンジフェノールの残基とは、それぞれ、サリチル酸、スピロビインダンジフェノールから水素原子がはずれた1価または2価基を表す。
本発明のサリチル酸系アラルキル樹脂を製造するにあたり、サリチル酸の源としては、サリチル酸をそのまま原料として用いることも可能であり、またサリチル酸メチル、サリチル酸エチル、サリチル酸イソプロピル、サリチル酸n−ブチル、サリチル酸イソブチル、サリチル酸tert−ブチル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸フェニル等のサリチル酸エステルを原料として用い、樹脂化した後加水分解してサリチル酸とすることも可能である。特に好ましいのは、油状で、未反応分の蒸留回収も容易、且つ安価なサリチル酸メチルである。
また、式(2)で表されるスピロビインダンジフェノール(以下、SPIと略称)は、例えば、特開昭62−010030に開示されている方法、すなわち、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)を酸触媒の存在下に加熱することにより解裂、環化する方法により得ることができる。
【0010】
サリチル酸もしくはサリチル酸エステルとSPIとの縮合剤となる前記一般式(3)で表されるアラルキルアルコール誘導体もしくはアラルキルハライドとしては、α,α’−ジヒドロキシ−p−キシレン、α,α’−ジヒドロキシ−m−キシレン、α,α’−ジヒドロキシ−o−キシレン、α,α’−ジメトキシ−p−キシレン、α,α’−ジメトキシ−m−キシレン、α,α’−ジメトキシ−o−キシレン、α,α’−ジエトキシ−p−キシレン、α,α’−ジエトキシ−m−キシレン、α,α’−ジエトキシ−o−キシレン、α,α’−ジイソプロポキシ−p−キシレン、α,α’−ジイソプロポキシ−m−キシレン、α,α’−ジイソプロポキシ−o−キシレン、α,α’−ジ−n−ブトキシ−p−キシレン、α,α’−ジ−n−ブトキシ−m−キシレン、α,α’−ジ−n−ブトキシ−o−キシレン、α,α’−ジ−sec−ブトキシ−p−キシレン、α,α’−ジ−sec−ブトキシ−m−キシレン、α,α’−ジ−sec−ブトキシ−o−キシレン、α,α’−ジ−tert−ブトキシ−p−キシレン、α,α’−ジ−tert−ブトキシ−m−キシレン、α,α’−ジ−tert−ブトキシ−o−キシレン、α,α’−ジクロロ−p−キシレン、α,α’−ジクロロ−m−キシレン、α,α’−ジクロロ−o−キシレン、α,α’−ジフルオロ−p−キシレン、α,α’−ジフルオロ−m−キシレン、α,α’−ジフルオロ−o−キシレン、α,α’−ジブロモ−p−キシレン、α,α’−ジブロモ−m−キシレン、α,α’−ジブロモ−o−キシレン、α,α’−ジヨード−p−キシレン、α,α’−ジヨード−m−キシレン、α,α’−ジヨード−o−キシレン等が挙げられ、特に好ましいものとして、α,α’−ジクロロ−p−キシレン、α,α’−ジクロロ−m−キシレン、α,α’−ジヒドロキシ−p−キシレン、α,α’−ジヒドロキシ−m−キシレン、α,α’−ジメトキシ−p−キシレン、α,α’−ジメトキシ−m−キシレン等が挙げられる。これらは単独で、あるいは2種以上の混合物で用いられる。特に、p−キシリレン誘導体とm−キシリレン誘導体は、最終的に得られる樹脂の軟化点や溶融粘度等の物性に大きく差を生じるため、混合比率により、ある程度任意の物性に調整することが可能である。
【0011】
本発明のサリチル酸系アラルキル樹脂の製造においては、反応に用いるサリチル酸もしくはサリチル酸エステル/SPIは、モル比で99.5/0.5〜70/30の範囲、好ましくは99/1〜75/25の範囲、より好ましくは95/5〜80/20の範囲である。
また、(サリチル酸もしくはサリチル酸エステル+SPI)/アラルキル化合物は、モル比で1.1/1〜15/1の範囲、好ましくは1.3/1〜10/1の範囲、より好ましくは1.3/1〜5/1の範囲である。この範囲よりモル比が1に近づくと高分子量化が激しく、時にゲル状となり、実質的に製造不可能となる場合もある。逆に大きくなると、分子量の低下のために耐熱性が低下し、また、工業的には、未反応原料が多く容積効率が悪くなるため、コスト的に不利になる傾向がある。
本発明の製造方法においては、未反応のサリチル酸もしくはサリチル酸エステルが残ることもあるが、その場合には、減圧蒸留、水洗、アルカリ洗浄などの任意の方法で除去することが望ましい。(サリチル酸もしくはサリチル酸エステル+SPI)/アラルキル化合物のモル比が1に近づくにつれて、未反応成分は減少するため、実質的に問題が無いと判断される場合には必ずしも除去する必要は無くなる。
【0012】
本発明の製造方法においては、反応は酸触媒の存在下において行われる。触媒としては、具体的には、塩酸、硫酸、りん酸等の鉱酸類、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ジエチル硫酸等の有機酸、塩化アルミニウム、塩化鉄、塩化錫、三フッ化ほう素等のルイス酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の超強酸であるパーフルオロアルカンスルホン酸類、アルカンスルホン酸型イオン交換樹脂、ナフィオン(商品名:デュポン社)に代表される超強酸であるパーフルオロアルカンスルホン酸型のイオン交換樹脂等が挙げられる。これらは、単独あるいは2種以上混合して用いられる。
その使用量は種類にもよるが、全原料の重量に対して0.0001重量%〜50重量%の範囲、好ましくはパーフルオロアルカンスルホン酸(超強酸)の場合で0.0001重量%〜1重量%、鉱酸類、ルイス酸類の場合で0.001重量%〜10重量%、イオン交換樹脂類の場合で1重量%〜50重量%の範囲である。なお、反応に用いるアラルキル化合物がアラルキルハライドである場合には、反応に伴い生じるハロゲン化水素を触媒として考えることも可能であり、その量が充分である場合には見かけ上無触媒で反応させることも可能である。
【0013】
反応の際には、実質的に反応に関与しない溶媒の使用は差し支えない。例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の芳香族系溶媒、N,N−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、スルホラン、ジメチルスルホキサイド等の非プロトン性極性溶媒等を任意の使用量で用いれば良い。
なお、トルエン、キシレン等は厳密には酸触媒の存在下において、アラルキル化合物と反応するが、その反応速度は一般にフェノール類よりはるかに遅く、従って、サリチル酸類およびSPIの存在する本反応においては無視して良い程度である。しかし、僅かに樹脂中に混入してくるトルエンもしくはキシレン類の不純物が不都合である場合には使用を避けた方が良い。
通常は、使用するサリチル酸類がサリチル酸メチルの様な液体であり、また、無溶媒で充分撹拌可能で、しかも、均一な溶液となる場合には、溶媒を使用する必要はない。
反応温度は、80〜250℃、好ましくは100〜200℃、より好ましくは120℃〜180℃の範囲である。反応時間は、実質的にアラルキル化合物が消失するまで、一般的には1〜30時間の範囲であるが、現実的には高速液体クロマトグラフィーやガスクロマトグラフィーでアラルキル化合物の消失を確認するか、もしくはGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により組成の完成を確認した時点を反応終了とすることが望ましい。
【0014】
反応終了後、原料としてサリチル酸エステルを用いた場合は、エステル基の加水分解が必要になるが、通常の酸、もしくはアルカリによる加水分解を行い、サリチル酸系樹脂へと導けば良い。特に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物が望ましい。
この時、加水分解に必要なアルカリ金属の水酸化物は、回収された未反応サリチル酸エステルから推定される樹脂中のエステル基に対する小過剰量で良いが、樹脂のアルカリ金属塩を完全に水溶液とするためには、アルカリ金属の水酸化物を2倍当量以上用いた方が良い。経済的考慮を加えるならば、好ましくは2.0〜5.0倍当量、より好ましくは2.1〜3.0倍当量の範囲にあることが望ましい。もしこの段階で不溶物が生じていれば、これを濾別し、中和することにより目的とするサリチル酸系アラルキル樹脂が得られる。
実際には、この樹脂を中性になるまで洗浄し、目的とするフォトレジスト用途へと提供することができる。洗浄方法は水によるスラッジが簡単であるが、最も好ましいのは有機溶媒を用いて溶液とし、水洗、分液する方法である。
この様にして得られた本発明のサリチル酸系アラルキル樹脂は、通常のフェノール樹脂として、例えば、エポキシ樹脂原料やエポキシ樹脂の硬化剤、あるいは成形、注型、接着、塗料等の分野に用いることが可能であるが、特にフォトレジスト用の材料として用いたとき非常に高い性能を発揮する。
【0015】
本発明のフォトレジスト用樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂として本発明のサリチル酸系アラルキル樹脂を含有し、さらに感光剤を含有するフォトレジスト用樹脂組成物である。本発明のフォトレジスト用樹脂組成物において、本発明のサリチル酸系アラルキル樹脂は、用いられるアルカリ可溶性樹脂中に1重量%〜100重量%の範囲で、すなわち、ベースレジンそのものとして単独で用いる場合から、感度調節剤、添加剤として用いられる場合まで様々な使用形態が可能である。
本発明のフォトレジスト用樹脂組成物において、用いられる他のアルカリ可溶性樹脂としては、フェノール、クレゾール、ナフトール等のフェノール性化合物とアルデヒド類とを酸触媒の存在下において反応させて得られる、いわゆるノボラック類、フェノール性化合物とジシクロペンタジエンとを反応させて得られるフェノール−ジシクロペンタジエン樹脂、フェノール性化合物と前記一般式(3)で表されるアラルキルアルコール誘導体もしくはアラルキルハライドとを反応させて得られるフェノールアラルキル樹脂、ヒドロキシポリスチレンまたはその水素化物、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。
【0016】
感光剤としては、任意の感光剤が用いられるが、キノンジアジドスルホン酸エステルが好ましい。キノンジアジドスルホン酸エステルとしては、キノンジアジドスルホン酸クロライドと各種のフェノール類から誘導されるものであればよく、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、フロログリシン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,3’,4−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、等のパーヒドロキシベンゾフェノン類、没食子酸アルキルエステル、2,2−ビス〔(ポリ)ヒドロキシフェニル〕プロパン等のビス〔(ポリ)ヒドロキシフェニル〕アルカン類、オキシフラバン等の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、もしくは1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル類等である。
キノンジアジドスルホン酸エステル類の添加量は、フォトレジスト用樹脂組成物として、その固形分中の5〜50重量%の範囲にあることが望ましい。
さらに、本発明のフォトレジスト用樹脂組成物には、必要に応じて、その他の少量の樹脂、感度調節剤、染料等を添加することもできる。
【0017】
本発明のフォトレジスト用樹脂組成物は、通常、有機溶媒を用いてスピンコートにより塗布されるのが一般的であるが、この目的に使用される溶媒には、適当な沸点と蒸気圧、即ち、適度な乾燥速度を有し、且つ溶媒が蒸発、乾燥したときに平均的で均一な塗膜を与えることが求められる。
使用される溶媒として例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、プロピレングリコール、2,−ヒドロキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、ピルビン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン等が挙げられる。これら溶媒は、単独で使用してもよく、数種類を併用しても良い。
この時の濃度は、フォトレジスト用樹脂組成物としての固形分濃度として5〜75重量%、好ましくは10〜50重量%、より好ましくは20〜40重量%の範囲であることが好ましい。
【0018】
調製されたフォトレジスト用樹脂組成物の溶液は、スピンコート前に、フィルターで濾過し、不溶物および微細なゴミ等を除去することが望ましい。その後、スピンコーター(回転塗布機)を用いて、シリコンウェハー等の基盤上に塗布する。次いで、この基盤を50〜150℃で30〜180秒間ベークし、さらにフォトマスクを介して露光機で露光し、アルカリ性水溶液で現像することでパターンを描くことができる。
この現像液としてのアルカリ水溶液とは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−(5,4,0)−7−ウンデセン等のアルカリ性化合物を1〜20重量%、好ましくは1〜10重量%となるように調製して用いられる。
【0019】
露光の際用いられる放射線としては、g線(426nm)、i線(365nm)、Kr−Fエキシマレーザー(248nm)等が用いられるが、現在一般的なi線もしくはより高エネルギーであり高解像度、高感度化が可能なエキシマレーザーでの使用が好ましい。
なお、本発明の樹脂は、ポジ型フォトレジストのみならず、いわゆる化学増幅型の露光方法をとることも可能である。
【0020】
【実施例】
以下に、実施例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら制限を受けるものではない。
実施例1
温度計、撹拌機、ディーン・シュターク水分離器および還流冷却器を備えたガラス製反応装置に、サリチル酸メチル;913.2g(6mol)、SPI;23.4g(0.076mol)、トリフロロメタンスルホン酸;0.25molを装入し、撹拌を行いながら150℃まで昇温した。
さらに撹拌を行い、150〜160℃の温度を保ちながら、α,α’−ジメトキシ−p−キシレン;332g(2mol)を4時間で滴下した。反応にともない生じるメタノールは、ディーン・シュターク水分離器を用い、順次系外へ除去した。反応は少量の窒素気流下で行った。
滴下終了後、同温度を保ちながら2時間熟成し、メタノールの留出が完全に無くなっていることを確認した後、最高170℃、5mmHgの条件で未反応サリチル酸メチルを留去した。回収されたサリチル酸メチルは120gであった。
得られたサリチル酸メチル−SPI樹脂を高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、未反応のSPIモノマーは検出されなかった。
このサリチル酸メチル−SPI樹脂にトルエン300gを加え、均一なトルエン溶液とした。このトルエン溶液を、水酸化ナトリウム;320g(8モル)、水1600gの水溶液中に、85〜95℃を保ちながら、3時間で滴下した。共沸するトルエン/水は系外へ除去した。2時間熟成後、サリチル酸メチルが加水分解されると、均一な水溶液となり、不溶分はなかった。
このアルカリ水溶液を、8.8モルの塩酸を含む塩酸水2000g中に4時間で滴下し、中和することにより樹脂が粉状で析出した。滴下終了後、酸性であることを確認してさらに2時間スラリーを行い熟成した。
この後濾過し、さらに水1500gで3回スラリー洗浄し、濾液が中性になるのを確認し、乾燥して550gのサリチル酸系アラルキル樹脂を粉体で得た。
この樹脂のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による分子量(Mw)は2130(ポリスチレン換算、以下同じ。)であった。
【0022】
実施例2
温度計、撹拌機、ディーン・シュターク水分離器および還流冷却器を備えたガラス製反応装置に、サリチル酸メチル;913.2g(6mol)、トリフロロメタンスルホン酸;0.25molを装入し、撹拌を行いながら150℃まで昇温した。さらに撹拌を行い、150〜160℃の温度を保ちながら、α,α’−ジメトキシ−p−キシレン;332g(2mol)とSPI;23.4g(0.076mol)の混合溶液を4時間で滴下した。反応にともない生じるメタノールは、ディーン・シュターク水分離器を用い、順次系外へ除去した。反応は少量の窒素気流下でおこなった。滴下終了後、同温度を保ちながら2時間熟成し、メタノールの留出が完全に無くなっていることを確認した後、最高170℃、5mmHgの条件で未反応サリチル酸メチルを留去した。回収されたサリチル酸メチルは120gであった。得られたサリチル酸メチル−SPI樹脂を高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、未反応のSPIモノマーは検出されなかった。このサリチル酸メチル−SPI樹脂にトルエン300gを加え、均一なトルエン溶液とした。このトルエン溶液を、水酸化ナトリウム;320g(8モル)、水1600gの水溶液中に、85〜95℃を保ちながら、3時間で滴下した。共沸するトルエン/水は系外へ除去した。2時間熟成後、サリチル酸メチルが加水分解されると、均一な水溶液となり、不溶分はなかった。このアルカリ水溶液を、8.8モルの塩酸を含む塩酸水2000g中に4時間で滴下し、中和することにより樹脂が粉状で析出した。滴下終了後、酸性であることを確認してさらに2時間スラリーを行い熟成した。この後濾過し、さらに水1500gで3回スラリー洗浄し、濾液が中性に成るのを確認し、乾燥して550gのサリチル酸系アラルキル樹脂を粉体で得た。この樹脂のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による分子量(Mw)は1860であった。
【0024】
実施例3
実施例1で得られた樹脂17重量部、および、ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロライドと4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンから常法により合成されたジエステルを感光剤として5重量部を、エチルセロソルブアセテート48重量部に溶解し、レジスト液とした。0.2μmのテフロンフィルターで濾過したこの溶液を、常法によりよく洗浄されたシリコンウェハーにスピンコーターを用い、1.2μmの厚さに塗布し、100℃のオーブンで60秒間ベークした。次いで、このシリコンウェハーを、365nm(i線)の露光波長を有する縮小投影露光機(ニコン社製:NSR−17551i7ANA=0.50)により露光した。その後、110℃に維持されたオーブン内で1分間焼成した。これを2.4重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で1分間現像することによりポジ型パターンを得た。得られたレジストパターンについて、下記の方法で評価を行った。評価結果を表−1(表1)に示した。
【0025】
《レジストの評価方法》
◎ 感度
縮小投影露光機の露光時間を変化させ、365nm(i線)により露光した後、2.4重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液により25℃で60秒間現像し、シリコンウェハー状にポジ型レジストを形成した。その最適露光時間〔線幅0.35μmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を1対1の幅に生成する露光時間〕を感度とした。
◎ 解像度
最適露光時間で露光した時に解像されている最小のレジストパターンの寸法を解像度とし、比較例と同等の寸法を△、それより寸法の小さな物を○、それより寸法の大きな物を×とした。
◎ フォーカス許容性
線幅0.35μmの1L1Sを走査型電子顕微鏡を用いて観察し、解像されるパターン寸法がマスクの設計寸法の±10%以内であり、且つレジストパターンの現像前の膜の厚さに対する現像後の膜の厚さの割合(残膜率)が90%以上である場合の焦点の振れ幅からフォーカス許容性を評価した。比較例と同等のものを△、それより振れ幅の大きなものを○、それより振れ幅の小さなものを×とした。
◎ 現像性
走査型電子顕微鏡を用いて、比較例よりスカムや現像残りの少ないものを○、同等のものを△、スカムや現像残りの多いものを×とした。
◎ パターン形状
線幅0.35μmの1L1Sの方形状断面の下辺の寸法L1と上辺の寸法L2とを走査型電子顕微鏡を用いて測定し、0.85≦L2/L1≦1であり、且つパターン形状が垂直である場合を○とした。またこれらの条件を欠くものを×とした。
◎ 耐熱性
レジストパターンを形成したシリコンウェハーを130℃のオーブンで2分間加熱し、パターン形状が崩れない場合を○、端が崩れ始めている程度のものを△、完全に崩れ、形状が崩壊しているものを×とした。
【0027】
実施例4
実施例3における樹脂を、実施例1のものから実施例2において合成された樹脂に代えた以外は、同様にして得たレジストパターンの評価を行った。結果を表−1に示した。
【0029】
実施例5
実施例3における樹脂を、ノボラック樹脂(#1)8.5重量部、実施例2の樹脂8.5重量部の混合物とした以外は、同様にして得たレジストパターンの評価を行った。結果を表−1に示した。
(#1)ノボラック樹脂:m−クレゾール/p−クレゾール=7/3、クレゾール/ホルマリン=1/0.8、しゅう酸触媒で還流下において反応させて得られた、分子量(Mw)=9800の樹脂。
【0031】
比較例1
実施例5における樹脂を、ノボラック樹脂(#1)17重量部に代えた以外は同様にして得たレジストパターンの評価を行った。結果を表−1に示した。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】
本発明のサリチル酸系アラルキル樹脂は新奇な樹脂であり、この樹脂をアルカリ可溶性樹脂として含有するフォトレジスト用樹脂組成物は、高感度、高解像度を有し、且つ耐熱性にも優れたフォトレジスト用樹脂組成物である。
Claims (6)
- アルカリ可溶性樹脂と感光剤を含有して成るフォトレジスト用樹脂組成物において、アルカリ可溶性樹脂の必須の成分として請求項1記載のサリチル酸系アラルキル樹脂を用いることを特徴とするフォトレジスト用樹脂組成物。
- アルカリ可溶性樹脂中に、サリチル酸系アラルキル樹脂を1重量%〜99重量%含有することを特徴とする請求項3記載のフォトレジスト用樹脂組成物。
- 感光剤がキノンジアジドスルホン酸エステルである請求項3〜5のいずれかに記載のフォトレジスト用樹脂組成物。
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JP17329096A JP3654714B2 (ja) | 1996-07-03 | 1996-07-03 | サリチル酸系アラルキル樹脂、その製造方法、およびそれを用いたフォトレジスト用樹脂組成物 |
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