JPH0832971B2 - 耐摩耗性の改良された高強力高弾性率繊維 - Google Patents

耐摩耗性の改良された高強力高弾性率繊維

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JPH0832971B2
JPH0832971B2 JP63052266A JP5226688A JPH0832971B2 JP H0832971 B2 JPH0832971 B2 JP H0832971B2 JP 63052266 A JP63052266 A JP 63052266A JP 5226688 A JP5226688 A JP 5226688A JP H0832971 B2 JPH0832971 B2 JP H0832971B2
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潤洋 中川
洋一 山本
喜雄 岸野
貢 秋山
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐疲労性が改良された高強力、高弾性率繊
維に関するものであり、この繊維を用いた産業上の利用
例としては次の様なものがあり、本発明の方法によつて
得られる繊維もこの様な用途に適するものである。
1.バルブ状で使用されるもの 1)摩耗材(他繊維との混合使用、樹脂の補強)ブレー
キライニング、クラツチフエーシング、軸受け 2)その他 パツキン材、ガスケツト、ろ過材、研磨材 2.カツトフアイバー、チヨツプドヤーン状で使用される
もの 紙(絶縁紙、耐熱紙)、スピーカー用振動材、セメント
補強材、樹脂補強材 3.フイラメント、紡績糸、ヤーン状で使用されるもの テンシヨンメンバー(光フアイバー等)、ロープ、コー
ド、命綱、釣り糸、縫い糸、延縄 4.織物あるいは編物状で使用されるもの 自動車、列車、船、飛行機等の内張、防護具(防弾チヨ
ツキ、安全手袋、安全ネツト、ギプス、魚網、耐熱耐炎
服、マフラー、前掛け)、人工腱 5.ゴム、樹脂補強用に使用されるもの 1)ゴム関係 タイヤ、ベルト、各種タイミングベルト、ホースのゴ
ム補強用資材 2)樹脂関係(カーボン、ガラス繊維とのハイブリツ
ト) スキー板、ゴルフクラブやゲートボールのヘツドとシ
ヤフト、ヘルメツト、バツト、テニスやバトミントンの
ラケツトフレーム、メガネフレーム、プリント基盤、モ
ーター回転子のスロツト、絶縁物、パイプ、高圧容器、
自動車、列車、船、飛行機等の一次あるいは二次構造体 等があげられる。
〔従来の技術〕
異方性溶融物を形成し得る芳香族ポリエステルポリマ
ーを適当な条件で紡糸し(必要によつては熱処理および
/又は延伸し)て高強力高弾性率繊維を製造する技術は
特公昭55−2008号公報、特開昭60−239600号公報等で公
知である。
〔本発明が解決しようとしている問題点〕
異方性溶融相を形成し得る芳香族ポリエステルから得
られる繊維は高度に分子が配向し、高強力、高弾性率を
有する。特に6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸とp−ヒ
ドロキシ安息香酸のポリエステルは、繊維形成能が非常
に良好であり、高強力と高弾性率を有し、耐熱性、耐薬
品性等の優れた性能を持ち、製造面と性能面でバランス
のとれた優秀な高性能繊維である(特開昭54−77691号
公報)。
しかし、これらの繊維は高度に配向したフイブリル構
造をとるため、摩擦によつて容易にフイブリル化し、そ
れが更に表面の平滑性を悪くするため耐摩耗性を低下さ
せるため、ロープ、コード、網の用途分野で改良が望ま
れていた。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、芯成分Aが異方性溶融相を形成し得る芳香
族ポリエステルであり、鞘成分Bが、フッソ含有熱可塑
性ポリマーからなる複合繊維であつて該繊維の横断面に
占めるB成分の面積比B/(A+B)が0.05〜0.5である
ことを特徴とする耐疲労性の改良された高強力高弾性率
繊維である。
本発明に言う異方性溶融相を形成し得る芳香族ポリエ
ステルとは、芳香族ジオール、芳香族ジカルボン、芳香
族ヒドロキシカルボン酸等を主成分とするポリマーであ
り、溶融相において光学的異方性を示すものである。こ
のような特性は、ホツトステージにのせた試料を窒素雰
囲気下で昇温加熱し、その透過光を観察することにより
容易に設定することが出来る。
本発明に使用される異方性溶融物の好ましい例は、下
記に示す反復成分の組合せからなるものである。
本発明の効果が最も顕著に発揮されるのは、 本発明に言う本質的に下記〔I〕、〔II〕の反復構成
単位から成る部分が80重量%以上であるポリマー、特に
〔II〕の成分が5〜45%である芳香族ポリエステルであ
る。
本発明に言うフツソ含有熱可塑性ポリマーとは例え
ば、ポリ四フツ化エチレン、ポリ三フツ化塩化エチレ
ン、ポリ二フツ化ビニリデン、ポリ四フツ化エチレン−
六フツ化プロピレン共重合体、ポリ四フツ化エチレン−
パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリ四フ
ツ化エチレン−エチレン共重合体、ポリ四フツ化エチレ
ン−プロピレン共重合体、ポリフツ化ビニル、ポリ三フ
ツ化塩化エチレン−エチレン共重合体等が挙げられる
が、これらの内好ましくは、ポリ三フツ化塩化エチレ
ン、ポリ四フツ化エチレン−六フツ化プロピレン共重合
体であるが、特にポリ四フツ化エチレン−六フツ化プロ
ピレン共重合体、ポリ三フツ化塩化エチレンまたはポリ
四フツ化エチレン−エチレン共重合等がより好ましい。
前記フツ素樹脂中には、通常繊維の添加剤として使用さ
れる顔料、熱安定剤、滑剤、螢光増白剤等が添加されて
いてもよい。
本発明に言う複合繊維とは、芯成分が前記A成分から
なり、鞘成分が前記B成分からなるものであり、横断面
における鞘成分(B成分)の面積比R=B/(A+B)
(ただし、A、Bは繊維横断面の顕微鏡写真から求めた
芯、鞘部の面積である)が0.05〜0.5、好ましくは0.1〜
0.3の範囲にあるものである。ここでRが0.05未満で
は、鞘成分の被覆が十分でなく、一部芯が露出したり、
摩耗により容易に剥れたりする。逆に0.5を越えると芯
成分の比率が減少し、結果として強度、弾性率が低下し
本発明の目的に適合しない。
複合繊維を得るには、公知の方法、例えば第1図の装
置で紡糸される。芯成分の好ましい条件は紡糸温度は、
A,B各成分の融点の高い方より更に10℃以上高い温度
で、また芯成分は、高配向度を得るため吐出持の剪断速
度()を103sec-1以上にすることが好ましい。
本発明に言う剪断速度()とは、ノズル径をr(c
m)、単孔当りのポリマー吐出量をQ(cm3/sec)とする
とき で計算される。
複合繊維の断面形状は、単純な芯鞘型の他、第2図に
示す如き各種のものが可能である。
本発明の複合繊維は、紡糸した状態で既に十分な強
度、弾性率を有しているが、熱処理および/又は延伸熱
処理により更に性能アツプすることも出来る。熱処理
は、窒素等の不活性雰囲気や空気の如き酸素含有の活性
雰囲気中または真空中で行なえれる。好ましい温度条件
は、A成分の融点をMPとするときMP−60℃からMP+20℃
の範囲で、MP−40℃以下から順次昇温して行くパターン
がより好ましい。処理時間は、目的の性能により数秒か
ら数十時間行うことが出来る。
熱の供給は、気体等の媒体を行う場合、加熱板、赤外
ヒーター等による輻射を利用する方法、熱ローラ、プレ
ート等に接触して行う方法、高周波等を利用した内部加
熱方法等がある。
処理は、目的により緊張下あるいは無緊張下で行なわ
れる。処理の形状は、カセ状、チーズ状、トウ状(例え
ば金網等にのせて行う)あるいはローラ間の連続処理に
よつて行なわれる。繊維の形態は、フイラメント、カツ
トフアイバーいずれも可能である。
延伸はA成分の融点より60℃以上低い温度で切断伸度
の10〜60%行うことが好都合である。この処理により弾
性率が向上する。
本発明は、芯成分である溶融液晶ポリマーからなる繊
維の最大の特徴である高強度、高弾性率、寸法安定性、
耐熱性、耐薬品性をそのまま保持し最大の欠点である表
面フイブリル化、耐摩耗性を著しく改良したものであ
る。
本発明に言うフイブリル化とは、ヤーンを100gの張力
下で三点のチタンガイドに通し、100m/minで1時間走行
させた時のガイドに付着するフイブリルの量により、多
いものを×、全く出ないものを○、中間を△として評価
した。
本発明に言う摩耗性とは、試料ヤーンを10本引揃え、
反転回転体と他端の滑車とに1.5回ヨリ合せ、8の字状
にセツトし滑車に3kgの荷重をかけ、反転回転体でヤー
ンを往復ヨリ合せ摩耗させ切断までの回数を求める繊維
間摩耗と、1/10g/dの荷重をかけ、直径10cmの丸砥石
(回転数:100回/分、接触角:100度)で切断までの回数
で示すグラインダー摩耗テストの両者で評価した。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する
が、本発明は、これにより限定されるものではない。
実施例1) A成分として前記構成単位〔I〕と〔II〕が7/3モル
%比である全芳香族ポリエステルポリマーを使用した。
このポリマーの物性は、 ηinh=6.1dl/g MP=278℃ である。固有粘度(ηinh)は次のようにして求めた。
試料をペンタフルオロフエノールに0.1重量%溶解し
(60〜80℃)、60℃の恒温槽中で、ウツペローデ型粘度
計で測定する。
又融点(MP)は、DSCにより求めた吸熱ピーク温度で
ある。
B成分としては、ポリ三フツ化塩化エチレンを用いA
成分とB成分の複合比率(重量比)は、7.5/2.5で第1
図に示す50ホールの口金より紡糸温度320℃で吐出し
た。巻取速度は350m/minで、500dr/50fのフイラメント
を得た。このものの原糸性能は、 ヤーンデニール(DR): 513dr 強 度 (DT): 8.3g/d 伸 度 (DE): 3.2% 初期弾性率 (IM): 530g/d B成分の面積比(R): 0.28 であつた。
この紡糸原糸を穴あきアルミボビンに巻き密度0.57g/
ccで巻き、260℃で1時間、270℃から280℃まで4時
間、280℃から285℃まで15時間窒素雰囲気中で熱処理を
した。得られた熱処理糸の性能は DR: 508dr DT: 23.0g/d DE: 4.33% IM: 587g/d であつた。
実施例1〜6,比較例1〜2 実施例1のA,Bポリマーの複合割合を種々変更したこ
と、およびヤーンデニールを変更したこと以外、本質的
に実施例1と同様の方法で各種の熱処理糸を得た。結果
を第1表にまとめる。
比較例2は、強度、初期弾性率が低い。実施例5,6
は、芯のデニールが比較例1とほぼ同一になるようにし
たものである。第2表にそれぞれの評価結果を示す。
本発明の例はいずれもフイブリル化は全く生じず、ヤ
ーンデニール同一で比較した実施例1〜4では、繊維間
摩耗が10倍以上改良されており、芯成分デニールを同一
にして比較した実施例5,6では、40倍以上改良されてい
る。
実施例7) B成分としてポリ四フツ化エチレン−六フツ化プロピ
レン共重合体、A成分として実施例1)と同一の全芳香
族ポリエステルを使用し、AとBの複合比率を8/2と
し、図1に示す構造のノズルより320℃で吐出し直径0.6
mmφのモノフイラメントを得た。このものの強度は7.3g
/dであった。このものを280℃で20時間、モレキュラー
シーブスを通過させた空気により処理した。得られたモ
ノフイラメントの強度は15.2g/dであつた。このものの
繊維間摩耗は100万回でも接断しなかつた。またグライ
ンダー摩耗も20万回でも接断しなかつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の複合繊維を得るための紡糸口金の一例
を示す要部断面図、第2図は本発明での複合繊維の断面
形状を示す例である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−239600(JP,A) 特開 昭54−77691(JP,A) 特開 昭56−144218(JP,A) 特開 昭61−275479(JP,A) 特開 昭57−205588(JP,A) 特公 昭62−44047(JP,B2)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芯成分Aが、異方性溶融相を形成し得る芳
    香族ポリエステル、鞘成分Bがフツソ含有熱可塑性ポリ
    マーからなる複合紡糸繊維であつて、該繊維の横断面に
    占めるB成分の面積比B/(A+B)が0.05〜0.4である
    ことを特徴とする耐摩耗性の改良された高強力高弾性率
    繊維
  2. 【請求項2】芯成分Aが本質的に下記〔I〕、〔II〕の
    反復構成単位から成る部分が80重量%以上である溶融異
    方性芳香族ポリエステルであることを特徴とする耐摩耗
    性の改良された高強力高弾性率繊維
JP63052266A 1988-03-04 1988-03-04 耐摩耗性の改良された高強力高弾性率繊維 Expired - Lifetime JPH0832971B2 (ja)

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WO2017170823A1 (ja) * 2016-04-01 2017-10-05 東レ・モノフィラメント株式会社 芯鞘複合繊維およびそれを用いてなる織物と水産資材

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