JPH0832908B2 - 低コレステロール油脂の製造方法 - Google Patents

低コレステロール油脂の製造方法

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JPH0832908B2
JPH0832908B2 JP2338998A JP33899890A JPH0832908B2 JP H0832908 B2 JPH0832908 B2 JP H0832908B2 JP 2338998 A JP2338998 A JP 2338998A JP 33899890 A JP33899890 A JP 33899890A JP H0832908 B2 JPH0832908 B2 JP H0832908B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は油脂からコレステロールを除去する方法に関
するものである。
[従来の技術] コレステロールの過剰摂取が、動脈硬化症や心筋梗塞
等の成人病の原因の1つとなていることから、食餌性コ
レステロールの摂取を抑えることが、重大な関心事とな
ってきている。実際に、病院等で実施されている栄養指
導でも、血中コレステロール値の高い人には、コレステ
ロールを多く含む動物性脂肪や卵製品が制限されてい
る。しかし一方では、動物性食品は官能的な魅力に富む
ばかりでなく、アミノ酸バランスが優れているなど栄養
学的にも貴重な栄養源である。また、魚油の場合、コレ
ステロールを多く含んではいるが、逆にコレステロール
低下作用のあるエイコサペンタエン酸等の多価不飽和脂
肪酸が豊富で、コレステロールが低減されればさらに用
途の拡大が期待できる。このため従来から、動物性油脂
のコレステロールを除去することを目的として、多くの
研究がなされてきた。例えば、ラード・ヘッド・魚油な
どに含まれるコレステロールは、一般的な油脂精製工程
での脱酸または脱臭工程で、ある程度除去されることが
知られている。またその他の方法としては、活性炭・ケ
イソウ土・白土等の吸着剤でコレステロールを吸着除去
する方法(特開昭61−136598)および、ロドコッカス属
の微生物にり油脂に含まれるコレステロールを分解する
方法(特開平−1229097)等が知られている。
前述のように、油脂に含まれるコレステロールは、一
般的な油脂精製工程での脱酸工程で、ある程度除去する
ことが出来る。
以下、参考のため、一般的な脱酸工程の概略を説明す
る。
まず原油の酸価、リン脂質含量を測定してアルカリ所
要量を求めておく。次に、油脂に対して0.1〜0.2%(重
量)の75%リン酸を添加し、リン脂質などのガム質が凝
集して沈降しやすい状態にする。次にリン酸を含めた酸
価当量の110〜120%量に相当する水酸化ナトリウムを添
加し、ラインミキサーで混合して遊離脂肪酸を石鹸油か
すとし、遠心分離機にて油層と石鹸層に分離する。該油
層を分取し、順次、水酸化ナトリウム溶液および熱湯で
洗浄し、微量に残存するガム質や、色素成分を除去す
る。水洗後の油を減圧乾燥機に送り、減圧下に加熱して
水分を除去し、脱酸工程を終了する。この工程中、コレ
ステロールなどの不ケン化物は石鹸油かすと共に除去さ
れる。例えば、日本食品油脂検査協会の報告によれば、
未精製魚油に含まれる5.0mg/g程度のコレステロールが
脱酸工程を経ることによって4.2mg/g程度に減少する旨
報告されている(「食用加工油脂技術研究会・会報第5
号),第23頁表1,(財)全日本マーガリン協会/食用加
工油脂技術研究会,昭和48年9月26日発行)。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、前記脱酸工程の本来の目的は遊離脂肪
酸の除去であり、コレステロールの除去という点からそ
の効果は低く、前述の魚油の場合でも、依然として約80
%のコレステロールが残存している。また、吸着剤でコ
レステロールを吸着除去する方法や、コレステロールを
微生物で分解する方法では、コストや安全性の点で問題
があり、工業規模での実施は困難である。
[課題を解決するための手段] そこで、本発明者らは前述のような課題を解決するた
め、効率的に、安価に、安全に、しかも従来の設備を利
用して油脂中のコレステロールを除去する方法を研究し
た結果、精製したコレステロール含有の動物性油脂にあ
らためて脂肪酸を添加し、再度脱酸工程を行うことによ
って、より効果的にコレステロールが除去されることを
見いだし、本発明に至った。
即ち、本発明の構成要旨とするところは、コレステロ
ールを含有する精製動物性油脂に脂肪酸を添加後、アル
カリ性水溶液を加えて混合撹拌し、次いで油層と石鹸層
に分離した後、該油層を分取する低コレステロール油脂
の製造方法であって、脂肪酸を精製動物性油脂に対し
て、重量比で0.5%以上添加することを特徴とする、低
コレステロール精製動物性油脂の製造方法である。
以下、本発明の内容を工程順に詳しく説明する。
まず、コレステロールを含有する精製コレステロール
油脂に脂肪酸を添加後、アルカリ水溶液を添加し混合撹
拌する。本発明が対象とする油脂は、コレステロールを
含む油脂であり、例えば魚油、豚油、牛油等の精製動物
性油脂が適している。また、添加する脂肪酸は、安全性
の面から油脂の構成成分が望ましく、パルミチン酸・ス
テアリン酸・オレイン酸・リノール酸などの脂肪酸が適
している。脂肪酸の添加量は、油脂に対して0.5%以
上、好ましくは1〜5%が望ましい。アルカリ水溶液の
濃度および添加量は、添加する脂肪酸を含めた酸化当量
の110%量以上に相当する量が好ましく、水酸化ナトリ
ウムの場合10〜30゜Beの濃度で、油脂に対して2〜10%
(重量)程度の添加量が望ましい。撹拌は、油脂と添加
した脂肪酸およびアルカリ水溶液が充分に混合されれば
よく、また、撹拌中の温度については、必ずしも通常の
脱酸工程のような高温(70〜90℃)である必要はなく、
油脂を液状に保てる温度であればよい。
次いで、前記撹拌工程により得られた混合物を油層と
石鹸層に分離し、該油層を分取する。分離方法として
は、通常、遠心分離法が用いられ、現在多くの製油工場
で脱酸工程に使用されている連続型遠心機をそのまま使
用することができる。バッチ式の遠心分離機を使用する
場合でも、1000Gにて5分間程度遠心分離すれば充分で
ある。また、分取された油脂に脂肪酸が残存する場合、
必要に応じて、アルカリ性水溶液または熱湯を加えて撹
拌し、再度遠心分離によって油層を分取する。以上の工
程によって、低コレステロール油脂が製造できる。
[実験例] 以下、実験例に基づき本発明を説明する。
〈実験例1〉 精製魚油(コレステロール含量2.3mg/g)40gに、パル
ミチン酸・ステアリン酸・オレイン酸・リノール酸を、
それぞれ1.6g添加し、ホモジナイザーにて1000rpmで撹
拌しながら、20%水酸化ナトリウム溶液(約26゜Be)を
2ml加えた。次いで、25℃で(パルミチン酸の場合は液
状とするため80℃)30分間撹拌した後、得られた混合物
を3000rpmで5分間遠心分離し、油層を分取した。分取
した魚油のコレステロール含量を測定した。その結果を
表1に示した。
本実験結果より、脂肪酸を添加せずに同様の処理を行
った場合(試料:対照)、コレステロールは除去され
ず、脂肪酸を添加することによって(本発明試料No.1,
2,3,4)、効果的にコレステロールが除去されることが
明らかである。
〈実験例2〉 精製魚油(コレステロール含量2.1mg/g)、精製牛脂
(コレステロール含量0.8mg/g)、精製豚脂(コレステ
ロール含量0.3mg/g)各々40gにオレイン酸1.6gを加え、
実験例1と同様にアルカリ水溶液を加えた後、80℃ 100
0rpmで20分間混合撹拌し、次いで遠心分離を行い、油層
を分取した。分取した各油脂のコレステロール含量を測
定した。その結果を表2に示した。
本実験結果より、魚油、牛脂、豚脂いずれの油脂の場
合でも、本発明によれば脂肪酸の添加によって効果的
に、コレステロールが除去されることが明らかである。
〈実験例3〉 精製魚油(コレステロール含量2.6mg/g)200gにオレ
イン酸0.5g,1g,2g,4g,6g,8g,10g,15gを加え、ホモジナ
イザーにて撹拌しながら、オレイン酸の添加量に応じて
適量のアルカリ水溶液を添加した。すなわち、オレイン
酸0.5〜1gに対して20%水酸化ナトリウム溶液5ml、オレ
イン酸2g〜10gに対して20%水酸化ナトリウム溶液10m
l、オレイン酸15gに対して20%水酸化ナトリウム溶液20
mlを添加した。次いで、25℃,1000rpmにて20分間撹拌
後、遠心分離を行い、油層を分取した。分取した各油脂
のコレステロール含量を測定した。その結果を表3に示
した。
本実験結果より、コレステロールの除去効率および経
済性等を考慮すれば、オレイン酸の添加量は油脂に対し
て0.5%以上、好ましくは1〜5%程度が適当と思われ
る。
〈実験例4〉 精製魚油(コレステロール含量2.3mg/g)40gにオレイ
ン酸1.6gを添加し、実施例1と同様にアルカリ水溶液を
加え、4℃、24℃、80℃にて1000rpmで20分間撹拌後、
遠心分離を行い、油層を分取した。分取した各油脂のコ
レステロール含量を測定した。その結果を表4に示し
た。
本実験結果より、油脂と、脂肪酸およびアルカリ水溶
液との混合撹拌温度は、常法よる脱酸工程のような高温
(70〜90℃)である必要はなく、低温でもコレステロー
ルの除去効率が改善されていることが明らかである。
[実施例] 精製魚油(コレステロール含量2.3mg/g)40gにオレイ
ン酸1.6gを添加し、実験例1と同様にアルカリ水溶液を
加え、24℃にて1000rpm20分間撹拌後、遠心分離を行
い、油層を分取した。得られた油脂を再度アルカリ水溶
液および熱湯にて洗浄し、真空乾燥機にて60℃30分間乾
燥し、水分を除去して低コレステロール魚油を得た。本
処理前の精製魚油と前記本発明により得られた低コレス
テロール魚油についてコレステロール含量、AV、脂肪酸
組成、水分を測定し、その結果を表5に示した。
この結果より、コレステロールは処理前の2.3mg/gか
ら0.6mg/g(約4分の1)に減少し、AV、脂肪酸組成、
水分については処理前の精製魚油と有意差はなかった。
また、官能的にも本発明による低コレステロール魚油は
処理前の精製魚油とほぼ同じ風味となり、良好であっ
た。
[効果] 以上、本発明によれば、精製動物性油脂に含有される
コレステロールを、該油脂の品質を損なうことなく効率
的に且つ低コストで除去することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松山 昌平 大阪府大阪市淀川区西中島4丁目1番1号 日清食品株式会社内 審査官 岩瀬 眞紀子 (56)参考文献 特開 昭53−15308(JP,A) 特開 昭60−248798(JP,A) 阿部芳郎監修「油脂・油糧ハンドブッ ク」昭和63年5月25日初版株式会社幸書房 発行P.324〜325,P459(下から2行〜 下から3行参照) 西川良一著「食用油脂の製造及加工」昭 和23年7月25日初版株式会社雄山閣発行 P.219〜220(表88参照)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コレステロールを含有する精製動物性油脂
    に脂肪酸を添加後、アルカリ性水溶液を加えて混合撹拌
    し、次いで油層と石鹸層に分離した後、該油層を分取す
    る低コレステロール油脂の製造方法であって、脂肪酸を
    精製動物性油脂に対して、重量比で0.5%以上添加する
    ことを特徴とする、低コレステロール精製動物性油脂の
    製造方法。
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西川良一著「食用油脂の製造及加工」昭和23年7月25日初版株式会社雄山閣発行P.219〜220(表88参照)
阿部芳郎監修「油脂・油糧ハンドブック」昭和63年5月25日初版株式会社幸書房発行P.324〜325,P459(下から2行〜下から3行参照)

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