JPH083285B2 - 構造物の制振装置 - Google Patents

構造物の制振装置

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JPH083285B2
JPH083285B2 JP1109156A JP10915689A JPH083285B2 JP H083285 B2 JPH083285 B2 JP H083285B2 JP 1109156 A JP1109156 A JP 1109156A JP 10915689 A JP10915689 A JP 10915689A JP H083285 B2 JPH083285 B2 JP H083285B2
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JP
Japan
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liquid
tank
vibration
contact surface
tanks
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JP1109156A
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彰 寺村
勤 佐々木
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Obayashi Corp
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Obayashi Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 この発明は、地震や自然風によって超高層ビルなどの
構造物に引き起される振動の抑制を、その構造物に設置
したタンク内の液体の慣性力により行なう構造物の制振
装置に関する。
《従来の技術》 近時、超高層ビルなどの構造物においては、地震や自
然風により発生する振動を、居住者の快適性を保つとい
う点から抑える必要性が出てきている。このため、例え
ば特開昭62-101764号公報に開示されているように、構
造物の所定位置にその構造物の固有周期と同一の周期で
液体を貯留するタンクを設けると共に、その液体の振動
位相が構造物の振動位相に対して所定量ズレるように設
定して両者を互いに打ち消させ、構造物の制振を図って
いる。
《発明が解決しようとする課題》 しかしながら、上記公報に開示されたような技術で
は、タンクに貯留させた液体の表面全てが振動の自由な
自由表面とされていることから、液体とタンクとの接触
面が少なく、このためそれら両者間での粘性によるダン
パ効果が弱く、振動抑制力が小さいという問題があっ
た。また、一方では液体表面の波立ちにより振動エネル
ギーが消費されてエネルギーロスとなり、有効な振動抑
制力が十分に得られないという問題があった。
さらにまた、上記液体は一般に水とされ、飲料および
防火の用に供されるものであるが、タンク内において空
気との接触面が広いため汚れ易いという不都合もあっ
た。
この発明は、上記のような背景に鑑みてなされたもの
であり、液体を確実にダンピングできると共に、波立ち
によるエネルギーロスを防止でき十分な制振作用を発揮
すると共に、液体の汚れ防止も図れる構造物の制振装置
を提供することをその目的とする。
《課題を解決するための手段》 本発明は、構造物に、構造物の固有周期と同一の周期
であって且つ相互の接触による粘性抵抗で異なる位相で
振動する液体を収容したタンクを設置した構造物の制振
装置において、タンク内部に固設されると共に、該タン
クの周縁部から離隔され且つ液体中に没入される平坦面
を有する接触面部材を配設したことを特徴とする。
また本発明は、構造物に、構造物の固有周期と同一の
周期であって且つ相互の接触による粘性抵抗で異なる位
相で振動する液体を収容したタンクを設置した構造物の
制振装置において、上記構造物の外周に配置される複数
の柱部材内に上記タンクをそれぞれ設置すると共に、上
記柱部材間に配設される梁部材に沿って前記タンクを相
互に連通する管路を配設したことを特徴とする。
《作用》 以上のような構成によれば、接触面部材の平坦面に液
体が接触させることとなり、接触面が増すので液体のダ
ンピングをより確実なものとでき、また、液体面が接触
面部材の平坦面よりも高い位置となり、液体の自由表面
が削減されるので波立ちにかかる自由表面を少なくで
き、波立ちによるエネルギーロスを低減できる。そし
て、接触面部材により空気と接する自由表面を少なくで
きるので、液体の汚れ防止も図れる。
他方、タンクを複数設置し、それらタンクを連通させ
れば、管路の内壁で充分な接触面を得ることができるの
で、液体を確実にダンピングできると共に、液体の自由
表面がタンク部位のみなので、タンク開口部を小さくす
ることで波立ちにかかる自由表面を少なくでき、また液
体の汚れ防止を図れることとなる。さらに、構造物のい
ずれの階であっても、長スパンの管路を設置するスペー
スを容易に確保することができる。
《実施例》 以下、この発明の実施例を添付図面を参照しながら説
明する。
第1図は、本発明のと好適な一実施例の適用を示す構
造物の正面図である。
本発明は基本的には、構造物1に、構造物1の固有周
期と同一の周期であって且つ相互の接触による粘性抵抗
で異なる位相で振動する液体Wを収容したタンク2を設
置した構造物の制振装置において、タンク2内部に固設
されると共に、タンク2の周縁部から離隔され且つ液体
W中に没入される平坦面22を有する接触面部材20を配設
して構成される。
この構造物1には、地震や自然風によって引き起され
る振動を抑制するため、その屋上に液体Wを貯留するタ
ンク2が設置されており、液体Wの貯留量およびタンク
2の各部寸法等を適宜調整することで、自然風等によっ
て引き起される構造物1に固有な振動周期について液体
Wの振動位相を所定量ズラし、両者の振動を相殺させて
構造物1の制振を図れるようになっている。
第2図は、第1図に示すタンクの斜視図である。
タンク2に貯留される液体Wは、一般的には構造物1
の飲料水および防火用水として用いられる水であり、そ
のタンク2内には、平坦な下面22を有する接触面部材20
が複数の脚部21の支持により島状に設置される。このと
き、接触面部材20がタンク2内周の縁部から所定間隔離
隔されると共に、液体Wの液面が接触面部材20の下面22
よりも高い位置とされる。
したがって、上述のような構成によれば、接触面部材
20の下面22に液体Wが接触されることとなり、接触面が
増すので、液体Wのダンピングをより確実なものとで
き、ダンパ効果を向上できる。このため、設定すべき構
造物1の振動に対する振動位相のズレ量を安定に維持で
き、自然風等による構造物1の振動を確実に抑制して安
定した制振を行なえる。
また、液体Wの液面が接触面部材20の下面22よりも高
い位置となり、液体Wの自由表面が削減されるので波立
ちにかかる自由表面を少なくでき、波立ちによるエネル
ギーロスを低減できる。そして、タンク2内周の縁部と
接触面部材20との間は空いているものの、接触面部材20
により空気と接する自由表面を少なくできるので、液体
Wの汚れ防止も図れる。
なお、上記実施例では、接触面部材20を複数の脚部21
の支持により島状に設置したが、これに限定されるもの
ではなく、例えば脚部21を取払い、ワイヤ部材などによ
り係留して浮橋状とするなど適宜変更可能であり、そう
した場合であっても同様な効果が得られることは言うま
でもない。
さて、第3図は、他の実施例の適用を示す構造物の正
面図である。
この発明は、構造物10に、構造物10の固有周期と同一
の周期であって且つ相互の接触による粘性抵抗で異なる
位相で振動する液体Wを収容したタンク200を設置した
構造物の制振装置において、タンク200を複数設置する
と共に、これらタンク200相互を連通して構成される。
この構造物10は、その高さが2001mと超高層なものと
なっており、所定高さの階に後述する制振装置が設置さ
れている。
第4図は、第3図に示す構造物10の上部の一部分(矢
印IV部分)を拡大した詳細図である。また、第5図は、
第4図のV−V矢視図である。
この構造物10では、第4図および第5図に示すように
第3図のIVの高さ部分においては、三本の大柱11が三角
に立設されると共に、それら大柱11が所定高さ毎に大梁
12により互いに連結されて主構造体、つまり主フロアが
構成されており、それら大梁12による所定高さ毎の主フ
ロア間に、複柱13および複梁14により各複フロアが構成
されている。
制振のためのタンク200は、主フロア位置における大
柱11部分に各々2個づつ合計6個設置されており、これ
らタンク200は、各大梁12上に所定の幅及び高さで延設
された管路220により相互に連通されている。
すなわち、主フロア上には、大梁12の長さだけ離隔さ
れるものの管路220の両端で一体に連通された対のタン
ク200が三組、三角に組合せられて設置される。なお、
これら対のタンク200には、各々液体Wが貯留され、そ
の液体Wは前述した実施例と同様、構造物10において一
般に飲料水および防火用水として用いられる。
また、上記対のタンク200各々では、地震力や自然風
の持つ力Fによって引き起される構造物10に固有な振動
周期について、液体Wの振動位相が所定量ズレるように
各部寸法等を設定してある。したがって、自然風等の力
Fによる構造物10の振動に伴ない液体Wが振動されて流
れCを生じ、その流れCに伴う慣性力の分力fが力Fを
打ち消す方向に作用する。
このような構成によれば、管路220の内壁で充分な接
触面を得ることができるので、液体Wを確実にダンピン
グできることとなり、ダンパ効果を向上できる。このた
め、前述した実施例同様、振動位相のズレ量を安定に維
持でき、確実で安定した制振を行なえる。また、図示の
ように管路220部分に比してタンク200の開口部が小さい
設定となっているので、液体Wの波立ちにかかる部分の
自由表面が少なく、波立ちによるエネルギーロスを低減
できると共に、液体Wの汚れ防止も図れる。さらに、構
造物10のいずれの階であっても、長スパンの管路220を
設置するスペースを容易に確保することができる。
尚、第4図に示すように管路220には、その開度を調
節して液体Wの流通を制御するために、制御シリンダ30
0で駆動されるロッド301により開閉駆動される制御弁30
2を設置しても良い。
《発明の効果》 以上、実施例で詳細に説明したように、この発明によ
れば、接触面部材の平坦面に液体が接触されることとな
り、接触面が増すので液体のダンピングをより確実なも
のとでき、ダンパ効果を向上できる。また、液体の自由
表面が削減されるので波立ちを防止でき、そのエネルギ
ーロスを低減することができる。そして、接触面部材に
より液体の汚れ防止も図れる。
他方、タンクを複数設置し、それらタンクを連通させ
れば、管路の内壁で充分な接触面が得られ、ダンパ効果
を向上できる。そして、タンク開口部を小さくすること
で波立ちにかかる自由表面を少なくすることができ、波
立ちによるエネルギーロスを低減できると共に、液体の
汚れ防止も図れる。さらに、構造物のいずれの階であっ
ても、長スパンの管路を設置するスペースを容易に確保
することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は第1の発明の適用を示す構造物の正面図、第2
図は第1図に示すタンクの斜視図、第3図は第2の発明
の適用を示す構造物の正面図、第4図は第3図の矢印IV
部分を拡大した詳細図、第5図は第4図のV−V矢視図
である。 1,10……構造物、2,200……タンク 20……接触面部材、22……平坦面 W……液体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】構造物に、該構造物の固有周期と同一の周
    期であって且つ相互の接触による粘性抵抗で異なる位相
    で振動する液体を収容したタンクを設置した構造物の制
    振装置において、上記タンク内部に固設されると共に、
    該タンクの周縁部から離隔され且つ上記液体中に没入さ
    れる平坦面を有する接触面部材を配設したことを特徴と
    する構造物の制振装置。
  2. 【請求項2】構造物に、該構造物の固有周期と同一の周
    期であって且つ相互の接触による粘性抵抗で異なる位相
    で振動する液体を収容したタンクを設置した構造物の制
    振装置において、上記構造物の外周に配置される複数の
    柱部材内に上記タンクをそれぞれ設置すると共に、上記
    柱部材間に配設される梁部材に沿って前記タンクを相互
    に連通する管路を配設したことを特徴とする構造物の制
    振装置。
JP1109156A 1989-05-01 1989-05-01 構造物の制振装置 Expired - Lifetime JPH083285B2 (ja)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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