JPH08328060A - 非線形光学材料 - Google Patents

非線形光学材料

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JPH08328060A
JPH08328060A JP13198595A JP13198595A JPH08328060A JP H08328060 A JPH08328060 A JP H08328060A JP 13198595 A JP13198595 A JP 13198595A JP 13198595 A JP13198595 A JP 13198595A JP H08328060 A JPH08328060 A JP H08328060A
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JP
Japan
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mol
matrix
glass
nonlinear optical
optical material
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JP13198595A
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English (en)
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Shigeaki Omi
成明 近江
Katsuaki Uchida
勝昭 内田
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Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 |χ(3)|/αの値がより大きい非線形光学
材料を提供する。 【構成】 本発明の非線形光学材料は、屈折率1.9以
上、4以下の光学的に透明なマトリックス中に、半導体
または金属からなるコアの表面を前記マトリックスおよ
び前記コアとは異なる物質からなるシェルで覆った複合
微粒子を分散させてなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は非線形光学材料、その製
造法および非線形光学材料を用いた非線形光素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】光の波長に比べて十分に小さい半導体微
粒子や金属微粒子をマトリックスガラス中に分散させた
材料(以下「微粒子分散ガラス」という)について、当
該材料が比較的大きな3次の非線形光学特性を示すこと
が報告されている(例えば、Opt.Lett.,
,511(1985)、Appl.Phys.,A4
,347(1988)、J.Opt.Soc.A
m.,73,101(1983)および『化学と工業』
44巻,392頁(1991年)参照)。このため、当
該微粒子分散ガラスは光スイッチ素子や光コンピュータ
等に用いる非線形光学材料として注目を集めている。
【0003】従来の微粒子分散ガラスにおいては、一般
に、シリケートガラス、ボロシリケートガラス、リン酸
塩ガラス、ホウ酸塩ガラス等がマトリックスとして用い
られている。例えば特開平4−46038号公報には、
前記のガラス中に半導体(CdSxSeyTez(x+y
+z=1))微粒子を分散させてなる微粒子分散ガラス
が開示されている。また、特開平5−270861号公
報には、前記のガラスに銅および/または銀の微粒子を
分散させてなる微粒子分散ガラスが開示されている。
【0004】これらの微粒子分散ガラスは、上記の公報
に記載されているがごとく、ガラスの出発原料と微粒子
の出発原料とを含む混合物を加熱・溶融させてガラス融
液としたのち、このガラス融液を室温まで冷却して微粒
子構成元素がイオンまたは原子状になってマトリックス
中に溶解している均一ガラスを得、次いでこのガラスを
室温から所定の温度まで昇温し、この所定の温度で熱処
理して微粒子を析出させる方法(一般に溶融・熱析出法
と呼ばれる)によって製造されている。
【0005】上記のガラスに微粒子を分散させてなる微
粒子分散ガラス、例えばリン酸塩ガラスにCdSe微粒
子を高濃度で分散させた半導体微粒子分散ガラスの吸収
係数αは2000cm-1程度であり、3次の非線形光学
特性の大きさを表す非線形感受率|χ(3)|は0.6×
10-6 esu程度、|χ(3)|を光吸収係数αで規格化し
た|χ(3)|/αの値は0.3×10-9 esu・cm程度
である。また、リン酸塩ガラスにCu微粒子を高濃度で
分散させた金属粒子分散ガラスの吸収係数αは4000
cm-1程度であり、3次の非線形光学特性の大きさを表
す非線形感受率|χ(3)|は1.2×10-7 esu程度、
|χ(3)|/αの値は3.0×10-11 esu・cm程度で
ある。
【0006】ところで、A.E.Neevesらによ
り、半導体微粒子の周りを金属で覆うことによって|χ
(3)|/αが大きく増大することが理論的に予測されて
いる(例えばJ.Opt.Soc.Am.B6,787
(1989))。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シリケ
ートガラス、ボロシリケートガラス、リン酸塩ガラス、
ホウ酸塩ガラス等の屈折率が比較的に低い材料をマトリ
ックスとして用いた場合、当該マトリックスに半導体微
粒子の周りを金属で覆った微粒子を分散させて非線形光
学材料を得たとしても、この非線形光学材料における|
χ(3)|/αの値は1.0×10-9 esu・cm程度以下
である。
【0008】本発明の第1の目的は、|χ(3)|/αの
値がより大きい非線形光学材料を提供することにある。
【0009】また本発明の第2の目的は、|χ(3)|/
αの値がより大きい非線形光学材料が得られる非線形光
学材料の製造法を提供することにある。
【0010】さらに、本発明の第3の目的は、より低い
光強度で駆動させることが可能な非線形光素子を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
る本発明の非線形光学材料は、屈折率1.9以上、4以
下の光学的に透明なマトリックス中に、半導体または金
属からなるコアの表面を前記マトリックスおよび前記コ
アとは異なる物質からなるシェルで覆った複合微粒子を
分散させてなることを特徴とするものである。
【0012】また上記第2の目的を達成する本発明の非
線形光学材料の製造法は、マトリックスとして屈折率
1.9以上、4以下の光学的に透明な物質を用い、溶融
・熱析出法、イオン注入法、イオン交換法、スパッタ法
またはゾル−ゲル法によって、前記マトリックス中に半
導体または金属からなるコアの表面を前記マトリックス
および前記コアとは異なる物質からなるシェルで覆った
複合微粒子を分散させてなる非線形光学材料を得ること
を特徴とするものである。
【0013】そして、上記第3の目的を達成する本発明
の非線形光素子は、マトリックスに微粒子を分散させて
なる非線形光学材料によって光路の一部または全部が形
成されており、当該非線形光学材料の非線形光学特性を
利用して光制御を行う非線形光素子であって、前記非線
形光学材料が上述した本発明の非線形光学材料であるこ
とを特徴とするものである。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
非線形光学材料においては、マトリックスとして、屈折
率1.9以上、4以下の光学的に透明な材料を用いる。
このマトリックス中に、半導体または金属からなるコア
の表面を前記マトリックスおよび前記コアとは異なる物
質からなるシェルで覆ってなる複合微粒子を分散させる
ことによって、|χ(3)|/αの値の大きな非線形光学
材料が得られる。
【0015】先ず、本発明の非線形光学材料に用いるマ
トリックスについて詳説する。屈折率1.9以上、4以
下の材料を用いる理由は、複合微粒子を分散させたガラ
スについて|χ(3)|/αの値に対するマトリックスの
屈折率の効果を研究した結果、|χ(3)|/αの値がマ
トリックスの屈折率の増加に応じて増大すること、およ
び高い非線形性を得るには屈折率の大きなマトリックス
を用いるのが好ましいことを見い出したためである。屈
折率を1.9以上と限定した理由は、屈折率1.9以上
のマトリックスを用いることによって、従来の微粒子分
散ガラスよりも|χ(3)|/αの値が大きい非線形光学
材料を得ることができるからである。また、屈折率を4
以下とした理由は、屈折率が4を超えると反射による光
損失が大きくなり、また、反射防止が困難になるからで
ある。屈折率は2.0以上、3.5以下が好ましい。
【0016】透明なマトリックスを用いる理由は、微粒
子をマトリックス中に分散させてなる非線形光学材料
は、非線形性が増大する吸収ピーク近傍、すなわちマト
リックス中に分散されている微粒子の吸収ピーク近傍の
波長領域で使用することが望まれるわけであるが、この
吸収ピーク付近にマトリックスの吸収が存在すると、入
射した光がこの吸収によって損失し、光吸収係数(α)
を増大させ、非線形材料の|χ(3)|/αの減少を引き
起こすので好ましくないからである。マトリックスの透
明性については、当該マトリックス中に分散されている
複合微粒子の吸収ピーク波長域において、光吸収係数α
が10cm-1以下であるのが好ましく、特に5cm-1
下であるのが好ましい。
【0017】マトリックスの材料としては、上記の条件
を満たすものであれば例えば非晶質物質、結晶質物質、
非晶質物質と結晶性物質との混合物等を用いることがで
きる。但し、マトリックスに光学的異方性があると方向
によって屈折、吸収、反射等の光学的特性が異り、これ
によって非線形光学特性にも方向による差異が生じるの
で、マトリックスは光学的に等方であることが好まし
い。
【0018】マトリックスの材料としての非晶質物質の
具体例としては、下記(1)〜(9)のガラスが挙げら
れる。 (1)1番目のガラス(酸化物ガラス) 必須構成成分がB23 とPbOであり、B23 の量が
15〜50 mol%であり、PbOの量が50〜85 mol
%であるガラス。B23 およびPbOの量を上記のと
おりに限定する理由は、以下のとおりである。すなわち
23 の量が15 mol%未満ではガラス化が困難であ
り、結晶化し不透明になるので好ましくなく、またB2
3 の量が50 mol%を超えると屈折率が低下し、屈折
率1.9 以上が得られなくなるからである。従って、
23 の量は15〜50 mol%に限定される。B23
の量は15〜40 mol%であるのが好ましい。また、P
bOの量が50 mol%未満では屈折率が低下し、屈折率
1.9以上が得られなくなる。また、PbOの量が85
mol%を超えるとガラス化が困難であり、結晶化して不
透明になるので好ましくない。従って、PbOの量は5
0〜85 mol%に限定される。PbOの量は55〜85
mol%であるのが好ましい。なお、このガラスにおいて
は、追加成分としてB23 、SiO2 、GeO2、Al
23、In23 、ZrO2 、Y23 、SnO、Sb2
3 またはこれらに対応するフッ化物を必要に応じて1
0 mol%以下の割合で含有することができる。
【0019】(2)2番目のガラス(酸化物ガラス) 必須構成成分がGa23 と、Bi23 と、PbOおよ
び/またはCdOであり、Ga23 の量が10〜35
mol%であり、Bi23 の量が10〜70 mol%であ
り、PbOとCdOの合量が20〜80 mol%であるガ
ラス。Ga23 の量が10 mol%未満ではガラス化が
困難であり、結晶化し不透明になるので好ましくない。
また、Ga23 の量が35 mol%を超えると屈折率が
低下し、屈折率1.9以上が得られなくなる。従って、
Ga23 の量は10〜35 mol%に限定される。Ga2
3 の量は10〜30 mol%であるのが好ましい。Bi
23 の量が10 mol%未満では屈折率が低下し、屈折
率1.9以上が得られなくなる。また、Bi23 の量
が70 mol%を超えるとガラス化が困難であり、結晶化
し不透明になるので好ましくない。従って、Bi23
の量は10〜70 mol%に限定される。Bi23 の量
は20〜70 mol%であるのが好ましい。また、PbO
とCdOの合量が20 mol%未満または80 mol%を超
えるとガラス化が困難であり、結晶化し不透明になるの
で好ましくない。従って、PbOとCdOの合量は20
〜80 mol%に限定される。PbOとCdOの合量は2
0〜70 mol%であるのが好ましい。なお、このガラス
においては、追加成分としてB23 、SiO2 、Ge
2、Al23 、In23 、ZrO2 、Y23 、Sn
O、Sb23 またはこれらに対応するフッ化物を必要
に応じて10 mol%以下の割合で含有することができ
る。
【0020】(3)3番目のガラス(酸化物ガラス) 必須構成成分がBi23 および/またはPbOと、Z
nO、BaO、CdOおよびAl23 から選ばれる少
なくとも1種であり、Bi23 とPbOの合量が30
〜85 mol%であり、ZnOとBaOとCdOとAl2
3 の合量が15〜70 mol%であるガラス。Bi23
とPbOの合量が30 mol%未満では屈折率が低下
し、屈折率1.9以上が得られなくなる。また、Bi2
3 とPbOの合量が85 mol%を超えるとガラス化が
困難であり、結晶化し不透明になるので好ましくない。
従って、Bi23 とPbOの合量は30〜85 mol%
に限定される。Bi23 とPbOの合量は40〜85
mol%であるのが好ましい。また、ZnOとBaOとC
dOとAl23 の合量が15 mol%未満ではガラス化
が困難であり、結晶化し不透明になるので好ましくな
い。また、ZnOとBaOとCdOとAl23 の合量
が70 mol%を超えると屈折率が低下し、屈折率1.9
以上が得られなくなる。従って、ZnOとBaOとCd
OとAl23 の合量は15〜70 mol%に限定され
る。ZnOとBaOとCdOとAl23 の合量は15
〜60 mol%であるのが好ましい。なお、このガラスに
おいては、追加成分としてB23 、SiO2 、Ge
2、In23 、ZrO2 、Y23 、SnO、Sb2
3 またはこれらに対応するフッ化物を必要に応じて10
mol%以下の割合で含有することができる。
【0021】(4)4番目のガラス(酸化物ガラス) 必須構成成分がGeO2 と、Bi23 、Tl2Oおよび
PbOから選ばれる少なくとも1種であり、GeO2
量が25〜70 mol%であり、Bi23 とTl2OとP
bOの合量が25〜75 mol%であるガラス。GeO2
の量が25 mol%未満または70 mol%を超えるとガラ
ス化が困難であり、結晶化し不透明になるので好ましく
ない。従って、GeO2 の量は25〜70 mol%に限定
される。GeO2 の量は25〜65 mol%であるのが好
ましい。また、Bi23 とTl2OとPbOの合量が2
5 mol%未満では屈折率が低下し、屈折率1.9以上が
得られなくなる。またBi23 とTl2OとPbOの合
量が75 mol%を超えるとガラス化が困難であり、結晶
化し不透明になるので好ましくない。従って、Bi23
とTl2OとPbOの合量は25〜75 mol%に限定さ
れる。Bi23 とTl2OとPbOの合量は35〜75
mol%であるのが好ましい。なお、このガラスにおいて
は、追加成分としてB23 、SiO2 、Al23、I
23 、ZrO2 、Y23 、SnO、Sb23 また
はこれらに対応するフッ化物を必要に応じて10 mol%
以下の割合で含有することができる。
【0022】(5)5番目のガラス(酸化物ガラス) 必須構成成分がTiO2 とPbOであり、TiO2 の量
が30〜75 mol%であり、PbOの量が25〜70 m
ol%であるガラス。TiO2 の量が30 mol%未満また
は75 mol%を超えるとガラス化が困難であり、結晶化
し不透明になるので好ましくない。従って、TiO2
量は30〜75 mol%に限定される。TiO2 の量は4
0〜65 mol%であるのが好ましい。また、PbOの量
が25 mol%未満または70 mol%を超えるとガラス化
が困難であり、結晶化し不透明になるので好ましくな
い。従って、PbOの量は25〜70 mol%に限定され
る。PbOの量は35〜60 mol%であるのが好まし
い。なお、このガラスにおいては、追加成分としてB2
3 、SiO2 、GeO2、Al23 、In23 、Z
rO2 、Y23 、SnO、Sb23 またはこれらに対
応するフッ化物を必要に応じて10 mol%以下の割合で
含有することができる。
【0023】(6)6番目のガラス(酸化物ガラス) 必須構成成分がTeO2 および/またはSb23 と、
PbOであり、TeO2とSb23 の合量が20〜95
mol%であり、PbOの量が5〜80 mol%であるガラ
ス。TeO2 とSb23 の合量が20 mol%未満また
は95 mol%を超えるとガラス化が困難であり、結晶化
し不透明になるので好ましくない。従って、TeO2
Sb23 の合量は20〜95 mol%に限定される。T
eO2 とSb23 の合量は25〜90 mol%であるの
が好ましい。また、PbOの量が5 mol%未満または8
0 mol%を超えるとガラス化が困難であり、結晶化し不
透明になるので好ましくない。従って、PbOの量は5
〜80 mol%に限定される。PbOの量は10〜75 m
ol%であるのが好ましい。なお、このガラスにおいて
は、追加成分としてLi2O、Na2O、BaO、WO
3 、ZrO2 、SnO、Sb23 またはこれらに対応
するフッ化物を必要に応じて10 mol%以下の割合で含
有することができる。
【0024】(7)7番目のガラス(酸化物ガラス) 必須構成成分がTeO2 および/またはSb23 と、
BaO、MgO、SrO、ZnOおよびCdOから選ば
れる少なくとも1種であり、TeO2 とSb23 の合
量が60〜98 mol%であり、BaOとMgOとSrO
とZnOとCdOの合量が2〜40 mol%であるガラ
ス。TeO2 とSb23 の合量が60 mol%未満では
屈折率が低下し、屈折率1.9以上が得られなくなる。
またTeO2 とSb23 の合量が98 mol%を超える
とガラス化が困難であり、結晶化し不透明になるので好
ましくない。従って、TeO2 とSb23 の合量は6
0〜98 mol%に限定される。TeO2 とSb23
合量は65〜 98 mol%であるのが好ましい。また、
BaOとMgOとSrOとZnOとCdOの合量が2 m
ol%未満ではガラス化が困難であり、結晶化し不透明に
なるので好ましくない。また、BaOとMgOとSrO
とZnOとCdOの合量が40 mol%を超えると屈折率
が低下し、屈折率1.9以上が得られなくなる。従っ
て、BaOとMgOとSrOとZnOとCdOの合量は
2〜40 mol%に限定される。BaOとMgOとSrO
とZnOとCdOの合量は2〜35 mol%であるのが好
ましい。なお、このガラスにおいては、追加成分として
23 、SiO2 、GeO2、Al23 、In23
ZrO2 、Y23 、SnO、Sb23 またはこれらに
対応するフッ化物を必要に応じて10 mol%以下の割合
で含有することができる。
【0025】(8)8番目のガラス(酸化物ガラス) 必須構成成分がBi23 と、CdOおよび/またはZ
nOと、B23 、SiO2 およびP25 から選ばれる
少なくとも1種であり、かつBi23 の量が10〜9
0 mol%であり、CdOとZnOの合量が5〜85 mol
%であり、B23とSiO2 とP25 の合量が1〜3
0 mol%であるガラス。Bi23 の量が90 mol%を
超えるとガラス化が困難であり、結晶化し不透明になる
ので好ましくない。また、Bi23 の量が10 mol%
未満では屈折率が低下し、屈折率1.9以上が得られな
くなる。従って、Bi23 の量は10〜90 mol%に
限定される。Bi23 の量は20〜80 mol%である
のが好ましい。また、CdOとZnOの合量が85 mol
%を超えると屈折率が低下し、屈折率1.9以上が得ら
れなくなる。また、CdOとZnOの合量が5 mol%未
満ではガラス化が困難であり、結晶化し不透明になるの
で好ましくない。従って、CdOとZnOの合量は5〜
85 mol%に限定される。CdOとZnOの合量は10
〜80 mol%であるのが好ましい。また、B23 とS
iO2 とP25 の合量が1 mol%未満または30 mol
%を超えるとガラス化が困難であり、結晶化し不透明に
なるので好ましくない。従って、B23 とSiO2
25 の合量は1〜30 mol%に限定される。B23
とSiO2 とP25 の合量は2〜25 mol%であるの
が好ましい。なお、このガラスにおいては、追加成分と
してGeO2 、Al23 、In23 、ZrO2 、Y2
3 、SnO、Sb23 またはこれらに対応するフッ
化物を必要に応じて10 mol%以下の割合で含有するこ
とができる。
【0026】なお、上記1〜8番目のガラスを用いてイ
オン交換法で非線形光学材料を作製する場合、追加成分
としてアルカリ金属酸化物(Li2O,Na2O,K
2O:被交換イオン)を必要に応じて10 mol%以下の
割合で含有することができる。
【0027】(9)9番目のガラス(カルコゲナイドガ
ラス) 必須構成成分が、As、GeおよびSbから選ばれる少
なくとも1種と、S、SeおよびTeから選ばれる少な
くとも1種であり、AsとGeとSbの合量が10〜6
0at%であり、SとSeとTeの合量が40〜90at%
であるガラス。AsとGeとSbの合量が10at%未満
または60at%を超えるとガラス化が困難になり、結晶
化し不透明になるので好ましくない。従って、AsとG
eとSbの合量は10〜60at%に限定される。Asと
GeとSbの合量は15〜55at%が好ましい。また、
SとSeとTeの合量が40at%未満または90at%を
超えるとガラス化が困難になり、結晶化し不透明になる
ので好ましくない。従って、SとSeとTeの合量は4
0〜90at%に限定される。SとSeとTeの合量は4
5〜85at%が好ましい。
【0028】以上マトリックスに用いることができるガ
ラスを説明してきたが、次にマトリックスに用いること
ができる結晶について述べる。マトリックスに用いるこ
とができる結晶の具体例としては、ZnS、ZnSe、
ZnTe、CuCl、CuBr、CuI、TlI、Cs
PbCl3 、AgGaSe2 、As23 、Tl3TaS
4 、Tl3TaSe4 、Tl3VS4 、CdS、CdS
e、PbS、GaSe、GaP、ダイヤモンド、Y23
、La22S、SrTiO3 、K(Ta,Nb)O
3 、Tl3TaSe4 、Bi2WO6 、Bi4Ti3
12 、Bi4Ge312 、Bi4Si312 、Y3Ga5
12 、Gd3Ga512 、(Ga,Al)As、Ga(A
s,P)、Bi12GeO20 、Bi12SiO20 、CoF
24 、PbGeO3 、Pb(Mg1/3 ,Nb2/3
3 、Pb(Mg1/3 ,Ta2/3 )O3 、Pb(Zn
1/3 ,Nb2/3 )O3 、(Pb,La)(Zr,Ti)
2 、ZnWO4 、ZnO、TiO2 、TeO2 、Ba
TiO3 、PbTiO3 、KNbO3 、LiNbO3
LiTaO3 、YAlO3 、(Sr,Ba)Nb2
6 、La2Ti27 、Ca2NbO7 、Pb5Ge3
11 、PbNb411 、Ba2NaNb515 、Pb2
Nb515 、Sr2KNb515、Ba2LiNb5
15 、K3Li2Nb515 、Ba3TiNb415 、Ge
Se、LiInS2 、LiInSe2 、CdGa2
4 、Tl3AsS4 、Tl3AsSe4 、Tl3PSe
4 、CaMoO4 、PbMoO4 、CaWO4 、Bi2
(MoO)3 、Pb2MoO5 、Bi2WO6 、YVO4
およびPb5(GeO4)(VO42 が挙げられる。こ
れらの結晶は1.9以上、4以下の屈折率を有し、なお
かつ、これらの結晶中に分散させる複合微粒子の吸収ピ
ーク付近における光吸収係数αが10cm-1以下という
透明性を有している。
【0029】マトリックスは、上記の結晶の1種単独に
より形成してもよいし、2種以上により形成してもよい
が、前述したように、マトリックスは光学的に等方のも
のが好ましい。上述した結晶の中で光学的に等方なもの
としてはZnS、ZnSe、CuCl、CuBr、Ga
P、ダイヤモンド、Y23 、K(Ta,Nb)O3、B
2WO6 、Bi4Ti312 、Bi4Ge312 、Bi4
Si312 、Y3Ga512 、Gd3Ga512 、Bi12
GeO20 、Bi12SiO20 、ZnWO4 、ZnO、T
iO2 、TeO2 、BaTiO3 、PbTiO3 、KN
bO3 、LiNbO3 、LiTaO3 、YAlO3
(Sr,Ba)Nb26 、La2Ti27、Ca2Nb
7 、Pb5Ge311 、PbNb411 、Ba2NaN
515、Pb2KNb515 、Sr2KNb515 、B
2LiNb515 、K3Li2 Nb515 、Ba3Ti
Nb415 、GeSe、LiInS2 、LiInSe
2 、CdGa24 、Tl3AsS4 、Tl3AsSe
4 、Tl3PSe4 、CaMoO4 、PbMoO4 、C
aWO4 、Bi2(MoO)3 、Pb2MoO5 、Bi2
WO6、YVO4 およびPb5(GeO4)(VO42
各多結晶体が挙げられる。
【0030】上記の多結晶体の中でも、ZnS、ZnS
e、CuCl、CuBr、GaP、ダイヤモンド、Y2
3 、K(Ta,Nb)O3 、Bi2WO6 、Bi4Ti
312、Bi4Ge312 、Bi4Si312 、Y3Ga5
12 、Gd3Ga512 、Bi12GeO20 、Bi12
iO20 、ZnWO4 、ZnO、TiO2 、TeO2
BaTiO3 、PbTiO3 、KNbO3 、LiNbO
3 およびLiTaO3 の各多結晶体が特に好ましい。
【0031】次に、本発明の非線形光学材料中に分散さ
せる複合微粒子について詳説する。本発明の非線形光学
材料における非線形性の増大は、複合粒子中のコアが有
する非線形性が、当該コアを覆っているシェルによる電
場の集中効果により増幅されることにより発現すると考
えられる。
【0032】複合微粒子のコアに用いる材料は、それ自
身、3次の非線形性が大きいものであることが望まし
い。このような材料の具体例としては、下記(i) 〜(vi)
の物質が挙げられる。
【0033】(i) Si、Ge、AlSb、InP、Ga
As、GaP、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、
CdSe、CdTe、PbS、PbSe、PbTe、S
e、Te、CuCl、CuBr、CuI、TlCl、T
lBrおよびTlIからなる半導体群より選ばれる半導
体。 (ii) 上記(i) の半導体群より選ばれる少なくとも2種
の半導体同士の固溶体 。 (iii) 上記(i) の半導体群より選ばれる少なくとも1種
の半導体を総量で90 mol%以上含む固溶体。この固溶
体の具体例としては95 mol%ZnSe・5 mol%Mg
Se,98 mol%CuCl・2 mol%AgCl等が挙げ
られる。
【0034】(iv) Cu,Ag,Au,Pd,Ni,S
n,Co,Rh,Ir,Fe,Ru,Mn,Mo,W,
Nb,Ta,Ti,Bi,SbおよびPbからなる金属
群より選ばれる金属。 (v) 上記(iv) の金属群より選ばれる少なくとも2種の
金属同士の合金。 (vi) 上記(iv) の金属群より選ばれる少なくとも1種の
金属を総量で80 mol%以上含む合金。この合金の具体
例としては98 mol%Cu・2 mol%Mg,98mol%
(80 mol%Cu・20 mol%Au)・2 mol%Mg等
が挙げられる。
【0035】非線形光素子を用いた光学系では、通常、
波長300〜2000nmの光が利用されるわけである
が、上記(i) 〜(iii) の物質からなる所定サイズの微粒
子は、300〜2000nmの波長域において、量子閉
じ込め効果により離散化した量子レベル間に共鳴する光
吸収ピークを有する。また、上記(iv)〜(vi)の物質から
なる所定サイズの微粒子は、300〜2000nmの波
長域において、表面プラズモン共鳴による光吸収ピーク
を有する。これらの理由から、上記(i)〜(vi)の物質は
複合微粒子のコア材料として好適である。
【0036】上記(i) 〜(vi) の物質の中でも、Six
(1-x)(0≦x≦1),ZnxCdyPb(1-x-y)z
wTe(1-z-w)(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦z≦
1,0≦w≦1)またはTlxCu(1-x)ClyBrz
(1-y-z)( 0≦x≦1,0≦y≦1,0≦z≦1)で示
される半導体、Cu,Ag,Au,Pd,Ni,Sn,
Bi,SbおよびPbから選ばれる金属、ならびにC
u,Ag,Au,Pd,Ni,Sn,Bi,Sbおよび
Pbから選ばれる少なくとも2種の金属同士の合金が好
ましい。
【0037】一方、複合微粒子を構成するシェルは、局
部電場集中効果の大きな物質からなっていることが好ま
しく、このような物質の具体例としては下記(a) 〜(c)
のものが挙げられる。 (a) Cu,Ag,AuおよびPdからなる金属群から選
ばれる金属。 (b) 上記(a) の金属群から選ばれる少なくとも2種の金
属同士の合金。 (c) 上記(a) の金属群から選ばれる少なくとも1種の金
属を総量で80 mol%以上含む合金。この合金の具体例
としては90 mol%Ag・10 mol%Al,90mol%
Cu・10 mol%Al等が挙げられる。
【0038】上記(a) 〜(c) の物質は300〜2000
nmの波長域に表面プラズモン共鳴による光吸収ピーク
を有し、当該物質をシェルに用いた場合にはマトリック
スの誘電的な閉じ込めによる大きな局部電場集中効果が
得られる。上記(a) 〜(c) の物質の中でも、Cu,Ag
およびAuから選ばれる金属、またはCu,Agおよび
Auから選ばれる金属同士の合金が好ましい。
【0039】前述したコアを上述したシェルで覆ってな
る複合微粒子は、コアの材質からみて1種類の複合微粒
子をマトリックス中に分散させてもよいし、コアの材質
からみて複数種の複合微粒子をマトリックス中に分散さ
せてもよい。同様に、シェルの材質からみて1種類の複
合微粒子をマトリックス中に分散させてもよいし、シェ
ルの材質からみて複数種の複合微粒子をマトリックス中
に分散させてもよい。複合微粒子の大きさは、0.2〜
500nmであることが好ましい。ここで、本発明でい
う複合微粒子の大きさとは、複合微粒子を球体として評
価した場合の平均半径を意味する。
【0040】複合微粒子の大きさが0.2nm未満では
複合微粒子が微小過ぎ、コアが半導体(例えば前記(i)
〜(iii) の物質)の場合には当該微粒子中に量子(電
子,正孔,励起子等)が存在できなくなることから非線
形性の増大効果が失われ、コアが金属(例えば前記(iv)
〜(vi) の物質)の場合にはプラズモンの効果が失われ
ることから非線形性の増大効果が失われる。一方、複合
微粒子の大きさが500nmを超えると散乱による光損
失が急増して有効な非線形特性が損なわれ、大きな非線
形性が得られない。複合微粒子の大きさは、2〜200
nmであることが好ましい。
【0041】次に、本発明の非線形光学材料の製造方法
について詳説する。本発明の方法は、前述したように、
マトリックスとして屈折率1.9以上、4以下の光学的
に透明な物質を用い、溶融・熱析出法、イオン注入法、
イオン交換法、スパッタ法またはゾル−ゲル法によっ
て、前記マトリックス中に半導体または金属からなるコ
アの表面を前記マトリックスおよび前記コアとは異なる
物質からなるシェルで覆った複合微粒子を分散させてな
る非線形光学材料を得ることを特徴とするものである。
【0042】溶融・熱析出法は、マトリックスがガラス
からなる非線形光学材料を製造するための方法として好
適である。溶融・熱析出法により目的とする非線形光学
材料を製造する場合には、例えば、マトリックスとして
用いるガラスの出発原料と複合微粒子の出発原料(コア
の出発原料およびシェルの出発原料)とを含む混合物を
加熱・溶融してガラス融液としたのち、このガラス融液
を室温まで冷却して、複合微粒子の構成元素がイオンま
たは原子状になって溶解している均一ガラスを先ず得
る。次いで、この均一ガラスを所定の温度(T1 )で熱
処理して複合微粒子のコアとなる微粒子(以下「コア微
粒子という」)をマトリックスガラス中に析出させ、こ
の後さらに所定の温度(T2 ;T2>T1)で熱処理する
ことにより前記のコア微粒子をシェルで覆って、複合微
粒子を形成する。
【0043】コア微粒子の析出は、当該微粒子が析出す
る温度域、例えば200〜1000℃でコアとなるイオ
ンおよび/または原子が凝集して結晶核を作り、当該結
晶が成長することに基づくものである。また、シェル物
質の析出は、シェル物質が析出する温度域、例えば20
0〜1000℃でシェルとなるイオンおよび/または原
子がコア微粒子の表面で凝集し、成長することに基づく
ものである。
【0044】ガラスの出発原料には、複合微粒子の構成
成分の酸化を防止するために、酸化作用の強い硝酸塩、
硫酸塩等は避け、酸化物、水酸化物等を用いるのが好ま
しい。例えば、コアがSixGe(1-x)(0≦x≦1)半
導体からなる複合微粒子を分散させる場合、ガラス原料
の溶解中にSixGe(1-x)(0≦x≦1)半導体の成分
が酸化するのを防止するために、C等の還元剤をガラス
の出発原料に添加することが好ましい。
【0045】また、コアがZnxCdyPb(1-x-y)z
wTe(1-z-w)(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦
1、0≦w≦1)半導体からなる複合微粒子を分散させ
る場合、ガラスの出発原料としては、ガラス中への半導
体構成成分の溶解を促進し、ガラス原料の溶解中にS、
Se、Teが揮発することを防止し、かつ、半導体微粒
子の析出を促進する効果を有する成分であるZnO、C
dOまたはPbOを含有するものを用いることが好まし
い。コアがTlxCu(1-x)ClyBrz(1-y-z)(0≦
x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)半導体からなる複合
微粒子を分散させ場合、ガラスの出発原料としては、T
lおよび/またはCuの酸化を防止し、ガラス原料の溶
解中にCl、Br、Iが揮発するのを防止し、かつ、半
導体微粒子の析出を促進させる効果を有する成分である
SnOおよび/またはSb23を含有するものを使用す
ることが好ましい。この場合、SnOとSb23 の合
量は、その他のマトリックスガラス成分100 mol%に
対して10 mol%以下が好ましい。
【0046】半導体からなるコアの出発原料には、単体
半導体、化合物半導体、単体半導体同士の固溶体、化合
物半導体同士の固溶体、あるいは単体半導体と化合物半
導体との固溶体等を用いることができる。例えば、Si
xGe(1-x)(0≦x≦1)半導体からなるコアの出発原
料には、Si、GeおよびSixGe(1-x)(0≦x≦
1)固溶体を用いることができる。また、ZnxCdy
(1-x-y)zSewTe(1-z-w)(0≦x≦1、0≦y
≦1、0≦z≦1、0≦w≦1)半導体からなるコアの
出発原料には、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、
CdSe、CdTe、PbS、PbSeおよびPbTe
等の化合物半導体および/またはZnxCdyPb
(1-x-y)zSewTe(1-z-w)(0≦x≦1、0≦y≦
1、0≦z≦1、0≦w≦1)固溶体を用いることがで
きる。
【0047】TlxCu(1-x)ClyBrz(1-y-z)(0
≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)半導体からなるコ
アの出発原料には、TlCl、TlBr、TlI、Cu
Cl、CuBrおよびCuI等の化合物半導体および/
またはTlxCu(1-x)ClyBrz(1-y-z)(0≦x≦
1、0≦y≦1、0≦z≦1)固溶体を用いることがで
きる。この他、Tlの原料としてはTl2O等の酸化
物、TlF等のハロゲン化物、Tl2CO3 等の炭酸塩
等を用いることができ、Cu原料としてはCu2O等の
酸化物、CuF等のハロゲン化物、Cu2CO3 等の炭
酸塩等を用いることができる。また、Clの原料として
はCdCl2 等の塩化合物を、Brの原料としてはCd
Br2 等の臭化物を、Iの原料としてはCdI等のヨウ
化物を用いることができる。
【0048】金属からなるコアもしくはシェルの出発原
料には、当該金属についての各種化合物を用いることが
できる。例えば、Cuからなるコアもしくはシェルの出
発原料としては、Cu2O、CuO等の酸化物、Cu
F、CuCl、CuBr、CuI等のハロゲン化物、C
uCO3 等の炭酸塩等を用いることができる。また、A
gからなるコアもしくはシェルの出発原料としては、A
2O、AgO等の酸化物、AgF、AgCl、AgB
r、AgI等のハロゲン化物、Ag2CO3 等の炭酸塩
等を用いることができる。Auからなるコアもしくはシ
ェルの出発原料としては、Au23 等の酸化物、Au
Cl3 、AuBr3 、AuHCl4 等のハロゲン化物等
を用いることができる。さらに、CuまたはAgからな
るコアもしくはシェルの出発原料としては、Cuまたは
Agの有機金属化合物を用いることもできる。また、C
u、AgおよびAu以外の金属からなるコアもしくはシ
ェルの出発原料としても、当該金属についての酸化物、
ハロゲン化物、炭酸塩等を用いることができる。上述し
た金属からなるコアもしくはシェルの出発原料は、金属
単体に換算して、マトリックスガラス成分100 mol%
に対して0.001〜10 mol%となる割合でガラスの
出発原料に添加することが好ましい。
【0049】イオン注入法は、マトリックスが前述した
ガラス等の非晶質物質や前述した結晶からなる非線形光
学材料を製造するための方法として好適である。イオン
注入法により目的とする非線形光学材料を製造する場合
には、例えば、通常のイオン注入装置を用いて、所望の
マトリックスにコア形成用のイオンおよびシェル形成用
のイオンを高速で打ち込んで当該マトリックス中に複合
微粒子の構成成分を含有させ、この後必要に応じて熱処
理を行って、前記のマトリックス中に複合微粒子を生
成、分散させる。また、溶融法やスパッタ法等によって
マトリックス中に予めシェル形成用の成分を含有させて
おき、このマトリックスにコア形成用のイオンを高速で
打ち込んで先ずコア微粒子を析出させ、この後に熱処理
を行ってコア微粒子の表面にシェルを析出、成長させる
ことによっても複合微粒子を生成、分散させることがで
きる。あるいは、前述した溶融・熱析出法や後述するゾ
ル−ゲル法等によって先ずコア微粒子が分散されたマト
リックスを得、このマトリックスにシェル形成用のイオ
ンを高速で打ち込んだ後、必要に応じて熱処理を行っ
て、コア微粒子の表面にシェルを析出、成長させること
によっても複合微粒子を生成、分散させることができ
る。
【0050】イオン交換法は、マトリックスがガラスか
らなる非線形光学材料を製造するための方法として好適
である。イオン交換法により目的とする非線形光学材料
を製造する場合には、例えば、先ず被交換イオン(例え
ば、アルカリ金属イオン等)を含有させたガラスを得、
このガラスに含有されている被交換イオンと複合微粒子
構成成分のイオンとを乾式または湿式のイオン交換法に
より交換することによってガラス中に複合微粒子構成成
分を含有させる。次いで、このガラスを所定の温度(T
1 )で熱処理してコア微粒子をガラス中に析出させ、こ
の後さらに所定の温度(T2;T2 >T1)で熱処理する
ことにより前記のコア微粒子をシェルで覆って、複合微
粒子を形成する。
【0051】スパッタ法は、マトリックスが非晶質物質
や前述した結晶からなる非線形光学材料を製造するため
の方法として好適である。スパッタ法により目的とする
非線形光学材料を製造する場合には、例えば、通常のス
パッタ装置を用いて、基板(例えば、石英ガラス等)上
にマトリックス、コア材料もしくはコア原料、およびシ
ェル材料もしくはシェル原料を交互または同時に堆積さ
せて複合微粒子構成成分を含有した材料を作製した後、
必要に応じて熱処理を行うことにより、マトリックス中
に複合微粒子を生成、分散させる。
【0052】ゾル−ゲル法は、マトリックスが前述した
ガラス等の非晶質物質や前述した結晶からなる非線形光
学材料を製造するための方法として好適である。ゾル−
ゲル法により目的とする非線形光学材料を製造する場合
には、例えば、マトリックスの出発原料となる有機金属
化合物(例えば金属アルコレート等)と複合微粒子の出
発原料とを含有したゾル溶液を調製し、このゾル溶液に
ついて加水分解、脱水縮合反応(ゾル−ゲル熟成)を行
って複合微粒子の構成成分を含有するゲル体を得る。次
いで、このゲル体を所定の温度(T1 )で熱処理してコ
ア微粒子をガラス中に析出させ、この後さらに所定の温
度(T2;T2 >T1)で熱処理することにより前記のコ
ア微粒子をシェルで覆って複合微粒子を形成する。この
後さらに熱処理を行ってゲル体を無孔化することによ
り、目的とする非線形光学材料を得る。
【0053】また、複合微粒子のシェル材料もしくはシ
ェル原料を含有するゲル体をゾル−ゲル法により得た
後、当該ゲル体にコア微粒子を含浸させ、所定の温度で
熱処理することにより前記のコア微粒子の表面にシェル
を析出、成長させて複合微粒子を形成した後にゲル体を
無孔化することによっても目的とする非線形光学材料を
得ることができる。あるいは、複合微粒子のコア成分を
含有するゲル体をゾル−ゲル法により得た後、このゲル
体を所定の温度で熱処理してコア微粒子が析出したゲル
体を得、当該ゲル体に複合微粒子のシェル材料もしくは
シェル原料を含浸させた後に所定の温度で熱処理して前
記のコア微粒子の表面にシェルを析出、成長させて複合
微粒子を形成し、この後、ゲル体を無孔化することによ
っても目的とする非線形光学材料を得ることができる。
【0054】次に、本発明の非線形光素子について説明
する。本発明の非線形光素子は、前述したように、マト
リックスに微粒子を分散させてなる非線形光学材料によ
って光路の一部または全部が形成されており、当該非線
形光学材料の非線形光学特性を利用して光制御を行う非
線形光素子であって、前記の非線形光学材料が上述した
本発明の非線形光学材料であることを特徴とするもので
ある。
【0055】上記の非線形光素子の具体例としては、フ
ァブリ・ペロー共振器型,導波路型(マッハツェンダー
型,方向性結合器型等)等の各種形態の全光型光スイッ
チ素子が挙げられる。前記のファブリ・ペロー共振器型
の光スイッチ素子は、例えば、前述した本発明の非線形
光学材料からなる平板を2枚の平行なハーフミラー中に
配置することにより得ることができる。また、前記の導
波路型の光スイッチ素子は、例えば、当該光スイッチ素
子中の光路の一部または全部を前述した本発明の非線形
光学材料によって形成することにより得ることができ
る。
【0056】上述した非線形光素子は、例えば次のよう
にして駆動されて光制御を行う。すなわち、非線形光素
子にポンピング光を入射させ、非線形光素子からの出射
光強度をオフ状態にしたい場合にはポンピング光の入射
強度が前記の非線形光学材料に非線形光学応答を生じさ
せない強度となるように当該ポンピング光の入射強度を
調整し、非線形光素子からの出射光強度をオン状態にし
たい場合にはポンピング光の入射強度が前記の非線形光
学材料に非線形光学応答を生じさせる強度となるように
当該ポンピング光の入射強度を調整する。
【0057】あるいは、非線形光学材料に非線形光学応
答を生じさせない入射光強度のバイアスポンピング光
と、このバイアスポンピング光と同一波長のトリガーポ
ンピング光とを非線形光素子に入射させ、非線形光素子
からの出射光強度をオフ状態にしたい場合には、バイア
スポンピング光とトリガーポンピング光とが重畳された
光の入射強度が前記の非線形光学材料に非線形光学応答
を生じさせない強度となるようにトリガーポンピング光
の入射強度を調整し、非線形光素子からの出射光強度を
オン状態にしたい場合には、バイアスポンピング光とト
リガーポンピング光とが重畳された光の入射強度が前記
の非線形光学材料に非線形光学応答を生じさせる強度と
なるようにトリガーポンピング光の入射強度を調整す
る。
【0058】本発明の非線形光素子は、前述した本発明
の非線形光学材料の非線形光学特性を利用して光制御を
行う非線形光素子であり、本発明の非線形光学材料にお
ける|χ(3)|/αの値は前述したように大きい。した
がって、本発明の非線形光素子はより低い光強度で駆動
させることが可能である。
【0059】
【作用】マトリックスに微粒子を分散させてなる非線形
光学材料における|χ(3)|/αの値は、微粒子に集中
する電場の強度の増加に伴って増大すると考えられる。
本発明の非線形光学材料では、光学的に透明なマトリッ
クス中に特定の材料からなる複合微粒子が分散されてお
り、当該複合微粒子のシェルが有する電場集中効果によ
ってコアの非線形性が増幅される他、マトリックスの屈
折率が1.9以上、4以下と高いことから、当該非線形
光学材料中に光が入射することにより発生する電場が複
合微粒子により多く集中するものと考えられる。これら
の結果として、本発明の非線形光学材料では大きな値の
|χ(3)|/αが得られたものと考えられる。
【0060】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 実施例1 (マトリックス:前記の1番目のガラス、コア:Cd
S、シェル:Ag)表1に示すように、マトリックスと
なるガラスの原料として29 mol%のB23 と71 mo
l%のPbOとからなる組成物を用い、この組成物10
0 mol%に対して複合微粒子のコア材料としてのCdS
を1 mol%、また複合微粒子のシェル原料としてのAg
2Oを1 mol%それぞれ混合したものを耐火物ルツボ中
で1000℃において15分間加熱して均一なガラス融
液とした後、鉄板上にキャストしてガラスを得た。この
ガラスの屈折率を測定したところ、nd =2.07であ
った。次に、得られたガラスを、あらかじめ340℃に
保持した電気炉の中に入れ、表1に示したようにこの温
度で120時間熱処理(コア微粒子を析出させるための
熱処理:以下「熱処理I」という)したところ、ガラス
は黄色に着色した。
【0061】このようにして得られたガラスをX線回折
法を用いて測定したところ、CdS結晶回折ピークが観
察され、CdS微粒子分散ガラスが得られたことが確認
された。さらに、CdS微粒子分散ガラス中に分散して
いるCdS微粒子の大きさを透過型電子顕微鏡(TE
M)を用いて測定したところ、CdS微粒子の平均半径
は50nmであった。このCdS微粒子分散ガラスの光
吸収スペクトルを室温下で測定した。この結果を図1中
に破線で示す。
【0062】次に、このCdS微粒子分散ガラスを、あ
らかじめ420℃に保持した電気炉の中に入れ、表1に
示したようにこの温度で20分間熱処理(コア微粒子を
シェルで被覆するための熱処理:以下「熱処理II」とい
う)したところ、ガラスがさらに濃い黄色に着色した。
このようにして得られたガラス中に分散している微粒子
をTEMを用いて観察したところ、表2に示すように微
粒子の平均半径は80nmであった。また、電子線回折
分析の結果、微粒子の表面はAgであった。このことか
ら、上記のガラス中にはCdSからなるコアの表面をA
gで覆ってなる複合微粒子が分散されており、当該ガラ
スは目的とする非線形光学材料であることが確認され
た。なお、この非線形光学材料に占める複合微粒子の割
合は0.5 vol%であった。
【0063】この非線形光学材料を15μmの厚さに光
学研磨し、その光吸収スペクトルを室温下で測定した。
この結果を図1中に実線で示す。図1から明らかなよう
に、当該非線形光学材料の吸収係数(α)は上記のCd
S微粒子分散ガラスの吸収係数より増大しており、Cd
S微粒子をAgで覆って複合微粒子とした効果が認めら
れた。また、上記の非線形光学材料(15μmの厚さに
光学研磨したもの)について、光吸収ピーク付近の波長
(470nm)での3次の非線形感受率|χ(3)|を縮
退四光波混合法により室温下で測定した。また、この測
定結果と|χ(3)|測定時の波長下での吸収係数とか
ら、|χ(3)|/αの値を求めた。これらの結果を表2
に示す。
【0064】実施例2〜実施例8および比較例1 マトリックスとなるガラスの原料、複合微粒子のコアの
材料もしくは原料および複合微粒子のシェルの原料とし
てそれぞれ表1に示すものを用い、表1に示す条件でガ
ラス融液の調製、コア微粒子を析出させるための熱処理
(熱処理I)およびシェルによってコア微粒子を被覆す
るための熱処理(熱処理II)をそれぞれ行って、非線形
光学材料を得た。そして、これらの非線形光学材料につ
いて、表2に示す波長の光を用いた以外は実施例1と同
様にして、光吸収ピーク付近の波長での3次の非線形感
受率|χ(3)|を測定した。また、|χ(3)|の測定結果
と|χ(3)|測定時の波長下での吸収係数(α)とか
ら、|χ(3)|/αの値を求めた。これらの結果を表2
に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】表2から明らかなように、実施例1〜実施
例8で得られた各非線形光学材料における|χ(3)|/
αは2.2×10-9〜8.0×10-9 esu・cmであ
り、これらの値は比較例1で得られた非線形光学材料に
おけるそれよりも2倍以上大きい。
【0068】実施例9 (マトリックス:前記の9番目のガラス、コア:Cu、
シェル:Ag)マトリックスとなるガラスの原料とし
て、90 mol%のAs23 と10 mol%のSb23
らなる組成物(As36at%,Sb4at%、AsとSb
の合量40at%、S 60at%)を石英ガラス容器の中
に封入して、1時間当たり100℃の昇温速度で400
℃まで加熱し、400℃で6時間保持した後、再び1時
間当たり100℃の昇温速度で700℃まで加熱し、7
00℃で12時間保持した後、室温まで冷却してガラス
を得た。このガラスの屈折率を測定したところ、nd
2.55であった。次に、このガラスに、イオン注入装
置を用いてコア微粒子形成用のCu+ イオンを180k
eVでドーズ量が2×1017 ion/cm2 となるように
注入した(コア微粒子形成用のイオンの注入を以下「イ
オン注入I」という)。このようにして得られたガラス
は赤く着色しており、X線回折法を用いて測定したとこ
ろ、Cu結晶ピークが観察され、Cu微粒子分散ガラス
が得られたことが確認された。さらに、Cu微粒子分散
ガラス中に分散しているCu微粒子の大きさをTEMを
用いて測定したところ、Cu微粒子の平均半径は25n
mであった。
【0069】次に、上記のCu微粒子分散ガラスに、イ
オン注入装置を用いてシェル形成用のAg+ イオンを1
60keVでドーズ量が1×1016 ion/cm2 となる
ように注入した(シェル形成用のイオンの注入を以下
「イオン注入II」という)。Ag+ イオンを注入した後
のガラスを、あらかじめ300℃に保持した電気炉に入
れ、この温度で20時間熱処理した。このようにして得
られたガラス中に分散している微粒子をTEMで観察し
たところ、微粒子の平均半径は63nmであった。ま
た、電子線回折分析の結果、微粒子の表面はAgであっ
た。このことから、上記のガラス中にはCuからなるコ
アの表面をAgで覆ってなる複合微粒子が分散されてお
り、当該ガラスは目的とする非線形光学材料であること
が確認された。なお、この非線形光学材料のイオン注入
部に占める複合微粒子の割合は22 vol%であった。
【0070】この非線形光学材料について、実施例1と
同様にして光吸収ピーク付近の波長(650nm)での
3次の非線形感受率|χ(3)|を縮退四光波混合法によ
り室温下で測定し、この測定結果と、|χ(3)|測定時
の波長下での吸収係数とから|χ(3)|/αを求めた。
その結果、|χ(3)|/αは1.2×10-9 esu・cm
(|χ(3)|=1.2×10-6 esu、α=1.0×103
cm-1)であった。
【0071】比較例2 (マトリックス:シリカガラス、コア:Cu、シェル:
Ag)屈折率が本発明における限定範囲外であるシリカ
ガラス(屈折率;nd =1.46)に、イオン注入装置
を用いてコア微粒子形成用のCu+ イオンを180ke
Vでドーズ量が2×1017 ion/cm2 となるように注
入した(イオン注入I)。このようにして得られたガラ
スは赤く着色しており、X線回折法を用いて測定したと
ころ、Cu結晶ピークが観察され、Cu微粒子分散ガラ
スが得られたことが確認された。さらに、Cu微粒子分
散ガラス中に分散しているCu微粒子の大きさをTEM
を用いて測定したところ、Cu微粒子の平均半径は31
nmであった。
【0072】次に、上記のCu微粒子分散ガラスに、イ
オン注入装置を用いてシェル形成用のAg+ イオンを1
60keVでドーズ量が1×1016 ion/cm2 となる
ように注入した(イオン注入II)。Ag+ イオンを注入
した後のガラスを、あらかじめ800℃に保持した電気
炉に入れ、この温度で60時間熱処理した。このように
して得られたガラス中に分散している微粒子をTEMで
観察したところ、微粒子の平均半径は61nmであっ
た。また、電子線回折分析の結果、微粒子の表面はAg
であった。このことから、上記のガラス中にはCuから
なるコアの表面をAgで覆ってなる複合微粒子が分散さ
れていることが確認された。なお、このガラスのイオン
注入部に占める複合微粒子の割合は28 vol%であっ
た。
【0073】このガラスについて、実施例9と同様にし
て光吸収ピーク付近の波長(580nm)での3次の非
線形感受率|χ(3)|を縮退四光波混合法により室温下
で測定し、この測定結果と|χ(3)|測定時の波長下で
の吸収係数とから|χ(3)|/αを求めた。その結果、
|χ(3)|/αは0.2×10-9 esu・cm(|χ(3)
=0.2×10-6 esu、α=1.0×103 cm-1)で
あり、実施例9で得られた非線形光学材料における値の
1/6であった。
【0074】実施例10〜実施例14 マトリックスとしての結晶、コア微粒子形成用のイオン
種およびシェル形成用のイオン種としてそれぞれ表3に
示すものを用い、表3に示す条件でイオン注入I、イオ
ン注入IIおよび熱処理をそれぞれ行って、非線形光学材
料を得た。そして、これらの非線形光学材料について、
表4に示す波長の光を用いた以外は実施例9と同様にし
て、光吸収ピーク付近の波長での3次の非線形感受率|
χ(3)|を測定した。また、|χ(3)|の測定結果と|χ
(3)|測定時の波長下での吸収係数(α)とから|χ(3)
|/αの値を求めた。これらの結果を表4に示す。
【0075】
【表3】
【0076】
【表4】
【0077】表4から明らかなように、実施例10〜実
施例14で得られた各非線形光学材料における|χ(3)
|/αは2.4×10-9〜8.0×10-9 esu・cmで
あり、これらの値は比較例2で得られた非線形光学材料
におけるそれよりも10倍以上大きい。
【0078】実施例15 (マトリックス:前記の1番目のガラス、コア:Cd
S、シェル:Ag)マトリックスとなるガラスの原料と
して、28 mol%のB23 と70 mol%のPbOと2
mol%のNa2Oとからなる組成物を用い、この組成物
100 mol%に対して複合微粒子のコア材料としてのC
dSを1 mol%混合したものを、耐火物ルツボ中で10
00℃において15分間加熱して均一なガラス融液とし
た後、鉄板上にキャストしてガラスを得た。このガラス
の屈折率を測定したところ、nd =1.94であった。
次に、得られたガラスを、あらかじめ340℃に保持し
た電気炉の中に入れ、この温度で20時間熱処理(熱処
理I)したところ、ガラスは黄色に着色した。このよう
にして得られたガラスをX線回折法を用いて測定したと
ころ、CdS結晶回折ピークが観察され、CdS微粒子
分散ガラスが得られたことが確認された。さらに、この
CdS微粒子分散ガラス中に分散しているCdS微粒子
の大きさをTEMを用いて測定したところ、CdS微粒
子の平均半径は50nmであった。
【0079】次に、このCdS微粒子分散ガラスを加工
して得た厚さ1mmの板状試料の一面に金(Au)を蒸
着し、この面と対向する面に銀(Ag)を蒸着した後、
あらかじめ300℃に保持した電気炉の中に入れ、金
(Au)を蒸着した面と銀(Ag)を蒸着した面との間
に30Vの直流電圧を印加した。この状態で2時間処理
したところ、ガラスがさらに濃い黄色に着色した。この
ようにして得られたガラス中に分散している微粒子をT
EMを用いて観察したところ、微粒子の平均半径は70
nmであった。また、電子線回折分析の結果、微粒子の
表面はAgであった。このことから、上記のガラス中に
はCdSからなるコアの表面をAgで覆ってなる複合微
粒子が分散されており、当該ガラスは目的とする非線形
光学材料であることが確認された。なお、この非線形光
学材料に占める複合微粒子の割合は1.8 vol%であっ
た。
【0080】この非線形光学材料について、実施例1と
同様にして光吸収ピーク付近の波長(480nm)での
3次の非線形感受率|χ(3)|を縮退四光波混合法によ
り室温下で測定し、この測定結果と、|χ(3)|測定時
の波長下での吸収係数とから|χ(3)|/αを求めた。
その結果、|χ(3)|/αは2.5×10-9 esu・cm
(|χ(3)|=6.0×10-6 esu、α=2.0×103
cm-1)であり、この値は比較例1で得られた非線形
光学材料におけるそれよりも2倍以上大きい。
【0081】実施例16 (マトリックス:K(Ta,Nb)O3 結晶、コア:C
u、シェル:Ag)マトリックスにK(Ta,Nb)O
3 結晶(nd =2.29)を用いた。スパッタ装置によ
りK(Ta,Nb)O3 とCuとAgとをアルゴン−水
素雰囲気中で交互にスパッタリングして、石英基板上に
K(Ta,Nb)O3 膜、Cu膜およびAg膜を交互に
各5層ずつ成膜した。このとき、K(Ta,Nb)O3
膜一層の膜厚は150nm、Cu膜一層の膜厚は25n
m、Ag膜一層の膜厚は15nmとした。この後、得ら
れた膜を800℃、2時間の条件で熱処理した。
【0082】このようにして得られた膜をX線回折法を
用いて測定したところ、K(Ta,Nb)O3 結晶ピー
クとともにCu結晶ピークが観測された。この膜中には
微粒子が分散しており、これらの微粒子をTEMを用い
て観察したところ、微粒子の平均半径は58nmであっ
た。また、電子線回折分析の結果、微粒子の表面はAg
であった。これらのことから、上記の膜はCuからなる
コアの表面をAgで覆ってなる複合微粒子がK(Ta,
Nb)O3 結晶中に分散したものであり、当該膜は目的
とする非線形光学材料であることが確認された。なお、
この非線形光学材料に占める複合微粒子の割合は19 v
ol%であった。
【0083】この非線形光学材料について、実施例1と
同様にして光吸収ピーク付近の波長(650nm)での
3次の非線形感受率|χ(3)|を縮退四光波混合法によ
り室温下で測定し、この測定結果と、|χ(3)|測定時
の波長下での吸収係数とから|χ(3)|/αを求めた。
その結果、|χ(3)|/αは2.4×10-9 esu・cm
(|χ(3)|=7.2×10-6 esu、α=3.0×103
cm-1であり、この値は比較例1で得られた非線形光
学材料におけるそれよりも2倍以上大きい。
【0084】実施例17 (マトリックス:TiO2 多結晶、コア:Au、シェ
ル:Ag)マトリックスにTiO2 多結晶体を用いた。
TiO2 多結晶体の原料としてTi(OBu)4 (Buはブ
チル基を示す)を、また複合微粒子のコアの原料として
AuCl3 をそれぞれ用い、これらの原料を前者:後者
=1000:1(モル比)の割合でBuOH−EtOH−H
2O溶液(Etはエチル基を示す)に混合してゾル溶液を
調製した。このゾル溶液についてゾル−ゲル熟成を行っ
て、Au微粒子が分散されたアモルファスTiO2 多孔
質体を得た。次に、AgNO3 のメタノール溶液(Ag
NO3 の濃度5wt%、液温60℃)に上記の多孔質体を
浸漬して100時間保持した後、60℃のメタノールで
洗浄して乾燥した。乾燥後の多孔質体を10℃/時間の
昇温速度で900℃まで加熱して、気泡の無い透明バル
ク体を得た。
【0085】このようにして得られた透明バルク体をX
線回折法を用いて測定したところ、TiO2 結晶ピーク
とともにAu結晶ピークが観測された。この透明バルク
体中には微粒子が分散しており、これらの微粒子をTE
Mを用いて観察したところ、微粒子の平均半径は120
nmであった。また、電子線回折分析の結果、微粒子の
表面はAgであった。これらのことから、上記の透明バ
ルク体はAuからなるコアの表面をAgで覆ってなる複
合微粒子がTiO2 多結晶中に分散したものであり、当
該バルク体は目的とする非線形光学材料であることが確
認された。なお、この非線形光学材料に占める複合微粒
子の割合は2.1 vol%であった。
【0086】この非線形光学材料について、実施例1と
同様にして光吸収ピーク付近の波長(600nm)での
3次の非線形感受率|χ(3)|を縮退四光波混合法によ
り室温下で測定し、この測定結果と、|χ(3)|測定時
の波長下での吸収係数とから|χ(3)|/αを求めた。
その結果、|χ(3)|/αは2.2×10-9 esu・cm
(|χ(3)|=2.2×10-6 esu、α=1.0×103
cm-1)であり、この値は比較例1で得られた非線形
光学材料におけるそれよりも2倍以上大きい。
【0087】実施例18 (光双安定光スイッチ素子の作製)実施例1と同様にし
て作製した非線形光学材料(厚さ15μm)の両面に誘
電体多層膜からなる厚さ3μmの反射防止膜を蒸着した
後、ミラーの反射率90%、共振器長100μmのファ
ブリ・ペロー共振器に挿入して、ファブリ・ペロー共振
器型の光双安定スイッチ素子を作製した。次に、室温下
で上記の光双安定スイッチ素子に波長500nm,パル
ス幅180fs,パルス間隔20psの単色光をその入
射強度が1〜2000μJ/cm2 と徐々に増加するよ
うに入射させ、入射光と共振器からの出射光について時
間波形を比較した。その結果、光双安定スイッチ動作が
観測され、スイッチに要する時間はオン・オフともに2
0ps以下であった。このことから、この光双安定スイ
ッチ素子は低い光強度の下でも高速のスイッチ性能を有
することが判明した。
【0088】実施例19 (光双安定スイッチ素子の作製)実施例8と同様に作製
した非線形光学材料(厚さ10μm)の両面に誘電体多
層膜からなる厚さ3μmの反射防止膜を蒸着した後、ミ
ラーの反射率90%、共振器長30μmのファブリ・ペ
ロー共振器に挿入して、ファブリ・ペロー共振器型の光
双安定スイッチ素子を作製した。次に、室温下で上記の
光双安定スイッチ素子に波長700nm,パルス幅22
0fs,パルス間隔5psの単色光をその入射強度が1
〜20000μJ/cm2 と徐々に増加するように入射
させ、入射光と共振器からの出射光について時間波形を
比較した。その結果、光双安定スイッチ動作が観測さ
れ、スイッチに要する時間はオン・オフともに5ps以
下であった。このことから、この光双安定スイッチ素子
は低い光強度の下でも高速のスイッチ性能を有すること
が判明した。
【0089】実施例20 (導波路型光素子の作製)スパッタ装置を用いて、石英
基板上にまず厚さ1μmのシリケートガラス膜を成膜
し、次いで、この上に厚さ4μmのZnS膜を成膜し
た。これらの膜を成膜した後の石英基板をアルゴンガス
雰囲気中、600℃で熱処理して、前記のZnS膜を結
晶化させた。この後、実施例10と同様にしてイオン注
入Iおよびイオン注入IIを行って、Snからなるコアを
Agからなるシェルによって覆ってなる複合微粒子を上
記のZnS膜中に分散させ(以下、この膜をAg被覆S
n微粒子分散ZnS結晶という)、これにより目的とす
る導波路型光素子を得た。
【0090】次に、この素子の導波路層(上記のAg被
覆Sn微粒子分散ZnS結晶)に室温下で波長600n
m、強度50μJ/cm2 の光を入射させた。導波モー
ド励起のためプリズム・カップラ法を用いた。次に、波
長600nm、強度20000μJ/cm2 の光を導波
路層に対して垂直上方から照射すると、この素子からの
出射光強度が10倍以上に増加した。この光による光学
変調はAg被覆Sn微粒子分散ZnS結晶における非線
形応答性を示している。スイッチに要する時間は、オン
・オフともに20psであり、この光素子は低い光強度
の下でも高速のスイッチ性能を有することが判明した。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば|
χ(3)|/αの値がより大きい非線形光学材料を提供す
ることが可能になり、この非線形光学材料を用いること
により、より低い光強度で駆動させることが可能な非線
形光素子を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得たCdS微粒子分散ガラスおよび
非線形光学材料について室温下でそれぞれ測定した光吸
収スペクトルを示すグラフである。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屈折率1.9以上、4以下の光学的に透
    明なマトリックス中に、半導体または金属からなるコア
    の表面を前記マトリックスおよび前記コアとは異なる物
    質からなるシェルで覆った複合微粒子を分散させてなる
    ことを特徴とする非線形光学材料。
  2. 【請求項2】 マトリックスが光学的に透明かつ等方な
    非晶質物質、結晶質物質または非晶質物質と結晶質物質
    との混合物からなる、請求項1に記載の非線形光学材
    料。
  3. 【請求項3】 マトリックスがB23 とPbOとを必
    須構成成分としたガラスであり、かつB23 の量が1
    5〜50 mol%であり、PbOの量が50〜85 mol%
    である、請求項1または請求項2に記載の非線形光学材
    料。
  4. 【請求項4】 マトリックスがGa23 と、Bi23
    と、PbOおよび/またはCdOとを必須構成成分とし
    たガラスであり、かつGa23 の量が10〜35 mol
    %であり、Bi23 の量が10〜70 mol%であり、
    PbOとCdOの合量が20〜80 mol%である、請求
    項1または請求項2に記載の非線形光学材料。
  5. 【請求項5】 マトリックスがBi23 および/また
    はPbOと、ZnO、BaO、CdOおよびAl23
    から選ばれる少なくとも1種とを必須構成成分 とした
    ガラスであり、かつBi23 とPbOの合量が30〜
    85 mol%であり 、ZnOとBaOとCdOとAl2
    3 の合量が15〜70 mol%である、請求 項1または
    請求項2に記載の非線形光学材料。
  6. 【請求項6】 マトリックスがGeO2 と、Bi2
    3 、Tl2OおよびPbOから選ばれる少なくとも1種
    とを必須構成成分としたガラスであり、かつGeO2
    量が25〜70 mol%であり、Bi23 とTl2OとP
    bOの合量が25〜75 mol%である、請求項1または
    請求項2に記載の非線形光学材料。
  7. 【請求項7】 マトリックスがTiO2 とPbOとを必
    須構成成分としたガラスであり、かつTiO2 の量が3
    0〜75 mol%であり、PbOの量が25〜70 mol%
    である、請求項1または請求項2に記載の非線形光学材
    料。
  8. 【請求項8】 マトリックスがTeO2 および/または
    Sb23 と、PbOとを必須構成成分としたガラスで
    あり、かつTeO2 とSb23 の合量が20〜95 mo
    l%であり、PbOの量が5〜80 mol%である、請求
    項1または請求項2に記載の非線形光学材料。
  9. 【請求項9】 マトリックスがTeO2 および/または
    Sb23 と、BaO、MgO、SrO、ZnOおよび
    CdOから選ばれる少なくとも1種とを必須構成成分と
    したガラスであり、かつTeO2 とSb23 の合量が
    60〜98 mol%であり、BaOとBeOとMgOとS
    rOとZnOとCdOの合量が2〜40mol%である、
    請求項1または請求項2に記載の非線形光学材料。
  10. 【請求項10】 マトリックスがBi23 と、CdO
    および/またはZnOと、B23 、SiO2 およびP2
    5 から選ばれる少なくとも1種とを必須構成成分とし
    たガラスであり、かつBi23 の量が10〜90 mol
    %であり、CdOとZnOの合量が5〜85 mol%であ
    り、B23 とSiO2 とP25 の合量が1〜30 mol
    %である、請求項1または請求項2に記載の非線形光学
    材料。
  11. 【請求項11】 マトリックスがAs、GeおよびSb
    から選ばれる少なくとも1種と、S、SeおよびTeか
    ら選ばれる少なくとも1種とを必須構成成分としたガラ
    スであり、かつAsとGeとSbの合量が10〜60at
    %であり、SとSeとTeの合量が40〜90at%であ
    る、請求項1または請求項2に記載の非線形光学材料。
  12. 【請求項12】 マトリックスが、ZnS、ZnSe、
    ZnTe、CuCl、CuBr、CuI、TlI、Cs
    PbCl3 、AgGaSe2 、As23 、Tl3TaS
    4 、Tl3TaSe4 、Tl3VS4 、CdS、CdS
    e、PbS、GaSe、GaP、ダイヤモンド、Y23
    、La22S、SrTiO3 、K(Ta,Nb)O
    3 、Tl3TaSe4 、Bi2WO6 、Bi4Ti3
    12 、Bi4Ge312 、Bi4Si312 、Y3Ga5
    12 、Gd3Ga512 、(Ga,Al)As、Ga(A
    s,P)、Bi12GeO20 、Bi12SiO20 、CoF
    24、PbGeO3 、Pb(Mg1/3 ,Nb2/3 )O
    3 、Pb(Mg1/3 ,Ta2/3)O3 、Pb(Zn
    1/3 ,Nb2/3 )O3 、(Pb,La)(Zr,Ti)
    2、ZnWO4 、ZnO、TiO2 、TeO2 、Ba
    TiO3 、PbTiO3 、KNbO3 、LiNbO3
    LiTaO3 、YAlO3 、(Sr,Ba)Nb26
    La2Ti27 、Ca2NbO7 、Pb5Ge311 、P
    bNb411 、Ba2NaNb515 、Pb2KNb5
    15 、Sr2KNb515 、Ba2LiNb515、K3
    2Nb515 、Ba3TiNb415 、GeSe、Li
    InS2 、LiInSe2 、CdGa24 、Tl3As
    4 、Tl3AsSe4 、Tl3PSe4、CaMoO
    4 、PbMoO4 、CaWO4 、Bi2(MoO)3
    Pb2MoO5 、Bi2WO6 、 YVO4 およびPb
    5(GeO4)(VO42 から選ばれる少なくとも1種
    の結晶である、請求項1または請求項2に記載の非線形
    光学材料。
  13. 【請求項13】 複合微粒子のコアが、(i) Si、G
    e、AlSb、InP、GaAs、GaP、ZnS、Z
    nSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、Pb
    S、PbSe、PbTe、Se、Te、CuCl、Cu
    Br、CuI、TlCl、TlBrおよびTlIからな
    る半導体群より選ばれる半導体、(ii)前記半導体群より
    選ばれる少なくとも2種の半導体同士の固溶体、(iii)
    前記半導体群より選ばれる少なくとも1種の半導体を総
    量で90 mol%以上含む固溶体、(iv)Cu,Ag,A
    u,Pd,Ni,Sn,Co,Rh,Ir,Fe,R
    u,Mn,Mo,W,Nb,Ta,Ti,Bi,Sbお
    よびPbからなる金属群より選ばれる金属、(v) 前記金
    属群より選ばれる少なくとも2種の金属同士の合金、ま
    たは(vi) 前記金属群より選ばれる少なくとも1種の金
    属を総量で80 mol%以上含む合金からなり、該コアの
    材質からみて少なくとも1種の複合微粒子がマトリック
    ス中に分散されている、請求項1〜請求項12のいずれ
    か1項に記載の非線形光学材料。
  14. 【請求項14】 複合微粒子のコアを覆っているシェル
    物質が、(a) Cu,Ag,AuおよびPdからなる金属
    群から選ばれる金属、(b) 前記金属群から選ばれる少な
    くとも2種の金属同士の合金、または(c) 前記金属群か
    ら選ばれる少なくとも1種の金属を総量で80 mol%以
    上含む合金であり、該シェル物質からみて少なくとも1
    種の複合金属がマトリックス中に分散されている、請求
    項1〜請求項13のいずれか1項に記載の非線形光学材
    料。
  15. 【請求項15】 複合微粒子の大きさが0.2〜500
    nmである、請求項1〜請求項14のいずれか1項に記
    載の非線形光学材料。
  16. 【請求項16】 マトリックスとして屈折率1.9以
    上、4以下の光学的に透明な物質を用い、溶融・熱析出
    法、イオン注入法、イオン交換法、スパッタ法またはゾ
    ル−ゲル法によって、前記マトリックス中に半導体また
    は金属からなるコアの表面を前記マトリックスおよび前
    記コアとは異なる物質からなるシェルで覆った複合微粒
    子を分散させてなる非線形光学材料を得ることを特徴と
    する、非線形光学材料の製造法。
  17. 【請求項17】 マトリックスに微粒子を分散させてな
    る非線形光学材料によって光路の一部または全部が形成
    されており、該非線形光学材料の非線形光学特性を利用
    して光制御を行う非線形光素子において、 前記非線形光学材料が請求項1〜15のいずれか1項に
    記載の非線形光学材料であることを特徴とする非線形光
    素子。
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JP2006323119A (ja) * 2005-05-19 2006-11-30 Kawazoe Frontier Technology Kk 固体偏光素子及びその製造方法、並びに、それを用いた液晶表示装置、液晶表示パネル及び光アイソレータ
RU2762966C2 (ru) * 2019-09-02 2021-12-24 Федеральное государственное автономное образовательное учреждение высшего образования "Уральский федеральный университет имени первого Президента России Б.Н. Ельцина" (УрФУ) СПОСОБ ПОЛУЧЕНИЯ ВЫСОКОПРОЗРАЧНОЙ КРИСТАЛЛИЧЕСКОЙ КЕРАМИКИ НА ОСНОВЕ ДВУХ ТВЕРДЫХ РАСТВОРОВ СИСТЕМЫ AgBr - TlI (ВАРИАНТЫ)

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