JP3214794B2 - 非線形光学素子およびその製造方法 - Google Patents

非線形光学素子およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非線形光学材料用の微
粒子分散複合薄膜を有する非線形光学素子およびその製
造方法に関し、特にペロブスカイト型構造のマトリック
ス中に金属の微粒子を分散析出させた非線形光学材料の
薄膜を有する非線形光学素子およびその製造方法に関す
る。この微粒子分散複合薄膜を有する素子は、光スイッ
チや光波長変換素子等、光情報分野において用いられる
大きな非線形光学効果を有する素子として利用される。
【0002】
【従来の技術】金属微粒子を分散させたガラスやコロイ
ド溶液は高い非線形光学特性を示し、さらに、半導体微
粒子を分散したガラスと比較した場合、特性評価を行う
際のレーザ照射に対し、非線形光学特性が安定であるこ
とが報告されている。
【0003】金微粒子を含有したガラスは従来から‘金
赤ガラス’と呼ばれ、赤色ガラスの一つとしてよく知ら
れた材料である。このガラスは0.01wt% 程度の金を
含有させて一旦溶融し、その後、熱処理を施して発色さ
せて造られる。
【0004】報告されている金赤ガラスの3次の非線形
感受率χ(3) の値は10-11esu程度であり、この値は必
ずしも大きくない。そして、低い値となる理由はガラス
中の金の体積分率が10-5程度の低濃度分散であるため
と考えられる。従って、非線形感受率を高めるためには
金微粒子濃度を高めることが一つの方法であると考えら
れるが、溶融法で作製する場合、溶解度の制限により高
濃度化には限界がある。
【0005】この問題を解決するために、高濃度化と組
成制御が比較的容易であるスパッタリング法やイオン注
入法についての提案が、次世代産業基盤技術・第2回光
電子材料シンポジウム予稿集P139−147,199
1年や、特開平3−294829号公報になされてい
る。前者はスパッタリングやイオン注入法でSiO2
ラスマトリックス中にAu微粒子を分散させたものであ
り、後者はSiO2 ガラス薄膜と島状成長させたAu、
Ag、Cuの金属微粒子とを交互に積層したものであ
る。このような金属微粒子分散ガラスは、分散させた金
属微粒子の表面プラズモンの励起と量子サイズ効果で大
きな非線形性が発現し、例えば高濃度化された金属微粒
子分散ガラスでは、その3次非線形感受率χ(3) が1×
10-7esu 程度まで高くなることが報告されている。
【0006】一般に、スパッタリング法を用いた金微粒
子分散ガラスは、微粒子を分散させるマトリックスとし
て、石英ガラス、多成分ガラス等が用いられ、シリカ系
ガラス基板上に成膜されている。
【0007】さらに、χ(3) 値等の非線形光学特性を向
上させるものとして、強誘電性または高誘電性のマトリ
ックス中に金属の微粒子を少なくとも1種含む非線形光
学薄膜が開示されている(特開平6−35016号、特
開平6−148703号等の各公報)。
【0008】上記のような、マトリックス中に金属を少
なくとも1種含む非線形光学薄膜は、通常、その成膜基
板としてシリカ系ガラスが用いられている。例えば、金
微粒子分散誘電体薄膜において金微粒子を成長させるた
めに800℃以上の温度で熱処理を行うと、基板と誘電
体マトリックスが反応し、マトリックスの結晶化を妨げ
る問題が生じる。また、実用化を考えた場合、数ミクロ
ン程度の膜厚が必要であり、シリカ系ガラス基板を用い
て金微粒子分散誘電体薄膜の高膜厚化を行うとクラック
や剥離などが生じ、均質な薄膜を得ることが困難であ
る。このような問題は、誘電体マトリックス中に金属の
微粒子を分散させた非線形光学薄膜一般において生じて
おり、その改善が望まれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主たる目的
は、誘電体マトリックスに金属の微粒子を含有させた非
線形光学薄膜において、クラックや剥離などの発生がな
く、膜厚を厚くしても均質な膜を得ることができ、かつ
非線形光学特性に優れた非線形光学薄膜を有する非線形
光学素子およびその製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(5)の本発明により達成される。 (1) Ap BOp+2 (ここで、AおよびBは各々陽イ
オンを表し、pは0または1である。)で表される誘電
体化合物を含有するマトリックス中に金属の微粒子を含
有させた非線形光学薄膜が、バッファー層を介して基板
上に成膜されており、前記バッファー層が前記Ap BO
p+2 で表される誘電体化合物を含有し、前記マトリック
ス組成のA/Bと前記バッファー層組成のA/Bとが互
いに異なり、このA/Bの差が0.1以上である非線形
光学素子。 (2) 前記マトリックスの誘電体化合物が、ABO3
(ここで、AおよびBは各々陽イオンを表す。)で表さ
れるペロブスカイト型構造の化合物であり、前記バッフ
ァー層の誘電体化合物が、前記ABO3 で表されるペロ
ブスカイト型構造の化合物およびBO2 (ここで、Bは
陽イオンを表す。)で表されるルチル型構造の化合物の
なかの少なくとも1種である上記(1)の非線形光学素
子。 (3) 前記バッファー層の厚さが0.01〜10μm
である上記(1)または(2)の非線形光学素子。 (4) 前記非線形光学薄膜の厚さが0.1〜50μm
である上記(1)〜(3)のいずれかの非線形光学素
子。 (5) 基板上に、Ap BOp+2 (ここで、AおよびB
は各々陽イオンを表し、pは0または1である。)で表
される誘電体化合物を含有するマトリックス中に金属の
微粒子を含有させた非線形光学薄膜を成膜するに際し、
前記基板上に、前記Ap BOp+2 で表される誘電体化合
物を含有し、前記マトリックス組成とはA/Bが異な
り、このA/Bの差が0.1以上である組成のバッファ
ー層をスパッタにより成膜し、このバッファー層上に前
記非線形光学薄膜をスパッタにより成膜し、その後熱処
理を施す非線形光学素子の製造方法。
【0011】
【作用】本発明では、Ap BOp+2 (ここで、Aおよび
Bは各々陽イオンを表し、pは0または1である。)で
表される誘電体化合物を含有するマトリックス中に、金
属の微粒子を含有させた薄膜を基板上に成膜し、この薄
膜を非線形光学薄膜としている。この場合、基板と薄膜
との間に、前記Ap BOp+2 で表される誘電体化合物を
含有し、前記マトリックスとは異なるA/Bのバッファ
ー層を設ける。この結果、クラックや剥離などの発生を
防止することができ、均質な膜質の非線形光学薄膜が得
られる。このようなクラックや剥離などの問題は、特
に、導波路等の実用目的で、非線形光学薄膜の膜厚を厚
くして直接石英基板等の基板上に成膜し熱処理をした場
合に生じやすくなるが、本発明によりこれが解決され
る。
【0012】このようなクラック等の問題は、マトリッ
クスを構成する誘電体化合物と基板材料との熱膨張係数
差が大きいことに起因していると考えられる。すなわ
ち、両者の熱膨張係数差が大きいため、薄膜の熱処理を
行うと、これらの界面で熱応力が生じ、クラック等が発
生すると考えられる。
【0013】本発明では、バッファー層を構成する誘電
体化合物とマトリックスを構成する誘電体化合物とのA
/Bを変える。なお、例えばマトリックスとしてのBa
TiO3 は線熱膨張係数が157×10-5/Kであり、
石英基板は線熱膨張係数が5×10-5/Kである。マト
リックスとはA/Bの異なるバッファー層を設けると、
熱膨張係数が異なる重層構造となるので、基板と薄膜と
の界面で生じる熱応力が緩和されるのであろうと考えら
れる。
【0014】さらに、バッファー層を介在させることに
よって、非線形光学薄膜と基板とが反応するのを防止す
ることができる。これにより、マトリックスの誘電率や
屈折率の低下等が阻止でき、非線形光学特性を良好に保
持することができると考えられる。すなわち、高い3次
の非線形感受率χ(3) と性能係数χ(3) /α(α;吸収
係数)の値を得ることができる。
【0015】なお、特開平6−222411号公報に
は、強誘電性あるいは高誘電性のマトリックス中に金属
微粒子の少なくとも1種が分散されており、その上部側
および/または下部側の表面部の金属微粒子の含有率が
中央部より低い非線形光学薄膜が開示されている。従っ
て、基板上に強誘電性あるいは高誘電性のマトリックス
として使用される化合物で構成された下地層を形成して
から金属微粒子を含有させた強誘電性あるいは高誘電性
のマトリックスの薄膜を形成することも示されている。
【0016】しかし、上記公報の非線形光学薄膜では、
本発明と異なり、それぞれA/Bの組成比の異なる強誘
電性あるいは高誘電性の化合物で下地層およびマトリッ
クスを構成してはいない。
【0017】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
【0018】本発明の非線形光学素子における非線形光
学薄膜は微粒子分散複合薄膜であり、マトリックス中に
金属の微粒子を含有する。そして、このような薄膜は、
基板上にバッファー層を介して成膜される。この場合、
マトリックスおよびバッファー層を構成する誘電体化合
物は、下記(1)で表される組成の化合物を含有する。
【0019】Ap BOp+2 (1) ここで、AおよびBは各々陽イオンを表す。pは0また
は1である。
【0020】より具体的には、p=1のABO3 で表さ
れる組成をもつペロブスカイト型構造の化合物、p=0
のBO2 で表される組成をもつルチル型構造の化合物で
あることが好ましい。
【0021】ABO3 で表される組成をもつペロブスカ
イト型構造の化合物であるときのAとしては、Ca、B
a、Sr、Pb、K、Na、Li、LaおよびCdから
選ばれた1種以上であることが好ましく、BはTi、Z
r、TaおよびNbから選ばれた1種以上であることが
好ましい。
【0022】また、BO2 で表される組成をもつルチル
型構造の化合物のTiO2 等であってもよい。
【0023】本発明では、非線形光学薄膜を基板上にバ
ッファー層を介して成膜する。このバッファー層はAB
3 等の誘電体化合物を含有するが、バッファー層組成
のA/Bをマトリックス組成のA/Bとは異なるものと
する。このようなバッファー層を介して非線形光学薄膜
を成膜することによって、クラック等の発生がなく、非
線形光学特性に優れた非線形光学薄膜が得られる。これ
に対し、バッファー層を設けないものとすると、非線形
光学薄膜にクラック等が発生したり、基板と非線形光学
薄膜とが接触して不要な反応が起き、非線形光学特性が
劣化したりすると考えられる。また、マトリックスとA
/Bが同じ誘電体化合物でバッファー層を構成した場合
もクラック等が発生する。
【0024】この場合、A/Bの組成比の差は、0.1
以上、好ましくは0.1〜1.0であることが好まし
い。ただし、マトリックス、バッファー層は、いずれの
組成のA/Bが大きいものとなっていてもよい。
【0025】なお、A/Bの組成比は、蛍光X線分析法
から求めることができる。また、A/Bの組成比が非線
形光学薄膜やバッファー層の厚さ方向などで異なるとき
は、各膜ないし各層中のA/Bの組成比の平均値を算出
し、この平均値を用いて差を求める。
【0026】本発明におけるABO3 で表される組成を
もつペロブスカイト型化合物としては、A1+5+3
2+4+3 、A3+3+3 、AX BO3 、A(B′
0.67B″0.33)O3 、A(B′0.33B″0.67)O3 、A
(B0.5 +30.5 +5 )O3 、A(B0.5 2+0.5 6+ )O
3 、A(B0.5 1+0.5 7+ )O3 、A3+(B0.5 2+0.
5 4+ )O3 、A(B0.25 1+0.75 5+)O3 、A(B0.5
3+0.5 4+ )O2.75、A(B0.5 2+0.5 5+ )O2.75
等のいずれであってもよい。
【0027】具体的には、CaTiO3 、BaTiO
3 、PbTiO3 、KTaO3 、NaTaO3 、SrT
iO3 、CdTiO3 、KNbO3 、LiNbO3 、L
iTaO3 、PZT(PbZrO3 −PbTiO3
系)、PLZT(La23 が添加されたPbZrO3
−PbTiO3 系)等である。PLZTは、PbZrO
3 −PbTiO3 系の固溶体であるPZTにLaがドー
プされた化合物であり、ABO3 の表記に従えば、A=
Pb0.890.91La0.110.09、B=Zr0.65Ti0. 35
であり、(Pb0.890.91La0.110.09)(Zr0.65
Ti0.35)O3 で示される。
【0028】一方、BO2 で表される組成をもつルチル
型化合物として、具体的には前述のようにTiO2 等が
挙げられる。
【0029】これらのペロブスカイト型化合物およびル
チル型化合物は、強誘電性材料あるいは高誘電性材料で
ある。強誘電性材料は、バルクの多結晶体の常温での誘
電率が150程度以上のものであり、また高誘電性材料
は、バルクの多結晶体の常温での誘電率が10以上15
0未満程度のものである。
【0030】本発明に用いることが好ましいペロブスカ
イト型化合物およびルチル型化合物は、特にバルクの多
結晶体の常温での誘電率が100〜300程度のチタン
酸塩ないしチタン酸塩含有ペロブスカイト型化合物やチ
タン酸ルチル型化合物であり、例えばBaTiO3 、S
rTiO3 、PLZT、CaTiO3 、PbTiO3
TiO2 等が好ましい。
【0031】従って、このような誘電体化合物のなかか
ら、マトリックス材料およびバッファー層材料を適宜選
択すればよく、非線形光学薄膜およびバッファー層の成
膜条件等を制御することによってA/Bの組成比を所定
の値とすることができる。ただし、TiO2 のようなル
チル型化合物はバッファー層に用いることが好ましい。
【0032】また、マトリックスとバッファー層をそれ
ぞれ構成する誘電体化合物は、A/Bの組成比が異なる
という条件を満足しさえすれば、同じ化合物(例えばB
aTiO3 同士の組合せ)を用いても、全く異なる化合
物(例えばBaTiO3 とTiO2 の組合せ)を用いて
もよい。ただし、通常は、マトリックスとバッファー層
に同じ化合物を用いることが好ましい。なお、マトリッ
クスとバッファー層に、それぞれ2種以上の誘電体化合
物を用いることもできる。
【0033】上記のような誘電体化合物で構成したバッ
ファー層は、A/Bの組成比にもよるが、成膜直後にお
いて、X線回折スペクトル(XRD)には明瞭なピーク
は観察されず、実質的にアモルファス状態にある。そし
て、熱処理によって結晶性が向上する。このような結晶
性の向上は、実質的な結晶状態となるときはX線回折ス
ペクトル(XRD)に明瞭なピークが観察されることで
確認できる。さらに、透過型電子顕微鏡(TEM)によ
る観察でグレインが観察されることでも確認できる。ま
た、X線回折スペクトル(XRD)に明瞭なピークが観
察されず、実質的にアモルファス状態にあるときであっ
ても、透過型電子顕微鏡(TEM)による観察ではグレ
インが観察されることで確認できる。この際、グレイン
の平均径は、いずれにおいても、20〜1000nm、特
に100〜500nmである。ただし、場合によっては、
成膜直後において、バッファー層が結晶化することもあ
る。この結晶化は、上記と同様にして確認することがで
きる。
【0034】このようなバッファー層の厚さは0.01
〜10μm 、さらには0.1〜5μm 、特には0.5〜
2μm とすることが好ましい。この範囲の厚さとするこ
とによって、非線形光学薄膜におけるクラック等の発生
や基板との不要な反応を十分に防止することができる。
これに対し、バッファー層の厚さが薄くなりすぎると、
クラック等の発生や基板との不要な反応を防止する効果
が十分に得られず、反対に厚くなりすぎると、入射光の
多重反射等が多くなりやすく、非線形光学薄膜の光学特
性に悪影響を及ぼしやすくなる。
【0035】次に、上記の誘電体化合物で構成したマト
リックスについて述べる。上記のような強誘電性材料あ
るいは高誘電性材料をマトリックスに用いることによっ
て、非線形光学特性をさらに向上させることができると
ともに、後述の成膜後の熱処理によって誘電率ないし屈
折率を変化させることにより共鳴吸収ピーク位置のシフ
トも可能になる。
【0036】なかでも、マトリックスにABO3 で表さ
れるペロブスカイト型化合物を用いる場合、マトリック
スにおけるA/Bの組成比は、0.8〜1.5であるこ
とが好ましい。マトリックスにおけるA/Bの組成比を
上記範囲とすることによって、マトリックスの結晶性を
改善することができ、非線形光学特性がさらに向上す
る。なお、この場合のマトリックスは実質的にA、Bお
よびOから構成される。
【0037】このようなマトリックスでは、成膜後と熱
処理後とにおける結晶性の変化をバッファー層と同様に
観察することができる。特に、上記のようにA/Bを好
ましい範囲にした場合、熱処理によって結晶性が向上
し、実質的に結晶状態となる。このことはX線回折スペ
クトル(XRD)に明瞭なピークが観察されることから
確認できる。さらに、熱処理による結晶化は、透過型電
子顕微鏡(TEM)による観察によって確認でき、通常
は、熱処理後にグレインが観察される。この際、グレイ
ンの平均径は50〜1000nm、特に100〜500nm
である。なお、場合によっては、成膜直後においてマト
リックスが結晶化することもある。この結晶化は、上記
と同様にして確認することができる。
【0038】本発明における非線形光学薄膜は、上記の
誘電体化合物で構成されたマトリックス中に金属の微粒
子を含有する。このときの金属としては、Au(共鳴吸
収ピーク位置約520nm)、Ag(同約370nm)、C
u(同約630nm)を用いることが好ましいが、各種単
一金属や合金が使用でき、特に制限されるものではな
い。これらにおいては、後述する熱処理により金属の微
粒子が適度に成長し、これにより非線形光学特性が向上
する効果が得られるとともに、プラズマ共鳴吸収ピーク
位置のシフト効果も得られる。
【0039】このような微粒子の平均粒径は1〜100
nm、好ましくは2〜30nmである。このような平均粒径
で量子サイズ効果が実現する。微粒子の含有量は、全体
の1〜80vol%、特に5〜60vol%であることが好まし
い。含有量が少なすぎると、非線形光学材料としての有
用性がうすれ、多すぎると、バルク的な性質が大きくな
るために光学的非線形性が小さくなる。なお、微粒子結
晶の平均粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)画像から
求めるか、あるいはX線回析スペクトルから、シェラー
の式によって求めることができる。また含有量は、化学
分析あるいは蛍光X線分析等から求めればよい。
【0040】本発明において、マトリックス中に微粒子
を分散した薄膜の厚さは、一般に0.1〜50μm とす
ることが好ましく、特に導波路等の実用目的では0.5
〜10μm とすることが好ましい。また、微粒子材料
や、場合によってはマトリックス材料を2種以上用いる
こともできる。
【0041】本発明の非線形光学薄膜は、基板上にバッ
ファー層を介して成膜されるが、バッファー層および非
線形光学薄膜は、それぞれスパッタによって形成するこ
とが好ましい。特に、非線形光学薄膜ではマトリックス
材料と微粒子材料とを同時スパッタすることが好まし
い。スパッタの方式はいずれであってもよいが、成膜速
度の点ではRFマグネトロンスパッタが好適である。こ
の成膜に際しては、雰囲気のガス圧を0.1〜20Paと
し、このなかから圧力条件を適宜選択してバッファー層
および非線形光学薄膜を成膜すればよく、これにより、
バッファー層および非線形光学薄膜のマトリックス組成
のA/Bを制御することが可能になる。このなかで、非
線形光学薄膜のマトリックス組成のA/Bを前記の好ま
しい範囲とするために、1.5〜10Pa、さらには2.
0〜10Paとすることが好ましい。非線形光学薄膜の成
膜の際のガス圧をこの範囲とした場合、バッファー層を
成膜する際のガス圧は0.3〜12Pa程度とすることが
好ましい。
【0042】成膜の際の雰囲気ガスには特に制限はな
く、アルゴンガス、アルゴン−酸素混合ガスなどを用い
ることが好ましい。アルゴン−酸素混合ガスを用いると
きの混合ガス中の酸素含有量は5〜55vol%程度とする
ことが好ましく、一般的には流入ガスの全流量(通常
2.0〜5.0SCCM)の5〜55vol%とすればよい。
【0043】その他の成膜条件には特に制限はないが、
基板温度は常温〜300℃程度、通常15〜300℃程
度とする。そして、両者の成膜スピードやターゲット面
積を変更することにより、容易に前記の含有量にて微粒
子を分散することができる。
【0044】本発明では、基板として、通常、溶融石英
基板や合成石英ガラス基板等の石英基板、ホウケイ酸ガ
ラス基板、アルミノケイ酸ガラス基板等のシリカガラス
系基板が用いられる。この他、サファイヤ(α−Al2
3 )、MgO、SrTiO3 等の単結晶基板などであ
ってもよい。大きさは目的・用途に応じて選択すればよ
く、通常0.3〜2.0mm厚のものを用いる。
【0045】なお、非線形光学薄膜の成膜では、同時ス
パッタリング法にかえ、前記の光電子材料シンポジウム
予稿集に記載のイオン注入法や、特開平3−29482
9号公報記載の交互積層スパッタリングを用いることも
できる。ただし、本発明ではこれらに限定されるもので
はない。
【0046】本発明では、上述のように、基板上にバッ
ファー層を成膜し、さらにこのバッファー層上に非線形
光学薄膜を成膜して非線形光学素子を得る。成膜直後の
非線形光学薄膜は、マトリックス中に金属の微粒子が分
散されている。そして、その後、このように基板上に積
層膜を形成した状態で非線形光学薄膜に対し熱処理を施
すことが好ましい。
【0047】このような熱処理により、非線形光学薄膜
では、マトリックスの結晶性が向上し、好ましくは結晶
化し、金属の微粒子が適度に成長し、非線形光学特性が
向上する。また、このときにバッファー層を構成する誘
電体化合物の結晶性が向上することで、好ましくは誘電
体化合物が結晶化することで、非線形光学薄膜の結晶性
が向上する。また、バッファー層を介在させているの
で、熱処理後においても非線形光学薄膜におけるクラッ
ク等の発生がなく、基板との不要な反応を防止すること
ができる。
【0048】熱処理は大気あるいは不活性ガス雰囲気中
で100℃以上、特に300℃以上、さらには500℃
以上、さらに特には800℃以上、一般に1100℃以
下、特に1000℃以下の温度に、20時間程度以下、
一般に1分以上、特に10分以上保持することによって
行えばよい。
【0049】このような熱処理は共鳴吸収ピーク位置を
調整する目的で行ってもよく、このような熱処理によ
り、共鳴吸収位置のシフトが生じ、シフト巾は100nm
にも達する。従って、熱処理条件と吸収位置の関係を実
験から求めておけば、容易に所望の共鳴吸収ピーク位置
をもつ非線形光学薄膜を再現性よく得ることができる。
【0050】本発明における熱処理は、目的等に応じ、
上記のなかから温度および時間を選択して行えばよい
が、一般に500〜1000℃、さらには800〜10
00℃程度の温度で、0.5〜18時間程度とすること
が好ましい。
【0051】本発明の素子における薄膜の誘電率εを測
定すると、一般に10以上を示し、特に100以上、さ
らに150以上、さらには200以上とすることができ
る。このような薄膜の誘電率を測定するには、合成石英
ガラス基板上に、スパッタリング法にて白金薄膜下部電
極を形成し、その上に被測定薄膜を形成して、さらにそ
の上に白金製の1mmφのパッド上部電極を形成し、必要
に応じてその後熱処理を行う。そして、LFインピーダ
ンスアナライザーを用いてCおよびQを測定し、これか
ら計算によりεを求めればよい。
【0052】また、このような薄膜のχ(3) 値は、通
常、10-7esu 以上であり、その上限値は2×10-6es
u 程度である。このような高いχ(3) 値が得られるの
は、マトリックスの結晶性が向上し、例えば非晶質マト
リックスのSiO2 に比べてマトリックスの誘電率や屈
折率などの特性および微粒子の分散性と微粒子形状の均
一性が向上すること、非線形光学薄膜と基板との不要な
反応が防止されるためマトリックスの誘電率や屈折率な
どの特性の劣化がないこと、およびマトリックス中への
金属微粒子の高濃度分散が可能であるためと考えられ
る。なお、χ(3) 値は次世代産業基盤技術・第2回光電
子材料シンポジウム予稿集P139−147,1991
年に記載の位相共役型の縮退四光波混合法(DFWM)
に準じて測定することができる。また、上記のχ(3)
は、Nd:YAGレーザ(1.06μm)の第二高調波
(532nm)を用いたときの値であり、プラズマ共鳴吸
収ピーク位置での値ではないので、このプラズマ共鳴吸
収ピーク波長でのχ(3) は10-7esu 以上、特に10-6
esu 以上の範囲でさらに一層高いものとなる。
【0053】また、χ(3) /α値が高くなる。例えば5
32nmにおけるχ(3) /α値は10-11 〜3×10-10e
su・cm 程度、好ましくは2×10-11 〜3×10-10esu
・cm程度、さらに好ましくは4×10-11 〜3×10-10
esu・cm程度である。
【0054】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0055】実施例1 基板として石英基板(0.5mm厚)を用い、RFマグネ
トロンスパッタ装置を使用し、BaTiO3 ターゲット
を用いてスパッタにより石英基板上にバッファー層を成
膜し、その後BaTiO3 ターゲット上にAuチップを
乗せ、同時スパッタを行い、非線形光学薄膜を成膜し
た。その際、基板温度は室温(20℃程度)とし、RF
パワーは100W とした。また、スパッタの際の雰囲気
は、バッファー層の場合、Arガスとし、3SCCMの流量
で導入した。また非線形光学薄膜の場合は、ArとO2
との混合ガスとし、O2 の割合を20vol%とし、全体の
流量は3SCCMとした。雰囲気のガス圧は、バッファー層
の場合、表1のBa/Tiの組成比に応じ、表1に示す
ように変化させた。また非線形光学薄膜の場合は、5Pa
とし、Ba/Tiの組成比は1.04とした。なお、バ
ッファー層の厚さは1.0μm 、非線形光学薄膜の厚さ
は3.0μm とした。厚さはスパッタ時間により制御し
た。また、非線形光学薄膜中のAu含有量は10vol%で
あった。Au含有量はAuチップ量で制御した。
【0056】その後、上記の積層サンプルに対し、大気
中900℃で1時間熱処理を行って、表1に示すような
サンプルを作製した。
【0057】また、バッファー層を成膜せず、石英基板
に非線形光学薄膜を直接成膜するほかは上記と同様にし
てサンプルを作製した。なお、Ba/Tiの組成比は蛍
光X線分析から求めた。
【0058】これらのサンプルについて非線形光学薄膜
の膜表面におけるクラックの有無を調べた。クラック
は、目視または金属顕微鏡もしくは走査型電子顕微鏡
(SEM)による観察によって調べた。さらに、χ(3)
値を測定し、χ(3) /α値を求めた。χ(3) 値はDFW
M法により測定した。このとき、光源にNd:YAGレ
ーザの第2高調波(波長532nm、パルス幅7ns、パル
スエネルギー31mJ/cm2)を使用し、参照光、信号光の
強度測定はフォトマルで行った。αは532nmにおける
吸収係数であり、透過および反射スペクトルから求め
た。
【0059】これらの結果を表1に示す。また、サンプ
ルNo. 3とサンプルNo. 11のX線回折スペクトルを図
1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】表1より、マトリックスとBa/Tiが異
なる組成のバッファー層を設けると非線形光学薄膜にお
けるクラックの発生の点が改善されることがわかる。特
に、Ba/Tiの差が0.1以上になると、クラックの
発生がみられなくなる。これはバッファー層により薄膜
と基板との界面に生じる熱応力が緩和されたためと考え
られる。従って、Ba/Tiの差が0.1以上のサンプ
ルでは、χ(3) の測定においても全く支障が生じない。
これに対し、マトリックスとBa/Tiが同じ組成のバ
ッファー層を設けたサンプルNo. 6では、クラック発生
の改善効果が得られない。また、バッファー層を設けな
いサンプルNo. 11では、クラックが発生する。さら
に、図1のX線回折スペクトルの結果から明らかなよう
に、サンプルNo. 11では、バッファー層を設けたサン
プルNo. 3ではみられない、基板とBaTiO3 マトリ
ックスとが反応して生成したBa2 TiSiO8 に帰属
する回折ピークが認められる。従って、サンプルNo. 1
1では基板とマトリックスとの間で不要な反応が生じ、
マトリックスの誘電率ないし屈折率が小さくなると考え
られ、これによって非線形光学特性が劣化していると予
想される。
【0062】実施例2 実施例1のサンプルNo. 1〜No. 10において、表2に
示すようなBa/Tiのバッファー層を成膜し、Ba/
Tiが0.81の非線形光学薄膜を成膜するほかは、同
様にしてサンプルNo. 21〜No. 29を作製した。ま
た、バッファー層を設けないサンプルNo. 30も作製し
た。ただし、非線形光学薄膜の成膜の際のガス圧は2.
5Paとした。
【0063】これらのサンプルについて、クラックの発
生を実施例1と同様にして調べた。結果を表2に示す。
【0064】
【表2】
【0065】表2より、本発明の効果は明らかである。
なお、実施例1と同様にして非線形光学特性の評価を行
ったが、バッファー層の有無ないし組成に応じ同様の傾
向を示した。
【0066】実施例3 実施例1のサンプルNo. 1〜No. 10において、表3に
示すようなBa/Tiのバッファー層を成膜し、Ba/
Tiが1.43の非線形光学薄膜を成膜するほかは、同
様にしてサンプルNo. 41〜No. 50を作製した。ま
た、バッファー層を設けないサンプルNo. 51も作製し
た。ただし、非線形光学薄膜の成膜の際のガス圧は8.
5Paとした。
【0067】これらのサンプルについて、クラックの発
生を実施例1と同様にして調べた。結果を表3に示す。
【0068】
【表3】
【0069】表3より、本発明の効果は明らかである。
なお、実施例1と同様にして非線形光学特性の評価を行
ったが、バッファー層の有無ないし組成に応じ同様の傾
向を示した。
【0070】実施例4 実施例1〜3の各サンプルにおいて、非線形光学薄膜の
成膜の際の雰囲気のガスをArとするほかは同様にして
サンプルを作製し、同様に評価した。これらのサンプル
においても、バッファー層の有無、バッファー層のBa
/Tiの組成比に応じ、実施例1〜3と同様の傾向を示
した。
【0071】実施例5 実施例1〜3の各サンプルにおいて、非線形光学薄膜の
成膜の際の雰囲気のガスをArとO2 の混合ガス(O2
の含有量50vol%)とするほかは同様にしてサンプルを
作製し、同様に評価した。これらのサンプルにおいて
も、バッファー層の有無、バッファー層のBa/Tiの
組成比に応じ、実施例1〜3と同様の傾向を示した。
【0072】実施例6 実施例1〜5の各サンプルにおいて、バッファー層およ
び非線形光学薄膜の成膜の際、BaTiO3 ターゲット
を用いるかわりにSrTiO3 ターゲットを用いるほか
は同様にしてバッファー層および非線形光学薄膜を成膜
して同様にサンプルを作製し、同様に評価した。これら
のサンプルにおいても、バッファー層の有無、バッファ
ー層のSr/Tiの組成比に応じ、実施例1〜5と同様
の傾向を示した。
【0073】実施例7 実施例1のサンプルNo. 1において、バッファー層の成
膜の際のターゲットをTiO2 に変更し、TiO2 で構
成されたバッファー層とするほかは、同様にサンプルを
作製した。このサンプルについて、、実施例1と同様に
評価したところ、クラックの発生がなく、非線形光学特
性も良好であった。
【0074】実施例8 実施例7のサンプルにおいて、非線形光学薄膜の成膜の
際、BaTiO3 ターゲットを用いるかわりにSrTi
3 ターゲットを用いるほかは同様にしてサンプルを作
製し、同様に評価した。このサンプルについても実施例
7のサンプルと同等の結果が得られた。
【0075】実施例9 実施例1のサンプルNo. 1〜No. 10において、バッフ
ァー層の成膜に際し、BaTiO3 ターゲットのかわり
にSrTiO3 ターゲットを用いてSr/Tiの組成比
がBa/Tiの組成比と各々同じになるような条件で成
膜するほかは同様にしてサンプルを作製し、同様に評価
した。これらのサンプルについてもバッファー層のSr
/Tiの組成比に応じ同様の傾向を示した。
【0076】実施例10 実施例1のサンプルNo. 1〜No. 10において、非線形
光学薄膜の成膜に際し、BaTiO3 ターゲットのかわ
りにSrTiO3 ターゲット上にAuチップを乗せてS
r/Tiの組成比が1.04となるような条件で成膜す
るほかは同様にしてサンプルを作製し、同様に評価し
た。これらのサンプルについてもバッファー層のBa/
Tiの組成比に応じ同様の傾向を示した。
【0077】実施例11 実施例1〜10の各サンプルにおいて、非線形光学薄膜
の成膜に際し、AuチップのかわりにAgチップ、Cu
チップを各々用いて成膜するほかは同様にサンプルを作
製し、同様に評価した。このようなサンプルにおいて
も、バッファー層の有無、バッファー層の組成に応じ、
同様の傾向を示した。
【0078】
【発明の効果】本発明によれば、クラック等の発生がな
く、膜厚を厚くしても膜質が均質で、かつ非線形光学特
性に優れた非線形光学薄膜を有する非線形光学素子が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】バッファー層の有無によるX線回折スペクトル
の変化を示すグラフである。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/355 501

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ap BOp+2 (ここで、AおよびBは各
    々陽イオンを表し、pは0または1である。)で表され
    る誘電体化合物を含有するマトリックス中に金属の微粒
    子を含有させた非線形光学薄膜が、バッファー層を介し
    て基板上に成膜されており、 前記バッファー層が前記Ap BOp+2 で表される誘電体
    化合物を含有し、前記マトリックス組成のA/Bと前記
    バッファー層組成のA/Bとが互いに異なり、このA/
    Bの差が0.1以上である非線形光学素子。
  2. 【請求項2】 前記マトリックスの誘電体化合物が、A
    BO3 (ここで、AおよびBは各々陽イオンを表す。)
    で表されるペロブスカイト型構造の化合物であり、前記
    バッファー層の誘電体化合物が、前記ABO3 で表され
    るペロブスカイト型構造の化合物およびBO2 (ここ
    で、Bは陽イオンを表す。)で表されるルチル型構造の
    化合物のなかの少なくとも1種である請求項1の非線形
    光学素子。
  3. 【請求項3】 前記バッファー層の厚さが0.01〜1
    0μm である請求項1または2の非線形光学素子。
  4. 【請求項4】 前記非線形光学薄膜の厚さが0.1〜5
    0μm である請求項1〜3のいずれかの非線形光学素
    子。
  5. 【請求項5】 基板上に、Ap BOp+2 (ここで、Aお
    よびBは各々陽イオンを表し、pは0または1であ
    る。)で表される誘電体化合物を含有するマトリックス
    中に金属の微粒子を含有させた非線形光学薄膜を成膜す
    るに際し、 前記基板上に、前記Ap BOp+2 で表される誘電体化合
    物を含有し、前記マトリックス組成とはA/Bが異な
    り、このA/Bの差が0.1以上である組成のバッファ
    ー層をスパッタにより成膜し、このバッファー層上に前
    記非線形光学薄膜をスパッタにより成膜し、その後熱処
    理を施す非線形光学素子の製造方法。
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