JPH08328019A - 液晶セル及びその製造方法 - Google Patents

液晶セル及びその製造方法

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JPH08328019A
JPH08328019A JP13174895A JP13174895A JPH08328019A JP H08328019 A JPH08328019 A JP H08328019A JP 13174895 A JP13174895 A JP 13174895A JP 13174895 A JP13174895 A JP 13174895A JP H08328019 A JPH08328019 A JP H08328019A
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JP
Japan
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liquid crystal
crystal cell
electrode substrates
elastic
spacers
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JP13174895A
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English (en)
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Makoto Sato
良 佐藤
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 弾性材料を有効に活用することにより、物理
現象に影響されることなくセルギャップを適正に保持し
得る液晶セル及びその製造方法を提供する。 【構成】 両電極板10、20の間には、多数の樹脂ス
ペーサ50が介装されている。樹脂スペーサ50の粒径
は、液晶セルの目標とするセルギャップよりも少し大き
い値となっている。全樹脂スペーサ50のうち70%以
上が、その弾性作用により潰れて変形した状態で両電極
基板10、20の間に挟持されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶セル及びその製造
方法に係り、特に、反強誘電性液晶や強誘電性液晶等の
スメクチック液晶を採用してなる液晶セル及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の液晶セルとしては、例え
ば、図6にて示すように構成したものがある。この液晶
セルは、両電極基板10、20を多数のガラススペーサ
30を介し互いに重ね合わせるとともに、これら両電極
基板10、20の間に反強誘電性液晶40を封入して構
成されている。
【0003】ここで、電極基板10は、ガラス基板11
を有しており、このガラス基板11の内表面には、複数
の透明電極12が平行に設けられている。また、配向膜
13が、複数の透明電極12を介してガラス基板11の
内表面に形成されている。一方、電極基板20は、ガラ
ス基板21を有しており、このガラス基板21の内表面
には、複数の透明電極22が複数の透明電極12と共に
格子状電極を構成するように設けられている。また、配
向膜23が、複数の透明電極22を介してガラス基板2
1の内表面に形成されている。
【0004】さらに、反強誘電性液晶40を液晶として
採用しているため、両ガラス基板11、21の各内表面
には、各偏光板14、24が貼着されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した各
ガラススペーサ30は、両電極基板10、20の間隔、
即ち反強誘電性液晶40の厚み(以下、セルギャップと
いう)を均一に保持するために採用されるものである
が、これら各ガラススペーサ30の粒径は、その製造
上、図7にて示すような頻度分布にて、バラツクのが通
常である。
【0006】従って、大径のガラススペーサ30を基準
にして両電極基板10、20を重ね合わせると、セルギ
ャップが大径のスペーサ30により決まる。このため、
セルギャップ中において小径のスペーサ30が存在する
領域では、これら小径のスペーサが、図6にて領域Aに
て示すごとく、セルギャップの維持に寄与しない。その
結果、このような領域Aにて電極基板20に外部から圧
力がかかると、電極基板20が局部的に変形してセルギ
ャップが減少し、反強誘電性液晶40の分子が局部的に
移動し反強誘電性液晶としての配向が部分的に乱れてし
まう。このような現象は、例えば、ガラス基板に偏光板
を貼着するときの加圧力により発生する。
【0007】そして、上述のように配向が乱れた部分
は、白くなってしまい、黒表示した場合に他の部分と比
べて明るく、表示むらを招くという不具合が生ずる。な
お、平成6年1月15日付けにて発行された日本電装公
開技報(整理番号94−118)にて示すように、大径
のガラススペーサと小径のガラススペーサとを両電極基
板の間に散布し、大径のガラススペーサを加圧により電
極基板の内表面にめり込ませた状態で、小径のガラスス
ペーサによりセルギャップを保持するようにしたものも
あるが、この場合にも、小径のガラススペーサの粒径に
はバラツキがあるため、図6の場合と同様の不具合が生
ずる。
【0008】そこで、本発明は、以上のようなことに対
処すべく、弾性材料を有効に活用することにより、物理
現象に影響されることなくセルギャップを適正に保持し
得る液晶セル及びその製造方法を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明においては、多数のスペーサ
を介し重ね合わせた両電極基板(10、20)と、これ
ら両電極基板の間に封入したスメクチック液晶(40)
とを備える液晶セルにおいて、前記多数のスペーサが弾
性スペーサ(50)からなることを特徴とする液晶セル
が提供される。
【0010】また、請求項2に記載の発明では、請求項
1に記載の液晶セルにおいて、前記各弾性スペーサがそ
の弾性作用により変形した状態で前記両電極基板間に挟
持されていることを特徴とする。また、請求項3に記載
の発明では、請求項1又は2に記載の液晶セルにおい
て、前記弾性スペーサが弾性樹脂材料からなることを特
徴とする。
【0011】また、請求項4に記載の発明では、請求項
1乃至3のいずれか一つに記載の液晶セルにおいて、前
記弾性スペーサが、プラスチック、アクリル樹脂材料、
PVA樹脂材料或いはポリイミド樹脂材料からなること
を特徴とする。また、請求項5に記載の発明において
は、多数のスペーサを介し重ね合わせた両電極基板(1
0、20)と、これら両電極基板の間に封入したスメク
チック液晶(40)とを備える液晶セルにおいて、前記
両電極基板の少なくとも一方の内部に弾性層(25)を
設けてなることを特徴とする液晶セルが提供される。
【0012】また、請求項6に記載の発明では、請求項
5に記載の液晶セルにおいて、前記弾性層がその弾性作
用により変形した状態で前記両電極基板の重ね合わせ状
態が維持されていることを特徴とする。また、請求項7
に記載の発明では、請求項5又は6に記載の液晶セルに
おいて、前記弾性層が弾性樹脂材料からなることを特徴
とする。
【0013】また、請求項8に記載の発明では、請求項
5乃至7のいずれか一つに記載の液晶セルにおいて、前
記弾性層が、プラスチック、アクリル樹脂材料、PVA
樹脂材料或いはポリイミド樹脂材料からなることを特徴
とする。また、請求項9に記載の発明では、請求項5乃
至8のいずれか一つに記載の液晶セルにおいて、前記樹
脂層の厚さが1μm以上であることを特徴とする。
【0014】また、請求項10に記載の発明では、請求
項5乃至9のいずれか一つに記載の液晶セルにおいて、
前記スペーサが剛性材料(30)からなることを特徴と
する。また、請求項11に記載の発明では、請求項5乃
至9のいずれか一つに記載の液晶セルにおいて、前記ス
ペーサが弾性材料(50)からなることを特徴とする。
【0015】また、請求項12に記載の発明において
は、多数のスペーサを介し両電極基板(10、20)を
重ね合わせるとともにこれら両電極基板の間にスメクチ
ック液晶(40)を封入してなる液晶セルの製造方法に
おいて、前記多数のスペーサとして採用した多数の弾性
スペーサ(50)を介し前記両電極基板を重ね合わせた
後、前記液晶セルの製造中に加わる所定力以上の外力を
前記両電極基板に加えることを特徴とする液晶セルの製
造方法が提供される。
【0016】また、請求項13に記載の発明において
は、多数のスペーサを介し両電極基板(10、20)を
重ね合わせるとともにこれら両電極基板の間にスメクチ
ック液晶(40)を封入してなる液晶セルの製造方法に
おいて、前記両電極基板の少なくとも一方の内部に弾性
層(25)を形成し、前記両電極基板を重ね合わせた
後、前記液晶セルの製造中に加わる所定力以上の外力を
前記両電極基板に加えることを特徴とする液晶セルの製
造方法が提供される。
【0017】また、請求項14に記載の発明では、請求
項12或いは13に記載の液晶セルの製造方法におい
て、前記所定力が5ニュートン以上であることを特徴と
する。また、請求項15に記載の発明では、請求項12
に記載の液晶セルの製造方法において、前記多数の弾性
スペーサの70%以上がその弾性変形により前記両電極
基板の各内面に当接するように、前記所定力が設定され
ていることを特徴とする。
【0018】なお、上記各構成要素のカッコ内の符号
は、後述する実施例記載の具体的構成要素との対応関係
を示すものである。
【0019】
【発明の作用効果】上記請求項1乃至4に記載の発明に
よれば、重ね合わせた両電極基板の間の多数のスペーサ
が弾性スペーサからなる。これにより、弾性スペーサが
その弾性により液晶セルのセルギャップを保持するの
で、液晶セルに外力が加わっても、この外力が弾性スペ
ーサの弾性変形により吸収される。従って、セルギャッ
プが局部的に変形することがない。
【0020】その結果、スメクチック液晶の分子が局部
的に移動することもなく、スメクチック液晶全体の配向
特性を、外力に影響されることなく、正常に維持した液
晶セルの提供が可能となる。また、請求項5乃至11に
記載の発明によれば、多数のスペーサを介し重ね合わせ
た両電極基板の少なくとも一方の内部に弾性層が設けら
れている。
【0021】これにより、液晶セルに外力が加わって
も、当該外力が弾性層の弾性変形により吸収される。従
って、セルギャップが局部的に変形することがない。そ
の結果、請求項1乃至4に記載の発明と実質的に同様に
効果を達成できる。また、請求項12、14、15に記
載の発明によれば、多数の弾性スペーサを介し両電極基
板を重ね合わせた後、液晶セルの製造中に加わる所定力
以上の外力が前記両電極基板に加えられる。
【0022】これにより、樹脂スペーサが外力によりそ
の弾性作用に基づき潰れ、その大半が両電極基板の各内
表面に当接する。このため、その後に両ガラス基板に外
力が加わっても、液晶セルのセルギャップが局部的に変
形することがない。その結果、スメクチック液晶の分子
が局部的に移動することもなく、スメクチック液晶全体
の配向特性を、外力に影響されることなく、正常に維持
した液晶セルの製造が可能となる。
【0023】また、請求項13及び14に記載の発明で
は、両電極基板の少なくとも一方の内部に弾性層を形成
しておき、両電極基板を重ね合わせた後、液晶セルの製
造中に加わる所定力以上の外力が両電極基板に加えられ
る。これにより、請求項12に記載の発明と同様の作用
効果を達成できる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を図に示す実施例について説明
する。 (第1実施例)図1は、液晶表示装置に採用される液晶
セルに本発明を適用した例を示している。
【0025】この液晶セルは、図6にて示した液晶セル
において、各ガラススペーサ30に代えて弾性樹脂材料
からなる各スペーサ50(以下、各樹脂スペーサ50と
いう)を採用して構成されている。従って、本実施例に
おける液晶セルの構成部材のうち図6の液晶セルの構成
部材と同一の構成部材には、図6の液晶セルの構成部材
と同一の符号を付すことで、その説明は省略する。
【0026】本実施例においては、樹脂スペーサ50の
形成材料としては、プラスチックが採用されている。こ
こで、樹脂スペーサ50の粒径は、液晶セルの目標とす
るセルギャップ(例えば、2μm)よりも少し大きい値
となっている。そして、全樹脂スペーサ50のうち70
%以上が、図1にて例示するごとく、その弾性作用によ
り潰れて変形した状態で両電極基板10、20の間に挟
持されている。なお、このような挟持状態は、両電極基
板10、20をケーシングにより挟持することにより維
持されている。
【0027】次に、液晶セルの製造方法について図2を
参照して説明する。スペーサ散布工程S1において、液
晶セルの目標のセルギャップ(例えば、約2μm)より
も少し大きい粒径の多数の樹脂スペーサ50を、予め準
備した電極基板10の配向膜13上に一様に散布する。
一方、シール印刷工程S2において、予め準備した電極
基板20の配向膜23の外周縁に沿い帯状シールを印刷
する。
【0028】然る後、重ね合わせ工程S3において、各
樹脂スペーサ50及び上記シールを介し両電極基板1
0、20を重ね合わせる。ついで、加圧硬化工程S4に
おいて、両電極基板10、20を加熱して上記シールを
硬化させつつ、両電極基板10、20の各外表面に一様
に加圧力(例えば、5乃至10ニュートンの範囲内の
値)を与える。
【0029】このとき、当該加圧力としては、樹脂スペ
ーサ50が図1にて例示するごとくその弾性作用により
潰れてその散布数の70%以上の樹脂スペーサが両電極
基板10、20の各内表面に当接するような値が採用さ
れる。なお、このような値とすれば、セルギャップはこ
の値以下の外力では変化しない。ついで、液晶注入封止
工程S5において、上述のような加圧状態を維持したま
まにて、両電極基板10、20の間に反強誘電性液晶4
0を注入した後封止する。
【0030】然る後、偏光板貼着工程S6において、両
電極基板10、20の各ガラス基板の外表面に各偏光板
14、24をそれぞれ圧力を与えて貼着する。このよう
な貼着後、ケーシング組付工程S7において、上述のよ
うな加圧状態を維持したままにて、両電極基板10、2
0をケーシング(図示しない)内に組み付けて挟持す
る。これにより、上記加圧状態を解除しても、この加圧
状態が上記ケーシングにより保持される。
【0031】このようにして、図1にて示す液晶セルの
製造が完了する。以上説明したように、本実施例では、
両電極基板10、20の間に散布するスペーサとして樹
脂スペーサ50を採用し、樹脂スペーサ50を加圧力に
よりその弾性作用に基づき潰し、そのうち70%以上が
両電極基板10、20の各内表面に当接するようにし
た。
【0032】これにより、樹脂スペーサ50の大半がそ
の弾性変形状態にて液晶セルのセルギャップを均一に保
持する役割を果たすこととなる。このことは、液晶セル
の外力に対する耐久性を向上できることを意味する。こ
のため、上述のように偏光板を貼着するにあたり、両ガ
ラス基板に外力が加わっても、液晶セルのセルギャップ
が局部的に変形することがない。その結果、反強誘電性
液晶40の分子が局部的に移動することもなく、反強誘
電性液晶全体の配向特性を、外力に影響されることな
く、正常に維持した液晶セルの提供が可能となる。かか
る場合、樹脂スペーサ50がその弾性作用により樹脂ス
ペーサ50の粒径のバラツキを吸収するので、樹脂スペ
ーサの粒径の製造精度を上げる必要もない。
【0033】また、例えば、タッチパネルを備えた車両
用ナビゲーションシステムに、本発明に係る液晶表示装
置を採用した場合において、ユーザがタッチパネル上の
表示ボタンを指で押すことにより液晶パネルを押圧する
ことがあっても、上述のように、樹脂スペーサ50の大
半が液晶セルのセルギャップを均一に維持する役割を果
しているので、セルギャップが局部的に変形することも
ない。
【0034】また、反強誘電性液晶40からなる液晶層
の相対体積(温度130℃のときの液晶層の体積を基準
とする)は、図4にて示すごとく、温度変化により30
%近く変動する。このため、反強誘電性液晶40の温度
を低下させると、液晶層が収縮して液晶割れ(セルギャ
ップ内に反強誘電性液晶40の存在しない領域が液晶分
子の並びに沿って線状に発生すること)が生じ線欠陥現
象を呈する。一方、反強誘電性液晶40の温度を高くす
ると、黒点(反強誘電性液晶40が膨張してセルギャッ
プ内で行き場のない液晶部分の配向乱れがミクロ的に発
生しコントラストを低下させる現象)が生ずる。
【0035】しかし、上述のように本実施例では、両電
極基板10、20の間に散布するスペーサとして採用し
た樹脂スペーサ50の大半が、潰れた状態で均一なセル
ギャップの維持をする役割を果している。換言すれば、
セルギャップが樹脂スペーサ50の弾性作用に基づき反
強誘電性液晶40の体積変化に追随する。従って、樹脂
スペーサ50の潰れ度合いを適正に(例えば、液晶層の
最小の相対体積のときに)選定しておけば、樹脂スペー
サ50が、その弾性作用により、反強誘電性液晶40の
温度変化による体積変化分を追随性よく伸縮して吸収す
る。その結果、上述した液晶割れや黒点が生ずることも
ない。
【0036】また、上述のように反強誘電性液晶40の
温度による体積変化が樹脂スペーサ50の弾性作用によ
り吸収されるので、樹脂スペーサ50の粒径のバラツキ
を減少させるように製造精度を上げる必要もなく、通常
の製造精度の樹脂スペーサを採用しても、その弾性作用
により、樹脂スペーサの粒径のバラツキを十分に吸収で
きる。これにより、反強誘電性液晶40の温度による体
積変化に対しても強い液晶セルの提供が可能となる。
【0037】ちなみに、本実施例の液晶セル及び従来の
液晶セル(図6参照)の耐外力特性をオートグラフによ
り調べてみたところ、図3にて示すような結果が得られ
た。この図3は、液晶セルに対する外力と光相対透過率
との関係を示す。特性曲線L1が従来の液晶セルに対す
る外力と光相対透過率との関係を示し、また、特性曲線
L2が本実施例の液晶セルに対する外力と光相対透過率
との関係を示す。
【0038】ここで、この光相対透過率の変化には、一
般に、反強誘電性液晶の配向特性との関係で可逆性があ
る。実験的には、光相対透過率は、11%程度までであ
れば、液晶セルに対する外力を排除すれば、元に戻る。
しかして、特性曲線L1によれば、従来の液晶セルに0
乃至40ニュートンの範囲で外力を加えた場合、従来の
液晶セルでは、光相対透過率が11%を超えて急激に上
昇し、一方、この外力を除去しても、光相対透過率は元
に戻らず上昇したままとなることが分かる。
【0039】これは、上述したセルギャップの局部的な
変形により反強誘電性液晶の分子が移動して当該反強誘
電性液晶の配向が乱れて部分的に白くなっていることを
意味する。一方、特性曲線L2によれば、本実施例の液
晶セルに上述と同様に外力を加えた場合、光相対透過率
が11%未満に収まり、反強誘電性液晶の配向が可逆性
を維持できる範囲内にある。
【0040】これは、上述のようなセルギャップの局部
的な変形がないために反強誘電性液晶の配向の乱れが殆
どないことを意味する。 (第2実施例)次に、本発明の第2実施例につき図5を
参照して説明する。この第2実施例における液晶セル
は、上記第1実施例にて述べた電極基板10と、電極基
板20に代わる電極基板20Aとを備え、これら両電極
基板10、20Aを、図6にて示す多数のガラススペー
サ30を介し互いに重ね合わせるとともに、これら両電
極基板10、20Aの間に反強誘電性液晶40を封入し
て構成されている。
【0041】電極基板20Aは、電極基板20におい
て、ガラス基板21と各透明電極22との間に弾性樹脂
材料(例えば、アクリル樹脂材料)からなる樹脂層25
が形成されている。この弾性層25の厚さは、セルギャ
ップ(2μm)の局部的変形を吸収できるように、1μ
m以上の値にしてある。また、本第2実施例における液
晶セルの製造にあたり、上記加圧硬化工程S4におい
て、ガラススペーサ30を介し互いに重ね合わせた両電
極基板10、20Aの各外表面に一様に加圧力(例え
ば、5乃至10ニュートンの範囲内の値)を与える。
【0042】このとき、各ガラススペーサ30は剛体で
あるため、当該加圧力としては、樹脂層24が図5にて
例示するごとくその弾性作用により潰れて散布数の70
%以上のガラススペーサが両電極基板10、20Aの各
内表面に当接するような値が採用される。なお、このよ
うな値とすれば、セルギャップはこの値以下の外力では
変化しない。
【0043】このように構成した本第2実施例において
も、樹脂層24が上記第1実施例にて述べた樹脂スペー
サ50と同様に弾性変形することによりガラススペーサ
30の粒径のバラツキを吸収するので、上記第1実施例
と同様の作用効果を達成できる。なお、本発明に実施に
あたっては、上記各実施例にて述べた液晶表示装置に限
ることなく、例えば、液晶スイッチの液晶セルに本発明
を適用して実施してもよい。
【0044】また、上記第2実施例では、樹脂層25を
電極基板20Aに設けるようにしたが、これに代えて、
電極基板10或いは両電極基板10、20Aに設けるよ
うにして実施してもよい。また、上記第2実施例では、
両電極基板10、20A間に散布するスペーサとしてガ
ラススペーサ30を採用した例について説明したが、こ
れに代えて、上記第1実施例にて述べた樹脂スペーサ5
0をガラススペーサ30に代えて採用して実施してもよ
い。これにより、樹脂層25及び樹脂スペーサ50の双
方の弾性作用を有効に活用して、上記各実施例にて述べ
た作用効果を達成できる。
【0045】この場合、樹脂層25及び樹脂スペーサ5
0の双方の弾性変形でスペーサの粒径のバラツキを吸収
できるので、樹脂層25及び樹脂スペーサ50の各変形
度合いが少なくてすむ。従って、配向膜23が樹脂層2
5の変形に伴い変形するが、この変形量も少なくてす
む。また、本発明の実施にあたっては、液晶セルの液晶
としては、反強誘電性液晶に限ることなく、強誘電性液
晶等のスメクチック液晶(カイラルスメクチック液晶を
含む)を採用して実施してもよい。
【0046】また、本発明の実施にあたり、樹脂スペー
サ50や樹脂層24の形成材料としては、プラスチック
やアクリル樹脂材料に限ることなく、PVA樹脂材料、
ポリイミド樹脂材料、硬質ゴムや、シリコン球にアクリ
ル樹脂系接着剤をコーティングしたもの等の弾性材料を
採用して実施してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液晶セルの第1実施例を示す要部
断面図である。
【図2】図1の液晶セルの製造工程を示す要部工程図で
ある。
【図3】上記第1実施例の液晶セル及び図6の液晶セル
の場合の光相対透過率と外力との関係を示すグラフであ
る。
【図4】上記第1実施例における液晶セル中の反強誘電
性液晶の相対体積と温度との関係を示すグラフである。
【図5】本発明に係る液晶セルの第2実施例を示す要部
断面図である。
【図6】従来の液晶セルを示す要部断面図である。
【図7】従来の液晶セルのガラススペーサの粒径とその
頻度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10、20・・・電極基板、25・・・樹脂層、30・
・・ガラススペーサ、40・・・反強誘電性液晶、50
・・・樹脂スペーサ。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数のスペーサを介し重ね合わせた両電
    極基板と、これら両電極基板の間に封入したスメクチッ
    ク液晶とを備える液晶セルにおいて、 前記多数のスペーサが弾性スペーサからなることを特徴
    とする液晶セル。
  2. 【請求項2】 前記各弾性スペーサがその弾性作用によ
    り変形した状態で前記両電極基板間に挟持されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の液晶セル。
  3. 【請求項3】 前記弾性スペーサが弾性樹脂材料からな
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶セル。
  4. 【請求項4】 前記弾性スペーサが、プラスチック、ア
    クリル樹脂材料、PVA樹脂材料或いはポリイミド樹脂
    材料からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれ
    か一つに記載の液晶セル。
  5. 【請求項5】 多数のスペーサを介し重ね合わせた両電
    極基板と、これら両電極基板の間に封入したスメクチッ
    ク液晶とを備える液晶セルにおいて、 前記両電極基板の少なくとも一方の内部に弾性層を設け
    てなることを特徴とする液晶セル。
  6. 【請求項6】 前記弾性層がその弾性作用により変形し
    た状態で前記両電極基板の重ね合わせ状態が維持されて
    いることを特徴とする請求項5に記載の液晶セル。
  7. 【請求項7】 前記弾性層が弾性樹脂材料からなること
    を特徴とする請求項5又は6に記載の液晶セル。
  8. 【請求項8】 前記弾性層が、プラスチック、アクリル
    樹脂材料、PVA樹脂材料或いはポリイミド樹脂材料か
    らなることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一つ
    に記載の液晶セル。
  9. 【請求項9】 前記樹脂層の厚さが1μm以上であるこ
    とを特徴とする請求項5乃至8のいずれか一つに記載の
    液晶セル。
  10. 【請求項10】 前記スペーサが剛性材料からなること
    を特徴とする請求項5乃至9のいずれか一つに記載の液
    晶セル。
  11. 【請求項11】 前記スペーサが弾性材料からなること
    を特徴とする請求項5乃至9のいずれか一つに記載の液
    晶セル。
  12. 【請求項12】 多数のスペーサを介し両電極基板を重
    ね合わせるとともにこれら両電極基板の間にスメクチッ
    ク液晶を封入してなる液晶セルの製造方法において、 前記多数のスペーサとして採用した多数の弾性スペーサ
    を介し前記両電極基板を重ね合わせた後、前記液晶セル
    の製造中に加わる所定力以上の外力を前記両電極基板に
    加えることを特徴とする液晶セルの製造方法。
  13. 【請求項13】 多数のスペーサを介し両電極基板を重
    ね合わせるとともにこれら両電極基板の間にスメクチッ
    ク液晶を封入してなる液晶セルの製造方法において、 前記両電極基板の少なくとも一方の内部に弾性層を形成
    し、 前記両電極基板を重ね合わせた後、前記液晶セルの製造
    中に加わる所定力以上の外力を前記両電極基板に加える
    ことを特徴とする液晶セルの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記所定力が5ニュートン以上である
    ことを特徴とする請求項12或いは13に記載の液晶セ
    ルの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記多数の弾性スペーサの70%以上
    がその弾性変形により前記両電極基板の各内面に当接す
    るように、前記所定力が設定されていることを特徴とす
    る請求項12に記載の液晶セルの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2000155320A (ja) * 1998-11-19 2000-06-06 Nec Corp アクティブマトリクス液晶表示装置

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JP2000155320A (ja) * 1998-11-19 2000-06-06 Nec Corp アクティブマトリクス液晶表示装置

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