JPH0832788B2 - 有機変性シリコーンオイルの製造方法 - Google Patents

有機変性シリコーンオイルの製造方法

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JPH0832788B2
JPH0832788B2 JP2157150A JP15715090A JPH0832788B2 JP H0832788 B2 JPH0832788 B2 JP H0832788B2 JP 2157150 A JP2157150 A JP 2157150A JP 15715090 A JP15715090 A JP 15715090A JP H0832788 B2 JPH0832788 B2 JP H0832788B2
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孝一郎 小林
寛 津村
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は有機変性シリコーンオイルの製造方法に係わ
り、特には、改良されたヒドロシリル化反応による有機
変性シリコーンオイルの製造方法に関するものである。
[従来の技術] けい素原子に結合した水素原子(SiH)を有するシ
リコーンオイルと炭素−炭素二重結合を有する有機化合
物とをヒドロシリル化反応させて変性シリコーンオイル
を製造する場合、通常、相溶性のある溶媒(エチルアル
コール、イソプロピルアルコール等のアルコール、ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の芳香族溶媒ほか)及び白
金系触媒等の触媒が使用される。
この反応に際しては、従来、原料の無駄を防ぐ等の理
由からSiHと炭素−炭素二重結合のモル比を1.0程度と
し、反応率が90%以上になるまで反応させていたので、
反応時間が長くなりすぎる傾向があった。したがって、
この問題点を解決し、短時間で反応率を上げて目的物を
得ることのできる製造方法の出現が望まれていた。
[発明が解決しようとする課題] 本発明はヒドロシリル化反応における前記の課題を解
決し、短い反応時間でしかもけい素−水素結合の副反応
による切断がなく目的とする変性率の有機変性シリコー
ンオイルが得られ、さらに、反応後の溶媒のストリップ
が容易になるようにした製造方法を提供するためになさ
れたものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は前記の課題を解決したものであり、これは、
けい素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも
1個有するシリコーンオイルと炭素−炭素二重結合を1
分子中に少なくとも1個有する有機化合物とを溶媒中で
触媒の存在下にヒドロシリル化反応させるに当り、反応
系をこの系の沸点よりも高い温度に保って加圧状態で反
応させることを特徴とする有機変性シリコーンオイルの
製造方法、を要旨とするものである。
本発明者らは前記の課題を解決するべく鋭意検討の結
果、反応系をこの系の沸点よりも高い温度に保って加圧
状態で反応させることにより、短い反応時間でしかもけ
い素−水素結合の副反応による切断がなく目的とする変
性率の有機変性シリコーンオイルが得られることを見出
して本発明を完成させた。
以下に本発明を詳しく説明する。
本発明ではけい素原子に結合した水素原子を1分子中
に少なくとも1個有するシリコーンオイルを使用するの
であるが、これには例えば一般式 (式中、Rは水素原子、又は非置換又は置換一価炭化水
素基を表わし、Rのうち少なくとも1個は水素原子であ
り、Rは互いに異なっていてもよく、mは0又は正の整
数を表わす)で示されるものを挙げることができる。
次に、本発明で使用する炭素−炭素二重結合を1分子
中に少なくとも1個有する有機化合物にはヒドロシリル
化反応し得るものはすべて含まれるが、例えば1−オク
テン、1−デセン、α−メチルスチレンなどのαアルケ
ンを挙げることができる。この有機化合物の使用量は前
記シリコーンオイルに対しC=C基対Si−H基の
モル比が1.0〜1.2となるようにすればよい。
次に、本発明で使用する触媒としては白金系のものが
挙げられるが、具体的には塩化白金酸のアルコール溶液
などが例示される。この触媒の使用量は、反応液に対し
1〜10ppmが好ましい。
次に、本発明で使用する溶媒としては、ヒドロシリル
化反応を阻害しないものであればよく、例えば、イソプ
ロパノール、エタノール、トルエン等が挙げられるが、
常圧での沸点が80〜120℃のものが好ましい。溶媒の沸
点が低いと十分な反応速度を得るためには圧力が高くな
り、沸点が高いと反応後のストリップに高温を要し、い
ずれも不利となる。この溶媒の使用量は有機変性シリコ
ーンオイル100重量部に対し10〜50重量部となるように
すればよい。
本発明の製造方法では、以上に説明した原料、触媒、
溶媒を用い、反応系をこの系の沸点よりも高い温度に保
って加圧状態で反応させる。反応温度は、通常、85〜15
0℃の範囲とすればよいが、好ましくは100〜130℃の範
囲である。反応温度が反応系の沸点よりも高いものであ
るから、反応系は加圧状態となるが、この反応系の圧力
は操作の容易さ等から好ましくは0.5〜1.5kg/cm2(ゲー
ジ圧)の範囲である。
反応容器については、加圧反応に対応できるように、
耐圧性で密閉でき、内圧の調節ができ、原料などの圧入
ができるものであれば、その他の機能としては一般の反
応器と同様のものを有していればよい。
前記の反応条件下に反応を行なうに際し、原料などの
添加順序について各種の実施態様が可能であり、下記の
三通りの実施態様はいずれも採用することができる。
1番目は、炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくと
も1個有する有機化合物、溶媒、触媒を反応容器に仕込
み、内容物を昇温・加圧状態とし、昇温・加圧状態を保
ったまま、ここへけい素原子に結合した水素原子を1分
子中に少なくとも1個有するシリコーンオイルを圧入し
て反応させる方法。
2番目は、前記シリコーンオイル、溶媒、触媒を反応
容器に仕込み、内容物を昇温・加圧状態とし、昇温・加
圧状態を保ったまま、ここへ前記有機化合物を圧入して
反応させる方法。
3番目は、前記シリコーンオイル、有機化合物、溶
媒、触媒のすべてを反応容器に仕込み、昇温加圧して反
応させる方法である。
前記の反応が終了すれば、反応液をストリッピングし
て溶媒を留去することにより、容易に目的とする有機変
性シリコーンオイルが得られる。
[実施例] 次に本発明を実施例によって具体的に説明する。な
お、例中の部は全て重量部を表す。
実施例1 CH2=CH-C10H21 13.4部、トルエン20部、H3PtCl60.01
部を反応容器に仕込み、密閉下で加熱し、圧抜きをしな
がら内圧1kg/cm2(ゲージ圧)、内温134℃まで加熱し
た。次いでこの反応容器中へ 100部を30分かけて同一温度で撹拌下に圧入した。さら
に同一温度に2時間保った。その後冷却してサンプリン
グし、反応率を水素ガス発生量から求めたところ95.0%
であった。反応液をストリッピングして粘度が213cPの
透明のオイルを得た。ストリッピングは容易であった。
比較のために、上記の反応を常圧で行なうほかは全く
同様にして実施したところ、同じ反応率を得るためには
8時間を要した。なお、常圧では反応温度は113℃まで
しか上昇しなかった。
実施例1で得たオイルと常圧下で反応して得たオイル
の両者について、Si−H結合の切断に起因するT単位の
量を赤外吸収により測定したところ、実施例1で得たオ
イルは検出限界以下であり、常圧下で反応して得たオイ
ルは0.01%であった。
[発明の効果] 本発明の製造方法によれば、ヒドロシリル化による有
機変性シリコーンオイルの製造において反応時間が著し
く短くなり、よってSi−H結合の切断もほとんどなく、
溶媒のストリッピングが容易であり、工業的に極めて有
利である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−107639(JP,A) 特開 平1−271431(JP,A) 特開 昭63−113022(JP,A) 特開 昭58−46094(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】けい素原子に結合した水素原子を1分子中
    に少なくとも1個有するシリコーンオイルと炭素−炭素
    二重結合を1分子中に少なくとも1個有する有機化合物
    とを溶媒中で触媒の存在下にヒドロシリル化反応させる
    に当り、反応系をこの系の沸点よりも高い温度に保って
    加圧状態で反応させることを特徴とする有機変性シリコ
    ーンオイルの製造方法。
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