JPH08327370A

JPH08327370A - 角速度センサ

Info

Publication number: JPH08327370A
Application number: JP7158460A
Authority: JP
Inventors: Norihiko Shiratori; 典彦白鳥; Hiroaki Terao; 博明寺尾; Tomoo Namiki; 智雄並木; Toshiyasu Shigeta; 利靖重田; Minoru Hatakeyama; 稔畠山; Kazuhiro Okada; 和廣岡田
Original assignee: Miyota KK; Wako KK
Current assignee: Miyota KK; Wako KK
Priority date: 1995-05-31
Filing date: 1995-05-31
Publication date: 1996-12-13

Abstract

(57)【要約】［目的］２軸の角速度の検出ができる小型軽量で信頼
性の高い角速度センサの組立、調整時間を短縮する。［構成］板状の振動体、および該振動体の片面若しく
は両面に圧電素子を貼付し、該圧電素子には少なくとも
励振用電極と検出用電極を形成し、重錘体を設け、ノー
ド部を支持する支持部材を有する角速度センサにおい
て、該重錘体に突起部を設け、また該重錘体は、該重錘
体の中心軸に関し軸対称に構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は圧電振動型角速度センサ
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】姿勢制御、位置制御が可能な角速度セン
サは、ビデオカメラの手ぶれ防止や、自動車のナビゲー
ションに使うことを目的に小型化、高性能化の開発が行
われている。角速度センサにもいろいろあるが、サイズ
やコストの面では圧電振動型の角速度センサが有利であ
り、音叉型、音片型（四角柱）、円柱型、三角柱型等が
製品化されている。

【０００３】図１は音片型圧電振動角速度センサを説明
するための構造図である。圧電振動型角速度センサの原
理は、振動している振動子の中心軸（Ｚ軸）回りに、回
転角速度（ω0）が加わると、もとの振動方向（Ｘ軸）
に対し、直角方向（Ｙ軸）に回転角速度に比例したコリ
オリ力（Ｆc）が生じる力学現象を利用したもので、駆
動用圧電セラミックを用いてＸ軸に振動を与え、Ｙ軸に
設けた検出用圧電セラミックによってコリオリ力を電圧
として検出するものである。コリオリ力は一般に次式に
より求められる。Ｆc＝２ｍ×ｖ×ω0 ｍは質量、ｖ
は速度、 ω0は角速度である。

【０００４】振動周波数が同じであればＸ軸の振幅が大
きいほどＹ軸変位は大きく、検出電圧（感度）を高める
にはＸ軸の振幅が大きく、Ｙ軸の検出効率を高めた共振
型振動角速度センサが有利である。音片型振動角速度セ
ンサは共振型であり、感度は高くできるが、駆動辺と検
出辺の振動姿勢を崩さず、共振周波数を正確に調整する
ことが難しく、しかも駆動辺と検出辺の共振特性の不一
致やズレによる顕著な特性変化や高機械的品質係数（Ｑ
ｍ）がゆえに応答速度が遅いなど問題も多い。

【０００５】一つの角速度センサーで２軸の角速度を検
出できるものが望まれていたが、この要望に応えるもの
として、振動体の表面に圧電素子を貼付して角速度によ
り圧電素子が変形することで変化する電荷の量を測定し
て角速度を検出するセンサが開発された。図２はその角
速度センサを斜め上から見た分解斜視図である。図３は
同じ角速度センサを斜め下から見た分解斜視図である。
振動体１は中央部に複数のスリット（又は凹部）４が設
けられている。振動体１の上面には、下面に電極６を設
け上面に４つの励振電極を兼ねる検出電極５を設けた圧
電素子２が貼付されている。振動体１の下面には、上面
に電極７を設け下面に帰還電極８を設けた圧電素子３が
貼付されている。帰還電極８の下面には重錘体９が貼付
されセンサ部が構成されている。センサ部は円筒状支持
部材１０によりベンディング振動のノード部を固定され
ている。

【０００６】電極６と振動体１は電気的に接続されて接
着されているので、振動体と励振電極を兼ねる検出電極
５に交流をかけると圧電素子２が振動し振動体１も一緒
に振動する。円筒状支持部材１０で支持しており４つの
励振用電極を兼ねる検出電極５は円筒状支持部材１０の
内径より内側に設けてある。円筒状支持部材１０は図の
如く２ヵ所をワイヤー１１で固定し、ワイヤー１１の他
端を基板に固定するものである。

【０００７】角速度センサに角速度が作用するとコリオ
リ力により重錘体９が移動することでセンサ部が変形し
検出電極に電荷が発生する。４つの検出電極５に発生す
る電荷の量により角速度の方向と強さが検出できる。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】一般的に励振共振モー
ドの周波数と検出共振モードの周波数の差を小さくする
ことで検出電圧（感度）を高められることが知られてい
る。構成部材の部品精度、組立精度を上げると、角速度
センサとして必要な励振共振モードの周波数と検出共振
モードの周波数に対して近い値を得ることができるが、
最終的に必要な周波数に合わせこむには、重錘体をトリ
ミングする等の方法がとられている。部品精度、組立精
度を上げても、トリミングは必要である。トリミング時
間が長いと工数が増え製品の価格を上げることとなる。
本発明は重錘体の形状を工夫することでトリミング時間
を短縮し課題を解決しようとするものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は従来の角速度セ
ンサの課題を解決するためのものであり、小型であり軽
量、組立性の良い安価で信頼性の高い角速度センサを提
供する。

【００１０】板状の振動体、および該振動体の片面若し
くは両面に圧電素子を貼付し、該圧電素子には少なくと
も励振用電極と検出用電極を形成し、重錘体を設け、ノ
ード部を支持する支持部材を有する角速度センサにおい
て、該重錘体に突起部を設け、該重錘体は、該重錘体の
中心軸に関し軸対称とした。

【００１１】

【実施例】本発明を図面に基き詳細に説明する。図４は
本発明の第一実施例で断面図である。図５は本発明の第
一実施例で下面図である。円盤状の振動体２１の上面に
は、下面に電極２６を設け上面に４つの励振電極を兼ね
る検出電極２５を設けた円盤状の圧電素子２２が貼付さ
れている。振動体２１の下面には、上面に電極２７を設
け下面に帰還電極２８を設けた円盤状の圧電素子２３が
貼付されている。帰還電極２８の下面には重錘体２９
が、重錘体２９の中心軸が圧電素子２３の面上中心を通
るように貼付されセンサ部が構成されている。円筒状支
持部材３０は、前記センサ部のベンディング振動のノー
ド部に接着固定されている。重錘体２９は円柱部２９ａ
と、直径ｄ、長さｌの円柱状突起部２９ｂとで構成さ
れ、円柱部２９ａの中心軸と円柱状突起部２９ｂの中心
軸は一致している。

【００１２】電極２６と振動体２１は電気的に接続され
て接着されているので、振動体と励振電極を兼ねる検出
電極２５に交流をかけると圧電素子２２が振動し振動体
２１も一緒に振動する。円筒状支持部材３０で支持して
おり４つの励振用電極を兼ねる検出電極２５は円筒状支
持部材３０の内径より内側に設けてある。円筒状支持部
材３０は２ヵ所をワイヤー３１で固定し、ワイヤーの他
端を基板３２に固定するものである。

【００１３】角速度センサに角速度が作用するとコリオ
リ力により重錘体２９が移動することでセンサ部が変形
し検出電極に電荷が発生する。４つの検出電極２５に発
生する電荷の量により角速度の方向と強さが検出でき
る。

【００１４】重錘体の質量が小さくなると、共振周波数
は上がる。共振周波数を早く合わせ込むためには、トリ
ミングにおける質量変化量を大きくする必要がある。そ
のために本発明では重錘体に突起部を設け、突起部をト
リミングするようにしたものである。突起部の有効性を
示すためにレーザビームのスポット径が０．６ｍｍのＹ
ＡＧレーザを用いてトリミングをし、重錘体の質量変化
量を求めた。実験に使用した重錘体の材質はＳＵＳ３０
３を用い、３種類のディメンジョンを設定した。第一の
テストピースは直径３ｍｍ、長さ３ｍｍであり、第二の
テストピースは直径１．５ｍｍ、長さ３ｍｍであり、
第三のテストピースは直径０．７ｍｍ、長さ３ｍｍで
ある。これらのテストピースの端面の中心部分にレーザ
ビームを照射し、照射したパルス数と質量変化量を求め
た。照射条件は、印加電圧２２０Ｖ、照射時間３ｍｓｅ
ｃで毎秒５パルス、仕事量１．２Ｊ、仕事率６Ｗであ
る。その結果を表１に示す。質量変化量は、トリミング
後の質量からトリミング前の質量を引いたものである。

【００１５】

【表１】

【００１６】図６は前述の条件でトリミングをしたパル
ス数と質量変化量の関係を示したグラフである。直径が
小さくなると、同じパルス数でも質量の変化が大きいこ
とがわかる。これにより、突起部を有することで重錘体
のトリミング時の質量変化量を大きくすることができ、
突起部を有することの有効性が証明され、本発明が完成
するに至った。

【００１７】図７は本発明の第二実施例で重錘体の側面
図である。図８は本発明の第二実施例で重錘体の下面図
である。重錘体以外の部材構成は、本発明の第一実施例
と同じであるので説明は省略する。重錘体３３は、円柱
部３３ｂと、円柱部３３ｂの中心軸に関して軸対称で、
９０度間隔に配置されている４個の突起部３３ａより構
成されている。

【００１８】図９は本発明の第三実施例で重錘体の断面
図である。重錘体以外の部材構成は、本発明の第一実施
例と同じであるので説明は省略する。重錘体３４は、円
柱部３４ｂと、円柱部３４ｂの中心軸に関して軸対称の
円筒状突起部３４ａより構成されている。

【００１９】励振時は図４の矢印Ａに示されるように、
振動体の平面に関して垂直方向に振動する。第一実施例
から第三実施例まで説明してきたが、いづれも重錘体を
軸対称としたことで最初からバランス良く矢印Ａ方向に
振動し、重錘体のトリミング量が少なくてすむ。

【００２０】

【発明の効果】本発明は前記のような構成にすることで
次のような効果が生じる。１重錘体に突起部を設けることでトリミングによる質
量変化量を大きくすることができ、トリミングに要する
時間が減少する。２重錘体を軸対称にしたことで共振周波数を合わせ込
むのに必要なトリミング量を最初から少なくでき工数が
削減される。

【図面の簡単な説明】

【図１】音片型圧電振動角速度センサを説明するための
構造図

【図２】本発明に係る角速度センサの従来例を斜め上か
ら見た分解斜視図

【図３】本発明に係る角速度センサの従来例を斜め下か
ら見た分解斜視図

【図４】本発明に係る角速度センサの第一実施例で断面
図

【図５】本発明に係る角速度センサを第一実施例で下面
図

【図６】パルス数と質量変化量の関係を示したグラフ

【図７】本発明に係る角速度センサの第二実施例で重錘
体の側面図

【図８】本発明に係る角速度センサの第二実施例で重錘
体の下面図

【図９】本発明に係る角速度センサの第三実施例で重錘
体の断面図

【符号の説明】１振動体２圧電素子３圧電素子４スリット５励振電極を兼ねる検出電極６電極７電極８帰還電極９重錘体１０円筒状支持部材１１ワイヤ２１振動体２２圧電素子２３圧電素子２５励振電極を兼ねる検出電極２６電極２７電極２８帰還電極２９重錘体２９ａ円柱部２９ｂ円柱状突起部３０円筒状支持部材３１ワイヤ３２基板３３重錘体３３ａ突起部３３ｂ円柱部３４重錘体３４ａ円筒状突起部３４ｂ円柱部Ａ矢印ｄ直径ｌ長さ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者並木智雄長野県北佐久郡御代田町大字御代田4107番地５ミヨタ株式会社内 (72)発明者重田利靖長野県北佐久郡御代田町大字御代田4107番地５ミヨタ株式会社内 (72)発明者畠山稔長野県北佐久郡御代田町大字御代田4107番地５ミヨタ株式会社内 (72)発明者岡田和廣埼玉県上尾市菅谷４丁目73番地

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】板状の振動体、および該振動体の片面若
しくは両面に圧電素子を貼付し、該圧電素子には少なく
とも励振用電極と検出用電極を形成し、重錘体を設け、
ノード部を支持する支持部材を有する角速度センサにお
いて、該重錘体に突起部を設けたことを特徴とする角速
度センサ。
【請求項２】重錘体は、該重錘体の中心軸に関し軸対
称であることを特徴とする請求項１の角速度センサ。