JPH08326772A - フレキシブル軸継手 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 構成部品の種類が少なく組立て及び補修が簡
単な軸継手を提供する。 【構成】 原動軸側部材２と従動軸側部材４とが回転力
伝達板バネ部材１０Ａ，１０Ｂにより接続されている。
板バネ部材は、原動軸側部材２の原動側端面に取付けら
れた第１取付け部分１２と、従動軸側部材４の従動側端
面に取付けられた第２取付け部分１３と、これら２つの
取付け部分を連結し原動軸側部材２及び従動軸側部材４
の外周面の外方で該外周面に沿って延在せる連結部分１
４とからなる。連結部分１４は、第１取付け部分１２か
ら軸方向に沿って従動軸側部材４の外周面の外方まで延
びた第１部１４ａと、第２取付け部分１３から軸方向に
沿って原動軸側部材２の外周面の外方まで延びた第２部
１４ｂと、第１部の従動側端部と第２部の原動側端部と
を接続せる第３部１４ｃとからなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はフレキシブル軸継手に関
し、特に構成部品の種類が少なく、組立て及び補修が簡
単でコンパクトなフレキシブル軸継手に関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】各種回
転力伝達機構において２つの回転軸の端部どうしが継手
により接続される。例えば、エンジンやモーターの出力
回転軸とポンプの入力回転軸とが継手により接続され
る。この場合、エンジンやモーターの出力回転軸とポン
プの入力回転軸とが十分に整列する様に注意深くエンジ
ンやモーター及びポンプの据え付けを行うことはかなり
の労力を要する。また、この様な整列に十分気を配って
据え付けを行っても、双方の回転軸間には幾分かの偏心
や偏角が残り、更にエンジンやモーターやポンプには作
動時に振動が発生するので、これらを継手部分で吸収す
るために、従来、バネやゴム等の可撓性部材を用いたフ
レキシブル継手が用いられている。

【０００３】本発明の目的は、構成部品の種類が少ない
軸継手を提供することにある。本発明の他の目的は、組
立て及び補修が簡単な軸継手を提供することにある。本
発明の他の目的は、コンパクトな軸継手を提供すること
にある。

【０００４】本発明の更に別の目的は、振動伝達が少な
く回転力を滑らかに伝達することができる軸継手を提供
することにある。本発明の更に別の目的は、原動軸側と
従動軸側との間の偏心及び偏角に対処できる軸継手を提
供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記目
的を達成するものとして、原動軸側部材と従動軸側部材
とが軸方向に対向して配置されており、これら原動軸側
部材と従動軸側部材とは複数の回転力伝達板バネ部材に
より接続されており、該回転力伝達板バネ部材は、原動
軸側部材の原動側端面に取付けられた第１の取付け部分
と、従動軸側部材の従動側端面の上記第１の取付け部分
とは異なる周方向位置に取付けられた第２の取付け部分
と、これら第１の取付け部分と第２の取付け部分とを連
結し上記第１の取り付け部分から上記第２の取付け部分
までの周方向角度範囲において上記原動軸側部材及び従
動軸側部材の外周面の外方で該外周面に沿って延在せる
連結部分とからなり、該連結部分は、上記第１の取付け
部分から軸方向に沿って上記従動軸側部材の外周面の外
方まで延びている第１部と、上記第２の取付け部分から
軸方向に沿って上記原動軸側部材の外周面の外方まで延
びている第２部と、上記第１部の従動側端部と上記第２
部の原動側端部とを接続し上記原動軸側部材の外周面の
外方から上記従動軸側部材の外周面の外方まで延在せる
第３部とからなる、ことを特徴とするフレキシブル軸継
手、が提供される。

【０００６】本発明の一態様においては、上記複数の回
転力伝達板バネ部材は周方向に同一の向きで均等に配置
されている。

【０００７】本発明の一態様においては、上記回転力伝
達板バネ部材は２つ用いられており、各回転力伝達板バ
ネ部材の第１の取付け部分と第２の取付け部分との周方
向角度位置の差は９０度である。

【０００８】本発明の一態様においては、上記原動軸側
部材は原動軸に取付けるための手段を備えており、上記
従動軸側部材は従動軸に取付けるための手段を備えてい
る。

【０００９】

【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の具体的実
施例を説明する。

【００１０】図１は本発明による軸継手の一実施例を示
す分解斜視図であり、図２はその組立て状態の斜視図で
あり、図３はその一部切欠正面図であり、図４はその側
面図である。これらの図において、２は原動軸側部材で
あり、２’は原動軸回転中心である。４は従動軸側部材
であり、４’は従動軸回転中心である。図において、原
動軸回転中心２’と従動軸回転中心４’とは合致してお
り、Ｚ方向とされている。

【００１１】原動軸側部材２は全体的には円柱形状をな
しており、その両端面はＺ方向と直交するＸＹ面と平行
であり、軸方向（即ちＺ方向）の周りの周方向に延在せ
る外周面は円筒面形状をなしている。原動軸側部材２の
中心部にはＺ方向の貫通孔６が形成されており、該貫通
孔を通りＸＺ面と平行な方向には割り溝７が形成されて
いる。原動軸側部材２は、不図示の原動軸の端部に取付
けられる。即ち、割り溝７により分割された両側部分を
貫通してボルト挿通孔が形成されており、一方側部分の
ボルト挿通孔にメネジを形成しておき、ここに他方側部
分からボルト３をねじ込むことにより、貫通孔６内に配
置された原動軸端部を締付けて固定する。即ち、本実施
例では、貫通孔６、割り溝７、ボルト挿通孔及びボルト
３を含んで、原動軸取付け手段が構成されている。尚、
原動軸側部材２の原動側端面には回転力伝達板バネ部材
を取付けるための座ぐり及びメネジ開口の組が２つ形成
されている。これらの組は、割り溝７に関し対称的で周
方向角度が１８０度ずれた位置に配置されている。

【００１２】従動軸側部材４は、上記原動軸側部材２と
同一の形状をなしている。即ち、従動軸側部材４は全体
的には円柱形状をなしており、その両端面はＺ方向と直
交するＸＹ面と平行であり、軸方向（即ちＺ方向）の周
りの周方向に延在せる外周面は円筒面形状をなしてい
る。従動軸側部材４の中心部にはＺ方向の貫通孔８が形
成されており、該貫通孔を通りＹＺ面と平行な方向には
割り溝９が形成されている。従動軸側部材４は、不図示
の従動軸の端部に取付けられる。即ち、割り溝９により
分割された両側部分を貫通してボルト挿通孔が形成され
ており、一方側部分のボルト挿通孔にメネジを形成して
おき、ここに他方側部分からボルト５をねじ込むことに
より、貫通孔８内に配置された従動軸端部を締付けて固
定する。即ち、本実施例では、貫通孔８、割り溝９、ボ
ルト挿通孔及びボルト５を含んで、従動軸取付け手段が
構成されている。尚、従動軸側部材４の従動側端面には
回転力伝達板バネ部材を取付けるための座ぐり及びメネ
ジ開口の組が２つ形成されている。これらの組は、割り
溝９に関し対称的で周方向角度が１８０度ずれた位置に
配置されている。つまり、従動軸側部材４は、原動軸側
部材２をＺ方向に関し反転させ且つＺ方向の周りで角度
９０度回転させたものと同等である。

【００１３】尚、本明細書において、「軸方向」、「径
方向」及び「周方向」は、特に断らない限り、円柱形状
の原動軸側部材２または従動軸側部材４に関する方向を
いうものとする。

【００１４】１０Ａは回転力伝達板バネ部材である。該
回転力伝達板バネ部材１０Ａは、原動軸側部材２の原動
側端面の座ぐり部にボルトで取付けられるボルト挿通孔
付き第１取付け部分１２と、従動軸側部材４の従動側端
面の座ぐり部にボルトで取付けられるボルト挿通孔付き
第２取付け部分１３と、これら第１取付け部分１２と第
２取付け部分１３とを連結しこれら第１取り付け部分か
ら第２取付け部分までの周方向角度範囲において原動軸
側部材２及び従動軸側部材４の外周面の外方で該外周面
に沿って延在せる連結部分１４とからなる。第１取付け
部分１２と第２取付け部分１３とは、角度９０度ずれた
周方向位置に配置されている。

【００１５】連結部分１４は、第１取付け部分１２から
Ｚ方向に沿って従動軸側部材４の外周面の外方まで延び
ている第１部１４ａと、第２取付け部分１３からＺ方向
に沿って原動軸側部材２の外周面の外方まで延びている
第２部１４ｂと、第１部１４ａの従動側端部と第２部１
４ｂの原動側端部とを接続し原動軸側部材２の外周面の
外方から従動軸側部材４の外周面の外方まで延在せる第
３部１４ｃとからなる。

【００１６】１０Ｂも回転力伝達板バネ部材である。該
回転力伝達板バネ部材１０Ｂは上記回転力伝達板バネ部
材１０Ａと同一の形状をなしている。即ち、該回転力伝
達板バネ部材１０Ｂは、原動軸側部材２の原動側端面の
座ぐり部にボルトで取付けられるボルト挿通孔付き第１
取付け部分１６と、従動軸側部材４の従動側端面の座ぐ
り部にボルトで取付けられるボルト挿通孔付き第２取付
け部分１７と、これら第１取付け部分１６と第２取付け
部分１７とを連結しこれら第１取り付け部分から第２取
付け部分までの周方向角度範囲において原動軸側部材２
及び従動軸側部材４の外周面の外方で該外周面に沿って
延在せる連結部分１８とからなる。第１取付け部分１６
と第２取付け部分１７とは、角度９０度ずれた周方向位
置に配置されている。

【００１７】連結部分１８は、第１取付け部分１６から
Ｚ方向に沿って従動軸側部材４の外周面の外方まで延び
ている第１部１８ａと、第２取付け部分１７からＺ方向
に沿って原動軸側部材２の外周面の外方まで延びている
第２部１８ｂと、第１部１８ａの従動側端部と第２部１
８ｂの原動側端部とを接続し原動軸側部材２の外周面の
外方から従動軸側部材４の外周面の外方まで延在せる第
３部１８ｃとからなる。

【００１８】そして、回転力伝達板バネ部材１０Ａと回
転力伝達板バネ部材１０Ｂとは周方向に同一の向きで均
等に配置されており、回転力伝達板バネ部材１０Ｂは回
転力伝達板バネ部材１０ＡをＺ方向の周りで角度１８０
度回転させたものと同等である。

【００１９】図５は、回転力伝達板バネ部材１０Ａの作
製材料を示す図である。ここに図示されている様な形状
の板状体材料を、折り線ＦＬ１，ＦＬ２でそれぞれ直角
に折曲げることにより、第１取付け部分１２と第２取付
け部分１３と連結部分１４とが形成される。次に、連結
部分１４の中央部を円筒面状に曲げることにより、第１
部１４ａ、第２部１４ｂ及び第３部１４ｃが形成され
る。同様にして、回転力伝達板バネ部材１０Ｂを作製す
ることができる。

【００２０】以上の様な本実施例の軸継手は、図１に示
される様な構成部材を組立てることにより容易に製造さ
れる。

【００２１】尚、回転力伝達板バネ部材としては、１枚
の板バネからなるものを用いてもよいし、複数枚の板バ
ネを貼合わせてなるものを用いることもできる。また、
伝達すべき回転力の大きさによっては、回転力伝達板バ
ネ部材として金属製のものの他に軽量化に有利な強化プ
ラスチック製のものを用いることもできる。

【００２２】本実施例において、原動軸側部材２が回転
すると、その回転力は回転力伝達板バネ部材１０Ａ，１
０Ｂを介して従動軸側部材４へと伝達される。

【００２３】各回転力伝達板バネ部材１０Ａ，１０Ｂの
曲げやねじれ等の変形に基づき、原動軸側部材２と従動
軸側部材４との間では、相対的に ・軸方向を中心とする回動、 ・軸方向と直交する面内での移動、 ・原動軸回転中心２’と従動軸回転中心４’とを傾ける
様な回動、 がそれぞれ適宜の範囲内で可能である。

【００２４】これにより、原動軸側部材２と従動軸側部
材４との間の振動伝達を抑制して回転力を滑らかに伝達
でき、原動軸側と従動軸側とで偏心及び偏角が発生して
も吸収することができる。

【００２５】尚、原動軸側部材２と従動軸側部材４との
間隔は、作動中に生ずると予想される原動軸側部材２と
従動軸側部材４との上記相対運動を妨げない様に設定さ
れている。

【００２６】以上の実施例においては、回転力伝達板バ
ネ部材１０Ａ，１０Ｂとしてただ１種類のものを使用す
ればよく、更に原動軸側部材２と従動軸側部材４とで同
一のものを用いることができるので、構成部品の種類が
少なくてすむ。そして、いずれかの回転力伝達部材が損
傷した際には、該当する部分のボルトを抜くことで容易
に交換でき、補修が簡単である。

【００２７】また、以上の実施例においては、回転力伝
達板バネ部材１０Ａ，１０Ｂは原動軸側部材２または従
動軸側部材４の外周面の外方の極く近くに該外周面に沿
って配置されているので、径方向の寸法を小さくして、
コンパクト化を達成している。

【００２８】尚、本発明においては、回転力伝達板バネ
部材を３つ以上用いてもよい。

【００２９】

【発明の効果】以上の様に、本発明によれば、構成部品
の種類が少ない軸継手を提供することができ、組立て及
び補修が簡単な軸継手を提供することができ、コンパク
トな軸継手を提供することができる。更に、本発明によ
れば、振動伝達が少なく回転力を滑らかに伝達すること
ができる軸継手を提供することができ、原動軸側と従動
軸側との間の偏心及び偏角に対処できる軸継手を提供す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による軸継手の一実施例を示す分解斜視
図である。

【図２】図１の軸継手の組立て状態の斜視図である。

【図３】図１の軸継手の一部切欠正面図である。

【図４】図１の軸継手の側面図である。

【図５】回転力伝達板バネ部材の作製材料を示す図であ
る。

【符号の説明】

２ 原動軸側部材 ２’ 原動軸回転中心 ３ ボルト ４ 従動軸側部材 ４’ 従動軸回転中心 ５ ボルト ６ 貫通孔 ７ 割り溝 ８ 貫通孔 ９ 割り溝 １０Ａ 回転力伝達板バネ部材 １０Ｂ 回転力伝達板バネ部材 １２ 第１取付け部分 １３ 第２取付け部分 １４ 連結部分 １４ａ 連結部分第１部 １４ｂ 連結部分第２部 １４ｃ 連結部分第３部 １６ 第１取付け部分 １７ 第２取付け部分 １８ 連結部分 １８ａ 連結部分第１部 １８ｂ 連結部分第２部 １８ｃ 連結部分第３部

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 原動軸側部材と従動軸側部材とが軸方向
   に対向して配置されており、これら原動軸側部材と従動
   軸側部材とは複数の回転力伝達板バネ部材により接続さ
   れており、 該回転力伝達板バネ部材は、原動軸側部材の原動側端面
   に取付けられた第１の取付け部分と、従動軸側部材の従
   動側端面の上記第１の取付け部分とは異なる周方向位置
   に取付けられた第２の取付け部分と、これら第１の取付
   け部分と第２の取付け部分とを連結し上記第１の取り付
   け部分から上記第２の取付け部分までの周方向角度範囲
   において上記原動軸側部材及び従動軸側部材の外周面の
   外方で該外周面に沿って延在せる連結部分とからなり、 該連結部分は、上記第１の取付け部分から軸方向に沿っ
   て上記従動軸側部材の外周面の外方まで延びている第１
   部と、上記第２の取付け部分から軸方向に沿って上記原
   動軸側部材の外周面の外方まで延びている第２部と、上
   記第１部の従動側端部と上記第２部の原動側端部とを接
   続し上記原動軸側部材の外周面の外方から上記従動軸側
   部材の外周面の外方まで延在せる第３部とからなる、こ
   とを特徴とするフレキシブル軸継手。
2. 【請求項２】 上記複数の回転力伝達板バネ部材は周方
   向に同一の向きで均等に配置されていることを特徴とす
   る、請求項１に記載のフレキシブル軸継手。
3. 【請求項３】 上記回転力伝達板バネ部材は２つ用いら
   れており、各回転力伝達板バネ部材の第１の取付け部分
   と第２の取付け部分との周方向角度位置の差は９０度で
   あることを特徴とする、請求項２に記載のフレキシブル
   軸継手。
4. 【請求項４】 上記原動軸側部材は原動軸に取付けるた
   めの手段を備えており、上記従動軸側部材は従動軸に取
   付けるための手段を備えていることを特徴とする、請求
   項１〜３のいずれかに記載のフレキシブル軸継手。