JPH0832669B2 - スベロニトリルの製造法 - Google Patents
スベロニトリルの製造法Info
- Publication number
- JPH0832669B2 JPH0832669B2 JP62028191A JP2819187A JPH0832669B2 JP H0832669 B2 JPH0832669 B2 JP H0832669B2 JP 62028191 A JP62028191 A JP 62028191A JP 2819187 A JP2819187 A JP 2819187A JP H0832669 B2 JPH0832669 B2 JP H0832669B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- suberonitrile
- dichlorohexane
- concentration
- reaction
- soda
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Catalysts (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、1,6−ジクロルヘキサンと青化ソーダより
スベロニトリルを製造する方法に関する。
スベロニトリルを製造する方法に関する。
スベロニトリルは農医薬品やジカルボン酸、ジアミン
などの製造用中間体として、有機化学および生物化学の
分野で有用である。
などの製造用中間体として、有機化学および生物化学の
分野で有用である。
(従来の技術) スベロニトリルの製造方法は、ケミカルアブストラク
ト(vol.94P.46803h)に酸化亜鉛の存在下、スベリン酸
とアンモニアを反応させる方法が記載されており、ま
た、特開昭61−122258号には、1,6−ヘキサンジオール
とヨウ化水素またはアルカリ金属のヨウ化物とを反応さ
せて得られた1,6−ジヨードヘキサンを青化ソーダ、青
化カリおよび青酸などのシアノ化剤と反応させる方法が
記載されている。
ト(vol.94P.46803h)に酸化亜鉛の存在下、スベリン酸
とアンモニアを反応させる方法が記載されており、ま
た、特開昭61−122258号には、1,6−ヘキサンジオール
とヨウ化水素またはアルカリ金属のヨウ化物とを反応さ
せて得られた1,6−ジヨードヘキサンを青化ソーダ、青
化カリおよび青酸などのシアノ化剤と反応させる方法が
記載されている。
スベリン酸を原料とする方法は、スベリン酸が高価で
あり、また反応温度が240〜300℃と高く、収率が低いた
め工業化が困難である。
あり、また反応温度が240〜300℃と高く、収率が低いた
め工業化が困難である。
1,6−ヘキサンジオールとヨウ素化合物を反応させ、
シアノ化する方法も、高価なヨウ素化合物が必要であ
る。またこの方法は反応終了後、エーテル、クロロホル
ムなどの疎水性有機溶剤で抽出し、更に水洗、乾燥およ
び減圧蒸溜の操作が必要で、精製工程が複雑である。
シアノ化する方法も、高価なヨウ素化合物が必要であ
る。またこの方法は反応終了後、エーテル、クロロホル
ムなどの疎水性有機溶剤で抽出し、更に水洗、乾燥およ
び減圧蒸溜の操作が必要で、精製工程が複雑である。
(発明が解決しようとする問題点) 発明者等は先に 一般式が (R1〜R4は炭素数3〜10のアルキル基を示し、これらは
同一でも異なっていても良い)で表される相間移動触媒
の存在下、1,6−ジクロルヘキサンと青化ソーダ水溶液
を反応させてスベロニトリルを製造する方法を提供し
た。
同一でも異なっていても良い)で表される相間移動触媒
の存在下、1,6−ジクロルヘキサンと青化ソーダ水溶液
を反応させてスベロニトリルを製造する方法を提供し
た。
1,6−ジクロルヘキサンと青化ソーダの反応は、次の
二段階で反応が進行する。
二段階で反応が進行する。
Cl(CH2)6Cl+NaCN→ CN(CH2)6Cl+NaCl (1) CN(CH2)6Cl+NaCN→ CN(CH2)6CN+NaCl (2) (1)の反応での生成物1−シアノ−6−クロルヘキサ
ン(以下モノニトリルと称する)とスベロニトリルは沸
点が近いので、これを分離するには高性能の蒸溜塔が必
要である。またスベロニトリルの収率を高めるために
は、このモノニトリルを原料系に循環させる必要があ
り、複雑なプロセスとなる。
ン(以下モノニトリルと称する)とスベロニトリルは沸
点が近いので、これを分離するには高性能の蒸溜塔が必
要である。またスベロニトリルの収率を高めるために
は、このモノニトリルを原料系に循環させる必要があ
り、複雑なプロセスとなる。
1,6−ジクロルヘキサンに対する青化ソーダのモル比
を高くすればモノニトリルの生成量が少なくなるが、こ
の場合は排水中に多量のCNイオンが残留することにな
り、排水処理の費用が増大する。
を高くすればモノニトリルの生成量が少なくなるが、こ
の場合は排水中に多量のCNイオンが残留することにな
り、排水処理の費用が増大する。
(問題点を解決するための手段) 発明者等は1,6−ジクロルヘキサンを原料とするスベ
ロニトリルの製造方法に関しての以上の如き問題点を解
決すべく鋭意検討し、1,6−ジクロルヘキサンと触媒を
直列に配置された複数個の反応器に導き、未反応の青化
ソーダを含む反応液の水層部分を前段の反応器に戻し反
応させることにより、モノニトリル副生量が少なく、ス
ベロニトリルの収率が上がり、且つ排水中のCNイオン残
量が減少することを見出し本発明に至った。
ロニトリルの製造方法に関しての以上の如き問題点を解
決すべく鋭意検討し、1,6−ジクロルヘキサンと触媒を
直列に配置された複数個の反応器に導き、未反応の青化
ソーダを含む反応液の水層部分を前段の反応器に戻し反
応させることにより、モノニトリル副生量が少なく、ス
ベロニトリルの収率が上がり、且つ排水中のCNイオン残
量が減少することを見出し本発明に至った。
即ち本発明は、 一般式が (R1〜R4は炭素数3〜10のアルキル基を示し、これらは
互いに同一でも異なっていても良い)で表される相間移
動触媒の存在下、1,6−ジクロルヘキサンと青化ソーダ
水溶液を反応させてスベロニトリルを製造するに際し、
1,6−ジクロルヘキサンと触媒を直列に配置された複数
個の反応器の最前段に導き、後段の反応器の反応液を反
応終了後油層と水層に分離し、未反応の青化ソーダを含
有する水溶液を前段に導入し反応させることを特徴とす
るスベロニトリルの製造法である。
互いに同一でも異なっていても良い)で表される相間移
動触媒の存在下、1,6−ジクロルヘキサンと青化ソーダ
水溶液を反応させてスベロニトリルを製造するに際し、
1,6−ジクロルヘキサンと触媒を直列に配置された複数
個の反応器の最前段に導き、後段の反応器の反応液を反
応終了後油層と水層に分離し、未反応の青化ソーダを含
有する水溶液を前段に導入し反応させることを特徴とす
るスベロニトリルの製造法である。
本発明で使用される相間移動触媒の例としては、テト
ラプロピルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモ
ニウムブロミドなどがある。特にテトラブチルアンモニ
ウムブロミドが好適である。
ラプロピルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモ
ニウムブロミドなどがある。特にテトラブチルアンモニ
ウムブロミドが好適である。
青化ソーダ水溶液は、工業的に市販されている濃度30
〜35%の水溶液をそのまま使用することができ、また更
に必要に応じて濃度を下げて使用することもできる。
〜35%の水溶液をそのまま使用することができ、また更
に必要に応じて濃度を下げて使用することもできる。
本発明により、青化ソーダの全使用量は仕込み1,6−
ジクロルヘキサンに対する青化ソーダのモル比を理論量
の2.0に対し2.1〜2.6程度で良い。このモル比が低過ぎ
る場合は収率が低く、1,6−ジクロルヘキサンの損失が
大きくなる。またこのモル比が高過ぎる場合は排水中に
CNイオンが残留し、排水処理の費用が増加する。
ジクロルヘキサンに対する青化ソーダのモル比を理論量
の2.0に対し2.1〜2.6程度で良い。このモル比が低過ぎ
る場合は収率が低く、1,6−ジクロルヘキサンの損失が
大きくなる。またこのモル比が高過ぎる場合は排水中に
CNイオンが残留し、排水処理の費用が増加する。
相間移動触媒の使用量は1,6−ジクロルヘキサン1モ
ル当たり、1.5〜10g、好ましくは1.5〜6.5gとする。テ
トラブチルアンモニウムブロミドの使用量が少なすぎる
と収率が低く、多い場合は次の精製工程の負荷が大きく
なる。
ル当たり、1.5〜10g、好ましくは1.5〜6.5gとする。テ
トラブチルアンモニウムブロミドの使用量が少なすぎる
と収率が低く、多い場合は次の精製工程の負荷が大きく
なる。
各反応器の反応温度は80〜140℃、好ましくは90〜110
℃とする。反応温度が低いと反応が進行せず、高すぎる
場合は収率が低下する。
℃とする。反応温度が低いと反応が進行せず、高すぎる
場合は収率が低下する。
反応圧力は特に制限が無いが、通常は常圧で行う。反
応時間は通常0.5〜8hr、好ましくは2〜4hrである。
応時間は通常0.5〜8hr、好ましくは2〜4hrである。
次に図面を用いて本発明を説明する。第1図は本発明
により二個の反応器を直列に配置した場合の例である。
により二個の反応器を直列に配置した場合の例である。
図中のIおよびIIは本発明でのスベロニトリル反応器
であり、各反応器は油相と水相の界面を確認する監視
器、撹拌機、各液の供給口および排出口を有する構造と
なっている。
であり、各反応器は油相と水相の界面を確認する監視
器、撹拌機、各液の供給口および排出口を有する構造と
なっている。
原料の1,6−ジクロルヘキサンと相間移動触媒は先ず
原料液供給管1より供給し、撹拌機により撹拌される。
青化ソーダ水溶液は、本発明においては後段の反応器II
からの配管6より供給する。原料液を撹拌しながら青化
ソーダ水溶液を供給し、スベロニトリル生成反応が行わ
れる。反応が終了した後、撹拌機を停止し静置すること
により反応液は油相と水相に分離され、上部の油相には
スベロニトリル、モノニトリルおよび未反応の1,6−ジ
クロルヘキサンが含まれ、下部の水相には反応生成物の
NaClと未反応の青化ソーダが含まれる。この水相液は配
管4より排水として放出される。
原料液供給管1より供給し、撹拌機により撹拌される。
青化ソーダ水溶液は、本発明においては後段の反応器II
からの配管6より供給する。原料液を撹拌しながら青化
ソーダ水溶液を供給し、スベロニトリル生成反応が行わ
れる。反応が終了した後、撹拌機を停止し静置すること
により反応液は油相と水相に分離され、上部の油相には
スベロニトリル、モノニトリルおよび未反応の1,6−ジ
クロルヘキサンが含まれ、下部の水相には反応生成物の
NaClと未反応の青化ソーダが含まれる。この水相液は配
管4より排水として放出される。
油相の部分は、配管3により後段の反応器IIに移さ
れ、撹拌されながら、配管2より供給される原料の青化
ソーダ水溶液によりスベロニトリル生成反応が行われ
る。反応生成液は静置により油相と水相に分離され、油
相は配管5より取り出されて、スベロニトリルが精製分
離される。水相は配管6より前段の反応器Iに供給さ
れ、未反応の青化ソーダが原料の1,6−ジクロルヘキサ
ンと反応し、その排水中の青化ソーダが減少する。本発
明は反応器IとIIとの間に、更に反応器を設置しても良
い。
れ、撹拌されながら、配管2より供給される原料の青化
ソーダ水溶液によりスベロニトリル生成反応が行われ
る。反応生成液は静置により油相と水相に分離され、油
相は配管5より取り出されて、スベロニトリルが精製分
離される。水相は配管6より前段の反応器Iに供給さ
れ、未反応の青化ソーダが原料の1,6−ジクロルヘキサ
ンと反応し、その排水中の青化ソーダが減少する。本発
明は反応器IとIIとの間に、更に反応器を設置しても良
い。
(作用および効果) 本発明によれば、油相液が後段の反応器において青化
ソーダの過剰な状態で反応することになるから、未反応
1,6−ジクロルヘキサンおよびモノニトリルの反応が促
進され、1,6−ジクロルヘキサンの反応率およびスベロ
ニトリルの選択率が向上する。また水相液は前段の反応
器で1,6−ジクロルヘキサンが過剰の状態で未反応青化
ソーダと接することになるから、水相中の青化ソーダが
減少し、排水中のCNイオン濃度が低下するから、排水処
理の費用が削減される。
ソーダの過剰な状態で反応することになるから、未反応
1,6−ジクロルヘキサンおよびモノニトリルの反応が促
進され、1,6−ジクロルヘキサンの反応率およびスベロ
ニトリルの選択率が向上する。また水相液は前段の反応
器で1,6−ジクロルヘキサンが過剰の状態で未反応青化
ソーダと接することになるから、水相中の青化ソーダが
減少し、排水中のCNイオン濃度が低下するから、排水処
理の費用が削減される。
即ち本発明の方法により、スベロニトリルの収率およ
び選択率が向上すると共に、排水処理の費用が減少する
のでその工業的意義が大きい。
び選択率が向上すると共に、排水処理の費用が減少する
のでその工業的意義が大きい。
(実施例) 次に実施例により本発明を説明する。次の実施例は反
応器を二段とした場合についてであり、実施例1と実施
例2の相互の関係から実施例が具体的に示される。
応器を二段とした場合についてであり、実施例1と実施
例2の相互の関係から実施例が具体的に示される。
実施例1I段 1,6−ジクロルヘキサン155.0g(1.0モル)、50%
テトラブチルアンモニウムブロミド水溶液6.6g(純分0.
01モル)を還流冷却器、撹拌機、温度計の付いた反応器
Iに仕込み、激しく撹拌しながら110℃まで加熱した。
その後34.3%青化ソーダ水溶液228.6g(NaCN純分1.60モ
ル)を約90分かけて滴下した。更に110℃で2時間撹拌
しながら反応させた。常温まで冷却した後、水190gを加
えて食塩を溶解した。分液漏斗に移して静置することに
より上層と下層に分離し、上層液144.2g、下層液433.4g
を得た。上層液をガスクロマトグラフィーで分析したと
ころ、1,6−ジクロルヘキサン濃度6.79%、反応率93.7
%、モノニトリル濃度31.6%、収率31.3%であった。ま
た下層液中の青化ソーダ濃度は0.20%であった。II段 反応器Iで得た上層液144.2gを、還流冷却器、撹
拌機、温度計の付いた反応器IIに仕込み、激しく撹拌し
ながら110℃まで加熱した。その後34.3%青化ソーダ水
溶液359.8g(NaCN純分2.52モル)を約90分かけて滴下し
た。更に、110℃で1時間撹拌しながら反応させた。常
温まで冷却した後、水70gを加えて食塩を溶解した。分
液漏斗に移して静置することにより上層と下層に分離
し、上層液138.3g、下層液435.7gを得た。上層液を分析
したところ、1,6−ジクロルヘキサン濃度0.07%、反応
率99.9%、モノニトリル濃度0.20%、収率0.2%、スベ
ロニトリル濃度92.0%、収率93.6%であった。下層液中
の青化ソーダ濃度は17.8%であった。
テトラブチルアンモニウムブロミド水溶液6.6g(純分0.
01モル)を還流冷却器、撹拌機、温度計の付いた反応器
Iに仕込み、激しく撹拌しながら110℃まで加熱した。
その後34.3%青化ソーダ水溶液228.6g(NaCN純分1.60モ
ル)を約90分かけて滴下した。更に110℃で2時間撹拌
しながら反応させた。常温まで冷却した後、水190gを加
えて食塩を溶解した。分液漏斗に移して静置することに
より上層と下層に分離し、上層液144.2g、下層液433.4g
を得た。上層液をガスクロマトグラフィーで分析したと
ころ、1,6−ジクロルヘキサン濃度6.79%、反応率93.7
%、モノニトリル濃度31.6%、収率31.3%であった。ま
た下層液中の青化ソーダ濃度は0.20%であった。II段 反応器Iで得た上層液144.2gを、還流冷却器、撹
拌機、温度計の付いた反応器IIに仕込み、激しく撹拌し
ながら110℃まで加熱した。その後34.3%青化ソーダ水
溶液359.8g(NaCN純分2.52モル)を約90分かけて滴下し
た。更に、110℃で1時間撹拌しながら反応させた。常
温まで冷却した後、水70gを加えて食塩を溶解した。分
液漏斗に移して静置することにより上層と下層に分離
し、上層液138.3g、下層液435.7gを得た。上層液を分析
したところ、1,6−ジクロルヘキサン濃度0.07%、反応
率99.9%、モノニトリル濃度0.20%、収率0.2%、スベ
ロニトリル濃度92.0%、収率93.6%であった。下層液中
の青化ソーダ濃度は17.8%であった。
実施例2I段 実施例1のI段において、青化ソーダ水溶液の代
わりにII段で得た下層液435.7g(青化ソーダ濃度17.8
%、純分1.58モル)を用いた外は全く同じ操作で反応を
行い上層液146.8g、下層液637gを得た。上層液を分析し
たところ、1,6−ジクロルヘキサン濃度6.95%、反応率9
3.4%、モノニトリル濃度31.3%、収率31.6%、スベロ
ニトリル濃度52.9%、収率57.1%であった。下層液中の
青化ソーダ濃度は0.16%であった。II段 I段で得た上層液146.8gを用いて実施例1のII段
と全く同じ操作で反応を行い、上層液140.1g、下層液43
5gを得た。上層液を分析したところ、1,6−ジクロルヘ
キサン濃度0.29%、反応率99.7%、モノニトリル濃度0.
20%、収率0.20%、スベロニトリル濃度92.3%、収率9
5.1%であった。下層液中の青化ソーダ濃度は17.5%で
あった。
わりにII段で得た下層液435.7g(青化ソーダ濃度17.8
%、純分1.58モル)を用いた外は全く同じ操作で反応を
行い上層液146.8g、下層液637gを得た。上層液を分析し
たところ、1,6−ジクロルヘキサン濃度6.95%、反応率9
3.4%、モノニトリル濃度31.3%、収率31.6%、スベロ
ニトリル濃度52.9%、収率57.1%であった。下層液中の
青化ソーダ濃度は0.16%であった。II段 I段で得た上層液146.8gを用いて実施例1のII段
と全く同じ操作で反応を行い、上層液140.1g、下層液43
5gを得た。上層液を分析したところ、1,6−ジクロルヘ
キサン濃度0.29%、反応率99.7%、モノニトリル濃度0.
20%、収率0.20%、スベロニトリル濃度92.3%、収率9
5.1%であった。下層液中の青化ソーダ濃度は17.5%で
あった。
比較例1 1,6−ジクロルヘキサン155.0g(1.0モル)、50%テト
ラブチルアンモニウムブロミド水溶液6.6g(純分0.01モ
ル)を還流冷却器、撹拌機、温度計の付いた反応器に仕
込み、激しく撹拌しながら110℃まで加熱した。その後3
4.5%青化ソーダ水溶液284.7g(NaCN純分2.0モル)を2
時間30分かけて滴下し、その後110℃で4時間撹拌しな
がら反応させた。常温まで冷却した後、水465gを加えて
食塩を溶解した。分液漏斗に移して静置することにより
上層と下層に分離し、上層液138g、下層液770gを得た。
上層液を分析したところ、1,6−ジクロルヘキサン濃度
0.62%、反応率99.4%、モノニトリル濃度9.11%、収率
8.6%、スベロニトリル濃度84.0%、収率85.2%であっ
た。下層液中の青化ソーダ濃度は0.11%であった。
ラブチルアンモニウムブロミド水溶液6.6g(純分0.01モ
ル)を還流冷却器、撹拌機、温度計の付いた反応器に仕
込み、激しく撹拌しながら110℃まで加熱した。その後3
4.5%青化ソーダ水溶液284.7g(NaCN純分2.0モル)を2
時間30分かけて滴下し、その後110℃で4時間撹拌しな
がら反応させた。常温まで冷却した後、水465gを加えて
食塩を溶解した。分液漏斗に移して静置することにより
上層と下層に分離し、上層液138g、下層液770gを得た。
上層液を分析したところ、1,6−ジクロルヘキサン濃度
0.62%、反応率99.4%、モノニトリル濃度9.11%、収率
8.6%、スベロニトリル濃度84.0%、収率85.2%であっ
た。下層液中の青化ソーダ濃度は0.11%であった。
比較例2 1,6−ジクロルヘキサン155.0g(1.0モル)、50%テト
ラブチルアンモニウムブロミド水溶液3.3g(純分0.01モ
ル)、34.5%青化ソーダ水溶液568.1g(NaCN純分4.0モ
ル)を還流冷却器、撹拌機、温度計の付いた反応器に仕
込み、激しく撹拌しながら110℃まで加熱した。引続き1
10℃で2時間撹拌しながら反応させた。常温まで冷却し
た後、水460gを加えて食塩を溶解した。分液漏斗に移し
て静置することにより上層と下層に分離し、上層液136.
7g、下層液1048.7gを得た。上層液の分析結果より、1,6
−ジクロルヘキサン濃度0.1%、反応率99.9%、モノニ
トリル濃度1.11%、収率1.0%、スベロニトリル濃度91.
2%、収率91.7%であり、下層液中の青化ソーダ濃度は
6.57%であった。
ラブチルアンモニウムブロミド水溶液3.3g(純分0.01モ
ル)、34.5%青化ソーダ水溶液568.1g(NaCN純分4.0モ
ル)を還流冷却器、撹拌機、温度計の付いた反応器に仕
込み、激しく撹拌しながら110℃まで加熱した。引続き1
10℃で2時間撹拌しながら反応させた。常温まで冷却し
た後、水460gを加えて食塩を溶解した。分液漏斗に移し
て静置することにより上層と下層に分離し、上層液136.
7g、下層液1048.7gを得た。上層液の分析結果より、1,6
−ジクロルヘキサン濃度0.1%、反応率99.9%、モノニ
トリル濃度1.11%、収率1.0%、スベロニトリル濃度91.
2%、収率91.7%であり、下層液中の青化ソーダ濃度は
6.57%であった。
これらの実施例および比較例から、本発明の方法によ
り二段反応器で反応させた場合は、1,6−ジクロルヘキ
サン反応率99.7%で、スベロニトリル収率95.1%であ
り、排液中の青化ソーダ濃度が0.16%に低下する(実施
例2)のに対し、通常の一段で反応を行う場合は、1,6
−ジクロルヘキサン反応率99.4%で、スベロニトリル収
率85.2%であり、スベロニトリル生成液中に濃度9.11%
のモノニトリルが生成する(比較例1)ため高性能の蒸
留塔が必要である。
り二段反応器で反応させた場合は、1,6−ジクロルヘキ
サン反応率99.7%で、スベロニトリル収率95.1%であ
り、排液中の青化ソーダ濃度が0.16%に低下する(実施
例2)のに対し、通常の一段で反応を行う場合は、1,6
−ジクロルヘキサン反応率99.4%で、スベロニトリル収
率85.2%であり、スベロニトリル生成液中に濃度9.11%
のモノニトリルが生成する(比較例1)ため高性能の蒸
留塔が必要である。
スベロニトリルの収率を上げるため、青化ソーダを倍
量とすれば、スベロニトリルの収率が91.7%に上昇する
が、排液中の青化ソーダが6.57%に増加し(比較例
2)、排液処理の費用が大きくなる。
量とすれば、スベロニトリルの収率が91.7%に上昇する
が、排液中の青化ソーダが6.57%に増加し(比較例
2)、排液処理の費用が大きくなる。
本発明の方法によれば、高いスベロニトリル収率が得
られると共に、排液中の青化ソーダ濃度が著しく低下す
るから、実装置での利点が大きい。
られると共に、排液中の青化ソーダ濃度が著しく低下す
るから、実装置での利点が大きい。
第1図は本発明により、二個の反応器を直列に配置した
場合の説明図である。
場合の説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−122258(JP,A) 特公 昭40−6330(JP,B1) 特公 昭38−19961(JP,B1)
Claims (1)
- 【請求項1】一般式が (R1〜R4は炭素数3〜10のアルキル基を示し、これらは
互いに同一でも異なっていても良い)で表される相間移
動触媒の存在下、1,6−ジクロルヘキサンと青化ソーダ
水溶液を反応させてスベロニトリルを製造するに際し、
1,6−ジクロルヘキサンと触媒を直列に配置された複数
個の反応器の最前段に導き、後段の反応器の反応液を反
応終了後油層と水層に分離し、未反応の青化ソーダを含
有する水溶液を前段に導入し反応させることを特徴とす
るスベロニトリルの製造法
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62028191A JPH0832669B2 (ja) | 1987-02-12 | 1987-02-12 | スベロニトリルの製造法 |
AU17837/88A AU1783788A (en) | 1987-01-22 | 1988-05-24 | Powder mixing method and apparatus |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62028191A JPH0832669B2 (ja) | 1987-02-12 | 1987-02-12 | スベロニトリルの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63196548A JPS63196548A (ja) | 1988-08-15 |
JPH0832669B2 true JPH0832669B2 (ja) | 1996-03-29 |
Family
ID=12241795
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62028191A Expired - Lifetime JPH0832669B2 (ja) | 1987-01-22 | 1987-02-12 | スベロニトリルの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0832669B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4571740B2 (ja) * | 2000-10-27 | 2010-10-27 | 株式会社日本ファインケム | 1,6−ジシアノヘキサンの製造方法 |
-
1987
- 1987-02-12 JP JP62028191A patent/JPH0832669B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63196548A (ja) | 1988-08-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4430162A (en) | Process for purification of crude acetonitrile | |
KR20070039948A (ko) | 2-아미노-5-요오도 안식향산의 제조 방법 | |
JPH06128214A (ja) | 1,3,3−トリメチル−5−オキソ−シクロヘキサン−カルボニトリルの製法 | |
CA2195635C (en) | Process for the preparation of a halosubstituted aromatic acid | |
US4119497A (en) | Process for the purification of acetonitrile | |
JPH0832669B2 (ja) | スベロニトリルの製造法 | |
JPH04193845A (ja) | α―ヒドロキシイソ酪酸の製造法 | |
KR940011129B1 (ko) | 3-클로로-4-플루오로니트로벤젠의 제법 | |
JPH0832670B2 (ja) | スベロニトリルを製造する方法 | |
JP3456634B2 (ja) | トリフルオロメタンスルホニルクロリドの製造方法 | |
JPH0832668B2 (ja) | スベロニトリルの製造方法 | |
JPS63145262A (ja) | トリフルオロメチルベンゾニトリルの製造方法 | |
CN101092391A (zh) | 2,3-二氯-5-三氯甲基吡啶的制备方法 | |
US6930214B2 (en) | Process for producing 2,5-bis(trifluoromethyl)nitrobenzene | |
JPH0583533B2 (ja) | ||
JP4088076B2 (ja) | ヨウ素アルカリ塩の製造方法 | |
JP4571740B2 (ja) | 1,6−ジシアノヘキサンの製造方法 | |
US4391991A (en) | Process for the preparation of para-fluoroaniline | |
JP3164284B2 (ja) | 2−クロロ−4−トリフルオロメチルベンザルクロライドの製造方法 | |
JPH0832671B2 (ja) | 高純度スベロニトリルの製造法 | |
US2953435A (en) | Method of preparing cyanogen | |
US6720456B2 (en) | Process for the preparation of 2,3-pentanedione | |
JP3188519B2 (ja) | tert−ブチルクロライドの製造法 | |
JP3556275B2 (ja) | シアノ酢酸t−ブチルの精製法 | |
JPH062716B2 (ja) | 芳香族第二級アミノ化合物の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |