JPH083263B2 - 床仕上材 - Google Patents

床仕上材

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JPH083263B2
JPH083263B2 JP61260145A JP26014586A JPH083263B2 JP H083263 B2 JPH083263 B2 JP H083263B2 JP 61260145 A JP61260145 A JP 61260145A JP 26014586 A JP26014586 A JP 26014586A JP H083263 B2 JPH083263 B2 JP H083263B2
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則行 千葉
健司 稲葉
修 森
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、建築内装材料としても床仕上材に関す
る。
〔従来の技術〕
従来の集合住宅の床仕上材は、カーペットが主流であ
った。しかし、最近カーペットにはダニが発生する、埃
がでやすいといった衛生面のクレームの発生、自然感が
ないといった嗜好的な側面から木質系の床仕上材が見直
され始めている。
しかし、この木質系の仕上材をマンションの床仕上材
として用いると、床衝撃音遮断性に劣るという大きな欠
点があった。即ち、上階の足音や、物を落とす音等の床
衝撃音(軽量床衝撃音)が階下に伝達し、騒音クレーム
が発生していた。そこで、9〜12mmの厚さを有する木質
の表面仕上材の裏面に発泡プラスチック(厚さ2mmの低
発泡ポリエチレンフォーム)を貼って軽量床衝撃音に対
処しようとするものが開発された。この発泡プラスチッ
クを下層に設けた床仕上材では、緩衝層の厚みを4mmに
形成しても100cm2の局部荷重に対する静的バネ定数は25
kg/cm・cm2超であったため、その遮音性能は要求水準
(軽量衝撃源に対しL−55)を満足できないものであっ
た。この要求水準を満足しようとすると、表面仕上材の
裏面に残る発泡プラスチック層を15mm程度まで厚くする
ことによって、100cm2の局部荷重に対する発泡プラスチ
ック層の静的バネ定数を25kg・/cm・cm2以下にする必要
があった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
従来の6〜15mm程度の発泡緩衝層を備えた床仕上材で
は床面が柔らかとなって凹みやすくなるという欠点があ
った。従来の代表的な木質系仕上材として、木質層の厚
みを7mm、緩衝層(低発泡ポリエチレンフォーム)の厚
みを8mmとして全体の厚みを15mmに形成したもの(第29
図参照、静的バネ定数は70kg/cm・cm2であった)では、
コンクリートスラブ(密度2.3t/m3,版厚150mm)に直貼
りし、その軽量床衝撃音遮断性能を測定した結果、第28
図の符号30に示すグラフの如く、遮音等級L−65となっ
た。
そこでこの発明は、床衝撃音遮断性能を向上させると
ともに床面が柔らかとなって凹みやすくなるのを防止
し、全体の厚みを極力押さえた床仕上材を提供すること
目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
上述の目的を達成するため、この発明は、床下地上に
敷き詰める床仕上材であって、木質系、合成樹脂系等の
比較的硬質な材料から成る表面仕上材の裏面に第1緩衝
層を形成し、この第1緩衝層の裏面にベニア合板などの
支持板を取付け、この支持板の裏面に第2緩衝層を形成
し、表面仕上材の厚みを6mm以下に形成し、第1緩衝層
の厚みを1〜4mmに形成するとともに100cm2の局部荷重
に対し、25kg/cm・cm2以下の静的バネ定数を持つように
形成したものである。もう1つの発明は、表面仕上材と
第1緩衝層との間に制振・遮音層を形成したものであ
る。
〔作用〕
この発明の床仕上材を第2緩衝層が床下地上に接触す
るように敷く詰め、表面仕上材に床衝撃音が加えられた
とき、歩行感を損なうことなく充分な遮断性能を発揮し
た。また、この床仕上材では、全体の厚みを薄くするこ
とが可能なため、すでにカーペット等で仕上げのしてあ
る床の貼り直しも出来る。制振・遮音層を設けたもので
は、歩行時の発音が押さえられ、重量感が出ると共に耐
湿性が向上する。
〔実施例〕
以下にこの発明の好適な実施例の幾つかを図面に参照
にして説明する。
第1図に示すこの発明の第1実施例は、木質系或いは
合成樹脂系等の比較的硬質な材料からなる表面仕上材1
の裏面に第1緩衝層2を形成してある。この第1緩衝層
2の裏面にベニア合板等の支持板3を取付け、この支持
板3の裏面に第2緩衝層4を形成してある。表面仕上材
1は、第2図に示すように気質仕上単板1Aと台板合板1B
とを張り合わせたものからなる。表面仕上材1の厚みT1
は6mm以下でより好ましくは1〜5mm程度であり、第1緩
衝層2の厚みT2は1〜4mm程度のものが好適である。そ
して、この第1緩衝層2には、局部荷重100cm2に対し25
kg/cm・cm2以下の静的バネ定数を有するものが望まし
い。第1および第2干渉層2,4は、弾力性を有する発泡
体又は繊維体,多孔質繊維板,ゴム状弾性体等が好適で
ある。この第1緩衝層2と第2緩衝層4とは同一材料を
使用する必要はなく、それぞれの層に別材料を使用して
床仕上材全体としての性能を変化させることもできる。
例えば、第1緩衝層2上に表面仕上材1を貼り付けた
床仕上材において、100cm2の局部荷重に対し、厚さ4mm
の緩衝層2が80kg/cm・cm250kg/cm・cm230kg/cm
・cm220kg/cm・cm2の各静的バネ定数を有する4種類
のものを使用した結果、の緩衝層2を有する床では、
遮音性能がL−70を超え、床の沈み量は0.5mm、では
L−60を超え、1.3mm、ではL−57、2.2mm、ではL
−55未満、2.9mmであった。緩衝層2の厚みを1〜4mmに
形成し、100cm2の局部荷重に25kg/cm・cm2以下の静的バ
ネ定数にすることは遮音性能の向上を図ることに有効で
ある。
第4図に示す実施例は、仕上材の周辺を相欠り状に加
工したものであり、この加工により床仕上材の端部にか
かった荷重に対する凹みは減少し、床鳴り等をより一層
防止することができる。
第5図〜第7図に示す各実施例は、さらに別の相欠
り、実加工を施したものをそれぞれ示す。
第8図に示すもう1つの発明の実施例は、より一層遮
音性能を向上させる為表面仕上材1と第1緩衝層2との
間に制振・遮音層5を設けたもとを示す。この制振・遮
音層5は、柔軟性に富んだ厚さ1〜3mm程度のもので、
塩化ビニール,ゴムまたはアスファルト系のものが使用
に好適である。この制振・遮音層5により、歩行時の発
音が押さえられ、重量感がでると共に耐湿性が向上す
る。
第9図及び第10図に示す実施例は、支持板3及び第2
緩衝層4を複数分割したものであり、分割された1単位
の支持板3の厚みを2mm以上とし、その大きさを200cm2
以下に形成したものである。支持板3は、ベニア合板の
他に繊維板、プラスチック板等の使用が可能である。
第11図に示す実施例では、支持板3のみが複数分割さ
れ、第12図に示す実施例では支持板3及び第1緩衝層2
が複数分割され、第13図に示す実施例では支持板3及び
第1・第2緩衝層2・4が複数分割された例を示す。
第9図ないし第13図に示すいずれの実施例において
も、表面仕上材1と第1緩衝層2とを間に第8図に示す
如き制振・遮音層5を設けても良い。
第14図に示す実施例では、表面仕上材1に面取り及び
ツヤ消しを施した。ツヤ消しは五分ヅヤ以下とすること
が望ましい。
第15図に示す実施例は、表面仕上材1とそれ以下の層
(この実施例では制振・遮音層5以下)とをずらして貼
り合せた例を示し、これにより表面仕上材1の沈みを押
えることができる。
第16図及び第17図に示す実施例は、第2緩衝層4をゴ
ム脚で構成したものを示す。
第18図ないし第22図に示す実施例は、第2緩衝層4が
種々の突起4Aを備えた例を示す。
第23図に示す実施例では、第2緩衝層4を2種類の材
質を組み合せて構成し、端部4Bを中央部4Cよりも硬くし
段差の発生を押えるようにした。端部4Bは中央部4Cより
も静的バネ定数の高いゴム状弾性体又は発泡弾性体を用
いた。
第24図に示す実施例では、第23図に示す実施例におい
て、端部4Bの厚さを中央部4Cの厚さよりも1〜2mm程度
薄くし、軽量衝撃源に相当する荷重に対しては中央部4C
で吸収し、それ以上の荷重が加わったときには端部4Bが
床下地に接地することにより目地部の段差を防止するよ
うにしたものである。
第25図ないし第27図は、仕上材を床下地100に固定す
る一例を示す図であり、第2緩衝層4を除く他層を貫通
する孔6を形成し、押え釘7・緩衝材8・ワッシャー9
をこの孔6に挿入し、押え釘7の先端を床下地100へ打
ち込む。
第28図に示すグラフは、従来製品と本発明実施品(符
号20で示すグラフ)との軽量床衝撃音遮断性能を比較し
た測定結果である。従来品としては表面仕上材に木質系
のものを用い、その厚みを7mm、緩衝層(低発泡ポリエ
チレンフォーム)8mmとしたものであり、本発明実施品
では、木質系の表面仕上材の厚みを3.3mm、制振・遮音
層2mm、第1緩衝層2mm、支持板5.5mm、第2緩衝層2mmと
したものである。その結果、従来品では遮音等級L−6
5、本発明実施品ではL−55のレベルとなり、2ランク
の差となって表れた。また、この従来品と本発明実施品
との床上荷重に対する沈み込も、従来品が8mm厚という
厚い緩衝層を使用しているのに比べ本発明実施品では緩
衝層の厚みを小さく押さえている為、従来品に比べ約1/
2の床の沈みの発生にとどまった。
〔効果〕
以上説明したように、この発明によれば、表面仕上材
の裏面に第1緩衝層を形成し、この第1緩衝層の裏面に
ベニア合板等の支持板を取付け、この支持板の裏面に第
2緩衝層を形成し、表面仕上材の厚みを6mm以下に形成
し、第1緩衝層の厚みを1〜4mmに形成するとともに100
cm2の局部荷重に対し、25kg/cm・cm2以下の静的バネ定
数を持つように形成したので、歩行感を損なうことな
く、軽量床衝撃音遮音性能にも優れたものとなった。
この発明では、表面仕上材と緩衝層との夫々の厚みを
最適なものとし、緩衝層の静的バネ定数を上述の値にす
ることで、遮音性能の向上を図り、沈み込みを防止した
ものである。しかも支持板の存在に依り仕上材施工後床
上を歩行しても床の局部的な凹みが小さい。また、床の
局部的な凹みが小さい為に床鳴りの発明も少ないもので
あった。さらに、表面仕上材の厚みを6mm以下、第1緩
衝層の厚みを1〜4mm程度に形成し、第1緩衝層の特性
とし局部荷重100cm2に対し25kg/cm・cm2以下の静的バネ
定数を有するように形成してあるので、全体の厚みを小
さくすることができ、その結果床の沈み込みの発生を防
止し、しかも既設の絨毯加工を剥がしてこの床仕上材を
施工することも容易に行える。さらにまた、表面仕上材
と第1緩衝層との間に制振・遮音層を形成したものにあ
っては、より一層遮音性能が向上し、重量感がでると共
に、耐湿性も向上する。
また、支持板の厚みを2mm以上とし、その大きさを200
cm2以下に複数分割したものにあっては、表面仕上材の
伸縮に分割された支持板が追従し、反り、狂いが小さく
なる。さらに、表面仕上材とそれ以下の層とをずらして
貼り合せたものにあっては、表面仕上材の沈みを一層押
えることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例を示す斜視図、第2図は第1
図の実施例の断面図、第3図は第2図の部分的拡大図、
第4図は別の実施例を示す断面図、第5図ないし第7図
は第4図の実施例の変形例をそれぞれ示す断面図、第8
図は別の発明の実施例を示す断面図、第9図は他の実施
例を示す斜視図、第10図は第9図の断面図、第11図はさ
らに他の実施例を示す斜視図、第12図は他の実施例を示
す斜視図、第13図は他の実施例を示す斜視図、第14図は
他の実施例を示す断面図、第15図は他の実施例を示す斜
視図、第16図及び第17図は他の実施例を示す断面図、第
18図ないし第22図は他の実施例を示す斜視図、第23図は
他の実施例を示す断面図、第24図は他の実施例を示す断
面図、第25図は床下地への取付例を示す断面図、第26図
は押え釘を示す斜視図、第27図は押え釘が挿入される孔
を示す斜視図、第28図は従来品とこの発明の実施品との
遮音性能を比較するグラフ、第29図は従来例を示す断面
図である。 1……表面仕上げ材、2……第1緩衝層、 3……支持板、4……第2緩衝層、 100……床下地。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−98949(JP,A) 実開 昭60−188738(JP,U) 実開 昭51−20323(JP,U) 実開 昭54−135011(JP,U)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】床下地上に敷き詰める床仕上材であって、 木質系、合成樹脂系等の比較的硬質な材料から成る表面
    仕上材の裏面に第1緩衝層を形成し、 この第1緩衝層の裏面にベニア合板などの支持板を取付
    け、 この支持板の裏面に第2緩衝層を形成し、 表面仕上材の厚みを6mm以下に形成し、 第1緩衝層の厚みを1〜4mmに形成するとともに100cm2
    の局部荷重に対し、25kg/cm・cm2以下の静的バネ定数を
    持つように形成したことを特徴とする床仕上材。
  2. 【請求項2】前記支持板の厚みを2mm以上とし、その大
    きさを200cm2以下に複数分割したことを特徴とする特許
    請求の範囲第1項に記載の床仕上材。
  3. 【請求項3】表面仕上材とそれ以下の層とをずらして貼
    り合わせたことを特徴とする特許請求の範囲第1項又は
    第2項に記載の床仕上材。
  4. 【請求項4】前記第1緩衝層及び第2緩衝層のいずれか
    一方又は両方を支持板と同様に複数分割したことを特徴
    とする特許請求の範囲第2項に記載の床仕上材。
  5. 【請求項5】床下地上に敷き詰める床仕上材であって、 木質系、合成樹脂系等の比較的硬質な材料から成る表面
    仕上材の裏面に制振・遮音層を形成し、 この制振・遮音層の裏面に第1緩衝層を形成し、 この第1緩衝層の裏面にベニア合板などの支持板を取付
    け、 この支持板の裏面に第2緩衝層を形成し、 表面仕上材の厚みを6mm以下に形成し、 第1緩衝層の厚みを1〜4mmに形成するとともに100cm2
    の局部荷重に対し、25kg/cm・cm2以下の静的バネ定数を
    持つように形成したことを特徴とする床仕上材。
  6. 【請求項6】前記支持板の厚みを2mm以上とし、その大
    きさを200cm2以下に複数分割したことを特徴とする特許
    請求の範囲第5項に記載の床仕上材。
  7. 【請求項7】表面仕上材とそれ以下の層とをずらして貼
    り合わせたことを特徴とする特許請求の範囲第5項又は
    第6項に記載の床仕上材。
  8. 【請求項8】前記第1緩衝層及び第2緩衝層のいずれか
    一方又は両方を支持板と同様に複数分割したことを特徴
    とする特許請求の範囲第6項に記載の床仕上材。
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