JPH08326074A - 補強土構造物の壁面構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 壁面パネルと、この壁面パネルを支持する盛
土補強材との連結部に、連結部を切断するような剪断力
を発生させない構造として、強度的に安定した盛土補強
構造物の壁面構造を提供する。 【構成】 盛り土層１の先端部に設置された壁面パネル
２の背面部に複数個の凹部７を所定間隔おきに設け、こ
の凹部７の下端面に下り勾配のテーパ部7aをそれぞれ設
け、この凹部7aに上下方向に棒状に連続するアンカー金
具８をそれぞれ突設し、かつ、このアンカー金具８に前
記盛土補強材３を前記アンカー金具８に沿って下降し、
前記テーパ部7aに当接可能な連結金具９を介して連結す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、壁面パネルと、この
壁面パネルを支持する盛り土補強材との連結部の剪断破
断を防止して強度的に安定した補強土構造物の壁面構造
に関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
擁壁等の補強土構造物として、例えば図14に図示するよ
うに、盛土層10の先端部にプレキャストコンクリート板
からなる壁面パネル11を設置し、この壁面パネル11の背
面部に固定金具12を突設し、前記盛土層10の内にジオテ
キスタイル、又は鉄筋グリットや鋼材等からなる複数枚
の盛土補強材13を複数層に埋設し、この盛土補強材13を
固定金具12を介して壁面パネル11の背面部に連結するこ
とにより構築されるものが知られている（なお、図にお
いて、盛土補強材13は鋼材より形成されている）。

【０００３】しかし、盛土補強材13としてジオテキスタ
イルを使用した場合、ジオテキスタイルは軟らかいため
に盛土の変位に追随して変位し易いので、応力集中を受
けにくい反面、伸び及び変位が大きいので、壁面パネル
11が簡単に傾いたり、移動したする恐れがあり、このた
め、ジオテキスタイルは壁面パネルの固定部材を兼ねた
盛土補強材としては適せず、主にジオテキスタイルの先
端を盛土層10の先端部において巻き込み、盛土層10の表
面を緑化するのが常であった。

【０００４】一方、盛土補強材13として鉄筋グリットや
鋼材を使用した場合、鉄筋グリットや帯鋼（以下、「鉄
筋グリット等」という）は盛土の拘束効果が大きく、し
かも、強度及び曲げ剛性が大きく、伸びや変位を起こし
にくいので、壁面パネル11の固定部材を兼ねた盛土補強
材としては優れているが、そのままでは、剛性が大きい
ので、盛土の変位に追従しにくく応力集中を受けやす
い。このため、本来の引っ張り強度が最大限に発現され
る前に剪断力によって破断してしまうことがある。

【０００５】従って、鉄筋グリット等の設置に際して
は、剪断力をできるだけ受けず、引っ張り力のみを受け
る構造とすることが必要である。

【０００６】また、壁面パネル11は通常コンクリート等
の剛性材料で成形され、一方、盛り土層10は粒状体であ
って転圧時に圧縮されて容易に変形し易いため、壁面パ
ネル11と盛土補強材13との連結部は盛り土層10の転圧時
に相対変位を生じて周辺の土粒子の動きに大きく影響さ
れ、やがて破壊されることがある。

【０００７】また、盛土層10を構築する盛土として現地
発生材を使用することは、きわめて経済的で望ましい
が、盛土の質が悪いと、土の圧縮性が大きいために壁面
が変位し易い。また、時間の経過とともに壁面パネル11
と盛土補強材13との連結部の応力が変化し、連結部に予
測しがたい複雑な応力が発生しやすく、連結部が破壊さ
れ易い。

【０００８】一般に壁面の変位は、盛土層10の転圧荷重
による圧縮と側方向への拡がり、さらに、転圧時におけ
る壁面パネル11と盛土補強材13との連結部における弛み
が大きくなることにより、また、荷重によって生ずる連
結部の変形、転圧後の上載荷重による盛土層10の圧縮に
伴う盛土補強材13及び盛土補強材13に連結されている壁
面パネル11の変形又はその連結部における応力集中によ
って起こる。

【０００９】このような課題を解決するために、当出願
人が既に出願した補強土構造物に関する発明（特公昭59
-20821号参照）が知られている（図15参照) 。

【００１０】しかし、これらは、いずれも盛土補強材13
の連結部13a が壁面パネル11に突設された立て方向の棒
状体14に沿って下降する構造になっているが、その下降
長さ以上に盛土層10が圧縮沈下した場合、盛土補強材13
の連結部13a に大きな剪断力が生じて盛土補強材13が連
結部13a において剪断破断される危険がある。

【００１１】すなわち、盛土層10内に設置された盛土補
強材13の連結部13a にその断面に沿って剪断荷重が作用
すると、盛土補強材13の有する引張強度が充分作用する
前に剪断力によって容易に破断されてしまう。したがっ
て、盛土補強材13にこのような剪断力が作用せず、盛土
補強材13の長さ方向に引張力のみが作用するような補強
土構造物の壁面構造とするのが望ましい。

【００１２】また、この種の壁面構造においては、盛土
補強材13に要求される機能は、引張力のない盛土層10に
盛土補強材13の引張強度を付与することにあり、本来、
盛土補強材13は圧縮性のある盛土と一体化しうるために
可撓性を有していることが望ましいため、部材断面は小
さい程好ましく、引張強度は大きい程好ましい。また引
張抵抗力が大きいことが望ましいのは勿論である。

【００１３】このような理由により、わが国において現
地発生材として多く存在する関東ロームのような圧縮性
の大きな粘性土が盛土材として使用されにくかった。

【００１４】この発明は、このような点を考慮してなさ
れたもので、盛土層を保持する壁面パネルと、この壁面
パネルを支持する盛土補強材との連結部に、この部分を
切断するような剪断力を発生させない構造にして、強度
的に安定した盛土補強構造物の壁面構造を提供すること
を目的とする。

【００１５】

【課題を解決するための手段】この発明に係る請求項第
１項記載の補強土構造物の壁面構造は、盛り土層の先端
部に設置された壁面パネルの背面部に複数個の凹部を所
定間隔おきに設け、この凹部の下端面に下り勾配のテー
パ部をそれぞれ設け、この凹部に上下方向に棒状に連続
するアンカー金具をそれぞれ突設し、かつ、このアンカ
ー金具に前記盛土補強材を前記アンカー金具に沿って下
降し、前記テーパ部に当接可能な連結金具を介して連結
することにより構築されている。

【００１６】この発明に係る請求項第２項記載の補強土
構造物の壁面構造は、盛り土層の先端部に設置された壁
面パネルの背面部に上下方向に連続するアンカー金具を
それぞれ突設し、このアンカー金具に前記盛土補強材を
この盛土補強材に作用する引っ張り力を伸びて吸収する
緩衝部を有する連結金具を介して連結することにより構
築されている。

【００１７】この発明に係る請求項第３項記載の補強土
構造物の壁面構造は、盛り土層の先端部に設置された壁
面パネルの背面部に上下方向に連続するアンカー金具を
それぞれ突設し、このアンカー金具に前記盛土補強材を
この盛土補強材に作用する引っ張り力を収縮して吸収す
る緩衝部材を介して連結することにより構築されてい
る。

【００１８】

【実施例】

実施例１．図１〜図７は、この発明に係る請求項第１項
記載の補強土構造物の壁面構造の一実施例を示し、図に
おいて、符号１は入念に転圧しつつ所定高さに盛られた
盛土層、２はこの盛土層１の先端に互いに連結しつつ複
数段に積み重ねられ、壁面を構成して盛土層１を崩壊し
ないように保持する壁面パネル、３は盛土層１の中に複
数層に埋設され、盛土層１を移動、沈下、流失等しない
ように保持するとともに、壁面パネル２を盛土層１の先
端部に固定する盛土補強材、そして、符号４は壁面パネ
ル２の背面部に取り付けられ、盛土補強材３を壁面パネ
ル２に連結する連結金具である。

【００１９】壁面パネル２はプレキャストコンクリート
板より逆Ｔ字形状に成形され、その左右突出部2a,2a の
上下両端部には所定深さの連結孔5,5 が垂直にそれぞれ
形成されている。そして、上下方向及び左右方向に隣接
する壁面パネル2,2 は、双方の連結孔5,5 に鉄筋等から
なる連結棒６が挿入されることによって互いに連結され
ている（図３参照）。

【００２０】また、壁面パネル２の背面部には所定深さ
の凹部７が形成されている。凹部７は上下方向に細長い
矩形状に形成され、かつ、その下端面に下り勾配のテー
パ部7aが形成されている。また、凹部７は壁面パネル２
の大きさに応じて壁面パネル２の上下方向及び左右方向
に所定間隔おきに形成されている。

【００２１】さらに、各凹部７の略中央部には上下方向
に棒状に連続するアンカー金具８がそれぞれ突設されい
る（図4,5,6,7 参照) 。

【００２２】盛り土補強材３には、複数本の鉄筋を格子
状に溶接する等して構成された鉄筋グリッド（図4,5 参
照) 、若しくは先端部にアンカープレート3aを有するア
ンカーバー（図6,7 参照）が使用されている。

【００２３】連結金具４は鉄筋等からＵ字状に形成さ
れ、アンカー金具８に巻き架けられたアーチ部4aと、こ
のアーチ部4aの端部に溶接する等して突設され、盛土補
強材３の横鉄筋3aに回転自在に連結された、鋼板からな
る連結部4bとを備えて構成されている。

【００２４】なお、連結金具４は壁面パネル２を工場等
で成形する際に、壁面パネル２の大きさに応じてあらか
じめ複数個取り付けられている。このため、設置後に最
も大きな応力が作用し、構造的に弱点となり得る盛土補
強材３の連結部は、工場生産により強固な構造となって
現場に搬入され、現場では単に盛り土補強材３を連結金
具４に連結しさえすればよいので、施工上最も簡便でき
わめて信頼性のある補強土構造物の壁面構造を構築でき
る。

【００２５】また、盛土補強材３を連結金具４の連結部
4bに連結するには、例えば実施例に示すように、連結部
4bを盛土補強材３の横鉄筋3aに巻き付ける等の方法があ
るが、このような方法に限られるものではなく、要する
に、現場で盛土補強材３を連結金具４に簡単にかつ容易
に連結できる方法であれば、ボルト止めでもよい。

【００２６】このような構成において、盛土層１の転圧
時の沈下や構築後の経時的沈下等により盛り土補強材３
が大きく沈下したとしても、連結金具４はアンカー金具
８の下端部まで下降し、かつ、凹部７の下端面のテーパ
部8aに当接して盛土補強材３の引っ張られる方向に延在
され、しかも、盛土補強材３が連結金具４の連結部4bを
軸に下方向に回転するので、壁面パネル２と盛り土補強
材３との連結部には、盛土補強材３を壁面パネル２から
引き離す方向に引張力Ｐのみが作用し、連結部を切断す
るような剪断力は作用しないので、連結部の破損や壁面
パネル２の変形等を確実に防止できる効果がある。

【００２７】図８(a),(b),(c) は、壁面パネルの変形例
を示し、壁面パネル２は矩形板状に形成され、凹部７は
壁面パネル２の背面部に横方向に細長く形成され、か
つ、アンカー金具８は凹部７内にその横方向に所定間隔
おきに突設されている。

【００２８】また、盛土補強材３はアンカー金具８に回
転自在にかつ下方向にスライド可能に取り付けられた連
結金具8aを介して連結されている。

【００２９】実施例２．図９〜図12は、この発明に係る
請求項第２記載の補強土構造物の壁面構造の一実施例を
示し、図において、実施例１と同一部分には同一符号を
付し、その説明を省略する。

【００３０】符号９は壁面パネル２の背面部に取り付け
られ、盛土補強材３を壁面パネル２に連結する連結金具
である。連結金具９はリング字状に形成され、アンカー
金具８に巻きかけられたリング部9aと、このリング部9a
の端部にリング状に形成され、盛土補強材３の横鉄筋3a
に巻きかけて回転自在に連結された連結部9bと、リング
部9aと連結部9bとの間にコイル状に形成され、盛土補強
材３に作用する一定以上の引張力を伸びることによって
吸収する緩衝部9cとを備えて構成されている。

【００３１】なお、連結金具９のリング部9a、連結部9b
及び緩衝部9cは、一本の鉄筋等から形成されている。ま
た、連結金具９は実施例１の場合と同様に、壁面パネル
２を工場等で成形する際に、壁面パネル２の大きさに応
じてあらかじめ複数個取り付けられている。このため、
設置後に最も大きな応力が作用し、構造的に弱点となり
がちな盛土補強材３の連結部は、工場生産により強固な
構造となって現場に搬入され、現場では単に盛り土補強
材３を連結金具10に連結しさえすればよいので、施工上
最も簡便できわめて信頼性のある補強土構造物の壁面構
造を構築できる。

【００３２】また、盛土補強材３を連結金具９の連結部
9bに連結するには、例えば実施例に示すように、連結部
9bを盛土補強材３の横鉄筋3aに巻き付ける等の方法があ
るが、このような方法に限られるものではなく、要する
に、現場で盛土補強材３を連結金具９に簡単にかつ容易
に連結できる方法であれば、ボルト止めでもよい。

【００３３】このような構成において、盛土層１の転圧
時の沈下や構築後の経時的沈下等により盛り土補強材３
が大きく沈下したとしても、連結金具９はアンカー金具
８の下端部まで下降し、かつ、凹部７の下端面のテーパ
部7aに当接して盛土補強材３の引っ張られる方向に延在
される。さらに、盛土補強材３に一定値以上の引張り力
Ｐが作用すると、緩衝部9cが伸びて盛土補強材３に作用
する引張力を吸収するので、壁面パネル２と盛土補強材
３との連結部に連結部を切断するような剪断力は作用せ
ず、したがって、連結部の破損や壁面パネル２の変形等
を確実に防止できる効果がある。

【００３４】実施例３．図13(a),(b) は、この発明に係
る請求項第３項記載の補強土構造物の壁面構造の一実施
例を示し、図において、実施例１および２と同一部分に
は同一符号を付し、その説明を省略する。

【００３５】符号15は壁面パネル２の背面部に横方向に
所定間隔おきにそれぞれ突設され、盛土補強材３が連結
されるアンカー金具である。アンカー金具15には上下に
細長い長孔15a が形成され、この長孔15a に盛土補強材
３の端部が挿通され、かつ、この盛土補強材３の端部に
螺合される定着ナットなどの定着部材16によって盛土補
強材３が壁面パネル２の背面部に連結されている。

【００３６】また、符号17はアンカー金具15と定着部材
16との間に介在され、盛土補強材３に作用する引っ張り
力を収縮することにより吸収する緩衝部材である。この
緩衝部材17はコルクプレート、合成樹脂マット、コイル
ばねあるいは合成ゴムなどから形成されている。なお、
図13(b) に図示するように、アンカー金具15を鉄筋など
から形成し、かつ、盛土補強材３の端部をアンカー金具
15に横に挿通された緩衝部材17に巻き架けるなどして直
接連結してもよい。

【００３７】

【発明の効果】この発明は以上説明した構成からなり、
この発明に係る請求項第１項記載の補強土構造物の壁面
構造は、盛り土層の先端部に設置された壁面パネルの背
面部に複数個の凹部を所定間隔おきに設け、この凹部の
下端面に下り勾配のテーパ部をそれぞれ設け、この凹部
に上下方向に棒状に連続するアンカー金具をそれぞれ突
設し、かつ、このアンカー金具に前記盛土補強材を前記
アンカー金具に沿って下降し、前記テーパ部に当接可能
な連結金具を介して連結することにより構築されている
ので、盛土層の転圧、永年の経過に伴う盛土層の沈下と
ともに盛土補強材が沈下したとしても、連結金具がアン
カー金具に沿って下降し、かつ、凹部のテーパ部に斜め
に当接されて盛土補強材の引っ張られる方向に延在され
るので、壁面パネルと盛土補強材との連結部に連結部を
切断するような剪断力は発生せず、従って、壁面パネル
と盛土補強材との連結部が破損する等の課題を解決でき
る効果がある。

【００３８】また、この発明に係る請求項第２項記載の
補強土構造物の壁面構造は、盛り土層の先端部に設置さ
れた壁面パネルの背面部に上下方向に連続するアンカー
金具をそれぞれ突設し、このアンカー金具に前記盛土補
強材をこの盛土補強材に作用する一定値以上の引張力を
伸びて吸収する緩衝部を有する連結金具を介して連結す
ることにより構築されているので、壁面パネルと盛土補
強材との連結部に連結部を切断するような剪断力は作用
せず、従って、連結部の破損や壁面パネルの変形等を確
実に防止できる効果がある。

【００３９】また、この発明に係る請求項第３項記載の
補強土構造物の壁面構造は、盛り土層の先端部に設置さ
れた壁面パネルの背面部に上下方向に連続するアンカー
金具をそれぞれ突設し、このアンカー金具に前記盛土補
強材をこの盛土補強材に作用する一定値以上の引張力を
収縮して吸収する緩衝部材を介して連結することにより
構築されているので、壁面パネルと盛土補強材との連結
部に連結部を切断するような剪断力は作用せず、従っ
て、連結部の破損や壁面パネルの変形等を確実に防止で
きる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係る補強土構造物の壁面構造の一実
施例を示す正面図である。

【図２】図１におけるａ−ａ線断面図である。

【図３】壁面パネルの正面図である。

【図４】補強土構造物の壁面部の一部横断面図である。

【図５】図４におけるｂ−ｂ線断面図である。

【図６】補強土構造物の壁面部の一部横断面図である。

【図７】図６におけるｃ−ｃ線断面図である。

【図８】(a) は壁面パネルの変形例を示す正面図、(b)
は(a) におけるｄ−ｄ線断面図(c) はその一部縦断面図
である。

【図９】この発明に係る請求項第２項記載の補強土構造
物の壁面構造の一実施例を示す補強土構造物の一部横断
面図である。

【図１０】図９におけるｅ−ｅ線断面図である。

【図１１】この発明に係る請求項第２項記載の補強土構
造物の壁面構造の他の実施例を示す補強土構造物の一部
横断面図である。

【図１２】図１１におけるｆ−ｆ線断面図である。

【図１３】(a),(b) はこの発明に係る請求項第３項記載
の補強土構造物の壁面構造の一実施例を示す壁面部の一
部縦断面図である。

【図１４】従来の壁面パネルと盛土補強材との連結部の
構造の一例を示す斜視図である。

【図１５】従来の補強土構造物の一例を示す一部縦断面
図である。

【符号の説明】

１…盛土層、２…壁面パネル、３…盛土補強材、４…連
結金具、５…連結孔、６…連結棒、７…凹部、８…アン
カー金具、９…連結金具、10…盛土層、11…壁面パネ
ル、12…固定金具、13…盛土補強材、14…棒状体、15…
アンカー金具、16…定着部材、17…緩衝部材。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 転圧しつつ所定高さに構築された盛り土
   層と、この盛り土層の先端部に設置され、前記盛り土層
   を保持する壁面パネルと、前記盛り土層に複数層に埋設
   され、前記盛り土層を補強するとともに前記壁面パネル
   を固定する複数枚の盛り土補強材とを備えてなる補強土
   構造物の壁面構造において、前記壁面パネルの背面部に
   複数個の凹部を所定間隔おきに設け、この凹部の下端面
   に下り勾配のテーパ部をそれぞれ設け、この凹部に上下
   方向に棒状に連続するアンカー金具をそれぞれ突設し、
   かつ、このアンカー金具に前記盛土補強材を前記アンカ
   ー金具に沿って下降し、前記テーパ部に当接可能な連結
   金具を介して連結してなることを特徴とする補強土構造
   物の壁面構造。
2. 【請求項２】 転圧しつつ所定高さに構築された盛り土
   層と、この盛り土層の先端部に設置され、前記盛り土層
   を保持する壁面パネルと、前記盛り土層に複数層に埋設
   され、前記盛り土層を補強するとともに前記壁面パネル
   を固定する複数枚の盛り土補強材とを備えてなる補強土
   構造物の壁面構造において、前記壁面パネルの背面部に
   上下方向に連続するアンカー金具をそれぞれ突設し、こ
   のアンカー金具に前記盛土補強材をこの盛土補強材に作
   用する引っ張り力を伸びて吸収する緩衝部を有する連結
   金具を介して連結してなることを特徴とする補強土構造
   物の壁面構造。
3. 【請求項３】 転圧しつつ所定高さに構築された盛り土
   層と、この盛り土層の先端部に設置され、前記盛り土層
   を保持する壁面パネルと、前記盛り土層に複数層に埋設
   され、前記盛り土層を補強するとともに前記壁面パネル
   を固定する複数枚の盛り土補強材とを備えてなる補強土
   構造物の壁面構造において、前記壁面パネルの背面部に
   上下方向に連続するアンカー金具をそれぞれ突設し、こ
   のアンカー金具に前記盛土補強材をこの盛土補強材に作
   用する引っ張り力を収縮して吸収する緩衝部材を介して
   連結してなることを特徴とする補強土構造物の壁面構
   造。