JPH0832571B2 - グレーテッドインデックス型光ファイバ母材の製造方法 - Google Patents

グレーテッドインデックス型光ファイバ母材の製造方法

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JPH0832571B2
JPH0832571B2 JP1219948A JP21994889A JPH0832571B2 JP H0832571 B2 JPH0832571 B2 JP H0832571B2 JP 1219948 A JP1219948 A JP 1219948A JP 21994889 A JP21994889 A JP 21994889A JP H0832571 B2 JPH0832571 B2 JP H0832571B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は光ファイバ母材、特にはグレーテッドインデ
ックス型(GI型)の高NA用光ファイバとして有用とされ
る光ファイバ母材の製造方法に関するものである。
[従来の技術] 従来、比屈折率差Δnが1〜2%程度のグレーテッド
インデックス型(GI型)の光ファイバ母材はVAD法で耐
熱性出発材にガラス微粒子を堆積して得た多孔質ガラス
母材を、加熱し、透明ガラス化する方法で作られている
が、長手方向に安定した屈折率分布を形成するためには
この多孔質ガラス母材の底面形状を第1図(a)に示し
たように凸状に保つのが有利とされており、これを焼
結,ガラス化して得た光ファイバ母材の堆積層の形状が
第1図(b)に示したようになり、その屈折率分布が第
1図(c)に示したようになることも知られている。
[発明が解決しようとする課題] しかし、高NA光ファイバとして有用な比屈折率差Δn
が2.5%以上のGI型屈折率分布を有する光ファイバ母材
をこのVAD法で製造すると多孔質ガラス母材製造の際
に、底面に穴があいたり、変形を起し、したがってこれ
を加熱し、透明ガラス化した光ファイバ母材は屈折率分
布に歪みが生じるなどの問題が生じている。
これはVAD法ではシリカ微粒子が四塩化ケイ素(SiC
l4)の酸水素火炎加水分解で作られるのであるが、この
SiCl4にはドーパントとなるGeO2を発生させる四塩化ゲ
ルマニウム(GeCl4)が混合されており、このGeCl4の加
水分解速度がSiCl4のそれより遅く、その堆積層の組成
が不均一となるためであり、これについてはバーナーと
母材底面との距離を大きくするか、酸水素火炎を発生さ
せる酸水素の量を原料ガス量に対して増加させるという
方法も行なわれているが、この前者の方法では火炎の安
定性がわるくなるために多孔質ガラス母材の製造が不安
定となり、後者の場合には引上速度が低下するためにシ
リカ微粉末が安定に堆積せず、したがってこの問題は解
決されていない。
[課題を解決するための手段] 本発明はこのような不利を解決することのできるGI型
光ファイバ母材の製造方法に関するものであり、これは
VAD法で耐熱性出発材にガラス微粒子をその軸方向に堆
積し、成長させて多孔質ガラス母材を作り、ついでこれ
を加熱し、透明ガラス化して光ファイバ母材を製造する
方法において、該多孔質ガラス母材の堆積形状を底面形
状が下に凹になるようにして、比屈折率差が2.5%以上
であるグレーテッドインデックス型の屈折率分布を有す
る光ファイバを得ることを特徴とするグレーテッドイン
デックス型光ファイバ母材の製造方法に関するものであ
る。
すなわち、本発明者らは比屈折率差Δnが2.5%以上
のGI型光ファイバ母材を安定に製造する方法について種
々検討した結果、比屈折率差Δnを2.5%以上とするた
めには前記したドーパントとしてのGeCl4をより多く添
加する必要があるのであるが、このGeCl4はSiCl4にくら
べて加水分解速度が遅いためにガラス微粒子の堆積によ
って作られる多孔質ガラス母材の底面形状を下に凸とす
ることが難しくなるが、この多孔質ガラス母材の底面を
凹とすることは容易であり、このような多孔質ガラス母
材を焼結し、透明ガラス化して得られる光ファイバ母材
も屈折率分布が安定したものになるということを見出し
て本発明を完成させた。
以下にこれをさらに詳述する。
[作用] 本発明のGI型光ファイバ母材の製造方法は前記したよ
うにVAD法で作られる多孔質ガラス母材の底面形状を凹
とし、これを加熱し、透明化したものである。
本発明のGI型光ファイバ母材の製造方法における多孔
質ガラス母材はVAD法で作られるので、これは四塩化ケ
イ素(SiCl4)などのケイ素化合物を酸水素火炎で加水
分解してガラス微粒子を作り、これを炉内で回転してい
る棒状の耐熱性出発材、例えば石英棒上に堆積すること
によって作られるが、この多孔質ガラス母材は比屈折率
差Δnが2.5%以上のものとするので、この原料ガス材
としてのSiCl4にはドーパントとしての四塩化ゲルマニ
ウム(GeCl4)などが多量に混入される。
また、この多孔質ガラス母材の底面形状を下に凹にす
るためにはガラス微粒子が堆積中の多孔質ガラス母材と
酸水素火炎バーナーとの距離を調節するか、母材の中心
軸と火炎軸の偏心量を調節すればよいが、これはまた酸
水素火炎バーナーの火炎の温度分布をコントロールする
ようにしてもよい。
このようにして得られた底面形状が下に凹された多孔
質ガラス母材は例えば第2図(a)に示したような形状
のものとされ、これを焼結、ガラス化して得られる光フ
ァイバ母材の堆積層の形状は第2図(b)に示したよう
に中央部に盛り上がりのあるものとなるが、この屈折率
分布はΔn=3%で第2図(c)に示したように良好な
ものとなるし、この多孔質ガラス母材は底面形状が下に
凹となっているので酸水素火炎の加水分解で発生したガ
ラス微粒子の散逸が防止されてこの付着効率が向上する
と共に、ドーパントとしてのGeの固定率も上昇するとい
う効果が与えられる。
GI型光ファイバ母材の製造方法はこの多孔質ガラス母
材を焼結し、透明ガラス化するのであるが、この焼結、
透明化は常法にしたがって行えばよく、したがってこの
焼結、透明化は1,400〜1,450℃で行えばよい。なお、こ
のようにして得られた光ファイバ母材はこの多孔質ガラ
ス母材の屈折率分布が上記した第2図(c)に示したよ
うな良好なものであることから完全なGI型を示し、プロ
ファイルにへこみなどの不整部分を全く生じないものに
なるという有利性が与えられる。
[実施例] つぎに本発明の実施例、比較例をあげる。
実施例 反応容器中に石英ガラス製の出発材を回転引上げ装置
に懸吊しておき、酸水素火炎バーナーに酸素ガス0.2l/
分をキャリヤーガスとした四塩化けい素0.180l/分と酸
素ガス0.5l/分をキャリヤーガスとした四塩化ゲルマニ
ウム0.082l/分を搬送すると共に燃焼ガスとしての水素
ガス5.5l/分と酸素ガス10l/分を送入し、この酸水素炎
バーナーにより生成したガラス微粒子を出発材に堆積さ
せ、これを軸方向に引上げて多孔質ガラス母材を作った
が、この際多孔質母材底面の温度分布が中央で高く、か
つ広範囲にわたるようにコントロールしたところ、得ら
れた多孔質ガラス母材の底面形状は第2図(a)に示し
たように下方に凹のものとなった。
しかし、比較のために上記における多孔質母材底面の
温度分布コントロールを行わずに多孔質ガラス母材を作
ったところ、このものはその底面形状が第3図(a)に
示したように下に凸のものとなり、これはその底面に穴
が生じていた。
ついで、このようにして得たこれらの多孔質ガラス母
材を1,400℃で焼結し透明ガラス化して光ファイバ母材
を作り、この堆積層の形状と屈折率分布をしらべたとこ
ろ、この堆積層の形状は実施例のものも比較例のものも
中央部に若干の盛り上がり部をもつものとなったが、こ
の屈折率分布は実施例のものが比屈折率差Δnが3%で
第2図(c)に示したように良好な分布を示したが、比
較例のものは比屈折率差Δnは3%であったがその中心
部に不整をもつものであった。
なお、この多孔質ガラス母材製造時におけるSiCl4,G
eCl4の収率をしらべたところ、これは第1表に示したと
おりの結果が得られ、実施例の場合には比較例にくらべ
て高い収率となることが確認された。
[発明の効果] 本発明はGI型光ファイバ母材の製造方法に関するもの
で、これは前記したように、VAD法で底面形状が下方に
凹となった多孔質ガラス母材を作り、これを焼結、ガラ
ス化して底面形状が下方に凹となった比屈折率差が2.5
%以上でグレーテッドインデックス型の屈折率分布を有
する光ファイバ母材を得るというものであり、この多孔
質ガラス母材はその底面形状が下に凹となっているの
で、この多孔質ガラス母材形成時にガラス微粒子の散逸
が防止されるので付着収率がよくなり、ドーパントとし
てのGeの固定率も上昇するほか、これには底面に穴があ
いたり、変形も生じ易いという不利がなくなり、これを
焼結、ガラス化して得られる光ファイバ母材は比屈折率
差が2.5%以上のものも屈折率分布に歪みが生ずること
はないので、GI型の高NA用光ファイバ母材が容易に得ら
れるという有利性が与えられる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)は従来公知の多孔質ガラス母材底面部の縦
断面図、第1図(b)はこの多孔質ガラス母材から作ら
れた光ファイバ母材の堆積層の縦断面図、第1図(c)
はその屈折率分布を示したものであり、第2図(a)は
本発明の方法で得られた多孔質ガラス母材底面部の縦断
面図、第2図(b)はこの多孔質ガラス母材から作られ
た光ファイバ母材の堆積層の縦断面図、第2図(c)は
その屈折率分布を示したもの、また第3図(a)は比較
例の方法で作られた多孔質ガラス母材底面部の縦断面
図、第3図(b)はこの多孔質ガラス母材から作られた
光ファイバ母材の堆積層の縦断面図、第3図(c)はそ
の屈折率分布を示したものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】VAD法で耐熱性出発材にガラス微粒子をそ
    の軸方向に堆積し、成長させて多孔質ガラス母材を作
    り、ついでこれを加熱し、透明ガラス化して光ファイバ
    母材を製造する方法において、該多孔質ガラス母材の堆
    積の形状を底面形状が下に凹になるようにし、比屈折率
    差が2.5%以上でグレーテッドインデックス型の屈折率
    分布を有する光ファイバ母材を得ることを特徴とするグ
    レーテッドインデックス型光ファイバ母材の製造方法。
JP1219948A 1989-08-25 1989-08-25 グレーテッドインデックス型光ファイバ母材の製造方法 Expired - Lifetime JPH0832571B2 (ja)

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