JPH08325666A - Nb−Al系焼結体およびその製造方法 - Google Patents
Nb−Al系焼結体およびその製造方法Info
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- JPH08325666A JPH08325666A JP7132325A JP13232595A JPH08325666A JP H08325666 A JPH08325666 A JP H08325666A JP 7132325 A JP7132325 A JP 7132325A JP 13232595 A JP13232595 A JP 13232595A JP H08325666 A JPH08325666 A JP H08325666A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高温での結晶粒粗大化が防止されることによ
り、高温での強度をより一層向上させることができるN
b−Al系焼結体を提供する。 【構成】 Alを10〜25原子%含むNb−Al系粉
末を75〜99重量%と、Y2O3,ZrO2,Al2
O3,希土類酸化物,TiC,ZrC,NbC,Ti
N,ZrB2のうちから選ばれる1種または2種以上の
セラミックス系粉末を1〜25重量%とを混合した粉末
を焼成することによって、Alを10〜25原子%含む
Nb−Al系マトリックス間にY2O3,ZrO2,A
l2O3,希土類酸化物,TiC,ZrC,NbC,T
iN,ZrB2のうちから選ばれる1種または2種以上
のセラミックスが1〜25重量%分散している組成を有
する高温強度に優れたNb−Al系焼結体を得る。
り、高温での強度をより一層向上させることができるN
b−Al系焼結体を提供する。 【構成】 Alを10〜25原子%含むNb−Al系粉
末を75〜99重量%と、Y2O3,ZrO2,Al2
O3,希土類酸化物,TiC,ZrC,NbC,Ti
N,ZrB2のうちから選ばれる1種または2種以上の
セラミックス系粉末を1〜25重量%とを混合した粉末
を焼成することによって、Alを10〜25原子%含む
Nb−Al系マトリックス間にY2O3,ZrO2,A
l2O3,希土類酸化物,TiC,ZrC,NbC,T
iN,ZrB2のうちから選ばれる1種または2種以上
のセラミックスが1〜25重量%分散している組成を有
する高温強度に優れたNb−Al系焼結体を得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超高温構造用材料とし
て宇宙航空機器,化学装置,タービン機関等々の高温強
度に優れていることが要求される用途に適したNb−A
l系焼結体およびその製造方法に関するものである。
て宇宙航空機器,化学装置,タービン機関等々の高温強
度に優れていることが要求される用途に適したNb−A
l系焼結体およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、超高温構造用材料として、融点の
高い金属間化合物が取り上げられており、最近注目され
ている金属間化合物のなかで、Nb−Al系金属間化合
物、とくにNb3Al金属間化合物は融点が約1960
℃と高く、高温強度に優れ、比重も比較的小さいため、
この特性を活かした用途、例えば航空機用エンジン部材
としての利用が期待されている。
高い金属間化合物が取り上げられており、最近注目され
ている金属間化合物のなかで、Nb−Al系金属間化合
物、とくにNb3Al金属間化合物は融点が約1960
℃と高く、高温強度に優れ、比重も比較的小さいため、
この特性を活かした用途、例えば航空機用エンジン部材
としての利用が期待されている。
【0003】ところが、このようなNb3Al金属間化
合物は、A15型の結晶構造を有するものであって、脆
く、難加工材料であることから、加工性は極めて悪く、
通常の鋳造−熱間加工により製品を作ることができない
ので、精密鋳造や粉末冶金等の手法によって最終形状ま
たはそれに近い形状に作ることが考えられる。
合物は、A15型の結晶構造を有するものであって、脆
く、難加工材料であることから、加工性は極めて悪く、
通常の鋳造−熱間加工により製品を作ることができない
ので、精密鋳造や粉末冶金等の手法によって最終形状ま
たはそれに近い形状に作ることが考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このN
b3Al金属間化合物は、例えば、1700〜1800
℃といった超高温下では結晶粒の粗大化が進み、期待し
ていた強度を得ることができないという問題点があり、
高温での強度をより一層向上させたNb−Al系焼結体
の開発が望まれているという課題があった。
b3Al金属間化合物は、例えば、1700〜1800
℃といった超高温下では結晶粒の粗大化が進み、期待し
ていた強度を得ることができないという問題点があり、
高温での強度をより一層向上させたNb−Al系焼結体
の開発が望まれているという課題があった。
【0005】
【発明の目的】本発明は、このような従来の課題にかん
がみてなされたものであって、高温での強度をより一層
向上させたNb−Al系焼結体を提供することを目的と
している。
がみてなされたものであって、高温での強度をより一層
向上させたNb−Al系焼結体を提供することを目的と
している。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係わるNb−A
l系焼結体は、請求項1に記載しているように、Alを
10〜25原子%含むNb−Al系マトリックス間にY
2O3,ZrO2,Al2O3,希土類酸化物,Ti
C,ZrC,NbC,TiN,ZrB2のうちから選ば
れる1種または2種以上のセラミックスが1〜25重量
%分散している組成を有していることを特徴としてい
る。
l系焼結体は、請求項1に記載しているように、Alを
10〜25原子%含むNb−Al系マトリックス間にY
2O3,ZrO2,Al2O3,希土類酸化物,Ti
C,ZrC,NbC,TiN,ZrB2のうちから選ば
れる1種または2種以上のセラミックスが1〜25重量
%分散している組成を有していることを特徴としてい
る。
【0007】そして、本発明に係わるNb−Al系焼結
体の実施態様においては、請求項2に記載しているよう
に、Nb−Al系マトリックスは、Alを20〜25原
子%含むものとすることができる。
体の実施態様においては、請求項2に記載しているよう
に、Nb−Al系マトリックスは、Alを20〜25原
子%含むものとすることができる。
【0008】また、本発明に係わるNb−Al系焼結体
の製造方法は、請求項3に記載しているように、Alを
10〜25原子%含むNb−A■系粉末を75〜99重
量%と、Y2O3,ZrO2,Al2O3,希土類酸化
物,TiC,ZrC,NbC,TiN,ZrB2のうち
から選ばれる1種または2種以上のセラミックス系粉末
を1〜25重量%とを混合した粉末を焼成するようにし
たことを特徴としている。
の製造方法は、請求項3に記載しているように、Alを
10〜25原子%含むNb−A■系粉末を75〜99重
量%と、Y2O3,ZrO2,Al2O3,希土類酸化
物,TiC,ZrC,NbC,TiN,ZrB2のうち
から選ばれる1種または2種以上のセラミックス系粉末
を1〜25重量%とを混合した粉末を焼成するようにし
たことを特徴としている。
【0009】そして、本発明に係わるNb−Al系焼結
体の製造方法の実施態様においては、請求項4に記載し
ているように、Nb−Al系粉末はAlを20〜25原
子%含むものとすることができ、また、請求項5に記載
しているように、Nb−Al系粉末とセラミックス系粉
末との混合をボールミルおよびアトライターの少なくと
も一方を用いて適宜時間行うようにすることができる。
体の製造方法の実施態様においては、請求項4に記載し
ているように、Nb−Al系粉末はAlを20〜25原
子%含むものとすることができ、また、請求項5に記載
しているように、Nb−Al系粉末とセラミックス系粉
末との混合をボールミルおよびアトライターの少なくと
も一方を用いて適宜時間行うようにすることができる。
【0010】
【発明の作用】本発明に係わるNb−Al系焼結体は、
請求項1に記載しているように、Alを10〜25原子
%含むNb−Al系マトリックス間にY2O3,ZrO
2,Al2O3,希土類酸化物,TiC,ZrC,Nb
C,TiN,ZrB2のうちから選ばれる1種または2
種以上のセラミックスが1〜25重量%分散している組
成を有するものとしているので、Nb中にAlを10〜
25原子%含むものとしていることによってNb−Al
系マトリックスの高温強度が大きいものとなり、また、
Y2O3,ZrO2,Al2O3,希土類酸化物,Ti
C,ZrC,NbC,TiN,ZrB2はNb−Al系
マトリックスとの反応が小さいため、超高温条件下にお
いてもNb−Al系マトリックス間にそのまま存在し、
Nb−Al系マトリックスの結晶粗大化を防ぐ障害壁の
ような役割をするため、超高温下での強度低下を防止し
て高温強度がより一層向上したものとなる。
請求項1に記載しているように、Alを10〜25原子
%含むNb−Al系マトリックス間にY2O3,ZrO
2,Al2O3,希土類酸化物,TiC,ZrC,Nb
C,TiN,ZrB2のうちから選ばれる1種または2
種以上のセラミックスが1〜25重量%分散している組
成を有するものとしているので、Nb中にAlを10〜
25原子%含むものとしていることによってNb−Al
系マトリックスの高温強度が大きいものとなり、また、
Y2O3,ZrO2,Al2O3,希土類酸化物,Ti
C,ZrC,NbC,TiN,ZrB2はNb−Al系
マトリックスとの反応が小さいため、超高温条件下にお
いてもNb−Al系マトリックス間にそのまま存在し、
Nb−Al系マトリックスの結晶粗大化を防ぐ障害壁の
ような役割をするため、超高温下での強度低下を防止し
て高温強度がより一層向上したものとなる。
【0011】ここで、Nb−Al系マトリックス間にお
けるセラミックスの分散量が少なすぎると、Nb−Al
系マトリックス間におけるセラミックスの存在比が小さ
すぎることとなって、超高温下において結晶粒の粗大化
を防ぐ障害壁としての役割を果たすことが困難となるの
で、1重量%以上とする必要があり、逆に、セラミック
スの分散量が多くなりすぎるとNb−Al系マトリック
スの高温での延性が失われ、金属間化合物としての特徴
が活かせなくなるので、25重量%以下とする必要があ
る。そして、これらのセラミックスのうち、炭化物,硼
化物,窒化物を配合した場合には、Nb−Al系マトリ
ックスとの若干の反応がみられるものもあるが、酸化物
の場合に反応はほとんどみられないので、セラミックス
のうち酸化物が最も好ましいといえる。
けるセラミックスの分散量が少なすぎると、Nb−Al
系マトリックス間におけるセラミックスの存在比が小さ
すぎることとなって、超高温下において結晶粒の粗大化
を防ぐ障害壁としての役割を果たすことが困難となるの
で、1重量%以上とする必要があり、逆に、セラミック
スの分散量が多くなりすぎるとNb−Al系マトリック
スの高温での延性が失われ、金属間化合物としての特徴
が活かせなくなるので、25重量%以下とする必要があ
る。そして、これらのセラミックスのうち、炭化物,硼
化物,窒化物を配合した場合には、Nb−Al系マトリ
ックスとの若干の反応がみられるものもあるが、酸化物
の場合に反応はほとんどみられないので、セラミックス
のうち酸化物が最も好ましいといえる。
【0012】また、高温強度に関してはセラミックスを
配合することによって複合化による強度の向上をも期待
することができる。
配合することによって複合化による強度の向上をも期待
することができる。
【0013】そして、本発明でいうNb−Al系マトリ
ックスは、単にNb−Al2元金属間化合物のみを意味
するものではなく、Nb−Alに他の元素を適宜含有さ
せている三元系ないしはそれ以上の合金(例えば、M
o,W,Ta等の元素を含有させた合金)も含まれるも
のである。
ックスは、単にNb−Al2元金属間化合物のみを意味
するものではなく、Nb−Alに他の元素を適宜含有さ
せている三元系ないしはそれ以上の合金(例えば、M
o,W,Ta等の元素を含有させた合金)も含まれるも
のである。
【0014】そして、請求項2に記載しているように、
Nb−Al系マトリックスは、Alを20〜25原子%
含むものとすることによって、高温強度はより確実に向
上したものが得られることとなる。
Nb−Al系マトリックスは、Alを20〜25原子%
含むものとすることによって、高温強度はより確実に向
上したものが得られることとなる。
【0015】また、本発明に係わるNb−Al系焼結体
の製造方法は、請求項3に記載しているように、Alを
10〜25原子%含むNb−Al系粉末を75〜99重
量%と、Y2O3,ZrO2,Al2O3,希土類酸化
物,TiC,ZrC,NbC,TiN,ZrB2のうち
から選ばれる1種または2種以上のセラミックス系粉末
を1〜25重量%とを混合した粉末を焼成するようにし
たから、請求項1に記載の高温強度に優れたNb−Al
系焼結体が製造されることとなる。
の製造方法は、請求項3に記載しているように、Alを
10〜25原子%含むNb−Al系粉末を75〜99重
量%と、Y2O3,ZrO2,Al2O3,希土類酸化
物,TiC,ZrC,NbC,TiN,ZrB2のうち
から選ばれる1種または2種以上のセラミックス系粉末
を1〜25重量%とを混合した粉末を焼成するようにし
たから、請求項1に記載の高温強度に優れたNb−Al
系焼結体が製造されることとなる。
【0016】そして、請求項4に記載しているように、
Nb−Al系粉末はAlを20〜25原子%含むものと
することによって、高温強度はより確実に向上したもの
が製造されることとなる。
Nb−Al系粉末はAlを20〜25原子%含むものと
することによって、高温強度はより確実に向上したもの
が製造されることとなる。
【0017】また、請求項5に記載しているように、N
b−Al系粉末とセラミックス系粉末との混合をボール
ミルおよびアトライターの少なくとも一方を用いて長時
間行うようになすことによって、セラミックス系粉末は
Nb−Al系粉末の間に取り込まれるようにしてより微
細に分散し、結晶粒の粗大化がより微細な時点で防止さ
れることとなって、超高温下においても期待した強度が
得やすいものとなる。
b−Al系粉末とセラミックス系粉末との混合をボール
ミルおよびアトライターの少なくとも一方を用いて長時
間行うようになすことによって、セラミックス系粉末は
Nb−Al系粉末の間に取り込まれるようにしてより微
細に分散し、結晶粒の粗大化がより微細な時点で防止さ
れることとなって、超高温下においても期待した強度が
得やすいものとなる。
【0018】
【実施例】実施例1 平均粒径が110μmであるNb−22.8原子%Al
のNb−Al系粉末に、粒径が1〜5μmのZrO2セ
ラミックス系粉末を10重量%配合し、ボールミル処理
を100時間行って混合粉末を得た。
のNb−Al系粉末に、粒径が1〜5μmのZrO2セ
ラミックス系粉末を10重量%配合し、ボールミル処理
を100時間行って混合粉末を得た。
【0019】続いて、この混合粉末をTi製のHIP
(熱間等方圧圧縮)用缶体に収容して、温度:1300
℃,圧力:2000kgf/cm2,時間:2hrの条
件でHIP処理し、Nb−Al系マトリックス間にZr
O2セラミックスが分散したNb−Al系焼結体を得
た。
(熱間等方圧圧縮)用缶体に収容して、温度:1300
℃,圧力:2000kgf/cm2,時間:2hrの条
件でHIP処理し、Nb−Al系マトリックス間にZr
O2セラミックスが分散したNb−Al系焼結体を得
た。
【0020】次いで、この焼結体から一辺が10mmの
直方体を切り出し、温度:1800℃,時間:1hrの
条件で加熱を行った。
直方体を切り出し、温度:1800℃,時間:1hrの
条件で加熱を行った。
【0021】そして、この加熱後におけるNb−Al系
焼結体の組織観察を行った結果、図1の模写図に示すよ
うに、黒色で表わされるZrO2セラミックスとほぼ白
色で表わされるNb−Al系合金との反応はほとんど認
められず、また、1800℃での加熱によっても巨大な
結晶粒の形成が認められず、Nb−Al系マトリックス
間にZrO2セラミックスが分散したNb−Al系焼結
体が得られていることが認められた。
焼結体の組織観察を行った結果、図1の模写図に示すよ
うに、黒色で表わされるZrO2セラミックスとほぼ白
色で表わされるNb−Al系合金との反応はほとんど認
められず、また、1800℃での加熱によっても巨大な
結晶粒の形成が認められず、Nb−Al系マトリックス
間にZrO2セラミックスが分散したNb−Al系焼結
体が得られていることが認められた。
【0022】実施例2 平均粒径が110μmであるNb−22.8原子%Al
のNb−Al系粉末に、粒径が1〜5μmのZrO2,
Y2O3,TiC,ZrC,TiN,ZrB2セラミッ
クス粉末をそれぞれ個別に10重量%配合し、それぞれ
にボールミル処理を100時間行って6種類の混合粉末
を得た。
のNb−Al系粉末に、粒径が1〜5μmのZrO2,
Y2O3,TiC,ZrC,TiN,ZrB2セラミッ
クス粉末をそれぞれ個別に10重量%配合し、それぞれ
にボールミル処理を100時間行って6種類の混合粉末
を得た。
【0023】続いて、各混合粉末をTi製のHIP用缶
体に収容して、温度:1550℃,圧力:2000kg
f/cm2,時間:2hrの条件でHIP処理し、Nb
−Al系マトリックス間に上記したそれぞれのセラミッ
クスが分散したNb−Al系焼結体を得た。
体に収容して、温度:1550℃,圧力:2000kg
f/cm2,時間:2hrの条件でHIP処理し、Nb
−Al系マトリックス間に上記したそれぞれのセラミッ
クスが分散したNb−Al系焼結体を得た。
【0024】そして、各Nb−Al系焼結体に対して1
600℃,1700℃で引張強度試験を行ったところ、
表1に示す結果が得られた。
600℃,1700℃で引張強度試験を行ったところ、
表1に示す結果が得られた。
【0025】また、比較例として、セラミックスを含ま
ないNb−22.8原子%AlよりなるNb−Al系焼
結体を上記と同様に作製して引張強度試験に供した。こ
の結果も表1に併せて示す。
ないNb−22.8原子%AlよりなるNb−Al系焼
結体を上記と同様に作製して引張強度試験に供した。こ
の結果も表1に併せて示す。
【0026】
【表1】
【0027】表1に示した結果より明らかなように、セ
ラミックスを配合した本発明実施例の各Nb−Al系焼
結体は、セラミックスを配合しない比較例のNb−Al
系焼結体に比べて、1600℃および1700℃のいず
れにおいても、より大きな高温引張強度を有しているこ
とが認められた。
ラミックスを配合した本発明実施例の各Nb−Al系焼
結体は、セラミックスを配合しない比較例のNb−Al
系焼結体に比べて、1600℃および1700℃のいず
れにおいても、より大きな高温引張強度を有しているこ
とが認められた。
【0028】実施例3 平均粒径が110μmであるNb−22.8原子%Al
のNb−Al系粉末に、粒径が1〜5μmのY2O3セ
ラミックス粉末を30重量%までの範囲で配合量を異な
らせてそれぞれ個別に配合し、それぞれボールミル処理
を100時間行って混合粉末を得た。
のNb−Al系粉末に、粒径が1〜5μmのY2O3セ
ラミックス粉末を30重量%までの範囲で配合量を異な
らせてそれぞれ個別に配合し、それぞれボールミル処理
を100時間行って混合粉末を得た。
【0029】続いて、各混合粉末をTi製のHIP処理
用缶体に収容して、温度:1550℃,圧力:2000
kgf/cm2,時間:2時間の条件でHIP処理し、
Nb−Al系マトリックス間にY2O3セラミックスが
分散したNb−Al系焼結体を得た。
用缶体に収容して、温度:1550℃,圧力:2000
kgf/cm2,時間:2時間の条件でHIP処理し、
Nb−Al系マトリックス間にY2O3セラミックスが
分散したNb−Al系焼結体を得た。
【0030】そして、各焼結体に対して1600℃で引
張試験を行い、それぞれの場合の伸びを調べたところ、
表2に示す結果が得られた。
張試験を行い、それぞれの場合の伸びを調べたところ、
表2に示す結果が得られた。
【0031】
【表2】
【0032】表2に示す結果より明らかなように、Y2
O3を配合していない比較例の場合は、伸びの値は大き
いが、実施例2で明らかなように、高温強度はかなり低
いものとなる。そして、セラミックスの配合量が多くな
れば、引張強度は大きくなるのに対して表2に示すよう
に伸びは減少することとなり、セラミックスの配合量が
25重量%を超えると伸びはさらに小さくなり、高温で
の延性が損われることとなるので、25重量%以下とす
るのが良いことが認められた。
O3を配合していない比較例の場合は、伸びの値は大き
いが、実施例2で明らかなように、高温強度はかなり低
いものとなる。そして、セラミックスの配合量が多くな
れば、引張強度は大きくなるのに対して表2に示すよう
に伸びは減少することとなり、セラミックスの配合量が
25重量%を超えると伸びはさらに小さくなり、高温で
の延性が損われることとなるので、25重量%以下とす
るのが良いことが認められた。
【0033】
【発明の効果】本発明に係わるNb−Al系焼結体は、
請求項1に記載しているように、Alを10〜25原子
%含むNb−Al系マトリックス間にY2O3,ZrO
2,Al2O3,希土類酸化物,TiC,ZrC,Nb
C,TiN,ZrB2のうちから選ばれる1種または2
種以上のセラミックスが1〜25重量%分散している組
成を有するものとしているので、Nb中にAlを10〜
25原子%含むものとしていることによってNb−Al
系マトリックスの高温強度を大きなものとすることが可
能であり、また、Y2O3,ZrO2,Al2O3,希
土類酸化物,TiC,ZrC,NbC,TiN,ZrB
2はNb−Al系マトリックスとの反応が小さいため、
超高温条件下においてもNb−Al系マトリックス間に
そのまま存在し、Nb−Al系マトリックスの結晶粗大
化を防ぐ障害壁の役割を果たすことが可能となるため、
超高温下での強度低下を防止して高温強度をより一層向
上したものとすることが可能であるという著しく優れた
効果がもたらされる。
請求項1に記載しているように、Alを10〜25原子
%含むNb−Al系マトリックス間にY2O3,ZrO
2,Al2O3,希土類酸化物,TiC,ZrC,Nb
C,TiN,ZrB2のうちから選ばれる1種または2
種以上のセラミックスが1〜25重量%分散している組
成を有するものとしているので、Nb中にAlを10〜
25原子%含むものとしていることによってNb−Al
系マトリックスの高温強度を大きなものとすることが可
能であり、また、Y2O3,ZrO2,Al2O3,希
土類酸化物,TiC,ZrC,NbC,TiN,ZrB
2はNb−Al系マトリックスとの反応が小さいため、
超高温条件下においてもNb−Al系マトリックス間に
そのまま存在し、Nb−Al系マトリックスの結晶粗大
化を防ぐ障害壁の役割を果たすことが可能となるため、
超高温下での強度低下を防止して高温強度をより一層向
上したものとすることが可能であるという著しく優れた
効果がもたらされる。
【0034】そして、請求項2に記載しているように、
Nb−Al系マトリックスは、Alを20〜25原子%
含むものとすることによって、高温強度をより一層確実
に向上したものにすることが可能であるという著しく優
れた効果がもたらされる。
Nb−Al系マトリックスは、Alを20〜25原子%
含むものとすることによって、高温強度をより一層確実
に向上したものにすることが可能であるという著しく優
れた効果がもたらされる。
【0035】また、本発明に係わるNb−Al系焼結体
の製造方法は、請求項3に記載しているように、Alを
10〜25原子%含むNb−A■系粉末を75〜99重
量%と、Y2O3,ZrO2,Al2O3,希土類酸化
物,TiC,ZrC,NbC,TiN,ZrB2のうち
から選ばれる1種または2種以上のセラミックス系粉末
を1〜25重量%とを混合した粉末を焼成するようにし
たから、請求項1に記載の高温強度に優れたNb−Al
系焼結体を製造することが可能であるという顕著な効果
がもたらされる。
の製造方法は、請求項3に記載しているように、Alを
10〜25原子%含むNb−A■系粉末を75〜99重
量%と、Y2O3,ZrO2,Al2O3,希土類酸化
物,TiC,ZrC,NbC,TiN,ZrB2のうち
から選ばれる1種または2種以上のセラミックス系粉末
を1〜25重量%とを混合した粉末を焼成するようにし
たから、請求項1に記載の高温強度に優れたNb−Al
系焼結体を製造することが可能であるという顕著な効果
がもたらされる。
【0036】そして、請求項4に記載しているように、
Nb−Al系粉末はAlを20〜25原子%含むものと
することによって、高温強度がより確実に向上したもの
を製造することが可能であるという著しく優れた効果が
もたらされ、請求項5に記載しているように、Nb−A
l系粉末とセラミックス系粉末との混合をボールミルお
よびアトライターの少なくとも一方を用いて長時間行う
ようになすことによって、セラミックス系粉末をNb−
Al系粉末の間に均一に取り込むようにしてより微細に
分散させ、結晶粒の粗大化をより微細な時点で防止する
ことが可能となって、超高温下においても期待した強度
を得ることができるようになるという著しく優れた効果
がもたらされる。
Nb−Al系粉末はAlを20〜25原子%含むものと
することによって、高温強度がより確実に向上したもの
を製造することが可能であるという著しく優れた効果が
もたらされ、請求項5に記載しているように、Nb−A
l系粉末とセラミックス系粉末との混合をボールミルお
よびアトライターの少なくとも一方を用いて長時間行う
ようになすことによって、セラミックス系粉末をNb−
Al系粉末の間に均一に取り込むようにしてより微細に
分散させ、結晶粒の粗大化をより微細な時点で防止する
ことが可能となって、超高温下においても期待した強度
を得ることができるようになるという著しく優れた効果
がもたらされる。
【図1】本発明に係わるNb−Al系焼結体(Nb3A
l−10重量%ZrO2)の金属顕微鏡組織を示す模写
図である。
l−10重量%ZrO2)の金属顕微鏡組織を示す模写
図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 Alを10〜25原子%含むNb−Al
系マトリックス間にY2O3,ZrO2,Al2O3,
希土類酸化物,TiC,ZrC,NbC,TiN,Zr
B2のうちから選ばれる1種または2種以上のセラミッ
クスが1〜25重量%分散していることを特徴とするN
b−Al系焼結体。 - 【請求項2】 Nb−Al系マトリックスは、Alを2
0〜25原子%含む請求項1に記載のNb−Al系焼結
体。 - 【請求項3】 Alを10〜25原子%含むNb−Al
系粉末を75〜99重量%と、Y2O3,ZrO2,A
l2O3,希土類酸化物,TiC,ZrC,NbC,T
iN,ZrB2のうちから選ばれる1種または2種以上
のセラミックス系粉末を1〜25重量%とを混合した粉
末を焼成することを特徴とするNb−Al系焼結体の製
造方法 - 【請求項4】 Nb−Al系粉末はAlを20〜25原
子%含む請求項3に記載のNb−Al系焼結体の製造方
法。 - 【請求項5】 Nb−Al系粉末とセラミックス系粉末
との混合をボールミルおよびアトライターの少なくとも
一方を用いて行う請求項3または4に記載のNb−Al
系焼結体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7132325A JPH08325666A (ja) | 1995-05-30 | 1995-05-30 | Nb−Al系焼結体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7132325A JPH08325666A (ja) | 1995-05-30 | 1995-05-30 | Nb−Al系焼結体およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08325666A true JPH08325666A (ja) | 1996-12-10 |
Family
ID=15078686
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7132325A Pending JPH08325666A (ja) | 1995-05-30 | 1995-05-30 | Nb−Al系焼結体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08325666A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO2021088608A1 (zh) * | 2019-11-05 | 2021-05-14 | 青岛理工大学 | 一种制备细晶纯铌锭的熔炼方法 |
CN113652585A (zh) * | 2021-07-21 | 2021-11-16 | 长安大学 | TiC增强低密度铌合金及其组织可控的激光立体成形方法 |
-
1995
- 1995-05-30 JP JP7132325A patent/JPH08325666A/ja active Pending
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