JPH08323938A - ポリプロピレン系積層フィルム - Google Patents

ポリプロピレン系積層フィルム

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JPH08323938A
JPH08323938A JP13781295A JP13781295A JPH08323938A JP H08323938 A JPH08323938 A JP H08323938A JP 13781295 A JP13781295 A JP 13781295A JP 13781295 A JP13781295 A JP 13781295A JP H08323938 A JPH08323938 A JP H08323938A
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JP
Japan
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polypropylene
magnesium
film
compound
ethyl
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Pending
Application number
JP13781295A
Other languages
English (en)
Inventor
Itaru Kuramoto
格 倉本
Yoshikatsu Tanaka
義勝 田中
Yasusuke Arai
庸介 新井
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Idemitsu Petrochemical Co Ltd filed Critical Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Priority to JP13781295A priority Critical patent/JPH08323938A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 柔軟性を有し、かつラミネート強度が高く、
耐熱性も良好で、重量物や水物の包装にも適用でき、食
品,繊維製品,雑貨などの包装用として好適なポリプロ
ピレン系積層フィルムを提供すること。 【構成】 13C−NMRにより求められるペンタッド分
率(fmmmm)が55〜85モル%であるポリプロピレン
系樹脂を基材とする二軸延伸フィルム層と、(B)上記
(A)層以外の材料からなる層とを積層した少なくとも
二層からなるポリプロピレン系積層フィルムである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリプロピレン系積層
フィルムに関し、さらに詳しくは、柔軟性を有し、かつ
ラミネート強度が高く、耐熱性も良好で、重量物や水物
の包装にも適用でき、食品,繊維製品,雑貨などの包装
用として好適なポリプロピレン系積層フィルムに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、二軸延伸ポリプロピレン系フィル
ムを用いた積層フィルムは、透明性,光沢性に優れ、し
かも剛性が高いことから、例えば食品,繊維製品,雑貨
などの軽包装に多量使用されている。しかしながら、こ
の積層フィルムはラミネート強度に劣ることから、重量
物や水物などの包装には適していない。また、近年のユ
ーザーニーズの変化から、包装品に柔軟性が望まれるよ
うになり、したがって、柔軟性を有し、かつラミネート
強度が高いポリプロピレン系積層フィルムが要望される
ようになってきた。
【0003】ポリプロピレン系フィルムを軟質化する方
法としては、これまで、プロピレンとエチレンとの共重
合,プロピレンとブテンとの共重合,プロピレンとエチ
レンとブテンとの三元共重合などの方法が知られている
(特公平4−68033号公報)。しかしながら、これ
らの方法では、融点が低下するため、二軸延伸ポリプロ
ピレン系フィルムの特徴である耐熱性が著しく損なわ
れ、このものを用いた積層フィルムにおいて、耐熱性が
低下するのを免れないという問題が生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、柔軟性を有し、かつラミネート強度が高く、
耐熱性も良好で、重量物や水物の包装にも適用でき、食
品,繊維製品,雑貨などの包装用として好適なポリプロ
ピレン系積層フィルムを提供することを目的とするもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、柔軟性を
有し、かつラミネート強度が高く、耐熱性も良好なポリ
プロピレン系積層フィルムを開発すべく鋭意研究を重ね
た結果、ペンタッド分率が特定の範囲にあるポリプロピ
レン系樹脂を基材とする二軸延伸フィルム層と、これ以
外の材料からなる層とを積層した少なくとも二層からな
る積層フィルムが、その目的に適合しうることを見出し
た。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものであ
る。
【0006】すなわち、本発明は、(A)同位体炭素に
よる核磁気共鳴分光(13C−NMR)により求められる
ペンタッド分率(fmmmm)が55〜85モル%であるポ
リプロピレン系樹脂を基材とする二軸延伸フィルム層
と、(B)上記(A)層以外の材料からなる層とを積層
した少なくとも二層からなるポリプロピレン系積層フィ
ルムを提供するものである。
【0007】本発明のポリプロピレン系積層フィルムに
おいて、(A)層の二軸延伸フィルム層の基材として用
いられるポリプロピレン系樹脂は、同位体炭素による核
磁気共鳴分光(13C−NMR)により求められるペンタ
ッド分率(fmmmm)が55〜85モル%の範囲にある。
このペンタッド分率が55モル%未満では得られる延伸
フィルムの透明性が悪く、85モル%を超えると柔軟性
を有する延伸フィルムが得られにくい。延伸フィルムの
透明性及び柔軟性の面から、好ましいペンタッド分率
(fmmmm)は58〜85モル%の範囲である。ここで、
ペンタッド分率(fmmmm)(詳しくはアイソタクチックペ
ンタッド分率)とは、任意の連続する5つのプロピレン
単位で構成される炭素−炭素結合による主鎖に対して、
側鎖である5つのメチル基がいずれも同方向に位置する
立体構造を有するものの割合を示す。なお、このペンタ
ッド分率は、「マクロモレキュルズ(Macromol
ecules)」第8巻、第687ページ(1975
年)に記載の方法に従い、13C−NMR〔日本電子
(株)製JNM EX−400〕により、400MHz
で測定した値である。
【0008】また、このポリプロピレン系樹脂は、メル
トインデックス(MI)が0.5〜5g/10分の範囲に
あるものが好適である。このMIが0.5g/10分未満
では、吐出量が著しく低下して生産性が悪く、5g/1
0分を超えると、延伸後のフィルムの厚みの均一性が低
下する。生産性及び延伸後のフィルムの厚みの均一性の
面から、MIのより好ましい範囲は0.8〜4.5g/10
分であり、特に好ましくは1〜4g/10分である。な
お、このMIは、JIS K−7210に準拠し、温度
230℃、荷重2.16kgの条件で測定した値である。
このポリプロピレン系樹脂は、上記の条件を満たすもの
であれば、プロピレンの単独重合体であってもよく、ま
たプロピレン以外の他のオレフィンとの共重合体であっ
てもよい。この共重合体に用いられる他のオレフィンと
しては、例えば、エチレン;ブテン−1;ペンテン−
1;4−メチル−1−ペンテン;ヘキセン−1;ヘプテ
ン−1;オクテン−1;ノネン−1;デセン−1などの
α−オレフィンを挙げることができるが、これらの中で
エチレンが好適である。これらの他のオレフィンは一種
用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0009】前記ポリプロピレン系樹脂の製造方法につ
いては、特に制限はなく、様々な方法を用いることがで
きる。例えば、(a)(イ)マグネシウム,チタン,ハ
ロゲン原子及び電子供与体からなる固体触媒成分、及び
必要に応じて用いられる(ロ)結晶性ポリオレフィンか
ら構成される固体成分と、(b)有機アルミニウム化合
物と、必要により用いられる(c)電子供与性化合物と
からなる触媒系の存在下、プロピレンを単独重合又は共
重合させることにより、製造することができる。
【0010】前記(a)固体成分は、(イ)成分のマグ
ネシウム,チタン,ハロゲン原子及び電子供与体からな
る固体触媒成分と、必要に応じて用いられる(ロ)成分
の結晶性ポリオレフィンとから構成されている。該
(イ)成分の固体触媒成分は、マグネシウム,チタン,
ハロゲン原子及び電子供与体を必須成分とするものであ
って、マグネシウム化合物とチタン化合物と電子供与体
とを接触させることによって調製することができる。な
お、この場合、ハロゲン原子は、ハロゲン化物としてマ
グネシウム化合物及び/又はチタン化合物などに含まれ
る。
【0011】該マグネシウム化合物としては、例えば、
マグネシウムクロリドなどのマグネシウムジハライド、
酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、ハイドロタル
サイト、マグネシウムのカルボン酸塩、ジエトキシマグ
ネシウムなどのアルコキシマグネシウム、アリロキシマ
グネシウム、アルコキシマグネシウムハライド、アリロ
キシマグネシウムハライド、エチルブチルマグネシウム
などのアルキルマグネシウム、アルキルマグネシウムハ
ライド、あるいは有機マグネシウム化合物と電子供与
体、ハロシラン、アルコキシシラン、シラノール及びア
ルミニウム化合物等との反応物などを挙げることができ
るが、これらの中でマグネシウムハライド、アルコキシ
マグネシウム、アルキルマグネシウム、アルキルマグネ
シウムハライドが好適である。またこれらのマグネシウ
ム化合物は一種だけで用いてもよく、二種以上を組み合
わせて用いてもよい。
【0012】また、マグネシウム化合物として、金属マ
グネシウムとハロゲンとアルコールとの反応生成物を用
いることもできる。この際用いられる金属マグネシウム
は特に制限はなく、任意の粒径の金属マグネシウム、例
えば、顆粒状、リボン状、粉末状などのものを用いるこ
とができる。また、金属マグネシウムの表面状態も特に
制限はないが、表面に酸化マグネシウムなどの被膜が生
成されていないものが好ましい。さらに、アルコールと
しては任意のものを用いることができるが、炭素数1〜
6の低級アルコールを用いることが好ましく、特に、エ
タノールは触媒性能の発現を著しく向上させる固体触媒
成分を与えるので好適である。アルコールの純度及び含
水量も限られないが、含水量の多いアルコールを用いる
と金属マグネシウム表面に水酸化マグネシウムが形成さ
れるので、含水量が1重量%以下、特に2000ppm
以下のアルコールを用いることが好ましく、水分は少な
ければ少ないほど有利である。
【0013】ハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物の
種類に制限はなく、ハロゲン含有化合物としては、ハロ
ゲン原子をその分子中に含む化合物であればいずれのも
のでも使用できる。この場合、ハロゲン原子の種類につ
いては特に制限されないが、塩素,臭素又はヨウ素、特
にヨウ素が好適に使用される。ハロゲン含有化合物の中
ではハロゲン含有金属化合物が特に好ましい。これらの
状態,形状,粒度などは特に限定されず、任意のもので
よく、例えばアルコール系溶媒(例えば、エタノール)
中の溶液の形で用いることができる。アルコールの使用
量は、金属マグネシウム1モルに対して2〜100モ
ル、好ましくは5〜50モルの範囲で選ばれる。アルコ
ール量が多すぎると、モルフォロジーの良好なマグネシ
ウム化合物が得られにくい傾向がみられ、少ない場合
は、金属マグネシウムとの反応が円滑に行われなくなる
おそれがある。
【0014】ハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物
は、通常、金属マグネシウム1グラム原子に対して、ハ
ロゲン原子として0.0001グラム原子以上、好ましく
は0.0005グラム原子以上、さらに好ましくは0.00
1グラム原子以上の割合で用いられる。0.0001グラ
ム原子未満では、得られたマグネシウム化合物を粉砕す
ることなく用いた場合、担持量,活性,立体規則性,生
成ポリマーのモルフォロジーなどが低下し、粉砕処理が
不可欠なものとなり好ましくない。また、ハロゲン及び
/又はハロゲン含有化合物の使用量を適宜選択すること
により、得られるマグネシウム化合物の粒径を任意にコ
ントロールすることが可能である。
【0015】金属マグネシウムとアルコールとハロゲン
及び/又はハロゲン含有化合物との反応それ自体は、公
知の方法を用いて行うことができる。例えば、金属マグ
ネシウムとアルコールとハロゲン及び/又はハロゲン含
有化合物とを、還流下で、水素ガスの発生が認められな
くなるまで、通常約20〜30時間反応させて所望のマ
グネシウム化合物を得る方法である。具体的には、例え
ば、ハロゲンとしてヨウ素を用いる場合には、アルコー
ル中に金属マグネシウム及び固体状のヨウ素を投入した
のち、加熱し還流する方法、アルコール中に金属マグネ
シウム及びヨウ素のアルコール溶液を滴下投入後加熱し
還流する方法、金属マグネシウムを含むアルコール溶液
を加熱しつつヨウ素のアルコール溶液を滴下する方法な
どが挙げられる。いずれの方法も、例えば、窒素ガス,
アルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気下で、場合により
不活性有機溶媒(例えば、n−ヘキサンなどの飽和炭化
水素)を用いて行うことが好ましい。金属マグネシウ
ム、アルコール、ハロゲン及び/又はハロゲン含有化合
物の投入については、最初からそれぞれ全量を反応槽に
投入しておく必要はなく、分割して投入してもよい。特
に好ましい形態は、アルコールを最初から全量投入して
おき、金属マグネシウムを数回に分割して投入する方法
である。
【0016】このようにした場合、水素ガスの一時的な
大量発生を防ぐことができ、安全面から非常に望まし
い。また、反応槽も小型化することが可能となる。さら
には、水素ガスの一時的な大量発生により引き起こされ
るアルコールやハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物
の飛沫同伴を防ぐことも可能となる。分割する回数は、
反応槽の規模を勘案して決めればよく、操作の煩雑さを
考えると通常5〜10回が好適である。また、反応自体
は、バッチ式,連続式のいずれでもよいことは言うまで
もない。さらには、変法として、最初から全量投入した
アルコール中に金属マグネシウムを先ず少量投入し、反
応により生成した生成物を別の槽に分離して除去したの
ち、再び金属マグネシウムを少量投入するという操作を
繰り返すということも可能である。こうして得たマグネ
シウム化合物を、次の固体触媒成分の調製に用いる場
合、乾燥させたものを用いてもよく、またろ別後ヘプタ
ンなどの不活性溶媒で洗浄したものを用いてもよい。い
ずれの場合においても、得られたマグネシウム化合物
は、粉砕あるいは粒度分布をそろえるための分級操作を
することなく次工程に用いることができる。
【0017】また、該チタン化合物としては、例えば、
テトラメトキシチタン,テトラエトキシチタン,テトラ
−n−プロポキシチタン,テトライソプロポキシチタ
ン,テトラ−n−ブトキシチタン,テトライソブトキシ
チタン,テトラシクロヘキシロキシチタン,テトラフェ
ノキシチタンなどのテトラアルコキシチタン、四塩化チ
タン,四臭化チタン,四ヨウ化チタンなどのテトラハロ
ゲン化チタン、メトキシチタニウムトリクロリド,エト
キシチタニウムトリクロリド,プロポキシチタニウムト
リクロリド,n−ブトキシチタニウムトリクロリド,エ
トキシチタニウムトリブロミドなどのハロゲン化アルコ
キシチタン、ジメトキシチタニウムジクロリド,ジエト
キシチタニウムジクロリド,ジプロポキシチタニウムジ
クロリド,ジ−n−ブトキシチタニウムジクロリド,ジ
エトキシチタニウムジブロミドなどのジハロゲン化ジア
ルコキシチタン、トリメトキシチタニウムクロリド,ト
リエトキシチタニウムクロリド,トリプロポキシチタニ
ウムクロリド,トリ−n−ブトキシチタニウムクロリド
などのモノハロゲン化トリアルコキシチタンなどが挙げ
られるが、これらの中で高ハロゲン含有チタン化合物、
特に四塩化チタンが好適である。またこれらのチタン化
合物は一種だけで用いてもよく、二種以上を組み合わせ
て用いてもよい。
【0018】そして、電子供与体としては、後で(c)
成分の電子供与性化合物として例示するものを用いるこ
とができる。該(イ)固体触媒成分の調製は、公知の方
法(特開昭53−43094号公報,特開昭55−13
5102号公報,特開昭55−135103号公報,特
開昭56−18606号公報,特開昭56−16620
5号公報,特開昭57−63309号公報,特開昭57
−190004号公報,特開昭57−300407号公
報,特開昭58−47003号公報)で行うことができ
る。
【0019】このようにして調製された(イ)固体触媒
成分の組成は、通常、マグネシウム/チタン原子比が2
〜100、ハロゲン/チタン原子比が5〜100、電子
供与体/チタンモル比が0.1〜10の範囲にある。ま
た、(a)固体成分の調製において必要に応じて用いら
れる(ロ)成分の結晶性ポリオレフィンとしては、例え
ば、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリブテン,ポリ
4−メチル−1−ペンテンなどの炭素数2〜10のα−
オレフィンから得られる結晶性ポリオレフィンが挙げら
れる。この結晶性ポリオレフィンは、(1)前記(イ)
固体触媒成分と有機アルミニウム化合物と必要に応じて
用いられる電子供与性化合物とを組み合わせたものの存
在下に、プロピレンを予備重合させる方法(予備重合
法)、(2)粒径の揃った結晶性ポリエチレンやポリプ
ロピレンなどの結晶性パウダーに、前記(イ)固体触媒
成分と必要に応じて用いられる有機アルミニウム化合物
と電子供与性化合物(融点100℃以上)とを分散させ
る方法(分散法)、(3)上記(1)の方法と(2)の
方法とを組み合わせる方法などを用いることにより得る
ことができる。
【0020】上記(1)の予備重合法においては、アル
ミニウム/チタン原子比は通常0.1〜100、好ましく
は0.5〜5の範囲で選ばれ、また電子供与化合物/チタ
ンのモル比は0〜50、好ましくは0.1〜2の範囲で選
ばれる。 (a)固体成分における、(イ)固体触媒成分と(ロ)
結晶性ポリオレフィンとの割合については、(イ)成分
に対する(ロ)成分の重量比が通常、0.03〜200、
好ましくは0.10〜50の範囲になるように選定され
る。
【0021】次に、(b)成分として用いられる有機ア
ルミニウム化合物としては、一般式(I) AlR1 p 3-p ・・・(I) 〔式中、R1 は炭素数3〜20のアルキル基又は炭素数
6〜20のアリール基、Xはハロゲン原子、pは1〜3
の数を示す。〕で表される化合物を挙げることができ
る。例えば、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソ
ブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムなどの
トリアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノ
クロリド、ジイソプロピルアルミニウムモノクロリド、
ジイソブチルアルミニウムモノクロリド、ジオクチルア
ルミニウムモノクロリドなどのジアルキルアルミニウム
モノハライド、エチルアルミニウムセスキクロリドなど
のアルキルアルミニウムセスキハライドなどを好適に使
用することができる。これらのアルミニウム化合物は一
種だけで用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いて
もよい。
【0022】さらに、該触媒には、必要に応じ(c)成
分として電子供与性化合物が用いられる。この電子供与
性化合物は、酸素,窒素,リン,イオウ,ケイ素などを
含有する化合物であり、基本的にはプロピレンの重合に
おいて、規則性の向上性能を有するものが考えられる。
このような電子供与性化合物としては、例えば、有機ケ
イ素化合物,エステル類,チオエステル類,アミン類,
ケトン類,ニトリル類,ホスフィン類,エーテル類,チ
オエーテル類,酸無水物,酸ハライド類,酸アミド類,
アルデヒド類,有機酸類,アゾ化合物などを挙げること
ができる。
【0023】例えば、ジフェニルジメトキシシラン,ジ
フェニルジエトキシシラン,シクロヘキシルメチルジメ
トキシシラン,ジシクロベンチルジメトキシシラン,ジ
イソプロピルジメトキシシラン,t−ブチル−n−プロ
ピルジメトキシシラン,ジベンジルジメトキシシラン,
テトラメトキシシラン,テトラエトキシシラン,テトラ
フェノキシシラン,メチルトリメトキシシラン,メチル
トリエトキシシラン,メチルトリフェノキシシラン,フ
ェニルトリメトキシシラン,フェニルトリエトキシシラ
ン,ベンジルトリメトキシシランなどの有機ケイ素化合
物、モノメチルフタレート,モノエチルフタレート,モ
ノプロピルフタレート,モノブチルフタレート,モノイ
ソブチルフタレート,モノアミルフタレート,モノイソ
アミルフタレート,モノメチルテレフタレート,モノエ
チルテレフタレート,モノプロピルテレフタレート,モ
ノブチルテレフタレート,モノイソブチルテレフタレー
ト,ジメチルフタレート,ジエチルフタレート,ジプロ
ピルフタレート,ジブチルフタレート,ジイソブチルフ
タレート,ジアミルフタレート,ジイソアミルフタレー
ト,メチルエチルフタレート,メチルイソブチルフタレ
ート,メチルプロピルフタレート,エチルブチルフタレ
ート,エチルイソブチルフタレート,エチルプロピルフ
タレート,プロピルイソブチルフタレート,ジメチルテ
レフタレート,ジエチルテレフタレート,ジプロピルテ
レフタレート,ジイソブチルテレフタレート,メチルエ
チルテレフタレート,メチルイソブチルテレフタレー
ト,メチルプロピルテレフタレート,エチルブチルテレ
フタレート,エチルイソブチルテレフタレート,エチル
プロピルテレフタレート,プロピルイソブチルテレフタ
レート,ジメチルイソフタレート,ジエチルイソフタレ
ート,ジプロピルイソフタレート,ジイソブチルイソフ
タレート,メチルエチルイソフタレート,メチルイソブ
チルイソフタレート,メチルプロピルイソフタレート,
エチルブチルイソフタレート,エチルイソブチルイソフ
タレート,エチルプロピルイソフタレート,プロピルイ
ソブチルイソフタレートなどの芳香族ジカルボン酸エス
テル、ギ酸メチル,ギ酸エチル,酢酸メチル,酢酸エチ
ル,酢酸ビニル,酢酸プロピル,酢酸オクチル,酢酸シ
クロヘキシル,プロピオン酸エチル,酪酸メチル,酪酸
エチル,吉草酸エチル,クロル酢酸メチル,ジクロル酢
酸エチル,メタクリル酸メチル,クロトン酸エチル,ビ
バリン酸エチル,マレイン酸ジメチル,シクロヘキサン
カルボン酸エチル,安息香酸メチル,安息香酸エチル,
安息香酸プロピル,安息香酸ブチル,安息香酸オクチ
ル,安息香酸シクロヘキシル,安息香酸フェニル,安息
香酸ベンジル,トルイル酸メチル,トルイル酸エチル,
トルイル酸アミル,エチル安息香酸エチル,アニス酸メ
チル,アニス酸エチル,エトキシ安息香酸エチル,p−
ブトキシ安息香酸エチル,o−クロル安息香酸エチル,
ナフトエ酸エチルなどのモノエステル、γ−ブチロラク
トン,δ−バレロラクトン,クマリン,フタリド,炭酸
エチレンなどのエステル類、安息香酸,p−オキシ安息
香酸などの有機酸類、無水コハク酸,無水安息香酸,無
水p−トルイル酸などの酸無水物、アセトン,メチルエ
チルケトン,メチルイソブチルケトン,アセトフェノ
ン,ベンゾフェノン,ベンゾキノンなどのケトン類、ア
セトアルデヒド,プロピオンアルデヒド,オクチルアル
デヒド,トルアルデヒド,ベンズアルデド,ナフチルア
ルデヒドなどのアルデヒド類、アセチルクロリド,アセ
チルブロミド,プロピオニルクロリド,ブチリルクロリ
ド,イソブチリルクロリド,2−メチルプロピオニルク
ロリド,バレリルクロリド,イソバレリルクロリド,ヘ
キサノイルクロリド,メチルヘキサノイルクロリド,2
−エチルヘキサノイルクロリド,オクタノイルクロリ
ド,デカノイルクロリド,ウンデカノイルクロリド,ヘ
キサデカノイルクロリド,オクタデカノイルクロリド,
ヘンジルカルボニルクロリド,ジクロヘキサンカルボニ
ルクロリド,マロニルジクロリド,スクシニルジクロリ
ド,ペンタンジオレイルジクロリド,ヘキサンジオレイ
ルジクロリド,ジクロヘキサンジカルボニルジクロリ
ド,ベンゾイルクロリド,ベンゾイルブロミド,メチル
ベンゾイルクロリド,フタロイルクロリド,イソフタロ
イルクロリド,テレフタロイルクロリド,ベンゼン−
1,2,4−トリカルボニルトリクロリドなどの酸ハロ
ゲン化物類、メチルエーテル,エチルエーテル,イソプ
ロピルエーテル,n−ブチルエーテル,イソプロピルメ
チルエーテル,イソプロピルエチルエーテル,t−ブチ
ルエチルエーテル,t−ブチル−n−プロピルエーテ
ル,t−ブチル−n−ブチルエーテル,t−アミルメチ
ルエーテル,t−アミルエチルエーテル,アミルエーテ
ル,テトラヒドロフラン,アニソール,ジフェニルエー
テル,エチレングリコールブチルエーテルなどのエーテ
ル類、酢酸アミド,安息香酸アミド,トルイル酸アミド
などの酸アミド類、トリブチルアミン,N、N’−ジメ
チルピペラジン,トリベンジルアミン,アニリン,ピリ
ジン,ピロリン,テトラメチルエチレンジアミンなどの
アミン類、アセトニトリル,ベンゾニトリル,トルニト
リルなどのニトリル類、2,2’−アゾビス(2−メチ
ルプロパン),2,2’−アゾビス(2−エチルプロパ
ン),2,2’−アゾビス(2−メチルペンタン)など
のアゾ結合に立体障害置換基が結合してなるアゾ化合物
などが挙げられる。
【0024】これらの中で有機ケイ素化合物、エステル
類,ケトン類,エーテル類,チオエーテル類,酸無水
物,酸ハライド類が好ましく、特に、ジフェニルジメト
キシシラン,シクロヘキシルジメトキシシラン,ジシク
ロペンチルジメトキシシラン,t−ブチル−n−プロピ
ルジメトキシシランなどの有機ケイ素化合物、ジ−n−
ブチルフタレート,ジイソブチルフタレートなどの芳香
族ジカルボン酸ジエステル、安息香酸,p−メトキシ安
息香酸,p−エトキシ安息香酸,トルイル酸などの芳香
族モノカルボン酸のアルキルエステルなどが好適であ
る。これらの電子供与性化合物は一種だけで用いてもよ
く、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0025】触媒系の各成分の使用量については、
(a)固体成分はチタン原子に換算して反応容積1リッ
トル当たり、通常0.0005〜1モルの範囲になるよう
な量が用いられる。また、(b)有機アルミニウム化合
物は、アルミニウム/チタン原子の比が、通常1〜30
00、好ましくは40〜800になるような量が用いら
れ、この量が前記範囲を逸脱すると触媒活性が不充分に
なるおそれがある。
【0026】また、目的とするペンタッド分率のポリプ
ロピレン系樹脂を得るためには、重合前処理時や重合時
における電子供与体(電子供与性化合物)の使用量を適
宜選定すればよい。重合形式としては、特に制限はな
く、スラリー重合,気相重合,バルク重合,溶液重合な
どが用いられる。気相重合により重合を行う場合の重合
条件については、重合圧力は通常10〜45kg/cm
2 G、好ましくは20〜30kg/cm2 G、重合温度
は通常40〜90℃、好ましくは60〜75℃の範囲で
適宜選ばれる。重合体の分子量調節は、公知の手段、例
えば、重合器中の水素濃度を調節することにより行うこ
とができる。重合時間は反応温度によって左右され、一
概に定めることはできないが、5分〜10時間程度で充
分である。
【0027】重合に際しては、触媒系を構成する各成
分、すなわち、(a)〜(c)成分を所定の割合で混合
し、接触させたのち、ただちに原料モノマーを導入し、
重合を開始してもよいし、接触後0.2〜3時間程度熟成
させたのち、モノマーを導入してもよい。さらに、この
触媒成分は不活性溶媒などに懸濁して供給することがで
きる。本発明においては、重合後の後処理は常法により
行うことができる。すなわち、気相重合法においては、
重合後、重合器から導出されるポリマー粉体に、その中
に含まれるモノマーなどを除くために、窒素気流などを
通過させてもよい。また、所望に応じて押出機によりペ
レット化してもよく、その際、触媒を完全に失活させる
ために、少量の水、アルコールなどを添加することもで
きる。また、バルク重合法においては、重合後、重合器
から導出されるポリマーから完全にモノマーを分離した
のち、ペレット化することもできる。
【0028】次に、本発明の積層フィルムにおいて、
(A)層として用いられる二軸延伸フィルムは、その製
造方法については特に制限はないが、例えばTダイ逐次
二軸延伸法により、効率よく製造することができる。具
体的には、上記のようにして得られたポリプロピレン系
樹脂に、所望に応じ、帯電防止剤や防曇剤などの表面機
能用添加剤,アンチブロッキング剤,酸化防止剤,耐候
剤,熱安定剤,中和剤,滑剤,造核剤,着色剤,無機又
は有機充填剤などの公知の添加剤を配合して樹脂組成物
を調製し、これを押出機のT型ダイスから押出してシー
トを成形したのち、二軸延伸処理することにより得られ
る。上記樹脂組成物の調製方法については、特に制限は
なく、従来公知の方法を用いることができる。例えば、
前記ポリプロピレン系樹脂及び必要に応じて用いられる
各種添加剤を、タンブラーブレンダー,ヘンシエルミキ
サーなどで混合する方法、混合後さらに単軸押出機や多
軸押出機を用いて溶融混練造粒する方法、あるいはニー
ダー,バンバリーミキサーなどで溶融混練造粒する方法
などを採用することができる。
【0029】シートの成形は、例えばこの樹脂組成物
を、通常220〜300℃,好ましくは240〜280
℃の範囲の温度において、押出機のT型ダイスから押出
すことにより、行うことができる。また、二軸延伸処理
は、例えばこのシートを、通常110〜160℃,好ま
しくは120〜150℃の範囲の温度で、延伸倍率3〜
7倍程度に縦方向に延伸処理したのち、横方向に、好ま
しくは135〜165℃の範囲の温度で延伸倍率5〜1
2倍程度に延伸処理することにより行われる。このよう
にして得られた二軸延伸フィルムは、膜厚が通常5〜1
00μmの範囲である。この二軸延伸フィルムは、ラミ
ネート強度などを向上させる目的で、所望に応じ、その
表面を処理してもよい。この表面処理方法は、表面の酸
化法と表面の凹凸化法に大別することができ、表面の酸
化法としては、例えば、コロナ放電処理,クロム酸処
理,火炎処理,熱風処理,オゾンや紫外線照射などの方
法が挙げられ、表面の凹凸化法としては、例えば、サン
ドブラスト法,溶剤処理法などが挙げられる。
【0030】本発明の積層フィルムにおける(B)層と
しては、上記(A)層以外の材料が用いられる。この
(B)層については特に制限はなく、例えばポリオレフ
ィン系無延伸フィルム,あるいはナイロンフィルム,ポ
リエチレンテレフタレートフィルムやKコート(ポリ塩
化ビニリデン)などのガスバリヤー層,金属箔や金属蒸
着膜などが挙げられる。これらの中で、得られる積層フ
ィルムの透明性,柔軟性,ヒートシール性などの面か
ら、特にポリオレフィン系無延伸フィルムが好適であ
る。このポリオレフィン系無延伸フィルムとしては、例
えば低密度ポリエチレン(LDPE)や線状低密度ポリ
エチレン(L−LDPE)などのポリエチレン系樹脂、
ホモポリプロピレン(H−PP)やランダムポリプロピ
レン(R−PP)などのポリプロピレン系樹脂などから
なるキャスティングフィルムを好ましく挙げることがで
きる。この(B)層の厚みは、ドライラミネートの場合
は通常20〜80μmの範囲、金属箔,蒸着,コーティ
ング法の場合は数μm以下であり、材料の種類、用途に
より適宜選択される。積層方法については特に制限はな
く、公知の方法、例えばドライラミネート法やコーティ
ング法などを用いることができる。このようにして得ら
れた本発明の積層フィルムは、二層からなるものであっ
てもよく、三層以上からなるものであってもよい。
【0031】本発明の積層フィルムは、柔軟性があっ
て、良好な触感と適当な腰の強さを有するものが望まし
く、したがって、横方向引張弾性率は500〜3,00
0MPaの範囲が好ましい。なお、この横方向引張弾性
率は、JIS K−7127に準拠して求めた値であ
る。また、ラミネート強度は、通常、機械方向が200
gf/15mm幅以上及び横方向が100gf/15m
m幅以上である。機械方向のラミネート強度が200g
f/15mm幅未満の場合、あるいは横方向のラミネー
ト強度が100gf/15mm幅未満の場合は、ラミネ
ート強度が低すぎ、本発明の目的が充分に達せられな
い。なお、このラミネート強度は、15mm幅×125
mmのサンプルについて、剥離速度300m/分の条件
で剥離試験を行い、求めた値である。
【0032】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。 製造例1 (1)マグネシウム化合物の調製 内容積12リットルの攪拌機付きのガラス製反応器を窒
素ガスで充分に置換したのち、エタノール約4,860
g、ヨウ素32g及び金属マグネシウム320gを投入
し、攪拌しながら還流条件下で反応させ、固体状反応生
成物を得た。この固体状反応生成物を含む反応液を減圧
下で乾燥させることにより、マグネシウム化合物(固体
生成物)を得た。 (2)固体触媒成分の調製 窒素ガスで充分に置換した内容積5リットルのガラス製
三つ口フラスコに、上記(1)で得られたマグネシウム
化合物(粉砕していないもの)160g,精製ヘプタン
800ミリリットル,四塩化珪素24ミリリットル及び
フタル酸ジエチル23ミリリットルを加えた。系内を9
0℃に保ち、攪拌しながら四塩化チタン770ミリリッ
トルを投入して110℃で2時間反応させたのち、固体
成分を分離して80℃の精製へプタンで洗浄した。さら
に、四塩化チタン1,220ミリリットルを加え、110
℃で2時間反応させたのち、精製ヘプタンで充分に洗浄
し、固体触媒成分を得た。
【0033】(3)重合前処理 内容積500リットルの攪拌翼付反応槽に、n−ヘプタ
ン230リットルを投入し、さらに、上記(2)で得ら
れた固体触媒成分25kgを加え、次いで、この固体触
媒成分中のチタン(Ti)1モルに対し、トリエチルア
ルミニウムを0.6モル及びシクロヘキシルメチルジメト
キシシランを0.42モルの割合で加えたのち、プロピレ
ンをプロピレン分圧で0.3kg/cm2 Gになるまで導
入し、20℃で4時間反応させた。反応終了後、固体触
媒成分をn−ヘプタンで数回洗浄し、二酸化炭素を供給
し、24時間攪拌した。 (4)プロピレンの重合 内容積200リットルの攪拌翼付き重合槽に、上記
(3)の処理済の固体触媒成分をTi原子に換算して3
ミリモル/hrで、トリエチルアルミニウムを0.37ミ
リモル/hrでそれぞれ供給し、重合温度80℃、プロ
ピレン圧力28kg/cm2 Gで反応させた。この際、
所定の分子量になるように水素ガスを供給した。このよ
うにして得られたポリプロピレン樹脂のMIは1.9g/
10分、ペンタッド分率(fmmmm)は76.4モル%であ
った。なお、MI及びペンタッド分率は、明細書本文に
記載した方法に従って測定した。
【0034】製造例2 重合前処理時,重合時においてシクロヘキシルメチルジ
メトキシシランの使用量を変更する等の条件変更を行っ
たこと以外は、製造例1に準じて、MIが1.9g/10
分、ペンタッド分率(fmmmm)が90.4モル%のポリプ
ロピレン樹脂を製造した。
【0035】実施例1 上記製造例1で得られたペンタッド分率(fmmmm)が7
6.4モル%,MIが1.9g/10分のポリプロピレン樹
脂100重量部に対し、帯電防止剤(丸菱油化(株)
製,デノン2680(非イオン系)(これはグリセリン
モノ脂肪酸エステル/アルキルジエタノールアミン/ア
ルキルジエタノールアミンモノエステルの混合物であ
る))を0.50重量部,アンチブロッキング剤(合成シ
リカ)を0.15重量部,酸化防止剤としてチバガイギー
社製「Irg.B−292」を0.2重量部,及び中和剤
としてステアリン酸カルシウムを0.15重量部配合し、
神戸製鋼(株)製2FCM連続混練造粒機を用いて、樹
脂温度220℃で造粒し、ポリプロピレン系樹脂組成物
を調製した。次に、伸晃機械製作所製35mmφシ−ト
成形機を用い、上記樹脂組成物を樹脂温度:260℃、
チルロール温度:30℃の条件でシート成形したのち、
このシートを岩本製作所製ロール延伸機により、延伸温
度:135℃及び延伸倍率:5.0倍の条件で縦延伸し、
次いで、岩本製作所製テーブルテンターにより、延伸温
度:150℃、延伸速度:90%/秒、予熱時間:80
秒及び延伸倍率:9.2倍の条件で横延伸して、厚み25
μmの二軸延伸フィルムを作製した。続いて、この二軸
延伸フィルムを春日電機(株)製ロール電極タイプコロ
ナ放電処理機により表面処理した。コロナ処理量は18
0W・分/m2 であった。このようにして、(A)層と
して用いられる二軸延伸フィルムを作製した。次に、
(B)層フィルムとして、出光石油化学(株)製ポリプ
ロピレン系フィルム「RS−503C」(厚み35μ
m)を用い、このフィルムと上記二軸延伸フィルムと
を、テスター産業社製ハンドコーターを用い、ポリエー
テル系接着剤により、塗工量3g/m2 の条件でドライ
ラミネートして、積層フィルムを作製した。この積層フ
ィルムの物性を以下に示す要領に従って評価した。その
結果を第1表に示す。 〔フィルムの物性評価〕 (1)横方向(TD)引張弾性率 JIS K−7127に準拠して求めた。 (2)ラミネート強度 15mm幅×125mmのサンプルについて、剥離速度
300m/分の条件で剥離試験を行い、機械方向(M
D)及び横方向(TD)のラミネート強度を求めた。
【0036】実施例2 実施例1において、(B)層として出光石油化学(株)
製ポリエチレン系フィルム「LS−711C」(厚み3
5μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして積層フ
ィルムを作製し、その物性を求めた。結果を第1表に示
す。
【0037】比較例1 実施例1において、(A)層の二軸延伸フィルムの基材
樹脂として、製造例2で得られたペンタッド分率(f
mmmm)が90.4モル%,MIが1.9g/10分のポリプ
ロピレン樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして積
層フィルムを作製し、その物性を求めた。結果を第1表
に示す。
【0038】比較例2 実施例2において、(A)層の二軸延伸フィルムの基材
樹脂として、製造例2で得られたペンタッド分率(f
mmmm)が90.4モル%,MIが1.9g/10分のポリプ
ロピレン樹脂を用いた以外は、実施例2と同様にして積
層フィルムを作製し、その物性を求めた。結果を第1表
に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【発明の効果】本発明のポリプロピレン系積層フィルム
は、柔軟性を有し、かつラミネート強度が高く、耐熱性
も良好で、重量物や水物の包装にも適用でき、食品,繊
維製品,雑貨などの包装用として好適に用いられる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)同位体炭素による核磁気共鳴分光
    13C−NMR)により求められるペンタッド分率(f
    mmmm)が55〜85モル%であるポリプロピレン系樹脂
    を基材とする二軸延伸フィルム層と、(B)上記(A)
    層以外の材料からなる層とを積層した少なくとも二層か
    らなるポリプロピレン系積層フィルム。
  2. 【請求項2】 (B)層がポリオレフィン系無延伸フィ
    ルムである請求項1記載のポリプロピレン系積層フィル
    ム。
  3. 【請求項3】 ドライラミネートフィルムである請求項
    1記載のポリプロピレン系積層フィルム。
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