JP4085472B2 - オレフィン系樹脂製垂れ幕、幟、幕または旗、及びその製造方法 - Google Patents

オレフィン系樹脂製垂れ幕、幟、幕または旗、及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波シール強度、傷つき性、柔軟性及び耐ブロッキング性のバランスに優れたオレフィン系樹脂製垂れ幕、幟、幕または旗及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境保護の観点から、焼却時に塩化水素ガスを発生する塩化ビニル樹脂に替わって、塩化水素ガスが発生しないオレフィン系樹脂が使われるようになってきている。しかしながら、従来のオレフィン系樹脂製の垂れ幕、幟、幕及び旗は、塩化ビニル樹脂製の垂れ幕、幟、幕及び旗と比較して、高周波シール強度、傷つき性、柔軟性及び耐ブロッキング性が劣るという欠点があり、その改良が強く望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高周波シール強度、傷つき性、柔軟性及び耐ブロッキング性のバランスに優れ、しかも、焼却しても塩化水素ガスを発生しない優れたオレフィン系樹脂製の垂れ幕、幟、幕または旗、及びその製造方法を提供することにある。
【0004】
そこで、本発明者らは、これら性能に優れたオレフィン系樹脂製の垂れ幕、幟、幕または旗を得るべく鋭意研究し、中間層に特定のエチレン系共重合体を用い、両外層にオレフィン系樹脂(ただし、前記特定のエチレン系共重合体を除く)を用いて得られる積層体からなる、垂れ幕、幟、幕または旗、及びその製造方法が本発明の目的を達成することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、少なくとも両外層及び中間層から構成される積層体からなるオレフィン系樹脂製垂れ幕、幟、幕または旗であって、前記積層体の中間層がエチレン−エチレン系不飽和エステル共重合体(I)からなる層であり、前記積層体の両外層がオレフィン系樹脂(II)(ただし、前記エチレン−エチレン系不飽和エステル共重合体(I)を除く)からなる層であり、その厚み比率が両外層の合計厚み1に対して中間層の厚みが0.2〜50である積層体からなることを特徴とするオレフィン系樹脂製垂れ幕、幟、幕または旗である。
また、本発明は、前記積層体を高周波シールすることを特徴とするオレフィン系樹脂製垂れ幕、幟、幕または旗の製造方法である。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のオレフィン系樹脂製の垂れ幕、幟、幕または旗は、両外層及び中間層から構成される少なくとも3層の積層体からなるものである。
該積層体の中間層は、エチレン−エチレン系不飽和エステル共重合体(I)からなる層である。エチレン−エチレン系不飽和エステル共重合体(I)のエチレン系不飽和エステルとしては、例えば酢酸ビニル、またはα,β−不飽和カルボン酸アルキルエステルが挙げられる。
α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステルは、炭素数が3〜8個の不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸などのアルキルエステルであって、具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、およびメタクリル酸イソブチルなどが挙げられる。
これらの中でも特に、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸メチルが好ましい。
【0007】
上記エチレン−エチレン系不飽和エステル共重合体は、好ましくはエチレン単位が60〜95重量%、エチレン系不飽和エステル単位が40〜5重量%であり、より好ましくはエチレン単位が70〜90重量%、エチレン系不飽和エステル単位が30〜10重量%である。
【0008】
該積層体の両外層は、オレフィン系樹脂(II)(ただし、前記エチレン−エチレン系不飽和エステル共重合体(I)を除く)からなる層である。
オレフィン系樹脂としては、例えばエチレン単独重合体、エチレンと、α−オレフィン、スチレン、ノルボルネン、ブタジエン、ビニルシクロヘキセン、その他不飽和環状単量体などとの共重合体であるエチレン系共重合体等のエチレン系重合体(B);プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・エチレン・ブテン−1共重合体などのプロピレン・α−オレフィン系ランダム共重合体、プロピレン系ブロック共重合体等のプロピレン系重合体(C)、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1などのオレフィン単独重合体等が挙げられる。また、上記α−オレフィンと共に共役ジエンや非共役ジエンのような多不飽和化合物との共重合体も含まれる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
この中でもエチレン系重合体(B)またはプロピレン系重合体(C)が好ましい。
【0009】
両外層は、同一重合体でも、別の重合体からなっていてもよい。例えば、一方の外層がエチレン系重合体(B)、他方の外層がプロピレン系重合体(C)からなっていてもよい。
【0010】
上記エチレン系重合体(B)は、下記の(b−1)〜(b−2)の性質を有するエチレン単独重合体(B1)またはエチレン・α−オレフィン共重合体(B2)がより好ましい。
(B1)または(B2)成分:
(b−1) メルトフローレート(MFR):0.1〜50g/10分
(b−2) 密度(d):0.880〜0.940g/cm3
【0011】
該エチレン系重合体の密度は、より好ましくは0.890〜0.935g/cm3、最も好ましくは0.895〜0.930g/cm3であり、かつそのメルトフローレート(MFR)は、より好ましくは0.3〜20g/10分、さらに好ましくは0.5〜10g/10分、最も好ましくは0.8〜5g/10分である。
ここで言うエチレン系重合体の密度とは、JIS K6760−1981に規定された方法により測定される。
【0012】
本発明で言うメルトフローレートとは、JIS K6760−1981に規定された方法によって、荷重2.16kg、測定温度は190℃の条件で測定した値である。
上記エチレン・α−オレフィン共重合体(B2)は、エチレンと1種類以上のα−オレフィンとの共重合体である。α−オレフィンとしては、炭素数3〜12のα−オレフィンが好ましく、具体例としては、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ドデセン−1、4−メチルペンテン−1、4−メチルヘキセン−1、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘキセン、スチレン、ノルボルネン、ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。α−オレフィンの含有量は、通常0.01〜50重量%である。
【0013】
該エチレン・α−オレフィン共重合体は、上記モノマーおよびコモノマーをチーグラー・ナッタ系触媒やメタロセン系触媒を用いて、溶液重合法・スラリー重合法・高圧イオン重合法・気相重合法によって得られる。
【0014】
上記エチレン・α−オレフィン共重合体は、遷移金属化合物を用いてなる触媒により製造され、特にシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を有する遷移金属化合物を用いてなる触媒の存在下に製造されるものが好ましい。該遷移金属化合物はいわゆるメタロセン系化合物であり、通常、一般式MLaXn-a(式中、Mは元素の周期律表の第4族又はランタナイド系列の遷移金属原子である。Lはシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基又はヘテロ原子を含有する基であり、少なくとも一つはシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基である。複数のLは互いに架橋していてもよい。Xはハロゲン原子、水素又は炭素数1〜20の炭化水素基である。nは遷移金属原子の原子価を表し、aは0<a≦nなる整数である。)で表され、単独または2種類以上組み合わせて用いることができる。
さらに、該触媒はこのメタロセン系化合物に、アルモキサン化合物を含む有機アルミニウム化合物、及び/またはトリチルボレート、アニリニウムボレート等のイオン性化合物、及び/またはSiO2、Al23等の無機担体、エチレン、スチレン等のオレフィン重合体等の有機ポリマー担体を含む粒子状担体を組み合わせて用いられる。
【0015】
また、透明性と柔軟性を重視する場合には、上記エチレン・α−オレフィン共重合体は、チーグラー・ナッタ系固体触媒成分を用いてなる触媒の存在下に製造される。具体的には、遷移金属を含む固体系触媒成分と有機アルミニウム化合物からなる触媒の存在下で、通常30〜300℃、常圧〜3000kg/cm2、溶媒の存在下または無溶媒下、気−固、液−固または均一液相下で製造されたものが好ましい。この際の製造プロセスとしては、高圧イオン重合法が好ましい。
【0016】
本発明で好適に使用するエチレン単独重合体(B1)またはエチレン・α−オレフィン共重合体(B2)のGPCで測定されるMw/Mn比は、好ましくは1.8〜3.5、より好ましくは1.8〜2.5、最も好ましくは1.8〜2.2である。Mw/Mn比が過多である場合には、傷つき性などが低下する場合がある。
【0017】
プロピレン系重合体(C)は、プロピレン単独重合体(C1)、プロピレン−エチレンランダム共重合体(C2)、プロピレン−α−オレフィン系ランダム共重合体(C3)、プロピレン系ブロック共重合体(C4)またはこれらの混合物がより好ましい。
【0018】
プロピレン−エチレンランダム共重合体(C2)の中でもプロピレン単位の含有量が70モル%以上であるプロピレン−エチレンランダム共重合体がさらに好ましい。
【0019】
また、プロピレン−α−オレフィン系ランダム共重合体(C3)の中でも(1)炭素数4以上のα−オレフィン単位の含有量が8〜35モル%、(2)エチレン単位の含有量が5モル%以下、(3)冷キシレン可溶部(以下CXSともいう)が0.1〜70重量%である、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体またはプロピレン−エチレン−α−オレフィンランダム共重合体がさらに好ましい。
【0020】
本発明で使用するプロピレン−α−オレフィン系ランダム共重合体(C3)のα−オレフィンとしては、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1等の炭素数4〜10のα−オレフィンが挙げられ、これらの一種または二種以上が用いられる。例えば、気相重合を実施した場合、液化しにくいことから分圧を高くとれるブテン−1が好ましい。
【0021】
本発明で使用するプロピレン−α−オレフィン系ランダム共重合体(C3)の(1)炭素数4以上のα−オレフィン単位の含有量は、より好ましくは10〜25モル%である。
本発明で使用するプロピレン−α−オレフィン系ランダム共重合体(C3)の(2)エチレン単位の含有量は、より好ましくは3モル%以下である。
本発明で使用するプロピレン−α−オレフィン系ランダム共重合体(C3)の(3)CXSは、より好ましくは1〜50重量%である。
【0022】
また、プロピレン系ブロック共重合体(C4)の中でも下記のプロピレン系ブロック共重合体がさらに好ましい。
プロピレン系ブロック共重合体:
第一工程でエチレン単位の含有量が1.5〜6.0重量%のプロピレン−エチレン共重合体部分(a成分)を全重合量(a成分と下記b成分の合計)の40〜85重量%生成し、ついで第二工程でエチレン単位の含有量が7〜17重量%のプロピレン−エチレン共重合体部分(b成分)を全重合量(a成分とb成分の合計)の15〜60重量%生成して得られるブロック共重合体であって、かつb成分の極限粘度([η]b)が2〜5dl/g、b成分の極限粘度([η]b)とa成分の極限粘度([η]a)との比([η]b/[η]a)が0.5〜1.8のプロピレン系ブロック共重合体
なお、上記プロピレン系ブロック共重合体とは、第一工程でのプロピレン−エチレン共重合体部分(a成分)と、第二工程でのエチレン単位の含有量の異なるプロピレン−エチレン共重合体部分(b成分)とを逐次重合して得られた共重合体であって、共重合体末端と別の共重合体末端が結合で繋がった典型的なブロック共重合体ではなく、一種のブレンド系の共重合体を意味する。上記プロピレン系ブロック共重合体は、耐衝撃性プロピレン共重合体とも言われるものである。
【0023】
特に、a成分におけるエチレン単位の含有量が2.5〜4.5重量%の場合、柔軟性と耐熱性とのバランスの観点から好ましい。
また、特に、b成分におけるエチレン単位の含有量が8〜15重量%の場合、低温での耐衝撃性と透明性とのバランスの観点から好ましい。
【0024】
エチレン単位の含有量は、高分子ハンドブック(1995年、紀伊国屋書店発行)の616ページに記載されている方法により、13C−NMR法で測定される。
a成分のエチレン単位の含有量(Ea)は、第一工程の重合終了後に共重合体をサンプリングして分析される。
b成分のエチレン単位の含有量(Eb)は、第二工程の重合終了後にブロック共重合体をサンプリングし、ブロック共重合体のエチレン単位の含有量(Eab)を分析し、さらにa成分の割合(Pa)、b成分の割合(Pb)から次式より求めるものとする。
Ea×Pa/100+Eb×Pb/100=Eab
Eb=(Eab−Ea×Pa/100)×100/Pb
【0025】
第一工程で生成するプロピレン−エチレン共重合体部分(a成分)と第二工程で生成するプロピレン−エチレン共重合体部分(b成分)の割合は、a成分が40〜85重量%、好ましくは55〜83重量%、b成分が15〜60重量%、好ましくは17〜45重量%である。
【0026】
b成分が特に17〜45重量%のプロピレン−エチレンブロック共重合体を得るために、重合段階でb成分が17〜45重量%であるブロック共重合体を作ることも可能であるが、例えば重合によりb成分の割合が27〜60重量%のブロック共重合体を生成し、溶融混練時にa成分のみを追加投入してb成分の割合を調整することも可能である。
本発明で用いるプロピレン系ブロック共重合体のb成分の極限粘度([η]b)が2〜5dl/g、b成分の極限粘度([η]b)とa成分の極限粘度([η]a)との比([η]b/[η]a)が0.5〜1.8であることが透明性の観点から必要である。特に、プロピレン−エチレン共重合体のb成分の極限粘度([η]b)が2.5〜4.0dl/gである場合、低分子量成分の抑制と加工性とのバランスの点からより好ましい。
【0027】
特に、[η]b/[η]a比が0.8〜1.5である場合、透明性の観点からより好ましい。
【0028】
極限粘度は、ウベローデ型粘度計を用いて135℃テトラリン中で測定される。
a成分の極限粘度([η]a)は、第一工程のa成分の重合終了後に共重合体をサンプリングして分析される。
b成分の極限粘度([η]b)は、第二工程の重合終了後にブロック共重合体をサンプリングし、ブロック共重合体の極限粘度([η]ab)を分析し、さらにa成分の割合(Pa)、b成分の割合(Pb)から次式より求めるものとする。
[η]a×Pa/100+[η]a×Pa/100=[η]ab
[η]b=([η]ab−[η]a×Pa/100)×100/Pb
【0029】
本発明で用いるプロピレン系ブロック共重合体中の20℃キシレン可溶分の重量平均分子量26000以下の成分の含有量が6重量%以下であることがn−ヘキサンなどでの抽出量を抑制する点から好ましい。特に、食品包装用材料として使用する場合には、全重合体中の20℃キシレン可溶分の重量平均分子量26000以下の成分の含有量が3.5重量%以下であることがより好ましい。
【0030】
本発明で用いるプロピレン系ブロック共重合体は、透明性、低温での耐衝撃性の観点からb成分のエチレン単位の含有量(Eb)とa成分のエチレン単位の含有量(Ea)との差(Eb−Ea)が3〜15重量%の範囲であることが好ましく、透明性と低温での耐衝撃性とのバランスの観点から(Eb−Ea)が5〜10重量%が特に好ましい。
【0031】
本発明で用いるプロピレン系重合体(C)は、触媒系として公知のα−オレフィンの立体規則性重合用触媒である、いわゆるチーグラー・ナッタ触媒、即ち、周期律表第IV〜VIII族遷移金属化合物と周期律表第I〜II族典型金属の有機化合物と、好ましくは電子供与性化合物の第3成分とからなるものを使用し、重合法としては溶剤中で重合する溶剤重合法あるいは気相中で重合する気相重合法などいずれの方法によって製造することができる。例えば、特開昭63−19255号公報(実施例1)、特開昭60−76515号公報等に記載された製造方法で得ることができる。
本発明で用いるプロピレン系ブロック共重合体(C4)は、例えばチーグラー・ナッタ型触媒の存在下に、同一の重合槽中にてa成分を重合した後、引き続いてb成分を重合する回分式重合法、または少なくとも2槽からなる重合槽を使用したa成分とb成分を連続的に重合する連続式重合法などで製造が可能である。
【0032】
具体的には、例えば、
(x)Si−O結合を有する有機ケイ素化合物の共存下、一般式Ti(OR1n4-n(R1は炭素数が1〜20の炭化水素基、Xはハロゲン原子、nは0<n≦4の数字を表わす。)で表わされるチタン化合物および/またはエーテル化合物を、有機マグネシウム化合物で還元して得られる固体生成物を、エステル化合物及びエーテル化合物と四塩化チタンとの混合物で処理して得られる三価のチタン化合物含有固体触媒成分、
(y)有機アルミニウム化合物
(z)Si−OR2結合(R2は炭素数が1〜20の炭化水素基である。)を有するケイ素化合物よりなる触媒系、または
(x)一般式Ti(OR1n4-n(R1は炭素数が1〜20の炭化水素基、Xはハロゲン原子、nは0<n≦4の数字を表わす。)で表わされるチタン化合物を、一般式AlR2 m3-m(R2は炭素数が1〜20の炭化水素基、Yはハロゲン原子、mは1≦m≦3の数字を表わす。)で表わされる有機アルミニウム化合物で還元して得られる炭化水素溶媒に不溶のハイドロカルビルオキシ基を含有する固体生成物を、エチレンで予備重合処理したのち、炭化水素溶媒中エーテル化合物及び四塩化チタンの存在下に80〜100℃の温度でスラリー状態で処理して得られるハイドロカルビルオキシ基含有固体触媒成分、
(y)有機アルミニウム化合物よりなる触媒系
などの少なくともチタン、マグネシウムおよびハロゲンを必須成分とするチーグラー・ナッタ型触媒の存在下に、(y)成分中のAl原子/(x)成分中のTi原子のモル比を1〜2000、好ましくは5〜1500、(z)成分/(y)成分中のAl原子のモル比を0.02〜500、好ましくは0.05〜50となるように使用し、重合温度20〜150℃、好ましくは50〜95℃、重合圧力は大気圧〜40kg/cm2G、好ましくは2〜40kg/cm2Gの条件下に、第一工程でプロピレンとエチレンおよび分子量調節のために水素を供給してプロピレン−エチレン共重合体部分(a成分)を生成した後、引き続いて第二工程でプロピレンとエチレンと水素を供給してプロピレン−エチレン共重合体部分(b成分)を生成することによって製造できる。
【0033】
本発明で用いるプロピレン系重合体(C)は、有機過酸化物の存在下、不存在下に公知の方法で、例えばメルトフローレートで代表される流動性を変化させることが可能である。
【0034】
プロピレン系重合体(C)は、本発明の効果をさまたげない範囲で、エチレン系樹脂、非晶性ポリオレフィン、石油樹脂またはその水素添加物、これらのリサイクル品等をブレンドして使用することができる。
エチレン系樹脂としては、例えばポリエチレン、エチレンと炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体等が挙げられる。
【0035】
非晶性ポリオレフィンとしては、例えば非晶性のポリプロピレンやポリブテン−1あるいはプロピレンやブテン−1と他のα−オレフィンとの共重合体が挙げられ、プロピレン及び/又はブテン−1の含有率が50重量%以上である非晶性のオレフィンポリマーが好ましい。
【0036】
これら非晶性ポリオレフィンは、沸騰n−ヘプタン不溶分、すなわち、沸騰n−ヘプタンによるソックスレー抽出不溶分が70重量%以下、好ましくは60重量%以下のものが好ましい。
非晶性ポリオレフィンは、1種又は2種以上を組合わせて用いることもできる。
【0037】
非晶性ポリオレフィンとして、具体的には、上記プロピレン成分及び/又はブテン−1成分含有量等所定の特性を有するポリプロピレン、ポリブテン−1、プロピレン−エチレン共重合体、ブテン−1−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1−エチレン−3元共重合体、プロピレン−ヘキセン−1−エチレン−3元共重合体、ブテン−1−ヘキセン−1−エチレン−3元共重合体等の非晶質ポリオレフィンが挙げられる。例えば、宇部レキセン(株)製ウベタックUT2385、UT2780などを用いることが出来る。
【0038】
石油樹脂またはその水素添加物とは、石油類の熱分解により生成する分解油留分を重合し固化させた熱可塑性樹脂であって、C5留分を原料とした脂肪族系、C9留分を原料とした芳香族系、および両者の共重合系、ジシクロペンタジエン系、さらにこれらを水素化した水素添加系が挙げられる。具体的には、例えば、三井石油化学工業(株)製のハイレッツ、ペトロジン、荒川化学工業(株)製のアルコンなどの市販品を用いることが出来る。
【0039】
これら石油樹脂またはその水素添加物の中では、色調、臭いの点で、水素添加系が優れる。
【0040】
本発明において、外層の少なくとも一層を構成するプロピレン系重合体(C)とその他上記樹脂との混合物の調製方法は、特に制限されるものでなく、公知の方法、例えば、ニーダー、バンバリーミキサー、ロール等の混練機、一軸又は二軸押出機等を用いて加熱溶融混練して行うことができる。また、各種樹脂ペレットをドライブレンドしてもよい。
【0041】
本発明の中間層、両外層には、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、さらに種々の樹脂を配合してもよい。例えば、剛性を改良するために高密度ポリエチレンを、また、衝撃強度の改良のために低密度エラストマー等のオレフィン系樹脂を、それぞれ一種または二種以上組み合わせて用いることができる。
【0042】
本発明の中間層、両外層のさらなる物性向上を計るため、必要に応じて2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(IRGANOX 1010)やn−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート(IRGANOX 1076)で代表されるフェノール系安定剤;ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトおよびトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトなどで代表されるホスファイト系安定剤;高級脂肪酸アミドや高級脂肪酸エステルで代表される滑剤;炭素数8〜22の脂肪酸のグリセリンエステルやソルビタン酸エステル、ポリエチレングリコールエステルなどの帯電防止剤;ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩で代表される加工性改良剤;シリカ、炭酸カルシウム、タルクなどで代表されるブロッキング防止剤などが添加される。このなかで特に滑剤と安定剤の添加は好ましい効果を与える。
【0043】
種々の目的に応じて配合する、高密度ポリエチレン、低密度エラストマー等の樹脂成分や酸化防止剤、抗ブロッキング剤、滑剤、加工性改良剤等の添加剤は、あらかじめ溶融混練したのち、フィルム加工に供してもよいし、個々にドライブレンドまたは一種以上のマスターバッチにしてドライブレンド後フィルム加工に供してもよく、いずれの方法を用いてもよい。
【0044】
本発明のオレフィン系樹脂製の垂れ幕、幟、幕または旗を構成する積層体は、その厚み比率が両外層の合計厚み1に対して中間層の厚みが0.2〜50、より好ましくは0.5〜20、さらに好ましくは1〜5である。厚みは、積層体の断面を顕微鏡で観察することにより測定できる。この比率が過小である場合には柔軟性に劣り、過多である場合には耐熱性に劣る場合がある。
また、前記積層体の全厚みは、好ましくは20〜2000μm、より好ましくは50〜1000μm、最も好ましくは100〜500μmである。厚みが過小である場合には反復開閉性に劣り、過多である場合には柔軟性に劣る場合がある。
【0045】
本発明のオレフィン系樹脂製の垂れ幕、幟、幕または旗を構成する積層体は、透明性に優れる物であるが、用途に応じて着色することもできる。この場合は、全ての層に着色することもできるし、ある特定の層、例えば中間層にのみ着色することもできる。
本発明のオレフィン系樹脂製の垂れ幕、幟、幕または旗は、表面に印刷することができる。印刷する場合は印刷性を改良するために表面処理を施すことが好ましい。
【0046】
本発明のオレフィン系樹脂製の垂れ幕、幟、幕または旗の原反となる積層体を製造するためには、一般にインフレーションフィルム製造装置やTダイフィルム製造装置などを用いて共押出法、押出コーティング法(押出ラミネート法ともいう。)などの技術を採用することができる。
また、これらの装置を用いて得た多層または単層フィルムを用いてドライラミネート法、ウェットラミネート法、サンドラミネート法、ホットメルトラミネート法などのラミネーション法など公知の技術により目的とする多層フィルムを製造することも可能である。
【0047】
また、本発明のオレフィン系樹脂製の垂れ幕、幟、幕または旗は、上記積層体を縫製することにより製造することができるが、高周波シールすることにより好適に製造することができる。例えば、垂れ幕においてはその風によるまくれあがり防止のため下部に重りを取り付ける際、高周波シールで積層体をループ状にシールし、重りを固定することができる。
また、高周波シール条件は特に限定されるものではなく、従来、塩化ビニル樹脂に使用されていた高周波シール装置の容量内で適宜決定される。
【0048】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
評価方法は以下の通り行なった。
(1)密度(d)
JIS K6760に規定された方法に従った。
(2)メルトフローレート(MFR)
プロピレン系重合体は、JIS K7210に従い、条件−14の方法で測定した。また、エチレン系重合体は、JIS K6760に規定された方法で温度190℃で行った。
(3)エチレン系重合体の分子量分布(Mw/Mn)
GPC(Gel Permeation Chromatoghraphy)測定は、Waters社製150C型GPC測定装置を使用し、カラムに東ソー社製GMH6−HT、溶媒にo−ジクロルベンゼンを用い、145℃で測定した。検量線は東ソー社製の標準ポリスチレンを使用し、常法により作製した。分子量分布(Q値)は、重量平均分子量/数平均分子量の比として計算した。
(4)酢酸ビニル単位の含有量
プレスシートを作製し、赤外吸収スペクトルの特性吸収の吸光度を厚みで補正して、検量線法により求めた。特性吸収としては、酢酸ビニルが609cm-1のピークを用いた。
(5)プロピレン系ブロック共重合体のa成分、b成分の割合(重量%)
a成分およびb成分の重合時の物質収支から、a成分の割合(Pa)、b成分の割合(Pb)を求めた。
【0049】
(6)プロピレン系ブロック共重合体の極限粘度([η])
ウベローデ型粘度計を用いて135℃テトラリン中で測定を行った。
a成分、b成分の極限粘度([η]a、[η]b)
第一工程のa成分の重合終了後に測定した極限粘度[η]aと、第二工程の重合終了後に測定した極限粘度[η]ab、およびa成分の割合(Pa)、b成分の割合(Pb)から、次式によりb成分の極限粘度[η]bを求めることとした。
[η]a=([η]ab−[η]a×Pa/100)×100/Pb
(7)プロピレン系ブロック共重合体のエチレン単位の含有量
高分子ハンドブック(1995年、紀伊国屋書店発行)の615〜616ページに記載されている方法により、13C−NMRで測定を行った。
a成分、b成分のエチレン単位の含有量(Ea、Eb)
第一工程のa成分の生成終了後に測定したエチレン単位の含有量(Ea)と、第二工程の生成終了後に測定したエチレン単位の含有量(Eab)、およびa成分の割合(Pa)、b成分の割合(Pb)から、次式によりb成分のエチレン単位の含有量(Eb)を求めることとした。
Eb=(Eab−Ea×Pa/100)×100/Pb
(8)プロピレン系ブロック共重合体のプロピレン単位、ブテン−1単位の含有量
高分子分析ハンドブック(1995年、紀伊国屋書店発行)の615〜619ページに記載されている方法により13C−NMR法で測定を行った。
(9)高周波シール試験
作製したフィルムを山本ビニター製高周波ウェルダーYD2700Tを用いてシールを行った。接着条件は、エアー圧:2kg/cm2G、溶着遅延:3秒、溶着時間:4秒、冷却時間:2秒、電圧5500V、同調調整:5であった。またシールバーサイズは10mm×150mmであった。
接着後のフィルムをMD方向に10mm巾に切断し、試験片の接着部分の一端をあらかじめ剥離させ、両方を引っ張り試験機のつかみに取り付けた。この試験片を剥離の両端を引っ張り試験機で100mm/分の速度で引っ張り、T剥離を行なったときの強度を求めた。
(10)透明性
JIS K7105−1981に準拠し、全ヘイズを測定した。
【0050】
(11)傷つき試験
振とう試験機 TAITEC製 RECIPRO SHAKER R-10を用い、作製したフィルムと、ポリエチレンに微粒子シリカを1000ppm配合したフィルムとを1分間こすり合せた。こすり合せの速度は振とう速度120往復/分、振とう巾40mmとした。こすり合せ試験前後のヘイズの差を測定し、傷つきの評価とした。ヘイズはJIS K7105−1981に準拠し、全ヘイズを測定した。
(12)耐ブロッキング性
フィルム同士を重ね合わせ、7kg/220cm2の荷重をかけ、温度23℃、18時間、フィルム密着を促進させた後、23℃、湿度50%の雰囲気下に30分以上放置した。この試料を島津製作所製ブロッキングテスターを用いて20g/分の剥離荷重速度で、試料の剥離に要する荷重(g/100cm2)を測定した。
(13)柔軟性(1%SM;1%正割弾性率;1% Secant Modulus)
フィルムの加工方向(MD)に巾2cmの試料片を切出し、引張試験機にチャック間距離6cmで取付け、5mm/分の速度で引張り、1%伸びた時の応力から、100×(応力)/(断面積)〔kg/cm2〕の式で計算した。この値が小さい方が柔軟性に優れる。
【0051】
実施例1
エチレン−エチレン系不飽和エステル共重合体(I)としてエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA−1:住友化学工業(株)製 エバテートK2010 MFR=3g/10分、酢酸ビニル単位の含有量 25重量%)を中間層に、エチレン・α−オレフィン共重合体(B2)として、メタロセン触媒で製造したエチレン−ヘキセン−1共重合体(PE−1:住友化学工業(株)製 スミカセンE FV401 密度0.902g/cm3、MFR4.1g/10分、Mw/Mn2.1)を両外層として用いて2種3層のフィルムを作製した。フィルムの作製は、30mmφ押出機を3台用いた共押出法で行った。各層の厚み比率は15μm/70μm/15μmであり、両外層の合計厚み1に対して中間層の厚み比は2.3であった。このフィルムを用い、高周波シール法によりの垂れ幕を作製した。作製条件は上記高周波シール試験と同じとした。フィルムの上下2ヶ所をループ状にシールし、固定用の棒およびまくれ上がり防止のための重りを取り付け、垂れ幕を作製した。
得られたフィルムを評価した結果、高周波シール強度720g/cm、透明性(HAZE)0.7%、傷付き(ΔHAZE)6.0%、耐ブロッキング140g/cm2、柔軟性(1%SM)372kg/cm2であった。その他の結果を表1に示す。
【0052】
実施例2
実施例1においてエチレン・α−オレフィン共重合体(B2)として固体触媒で製造したエチレン−ヘキセン−1共重合体(PE−2:住友化学工業(株)製 スミカセンHiα CW2004 密度0.909g/cm3、MFR2.1g/10分、Mw/Mn2.3)を両外層とした以外は実施例1と同様の方法を繰り返した。このフィルムを用い、実施例1と同一条件で高周波シール法により垂れ幕を作製した。
得られたフィルムを評価した結果、高周波シール強度725g/cm、透明性(HAZE)0.7%、傷付き(ΔHAZE)8.4%、耐ブロッキング160g/cm2、柔軟性(1%SM)363kg/cm2であった。その他の結果を表1に示す。
【0053】
実施例3
実施例1においてエチレン・α−オレフィン共重合体(B2)として固体触媒で製造したエチレン−ヘキセン−1共重合体(PE−3:住友化学工業(株)製 スミカセンα FZ201−0 密度0.911g/cm3、MFR2.0g/10分、Mw/Mn3.2)を両外層とした以外は実施例1と同様の方法を繰り返した。このフィルムを用い、実施例1と同一条件で高周波シール法により垂れ幕を作製した。
得られたフィルムを評価した結果、高周波シール強度655g/cm、透明性(HAZE)1.3%、傷付き(ΔHAZE)11.8%、耐ブロッキング191g/cm2、柔軟性(1%SM)457kg/cm2であった。その他の結果を表1に示す。
【0054】
比較例1〜4
実施例1〜3で用いた樹脂と同じ樹脂であって、表1に示した樹脂を用いて単層のフィルムを作製した以外は実施例1と同様の方法を繰り返した。
比較例1で得られたフィルムを評価した結果、高周波シール強度895g/cm、透明性(HAZE)6.5%、傷付き(ΔHAZE)21.4%、耐ブロッキング205g/cm2、柔軟性(1%SM)303kg/cm2であった。
比較例2で得られたフィルムを評価した結果、高周波シール強度0g/cm、透明性(HAZE)2.8%、傷付き(ΔHAZE)5.8%、耐ブロッキング143g/cm2、柔軟性(1%SM)656kg/cm2であった。
比較例3で得られたフィルムを評価した結果、高周波シール強度0g/cm、透明性(HAZE)1%、傷付き(ΔHAZE)9.2%、耐ブロッキング163g/cm2、柔軟性(1%SM)712kg/cm2であった。
比較例4で得られたフィルムを評価した結果、高周波シール強度0g/cm、透明性(HAZE)2.2%、傷付き(ΔHAZE)14.8%、耐ブロッキング178g/cm2、柔軟性(1%SM)777kg/cm2であった。
その他の結果を表1に示す。
【0055】
実施例4
実施例1においてエチレン−エチレン系不飽和エステル共重合体(I)としてエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA−2:住友化学工業(株)製 エバテートH2031 MFR=1.5g/10分、酢酸ビニル単位の含有量 19.0重量%)、両外層に用いるプロピレン系重合体(C)として、プロピレン−ブテン−1ランダム共重合体(C3)(PP−1、ブテン−1単位の含有量 13mol%、エチレン単位の含有量 0mol%、冷キシレン可溶部 3.2重量%、MFR=4.1g/10分 添加剤:ステアリン酸カルシウム、IRGANOX1010、IRGANOXB220使用。)を用いフィルムを作製した。各層の厚み比率は10μm/60μm/10μmであり、両外層の合計厚み1に対して中間層の厚み比は3であった。このフィルムを用い、実施例1と同一条件で高周波シール法により垂れ幕を作製した。
得られたフィルムを評価した結果、高周波シール強度は620g/cmであった。その他の結果を表1に示す。
【0056】
実施例5
実施例4においてプロピレン系重合体(C)として、プロピレン系ブロック共重合体(C4)(PP−2、a成分のエチレン単位の含有量=3.5重量%(5.2mol%)、全重合量中のa成分の割合 60重量%、b成分のエチレン単位の含有量 13重量%(18mol%)、全重合体量中のエチレン単位の含有量 7.3重量%(10.6mol%)、[η]b=3.5dl/g、[η]b/[η]a=1.17の共重合体に添加剤(ステアリン酸カルシウム、IRGANOX1010、IRGAFOS165)を混合し、造粒時にパーオキサイド分解を実施してMFR=2.7g/10分としたプロピレン−エチレンブロック共重合体。)を両外層とした以外は実施例4と同様の方法を繰り返した。
得られたフィルムを評価した結果、高周波シール強度は144g/cmであった。その他の結果を表1に示す。
【0057】
上記プロピレン系ブロック共重合体を下記のとおり製造した。
[固体触媒の合成]
撹拌機付きの200LSUS製反応容器を窒素で置換した後、ヘキサン80L、テトラブトキシチタン6.55モル、フタル酸ジイソブチル2.8モル、およびテトラエトキシシラン98.9モルを投入し均一溶液とした。次に、濃度2.1モル/Lのブチルマグネシウムクロリドのジイソブチルエーテル溶液51Lを、反応容器内の温度を5℃に保ちながら5時間かけて徐々に滴下した。滴下終了後20℃でさらに1時間撹拌した後20℃で固液分離し、トルエン70Lで3回洗浄を繰り返した。次いで、スラリー濃度が0.2kg/Lになるようにトルエンを加えた後、フタル酸ジイソブチル47.6モルを加え、95℃で30分間反応を行なった。反応後固液分離し、トルエンで2回洗浄を行なった。次いで、フタル酸ジイソブチル3.13モル、ブチルエーテル8.9モルおよび四塩化チタン274モルを加え、105℃で3時間反応を行なった。反応終了後同温度で固液分離した後、同温度でトルエン90Lで2回洗浄を行なった。次いで、スラリー濃度を0.4kg/Lに調整した後、ブチルエーテル8.9モルおよび四塩化チタン137モルを加え、105℃で1時間反応を行なった。反応終了後、同温度で固液分離し同温度でトルエン90Lで3回洗浄を行なった後、さらにヘキサン70Lで3回洗浄した後減圧乾燥して固体触媒成分11.4kgを得た。固体触媒成分は、チタン原子1.8重量%、マグネシウム原子20.1重量%、フタル酸エステル8.4重量%、エトキシ基0.3重量%、ブトキシ基0.2重量%を含有し、微粉のない良好な粒子性状を有していた。
【0058】
[ポリマーの製造]
<固体触媒成分の予備活性化>
内容積3LのSUS製、撹拌機付きオートクレーブに充分に脱水、脱気処理したn−ヘキサン1.5L、トリエチルアルミニウム37.5ミリモル、t−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン37.5ミリモルと上記固体触媒成分15gを添加し、槽内温度を30℃以下に保ちながらプロピレン15gを約30分かけて連続的に供給して予備活性化を行なった後、得られた固体触媒スラリーを内容積150Lの撹拌機付きSUS製オートクレーブに移送し液状ブタン100Lを加えて保存した。
【0059】
<重合>
SUS製の内容積1m3の撹拌機付き流動床反応器を2基連結し、第一槽目で前段部(a成分)のプロピレンとエチレンの共重合を、第二槽目で後段部(b成分)のプロピレンとエチレンの共重合を連続的に実施した。
(1)第一槽目(a成分部)
内容積1m3の撹拌機付き流動床反応器において、重合温度70℃、重合圧力18kg/cm2G、気相部の水素濃度0.25vol%、気相部エチレン濃度1.9vol%を保持するようにプロピレン、エチレンおよび水素を供給しながら、トリエチルアルミニウム75ミリモル/h、t−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン7.5ミリモル/hおよび予備活性化した固体触媒成分0.37g/hを連続的に供給し、流動床のポリマーホールド量45kgでプロピレンとエチレンの共重合を行い13.2kg/hのポリマーが得られた。得られたポリマーは失活することなく第二槽目に連続的に移送した。また、ポリマーの一部をサンプリングして分析した結果、エチレン単位の含有量は3.5重量%、テトラリン135℃での極限粘度([η]a)は3.0dl/gであった。
【0060】
(2)第二槽目(b成分部)
内容積1m3の撹拌機付き流動床反応器において、重合温度80℃、重合圧力12kg/cm2G、気相部の水素濃度0.35vol%、気相部エチレン濃度9.5vol%を保持するようにプロピレン、エチレンおよび水素を供給しながら、流動床のポリマーホールド量を55kgで、第一槽目より移送された触媒含有ポリマーでのエチレンとプロピレンとの共重合を連続的に継続することにより8.8kg/hの白色の流動性の良いポリマーが得られた。得られたポリマーのエチレン単位の含有量は7.3重量%、テトラリン135℃での極限粘度([η])は3.2dl/gであった。
以上の結果から、第一槽目と第二槽目の重合比は60/40であり、a成分と最終ポリマーの分析値より求めたb成分部のエチレン単位の含有量は13重量%、テトラリン135℃での極限粘度([η]b)は3.5dl/gであった。
得られたポリマーをパーオキサイド存在下で加熱分解し、MFRが2.7g/10分になる様に調整しプロピレン系ブロック共重合体を得た。
【0061】
比較例5〜6
実施例4〜5で用いた樹脂と同じ樹脂であって、表1に示した樹脂を用いて単層のフィルムとした以外は実施例4と同様の方法を繰り返した。
得られた比較例5のフィルムを評価した結果、高周波シール強度は0g/cmであった。
得られた比較例6のフィルムを評価した結果、高周波シール強度は0g/cmであった。
その他の結果を表1に示す。
【0062】
【表1】
Figure 0004085472
(注) 1)シール部が接着しない。
【0063】
【発明の効果】
以上、詳述したように、本発明によれば、従来から知られているの垂れ幕、幟、幕または旗に比べ、高周波シール強度、傷つき性、柔軟性及び耐ブロッキング性のバランスに優れるオレフィン系樹脂製の垂れ幕、幟、幕または旗が提供できる。
また、上記オレフィン系樹脂製の垂れ幕、幟、幕または旗は、従来塩ビ用に使用されていた高周波シール装置で容易にシールできるため、文具などの雑貨用途に好適に使用できる。
本発明のオレフィン系樹脂製の垂れ幕、幟、幕または旗は、建設現場のカバー、看板等の種々の形態で使用できる。
また、本発明は、高周波シール装置を用いて高率よくオレフィン系樹脂製の垂れ幕、幟、幕または旗を製造する方法が提供できる。

Claims (10)

  1. 少なくとも両外層及び中間層から構成される積層体からなるオレフィン系樹脂製垂れ幕、幟、幕または旗であって、前記積層体の中間層がエチレン単位が60〜95重量%であるエチレン−エチレン系不飽和エステル共重合体(I)からなる層であり、前記積層体の両外層がオレフィン系樹脂(II)(ただし、前記エチレン−エチレン系不飽和エステル共重合体(I)を除く)からなる層であり、その厚み比率が両外層の合計厚み1に対して中間層の厚みが0.2〜50である積層体からなることを特徴とするオレフィン系樹脂製垂れ幕、幟、幕または旗。
  2. 両外層のオレフィン系樹脂(II)がエチレン系重合体(B)またはプロピレン系重合体(C)である請求項1記載のオレフィン系樹脂製垂れ幕、幟、幕または旗。
  3. エチレン系重合体(B)が下記の(b−1)〜(b−2)の性質を有するエチレン単独重合体(B1)またはエチレン・α−オレフィン共重合体(B2)である請求項2記載のポリオレフィン系樹脂製垂れ幕、幟、幕または旗。
    (B1)または(B2)成分:
    (b−1) メルトフローレート(MFR):0.1〜50g/10分
    (b−2) 密度(d):0.880〜0.940g/cm3
  4. エチレン単独重合体(B1)またはエチレン・α−オレフィン共重合体(B2)のGPCで測定されるMw/Mn比が1.8〜3.5である請求項3記載のオレフィン系樹脂製垂れ幕、幟、幕または旗。
  5. エチレン・α−オレフィン共重合体(B2)が、シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を有する遷移金属化合物を用いてなる重合用触媒の存在下に製造されるものである請求項3または4記載のオレフィン系樹脂製垂れ幕、幟、幕または旗。
  6. エチレン・α−オレフィン共重合体(B2)が、チーグラー・ナッタ系固体触媒の存在下に製造されるものである請求項3または4記載のオレフィン系樹脂製垂れ幕、幟、幕または旗。
  7. プロピレン系重合体(C)が、プロピレン単独重合体(C1)、プロピレン−エチレンランダム共重合体(C2)、プロピレン−α−オレフィン系ランダム共重合体(C3)、プロピレン系ブロック共重合体(C4)またはこれらの混合物である請求項2記載のオレフィン系樹脂製垂れ幕、幟、幕または旗。
  8. プロピレン−α−オレフィン系ランダム共重合体(C3)が、(1)炭素数4以上のα−オレフィン単位の含有量が8〜35モル%、(2)エチレン単位の含有量が5モル%以下、(3)冷キシレン可溶部が0.1〜70重量%である、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体またはプロピレン−エチレン−α−オレフィンランダム共重合体である請求項7記載のオレフィン系樹脂製垂れ幕、幟、幕または旗。
  9. プロピレン系ブロック共重合体(C4)が、下記のプロピレン系ブロック共重合体である請求項7記載のオレフィン系樹脂製垂れ幕、幟、幕または旗。
    プロピレン系ブロック共重合体:
    第一工程でエチレン単位の含有量が1.5〜6.0重量%のプロピレン−エチレン共重合体部分(a成分)を全重合量(a成分と下記b成分の合計)の40〜85重量%生成し、ついで第二工程でエチレン単位の含有量が7〜17重量%のプロピレン−エチレン共重合体部分(b成分)を全重合量(a成分とb成分の合計)の15〜60重量%生成して得られるブロック共重合体であって、かつb成分の極限粘度([η]b)が2〜5dl/g、b成分の極限粘度([η]b)とa成分の極限粘度([η]a)との比([η]b/[η]a)が0.5〜1.8のプロピレン系ブロック共重合体
  10. 請求項1に記載の積層体を高周波シールすることを特徴とするオレフィン系樹脂製垂れ幕、幟、幕または旗の製造方法。
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