JPH08323208A - 揮発性有機塩素化合物の分解触媒 - Google Patents

揮発性有機塩素化合物の分解触媒

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JPH08323208A
JPH08323208A JP7157152A JP15715295A JPH08323208A JP H08323208 A JPH08323208 A JP H08323208A JP 7157152 A JP7157152 A JP 7157152A JP 15715295 A JP15715295 A JP 15715295A JP H08323208 A JPH08323208 A JP H08323208A
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敏男 山口
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 揮発性有機塩素化合物を空気と水の存在下
で、濃度に関係なく効率よく揮発性有機塩素化合物を分
解でき、かつ長期間活性を維持することのできる触媒を
提供する。 【構成】 ジルコニアとチタニアからなる組成物にさら
にリンまたはホウ素のうち1種を含有させた三成分系酸
化物担体に、触媒成分として白金、パラジウム、ルテニ
ウムからなる群より選ばれた少なくとも1種を金属換算
で0.1〜5重量%相当量担持させたことを特徴とす
る。 【効果】 金属の脱脂工程やドライクリーニング等から
排出される排ガス、廃液中の揮発性有機塩素化合物の無
害化に使用でき、環境汚染防止策上きわめて有効であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は揮発性有機塩素化合物を
分解処理するための触媒に関し、さらに詳細には、揮発
性有機塩素化合物を触媒分解処理するため使用する触媒
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】揮発性有機塩素化合物としては、塩化メ
チレン、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、テト
ラクロロエチレン等があり、塩化メチレンやトリクロロ
エチレン等は電子部品および金属製品の脱脂工程やドラ
イクリーニング等に広く用いられている。揮発性有機塩
素化合物は、大気中に排出された場合、オゾン層にまで
到達して、太陽からの強い紫外線によって分解されて生
ずる塩素原子によりオゾン層を破壊する。オゾン層が破
壊されると、地表にまで到達する紫外線量が増大し、皮
膚癌、白内障害、動植物の生長阻害等を引き起こすた
め、地球環境の保護の観点から現在重大な問題となって
いる。また、揮発性有機塩素化合物には発癌作用があ
り、不法投棄による土壌汚染や地下水の汚染も問題化し
てきている。近年、環境衛生上の見地から、世界各国に
おいて法規制が実施され、揮発性有機塩素化合物および
これらを含む廃液等は厳しい管理が要求されており、揮
発性有機塩素化合物の無害化処理技術が強く望まれてい
る。従来、塩化メチレン、トリクロロエチレン、テトラ
クロロエチレン等の揮発性有機塩素化合物の処理の方法
としては、活性炭、ゼオライト等で吸着して回収する方
法が知られているが、回収した揮発性有機塩素化合物の
無害化処理方法に関しては考慮がなされていなかった。
【0003】最近になり、揮発性有機塩素化合物の分解
して無害化する方法として、熱分解法、光分解法、接触
分解法等が提案されている。このうち接触分解法は、熱
分解法が装置が大掛かりで、処理コストが高い等の問題
があるのに対して、簡便な方法であって、また低濃度か
ら高濃度までの揮発性有機塩素化合物を含む気体に対し
て有効である等の理由から、特に注目されている。この
接触分解法においては、アルミナ、シリカ、ゼオライ
ト、チタニア、ジルコニア等の無機酸化物を単独あるい
は組み合わせからなる担体に、銅、クロム、鉄、白金、
パラジウム等を触媒成分として担持させて得た触媒を用
い、これとトリクロロエチレン等の揮発性有機塩素化合
物とを水と酸素または空気の存在下で、400〜500
℃において接触させる方法が採られており、この方法は
特開昭50−2669号公報、特開平3−12221号
公報、特開平3−47516号公報等で紹介されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に触媒を用いたガ
スの触媒反応では、高い空間速度SV(単位時間当りの
ガス流量/触媒の体積)、速いLV(線速度)といった
条件下で反応を行わせることが求められている。このた
めには、該反応に用いる触媒は固体酸性が高く、活性点
の数が多いことが望ましく、揮発性有機塩素化合物を接
触分解する触媒は、特に塩化水素に対する耐酸性が優れ
ていることが重要とである。これらの点より上記に紹介
された触媒を考察すると、触媒の耐酸性を考慮してジル
コニア、チタニアおよびチタニアージルコニア二成分系
酸化物担体が有望であるが、該担体に白金、パラジウム
等の触媒成分を担持した触媒では、初期活性は高いもの
の長期間に亘り当該活性を維持することはできない。一
方耐酸性に優れ、かつ固体酸性を高める成分を添加させ
た触媒担体についての検討は未だなされていない。
【0005】本発明は、上記状況を考慮してなされたも
のであり、その目的は揮発性有機塩素化合物を空気と水
の存在下で、濃度に関係なく効率よく揮発性有機塩素化
合物を分解でき、かつ長期間活性を維持することのでき
る触媒を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決し、上
記の目的を達成するために、本発明者らは、揮発性有機
塩素化合物を分解することにより生ずる塩化水素に対す
る耐酸性を持つ、チタニアージルコニア二成分系酸化物
担体においてその固体酸性度を高め、かつ耐酸性を保持
できる第3成分について着目して鋭意研究した結果、チ
タニアージルコニア二成分系酸化物組成物に、第3成分
としてリンまたはホウ素を添加した三成分系酸化物担体
に、触媒成分として従来から提案されていた貴金属を担
持させることにより、得られた触媒は揮発性有機塩素化
合物をきわめて効率よく分解することを見出だし、本発
明を完成するに至った。すなわち、上記課題を解決する
本発明の触媒は、担体を、ジルコニアとチタニアからな
る組成物にさらにリンまたはホウ素を含有させた三成分
系酸化物担体とし、かつ触媒成分として白金、パラジウ
ム、ルテニウムからなる群より選ばれた少なくとも1種
を金属換算で0.1〜5重量%相当量担持した触媒であ
って、該三成分系酸化物担体がリンをPOとしてまた
はホウ素をBとして2〜5重量%相当量、ジルコ
ニアを25〜50重量%含み、残部が実質的にチタニア
からなるものである。
【0007】
【作用】本発明の要旨とするところは、特定の組成比を
有するジルコニア(ZrO)とチタニア(TiO
とからなる二成分系酸化物組成物に、さらに第3成分と
してリンまたはホウ素を含有させた担体、詳しくはリン
をPOとしてまたはホウ素をBとして2〜5重
量%、ジルコニアを25〜50重量%含み、残部が実質
的にチタニアからなる三成分系酸化物担体に、触媒成分
として白金、パラジウム、ルテニウムからなる群より選
ばれた少なくとも1種を担持した場合に、低濃度から高
濃度まで揮発性有機塩素化合物を効率よく分解する効果
が最も優れていることを見出したことにある。本発明の
詳細およびその作用についてさらに具体的に説明すると
次の通りである。
【0008】本発明において、リンとジルコニアとチタ
ニアからなる三成分系酸化物担体(以後、「リンージル
コニアーチタニア担体」と略す)は、例えば混合法など
の一般的な触媒担体の製造方法によって製造し得るもの
である。すなわち、メタチタン酸水和物ケーキに、触媒
担体としたときにジルコニアの含有量が25〜50重量
%、リンの含有量がPOとして2〜5重量%となるよ
うに、水酸化ジルコニウム粉体と、オルトリン酸溶液
と、成型助剤とを加え捏和して、成型、乾燥、さらに焼
成することでリンージルコニアーチタニア担体を製造す
ることができる。一方、ホウ素とジルコニアとチタニア
からなる三成分系酸化物担体(以後、「ホウ素ージルコ
ニアーチタニア担体」と略す)も、例えば混合法などの
一般的な触媒担体の製造方法によって製造し得るもので
ある。すなわち、メタチタン酸水和物ケーキに、触媒担
体としたときにジルコニアの含有量が25〜50重量
%、ホウ素の含有量がBとして2〜5重量%とな
るように、水酸化ジルコニウム粉体と、オルトホウ酸、
メタホウ酸、四ホウ酸等のホウ酸或は該ホウ酸水溶液
と、成形助剤とを加え捏和して、成型、乾燥、さらに焼
成することでホウ素−ジルコニアーチタニア担体を製造
することができる。
【0009】本発明において用いられるメタチタン酸水
和物ケーキは、酸化チタンの製造方法として広く知られ
ている硫酸法によるチタニア製造の際の中間体であるメ
タチタン酸水和物スラリーを濾過・洗浄することによっ
て得られる。
【0010】本発明の担体において、リンの含有量をP
としてまたはホウ素の含有量をBとして2〜
5重量%、ジルコニアの含有量を25〜50重量%と
し、残部が実質的にチタニアとするのは、この範囲外で
は低濃度から高濃度までの揮発性有機塩素化合物を長時
間安定した分解活性を維持することができないからであ
る。
【0011】成型助剤としては、チタニアゾル、硝酸ジ
ルコニウム溶液、炭酸ジルコニウムアンモニウム溶液等
を添加することで成型した担体の破壊強度を高めること
ができ、セルロース系の有機物を添加することで成型性
を改善することができる。本発明で用いる成型助剤は、
触媒担体を製造するのに用いられる通例のものでよく、
特に限定されるものではないが、焼成後に本発明の組成
以外の無機物が残存しないものであることが望ましい。
【0012】本発明の三成分系酸化物担体の形状は一般
に触媒担体として用いられている粉状、球状、円筒状、
三つ葉状、四つ葉状、ハニカム状、螺旋状等でよく、触
媒反応に適した形状を適宜選択することができる。
【0013】また、成型体を焼成して担体を得る際に、
該成型体の焼成温度を400〜600℃の範囲とするこ
とが好ましい。焼成温度が高すぎすとチタニアはアナタ
ーゼ構造からルチル構造に熱転移し、ジルコニアは準安
定正方晶系から単斜晶系に熱転移し、強いては得られる
担体の比表面積が減少するからである。本発明の触媒
は、このようにして得られたリンージルコニアーチタニ
ア三成分系酸化物担体またはホウ素−ジルコニアーチタ
ニア三成分系酸化物担体に白金、パラジウム、ルテニウ
ム等の触媒成分を担持し、次いで80〜110℃の温度
で乾燥し、400〜600℃で焼成して製造する。
【0014】上記担体に触媒成分を担持させるために
は、触媒成分の塩溶液、すなわち白金塩、パラジウム
塩、またはルテニウム塩水溶液を準備し、所望量の触媒
成分を担持できるように濃度を調整した触媒塩水溶液中
に上記担体を含浸し触媒成分を吸収させるか、或は前記
所望量の触媒成分を溶解させた水溶液全量を吸着させる
ことで担持することができる。
【0015】本発明の触媒において、分解活性の高い触
媒を得るために担持される白金、パラジウム、ルテニウ
ム等の触媒成分の担持量を金属換算で0.1〜5重量%
とするのは、触媒成分の担持量が0.1重量%未満であ
ると十分な分解活性が得られず、一方5重量%を超えて
も活性向上に対する効果に差がないからであり、経済性
を考慮すると前記の範囲を超えて担持する必要はないか
らである。本発明の触媒が低濃度から高濃度までの揮発
性有機塩素化合物をきわめて効率よく分解できるのは、
固体酸の酸性点に水分子が吸着してブレンステッド酸型
の活性を発揮し、揮発性有機塩素化合物から塩素を引き
抜き、分解する機能が向上することによる。この理由に
ついては、担体を構成する3つの成分の相乗効果により
活性点の数が増したために分解活性を向上させることが
できたのではないかと思われる。
【0016】
【実施例】以下に本発明の実施例を比較例とともに述べ
る。
【0017】実施例1〜3: (1)担体の調製 まず、チタニアとして40重量%、SOとして5.7
重量%を含んだメタチタン酸スラリー(チタン工業社
製)1.5kgに、SOを除去するために濃度7%の
アンモニア水50リットルを加え、十分撹拌を行った
後、濾過する操作を3回繰り返し、チタニアとして15
重量%、SOとして0.5重量%を含むメタチタン酸
ケーキを得た。次に、このメタチタン酸ケーキ1967
g(チタニアとして295g)と、ジルコニアとして3
5.5重量%を含む水酸化ジルコニウム粉体(日本軽金
属社製)493g(ジルコニアとして175g)と、濃
度が85重量%のオルトリン酸溶液18.2g(PO
として15g)とを加温ジャケット付ニーダー中で捏和
し、次いでこの捏和物に、成型助剤としてチタニアを6
重量%を含むチタニアゾル(多木化学社製)250g
(チタニアとして15g)と、アビセル(商品名、旭化
成社製)15gと、メトロース(商品名、信越化学社
製)7gとを加え、十分可塑化するまでさらに捏和し
た。なお、捏和物の500℃での強熱減量は62%であ
った。次に、該捏和物を製丸機にて直径2mmφのビー
ドに造粒し、100℃の温度で15時間乾燥した後、5
00℃で2時間焼成して、リンをPOとして3重量
%、ジルコニア(ZrO)を35重量%含み、残部が
実質的にチタニア(TiO)からなるリンージルコニ
アーチタニア担体AAを得た。一方、上記のメタチタン
酸ケーキ1967gに対する水酸化ジルコニウム粉体を
オルトリン酸溶液の加入量の組み合わせを、それぞれ3
04gと15.7g、930gと24.0gと変化させ
たことを以外は上記手順と同様の手順を用いて、上記担
体AAとジルコニアの含有量の異なる(リンの含有量は
同一で、チタニアの含有量が異なる)担体AB、ACを
得た。担体AA、AB、ACの組成をそれぞれ表1に示
す。
【0018】(2)触媒の調製 塩化白金酸2.0gを水30ミリリットルに溶解し、担
体の吸水量に見合う液量に水で液量調節を行った含浸溶
液を、担体AA、AB、AC、それぞれ150gに含浸
させ、110℃で15時間乾燥し、次いで500℃で2
時間焼成して触媒KK、KL、KMを得た。触媒KK、
KL、KM共に白金の担持量は0.5重量%である。
【0019】(3)触媒の評価 触媒充填量50ミリリットルの固定床流通反応装置に、
得られた触媒KK、KL、KMをそれぞれ充填し、トリ
クロロエチレンを2000ppm、5000ppmおよ
び10000ppmを含む空気に水を10体積%添加し
ながら、反応温度を350℃、空間速度SV=5000
hr−1で触媒層を通過させてトリクロロエチレンの分
解反応を行った。なお、上記反応は発熱反応のため、反
応温度350℃で設定してもトリクロロエチレンの濃度
を高めると酸化熱が発生し、トリクロロエチレンの濃度
が5000ppmのときの触媒の温度は400℃に、1
0000ppmのときは500℃までに温度が上昇し
た。各トリクロロエチレン濃度に対して、反応を開始
後、100時間経過後の各触媒の性能評価結果を表1に
示した。なお、処理ガスの分析は島津製作所社製のガス
クロマトグラフを用いてガスクトマト法により分析し
た。表1に示すように触媒KK、KL、KMは、用いた
リンージルコニアーチタニア担体のリンの含有量が3種
ともPOとして3重量%で、ジルコニアの含有量がそ
れぞれ35重量%、25重量%、50重量%と本発明の
組成範囲内であり、低濃度から高濃度までトリクロロエ
チレンを99.9%以上の分解率で、長時間にわたり効
率良く分解し無害化できた。なお、99.9%以上の分
解率を有していない場合は作業環境基準の管理濃度を十
分に満足することができないのである。
【0020】比較例1と2: (1)担体の調製 メタチタン酸ケーキ1967gに加える、水酸化ジルコ
ニウム粉体とオルトリン酸溶液の加入量の組み合わせ
を、それぞれ101gと13g、1417gと30.5
gと変化させたこと以外は実施例1に示す方法と同様の
手順でリンージルコニアーチタニア担体のAG、AHを
得た。担体AG、AHの組成をそれぞれ表1に示す。 (2)触媒の調製 実施例1に示す方法と同様の方法により上記担体AG、
AHに白金を担持し、触媒KQ、KRを作製した。白金
の担持量は0.5重量%である。 (3)触媒の評価 触媒KQ、KRを用いて実施例1と同様の試験を行った
結果を表1に示す。触媒KQ、KRは、用いたリンージ
ルコニアーチタニア担体のジルコニアの含有量がそれぞ
れ10重量%、60重量%と本発明の範囲外であり、ト
リクロロエチレンの分解率は低濃度でも高濃度でも9
9.9%を下回っている。
【0021】実施例4と5: (1)担体の調製 メタチタン酸ケーキ1967gに加える、水酸化ジルコ
ニウム粉体とオルトリン酸溶液の加入量の組み合わせ
を、それぞれ485gと11.9g、510gと31.
3gと変化させたこと以外は実施例1に示す方法と同様
の手順でリンージルコニアーチタニア担体AD、AEを
得た。担体AD、AEの組成をそれぞれ表1に示す。 (2)触媒の調製 実施例1に示す方法と同様の方法により上記担体AD、
AEに白金を担持し、触媒KN、KOを作製した。白金
の担持量は0.5重量%である。 (3)触媒の評価 触媒KN、KOを用いて実施例1と同様の試験を行った
結果を表1に示す。触媒KN、KOは、用いたリンージ
ルコニアーチタニア担体のリンの含有量がPO換算で
それぞれ2重量%、5重量%で、ジルコニアの含有量が
35重量%と本発明の範囲内であり、低濃度から高濃度
までトリクロロエチレンを99.9%以上の分解率で、
長時間にわたり効率良く分解し無害化できた。
【0022】比較例3〜5: (1)担体の調製 メタチタン酸ケーキ1967gに加える、水酸化ジルコ
ニウム粉体とオルトリン酸溶液の加入量の組み合わせ
を、それぞれ479gと5.9g、527gと45.4
gと変化させたこと以外は実施例1と同様な手順でリン
−ジルコニア−チタニア担体AI、AJを得た。またリ
ンを全く含まない担体としてメタチタン酸ケーキ196
7gにオルトリン酸溶液を加えず、水酸化ジルコニウム
粉体を470g加入したこと以外は実施例1に示す方法
と同様の手順で、ジルコニアーチタニア二成分系酸化物
担体AFを得た。担体AI、AJ、AFの組成をそれぞ
れ表1に示す。 (2)触媒の調製 実施例1に示す方法と同様の方法により上記担体AI、
AJ、AFに白金を担持し、触媒KS、KT、KPを作
製した。白金の担持量は0.5重量%である。 (3)触媒の評価 触媒KS、KT、KPを用いて実施例1と同様の試験を
行った結果を表1に示す。触媒KS、KTは、用いたリ
ンージルコニアーチタニア担体のリンの含有量がPO
換算でそれぞれ1重量%、7重量%と本発明の範囲外で
あり、触媒KPに至ってはリンを全く含まないジルコニ
アーチタニア二成分系酸化物担体を用いた触媒である。
表1に示すように、トリクロロエチレンの分解率は低濃
度でも高濃度でも99.9%を下回っている。
【0023】実施例6〜8: (1)担体の調製 担体としては、実施例1に示す担体AAと同じものを用
意した。 (2)触媒の調製 塩化白金酸1.0g、4.0g、12.0gをそれぞれ
水30ミリリットルに溶解し、担体の吸水量に見合う液
量に水で液量調節を行った含浸溶液を実施例1で得たリ
ンージルコニアーチタニア担体AAの各々150gにそ
れぞれ含浸させ、110℃で15時間乾燥し、次いで5
00℃で2時間焼成して触媒KU、KV、KWを得た。 (3)触媒の評価 触媒KU、KV、KWを用いて実施例1と同様の試験を
行った結果を表1に示す。触媒KU、KV、KWは、本
発明の範囲のリンージルコニアーチタニア担体に白金を
Ptとしてそれぞれ0.25重量%、1.0重量%、
3.0重量%相当量担持した触媒であり、低濃度から高
濃度までトリクロロエチレンを99.9%以上の分解率
で、長時間にわたり効率良く分解し無害化できた。
【0024】
【表1】
【0025】実施例9〜11: (1)担体の調製 実施例1で用いたオルトリン酸溶液に変えてオルトホウ
酸26.5g(Bとして15g)を用いた以外は
実施例1と同じ組成で、かつ同一手順で得られた捏和物
を、製丸機にて直径2mmφのビードに造粒し、100
℃の温度で15時間乾燥した後、500℃で2時間焼成
して、ホウ素をBとして3重量%、ジルコニア
(ZrO)を35重量%含み、残部が実質的にチタニ
ア(TiO)からなるホウ素ージルコニアーチタニア
担体BAを得た。一方、上記のメタチタン酸ケーキ19
67gに対する水酸化ジルコニウム粉体をオルトホウ酸
の加入量の組み合わせを、それぞれ304gと22.8
g、930gと34.0gと変化させたことを以外は上
記手順と同様の手順を用いて、上記担体BAとジルコニ
アの含有量の異なる(ホウ素の含有量は同一で、チタニ
アの含有量が異なる)担体BB、BCを得た。担体B
A、BB、BCの組成をそれぞれ表2に示す。 (2)触媒の調製 塩化白金酸2.0gを水30ミリリットルに溶解し、担
体の吸水量に見合う液量に水で液量調節を行った含浸溶
液を、担体BA、BB、BCそれぞれ150gに含浸さ
せ、110℃で15時間乾燥し、次いで500℃で2時
間焼成して触媒LK、LL、LMを得た。触媒LK、L
L、LMともに白金の担持量は0.5重量%である。 (3)触媒の評価 実施例1と同様な試験を行った結果、表2に示すように
触媒LK、LL、LMは、用いたホウ素ージルコニアー
チタニア担体のホウ素の含有量が3つともBとし
て3重量%であって、またジルコニアの含有量もそれぞ
れ35重量%、25重量%、50重量%と本発明の組成
範囲内であり、低濃度から高濃度までトリクロロエチレ
ンを99.9%以上の分解率で、長時間にわたり効率良
く分解し無害化できた。
【0026】比較例6と7: (1)担体の調製 メタチタン酸ケーキ1967gに加える、水酸化ジルコ
ニウム粉体とオルトホウ酸の加入量の組み合わせを、そ
れぞれ101gと18.9g、1417gと44.2g
と変化させたこと以外は実施例9に示す方法と同様の手
順でホウ素ージルコニアーチタニア担体BG、BHを得
た。担体BG、BHの組成をそれぞれ表2に示す。 (2)触媒の調製 実施例9に示す方法と同様の方法により上記担体BG、
BHに白金を担持し、触媒LQ、LRを作製した。白金
の担持量は0.5重量%である。 (3)触媒の評価 触媒LQ、LRを用いて実施例1と同様の試験を行った
結果を表2に示す。触媒LQ、LRは、用いたホウ素ー
ジルコニアーチタニア担体のジルコニアの含有量がそれ
ぞれ10重量%、60重量%と本発明の範囲外であり、
トリクロロエチレンの分解率は低濃度でも高濃度でも9
9.9%を下回っている。
【0027】実施例12と13: (1)担体の調製 メタチタン酸ケーキ1967gに加える、水酸化ジルコ
ニウム粉体とオルトホウ酸の加入量の組み合わせを、そ
れぞれ485gと17.4g、510gと45.7gと
変化させたこと以外は実施例9に示す方法と同様の手順
でホウ素ージルコニアーチタニア担体BD、BEを得
た。担体BD、BEの組成をそれぞれ表2に示す。 (2)触媒の調製 実施例9に示す方法と同様の方法により上記担体BD、
BEに白金を担持し、触媒LN、LOを作製した。白金
の担持量は0.5重量%である。 (3)触媒の評価 触媒LN、LOを用いて実施例1と同様の試験を行った
結果を表2に示す。触媒LN、LOは、用いたホウ素ー
ジルコニアーチタニア担体のホウ素の含有量がB
換算でそれぞれ2重量%、5重量%であり、またジルコ
ニア含水量が35重量%と本発明の範囲内であり、低濃
度から高濃度までトリクロロエチレンを99.9%以上
の分解率で、長時間にわたり効率良く分解し無害化でき
た。
【0028】比較例8と9: (1)担体の調製 メタチタン酸ケーキ1967gに加える、水酸化ジルコ
ニウム粉体とオルトホウ酸の加入量の組み合わせを、そ
れぞれ470gと8.6g、527gと66.2gと変
化させたこと以外は実施例9に示す方法と同様の手順
で、ホウ素−ジルコニアーチタニア担体BI、BJを得
た。担体BI、BJの組成をそれぞれ表2に示す。 (2)触媒の調製 実施例9に示す方法と同様の方法により上記担体BI、
BJに白金を担持し、触媒LS、LTを作製した。白金
の担持量は0.5重量%である。 (3)触媒の評価 触媒LS、LTを用いて実施例1と同様の試験を行った
結果を表2に示す。触媒LS、LTは、用いたホウ素ー
ジルコニアーチタニア担体のホウ素の含有量がB
換算でそれぞれ1重量%、7重量%と本発明の範囲外で
あり、表2に示すように、トリクロロエチレンの分解率
は低濃度でも高濃度でも99.9%を下回っている。
【0029】実施例14〜16: (1)担体の調製 担体としては、実施例9に示す担体BAと同じものを用
意した。 (2)触媒の調製 塩化白金酸1.0g、4.0g、12.0gをそれぞれ
水30ミリリットルに溶解し、担体の吸水量に見合う液
量に水で液量調節を行った含浸溶液を実施例9で得たホ
ウ素ージルコニアーチタニア担体BAの各々150gに
それぞれ含浸させ、110℃で15時間乾燥し、次いで
500℃で2時間焼成して触媒LU、LV、LWを得
た。 (3)触媒の評価 触媒LU、LV、LWを用いて実施例1と同様の試験を
行った結果を表2に示す。触媒LU、LV、LWは、本
発明の組成範囲内のホウ素ージルコニアーチタニア担体
に白金をPtとしてそれぞれ0.25重量%、1.0重
量%、3.0重量%相当量担持した触媒であり、低濃度
から高濃度までトリクロロエチレンを99.9%以上の
分解率で、長時間にわたり効率良く分解し無害化でき
た。
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】以上述べた通り、本発明の触媒を揮発性
有機塩素化合物と水蒸気および空気共存下で接触させる
ことにより、低濃度から高濃度までの揮発性有機塩素化
合物を効率良く処理することができ、触媒の活性が長時
間安定しており実用的である。したがって、本発明の触
媒は金属の脱脂工程やドライクリーニング等から排出さ
れる排ガス、廃液中の揮発性有機塩素化合物の無害化に
使用でき、環境汚染防止策上きわめて有効である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジルコニアとチタニアからなる組成物に
    さらにリンまたはホウ素のうち1種を含有させた三成分
    系酸化物担体に、触媒成分として白金、パラジウム、ル
    テニウムからなる群より選ばれた少なくとも1種を金属
    換算で0.1〜5重量%相当量担持させたことを特徴と
    する揮発性有機塩素化合物の分解触媒。
  2. 【請求項2】 前記三成分系酸化物担体がリンをPO
    換算でまたはホウ素をB換算で2〜5重量%、ジ
    ルコニアを25〜50重量%含み、残部が実質的にチタ
    ニアからなることを特徴とする請求項1記載の揮発性有
    機塩素化合物の分解触媒。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100371905B1 (ko) * 1999-12-28 2003-02-11 주식회사 코캣 휘발성 유기화합물 저온 제거 촉매
JP2010029786A (ja) * 2008-07-29 2010-02-12 Sumitomo Chemical Co Ltd 酸化物及びその製造方法、並びに塩素の製造方法

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