JPH08321013A - 磁気ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

磁気ヘッド及びその製造方法

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JPH08321013A
JPH08321013A JP12988795A JP12988795A JPH08321013A JP H08321013 A JPH08321013 A JP H08321013A JP 12988795 A JP12988795 A JP 12988795A JP 12988795 A JP12988795 A JP 12988795A JP H08321013 A JPH08321013 A JP H08321013A
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JP
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magnetic
film
films
sliding surface
permeability
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JP12988795A
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English (en)
Inventor
Koichi Hara
浩一 原
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Original Assignee
Canon Electronics Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 MI素子(磁気インピーダンス効果を利用し
た磁気検出素子)を用いた再生用の磁気ヘッドであっ
て、磁気記録情報の再生と略一様な磁界の検出とを高感
度に行なえる構成を提供する。 【構成】 先端面が媒体摺動面2aとして形成された非
磁性基板3上に、MI素子本体として高透磁率磁性膜
5,6が摺動面2aから離間して配置され、絶縁膜を介
して摺動面側にギャップが形成された閉磁路を構成す
る。高透磁率磁性材からなるリード膜13,15が絶縁
膜を介し磁性膜5,6の摺動面側端部に重なって摺動面
まで延びている。磁性膜5,6に導電膜からなる3つの
電極10〜12が接続されている。再生時には電極1
0,12を介し磁性膜5,6の両方に高周波のドライブ
電流が流され、一様磁界の検出時には電極10,11を
介して磁性膜5のみにドライブ電流が流される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体に磁気記
録された情報の再生を行なう再生用の磁気ヘッド及びそ
の製造方法に関し、特に磁気インピーダンス効果を利用
した磁気検出素子を用いた再生用の磁気ヘッド及びその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近のディジタル磁気記録機器は小型化
が進み、例えば、コンピュータの外部記憶装置のハード
ディスクや、ディジタルオーディオのディジタルコンパ
クトカセット(DCC)に於いて、従来の誘導型の磁気
ヘッドではトラック幅及び相対速度の減少によるS/N
の低下が生じるため、再生ヘッドに磁気抵抗効果素子
(以下、MR素子と略す)が使われている。しかしMR
素子は媒体の速度依存性が無く、低速での出力の取り出
しに向いているが、抵抗変化率が数%しかないため、将
来の高密度化の為には更に感度の高い素子の開発が望ま
れている。
【0003】そこで、最近注目を集めているのが、磁気
インピーダンス効果を利用した磁気検出素子(以下、M
I素子という)であり、磁性体に数MHz帯域の高周波
電流を流し、その両端の電圧の振幅が数ガウスの微小磁
界で数十%変化する現象を利用したものである。
【0004】この素子の利点は、磁性体の長さ方向に励
磁しないため反磁界の影響が無く、素子の長さを1mm
以下程度に短くでき小型化に適していること、また、磁
束検出の分解能が、MR素子が0.1Oeの低感度に対
して、10-5Oe程度の高感度が得られることである。
また、インピーダンス変化量もMR素子が3%程度に対
しMI素子は数10%オーダーの変化が得られる。
【0005】インピーダンスの変化率は、素子本体の磁
性体の比抵抗に関わる渦電流(表皮深さ)、磁性体の厚
さ、そしてドライブ電流の周波数により決まる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、例えばMI
素子本体の磁性体を略長方形の高透磁率磁性膜としてM
I素子の磁路が開いた形態で使用すると、磁気記録媒体
(以下、媒体と略す)の磁気記録による微小磁化の磁界
を検出して磁気記録情報の再生を行なう場合、以下に述
べるような問題が生ずる。
【0007】すなわち、通常MR素子は素子本体の磁性
体を数百オングストロームの厚さで機能させるのに対し
MI素子は渦電流の効果を使うためにミクロンオーダー
の厚さが必要であり、性能上でインピーダンスをある程
度の大きさを得るためには、MI素子の方が素子本体の
磁性体の長さを必要とする。実際の長さとして、MR素
子が100μm以下でも機能できるのに対しMI素子は
100μm以下で機能させるのは困難である。
【0008】しかし、媒体の記録波長が短くなると、媒
体の記録磁化から発生する磁束が出にくくなり、素子本
体が例えば略長方形のMI素子では、媒体からの磁束を
素子本体の奥深くまで導くことが困難となる。このこと
は磁路がオープンの形態では感度の高いMI素子もその
能力が生かせないことを意味する。
【0009】そこで、MI素子の能力を生かすための方
法としては、媒体からの磁束が素子本体の磁性体に十分
に印加されるように、閉磁路の構造をとることになる
が、その場合、以下の点を満足する必要がある。
【0010】1)MI素子本体の磁性体にはドライブ電
流を流すため、磁気ヘッドの媒体摺動面にMI素子本体
をそのまま露出させると、蒸着媒体の様な金属媒体では
媒体を通じてドライブ電流が流れ出てしまう恐れがあ
る。
【0011】2)磁気ヘッドの媒体摺動面にMI素子本
体の先端面を露出させる構成では、その先端面の幅と厚
さが磁気ヘッドのトラック幅、磁気ギャップ幅となる
が、その必要とされる寸法はMI素子の特性最適化の為
の断面の寸法と一致しない。
【0012】例えば短波長磁化の再生では、サブμm程
度の厚さが必要になるが、その厚さでは渦電流が稼げず
機能面では数μmの厚さが要求され、両者を一致させる
ことが困難である。
【0013】3)生産性に優れていること。
【0014】そこで本発明の課題は、MI素子の能力を
生かす閉磁路の構造と、磁路がオープンの構造とを兼ね
備えた磁気ヘッドであって、上記の点を満足し、高感度
で磁気記録情報の再生を行え記録の高密度化に対応でき
るとともに、比較的大きな磁石などによる略一様な磁界
の検出も高感度に行なえる磁気ヘッド及びその製造方法
を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明によれば、磁気インピーダンス効果を利用し
た磁気検出素子を用いた再生用の磁気ヘッドであって、
先端面が磁気記録媒体摺動面として形成された非磁性基
板と、該基板上で前記摺動面から離間して前記摺動面に
対し略垂直に配置され、絶縁膜を介して前記摺動面側に
ギャップが形成された閉磁路を構成する略長方形の2層
の高透磁率磁性膜からなる磁気検出素子本体と、それぞ
れ絶縁膜を介して前記2層の高透磁率磁性膜の前記摺動
面側端部のそれぞれに重なって互いに絶縁膜を挟んで対
向し前記摺動面まで延びる高透磁率磁性材からなる2層
のリード膜と、それぞれ前記2層の高透磁率磁性膜の前
記摺動面側端部と、一方の高透磁率磁性膜の前記摺動面
と反対側の端部に接続された導電膜からなる3つの電極
を有し、前記3つの電極を介して前記2層の高透磁率磁
性膜の両方または一方のみに高周波電流を印加し、外部
磁界による前記2層の高透磁率磁性膜の両方または一方
のみのインピーダンス変化を電気信号に変換して出力を
得るようにした構成を採用した。
【0016】また、この磁気ヘッドの製造方法であっ
て、非磁性基板上に、前記磁気検出素子本体の2層の高
透磁率磁性膜と2層のリード膜のそれぞれを形成するた
めの高透磁率磁性膜のそれぞれと、前記3つの電極のそ
れぞれを形成するための導電膜のそれぞれと、各膜間の
絶縁を行なう絶縁膜のそれぞれとを積層して成膜する工
程と、該工程後に、前記各膜の積層をエッチングし、前
記磁気検出素子本体、リード膜、電極、絶縁膜からなる
磁気検出素子のパターンを所定間隔で複数形成する工程
と、該工程後に、前記非磁性基板上に他の非磁性基板を
接合し、ヘッドブロックを得る工程と、前記ヘッドブロ
ックを所定間隔で切断して複数の磁気ヘッドを得る工程
とを有する方法を採用した。
【0017】
【作用】上記本発明の磁気ヘッドの構成において、媒体
の微小磁化の磁界を検出して再生を行なう場合、2層の
高透磁率磁性膜の両方に高周波電流を流す。媒体の微小
磁化の磁界の磁束は媒体摺動面から2層のリード膜を介
して2層の高透磁率磁性膜に印加される。2層の高透磁
率磁性膜は閉磁路を構成しているので、磁束はその閉磁
路を流れ、2層の高透磁率磁性膜に充分に印加される。
そして、その磁束による2層の高透磁率磁性膜の両方の
インピーダンス変化を電気信号に変換して出力を得て再
生を行なうことができる。
【0018】ここで2層の高透磁率磁性膜は媒体摺動面
から離間しており、媒体摺動面に露出するリード膜は絶
縁膜により高透磁率磁性膜と絶縁されているので、高周
波電流が媒体側に流出することはない。また、上記磁気
ヘッドの構成によれば、磁気検出素子本体の2層の高透
磁率磁性膜と2層のリード膜とは別体であり、それぞれ
の幅、厚さ等を別々に設定できるので、2層の高透磁率
磁性膜は磁気検出素子本体の特性に最適な幅、厚さを自
由に選択でき、リード膜は要求されるトラック幅とギャ
ップ幅に対応して幅、互いの間の距離を最適に選択でき
る。従って、高感度で良好に再生を行なうことができ
る。
【0019】また、略一様な磁界を検出するときは、2
層の高透磁率磁性膜の一方に高周波電流を流す。一様な
磁界の磁束は2層の高透磁率磁性膜のそれぞれの全長に
わたって充分に印加され、その磁束に応じた前記一方の
高透磁率磁性膜のインピーダンス変化を電気信号に変換
して出力を得ることができる。前記一方の高透磁率磁性
膜の有効長は非磁性基板上で充分に確保できるので、高
感度に検出を行なうことができる。
【0020】また、上記本発明の製造方法によれば、1
つのヘッドブロックから多数の磁気ヘッドを1度に得る
多数個取りが可能である。
【0021】
【実施例】以下、図を参照して本発明の実施例を説明す
る。
【0022】[第1実施例]図1及び図2は本発明の磁
気ヘッドの第1実施例の構造を説明するものである。
【0023】図1において、1は媒体(磁気テープ)で
あり、2は媒体1に磁気記録された情報の再生を行う本
実施例の磁気ヘッドであり、その先端面が媒体1と摺動
接触する媒体摺動面2aとして形成されている。
【0024】磁気ヘッド2は、非磁性基板3,4、MI
素子本体を構成する2層の高透磁率磁性膜(以下、磁性
膜と略す)5,6、この磁性膜5,6に外部磁界の磁束
を導くリード膜13,15、磁性膜5,6に高周波のド
ライブ電流を印加し出力を得るための端子としての電極
10,11,12、及び前記の各膜間の絶縁を行なうた
めの図2に示された絶縁膜7,8,9,16,17から
構成される。
【0025】非磁性基板3,4の先端面が媒体摺動面2
aとして形成され、非磁性基板3の媒体摺動面2aに対
し垂直な表面に、図2に示されているように、順に電極
10,絶縁膜7,磁性膜5,絶縁膜16と電極11,リ
ード膜13,絶縁膜8,リード膜15,絶縁膜17,磁
性膜6,絶縁膜9,電極12が積層され、その上に不図
示の溶着用のガラスを介して非磁性基板4が接合され
る。
【0026】磁性膜5,6は、高透磁率のFe−Co−
B系アモルファス磁性膜やFe−Ta−N系、Fe−T
a−C系等の微結晶膜として真空成膜技術を使用して形
成され、媒体摺動面2aに対し垂直な非磁性基板3の表
面において、媒体摺動面2aからわずかに離間した位置
に設けられ、媒体摺動面2aに対し垂直に所定の長さD
s、Ds′と幅Wsの長方形で所定の厚さTs,Ts′
に形成されている。厚さTs、Ts′はドライブ電流の
最適周波数を決定し、厚くなると周波数特性が悪くなる
ので20μm以下の厚さが望ましい。
【0027】磁性膜6は磁性膜5より短く形成され、絶
縁膜(非磁性膜)8を挟んで磁性膜5の先端部(媒体摺
動面2a側の端部)上に積層され、後端部が絶縁膜8の
後端面に沿って磁性膜5の中間部に接続されている。す
なわち、磁性膜5,6により、絶縁膜8を介して媒体摺
動面2a側にギャップが形成された閉磁路が構成されて
いる。また、磁性膜5,6は、磁化容易軸方向が図2
(b)中矢印の通り磁性膜5,6の幅方向、つまり磁性
膜5,6の膜面内で媒体摺動面2aに平行なトラック幅
方向になるように磁気異方性が付けられている。
【0028】リード膜13,15は、センダスト、パー
マロイ、アモルファス、微結晶膜等の高透磁率磁性膜か
らホームベース形状に形成され、互いに絶縁膜8を挟ん
で対向し、媒体摺動面2aの縁から図2(a)に示す所
定の長さDmで形成されており、その後端部の長さDg
の部分が薄い絶縁膜16,17を介して磁性膜5,6の
先端部(媒体摺動面2a側の端部)にそれぞれ重なり、
磁気的に接続されている。すなわちリード膜13,15
により上記の磁性膜5,6の閉磁路のギャップ側が媒体
摺動面2aまで延長されている。
【0029】リード膜13,15の長さDmは後述の理
由により150μm以下とする。リード膜13,15の
磁性膜5,6と重なる接続部の長さDgは、接続部の磁
気抵抗を下げるために必要であり、100μm以下に設
定するのが良い。また絶縁膜7,9,16,17の厚さ
Gm,Gm′も同様の理由で1μm以下が望ましい。
【0030】リード膜13,15の媒体摺動面2aに露
出する先端部間の距離であるギャップ幅Gwは、誘導型
磁気ヘッドの磁気ギャップの幅と同様に周波数特性を決
めるもので、媒体の最短記録ビット長以下1/2以上の
範囲が望ましい。また媒体摺動面2aに露出する先端の
幅であるトラック幅Twは再生のトラック幅にあたり磁
性膜5,6の幅Wsより絞り込まれている。
【0031】一方、電極10,11,12は、Cu,A
u等の導電膜として形成され、電極10は絶縁膜7を挟
んで磁性膜5の先端部に接続され、電極11は磁性膜5
の後端部に接続され、電極12は絶縁膜9を挟んで磁性
膜6の先端部に接続されている。このように磁性膜5の
先端部と後端部および磁性膜6の後端部から端子の電極
10,11,12が引き出され、3端子構造となってい
る。
【0032】また、電極10,11,12は磁性膜5,
6と幅が同じで略長方形に形成され、磁性膜5,6に沿
って磁性膜5,6の後端部側に引き出されており、非磁
性基板3より短い非磁性基板4の背後に電極12の後端
部、電極11の全部、電極10の後端部が端子として露
出する。それぞれの露出部分は位置がずれており、面積
を確保できるので、ワイヤー等の接続による端子からの
引き出しは容易に行なえる。
【0033】このような構成において、媒体に磁気記録
された微小磁化の磁界を検出して磁気記録情報の再生を
行なえるとともに、磁石などによる略一様な磁界を検出
することができる。
【0034】すなわち、媒体の微小磁化の磁界を検出し
て再生を行なう場合は、電極10,12間に高周波のド
ライブ電流を印加することにより磁性膜5,6の両方に
ドライブ電流を流す。媒体の微小磁化の磁界の磁束は媒
体摺動面2aからリード膜13,15を介して磁性膜
5,6に印加され、リード膜13,15と磁性膜5,6
により構成される閉磁路を流れ、磁性膜5,6に充分に
印加される。そして、その磁束による磁性膜5,6の両
方のインピーダンス変化により電極10,12間の電圧
が変化し、その電気信号が再生出力として取り出され
る。
【0035】ここで磁性膜5,6は媒体摺動面2aから
離間しており、媒体摺動面2aに露出するリード膜1
3,15は絶縁膜16,17により磁性膜5,6と絶縁
されているので、ドライブ電流が媒体側に流出すること
はない。また、磁性膜5,6とリード膜13,15とは
別体であり、それぞれの幅、厚さ等を別々に設定できる
ので、磁性膜5,6はMI素子本体の特性に最適な幅、
厚さを自由に選択でき、リード膜13,15は要求され
るトラック幅とギャップ幅に対応して先端の幅、互いの
間の距離を最適に選択できる。従って、高感度で良好に
再生を行なうことができる。
【0036】一方、略一様な磁界を検出するときは、電
極10,11間にドライブ電流を流して磁性膜5のみに
ドライブ電流を流す。一様な磁界の磁束は磁性膜5,6
のそれぞれの全長にわたって充分に印加され、その磁束
に応じて磁性膜5のインピーダンスが変化して電極1
0,11間の電圧が変化し、その電気信号が検出出力と
して取り出される。ここで磁性膜5の有効長は非磁性基
板3上で充分に確保できるので、高感度に検出を行なう
ことができる。
【0037】このように本実施例の磁気ヘッドでは媒体
の微小磁化の磁界の検出による磁気記録情報の再生と、
磁石などによる略一様な磁界の検出とを高感度に良好に
行なうことができる。
【0038】ところで上述したリード膜13,15の媒
体摺動面2aに垂直な方向の全長Dmを150μm以下
とする理由を述べておく。
【0039】リード膜の全長DmによるMI素子の出力
特性への影響を調べた。MI素子本体の磁性膜5,6に
はFe−Co−B膜を用い、寸法は幅Ws=0.2m
m、長さDs=1mm、厚さTs,Ts′=5μmに設
定した。リード膜13,15はセンダスト膜とし、磁性
膜5,6の先端部に厚さ0.3μmの絶縁膜16,17
を介して重なるように形成し、厚さを1μm、先端のト
ラック幅Twを60μmに選択した。そしてリード膜1
3,15の磁性膜5,6と重なる接続部の長さDgは5
0μmに固定し、リード膜13,15の全長Dmを異な
らせて出力特性への影響を調べた。その方法として、リ
ード膜13,15の先端に重なるように微小な長さ1m
mの磁石を媒体摺動面2aに置き、リード膜13,15
の長さDmを変えたサンプルのそれぞれの出力を測定
し、その磁石の有無による外部磁界の印加の有無での電
極10,12間の電圧の変化量を比較した。
【0040】その結果を図3に示す。DmからDgの長
さを引いた値で見て、数値が大きくなると変化量は小さ
くなる傾向が現れているが、Dm−Dg=0を基準に出
力−1dBを許容の目安とするとDm−Dg=100μ
m以下、すなわちDm=150μm以下が必要になる。
それ以上は急激な出力低下となり、磁石の磁束が十分に
引き込めなくなりリード膜13,15の機能が低下する
ことが判る。このようなことからリード膜13,15の
全長Dmを150μm以下とした。
【0041】次に、本実施例の磁気ヘッドの製造方法に
ついて、図4〜図7を用いて説明する。
【0042】まず図4(a)に示すように、非磁性材で
ある結晶化ガラス、セラミック等からなる長方形の非磁
性基板30の表面に平面研磨を行う。この非磁性基板3
0は先述の実施例の磁気ヘッドの非磁性基板3がトラッ
ク幅方向に複数個分連続したものに相当する。
【0043】次に図4(b)に示すように、先述のMI
素子本体にドライブ電流を印加するための電極10とな
るCu,Au膜等の導電膜100を真空成膜技術により
成膜する。
【0044】次に図4(c)に示すように、先述の絶縁
膜7となるSiO2,TiO2,Cr23等の酸化物の絶
縁膜70を真空成膜技術により厚さ1μm以下で所定幅
に形成する。
【0045】次に図4(d)に示すように、磁性膜5と
なるアモルファス、又は微結晶膜等の高透磁率磁性膜5
0を図2中の長さDsに相当する幅で形成する。この磁
性膜50は、MI素子本体として機能させるために、磁
化容易軸を矢印の方向に配向させる必要があり、その配
向は磁場中冷却や成膜時の入射角変更等により行う。
【0046】次に図4(e)に示すように、前述の磁性
膜5とリード膜13とを電気的に絶縁するための絶縁膜
16となるSiO2,TiO2,Cr23等の酸化物の絶
縁膜160を真空成膜技術により厚さ1μm以下で媒体
摺動面側となる図中手前側の側縁に沿って形成する。
【0047】次に図5(a)に示すように、先述の媒体
摺動面から磁性膜5に磁束を導くためのリード膜13と
なるセンダスト、パーマロイ、アモルファス等の高透磁
率の金属磁性膜130を図中手前側の側縁に沿って成膜
する。その幅は前述した図2中のDmであり、Dmは前
述した理由によりMI素子本体の磁性膜と重なる接続部
の長さDgを100μm以下で例えば50μmとして、
150μm以下とする。
【0048】次に図5(b)に示すように、先述のギャ
ップ幅Gwを決める絶縁膜8となるSiO2,TiO2
Cr23等の酸化物の絶縁膜80を真空成膜技術により
図中手前側の側縁に沿って形成する。この酸化物膜80
の厚さは、再生時の媒体の最短記録ビット長以下、1/
2以上が望ましい。
【0049】次に図5(c)に示すように、先述のMI
素子本体にドライブ電流を印加するための電極11とな
るCu,Au膜等の導電膜110を真空成膜技術により
成膜する。
【0050】次に図5(d)に示すように、先述の媒体
摺動面から磁性膜6に磁束を導くための第2のリード膜
15となるセンダスト、パーマロイ、アモルファス等の
高透磁率の金属磁性膜150を図中手前側の側縁に沿っ
て成膜する。その幅DmおよびMI素子本体の磁性膜と
重なる部分の幅Dgは図5(a)の金属磁性膜130と
同じとする。
【0051】次に図5(e)に示すように、磁性膜6と
リード膜15とを電気的に絶縁するための絶縁膜17と
なる、SiO2,TiO2,Cr23等の酸化物の絶縁膜
170を真空成膜技術により厚さ1μm以下で所定幅に
形成する。
【0052】次に図6(a)に示すように、磁性膜6と
なるアモルファス、又は微結晶膜等の高透磁率磁性膜6
0を図2中の長さDs′に相当する幅で奥側の縁が高透
磁率磁性膜50に接するように形成する。この磁性膜6
0は、MI素子本体として機能させるために、磁化容易
軸を矢印の方向に配向させる必要があり、その配向は磁
場中冷却や成膜時の入射角変更等により行う。
【0053】次に図6(b)に示すように、先述の絶縁
膜9となるSiO2,TiO2,Cr23等の酸化物の絶
縁膜90を真空成膜技術により厚さ1μm以下で所定幅
に形成する。
【0054】次に図6(c)に示すように、先述の磁性
膜5,6にドライブ電流を印加するための電極12とな
るCu,Au膜等の導電膜120を真空成膜技術により
成膜する。
【0055】この時点での断面は図6(d)の通り、非
磁性基板30上に下から導電膜100,絶縁膜70,磁
性膜50,絶縁膜160,金属磁性膜130,導電膜1
10と絶縁膜80,金属磁性膜150,絶縁膜170,
磁性膜60,絶縁膜90,導電膜120の順に積層され
ている。
【0056】次の工程では、不図示のレジスト膜を形成
後、図7(a)の通り、媒体摺動面におけるトラック幅
TwとMI素子の幅Wsが残るようにして、真空技術の
ドライエッチング又は化学的なウエットエッチング等に
より、上記各膜の積層をエッチングし、前述の磁性膜
5,6、電極10,11,12、リード膜13,15、
絶縁膜7,8,9,16,17からなるMI素子18の
パターンをトラック幅方向に所定間隔で複数形成する。
【0057】その上に露出させるべき電極部を除くよう
に、不図示の低融点ガラス膜を図中前半部に真空成膜技
術で成膜しておき、その上に図7(b)に示すように、
非磁性基板30と同材質で幅の狭い非磁性基板40を基
板30の表面上に重ねガラス接合し、ヘッドブロック2
0を得る。基板40は勿論、基板4となるものである。
【0058】そして、図7(c)の通り、ヘッドブロッ
ク20の媒体摺動面となる手前側の面を円筒研削した
後、点線で示す通りトラック幅となる長手方向に所定間
隔でヘッドブロック20を切断することにより、本実施
例の磁気ヘッドが一度に多数個得られる。
【0059】以上のように多数個取りが可能であり、本
実施例の磁気ヘッドを安価に製造することができる。
【0060】[第2実施例]上記第1実施例では、非磁
性基板3上に磁性膜5,6、絶縁膜7,8,9,16,
17、電極10,11,12、リード膜13,15から
なるMI素子18を1個だけ設けた1トラックの磁気ヘ
ッドとしたが、図8に第2実施例として示す通り、非磁
性基板3上にMI素子18をトラック幅方向に所定間隔
で複数設けてマルチトラックの磁気ヘッドを構成するこ
ともできる。
【0061】このマルチトラックの磁気ヘッドを製造す
る場合、先述した製造工程の図7(a)の工程で形成す
るMI素子18のトラック幅方向の間隔を図8に示され
る間隔とし、図7(c)の工程でヘッドブロック20を
切断する長手方向(トラック幅方向)の間隔を複数トラ
ック分に見合った寸法とすればよい。このように容易に
マルチトラックの磁気ヘッドを構成できる。
【0062】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の磁気インピーダンス効果を利用した磁気検出素子を用
いた再生用の磁気ヘッドによれば、先端面が磁気記録媒
体摺動面として形成された非磁性基板と、該基板上で前
記摺動面から離間して前記摺動面に対し略垂直に配置さ
れ、絶縁膜を介して前記摺動面側にギャップが形成され
た閉磁路を構成する略長方形の2層の高透磁率磁性膜か
らなる磁気検出素子本体と、それぞれ絶縁膜を介して前
記2層の高透磁率磁性膜の前記摺動面側端部のそれぞれ
に重なって互いに絶縁膜を挟んで対向し前記摺動面まで
延びる高透磁率磁性材からなる2層のリード膜と、それ
ぞれ前記2層の高透磁率磁性膜の前記摺動面側端部と、
一方の高透磁率磁性膜の前記摺動面と反対側の端部に接
続された導電膜からなる3つの電極を有し、前記3つの
電極を介して前記2層の高透磁率磁性膜の両方または一
方のみに高周波電流を印加し、外部磁界による前記2層
の高透磁率磁性膜の両方または一方のみのインピーダン
ス変化を電気信号に変換して出力を得るようにした構成
を採用したので、2層の高透磁率磁性膜に対する高周波
電流の流し方により、閉磁路で磁気記録媒体の微小磁化
の磁界を検出して再生、またはオープンな磁路で略一様
な磁界の検出を行なうことができる。
【0063】しかも、再生を行なう場合、高周波電流が
媒体側に流出することはない。また、2層の高透磁率磁
性膜は磁気検出素子本体の特性に最適な幅、厚さを自由
に選択でき、リード膜は要求されるトラック幅とギャッ
プ幅に対応して幅、互いの間の距離を最適に選択でき
る。従って、問題無く高感度で良好に再生を行なうこと
ができる。
【0064】また、略一様な磁界を検出する場合、検出
に用いる高透磁率磁性膜の有効長は非磁性基板上で充分
に確保できるので、高感度に検出を行なうことができ
る。
【0065】さらに、本発明の磁気ヘッドの製造方法に
よれば、磁気ヘッドの多数個取りが可能であり、本発明
の磁気ヘッドを安価に製造できるという優れた効果が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の磁気ヘッドの構造を示す
もので、基板を透視した状態で示す斜視図である。
【図2】同磁気ヘッドのMI素子を構成する磁性膜、リ
ード膜、電極、絶縁膜の配置、寸法関係等を示す説明図
である。
【図3】同MI素子におけるリード膜の長さと出力(電
圧変化量)の関係を示すグラフ図である。
【図4】同磁気ヘッドの製造工程を示す斜視図である。
【図5】同製造工程を示す斜視図である。
【図6】同製造工程を示す斜視図および断面図である。
【図7】同製造工程を示す斜視図である。
【図8】第2実施例の磁気ヘッドの構造を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 磁気記録媒体 2 磁気ヘッド 2a 媒体摺動面 3,4 非磁性基板 5,6 高透磁率磁性膜 7,8,9,16,17 絶縁膜 10,11,12 電極 18 MI素子

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気インピーダンス効果を利用した磁気
    検出素子を用いた再生用の磁気ヘッドであって、 先端面が磁気記録媒体摺動面として形成された非磁性基
    板と、 該基板上で前記摺動面から離間して前記摺動面に対し略
    垂直に配置され、絶縁膜を介して前記摺動面側にギャッ
    プが形成された閉磁路を構成する略長方形の2層の高透
    磁率磁性膜からなる磁気検出素子本体と、 それぞれ絶縁膜を介して前記2層の高透磁率磁性膜の前
    記摺動面側端部のそれぞれに重なって互いに絶縁膜を挟
    んで対向し前記摺動面まで延びる高透磁率磁性材からな
    る2層のリード膜と、 それぞれ前記2層の高透磁率磁性膜の前記摺動面側端部
    と、一方の高透磁率磁性膜の前記摺動面と反対側の端部
    に接続された導電膜からなる3つの電極を有し、 前記3つの電極を介して前記2層の高透磁率磁性膜の両
    方または一方のみに高周波電流を印加し、外部磁界によ
    る前記2層の高透磁率磁性膜の両方または一方のみのイ
    ンピーダンス変化を電気信号に変換して出力を得るよう
    にしたことを特徴とする磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記2層の高透磁率磁性膜は、磁化容易
    軸方向が膜面内で前記摺動面に略平行となるように磁気
    異方性が付けられていることを特徴とする請求項1に記
    載の磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記高透磁率磁性膜とリード膜間に介在
    する絶縁膜の厚さが1μm以下であることを特徴とする
    請求項1または2に記載の磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記摺動面に垂直な方向において、前記
    リード膜の全長が150μm以下であり、前記絶縁膜を
    介して前記高透磁率磁性膜に重なる部分の長さが100
    μm以下であることを特徴とする請求項1から3までの
    いずれか1項に記載の磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記2層のリード膜間の距離が磁気記録
    媒体の最短記録ビット長以下1/2以上であることを特
    徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の磁
    気ヘッド。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の磁気ヘッドの製造方法
    であって、 非磁性基板上に、前記磁気検出素子本体の2層の高透磁
    率磁性膜と2層のリード膜のそれぞれを形成するための
    高透磁率磁性膜のそれぞれと、前記3つの電極のそれぞ
    れを形成するための導電膜のそれぞれと、各膜間の絶縁
    を行なう絶縁膜のそれぞれとを積層して成膜する工程
    と、 該工程後に、前記各膜の積層をエッチングし、前記磁気
    検出素子本体、リード膜、電極、絶縁膜からなる磁気検
    出素子のパターンを所定間隔で複数形成する工程と、 該工程後に、前記非磁性基板上に他の非磁性基板を接合
    し、ヘッドブロックを得る工程と、 前記ヘッドブロックを所定間隔で切断して複数の磁気ヘ
    ッドを得る工程とを有することを特徴とする磁気ヘッド
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0881503A2 (en) * 1997-05-26 1998-12-02 Alps Electric Co., Ltd. Magneto-impedance effect element and magnetic head, electronic compass and autocanceller using the element

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0881503A2 (en) * 1997-05-26 1998-12-02 Alps Electric Co., Ltd. Magneto-impedance effect element and magnetic head, electronic compass and autocanceller using the element
EP0881503A3 (en) * 1997-05-26 2001-05-23 Alps Electric Co., Ltd. Magneto-impedance effect element and magnetic head, electronic compass and autocanceller using the element

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