JPH08320787A - パイプライン計算機 - Google Patents

パイプライン計算機

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JPH08320787A
JPH08320787A JP14955495A JP14955495A JPH08320787A JP H08320787 A JPH08320787 A JP H08320787A JP 14955495 A JP14955495 A JP 14955495A JP 14955495 A JP14955495 A JP 14955495A JP H08320787 A JPH08320787 A JP H08320787A
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JP
Japan
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instruction
time
memory
branch
delay
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Application number
JP14955495A
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Inventor
Atsushi Kawai
淳 河井
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 パイプレジスタ不要として制御の制約をなく
し、高速化を図る。 【構成】 最小遅延パスP1及び最大遅延パスP2に
は、命令メモリ11に入力される命令アドレスの確定時
間と命令メモリ11から読み出される命令コードの確定
時間を示すためのマーカー信号となるサイクルスタート
信号を通過させる。これにより、命令メモリ11では最
小フェッチ時間及び最大フェッチ時間をマークし、ある
命令の最大フェッチ時間から次の命令の最小フェッチ時
間の間ではそのある命令コードの確定が保証される。ま
た、これらの信号は、レジスタファイル12ではレジス
タファイルの最小読み出し時間及び最大読み出し時間を
マークし、ある命令に対するレジスタファイルの最大読
み出し時間から次の命令に対するレジスタファイル最小
読み出し時間の間ではそのある命令のソースオペランド
の確定が保証される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の命令を並列に実
行するパイプライン計算機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、計算機の中央処理装置(以下C
PUと記す)は、命令メモリ、レジスタファイル、演算
ユニット(以下ALUと記す)及びデータメモリを主な
ユニットとする。そして、CPUで実行される命令は、
例えば、命令フェッチ、命令デコード、命令実行、メモ
リアクセス及び結果格納の5つのステージから成る。従
って、各ステージが1クロックサイクルで実行されると
すると、1つの命令は5クロックサイクルで実行される
ことになる。また、パイプライン計算機では、上記各ユ
ニット間にパイプラインレジスタをそれぞれ設置すると
ともに、それらのパイプラインレジスタの内容をクロッ
クにより1クロックサイクルずつずらして更新する。そ
して、上記各ユニットにおいて、別々の命令を同じクロ
ックサイクルにおいて並列に実行する。一方、各ユニッ
トの動作はクロックにより同期される。これにより、上
記5つのステージが連続して実行される。従って、計算
機全体としては、平均すると1つの命令が1クロックサ
イクルで実行されることと等価となる(例えば、次の文
献を参照。文献名:“Computer Organizadon & Design,
The Hardware/Software Interface,Chapter 6:Enhancin
g Performance with Pipeline,pp364〜pp389”David A.
Patterson,John L.Hennessy 著、Morgan Kaufmann 出
版)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の技術には、次のような課題があった。即ち、各
ステージのデータ処理のための回路遅延をいくら最小化
しても、各ステージ毎の処理結果をパイプラインレジス
タにセットするために、最小限の時間を確保しなければ
ならなかった。つまり、全てのパイプラインレジスタに
供給するクロックの位相バラツキ、入力データの確定時
間のバラツキ、セットアップタイム及びホールドタイム
の確保などのためにクロック周波数の上限が規定されて
しまった。これは、特に高速回路技術による大規模パイ
プライン計算機においては性能向上のための大きな障壁
となっていた。
【0004】また、各ステージの処理を全て1クロック
周期で同期するために、必然的に最大遅延のステージが
クロック周波数の上限となってしまった。このため、複
雑な計算を行う命令があった場合、その計算のための回
路遅延が計算機全体のクロック周波数の上限を決定して
しまうことになり、性能向上のための制限となってい
た。更に、全てのステージにパイプラインレジスタを設
ける必要から、これによる回路規模の増大及びクロック
や入出力の配線のための配線量の増大と、消費電力の増
大を招いていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のパイプライン計
算機は、上述した課題を解決するため、命令メモリ、レ
ジスタファイル、演算ユニット及びデータメモリとから
構成される計算機において、以下の点を特徴とするもの
である。 (1)命令コード及び演算データに加え、各ユニットの
最小遅延パス及び最大遅延パスを設置し、これらを通過
する制御信号を循環させる。上記制御信号により、命令
実行の同期をとり、外部から与える同期クロック及びパ
イプラインレジスタを用いずに多重のパイプライン処理
を行う命令処理機構を備える。
【0006】(2)(1)において、以下を特徴とす
る。演算ユニットによる演算結果により更新されるフラ
グのうち、分岐命令コードの分岐条件となるフラグを選
択する分岐制御部を備える。当該分岐制御部の出力に応
じて分岐アドレス及び次アドレスのいずれか一方を選択
する命令アドレス制御部を備える。
【0007】
【作用】
(1)最小遅延パス及び最大遅延パスには、命令メモリ
に入力される命令アドレスの確定時間と命令メモリから
読み出される命令コードの確定時間を示すためのマーカ
ー信号となるサイクルスタート信号を制御信号として通
過させる。これにより、命令メモリでは、最小フェッチ
時間及び最大フェッチ時間をマークする。ある命令の最
大フェッチ時間から次の命令の最小フェッチ時間の間で
は、そのある命令の命令コードの確定が保証される。ま
た、これらの制御信号は、レジスタファイルでは、レジ
スタファイルの最小読み出し時間及び最大読み出し時間
をマークし、最大読み出し時間から次の命令のための最
小読み出し時間の間では、ソースオペランドの確定が保
証される。そして、ALUでは、最小演算時間及び最大
演算時間をマークし、最大演算時間から次の命令のため
の最小演算時間の間では、演算の結果データの確定が保
証される。更に、データメモリでは、最小アクセス時間
及び最大アクセス時間をマークし、最大アクセス時間か
ら次の命令のための最小アクセス時間の間では、演算の
結果データの書き込みが保証される。
【0008】これらのマーカー信号を用いて、例えば、
レジスタのデータを演算してデータメモリに書き込む命
令の実行の際は、以下のような制御を行う。即ち、各ユ
ニットの動作状態において、ALUからデータメモリへ
の書き込みが確実に終了した後、レジスタからALUに
次のデータを入力する。そして、その入力が確実に終了
した後、命令メモリのアドレスを次に進める。この結
果、各ユニットの間にパイプラインレジスタを設けなく
ても、パイプライン制御を行うことができる。また、こ
れらの信号を用いて、例えば、レジスタ内のデータを入
れ換える命令の実行の際は、レジスタ内のデータの入れ
換えが確実に終了した後、命令メモリ11のアドレスを
次に進める。この結果、先行する命令の実行を後続の命
令が妨げることはない。
【0009】(2)(1)において、ALUの出力する
フラグを分岐制御部で判定し、命令アドレス制御部では
フラグの値により必要に応じてNOP命令を挿入する。
この結果、命令メモリに分岐命令が含まれる場合も、上
述したパイプライン制御を行うことができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。 (第1実施例)図1及び図2は、本発明のパイプライン
計算機の第1実施例のブロック図である。また、図3及
び図4は、本発明のパイプライン計算機の動作シーケン
スを示す。一方、図5は、命令コードの構成を示す。図
1及び図2の計算機は、最小遅延パスP1、最大遅延パ
スP2を備えており、分岐命令を含まない命令セットを
実行する。
【0011】図5に示すように、命令コードには、レジ
スタ演算命令、即値演算命令、メモリアクセス命令及び
分岐命令の4つのタイプがある。レジスタ演算命令は、
レジスタファイルにある2つのデータに対して演算を行
う命令である。これは、オペレーション指定フィールド
F11、ソースレジスタSR1の指定フィールドF1
2、ソースレジスタSR2の指定フィールドF13及び
デスティネーションレジスタ指定フィールドF14から
構成される。即値演算命令は、レジスタファイルにある
データと命令コードで与えられる即値との演算を行う命
令である。これは、オペレーション指定フィールドF2
1、ソースレジスタSR1の指定フィールドF22、即
値フィールドF23及びデスティネーションレジスタ指
定フィールドF24から構成される。
【0012】メモリアクセス命令は、レジスタファイル
にあるベースアドレスと命令コードで与えられるオフセ
ットを加算して得られるメモリアドレスに対してメモリ
読み出し、あるいはメモリ書き込みを行う命令である。
これは、オペレーション指定フィールドF31、ソース
レジスタSR1(ベースアドレスレジスタ)の指定フィ
ールドF32、即値(オフセット)フィールドF33及
びデスティネーションレジスタ指定フィールド(メモリ
読み出し命令の場合)あるいはメモリ書き込みデータレ
ジスタ指定フィールド(メモリ書き込み命令の場合)F
34から構成される。分岐命令は、無条件分岐、あるい
は条件分岐を行う命令である。これは、分岐指定フィー
ルドF41、及び分岐先アドレス(PC:プログラムカ
ウンタ、すなわち分岐命令の置かれる命令アドレスに対
する相対アドレス)のフィールドF42から構成され
る。
【0013】図1及び図2の計算機では、分岐命令を含
まない命令セットを実行するため、図5に示す命令コー
ドの構成のうち、レジスタ演算命令、即値演算命令及び
メモリアクセス命令のみを実行する。図1及び図2の計
算機は、概略的には、命令メモリ11及び命令アドレス
制御部16、レジスタファイル12、ALU13、及び
データメモリ14の4つのブロックから構成される。そ
して、クロック及びパイプラインレジスタは存在しな
い。その代わり、命令実行の同期をとるための幾つかの
制御信号と、その制御信号の通過するパスとを備える。
命令実行の基本タイミングは命令メモリ11の読み出し
時間により決定される。つまり、命令読み出しの速度で
命令実行が進められるようなパイプライン構造を実現す
る。
【0014】最小遅延パスP1は、IM最小遅延パスP
11、RF最小遅延パスP12、ALU最小遅延パスP
13、MEM最小遅延パスP14から成る。一方、最大
遅延パスP2は、IM最大遅延パスP21、RF最大遅
延パスP22、ALU最大遅延パスP23、MEM最大
遅延パスP24から成る。IM最小遅延パスP11は、
命令メモリ11の最小アクセス時間と等価な遅延回路で
構成される。また、IM最大遅延パスP21は、命令メ
モリ11の最大アクセス時間と等価な遅延回路で構成さ
れる。これらの遅延回路は、命令メモリ内部にそのメモ
リアクセス時間の最小となるパス、及びメモリアクセス
時間の最大となるパスを、それぞれ1つずつ複製して配
置することで実現できる。
【0015】RF最小遅延パスP12は、レジスタファ
イル読み出しの最小時間と等価な遅延回路で構成され
る。また、IM最大遅延パスP22は、レジスタファイ
ル読み出しの最大時間と等価な遅延回路で構成される。
これらの遅延回路は、レジスタファイル内部にその読み
出し時間の最小となるパス、及び読み出し時間の最大と
なるパスを、それぞれ1つずつ複製して配置することで
実現できる。ALU最小遅延パスP13は、ALU13
での最小演算時間と等価な遅延回路で構成される。ま
た、ALU最大遅延パスP23は、ALU13での最大
演算時間と等価な遅延回路で構成される。これらの遅延
回路は、ALU内部にその演算時間の最小となるパス、
及び演算時間の最大となるパスを、それぞれ1つずつ複
製して配置することで実現できる。
【0016】MEM最小遅延パスP14は、データメモ
リ14での最小アクセス時間と等価な遅延回路で構成さ
れる。また、MEM最大遅延パスP24は、データメモ
リ14での最大アクセス時間と等価な遅延回路で構成さ
れる。これらの遅延回路は、データメモリ内部にそのア
クセス時間の最小となるパス、及びアクセス時間の最大
となるパスを、それぞれ1つずつ複製して配置すること
で実現できる。図3及び図4は、命令実行周期を示して
いる。但し、このための条件として、命令フェッチから
結果格納までの時間、即ち、1命令実行時間の最大時間
と最小時間の差(命令実行時間のバラツキの最大)は、
命令フェッチ時間の最大よりも小さいという条件(下記
式)を満たすことが必要となる。
【0017】最大命令実行時間−命令実行時間の最小≦
最大命令フェッチ時間 従って、本発明の実施においては、命令実行のための各
ブロックの回路遅延時間のみならず、命令コードの内容
に依存するそのブロック内での回路遅延バラツキを最小
化することが、命令実行周期を最短化することになる。
命令実行は、命令フェッチ、命令デコード(及び、オペ
ランドフェッチ)、命令実行、メモリアクセス及び結果
格納の5つのステージにより行われる。図3及び図4で
は、命令フェッチ時間を“1”としたとき、命令デコー
ドを“2”、命令実行を“3”、メモリアクセスを
“4”及び結果格納を“2”としている。このため、1
つの命令のフェッチ開始から結果格納が終了するまでの
時間に12個の命令をパイプライン処理することができ
る。本発明では、このように、命令フェッチ時間と命令
実行時間のバラツキを最小にすることで、命令処理能力
が決定される。
【0018】次に、上述した装置の動作を図1乃至図4
を参照して詳細に説明する。図1で、本実施例では、命
令セットに分岐命令を含まないため、命令メモリ11に
は常に連続する命令アドレスが入力される。これらの命
令アドレスは、命令アドレス制御部16により生成され
る。命令アドレス制御部16での次の命令アドレスの生
成時間は、命令メモリ11の読み出し時間よりも小さい
ことが必要である。この条件は、既存技術で十分満足で
きる。また、命令メモリ11に入力される命令アドレス
の確定時間と、命令メモリ11から読み出される命令コ
ードの確定時間を示すためのマーカー信号となるサイク
ルスタート信号を用い、これをIM最小遅延パス及びI
M最大遅延パスを通過させる。これにより、命令メモリ
11の最小フェッチ時間及び最大フェッチ時間をマーク
する。
【0019】つまり、IM最小遅延パスは命令メモリ1
1の最小アクセス時間と等価な遅延回路、また、IM最
大遅延パスは命令メモリ11の最大アクセス時間と等価
な遅延回路で構成される。この遅延回路は、命令メモリ
内部にそのメモリアクセス時間の最小となるパス、及び
メモリアクセス時間の最大となるパスを、それぞれ1つ
ずつ複製して配置することで実現できる。IM最大遅延
パスの出力はフェッチエンドMAXで、読み出された命
令コードの確定時間の開始を保証するタイミングマーカ
ーとなる。また、IM最小遅延パスの出力はフェッチエ
ンドMINで、直前に読み出された命令コードの確定時
間の終了を示すタイミングマーカーとなる。つまり、次
のレジスタファイル12に入力される命令コードは、フ
ェッチエンドMAXの立ち上がり時間から、次のフェッ
チエンドMINの立ち上がり時間までの間確定している
ことが保証される。即ち、下記の条件式を満たす必要が
ある。
【0020】フェッチエンドMAX立ち上がり時間≦レ
ジスタファイルに入力される命令コード確定時間≦次の
フェッチエンドMIN立ち上がり時間 また、命令メモリ11では、サイクルスタートの立ち上
がり時間に入力される命令アドレスをラッチする。これ
により、命令サイクルの間読み出される命令コードの確
定時間を保証する。命令メモリ11から読み出された命
令コードは、その命令の種別により異なる動作を行って
実行される。
【0021】まず、レジスタ演算命令の場合にはソース
レジスタSR1指定及びソースレジスタSR2指定で指
定されるレジスタファイル12の特定レジスタの内容を
同時に読み出す。オペレーション指定は演算指定信号と
してRF透過パスR4を、また、デスティネーションレ
ジスタ指定DRはRF透過パスR2をそれぞれ通過す
る。RF透過パスR1〜R4はそれぞれ入力信号をその
まま一定時間遅延させて出力する遅延回路で、遅延時間
はレジスタファイル読み出しの最小時間から最大時間の
間であることが条件である。即ち、下記式の条件が必要
である。 レジスタファイル読み出し最小時間≦RF透過パスR1
〜R4遅延時間≦レジスタファイル読み出し最大時間
【0022】また、フェッチエンドFEMINはRF最
小遅延パスを、フェッチエンドFEMAXはRF最大遅
延パスをそれぞれ通過する。RF最小遅延パス及びRF
最大遅延パスは入力信号をそのまま一定時間遅延させて
出力する遅延回路で、RF最小遅延パスはレジスタファ
イル読み出し最小時間と等価な遅延を、また、RF最大
遅延パスはレジスタファイル読み出し最大時間と等価な
遅延をそれぞれ行う。この遅延回路は、レジスタファイ
ル内部にその読み出し時間の最小となるパス及び読み出
し時間の最大となるパスを、それぞれ1つずつ複製して
配置することで実現できる。
【0023】RF最大遅延パスの出力はレジスタアクセ
スエンドREMAXで、レジスタファイル12より読み
出されたソースオペランドSO1及びソースオペランド
SO2の確定時間を保証するタイミングマーカーとな
る。また、RF最小遅延パスの出力はレジスタアクセス
エンドREMINで、レジスタファイル12から直前に
読み出されたソースオペランドSO1及びソースオペラ
ンドSO2の確定時間の終了を示すタイミングマーカー
となる。つまり、次のALU13に入力される命令コー
ドは、レジスタアクセスエンドREMAXの立ち上がり
時間から、次のレジスタアクセスエンドREMINの立
ち上がり時間までの間確定していることが保証される。
【0024】レジスタアクセスエンドMAX立ち上がり
時間≦ALUに入力されるソースオペランドSO1、2
確定時間≦次のレジスタアクセスエンドMIN立ち上が
り時間 また、演算指定はRF透過パスR4を経て演算指定遅延
としてALU13に入力される。RF透過パスR4の遅
延も上記の条件を満足する。従って、演算指定遅延の確
定時間もソースオペランドSO1、2の確定時間と同等
となる。 レジスタアクセスエンドMAX立ち上がり時間≦ALU
に入力される演算指定遅延確定時間≦次のレジスタアク
セスエンドMIN立ち上がり時間
【0025】ALU13では、入力されたソースオペラ
ンドSO1及びソースオペランドSO2に対して、入力
された演算指定遅延で指定される演算を行う。また、R
F透過パスR2を経たデスティネーションレジスタ指定
遅延D1は、ALU透過パスA2を通過する。ALU透
過パスA1―3はそれぞれ入力信号をそのまま一定時間
遅延させて出力する遅延回路で、遅延時間はALU13
での演算の最小時間から最大時間の間であることが条件
である。 ALU最小演算時間≦ALU透過パスA1〜A3遅延時
間≦ALU最大演算時間
【0026】また、レジスタアクセスエンドREMIN
はALU最小遅延パスを、レジスタアクセスエンドRE
MAXはALU最大遅延パスをそれぞれ通過する。AL
U最小遅延パス及びALU最大遅延パスは入力信号をそ
のまま一定時間遅延させて出力する遅延回路で、ALU
最小遅延パスはALU13での最小演算時間と等価な遅
延を、また、ALU最大遅延パスはALU13での最大
演算時間と等価な遅延をそれぞれ行う。この遅延回路
は、ALU内部にその演算時間の最小となるパス及び演
算時間の最大となるパスを、それぞれ1つずつ複製して
配置することで実現できる。ALU最大遅延パスの出力
はALUエンドAEMAXで、ALU13での演算出力
である結果データの確定時間を保証するタイミングマー
カーとなる。また、ALU最小遅延パスの出力はALU
エンドAEMINで、結果データの確定時間の終了を示
すタイミングマーカーとなる。つまり、次のMEM透過
パスM1に入力される、メモリアドレス、あるいは、結
果データは、ALUエンドAEMAXの立ち上がり時間
から、次のALUエンドAEMINの立ち上がり時間ま
での間確定していることが保証される。
【0027】ALUAEエンドMAX立ち上がり時間≦
MEM透過パスM1に入力される結果データ確定時間≦
次のALUAEエンドMIN立ち上がり時間 ALU透過パスA2を経たデスティネーションレジスタ
指定遅延D2はMEM透過パスM2に入力される。ME
M透過パスM1、M2はそれぞれ入力信号をそのまま一
定時間遅延させて出力する遅延回路で、下記式に示すよ
うに、遅延時間はデータメモリ14の最小アクセス時間
から最大アクセス時間の間であることが条件である。 データメモリ最小アクセス時間≦MEM透過パスM1、
M2遅延時間≦データメモリ最大アクセス時間
【0028】また、ALUエンドAEMINはMEM最
小遅延パスを、ALUエンドAEMAXはMEM最大遅
延パスをそれぞれ通過する。MEM最小遅延パス及びM
EM最大遅延パスは入力信号をそのまま一定時間遅延さ
せて出力する遅延回路で、MEM最小遅延パスはデータ
メモリ14の最小アクセス時間と等価な遅延を、また、
MEM最大遅延パスはデータメモリ14の最大アクセス
時間と等価な遅延をそれぞれ行う。この遅延回路は、デ
ータメモリ内部にそのアクセス時間の最小となるパス及
びアクセス時間の最大となるパスを、それぞれ1つずつ
複製して配置することで実現できる。
【0029】MEM最大遅延パスの出力はメモリエンド
MEMAXで、データメモリ14の読み出しデータの確
定時間を保証するタイミングマーカーとなる。また、M
EM最小遅延パスの出力はメモリエンドMEMINで、
メモリ読み出しデータの結果データの確定時間の終了、
言い換えれば、次のメモリ読み出しデータの最小アクセ
ス時間を示すタイミングマーカーとなる。また、MEM
透過パスM1及びM2は、上記からデータメモリ14の
アクセス時間と同等の遅延を行う。これにより、次のレ
ジスタファイル12に入力されるデスティネーションデ
ータDD及びデスティネーションレジスタ指定遅延D3
は、メモリエンドMEMAXの立ち上がり時間から、次
のメモリエンドMEMINの立ち上がり時間までの間確
定していることが保証される。
【0030】メモリエンドMEMAX立ち上がり時間≦
レジスタファイルに入力されるデスティネーションレジ
スタ指定遅延D3及びデスティネーションデータ確定時
間≦次のメモリエンドMIN立ち上がり時間 レジスタファイル12では、デスティネーションレジス
タ指定DRで指定されるレジスタにデスティネーション
データDDを書き込む。これにより命令実行結果の格納
が行われることになる。レジスタの指定信号であるデス
ティネーションレジスタ指定遅延DR3及び格納データ
であるデスティネーションデータDDの確定時間は上記
に示すメモリエンドMEMIN及びメモリエンドMEM
AXにより保証されるため、レジスタファイル12へは
この信号を用いてデータ書き込みを行う。
【0031】すなわち、メモリエンドMEMINの立ち
上がりで書き込みデータの入力を開始し、メモリエンド
MEMAXの立ち上がりで入力したデータを保持するこ
とで、正しい命令実行結果を格納することができる。た
だし、デスティネーションレジスタ指定遅延DR3及び
デスティネーションデータDDの確定時間は、レジスタ
ファイル12への書き込みに必要な時間を満足しなくて
はならない。このことは言い換えれば、命令フェッチフ
ェイズの開始から結果格納フェイズの終了時点までの最
大経過時間と最小経過時間の差、すなわち、命令実行時
間の最大バラツキは命令メモリアクセス時間の最大より
も小さくなければならないという、本実施例の説明の最
初に示した条件と等価である。以上が、本発明の第1実
施例の計算機によるレジスタ演算命令の実行動作の説明
である。
【0032】(即値演算命令)命令メモリ11から読み
出した命令コードが即値演算命令の場合も、ほとんどの
動作はレジスタ演算命令と同一である。異なるのは、A
LU13に入力するソースオペランドSO2は、レジス
タファイル12より読み出したデータではなく、命令コ
ードで即値INとして与えられる点である。命令コード
の即値データはRF透過パスR1を通過してソースオペ
ランドSO2としてALU13に入力される。RF透過
パスR1の遅延時間は先に示したようにレジスタファイ
ル12の読み出し時間と同等の範囲であるので、これに
よりソースオペランドSO2としての値の確定時間は保
証される。その他の動作は上述したレジスタ演算命令の
動作と同一である。以上が本発明の第1実施例の計算機
による即値演算命令の実行動作の説明である。
【0033】(メモリアクセス命令)命令メモリ11か
ら読み出した命令コードがメモリアクセス命令の場合
も、基本的な動作はレジスタ演算命令とほぼ同一であ
る。命令がメモリ読み出し命令の場合には、図5の命令
コードの構成に示すように、オペレーション指定、ベー
スアドレスレジスタを指定するソースレジスタSR1指
定、メモリアドレスオフセット値となる即値及び読み出
したデータの格納先レジスタを指定するデスティネーシ
ョンレジスタ指定とから構成される。ロード命令の実行
はメモリアドレス計算と、そのメモリアドレスにあるデ
ータをデータメモリ14から読み出してレジスタに格納
する操作とで行われる。メモリアドレス計算は、先に説
明した即値演算命令の実行と同様の動作により行われ
る。すなわち、ソースレジスタSR1指定で指定される
レジスタの内容をソースオペランドSO1とし、また、
命令コードの即値をRF透過パスR1を通過させソース
オペランドSO2としてALU13に入力する。ALU
13ではこれら2つのソースオペランドを加算する。こ
の加算結果がメモリアドレスMAとなる。
【0034】メモリアドレスMAはデータメモリ14に
入力される。同時に命令コードのオペレーション指定で
与えられるメモリ動作指定はRF透過パスR3を通過し
てメモリ動作指定遅延M1となり、また、この信号はA
LU透過パスA3を通過してメモリ動作指定遅延M2と
なりデータメモリ14に入力される。データメモリ14
では入力されたメモリアドレスとメモリ動作指定遅延M
2とからメモリ読み出しを行う。読み出されたデータは
メモリ読み出しデータMRDとしてデータメモリ14か
ら出力される。メモリ読み出しデータMRDはデスティ
ネーションデータDDとしてレジスタファイル12への
書き込みデータとして入力される。
【0035】一方、命令コードのデスティネーションレ
ジスタ指定DRは、レジスタ演算命令及び即値演算命令
の実行の場合と同様に、RF透過パスR2、ALU透過
パスA2及びMEM透過パスM2を通過して、デスティ
ネーションレジスタ指定遅延D3としてレジスタファイ
ル12に入力される。レジスタファイル12では、この
デスティネーションレジスタ指定遅延DR3で指定され
るレジスタにデスティネーションデータDDを書き込
む。このとき、入力されるデスティネーションレジスタ
指定遅延D3及びデスティネーションデータDDの確定
時間は、先に説明したレジスタ演算命令及び即値演算命
令の場合と同様に、メモリエンドMEMIN及びメモリ
エンドMEMAXの立ち上がり時間で保証される。すな
わち、レジスタファイル12への2つの入力信号は、メ
モリエンドMEMAXの立ち上がり時間から、次のメモ
リエンドMEMINの立ち上がり時間まで確定する。
【0036】メモリエンドMAX立ち上がり時間≦レジ
スタファイルに入力されるデスティネーションレジスタ
指定遅延DR3及びデスティネーションデータ確定時間
≦次のメモリエンドMIN立ち上がり時間 (メモリ書き込み命令)実行すべき命令がメモリ書き込
み命令の場合には、メモリへのデータの書き込みが行わ
れる。図5の命令コードの構成で示すメモリアクセス命
令で、メモリ書き込み命令は、オペレーション指定、ソ
ースレジスタSR1指定、即値及びメモリ書き込みデー
タレジスタ指定とから構成される。メモリ書き込み命令
は、メモリアドレス計算及びレジスタファイル12にあ
るデータを算出したメモリアドレスMAで指定されるデ
ータメモリ14に書き込む操作とで実行される。メモリ
アドレス計算は、上記のメモリ読み出し命令の場合と同
様である。従って、メモリアドレスMAはメモリ読み出
し命令と全く同じパスを経てデータメモリ14に入力さ
れる。
【0037】一方、書き込みデータは命令コードのメモ
リ書き込みレジスタ指定で指定されるレジスタの内容で
ある。書き込みデータは、レジスタ演算命令の場合のソ
ースオペランドSO2の読み出しと同様に行われる。レ
ジスタファイル12から読み出されたソースオペランド
SO2は、メモリ書き込みデータとしてALU透過パス
A1を通過する。ALU透過パスA1の出力はメモリ書
き込みデータ遅延としてデータメモリ14に入力され
る。
【0038】また、命令コードのオペレーション指定で
与えられるメモリ動作指定は、メモリ読み出し命令の場
合と同様に、メモリ動作指定遅延M2信号となりデータ
メモリ14に入力される。データメモリ14では入力さ
れたメモリアドレスとメモリ動作指定遅延M2及びメモ
リ書き込みデータ遅延MDとでメモリ書き込みを行う。
このとき、これら3つの入力の確定時間はレジスタ演算
命令の動作説明と同様に、ALUエンドAEMIN及び
ALUエンドAEMAXの立ち上がり時間で保証され
る。すなわち、メモリアドレス、メモリ動作指定遅延M
D2及びメモリ書き込みデータ遅延は、ALUエンドA
EMAXの立ち上がり時間から、次のALUエンドAE
MINの立ち上がり時間まで確定する。
【0039】ALUエンドAEMAX立ち上がり時間≦
データメモリに入力されるメモリアドレス、メモリ動作
指定遅延M2及びメモリ書き込みデータ遅延確定時間≦
次のALUエンドAEMIN立ち上がり時間 データメモリ14では、ALUエンドAEMINの立ち
上がり時間で上記3つの入力の取り込みを開始し、AL
UエンドAEMAXの立ち上がり時間でその3つの入力
を保持するような入力レジスタを用意する。実際のメモ
リセルへの書き込み動作は、この入力レジスタの出力を
使用して行われる。複数バンクから構成されるデータメ
モリ等のようにデータメモリ14が1回のアクセス時間
内に複数のメモリアクセスを許容できる場合には、入力
レジスタを複数用意することで連続するメモリアクセス
命令をウエイトサイクルを発生させることなく実行する
ことができる。
【0040】1回のメモリアクセス時間には一つのメモ
リアクセスのみを実行する構成のデータメモリ14の場
合には、1回のメモリアクセス時間内には一つのメモリ
アクセス命令のみが実行されるように命令コードをスケ
ジュールするか、あるいは、そのような命令コードの並
べ変えが不可能な場合には、NOP命令を挿入してウェ
イトサイクルを発生させることが必要となる。本発明で
は、メモリアクセス方式及びメモリアクセス時間に依存
する命令実行制御方式については言及しないが、いずれ
の方式を用いても本発明の実施は可能である。以上が本
発明の第1実施例の計算機によるメモリアクセス命令の
実行動作の説明である。
【0041】本発明の実施例では、命令コード間でのデ
ータ参照依存及びデータ参照依存の制御方式については
言及しないが、どのようなデータ参照依存制御方式を用
いても本発明の実施は可能である。以上が本発明の第1
実施例による、レジスタ演算命令、即値演算命令及びメ
モリアクセス命令の実行動作の説明である。
【0042】(第2実施例)図6及び図7は、本発明の
第2実施例によるパイプライン計算機の構成を示す。ま
た、図8は図7で示す分岐制御部15の構成を、図9は
図6で示す同期制御部17の構成を、そして、図10は
図6で示す命令アドレス制御部16の構成を、それぞれ
示す。また、図11及び図12は、図6〜図10に示す
第2実施例の構成をもつパイプライン計算機の動作シー
ケンスを示す。第2実施例の計算機は図5に示す4つの
タイプの命令を実行する。図6及び図7の計算機は、図
1及び図2に示す第1実施例の計算機の構成に、分岐命
令実行のための制御部及び信号を追加したものである。
【0043】従って、パイプラインを構成する基本ブロ
ックは、第1実施例と同様で、命令メモリ11及び命令
アドレス制御部16、レジスタファイル12、ALU1
3、及びデータメモリ14の4つである。また、図5に
示す命令コードのうち、分岐命令を除く命令、すなわ
ち、レジスタ演算命令、即値演算命令及びメモリアクセ
ス命令の実行については、第1実施例と全く同じであ
る。従って、細部の説明は重複するため、省略する。
【0044】以下では、図6〜図12により、第2実施
例の計算機による、図5に示す分岐命令の実行動作につ
いて説明する。分岐命令には、無条件分岐命令と条件分
岐命令がある。無条件分岐命令は、無条件に命令実行シ
―ケンスを変更する命令である。そして、条件分岐命令
は、この命令実行時点での分岐条件が満足されている場
合に命令実行シーケンスの変更を行う一方、分岐条件が
満足されていない場合には命令実行シーケンスを変更せ
ず、連続して命令実行を行う命令である。第2実施例で
は、分岐条件はALU13による演算毎に更新されるA
LUフラグFとし、複数あるALUフラグFのうちの一
つを分岐条件として命令コードで指定することにより選
択するものとする。無条件分岐命令及び条件分岐命令の
どちらの実行においても分岐アドレスの計算及び命令実
行シーケンスの変更のための動作が必要となる。また、
条件分岐命令の場合には、これに加えて分岐条件の判定
が必要となる。
【0045】従って、以下では条件分岐命令の実行につ
いて説明を行う。無条件分岐命令の実行の動作は、以下
の説明のうち分岐条件の判定動作を除いた動作と同じで
ある。まず、分岐アドレス計算動作について説明する。
分岐アドレスは、実行する分岐命令の命令アドレスと図
5の分岐命令コードに示す即値とを加算して得る。図6
で、命令メモリ11に入力された命令アドレス、すなわ
ち、分岐命令の格納されている命令アドレスは、命令メ
モリ11に入力されるのと同時にIM透過パスにも入力
される。IM透過パスでは命令メモリ読み出し時間と同
等の遅延、すなわちIM最小遅延パスとIM最大遅延パ
スとの間の遅延を生ずる。従って、IM透過パスの出力
である命令アドレス遅延I1は以下のタイミングで確定
する。
【0046】フェッチエンドMAX立ち上がり時間≦命
令アドレス遅延I1確定時間≦次のフェッチエンドMI
N立ち上がり時間 命令アドレス遅延I1はRF透過パスR5を通過する。
RF透過パスR5ではレジスタファイル読み出し時間と
同等の遅延、すなわちRF最小遅延パスP12とRF最
大遅延パスP22との間の遅延を生ずる。また、命令ア
ドレス遅延I2はソースオペランドSO1としてALU
13に入力される。従って、ソースオペランドSO1は
以下のタイミングで確定する。 レジスタアクセスエンドMAX立ち上がり時間≦ソース
オペランドSO1確定時間≦次のレジスタアクセスエン
ドMIN立ち上がり時間
【0047】また、分岐命令の命令コードで与えられる
即値は、図1及び図2に示す第1実施例での即値演算命
令実行と同様に、図6及び図7の第2実施例において
も、RF透過パスR1を通過してソースオペランドSO
2としてALU13に入力される。ソースオペランドS
O2の確定時間も上記のソースオペランドSO1と同様
である。 レジスタアクセスエンドMAX立ち上がり時間≦ソース
オペランドSO2確定時間≦次のレジスタアクセスエン
ドMIN立ち上がり時間
【0048】ALU13では、ソースオペランドSO
1、すなわち、分岐命令の命令アドレスと、ソースオペ
ランドSO2、すなわち、分岐先アドレスのPC(プロ
グラムカウンタ:分岐命令アドレスを示す)相対オフセ
ットとを加算して、必要な分岐アドレスを算出する。A
LU13の出力である分岐アドレスの確定時間は、図1
及び図2に示す第1実施例での即値演算命令実行の場合
と同様に、図6及び図7の第2実施例においても、AL
UエンドMAXの立ち上がり時間から次の命令に対する
ALUエンドMINの立ち上がり時間までの間となる。 ALUエンドMAX立ち上がり時間≦分岐アドレス確定
時間≦次のALUエンドMIN立ち上がり時間
【0049】一方、命令コードの分岐指定部は、RF透
過パスR6を通過して分岐指定遅延として出力される。
分岐指定遅延の確定時間は、ALU13に入力されるソ
ースオペランドSO1及びソースオペランドSO2の確
定時間と同様に、レジスタアクセスエンドMAXの立ち
上がり時間から次の命令に対するレジスタアクセスエン
ドMINの立ち上がり時間までの間となる。 レジスタアクセスエンドエンドMAX立ち上がり時間≦
分岐指定遅延確定時間≦次のレジスタアクセスエンドエ
ンドMIN立ち上がり時間
【0050】分岐指定遅延は、ALU透過パスA4及び
分岐制御部15に入力される。分岐指定遅延のALU透
過パスA4出力は、ALUエンドMAXの立ち上がり時
間から次の命令に対するALUエンドMINの立ち上が
り時間までの間となる。従って、この信号とALUエン
ドMAX信号とをアンド回路に入力し論理積をとること
により生成される分岐アドレスMAX信号は、ALUエ
ンドMAXの立ち上がり時間から次の命令に対するAL
UエンドMINの立ち上がり時間までの間確定する。従
って、この信号はALU13により計算される分岐アド
レスの確定時間のマーカーとなる。 ALUエンドMAX立ち上がり時間≦分岐アドレス及び
分岐アドレスMAX確定時間≦次のALUエンドMIN
の立ち上がり時間
【0051】図7に示す分岐制御部の構成を図8に示
す。すなわち、分岐制御部15はALU13による演算
結果により更新されるフラグのうち、分岐指定遅延、す
なわち、分岐命令コードの分岐指定で指定される分岐条
件となるフラグを選択するフラグ選択回路25で構成さ
れる。このフラグ選択回路25の出力は分岐判定とな
る。これは、指定されたフラグそのものの値であり、こ
の値が“1”の場合に分岐を行い、“0”の場合には分
岐を行わないことを示す。命令が無条件分岐命令の場合
には、この値は必ず“1”となる回路構成をもつ。従っ
て、無条件分岐命令の場合には分岐条件が必ず成立する
条件分岐命令として実行される。分岐条件となるALU
フラグの確定時間と、これを分岐条件として判定する時
間の間の同期をとるために、必要に応じてNOP命令が
挿入される。NOP命令はALUフラグも含め計算機内
部の状態を何も変化させない命令で、単に1クロックサ
イクル分の遅延を挿入するために用いられる。
【0052】図11に示す第2実施例の命令実行動作で
は、命令2としてNOP命令が挿入されている。これは
命令1の実行結果で確定するALUフラグの内容を命令
3の条件分岐命令で分岐条件として指定するための同期
命令としてはたらく。図11では、命令1の命令実行フ
ェイズの終了時点でのALUフラグの内容を判定して分
岐判定を確定していることを示している。また、図11
では、分岐指定及び分岐判定が、分岐先命令の実行が開
始される時点以降まで確定していることを示している。
これは、命令メモリ11は、サイクルスタートの立ち上
がり時間から命令アクセスを開始し、次のサイクルスタ
ートの立ち上がり時間までは次の命令アクセスを行わ
ず、命令コードはその間同じ値を保持していることによ
るものである。サイクルスタートの制御については後述
する。
【0053】このようにして生成された分岐アドレス、
分岐指定及び分岐判定は図6に示す命令アドレス制御部
16に入力される。また、命令アドレス制御部16に
は、PCインクリメンタ18により更新された分岐しな
い場合の連続命令アドレスである次命令アドレスも入力
される。PCインクリメンタ18は、連続する次の命令
アドレスを生成するために“1”を加算する回路であ
る。PCインクリメンタ18では、図11に示すサイク
ルスタートの立ち上がり時間で命令アドレスのインクリ
メントを開始する。このタイミングで動作を行うことに
より、次の命令読み出しのためのアドレス生成を必要時
間内に行うことができる。命令メモリ11ではサイクル
スタートの立ち上がり時間でアドレスをラッチして、そ
の命令サイクル時間同一命令アドレスからの命令読み出
しを行っている。このため、命令メモリ11へのアドレ
ス入力はサイクルスタート信号の立ち上がり時間以降は
いつでもその値を更新することができる。
【0054】図10に示すように、命令アドレス制御部
は、命令アドレス選択回路26及びアンド回路28から
構成される。入力される分岐指定と分岐判定の論理積を
とり、“1”の場合には分岐アドレスが、“0”の場合
には次命令アドレスが、命令アドレス選択回路26にて
選択され、命令アドレスとして出力される。選択された
命令アドレスは命令メモリ11に入力され、次に実行す
べき命令を読み出す。図11に、分岐指定、分岐判定、
分岐アドレスMAXの確定時間を示す。
【0055】分岐アドレスMAXはIA最大遅延パスを
通過する。IA最大遅延パスは、命令アドレス制御部1
6でのアドレス選択回路の最大遅延時間と同一の遅延を
生ずる。これにより、IA最大遅延パスの出力信号であ
る命令アドレスMAXは、命令メモリ11に入力される
命令アドレスの確定時間を示すマーカー信号となる。I
A最大遅延パスは、図11の選択回路の中に、その最大
遅延パスとなる回路を複製することにより実現できる。
命令アドレスMAX、フェッチエンドMAX及び分岐指
定の各信号は、図6に示す同期制御部17に入力され
る。フェッチエンドMAXは、IM最大遅延パスを通過
したサイクルスタートとなる。これは、先に説明した図
1及び図2の第1実施例の同じ信号と同様に、命令メモ
リ11の最大読み出しアクセス時間と同一の時間に立ち
上がる信号である。
【0056】サイクルスタートは、命令メモリ11から
読み出した命令コードの確定時間を保証するマーカー信
号となる。分岐を行わない通常の命令シーケンスの実行
では、このフェッチエンドMAXを次の命令読み出しを
開始するためのサイクルスタートとする。また、分岐指
定は、命令コードの分岐指定部で、命令メモリ11から
読み出して実行をはじめた命令が分岐命令であることを
示す。同期制御部は図9に示すように同期信号選択回路
27で構成される。分岐指定が“1”の場合には、命令
アドレスMAXを、“0”の場合には、フェッチエンド
MAXを選択して、次の命令読み出しの開始信号である
サイクルスタートとして出力する。
【0057】図11では、命令3の分岐命令の次に分岐
先の命令読み出しを開始するために、命令アドレスMA
XをサイクルスタートSSとして選択している。図11
で示すタイミングのように、命令1〜3のためのサイク
ルスタートSSはフェッチエンドMAXから、そして、
命令4に対するサイクルスタートは命令アドレスMAX
から、それぞれ生成されている。このように、本発明の
実施例では、サイクルスタートSSという命令実行制御
のためのマーカーを用いることで、命令読み出しの開始
時間を制御し、これにより命令間の実行時間の依存関係
を正しく制御することができる。
【0058】以上の本発明の第1及び第2実施例によ
り、以下のような効果が得られる。即ち、命令メモリ1
1、レジスタファイル12、演算ユニット(ALU)1
3及びデータメモリ14とから構成され、命令コード及
び演算データに加え、各ユニットの最小遅延パス及び最
大遅延パスを設置し、これらを通過する制御信号を循環
させることで、命令実行の同期をとり、外部から与える
同期クロック及びパイプラインレジスタを用いずに多重
のパイプライン処理を行う命令処理機構をもたせること
ができ、クロック及びパイプラインレジスタを必要とし
ない。
【0059】このため、パイプラインレジスタに供給す
るクロックの位相バラツキ及び入力データの確定時間の
バラツキとセットアップタイム及びホールドタイムの確
保などのためにクロック周波数の上限が規定されてしま
う制限がなくなる。また、パイプラインを構成する各ス
テージの遅延がどのような大きさのものを含んでいて
も、このことが命令実行周期に制限を与えることはな
い。従って、命令メモリ11の読み出し周期及び命令実
行に必要な回路の遅延バラツキにより、命令実行周期を
決定することができ、高速化が可能となる。更に、パイ
プラインレジスタ及びクロックを必要としないことか
ら、回路規模、配線量及び消費電力の大幅な削減ができ
る。
【0060】尚、本発明は上述した実施例に限定される
ものではなく、種々の変形が可能であることはもちろん
である。例えば、実行される命令は、命令フェッチ、命
令デコード、命令実行、メモリアクセス及び結果格納の
5つのステージを経るものについて説明したが、これよ
り単純な命令又はこれより複雑な命令でも同様に実行す
ることができる。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のパイプラ
イン計算機によれば、命令コード及び演算データに加
え、各ユニットの最小遅延パス及び最大遅延パスを設置
し、これらのパスを通過する制御信号を循環させるよう
にしたので、次のような効果がある。即ち、パイプライ
ンレジスタを不要とすることができ、これにより、クロ
ック周波数の上限が規定されることなく、高速回路技術
による大規模パイプライン計算機の性能を十分に発揮さ
せることができる。また、複雑な計算を行う命令があっ
た場合でも、その計算のための回路遅延に柔軟に対応す
ることができる。更に、パイプラインレジスタの削除に
より回路規模を縮小でき、クロックや入出力の配線のた
めの配線量と、消費電力を減少できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパイプライン計算機の第1実施例(そ
の1)のブロック図である。
【図2】本発明のパイプライン計算機の第1実施例(そ
の2)のブロック図である。
【図3】第1実施例のパイプライン計算機の動作(その
1)の説明図である。
【図4】第1実施例のパイプライン計算機の動作(その
2)の説明図である。
【図5】命令コードの構成の説明図である。
【図6】本発明のパイプライン計算機の第2実施例(そ
の1)のブロック図である。
【図7】本発明のパイプライン計算機の第2実施例(そ
の2)のブロック図である。
【図8】図7の分岐制御部の構成の説明図である。
【図9】図6の同期制御部の構成の説明図である。
【図10】図6の命令アドレス制御部の構成の説明図で
ある。
【図11】第2実施例のパイプライン計算機の動作(そ
の1)の説明図である。
【図12】第2実施例のパイプライン計算機の動作(そ
の2)の説明図である。
【符号の説明】
11 命令メモリ 12 レジスタファイル 13 演算ユニット(ALU) 14 データメモリ 15 分岐制御部 16 命令アドレス制御部 17 同期制御部 P1 最小遅延パス P2 最大遅延パス

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 命令メモリ、レジスタファイル、演算ユ
    ニット及びデータメモリを含む各ユニットから構成され
    るパイプライン計算機において、 各ユニットの最大遅延時間を決定し、当該各ユニットの
    次段のユニットの動作の開始時期を表示する制御信号を
    循環させる最大遅延パスと、 前記各次段のユニットの最小遅延時間を決定し、当該次
    段のユニットの前段にある前記各ユニットの動作の終了
    時期を表示する制御信号を循環させる最小遅延パスとを
    備えたことを特徴とするパイプライン計算機。
  2. 【請求項2】 前記演算ユニットによる演算結果により
    更新されるフラグのうち、分岐命令コードの分岐条件と
    なるフラグを選択する分岐制御部と、 当該分岐制御部の出力に応じて分岐アドレス及び次アド
    レスのいずれか一方を選択する命令アドレス制御部とを
    備えたことを特徴とする請求項1記載のパイプライン計
    算機。
JP14955495A 1995-05-24 1995-05-24 パイプライン計算機 Pending JPH08320787A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009116458A (ja) * 2007-11-02 2009-05-28 Mitsubishi Electric Corp 信号処理プロセッサ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009116458A (ja) * 2007-11-02 2009-05-28 Mitsubishi Electric Corp 信号処理プロセッサ

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