JPH08320313A - リポ蛋白代謝異常疾患の診断方法 - Google Patents

リポ蛋白代謝異常疾患の診断方法

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JPH08320313A
JPH08320313A JP7745095A JP7745095A JPH08320313A JP H08320313 A JPH08320313 A JP H08320313A JP 7745095 A JP7745095 A JP 7745095A JP 7745095 A JP7745095 A JP 7745095A JP H08320313 A JPH08320313 A JP H08320313A
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cholesterol
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Miyo Okazaki
三代 岡崎
Keiko Sasamoto
惠子 笹本
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】以下の工程:(a) HPLCゲル濾過クロマトグラフ
ィーによって生体試料中のリポ蛋白を粒子サイズの順に
分離する工程、(b) 分離後のリポ蛋白に含まれるコレス
テロール及びトリアシルグリセロールの定量とを行う工
程、及び(c) リポ蛋白の粒子サイズとコレステロール及
びトリアシルグリセロールの含有量との関係を示すリポ
蛋白プロファイルを得る工程を含むリポ蛋白代謝異常症
の診断方法。 【効果】血清リポ蛋白の特徴を的確に把握でき、リポ蛋
白代謝異常症を正確に診断できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はリポ蛋白代謝異常症の診
断方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、ヒト等の
哺乳類動物から採取した生体試料に含まれるリポ蛋白を
高速液体クロマトグラフィーにより分離し、分離後のリ
ポ蛋白中のコレステロール及びトリアシルグリセロール
を定量した後、生体試料中のリポ蛋白の粒子サイズとコ
レステロール量及びトリアシルグリセロール量との関係
を表すリポ蛋白プロファイルを作製することにより、脂
質代謝異常症の診断を行う方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】リポ蛋白は、トリアシルグリセロールや
コレステロールエステルなどの中性脂質をコア部とし、
その表面が固有の蛋白質(アポリポ蛋白質)とリン脂
質、及び遊離コレステロールからなる被膜で包まれたミ
セル様の小粒子であり、疎水性の脂質に蛋白質が結合す
ることにより血流中に安定な輸送体として存在してい
る。
【0003】リポ蛋白は、その粒子の大きさ、水和密
度、及び電気泳動度などの性質の違いにより幾つかのグ
ループに分類されており、基本的には、粒子に含まれる
蛋白質と脂質との比率によって規定される水和密度に従
い、軽いものから、CM(カイロミクロン)、VLDL(超低
密度リポ蛋白:d <1.006)、LDL(低密度リポ蛋白:1.00
6 <d <1.063)、HDL(高密度リポ蛋白:1.063 <d <1.
210)に分類されている。この他、VHDL(超高密度リポ蛋
白)やIDL(中密度リポ蛋白)と呼ばれる分類もある。例
えば HDLに分画されたリポ蛋白群に含まれるコレステロ
ール及びトリアシルグリセロールは、それぞれ HDLコレ
ステロール及び HDLトリアシルグリセロールと呼ばれ
る。
【0004】最近のリポ蛋白の分析法の進歩・発展によ
ってリポ蛋白代謝に関する研究が目ざましく進展し、多
くのリポ蛋白代謝異常症の病態が明らかにされている。
例えば、血清のコレステロール(TC)値やトリアシルグリ
セロール(TG)値によって高脂血症の型分類がなされてお
り、虚血性心疾患、動脈硬化症、脳血管障害、各種代謝
異常症との合併症などとの関連が研究されている。この
ような研究から、HDLコレステロールが末梢組織から肝
臓へコレステロールを運搬する作用を有しており、抗動
脈硬化作用を示すことが明らかにされている。
【0005】リポ蛋白の分析法としては、従来、超遠心
分離により密度の大きな血漿蛋白を沈降させ、逆に密度
の小さなリポ蛋白を浮上させる超遠心法が知られてい
る。この方法によって特定の比重のリポ蛋白分画を採取
し、それらの分画に含まれるコレステロール量、トリア
シルグリセロール量、血清蛋白(マクログロブリンやア
ルブミン等)量と各種疾患との相関を調べた臨床的な研
究が数多く報告されている。しかしながら、超遠心法に
よって低比重から高比重までの広い範囲にわたる血清リ
ポ蛋白の全体的な分布を調べるには、分画遠心法によっ
て密度溶媒を低いものから順に高くしながら遠心を繰り
返してCM、VLDL、LDL 、HDL を順次分離する必要があり
(段階的分画浮上法)、大量の血液試料と非常な長時間
と要するという問題があった。
【0006】また、段階的分画浮上法では、血漿中のリ
ポ蛋白の比重分布が連続的で切れ目がないことから、段
階的分画の際の密度誤差が段階をおって増幅されてしま
うという問題があり、溶媒密度の調製に細心の注意が必
要である。さらに、遠心後の試料チューブから目的のリ
ポ蛋白を採取する操作には非常な熟練を要するという問
題がある。とりわけ、トリアシルグリセロールを多量に
含むリポ蛋白は遠心チューブ内壁に付着し易いので定量
性を確保できないという問題があり、この方法の致命的
な欠陥となっている。従って、超遠心法によって幅広い
分布を有するリポ蛋白中のトリアシルグリセロールを正
確かつ簡便に定量することは実際上不可能である。
【0007】一方、リポ蛋白の粒子サイズは、一般に 4
〜600 nm程度の広い範囲に分布しているので、この粒子
サイズの違いから分子ふるい効果を利用してリポ蛋白の
分離・分画を行うゲル濾過クロマトグラフィー法が開発
されている。このようなゲル濾過クロマトグラフィー法
のうち、高速液体クロマトグラフィー (HPLC) を利用す
る方法が原・岡崎らにより開発されている (Hara. I. a
nd Okazaki, M., Methods in Enzymology, 129, pp.549
-557, 1986; 総説として、岡崎ら "膜脂質と血漿リポタ
ンパク質・下(続生化学実験講座3)," 日本生化学会
編、p.632, 株式会社東京化学同人発行、1986年)。
【0008】HPLCを利用する上記の方法は、HPLC用ゲル
濾過カラム (TSK-GEL, 東ソー株式会社製)に少量の未
処理血清を注入し、血清成分を粒子サイズによって分離
した後、リポ蛋白に含まれるコレステロールやトリアシ
ルグリセロールを生化学的に分析して(ポストカラム
法)、リポ蛋白に含まれるコレステロールやトリアシル
グリセロールの量を分析することを特徴としている。こ
の方法は、超遠心を利用する分析方法に比べて、極めて
少量の血清試料で短時間に分析を行うことができるう
え、熟練を要せずに再現性よく分析を行うことができる
という利点を有している。もっとも、コレステロールに
ついては極めて信頼性の高い定量分析結果が得られるこ
とが知られているが(岡崎三代、検査と技術、22(13),
pp.1055-1061, 1994)、トリアシルグリセロールについ
ては定量性に問題があることが指摘されている (Hara.
I. and Okazaki, M., Methods in Enzymology, 129, p
p.549-557, 1986)。
【0009】また、従前のHPLC法では、リポ蛋白が疎水
性を有しているためにHPLC用ゲル濾過カラムに非特異的
に吸着されてしまい、定量性が損なわれるという問題が
あった。しかしながら、最近では、ゲル濾過剤(HPLC用
カラム充填剤)の改良と非特異的吸着を抑制する溶媒系
の開発が行われており、定量性の問題も克服されてい
る。この結果、検出感度の大幅な向上と分析時間の短縮
が可能になり、臨床検査法として実用化されるに至って
いる(セパレーションレポート、No.087、東ソー株式会
社、1994年)。
【0010】さらに、HPLC法では個々の分画を溶出時間
で特定せざるを得ないという問題があり、加えて、用い
るカラムの種類や溶離液の種類、あるいは流速などの種
々の条件よってリポ蛋白の溶出時間が異なるので、異な
る条件下で得られた分析結果を直接比較することができ
ないという問題があった。しかしながら、この問題点に
ついても、岡崎らにより提案された「サイズパラメータ
ー」(ピーク検出時間と全分析時間から算出したリポ蛋
白のサイズを表す値)により、溶出時間と粒子サイズを
相関させることができるようになり、データの客観性が
担保されるようになっている [(a) 「HPLCプロファイリ
ングと脂質代謝異常」、第34回日本臨床化学会年会パネ
ルディスカッション1(平成6年11月4日、東京);
(b) 岡崎三代、検査と技術、22(13), pp.1055-1061, 19
94] 。
【0011】HPLC法では、カラムから溶出されてくるリ
ポ蛋白は、主として溶出時間の短い大サイズリポ蛋白と
溶出時間の長い小サイズリポ蛋白の2大分画に分離され
ている。小サイズリポ蛋白分画は HDL分画にほぼ一致し
ており、一方、大サイズリポ蛋白分画には、CM、VLDL、
それらの代謝産物(レムナント)、およびLDL 等が含ま
れている。従って、大サイズリポ蛋白分画をさらに2な
いし3分画して定量することにより、CM, VLDL, 及びLD
L に含まれるコレステロールを定量しようとする試みが
なされている。しかしながら、リポ蛋白中のトリアシル
グリセロールの分析については、上記のような定量性の
問題から、未だ実用的な段階には至っていない。
【0012】HPLC法や超遠心法などの従来のリポ蛋白分
析法は、連続的な粒子サイズ(あるいは超遠心法の場合
には比重)を有するリポ蛋白の集合体(すなわち混合
物)から、単に CM, VLDL, LDL, HDL などの分画に相当
するリポ蛋白を荒分けし、特定の範囲の粒子サイズ(あ
るいは比重)に包含されるリポ蛋白の混合物のコレステ
ロールあるいはトリアシルグリセロールの総量を定量す
るものである。このために、医師が診断の際に利用でき
る血清リポ蛋白の分析データは、CM, VLDL, LDL,HDLの
各コレステロール量(いずれも分画の総量);及びCM,
VLDL, LDL, HDLの各トリアシルグリセロール量(いずれ
も分画の総量)の数値として表現されている。このよう
な分析結果を基にした診断方法は、血清リポ蛋白に含ま
れるコレステロール及びトリアシルグリセロールの量を
診断に利用してはいるが、非常に大雑把に分画したリポ
蛋白に含まれるコレステロール及びトリアシルグリセロ
ールの総量を診断の材料にしているものにすぎない。
【0013】このような診断方法では、分画に含まれる
リポ蛋白のコレステロール量やトリアシルグリセロール
量(分画の総量)が一定の範囲内にあれば、リポ蛋白の
性状に異常があってもリポ蛋白の代謝異常は発見できな
いという問題がある。例えば、分画内のどのような粒子
サイズ(あるいは比重)のリポ蛋白が最大量のコレステ
ロールあるいはトリアシルグリセロールを含んでおり、
それが健常者のものに比べてどの程度相違しているのか
というようなリポ蛋白の性状を示す情報は全く利用でき
なかった。
【0014】リポ蛋白代謝異常症の正確な診断のために
は、患者の生体試料からリポ蛋白を分離し、リポ蛋白に
含まれるコレステロール及びトリアシルグリセロールの
分布から、リポ蛋白の特徴を把握することが必要であ
る。従来、コレステロールについては、HPLC法によって
リポ蛋白を粒子サイズに分離し、粒子サイズに対するコ
レステロールの分布からリポ蛋白代謝異常症のリポ蛋白
を特徴付けた例が知られている [(a) 岡崎三代、「HPLC
プロファイリングと脂質代謝異常」、第34回日本臨床化
学会年会パネルディスカッション1(平成6年11月4
日、東京);(b) 岡崎三代、検査と技術、22(13), pp.1
055-1061, 1994)] 。しかしながら、リポ蛋白に含まれ
るコレステロール量及びトリアシルグリセロール量の両
者から、リポ蛋白代謝異常症のリポ蛋白を二次元的に特
徴づけた例は全く知られていない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、リポ蛋白に
含まれるコレステロールおよびトリアシルグリセロール
を定量することにより、リポ蛋白代謝異常症の診断を簡
便かつ正確に行う新規な方法を提供することを目的とし
ている。より具体的には、本発明は、生体試料中に含ま
れるリポ蛋白の粒子サイズとコレステロール量及びトリ
アシルグリセロール量との関係から生体試料中リポ蛋白
の特徴を把握し、リポ蛋白代謝異常症を簡便かつ正確に
診断する方法を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】HPLCによるリポ蛋白の分
析法の最も優れた特徴は、段階的な分画を繰り返さず
に、広範囲の粒子サイズを有するリポ蛋白を一度に分離
して、リポ蛋白の全体像を示す分布図を得ることができ
ることにある。本発明者は、HPLC法の上記の特徴に着目
し、生体試料に含まれるリポ蛋白を粒子サイズにより分
離しつつ、リポ蛋白中のコレステロール及びトリアシル
グリセロールを定量して、さらに生体試料中のリポ蛋白
の粒子サイズとコレステロール量及びトリアシルグリセ
ロール量との関係を表すリポ蛋白プロファイルを作製す
ることにより、リポ蛋白代謝異常症を正確かつ簡便に診
断できることを見出した。本発明は、これらの知見を下
にして完成されたものである。
【0017】すなわち本発明は、(a) HPLCゲル濾過クロ
マトグラフィーによって生体試料、好ましくは血清中の
リポ蛋白を粒子サイズの順に分離する工程、(b) 分離後
のリポ蛋白に含まれるコレステロール及びトリアシルグ
リセロールの定量とを行う工程、及び(c) リポ蛋白の粒
子サイズとコレステロール及びトリアシルグリセロール
の含有量との関係を示すリポ蛋白プロファイルを得る工
程を含む、リポ蛋白代謝異常症の診断方法を提供するも
のである。
【0018】本発明の別の態様によれば、上記発明の工
程(c) に続き以下の工程(d) :上記工程(c) において得
られたリポ蛋白プロファイルを健常者から得たリポ蛋白
プロファイルと比較することによりリポ蛋白代謝異常症
の疾患に特徴的なリポ蛋白の性状を把握する工程を含む
上記方法;及び、上記工程(c) に続き、以下の工程:
(d) 上記工程(c) において得られたリポ蛋白プロファイ
ルを、健常者及び各種リポ蛋白代謝異常症の患者から得
た複数の標準的リポ蛋白プロファイルを含むリポ蛋白プ
ロファイル・ライブラリーと比較する工程が付加された
診断方法が提供される。
【0019】また、この発明の好ましい態様によれば、
大サイズリポ蛋白分画と小サイズリポ蛋白分画を完全に
分離した後に、リポ蛋白プロファイルをそれぞれ比較す
る上記診断方法も提供される。さらに本発明の別の態様
により、HPLCゲル濾過クロマトグラフィーによって分離
された生体試料中のリポ蛋白を粒子サイズと該分離後の
リポ蛋白に含まれるコレステロール量及びトリアシルグ
リセロール量との関係を表すリポ蛋白代1 異常症診断用
のリポ蛋白プロファイルが提供される。
【0020】HPLC法を用いた本発明の診断方法は、試料
である生体試料をHPLCゲル濾過クロマトグラフィーに付
し、分子ふるい効果によってリポ蛋白を粒子サイズに基
づいて分離した後、粒子サイズの大きさの順に分離され
たリポ蛋白中に含まれるコレステロールおよびトリアシ
ルグリセロールをそれぞれ定量し、得られた各定量値と
リポ蛋白の粒子サイズとの関係を表すリポ蛋白プロファ
イルを作成することにより、生体試料、好ましくは血清
中リポ蛋白に含まれるコレステロールおよびトリアシル
グリセロールの分布の特徴からリポ蛋白代謝異常症を診
断することを特徴としている。例えば、リポ蛋白代謝異
常症が疑われる患者から採取した血清からリポ蛋白プロ
ファイルを作成し、健常者の平均的リポ蛋白プロファイ
ル、あるいは健常者のリポ蛋白プロファイル及び各種の
リポ蛋白代謝異常症の患者のリポ蛋白プロファイルを含
むリポ蛋白プロファイル・ライブラリーと比較検討する
ことにより、リポ蛋白代謝異常症の診断を正確かつ簡便
に行うことができるので、本発明の方法は極めて有用で
ある。
【0021】本発明の方法に用いる分析装置は、HPLCに
よるゲル濾過クロマトグラフィーを可能にするものなら
ばいかなるものを用いてもよい。例えば、従来公知の H
PLCによるリポ蛋白の自動分析装置をそのまま用いるこ
とが可能である。このような分析装置については、複数
の公知刊行物 [(a)Okazaki, M., et al., High Perform
ance Liquid Chromatography of Serumu Lipoprotein,
CRC Handbook of Chromatography, Analysis of Lipid
s, pp.101-114, CRC Press, Inc., 1993; (b) Kieft,
K.A., et al., Journal of Lipid Research, 32, 860,
1991; (c) Separation Note, No.51, 東ソー株式会社,
1994年; (d) Separation Report, No.87,東ソー株式会
社, 1994年; (e) 臨床化学, 23(3), pp.236-242, 1994)
に詳細な方法と具体例が説明されているが、本発明の方
法に利用可能な装置はこれらに限定されることはない。
【0022】本発明の方法に用いることができる好まし
いHPLC分析装置の概略を図1に示す。図1の装置では、
オートサンプラーにセットされた血清がカラムに注入さ
れ、ポンプ1から送液される溶離液によってリポ蛋白が
粒子サイズの大きさの順に分離される。その後、カラム
からの溶出液中にポンプ2から酵素試薬を連続的に送り
込み、リアクター内で発色させてコレステロールを検出
し、溶出時間とコレステロール量を示すクロマトグラム
が自動的に作成されるようになっている。このような装
置をそのまま用いてトリアシルグリセロールの定量を行
うことができる。なお、トリアシルグリセロールの定量
は同一の試料を用いて別途に行ってもよいが、図1に示
す装置において、カラムからの溶出液を二手に分配し
て、コレステロール検出用のリアクターとトリアシルグ
リセロール検出用のリアクターに送り込み、一度の操作
でコレステロールおよびトリアシルグリセロールを同時
に定量することも可能である。
【0023】上記のHPLCによる分離操作では、生体試
料、好ましくは血清に前処理を施した後にクロマトグラ
フィーに付することもできるが、前処理を行わずに分離
操作に付すことも可能である。前処理工程としては、例
えば、リポ蛋白に特異的な抗体を用いて特定のリポ蛋白
成分を吸着させる工程、又は、特定の比重の分画を予め
超遠心法などの手法により分離する工程などを挙げるこ
とができる。これらの前処理方法の具体例の詳細及びそ
の効果は本明細書の実施例に記載されているが、本発明
の方法に採用される前処理はこれらに限定されることは
なく、本発明の方法により精度よくリポ蛋白代謝異常疾
患が診断できる限りいかなる前処理工程を採用してもよ
い。
【0024】カラムの充填剤であるゲル濾過剤として
は、広い範囲の粒子サイズを有するリポ蛋白の分離を可
能にするものならば、ポリビニルアルコール、ポリヒド
ロキシメタクリレート、及びその他の親水性樹脂などの
ポリマー系ゲル濾過剤やシリカゲル系ゲル濾過剤などの
いかなるゲル濾過剤を用いてもよい。例えば、ポアサイ
ズ(平均細孔径)が 200〜3,000 、より具体的には、約
200 程度、約400 程度、約1,000 程度、又は約3,000 程
度、さらに好ましくは 900〜1,100 オングストローム程
度のものを好適に用いることができる。もっとも、本発
明の方法により的確な診断を行うためには、少なくとも
大サイズリポ蛋白と小サイズリポ蛋白とが十分に分離さ
れ、特に、小サイズリポ蛋白が大サイズリポ蛋白から完
全に独立したピークを与えるようなカラムを選択すべき
である。このようなゲル濾過剤を充填したHPLC用カラム
は市販のものをそのまま用いることができる。例えば、
単一の種類のカラムを1または2以上用いてもよいが、
種類の異なる2以上のカラムを組み合わせて用いてもよ
い。一例を挙げれば、東ソー株式会社から市販されてい
る TSKgel Lipopropak (セパレーションレポート、No.0
87、東ソー株式会社、1994年)などは、本発明の方法の
ために特に好ましい HPLC カラムである。
【0025】リポ蛋白を分離するための溶離液として
は、広い範囲の粒子サイズを有するリポ蛋白の分離を可
能にするものならばいかなるものを用いてもよく、例え
ば、リン酸緩衝液、トリス緩衝液、ビス−トリス緩衝液
等を用いることができる。緩衝液の濃度は特に制限され
ないが、一般的には、十分な緩衝能を有しており、か
つ、コレステロール及びトリアシルグリセロールの検出
(ポストカラム反応)を阻害しないなどの特性が要求さ
れるので、例えば、20〜200 mM、好ましくは 50 〜100
mM程度の濃度にすることが一般的である。緩衝液のpHも
特に限定されないが、例えば、ポストカラム反応を阻害
しないような 5〜9 、好ましくは 7〜8 の範囲とすれば
よい。好ましくは、大サイズリポ蛋白と小サイズリポ蛋
白が完全に分離されるような条件を選択すべきである。
【0026】また、カラムの充填剤に対するリポ蛋白の
非特異的吸着を抑制するような溶離液を用いることが好
ましい。このような溶出液として、例えば、東ソー株式
会社から入手可能な TSKeluent LP-1(セパレーションレ
ポート、No.087、東ソー株式会社、1994年)などを好適
に用いることができる。なお、分析装置、ゲル濾過剤、
HPLC用カラム、及び溶離液は、例示のものに限定される
ことはなく、本発明の方法を実施する目的や生体試料の
種類、分析装置の種類などに応じて適宜選択することが
可能である。また、カラムの容量に応じて、流速は広い
範囲で選択することが可能である。
【0027】血清中のコレステロール及びトリアシルグ
リセロールはリポ蛋白にのみ含まれているので、大きさ
の順にカラムから溶出してくる血清リポ蛋白のコレステ
ロール及びトリアシルグリセロールを連続的に検出して
得られるクロマトグラムは、種々の粒子サイズを有する
リポ蛋白に含まれるコレステロール量及びトリアシルグ
リセロール量を反映している。また、カラムに注入され
た試料は、ほぼ100%回収されるので、カラムにより分離
したパターン(クロマトグラム)の全面積からコレステ
ロール及びトリアシルグリセロールの血清中の総量を定
量することができる。
【0028】コレステロールの定量には、例えば、コレ
ステロールエステラーゼ、コレステロールオキシダー
ゼ、パーオキシダーゼなどの酵素を、N-エチル-N-(3-メ
チルフェニル)-N'- サクシニルエチレンジアミン、4-ア
ミノアンチピリン、N-エチル-N-(3-スルホプロピル)-m-
アニシジンなどの色素と組み合わせた酵素−色素試薬を
用いることができる。これらの試薬は、コレステロール
と反応して、蛍光検出器や紫外可視検出器などの分光器
で検出可能な蛍光や吸収を有する反応生成物を与える。
例えば、市販のデタミナーL TC( 協和メデックス株式会
社)やコレスカラー・リキッド(東洋紡株式会社)など
の試薬を好適に用いることができる。
【0029】トリアシルグリセロールの定量には、例え
ば、リポプロテインリパーゼ、グリセロール-3- リン酸
オキシダーゼ、又はパーオキシダーゼなどの酵素を、N-
エチル-N-(3-メチルフェニル)-N'- サクシニルエチレン
ジアミンや4-アミノアンチピリンなどの色素と組み合わ
せた酵素−色素試薬を用いることができる。これらの試
薬は、トリアシルグリセロールと反応して、蛍光検出器
や紫外可視検出器などの分光器で検出可能な蛍光や吸収
を有する反応生成物を与える。例えば、市販のデタミナ
ーL TG (協和メデックス株式会社製)などの試薬を好適
に用いることができる。これらの試薬とコレステロール
およびトリアシルグリセロールの反応は、例えば35〜50
℃、好ましくは37〜45℃程度の温度で行えばよい。
【0030】図1に示す装置を用いてリポ蛋白を分離
し、コレステロールを定量した場合に得られたクロマト
グラムの一例を図2に示す。分析条件は以下のとおりで
ある。カラム: TSKgel Lipopropak (東ソー株式会社)
7.5 mm I.D. × 30 cm; 溶離液:TSKeluent LP-1(東ソ
ー株式会社); 流速:0.6 ml/min (溶離液), 0.225 ml/
min (反応液:デタミナーL TC R-1, 協和メデックス株
式会社),0.075 ml/min(反応液:デタミナーL TC R-
2, 協和メデックス株式会社);温度:室温(カラム),
45 ℃ (ポストカラム反応) ;反応コイル:反応コイルK
(0.4 mm I.D.×7.5 m);検出:VIS (550 nm);試料:
管理血清 (5 μl)。同様にしてトリアシルグリセロール
を定量したクロマトグラムを得ることができる。
【0031】上記のようなHPLCによってリポ蛋白を粒子
サイズの順に分離し、コレステロール(又はトリアシル
グリセロール)の定量した場合、一般的には、図2に例
示したように、横軸に時間、縦軸にコレステロール(又
はトリアシルグリセロール)の量を示すクロマトグラム
が得られる。両者のクロマトグラムが実質的に同一の条
件下で得られた場合には、両者のクロマトグラムを重ね
合わせることによってリポ蛋白プロファイルを作製し、
本発明の診断方法に用いてもよい。通常、溶出時間が短
いほどリポ蛋白の粒子サイズが大きいので、上記のリポ
蛋白プロファイルの横軸(溶出時間)をリポ蛋白の粒子
サイズの指標として考えることにより、上記のリポ蛋白
プロファイル(横軸:溶出時間;縦軸:TCおよびTG量)
からリポ蛋白の粒子サイズとコレステロール及びトリア
シルグリセロール量との関係を読み取ることが可能であ
る。
【0032】もっとも、溶出時間とリポ蛋白の粒子サイ
ズの間には明確な直線関係が存在しない場合もあるの
で、溶出時間をリポ蛋白の粒子サイズと読み換えること
に問題が生じる可能性がある。また、このようなリポ蛋
白プロファイル(横軸:溶出時間;縦軸:TCおよびTG
量)を、全く別な分析装置により得られた健常者のリポ
蛋白プロファイルと比較検討することは困難な場合があ
る。従って、各クロマトグラムからリポ蛋白プロファイ
ルを作成する際には、横軸の溶出時間をリポ蛋白の粒子
サイズを示す客観的な指標に変換することが望ましい。
【0033】例えば、各クロマトグラムの横軸(溶出時
間)をサイズパラメーター(ピーク検出時間と全分析時
間から算出したリポ蛋白のサイズを表す値:(a) 岡崎三
代、「HPLCプロファイリングと脂質代謝異常」、第34回
日本臨床化学会年会パネルディスカッション1、平成6
年11月4日、東京;(b) 岡崎三代、検査と技術、22(1
3), pp.1055-1061, 1994)に換算することにより、本発
明の方法に好適なリポ蛋白プロファイルを作成すること
ができる。例えばサイズパラメーターを 100−(ピーク
時間−分析開始時間)/全分析時間×100 として横軸を
換算した後、横軸をサイズパラメータ(100-0) 、縦軸を
コレステロール量及びトリアシルグリセロール量として
表した本発明のリポ蛋白プロファイルを得ることができ
る。
【0034】上記のような換算を行うことにより、コレ
ステロール及びトリアシルグリセロールについて得られ
たそれぞれのクロマトグラムを一層精度よく結び付け、
リポ蛋白の粒子サイズとコレステロール及びトリアシル
グリセロールの含有量との関係を示すリポ蛋白プロファ
イルを作製することができる。なお、サイズパラメータ
ーは上記のものに限定されず、溶出時間を粒子サイズに
変換でき、種々のデータの互換性を担保できるものなら
ばいかなるものを採用してもよい。
【0035】本発明の診断方法は、哺乳類動物から分離
採取した生体試料、例えば血清を用いて上記のようなリ
ポ蛋白プロファイルを作成することによって、血清中リ
ポ蛋白の性状をコレステロール量およびトリアシルグリ
セロール量の分布から特徴付けることを特徴としてい
る。さらに、得られたリポ蛋白プロファイルを、例え
ば、健常者から得たリポ蛋白プロファイルと比較するこ
とにより被検者のリポ蛋白プロファイルの特徴(健常者
のものとの相違点)を把握するか、あるいは、被験者の
リポ蛋白プロファイルを、予め作成したリポ蛋白プロフ
ァイル・ライブラリーの各構成要素と比較することによ
り、被験者のリポ蛋白プロファイルと類似または一致す
るリポ蛋白プロファイルを与える疾患を見いだして疾患
名を特定することにより診断を行うものである。従っ
て、本発明の診断方法は、コレステロール量及びトリア
シルグリセロール量の分布という二次元的な情報から血
清中リポ蛋白を特徴付け、リポ蛋白代謝異常症を正確に
診断しようとするものである。
【0036】個々の生体試料からのリポ蛋白プロファイ
ルは上記のリポ蛋白プロファイルの作成方法に従って得
ることができ、予め健常者から採取した生体試料を用い
て作成したリポ蛋白プロファイルと比較することによっ
てもリポ蛋白代謝異常疾患を診断することができるが、
被験者のリポ蛋白代謝異常疾患を正確かつ簡便に診断を
可能にするためには、種々の疾患のリポ蛋白プロファイ
ルを集積したリポ蛋白プロファイル・ライブラリーを作
成しておくことが望ましい。このようなリポ蛋白プロフ
ァイル・ライブラリーに集積されたリポ蛋白代謝異常疾
患の特徴的なリポ蛋白プロファイルと被験者のリポ蛋白
プロファイルとを重ね合わせて比較することによって、
より簡便な診断が可能になる。
【0037】このような個々の疾患のリポ蛋白プロファ
イルの例及びリポ蛋白プロファイル・ライブラリーの例
(実施例2)を以下の実施例に示したが、本発明の方法
に用いるリポ蛋白プロファイル・ライブラリー及びリポ
蛋白プロファイル・ライブラリーはこれらに限定される
ことはない。また、健常者のリポ蛋白プロファイルとし
ては、例えば、10〜100 例以上の健常者から得たリポ蛋
白プロファイルを平均して健常者の平均的リポ蛋白プロ
ファイルを作成し、本発明の診断方法に用いることがで
きる。健常者は、例えば TC <200 mg/dl かつ TG <80
〜100 mg/dl かつ40<HDL <80 mg/dl(絶食時)の範囲
の者を選択することができる。
【0038】本発明の診断方法に従って被検血清から得
たリポ蛋白プロファイルと標準リポ蛋白プロファイルと
を比較する際には、粒子サイズの分布の全般にわたって
比較を行ってもよいが、大サイズリポ蛋白分画と小サイ
ズリポ蛋白分画のそれぞれの分画について比較を行うこ
とが好ましい。コレステロール及びトリグリセリドのそ
れぞれについて以下の項目の全てあるいはその一部につ
いて比較を行うことが好ましいが、比較すべき項目は以
下に例示するものに限定されることはない。
【0039】大サイズリポ蛋白(CM, VLDL, LDLのそれぞ
れあるいはその組み合わせ、CM+VLDLとLDL, CM とVLDL
+LDL 、CM+VLDL+LDL)と小サイズリポ蛋白(HDL) の定
量値(mg/dl) の比較、あるいは谷分割または時間分割に
よる定量値又はピークのシュミレーションによる各分画
の定量値の比較;上記の方法のいずれかあるは全ての方
法により分画した各分画のTG%(=TG ÷(TG+TC) ×10
0];各ピーク、例えば大サイズリポ蛋白(CM, VLDL, LD
L) と小サイズリポ蛋白(HDL)のサイズ;大(小)サイズ
リポ蛋白の平均サイズパラメーター(面積が1/2 の位
置);TCとTGの平均サイズパラメータの乖離(TG のサイ
ズ÷TCのサイズ×100 : 大(小)サイズリポ蛋白乖
離);小サイズリポ蛋白のピーク幅;大サイズリポ蛋
白、又はCM, VLDL, IDL, LDL単独のピーク幅;各ピーク
の高さ;ピークに含まれるリポ蛋白成分の不均一性(各
ピークの面積÷各ピークの高さ);ピークの対称性(ピ
ーク・トップの右側と左側の面積の比);及び各ピーク
間の谷の高さ。
【0040】以下の実施例に、本発明の方法に従ってリ
ポ蛋白代謝異常症を診断するためにの具体的方法を示す
が、これらの例に示される判断基準は本発明の方法の一
例として説明するものであり、熟練した医師や当業者
が、これらの判断基準に拘泥することなく、診断の目的
や分析装置などの諸条件に応じて適宜の判断基準を採用
すべきことはいうまでもない。
【0041】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定され
ることはない。 例1:リポ蛋白の分離(健常者の平均的リポ蛋白プロフ
ァイルの作成) 図1に示す装置により、未処理血清(5μl)の分離を行っ
た。分析カラムとして市販の TSKgel Lipopropak(東ソ
ー株式会社:内径7.5 mm、全長60 mm )、試料注入とし
て AS-8020(東ソー株式会社)、検出器として UV-8010
(東ソー株式会社)を用いた。検出波長は 550 nm とし
た。リアクターとして反応オーブン CO-8020(東ソー株
式会社)内に反応コイルK(東ソー株式会社、内径 0.4
mm 、全長 7.5 m又は 10 m)を設置して45℃または37℃
で反応を行った。
【0042】ポンプ1(送液用)としてCCPM(東ソー株
式会社)を用い、溶離液としてTSKeluent LP-1又はLP2
を用い流速を 0.6 ml/min とした。ポンプ2として CCP
M (東ソー株式会社)を用い、検出用試薬としてTCにつ
いてはデタミナーL TC R-1 (協和メデックス株式会社、
0.225 ml/min) とデタミナーL TC R-2( 協和メデックス
株式会社、0.075 ml/min) 、TGについてはデタミナーL
TG R-1 (協和メデックス株式会社、0.225 ml/min) とデ
タミナーL TG R-2 のリポプロテインリパーゼを2単位
から10単位に強化したもの( 協和メデックス株式会社、
0.075 ml/min)を用いた。
【0043】上記のような装置と条件を用いて、健常者
から採取した血清中のリポ蛋白を分離し、リポ蛋白の溶
出時間とTC量(図2)またはTG量を示すクロマトグラム
をそれぞれ作成した。このクロマトグラムの横軸(溶出
時間)をサイズパラメーター〔 100−(ピーク時間−分
析開始時間)/全分析時間×100 〕に換算した後、両者
のサイズパラメーターが同一になるように重ね合わせ
て、健常者(TC=165 mg/dl, TG=84 mg/dl) のリポ蛋白プ
ロファイルを作成した(図3:図中、TC──; TG: ....
を示す)。
【0044】 例2:高脂血症の型分類 I型高脂血症(1) TC=557 mg/dl, TG=4629 mg/dl I型高脂血症(2) TC=370 mg/dl, TG=4240 mg/dl LPL 欠損症 IIa 型高脂血症 TC=662 mg/dl, TG=142 mg/dl FH(ホモ接合体) IIb 型高脂血症(1) TC=322 mg/dl, TG=350 mg/dl IIb 型高脂血症(2) TC=303 mg/dl, TG=258 mg/dl III 型高脂血症 TC=270 mg/dl, TG=164 mg/dl IV型高脂血症(1) TC=209 mg/dl, TG=320 mg/dl IV型高脂血症(2) TC=253 mg/dl, TG=542 mg/dl V型高脂血症(1) TC=268 mg/dl, TG=887 mg/dl V型高脂血症(2) TC=279 mg/dl, TG=794 mg/dl
【0045】高脂血症の各型について、分析カラムとし
てLipopropak(LP: 30cm/東ソー)を2本又はLipoprop
ak XL (XL: 30cm/東ソー)1本で血清を分離後、TC(
──)とTG( ....) でモニターした。各高脂血症のリポ
蛋白プロファイルを図4〜8に示す。図4a 及びb はそ
れぞれI 型高脂血症の例を示し、図5a 及びb はそれぞ
れIIb 型高脂血症の例を示し、図6a 及びb はそれぞれ
IV型高脂血症の例を示し、図7a 及びb はそれぞれV 型
高脂血症の例を示し、図8a 及びb はそれぞれIIa 型高
脂血症及びIII 型高脂血症の例を示す。これらは本発明
のリポ蛋白プロファイル・ライブラリーの一例である。
【0046】縦軸のTC量とTG量はI型では1/16に IIa型
では1/3 に縮小してある。血清TG値が非常に高く超乳び
でカイロミクロンが著しく増加するI型は、LPL 欠損症
I型(図4b) のようにカイロミクロンのみ増加する場合
とVLDLもかなり増加する場合I型(図4a) とがあること
が判る。カイロミクロンとVLDLが増加するV型、VLDLが
増加するVI型、LDL が増加する IIb型では、それぞれ V
LDL のサイズパラメーターによって大きく2グループに
分けることができた。第一のグループ(1) はVLDLのサイ
ズパラメーターが比較的小さく(約66〜71)、第二のグ
ループ(2) は比較的大きかった(約70〜78)。またTCモ
ニター、TGモニターそれぞれの場合の大サイズリポ蛋白
の平均粒子サイズ(面積が 1/2の位置)を求め、TGの平
均粒子サイズ÷TCの平均粒子サイズ×100 をサイズ乖離
と定義すると、第一のグループ(1) では約106 、第二の
グループ(2) では約120 となり、より大きな大サイズリ
ポ蛋白のサイズ乖離も第二のグループの方に見られた。
III 型では大サイズリポ蛋白のサイズ乖離は小さく、正
常例や IIa型に比べてサイズパラメーターが大きかっ
た。 例3:診断例 検体3-1 CETP完全欠損症の例 TC=211 mg/dl, TG=44 mg/dl 検体3-2 高HDL 血症の例 TC=272 mg/dl, TG=64 mg/dl 検体3-3 マウス(眼窩採血の血漿)の例 分析カラムとしてLipopropak(30cm/東ソー)を2本接
続して用い、血清を分離後、TC( ──)とTG( ....) で
モニターした。図9a 〜c にそれぞれ検体3-1〜3-3 の
リポ蛋白プロファイルを示す。
【0047】いずれの検体もTCモニターでは小サイズリ
ポ蛋白の量が多く(検体3-1: 145 mg/dl、検体3-2: 142
mg/dl、検体3-3: 90 mg/dl )、かつサイズも大きい
(検体3-1: 33.5 、検体3-2: 33.1 、検体3-3: 30.5 )
ことが分かった。TGモニターではTCエステル転送蛋白(C
ETP)が欠損している検体2-1 及び検体2-3 では小サイズ
リポ蛋白のTGはほとんどなかったのに対し、CETP欠損を
伴わない通常の高HDL 血症では小サイズ分画にもTGのピ
ークが認められた。大サイズリポ蛋白と小サイズリポ蛋
白のTG% (TG/(TC+TG) ×100)はそれぞれ、検体3-1 では
34% 及び3%、検体3-3 では86% 及び5%と大きく乖離した
のに対し、検体3-2 では21% と14% と乖離が少なかっ
た。CETP欠損症ではこの乖離を診断の基準とすることが
できた。TCモニター、TGモニターそれぞれの場合の大サ
イズリポ蛋白の平均粒子サイズ(面積が 1/2の位置)を
求め、TGの平均粒子サイズ÷TCの平均粒子サイズ×100
をサイズ乖離と定義すると、検体3-1 では97、検体3-2
では 101であり、CETP欠損症では大サイズリポ蛋白のサ
イズ乖離も見られた。なおTGは通常、TCに比べよりサイ
ズの大きい大サイズリポ蛋白での含有率が高いと考えら
れるので、サイズ乖離が100以下はかなり異常と判断さ
れる。
【0048】 実施例4:治療経過 検体4-1 糖尿病 TC=216 mg/dl, TG=311 mg/dl, 空腹時血糖値(FBG)=163 mg/d l 検体4-2 糖尿病(3カ月後) TC=197 mg/dl, TG=190 mg/dl, FBG=124 mg/dl 検体4-3 正常 TC=165 mg/dl, TG=84 mg/dl 分析カラムとしてLipopropak(30cm/東ソー)を2本接
続して用い、糖尿病患者の治療経過の指標とするため、
TCとTG(TG)でモニターした。図10はリポ蛋白プロファイ
ルを示し、図中、a 及びb はそれぞれTCとTGのプロファ
イルを示す。
【0049】糖尿病では、しばしば脂質代謝異常も伴っ
ている。検体4-1(....) のTCモニターでは、正常(検体
4-3:──)に比べると小サイズリポ蛋白の量が少なく
(検体4-1: 35 mg/dl 、検体4-3: 57 mg/dl)、大サイズ
リポ蛋白のピーク幅が広かった(検体4-1: 17.3 、検体
4-3: 13.4 )が、3カ月後(検体4-2 : ----)もパター
ンの変化はわずかであった(例:大サイズリポ蛋白のピ
ーク幅;16.9)。ピークの対称性は(ピークトップの左
側の面積÷右側の面積)、検体4-1: 1.67 、検体4-2:
1.34 、検体4-3: 1.01 でピーク幅よりも治療経過の指
標として優れている。TGモニターでは、小サイズリポ蛋
白の変化はほとんどなかったが、大サイズリポ蛋白は、
量が 280→170 mg/dl 、サイズパラメーターが 68.3 →
66.2と大幅に改善されていた。これは、空腹時血糖値の
改善も伴っており、糖尿病に伴った脂質代謝異常の治療
経過の指標として、TC及びTGモニターを併せたリポ蛋白
プロファイリングが有効であった。
【0050】 実施例5:サイズパラメーターと各分画のTG% 検体5 LPL 欠損症(食事療法)の例 TC=138 mg/dl, TG=725 mg/dl 分析カラムとしてLipopropak(LP: 30cm/東ソー)を2
本接続した場合と、Lipopropak XL (XL: 30cm/東ソ
ー)1本の場合で、それぞれ血清を分離した後、TCとTG
でモニターした。検体5及び健常者(LP: 17例、XL: 38
例の平均値)のそれぞれのカラム系でのサイズパラメー
ターを計算したところ良く一致しており(表1)、サイ
ズパラメーターがカラムの種類や長さによらない数値と
して比較できることが実証された。また、各分画のTG%
[TG/(TC+TG) ×100]もよく一致した(表2)。
【表1】 サイズパラメーター ──────────────────────────────────── TC モニター TG モニター CM VLDL LDL HDL CM VLDL LDL HDL ──────────────────────────────────── 検体5 LP 60 cm 91.3 70.3 53.4 29.4 91.6 72.9 − 30.1 XL 30 cm 90.5 69.3 53.2 30.3 92.3 73.0 − 30.7 ──────────────────────────────────── 健常者 n=17 ; LP 60 cm 90.4 − 56.3 30.3 90.7 68.8 58.2 30.1 n=38 ; XL 30 cm 86.7 − 57.0 29.7 90.5 68.1 59.6 29.9 ────────────────────────────────────
【表2】 TG% ───────────────────────────────── CM VLDL LDL 小サイズリポ蛋白 ───────────────────────────────── 検体5 LP 60 cm 92 84 70 68 XL 30 cm 92 88 69 70 ───────────────────────────────── 大サイズリポ蛋白 小サイズリポ蛋白 ───────────────────────────────── 健常者 n=17 ; LP 60 cm 24 22 n=38 ; XL 30 cm 22 21 ─────────────────────────────────
【0051】 実施例6:超遠心法(前処理)との組合せ 検体6-1 冠動脈狭窄がない(正常)例 TC=182 mg/dl, TG=91 mg/dl 検体6-2 冠動脈狭窄がある例 TC=196 mg/dl, TG=127 mg/dl 血清に比重1.063 の超遠心分離を行い、その下層分画(d
>1.063)を分析カラムであるLipopropak XL (XL: 30cm
/東ソー)で分離した後、TC( ──)とTG( ....) でモ
ニターした。また、超遠心分離前の血清も同様にHPLCで
分析して比較した。図11a 及びb は、それぞれ検体6-1
及び6-2 についてのリポ蛋白プロファイルを示す図であ
る。
【0052】検体6-1 の下層分画のTCモニターでは3つ
のピークが観測され、3番目のピークは血清の小サイズ
リポ蛋白のピークと量及びサイズともに完全に一致し
た。2番目のピークは血清の大サイズリポ蛋白よりやや
サイズが小さく(血清 : 58.8、下層分画 : 56.3)、1
番目のピークはサイズパラメーターが67.6とかなり大き
かった。TGモニターでは1番目のピークはTCモニターの
場合より小さく TG%がかなり低く(18.6%) 、Lp(a) の可
能性が考えられた。2番目のピークは血清の大サイズリ
ポ蛋白に比べて TG%がやや低く(血清 : 40.9%、下層分
画 : 35.5%) 、比重が大きくてサイズが小さいLDL と考
えられた。検体6-2 の下層分画では1番目、2番目のピ
ークはほとんどなく、この2種類のピークが、動脈硬化
症と密接な関係があることが示唆された。1番目のピー
クのTC量(X) と比濁法による Lp(a)量(Y) と相関を検討
したところ、n=52、Y=4.96X+9.56、r=0.912 で非常に高
い相関が得られた。
【0053】 実施例7:モノクローナル抗体処理(前処理)との組み合わせによる異常リポ蛋 白の分析 検体7-1 Lp-Xがある例 TC=400 mg/dl, TG=86 mg/dl, アポE=43.9 mg/dl 検体7-2 Lp-Xがある例 TC=886 mg/dl, TG=273 mg/dl, アポE=17.7 mg/dl 血清TG値がTCと比べて相対的に低く血清アポE 値が異常
高値を示す血清を分析カラムであるLipopropak XL (X
L: 30cm/東ソー)又はLipopropak(LP: 30cm×2本/
東ソー)で分離後、TC(──)とTG( .... )でモニター
した。血清をモノクローナル抗アポA-I 及び抗アポ B抗
体(RLP-コレステロール「JIMRO 」、日本抗体研究所)
で吸収した上清分画(RLP分画)をTC(----)でモニターし
た。検体7-1 及び7-2 についての結果を図12a 及びb に
示す。
【0054】検体7-1 の RLP分画では血清の大サイズリ
ポ蛋白と小サイズリポ蛋白の中間の位置にピークが観測
され(サイズパラメーター : 40.5)、異常リポ蛋白成分
が多量に存在することが分かった。血清のTCモニターで
は大サイズリポ蛋白と小サイズリポ蛋白のピークの間の
“谷”の高さが高く異常成分の存在が示唆されたが、TG
モニターではそのサイズの成分はなかった。同様に検体
7-2 では RLP分画にサイズパラメーター:74.9 の位置に
異常成分が多量に残り、血清のTGモニターでは、TGをほ
とんど含まないTC主体の成分であることが分かった。
【0055】実施例8:ポリクローナル抗体処理(前処
理)との組み合わせによる異常リポ淡白の分析 検体8-1 IV型高脂血症 TC=245 mg/dl, TG=629 mg/dl 検体8-2 IV型高脂血症 TC=236 mg/dl, TG=422 mg/dl 血清を LDL以外のリポ蛋白を吸収するポリクローナル抗
体(「LDL-CHOLESTEROL 」、シグマ社)で吸収した濾液
分画(LDL分画) を分析カラムであるLipopropak(LP: 30
cm×2本/東ソー)で分離後、TC(──)とTG(----)で
モニターした。また、分画前の血清のTGモニター
(....) も併せて示した。検体8-1 及び8-2 についての
結果を図13a 及びb に示す。
【0056】IV型高脂血症の検体8-1 の LDL分画では、
TCモニターとTGモニターのピークが一致し(サイズパラ
メーター : 53.0)、対称性も良く(TCモニターのピーク
トップの左側の面積÷右側の面積 : 1.07 )LDL 以外の
成分が良く吸収されていた。検体8-2 では LDL分画のTC
モニターとTGモニターのピークは一致せず(サイズパラ
メーター : 57.3 と 66.1)、ピークの対称性(1.93)が非
常に悪かった。この2検体を比較すると、TGモニターの
ピークのサイズパラメーターが検体8-1 : 75.9、検体8-
2 : 70.2であり、また大サイズリポ蛋白のTG% がそれぞ
れ 73%、65% と大きく違い、リポ蛋白の質の違いを反映
していると考えられた。
【0057】
【発明の効果】本発明の診断方法は、血清に含まれるリ
ポ蛋白から粒子サイズとTC量及びTG量との関係を表すリ
ポ蛋白プロファイルを得ることにより、血清リポ蛋白の
特徴を的確に把握することができ、リポ蛋白代謝異常症
を正確に診断することができるので有用である。また、
本発明の方法は極めて簡便に行うことができるという優
れた特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の方法を実施するために利用できるHP
LCによる測定装置の概略を示した図である。
【図2】 HPLCにより分離されたリポ蛋白中のTCの分布
(横軸:溶出時間;縦軸:TC量)を示すクロマトグラム
を示す図である。
【図3】 健常者の本発明のリポ蛋白プロファイルを示
す図である。図中、──はTCを示し、....はTGを示す。
【図4】 本発明のリポ蛋白プロファイルを示す図であ
る。図中、──はTCを示し、....はTGを示し、a 及びb
はそれぞれI 型高脂血症の例を示す。
【図5】 本発明のリポ蛋白プロファイルを示す図であ
る。図中、──はTCを示し、....はTGを示し、a 及びb
はそれぞれIIb 型高脂血症の例を示す。
【図6】 本発明のリポ蛋白プロファイルを示す図であ
る。図中、──はTCを示し、....はTGを示し、a 及びb
はそれぞれIV型高脂血症の例を示す。
【図7】 本発明のリポ蛋白プロファイルを示す図であ
る。図中、──はTCを示し、....はTGを示し、a 及びb
はそれぞれV 型高脂血症の例を示す。
【図8】 本発明のリポ蛋白プロファイルを示す図であ
る。図中、──はTCを示し、....はTGを示し、a 及びb
はそれぞれIIa 型高脂血症及びIII 型高脂血症の例を示
す。
【図9】 本発明のリポ蛋白プロファイルを示す図であ
る。図中、──はTCを示し、....はTGを示し、a:CETP完
全欠損症、b:高HDL 血症、及び c: マウス(眼窩採血の
血漿)を示す。
【図10】 本発明のリポ蛋白プロファイルを示す図で
ある。図中、a 及びb はそれぞれTCとTGのプロファイル
を示し、──は正常、....は糖尿病、----は糖尿病(3
カ月後)を示す。
【図11】 本発明のリポ蛋白プロファイルを示す図で
ある。図中、──はTCを示し、----はTGを示し、a 及び
b は、それぞれ冠動脈非狭窄例及び狭窄例を示す。
【図12】 本発明のリポ蛋白プロファイルを示す図で
ある。図中、──はTCを示し、....はTGを示し、----は
RLP 分画のTCを示し、a 及びb はそれぞれLp-Xがある例
を示す。
【図13】 本発明のリポ蛋白プロファイルを示す図で
ある。図中、──はLDL分画のTCを示し、----はLDL 分
画のTGを示し、....は血清のTGを示し、a 及びbはそれ
ぞれIV型高脂血症の例を示す。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の工程: (a) HPLCゲル濾過クロマトグラフィーによって生体試料
    中のリポ蛋白を粒子サイズの順に分離する工程、(b) 分
    離後のリポ蛋白に含まれるコレステロール及びトリアシ
    ルグリセロールの定量とを行う工程、及び(c) リポ蛋白
    の粒子サイズとコレステロール及びトリアシルグリセロ
    ールの含有量との関係を示すリポ蛋白プロファイルを得
    る工程を含むリポ蛋白代謝異常症の診断方法。
  2. 【請求項2】 上記工程(c) に続き、以下の工程: (d) 上記工程(c) において得られたリポ蛋白プロファイ
    ルを健常者から得たリポ蛋白プロファイルと比較するこ
    とによりリポ蛋白代謝異常症の疾患に特徴的なリポ蛋白
    の性状を把握する工程を含む請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 上記工程(c) に続き、以下の工程: (d) 上記工程(c) において得られたリポ蛋白プロファイ
    ルを、健常者及び各種リポ蛋白代謝異常症の患者から得
    た複数の標準的リポ蛋白プロファイルを含むリポ蛋白プ
    ロファイル・ライブラリーと比較する工程を含む請求項
    1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 大サイズリポ蛋白分画と小サイズリポ蛋
    白分画を完全に分離し、各々のリポ蛋白プロファイルを
    比較する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 HPLCゲル濾過クロマトグラフィーによっ
    て分離された生体試料中のリポ蛋白の粒子サイズと該分
    離後のリポ蛋白に含まれるコレステロール量及びトリア
    シルグリセロール量との関係を表すリポ蛋白代謝異常症
    診断用のリポ蛋白プロファイル。
  6. 【請求項6】 リポ蛋白代謝異常症の疾患に特徴的なリ
    ポ蛋白の性状を把握するために用いる請求項5に記載の
    リポ蛋白プロファイル。
JP7745095A 1995-04-03 1995-04-03 リポ蛋白代謝異常疾患の診断方法 Pending JPH08320313A (ja)

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