JPWO2009048081A1 - 脂肪性肝疾患の診断方法、診断装置、診断プログラム及び脂肪性肝疾患用治療薬のスクリーニング方法 - Google Patents

脂肪性肝疾患の診断方法、診断装置、診断プログラム及び脂肪性肝疾患用治療薬のスクリーニング方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2009048081A1
JPWO2009048081A1 JP2009537013A JP2009537013A JPWO2009048081A1 JP WO2009048081 A1 JPWO2009048081 A1 JP WO2009048081A1 JP 2009537013 A JP2009537013 A JP 2009537013A JP 2009537013 A JP2009537013 A JP 2009537013A JP WO2009048081 A1 JPWO2009048081 A1 JP WO2009048081A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fatty liver
liver disease
ultra
low density
density lipoprotein
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009537013A
Other languages
English (en)
Inventor
中島 淳
淳 中島
米田 正人
正人 米田
藤田 浩司
浩司 藤田
拓史 中嶋
拓史 中嶋
裕樹 佐々木
裕樹 佐々木
純一郎 高橋
純一郎 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokohama City University
Original Assignee
Yokohama City University
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yokohama City University filed Critical Yokohama City University
Publication of JPWO2009048081A1 publication Critical patent/JPWO2009048081A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/92Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving lipids, e.g. cholesterol, lipoproteins, or their receptors
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/416Systems
    • G01N27/447Systems using electrophoresis
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2800/00Detection or diagnosis of diseases
    • G01N2800/08Hepato-biliairy disorders other than hepatitis
    • G01N2800/085Liver diseases, e.g. portal hypertension, fibrosis, cirrhosis, bilirubin
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2800/00Detection or diagnosis of diseases
    • G01N2800/56Staging of a disease; Further complications associated with the disease
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N30/00Investigating or analysing materials by separation into components using adsorption, absorption or similar phenomena or using ion-exchange, e.g. chromatography or field flow fractionation
    • G01N30/02Column chromatography
    • G01N30/62Detectors specially adapted therefor
    • G01N30/72Mass spectrometers

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Endocrinology (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

従来の肝生検より簡単で、脂肪性肝疾患の罹患の有無や病態の進行度等について診断する。被験者から採取した血液由来試料に含まれるカイロマイクロン、超低比重リポタンパク質、カイロマイクロン・レムナント及び超低比重リポタンパク質・レムナントからなる群から選ばれる少なくとも1種を分析する工程と、当該分析の結果に基づいて脂肪性肝疾患への罹患、前記疾患の重症度又は前記疾患に対する治療効果を判定する。

Description

本発明は、脂肪性肝疾患の診断方法、診断装置、診断プログラム及び脂肪性肝疾患用治療薬のスクリーニング方法に関する。
近年食生活の欧米化、都市化による運動不足にともないわが国を含む欧米諸国でアルコールを飲まないのに脂肪肝から脂肪性肝炎に罹患する患者が急増している。このような新しい疾患概念は非アルコール性脂肪性肝疾患(Non-alcoholic fatty liver disease: NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(Non-alcoholic steatohepatitis: NASH)とよばれている(非特許文献1)。NASHは放置すると徐々に肝臓の線維化が進行し肝硬変に至ることがわかっており、時として脂肪肝由来の肝臓がんが発症することも知られている。脂肪肝は、人間ドックや健康診断で高頻度に見つかる異常である。これまで肝機能異常が軽度な脂肪肝はアルコールを飲まないのなら病的意義がほとんどなく放置してよいとされてきた。
アルコール飲酒の習慣があると、これだけでも脂肪肝、肝障害を起こすことは古くから知られている。この場合原因がアルコールにあるので、節酒ないしは禁酒をすることで治療が行われている。一方アルコール習慣のないNASH/NAFLDに関して原因はもとより病態や診断・治療法もいまだ定まったものがないのが現状である。
大変侵襲的な検査であるが肝生検が現在できうる範囲でもっとも確実な診断方法である。肝生検は侵襲度が高いこともあり、より簡単な診断に有用な検査法の開発が望まれている。
また、本疾患の発症メカニズムに関しては、肥満や糖尿病などを背景にすることが多いことがわかっているが、なぜ、肥満や、運動不足などだけで肝硬変にまでなってしまうのかはよくわかっていない。少なくとも以前にはほとんどなかった疾患が近年新しく出現したと考えられその病態解明が求められている。
なお、これら脂肪性肝疾患に関しては、総説として非特許文献2及び非特許文献3を参照することができる。
Ludwig, J., Viggiano, T.R., McGill, et al. :Nonalcoholic steatohepatitis: Mayo Clinic experiences with a hitherto unnamed disease. Mayo Clin Proc 55:434-438, 1980 John B. Dixon et al., Gastroenterology 2001; 121, 91-100及びGastroenterology 2002; 123, 1705-1725 Gastroenterology 2002; 123, 1705-1725
そこで、本発明は、従来の肝生検より簡単で、脂肪性肝疾患の罹患の有無や病態の進行度等(以下の説明においては、重症度や進展過程という場合も有る)についての診断を可能とする脂肪性肝疾患の診断方法、診断装置及び診断プログラムを提供することを目的とし、また、脂肪性肝疾患用治療薬のスクリーニング方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、脂肪性肝疾患と血液由来試料に含まれるリポタンパク質との関連性を詳細に検討した結果、脂肪性肝疾患の罹患の有無や病態の進行度とカイロマイクロン、超低比重リポタンパク質、カイロマイクロン・レムナント及び超低比重リポタンパク質・レムナントからなる群から選ばれる少なくとも1種に由来する測定値(分析結果)とが相関するといった新規知見を見いだし、本発明を完成するに至った。
本発明に係る脂肪性肝疾患の診断方法は、被験者から採取した血液由来試料に含まれるカイロマイクロン、超低比重リポタンパク質、カイロマイクロン・レムナント及び超低比重リポタンパク質・レムナントからなる群から選ばれる少なくとも1種を分析する工程と、当該分析の結果に基づいて脂肪性肝疾患への罹患、前記疾患の重症度又は前記疾患に対する治療効果を判定する工程とを含む。
本発明に係る脂肪性肝疾患の診断方法において前記血液由来試料は血清試料であることが好ましい。
また、本発明に係る脂肪性肝疾患の診断方法において前記分析する工程では、カイロマイクロン、超低比重リポタンパク質、カイロマイクロン・レムナント及び超低比重リポタンパク質・レムナントからなる群から選ばれる少なくとも1種に含まれる成分の濃度を測定することが好ましい。ここで、前記成分としては、コレステロール、中性脂肪、リン脂質及びフリーコレステロールからなる群から選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。
さらに、本発明に係る脂肪性肝疾患の診断方法において前記カイロマイクロン、超低比重リポタンパク質、カイロマイクロン・レムナント及び超低比重リポタンパク質・レムナントからなる群から選ばれる少なくとも1種は、高速液体クロマトグラフィーによって分析される、液体クロマトグラフィー-質量分析法により分析される、ガスクロマトグラフィー-質量分析法によって分析される、酵素試薬によって分析される、電気泳動法により分析される、核磁気共鳴法により分析される又は超遠心分離法により分析されることが好ましい。
さらにまた、本発明に係る脂肪性肝疾患の診断方法において前記分析する工程は、前記血液由来試料に含まれるリポタンパク質を液体クロマトグラフィーで分離し、分離したリポタンパク質に含まれる成分に由来する信号を検出する工程と、少なくともカイロマイクロン及び/又は超低比重リポタンパク質が粒子径により規定される複数のサブクラスにより構成されていると仮定し、上記検出した信号を用いて、各サブクラスに対応するピークからなる近似波形を算出する工程と、得られた近似波形に基づいて、カイロマイクロン及び/又は超低比重リポタンパク質に相当する複数のピークの合計として分析する工程とを含むことが好ましい。
さらにまた、本発明に係る脂肪性肝疾患の診断方法において、前記血液由来試料に含まれるリポタンパク質を粒子径で複数の主要クラスに分離したときに、前記カイロマイクロンは平均粒子径が80nmを超える主要クラス成分であり、前記超低比重リポタンパク質は前記血液由来試料に含まれるリポタンパク質を粒子径で分離したときに平均粒子径が30〜80nmである主要クラス成分とすることができる。
さらにまた、本発明に係る脂肪性肝疾患の診断方法において前記血液由来試料に含まれるリポタンパク質を粒子径で複数の主要クラスに分離し、各主要クラスが複数のサブクラスにより構成されているとしたときに、前記カイロマイクロンは、平均粒子径が90nmを超えるサブクラス成分及び平均粒子径が64〜90nmであるサブクラス成分の合計であり、前記超低比重リポタンパク質は、平均粒子径が53.6〜75nmであるサブクラス成分、平均粒子径が44.5〜64nmであるサブクラス成分、平均粒子径が36.8〜53.6nmであるサブクラス成分、平均粒子径が31.3〜44.5nmであるサブクラス成分及び平均粒子径が28.6〜36.8nmであるサブクラス成分の合計とすることができる。
さらにまた、本発明に係る脂肪性肝疾患の診断方法において前記判定する工程では、前記分析結果に基づいて健常群又は脂肪性肝疾患に分類することができる。或いは、前記判定する工程では、前記分析結果に基づいて前記被験者における脂肪性肝疾患の進行度を判定することができる。ここで、前記脂肪性肝疾患の進行度は、非アルコール性単純性脂肪肝を認める1型、非アルコール性脂肪性肝炎を認める2型、非アルコール性脂肪性肝壊死を認める3型、及びマロリー体(Mallory Body)ないしは線維化を伴う肝細胞壊死を認める4型で定義される。
さらにまた、本発明に係る脂肪性肝疾患の診断方法において前記判定する工程では、非アルコール性脂肪性肝炎に分類された前記被験者を、前記分析結果に基づいて非アルコール性脂肪性肝炎の進行度について更に分類することができる。ここで、前記進行度は、非アルコール性脂肪性肝炎における線維化分類のステージ1〜4で定義される。或いは前記進行度は、非アルコール性脂肪性肝炎における壊死・炎症グレード1〜3で定義される。
さらにまた、本発明に係る脂肪性肝疾患の診断方法において前記判定する工程では、前記分析結果に基づいて前記被験者を、健常群、非アルコール性脂肪性肝疾患、非アルコール性単純性脂肪肝又は非アルコール性脂肪性肝炎に分類することができる。
さらにまた、本発明に係る脂肪性肝疾患の診断方法において前記判定する工程では、脂肪性肝炎が疑われる前記被験者を、前記分析結果に基づいてアルコール性脂肪性肝炎又は非アルコール性脂肪性肝炎に分類することができる。
なお、本発明に係る脂肪性肝疾患の診断方法は、脂肪性肝疾患の診断支援方法、脂肪性肝疾患の診断のためのリポタンパク質の分析方法及び脂肪性肝疾患の診断における血液由来試料の分析方法と言い換えることができる。
また、上述した本発明に係る脂肪性肝疾患の診断方法は、被験者から採取した血液由来試料に含まれるカイロマイクロン、超低比重リポタンパク質、カイロマイクロン・レムナント及び超低比重リポタンパク質・レムナントからなる群から選ばれる少なくとも1種を分析する分析手段と、前記分析手段で分析した結果を入力する入力手段と、前記入力手段で入力した分析結果に基づいて脂肪性肝疾患への罹患、前記疾患の重症度又は前記疾患に対する治療効果を判定する演算手段とを備える脂肪性肝疾患の診断装置として実現することができる。
さらに、本発明に係る脂肪性肝疾患の診断方法は、入力手段及び演算手段を有するコンピュータに、被験者から採取した血液由来試料に含まれるカイロマイクロン、超低比重リポタンパク質、カイロマイクロン・レムナント及び超低比重リポタンパク質・レムナントからなる群から選ばれる少なくとも1種の分析結果を前記入力手段が入力するステップと、前記ステップで入力した分析結果に基づいて脂肪性肝疾患への罹患、前記疾患の重症度又は前記疾患に対する治療効果を前記演算手段が判定するステップとを実行させる脂肪性肝疾患の診断プログラムとして実現することができる。
一方、本発明によれば、供試物質を作用させる前後における血液由来試料に含まれるカイロマイクロン、超低比重リポタンパク質、カイロマイクロン・レムナント及び超低比重リポタンパク質・レムナントからなる群から選ばれる少なくとも1種を比較する工程と、前記供試物質によりカイロマイクロン、超低比重リポタンパク質、カイロマイクロン・レムナント及び超低比重リポタンパク質・レムナントからなる群から選ばれる少なくとも1種に含まれる成分の濃度が有意に低下している場合には、脂肪性肝疾患の治療薬として同定する工程とを含む脂肪性肝疾患用治療薬のスクリーニング方法を提供することができる。
本発明に係る脂肪性肝疾患用治療薬のスクリーニング方法において、前記血液由来試料は血清試料を使用することができる。また、本発明に係る脂肪性肝疾患用治療薬のスクリーニング方法において前記成分は、コレステロール、中性脂肪、リン脂質及びフリーコレステロールからなる群から選ばれる少なくとも1種とすることができる。
本発明に係る脂肪性肝疾患用治療薬のスクリーニング方法において前記カイロマイクロン、超低比重リポタンパク質、カイロマイクロン・レムナント及び超低比重リポタンパク質・レムナントからなる群から選ばれる少なくとも1種に含まれる成分は、高速液体クロマトグラフィーによって分析される、液体クロマトグラフィー-質量分析法により分析される、ガスクロマトグラフィー-質量分析法によって分析される、酵素試薬によって分析される、電気泳動法により分析される、核磁気共鳴法により分析される又は超遠心分離法により分析されることが好ましい。
本発明に係る脂肪性肝疾患用治療薬のスクリーニング方法によれば、前記治療薬は、非アルコール性脂肪性肝疾患、アルコール性脂肪性肝疾患、非アルコール性単純性脂肪肝、アルコール性単純性脂肪肝、非アルコール性脂肪性肝炎及びアルコール性脂肪性肝炎からなる群から選ばれる少なくとも1種の脂肪性肝疾患に対する治療薬の有力な候補をスクリーニングすることができる。
本発明により、従来の肝生検よりも簡便、安全かつ安価な方法で、脂肪性肝疾患の診断や、病態の進行度について客観的かつ信頼性の高い診断を行うことができる。また、本発明により、脂肪性肝疾患に対する治療効果の高い治療薬をスクリーニングすることができる。
本明細書は本願の優先権の基礎である日本国特許出願2007-266431号の明細書および/または図面に記載される内容を包含する。
リポタンパク質の分析装置の構成を模式的に説明する構成図である。 リポタンパク質の分析装置により出力されるTCに関するクロマトグラムとTGに関するクロマトグラムとを重ねて表示した特性図である。 健常者、単純性脂肪肝患者、NASH患者及びASH患者について血清試料中に含まれるカイロマイクロン分画中のコレステロール濃度を測定した結果を示す特性図である。 健常者、単純性脂肪肝患者、NASH患者及びASH患者について血清試料中に含まれるカイロマイクロン分画中の中性脂肪濃度を測定した結果を示す特性図である。 健常者、単純性脂肪肝患者、NASH患者及びASH患者について血清試料中に含まれるカイロマイクロン分画中のフリーコレステロール濃度を測定した結果を示す特性図である。 健常者、単純性脂肪肝患者、NASH患者及びASH患者について血清試料中に含まれるカイロマイクロン分画中のリン脂質濃度を測定した結果を示す特性図である。 健常者、単純性脂肪肝患者、NASH患者及びASH患者について血清試料中に含まれる超低比重リポタンパク質分画中のコレステロール濃度を測定した結果を示す特性図である。 健常者、単純性脂肪肝患者、NASH患者及びASH患者について血清試料中に含まれる超低比重リポタンパク質分画中の中性脂肪濃度を測定した結果を示す特性図である。 健常者、単純性脂肪肝患者、NASH患者及びASH患者について血清試料中に含まれる超低比重リポタンパク質分画中のフリーコレステロール濃度を測定した結果を示す特性図である。 健常者、単純性脂肪肝患者、NASH患者及びASH患者について血清試料中に含まれる超低比重リポタンパク質分画中のリン脂質濃度を測定した結果を示す特性図である。 健常者、単純性脂肪肝患者、NASH患者及びASH患者について血清試料中に含まれる総コレステロール濃度に対するカイロマイクロン分画中のコレステロール濃度を測定した結果を示す特性図である。 健常者、単純性脂肪肝患者、NASH患者及びASH患者について血清試料中に含まれる総中性脂肪濃度に対するカイロマイクロン分画中の中性脂肪濃度を測定した結果を示す特性図である。 健常者、単純性脂肪肝患者、NASH患者及びASH患者について血清試料中に含まれる総フリーコレステロール濃度に対するカイロマイクロン分画中のフリーコレステロール濃度を測定した結果を示す特性図である。 健常者、単純性脂肪肝患者、NASH患者及びASH患者について血清試料中に含まれる総リン脂質濃度に対するカイロマイクロン分画中のリン脂質濃度を測定した結果を示す特性図である。 単純性脂肪肝患者、NASH患者及びASH患者について血清試料中に含まれる総コレステロール濃度に対する超低比重リポタンパク質分画中のコレステロール濃度を測定した結果を示す特性図である。 健常者、単純性脂肪肝患者、NASH患者及びASH患者について血清試料中に含まれる総フリーコレステロール濃度に対する超低比重リポタンパク質分画中のフリーコレステロール濃度を測定した結果を示す特性図である。 健常者、単純性脂肪肝患者、NASH患者及びASH患者について血清試料中に含まれる総リン脂質濃度に対する超低比重リポタンパク質分画中のリン脂質濃度を測定した結果を示す特性図である。
符号の説明
1…カラム、2…スプリッター、3…第1流路、4…第2流路、9…システムコントローラー、10…演算装置
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る診断方法は、被験者から採取した血液由来試料に含まれるカイロマイクロン、超低比重リポタンパク質、カイロマイクロン・レムナント及び超低比重リポタンパク質・レムナントからなる群から選ばれる少なくとも1種を分析する工程と、当該分析の結果に基づいて脂肪性肝疾患への罹患、前記疾患の重症度又は前記疾患に対する治療効果を判定する工程とを含んでいる。特に、本診断方法は、被験者を直接又は間接的に侵襲するものではなく、当該被験者から採取した血液由来試料に対して処理を行うものである。ここで血液由来試料とは、被験者から採取した血液試料、当該血液試料から分離調整した血清試料を含む意味である。本発明においては、後述するカイロマイクロン、超低比重リポタンパク質、カイロマイクロン・レムナント及び超低比重リポタンパク質・レムナントからなる群から選ばれる少なくとも1種の分析の精度を高めるため血清試料を使用することが好ましい。例えば、被験者から採取した血液試料を、分離剤の入ったガラスチューブにいれ、例えば遠心分離機により2000回転10分処理することによって血清試料を分離することができる。
また、被験者から血液試料を採取する際には、他の臨床検査等と同様に被験者の空腹時に行うことが望ましい。また、被験者から血液を採取する場合、前腕肘部から5mlの量で静脈血を採取するとよい。これらの採血の方法や量は、適宜、変更してもよい。また、採取日の前日の適当な時刻(例えば、午後8時)以降は飲食禁止とすると、データの再現性及び信頼性が高くなる。
血液由来試料からカイロマイクロン、超低比重リポタンパク質、カイロマイクロン・レムナント及び超低比重リポタンパク質・レムナントからなる群から選ばれる少なくとも1種を分析する際には、以下に説明するリポタンパク質の分析方法を適用することができる。なお、カイロマイクロン、超低比重リポタンパク質、カイロマイクロン・レムナント及び超低比重リポタンパク質・レムナントからなる群から選ばれる少なくとも1種を分析するとは、カイロマイクロン、超低比重リポタンパク質、カイロマイクロン・レムナント及び超低比重リポタンパク質・レムナントからなる群から選ばれる少なくとも1種に由来する測定値を検出することを意味し、例えば、カイロマイクロン、超低比重リポタンパク質、カイロマイクロン・レムナント及び超低比重リポタンパク質・レムナントからなる群から選ばれる少なくとも1種に含まれる成分濃度を測定することを含む意味である。ここで、カイロマイクロン、超低比重リポタンパク質、カイロマイクロン・レムナント及び超低比重リポタンパク質・レムナントからなる群から選ばれる少なくとも1種に含まれる成分とは、例えばコレステロール、中性脂肪、リン脂質及びフリーコレステロールを挙げることができる。以下の説明においては、カイロマイクロン、超低比重リポタンパク質、カイロマイクロン・レムナント及び超低比重リポタンパク質・レムナントからなる群から選ばれる少なくとも1種に含まれるコレステロール、中性脂肪、リン脂質又はフリーコレステロールの濃度を単に測定値と称する場合もある。
また、血液由来試料からカイロマイクロン、超低比重リポタンパク質、カイロマイクロン・レムナント及び超低比重リポタンパク質・レムナントからなる群から選ばれる少なくとも1種を分析するとは、これらリポタンパク質に特異的に存在するアポリポタンパク質等をマーカーとして定量的に測定することも含まれる。
リポタンパク質の分析方法
血液由来試料に含まれるリポタンパク質を分析する際には、特許登録番号第3899041号に開示された分析方法、分析装置及び分析プログラムを使用することができる。以下の説明では、便宜上、コレステロール及び中性脂肪(トリグリセリド)を測定する場合について説明する。但し、本発明に適用する場合には、コレステロール成分及び中性脂肪成分以外にもリン脂質成分やフリーコレステロール成分を測定するように、測定試薬を適宜変更することができる。本分析方法、分析装置及び分析プログラムは、試料中に含まれるリポタンパク質成分を粒径に依存して分離するとともに、分離後のリポタンパク質成分に含まれるコレステロール成分及びトリグリセリド成分を定量するものである。
詳細には、特許登録番号第3899041号に開示された分析装置は、例えば、図1に示すように、被検試料に含まれるリポタンパク質成分を分離できるカラム1と、カラム1から溶出されたリポタンパク質を含む溶離液を2分配するスプリッター2と、スプリッター2によって分配された第1流路3及び第2流路4と、第1流路3に配置されたコレステロール(以下「TC」と称する)反応部5と、第2流路4に配置されたトリグリセリド(以下「TG」と称する)反応部6と、第1流路3におけるTC反応部5の下流に配置されたTC検出部7と、第2流路4におけるTG反応部6の下流に配置されたTG検出部8と、本装置の動作制御及びTC検出部7並びにTG反応部8から信号が入力されるシステムコントローラー9と、システムコントローラー9に接続された演算装置10とを備えている。
なお、このリポタンパク質分析装置は、血清試料をカラム1に供給するサンプラー11と、カラム1に溶離液を供給するための第1ポンプ12と、第1ポンプ12によってカラム1に供給する溶離液から気体を除去するデガッサー13とを備えている。
リポタンパク質分析装置においてカラム1としては、特に限定されないが、ゲルろ過用充填剤を充填してなるカラムを用いることが特に好ましい。特に、カラム1としては、800〜1200オングストロームの平均細孔径の充填剤を有するものを例示できる。平均細孔径が800オングストローム未満の充填剤ではカイロマイクロン及び超低比重リポタンパク質などの分子サイズの大きいリポタンパク質は細孔内に入り難くなり、一方、平均細孔径が1200オングストロームを超える充填剤ではLDLやHDLなどの分子サイズの小さいリポタンパク質の分離が悪化するため、前述の通り平均細孔径が800〜1200オングストロームのものが好ましい。中でも平均細孔径が900〜1100オングストロームの充填剤は、分離能に優れるため、最終的により精度の高いリポタンパク質の分析を行うことを可能とする。
また、充填剤としては、液体クロマトグラフィーでの使用に充分耐える機械的強度を有するものを選択する必要がある。このような充填剤は、例えば、シリカゲル、ポリビニルアルコール、ポリヒドロキシメタクリレート及びその他の親水性樹脂を基材とするもの(例えばTSKgel Lipopropak、商品名、東ソー(株)製)を一例として例示することできる。
溶離液としては、リン酸緩衝液、トリス緩衝液、ビス−トリス緩衝液等を例示できるが、リポタンパク質を分離できるものであれば特に制限はない。緩衝液の濃度としては20〜200mM、特に好ましくは50〜100mMの範囲が良い。緩衝液の濃度が20mM未満では緩衝能が小さく、200mMを超えると後述の酵素試薬とTC又はTGの反応が阻害される恐れが生じるからである。緩衝液のpHは、5〜9、特に好ましくは7〜8である。緩衝液のpHが5未満、あるいはpHが9を超えると、前記同様、酵素試薬との反応が阻害される恐れが生じるからである。しかし、TC及び/又はTGの測定を、酵素を用いないで行う場合等はこの限りではない。
TC反応部5は、カラム1から溶出されたリポタンパク質を含む溶離液に含まれるTCを定量するための試薬を備えるTC用試薬タンク14と第2ポンプ15を介して連結されている。ここで、TCを定量するための試薬としては、特に限定されないが、例えば、コレステロールエステラーゼ、コレステロールオキシダーゼ、パーオキシダーゼなどの酵素と、N-エチル-N-(3-メチルフェニル)-N'- サクシニルエチレンジアミン、4-アミノアンチピリン、N-エチル-N-(3-スルホプロピル)-m-アニシジンなどの色素とを組み合わせた酵素−色素試薬を用いることができる。試薬としては、例えば、市販のデタミナーL TCII(協和メデックス株式会社)、LタイプCHO・H(和光純薬工業株式会社)試薬を好適に用いることができる。なお、これらの試薬は、TCと反応して、蛍光検出器や紫外可視検出器などの分光器で検出可能な蛍光や吸収を有する反応生成物を与える。
TG反応部6は、カラム1から溶出されたリポタンパク質を含む溶離液に含まれるTGを定量するための試薬を備えるTC用試薬タンク16と第2ポンプ15を介して連結されている。ここで、TGを定量するための試薬としては、特に限定されないが、例えば、アスコルビン酸オキシダーゼ、グリセロールキナーゼ、グリセロール-3リン酸オキシダーゼ、リポタンパク質リパーゼ及びパーオキシダーゼ等の酵素と、キノン系発色色素等の色素とを組み合わせた酵素−色素試薬を用いることができる。キノン系発色色素としては、N-エチル-N-(3-メチルフェニル)-N’-サクシニルエチレンジアミン又はN-エチル-N-(3-スルホプロピル)-m-アニシジンと4-アンチアミノピリンの酸化縮合体が挙げられる。試薬としては、例えば、市販のデタミナーL TGII(協和メデックス株式会社)、LタイプTG・H(和光純薬工業株式会社)試薬を好適に用いることができる。
なお、これら、TC反応部5及びTG反応部6は、上述した試薬とTC又はTGとの反応温度を制御するための反応コイルをそれぞれ備えている。TC反応部5及びTG反応部6において、上述した試薬とTC又はTGとの反応温度は、35〜50℃、好ましくは45〜50℃とする。反応温度が35℃未満では反応が不十分になりやすく、また、50℃を超えると反応中に酵素が劣化する恐れが生じるからある。
TC検出部7は、TC反応部5でTCと試薬とが反応して生成した反応生成物の吸光度を検出するための、例えば紫外可視光検出器を備えている。また、TG検出器8は、TG反応部6でTGと試薬とが反応して生成した反応生成物の吸光度を検出するための、例えば紫外可視光検出器を備えている。例えば、上述した試薬としてキノン系発色色素を用いた場合、紫外可視検出器の測定波長は、540〜560nmとすれば良い。
システムコントローラー9は、TC検出部7及びTG検出部8からの出力信号が入力され、この信号に基づいてTCに関するクロマトグラム及びTGに関するクロマトグラムを結果として出力する機能を備えている。システムコントローラー9から出力されるクロマトグラムとしては、例えば、図2に示すように、横軸を溶出時間(min)とし、縦軸を検出値(mV)として、TCに関するクロマトグラムとTGに関するクロマトグラムとを重ねて表示することができる。したがって、本分析装置によれば、カラム1の分離能に依存して、リポタンパク質の主要クラス毎にTC及びTGを定量することができる。
なお、リポタンパク質は、その粒子の大きさ、水和密度、及び電気泳動度などの性質の違いにより幾つかの主要クラスに分類されている。すなわち、リポタンパク質は、主要クラスとして、軽いものから、CM(カイロマイクロン)、VLDL(超比重リポタンパク質:d <1.006 kg/L)、LDL(低比重リポタンパク質:1.006 kg/L<d <1.063 kg/L)、HDL(高比重リポタンパク質:1.063 kg/L<d <1.210 kg/L)に分類されている。本分析装置においては、カラム1の分離能によっては、これら主要クラスに対応するピークが混合した混合ピークとしてクロマトグラムを出力する場合がある。この場合、特許登録番号第3899041号に開示された分析プログラムによってデータ処理することで、各主要クラスにピークを分割して、各主要クラスに含まれるTC及びTGを定量することができる。この分析プログラムは演算装置10にインストールすることができる。すなわち、演算装置10は、特許登録番号第3899041号に開示された分析プログラムによって、システムコントローラー9から出力されるクロマトグラムから各主要クラスに含まれるTC及びTGを定量することができる。
以上のように、本分析装置を用いることによって、血液由来試料に含まれるカイロマイクロン及び/又は超低比重リポタンパク質に由来する測定値を得ることができる。具体的には、上述した例によれば、血液由来試料に含まれるカイロマイクロン及び/又は超低比重リポタンパク質に含まれるコレステロール濃度及びトリグリセリド濃度といった成分濃度を測定することができる。
また、演算装置10としては、例えば、後述する分析プログラムをインストールしたコンピュータを使用することができる。演算装置10は、システムコントローラー9と接続されており、システムコントローラー9から出力されるクロマトグラムを分析プログラムによってデータ処理し、被検試料に含まれるリポタンパク質を例えば20個のサブクラスに分離するとともにTC量及びTG量を算出する機能を有する。なお、この演算装置10は、インターネット、LAN或いはイントラネット等の情報通信回線網を介してシステムコントローラー9と接続されていても良い。
具体的に、サブクラスとしては、90nmより大(>90nm)、64-90nm、53.6-75nm、44.5-64nm、36.8-53.6nm、31.3-44.5nm、28.6-36.8nm、25.5-31.3nm、23-28.6nm、20.7-25.5nm、18.6-23nm、16.7-20.7nm、15-18.6nm、13.5-16.7nm、12.1-15nm、10.9-13.5nm、9.8-12.1nm、8.8-10.9nm、7.6-9.8nm及び8.8nmより小(<8.8nm)からなる20個のサブクラスを挙げることができる。また、サブクラスとしては、好ましくは、82.5nmより大(>82.5nm)、69.5-82.5nm、58.8-69.5nm、49.05-58.8nm、40.65-49.05nm、34.05-40.65nm、29.95-34.05nm、27.05-29.95nm、24.25-27.05nm、21.85-24.25nm、19.65-21.85nm、17.65-19.65nm、15.85-17.65nm、14.25-15.85nm、12.8-14.25nm、11.5-12.8nm、10.35-11.5nm、9.3-10.35nm、8.2-9.3nm及び8.2nmより小(<8.2nm)からなる20個のサブクラスを挙げることができる。さらに、サブクラスとしては、より好ましくは、90nmより大(>90nm)、75nm、64nm、53.6nm、44.5nm、36.56-36.8nm、31.3-32.17nm、28.0-28.61nm、25.4-25.64nm、22.9-23.1nm、20.6-20.8nm、18.5-18.7nm、16.6-16.8nm、14.9-15.1nm、13.4-13.6nm、12.0-12.2nm、10.8-11.0nm、9.7-9.9nm、8.7-8.9nm及び7.46-7.6nmからなる20個のサブクラスを挙げることができる。
リポタンパク質分析装置においては、システムコントローラー9から出力されるクロマトグラムを分析プログラムによってデータ処理することで、上記の20個の各サブクラスに含まれるTC及びTGを定量する。以下、分析プログラムについて説明する。分析プログラムは、ステップ1及びステップ2からなるフローチャートに従って演算装置10を制御する。
先ず、ステップ1では、演算装置10の入力手段を介してシステムコントローラー9から出力されるクロマトグラムを入力信号として入力する。すなわち、分析プログラムは、ステップ1によって、システムコントローラー9から出力されるクロマトグラムを入力信号として入力する検出手段としてコンピュータを実行させる。
ステップ1を詳細に説明すると、先ず、演算装置10の入力手段を介して、図2に示したようなTCに関するクロマトグラムとTGに関するクロマトグラムとを入力すると、例えば、演算装置10に内在する記憶装置或いは演算装置10により記録可能な記録媒体にこれらクロマトグラム及び/又はクロマトグラムの基となる数値データが記憶される。
次に、ステップ2では、入力したクロマトグラムを波形処理して20個のサブクラスに分離し、ガウス近似波形を算出する。すなわち、分析プログラムは、ステップ2によって、ガウス近似波形を算出する波形処理手段としてコンピュータを実行させる。波形処理手段により、ステップ1で入力したクロマトグラムを20個の独立したピークに分離することができる。以下の説明において、20個の独立したピークを、サイズの大きいものから順にG1〜G20と称し、各ピークをコンポーネントピークと称する。G1及びG2はカイロマイクロン(CM)に相当するコンポーネントピークであり、G3〜G7は超低比重リポタンパク(VLDL)に相当するコンポーネントピークであり、G8〜G13は低比重リポタンパク(LDL)に相当するコンポーネントピークであり、G14〜G20は高比重リポタンパク(HDL)に相当するコンポーネントピークである。VLDLに相当するコンポーネントピークの中で、G3〜G5はlarge VLDLであり、G6はmedium VLDLであり、G7はsmall VLDLである。LDLに相当するコンポーネントピークのなかで、G8はlarge LDLであり、G9はmedium LDLであり、G10はsmall LDLであり、G11〜G13はvery small LDLである。HDLに相当するコンポーネントピークのなかで、G14及びG15はvery large HDLであり、G16はlarge HDLであり、G17はmedium HDLであり、G18はsmall HDLであり、G19及びG20はvery small HDLである。
ステップ2における波形処理手段は、ステップ1で入力したクロマトグラム或いは数値データを20個のコンポーネントピークに分離して、G1〜G20を含むガウス近似波形を算出する処理を演算装置10に実行させる手段である。これらG1〜G20のコンポーネントピークの定義については、国際公開番号2006/057440及び国際公開番号2007/052789を参照することができる。
なお、20個のコンポーネントピークに対して、ピーク幅は、SD(分)=ピークの半値幅(秒)÷143*60で表される数値で設定することができる。具体的に20個のコンポーネントピークのピーク幅としては、G01について0.33 min、G02について0.40 min、G03について0.55 min、G04について0.55 min、G05について0.55 min、G06について0.50 min、G07について0.40 min、G08について0.38 min、G09について0.38 min、G10について0.38 min、G11について0.38 min、G12について0.38 min、G13について0.33 min、G14について0.33 min、G15について0.33 min、G16について0.38 min、G17について0.38 min、G18について0.38 min、G19について0.38 min、G20について0.48minを入力或いは予め設定する。
以上で説明したステップ1及びステップ2からなるフローチャートによれば、システムコントローラー9から出力されたクロマトグラム(例えば図2に示すクロマトグラム)を、20個のサブクラスに対応するピークからなる近似波形を算出することができる。
以上のように、本分析装置を用いることによって20個のサブクラスに対応するピークからなる近似波形を算出した場合には、カイロマイクロン及び/又は超低比重リポタンパク質に由来する測定値を複数のピークの合計値として得ることができる。具体的には、カイロマイクロンに由来する測定値はG1及びG2の合計値として算出することができ、超低比重リポタンパク質に由来する測定値はG3〜G7の合計値として算出することができる。
また、本分析装置を用いて、カイロマイクロン及び/又は超低比重リポタンパク質に由来する測定値を算出する際には、相対値として算出しても良い。例えば、カイロマイクロン及び/又は超低比重リポタンパク質に含まれるコレステロールの濃度を測定する場合には、血液由来試料に含まれる総コレステロール濃度に対する相対値として算出しても良い。すなわち、カイロマイクロンに由来する測定値はG1及びG2の合計値を全サブクラスに由来する測定値の合計値で割った値として算出し、超低比重リポタンパク質に由来する測定値はG3〜G7の合計値を全サブクラスに由来する測定値の合計値で割った値として算出することもできる。
さらに、カイロマイクロン及び/又は超低比重リポタンパク質に由来する測定値を相対値として算出する場合、全サブクラスに由来する測定値の合計値を基準とした相対値ではなく、血液由来試料に含まれる成分濃度を基準として相対値を算出しても良い。ここで成分濃度としては、アポリポタンパク質濃度といった生化学検査によって測定される各種の成分濃度を挙げることができる。さらに、上述したサブクラスに含まれる特定のリポタンパク質に由来する測定値を基準として、カイロマイクロン及び/又は超低比重リポタンパク質に由来する測定値を相対値として算出してもよい。さらにまた、血液由来試料に含まれるリポタンパク質の全量(粒子数)を基準として、カイロマイクロン及び/又は超低比重リポタンパク質に由来する測定値を相対値として算出してもよい。
さらにまた、カイロマイクロン及び/又は超低比重リポタンパク質に由来する測定値としては、カイロマイクロン及び/又は超低比重リポタンパク質の全量(粒子数)を相対値として算出しても良い。この場合においても、相対値としては、上述したように、血液由来試料に含まれる成分濃度、特定のリポタンパク質に由来する測定値及び血液由来試料に含まれるリポタンパク質の全量(粒子数)等を基準として算出することができる。
以上の説明では、カイロマイクロン及び超低比重リポタンパク質に含まれるコレステロール及びトリグリセリドを測定する場合について説明した。上述した分析装置を用いて、カイロマイクロン及び超低比重リポタンパク質に含まれるリン脂質やフリーコレステロールを測定する際には、リン脂質測定用の試薬やフリーコレステロール測定用の試薬を使用すればよい。リン脂質測定用の試薬としては、特に限定されないが、例えば、ホスホリパーゼ、コリンオキシターゼ、及びパーオキシダーゼ等の酵素と、キノン系発色色素等の色素とを組み合わせた酵素−色素試薬を用いることができる。キノン系発色色素としては、N-エチル-N-(3-メチルフェニル)-N’-サクシニルエチレンジアミン又はN-エチル-N-(3-スルホプロピル)-m-アニシジンと4-アンチアミノピリンの酸化縮合体が挙げられる。試薬としては、例えば、市販のリキッドPL(東洋紡績株式会社)を好適に用いることができる。フリーコレステロール測定用の試薬としては、特に限定されないが、例えば、コレステロールオキシターゼ及びパーオキシダーゼ等の酵素と、キノン系発色色素等の色素とを組み合わせた酵素−色素試薬を用いることができる。キノン系発色色素としては、N-エチル-N-(3-メチルフェニル)-N’-サクシニルエチレンジアミン又はN-エチル-N-(3-スルホプロピル)-m-アニシジンと4-アンチアミノピリンの酸化縮合体が挙げられる。試薬としては、例えば、市販のリキッドFC(東洋紡績株式会社)を好適に用いることができる。
なお、カイロマイクロン及び超低比重リポタンパク質は、それぞれ代謝によってカイロマイクロン・レムナント及び超低比重リポタンパク質・レムナントとなる。なお、これらカイロマイクロン・レムナント及び超低比重リポタンパク質・レムナントを併せてレムナントリポタンパク質と称する場合もある。レムナントリポタンパク質は、動脈硬化惹起性リポタンパク質と呼ばれ、質的な異常を持つリポタンパク質として重要視されている。
詳細には、カイロマイクロンは、外因性(食事性)リポタンパク質であり、構造維持タンパク質としてアポリポタンパク質B−48を有しており、小腸上皮細胞から分泌され、リンパ管、胸管を経て大循環に入り、血管床にあるリポタンパク質リパーゼ(lipoprotein lipase:LPL)の作用で、粒子内の中性脂肪の加水分解を受けて次第に粒子径の小さいカイロマイクロン・レムナントになる。カイロマイクロン・レムナントは、上述した分画におけるカイロマイクロン分画からVLDL分画に分布する。
また、超低比重リポタンパク質は、構造維持タンパク質としてアポリポタンパク質B−100を有しており、幹細胞から分泌され、肝静脈を経て大循環に入ってからLPLによる脂肪分解を受けて超低比重リポタンパク質・レムナントになる。超低比重リポタンパク質・レムナントは、上述した分画におけるG3〜G9に分布する。
したがって、上述した分析装置によって測定したカイロマイクロンに由来する成分の測定値には、カイロマイクロン・レムナントに由来する成分も含まれることになる。また、上述した分析装置によって測定した超低比重リポタンパク質に由来する成分の測定値には、カイロマイクロン・レムナント及び/又は超低比重リポタンパク質・レムナントに由来する成分も含まれることになる。
リポタンパク質の他の分析方法1
血液由来試料に含まれるリポタンパク質を分析する手法としては、上述した分析方法に限定されず、従来公知の如何なる手法を適用しても良い。血液由来試料に含まれるリポタンパク質を分析する手法としては、例えば、電気泳動を用いた手法(新生化学実験講座4、脂質I「中性脂質とリポタンパク質」東京化学同人日本生化学会編、1993、p206〜217参照)、NMRを用いた方法(J. D. Otvos et al., Clinical Chemistry, vol.37, No3, p377-386, 1991参照)、超遠心分離装置を用いた方法(新生化学実験講座4、脂質I「中性脂質とリポタンパク質」東京化学同人日本生化学会編、1993、p187〜206参照)等を適宜利用して測定することができる。これら分析方法は、測定原理がそれぞれ異なるものではあるが、主要クラス及びサブクラスの測定値が互いに相関していることが知られている。例えば、NMR法と酵素法との比較にはJ. D. Otvos et al., Clinical Chemistry, vol.37, No3, p377-386, 1991を参照することができ、電気泳動法と超遠心法との比較にはT. Kido et al., Journal of Atherosclerosis and Thrombosis Vol.8, No.1, p7-13, 2001を参照することができ、HPLC法と超遠心法と酵素法との比較には岡崎三代, 臨床検査, vol.40, No.12, p1281-1292を参照することができ、HPLC法と酵素法との比較には岡崎三代ら, 臨床検査, vol.40, No.12, p1309-1313を参照することができる。したがって、本発明において、カイロマイクロン及び/又は超低比重リポタンパク質に由来する測定値を分析結果として得るにはこれら如何なる手法を用いてもよい。
リポタンパク質の他の分析方法2
また、血液由来試料に含まれるリポタンパク質を分析する手法としては、カイロマイクロン・レムナント及び/又は超低比重リポタンパク質・レムナントに由来する成分を測定する方法を適用しても良い。すなわち、レムナントリポタンパク質に特異的に存在するアポリポタンパク質に対する抗体若しくはレムナントリポタンパク質以外のリポタンパク質に特異的に存在するアポリポタンパク質に対する抗体を用いてレムナントリポタンパク質を他のリポタンパク質から分離し、その後、レムナントリポタンパク質に由来する成分を分析すればよい。
具体的には、例えば、抗アポリポタンパク質A−Iモノクローナル抗体と抗アポリポタンパク質B−100モノクローナル抗体とを固相化して混合ゲルを調整し、これと血液由来試料とを反応させ、これらの抗体に結合したリポタンパク質を遠心除去し、上清中に存在する抗体に結合しなかったレムナントリポタンパク質を得る。このリポタンパク質中のコレステロールを酵素法により定量する方法としては、例えば、RLP-コレステロール「JIMIRO」II(大塚製薬株式会社)を好適に用いることができる。
また、血液由来試料に含まれるレムナントリポタンパク質に由来する成分を測定する方法としては、例えば、レムナントリポタンパク質を界面活性剤及びホスホリパーゼDを用いて選択的に可溶化し、レムナントリポタンパク質中に含まれるコレステロールを酵素法により定量する方法を挙げることができる。この方法では、例えば、メタボリードReml-C(協和メデックス株式会社)を好適に用いることができる。
さらに、血液由来試料に含まれるレムナントリポタンパク質に由来する成分を測定する方法としては、カイロマイクロン・レムナントの構造維持タンパク質B−48を特異的に認識するモノクローナル抗体をELISAプレートに吸着させ、ELISA法により測定する方法としては、例えば、アポ蛋白B-48測定キット(富士レビオ株式会社)を好適に用いることができる。
診断手順
以上のように、被験者から採取した血液由来試料に含まれるカイロマイクロン、超低比重リポタンパク質、カイロマイクロン・レムナント及び超低比重リポタンパク質・レムナントからなる群から選ばれる少なくとも1種の分析結果を得た後、得られた分析結果に基づいて、被験者について脂肪性肝疾患への罹患の可能性を判定することができる。
ここで脂肪性肝疾患とは、従前の臨床的診断に基づいて定義された疾患であり、肝細胞に中性脂肪が沈着して肝障害をきたす疾患の総称である(日本肝臓学会 編『NASH・NAFLDの診療ガイド』文光堂(2006年10月7日第3刷発行)を参照)。また、脂肪性肝疾患は、患者に飲酒歴が有るアルコール性脂肪性肝疾患(AFLD)と、患者に飲酒歴が無い非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)に分類される。また、脂肪性肝疾患は、組織診断において肝細胞の脂肪沈着のみを認める単純性脂肪肝と、脂肪化に壊死・炎症や線維化を伴う脂肪性肝炎に大きく分かれる。よって、患者に明らかな飲酒歴が無く、肝組織で壊死・炎症や線維化を伴う脂肪性肝炎を認める症例を、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)と分類される。患者に明らかな飲酒歴が有り、肝組織で壊死・炎症や線維化を伴う脂肪性肝炎を認める症例をアルコール性脂肪性肝炎(ASH)と分類される。すなわち、NASHはNAFLDの重症型であり、ASHはAFLDの重症型となる。
また、NAFLDは、Matteoriらによって4型に分類される(Matteori CA et al., Gastroenterology 116: 1413-1419(1999))。この分類によれば、NAFLDは、単純性脂肪肝を認める1型、脂肪性肝炎を認める2型、脂肪性肝壊死を認める(風船用変性を伴う)3型及びマロリー体(Mallory Body)ないしは線維化を伴う肝細胞壊死を認める4型に分類される。特に、Matteoriらの分類において3型及び4型をNASHと定義される場合もある。
また、NASHは、その進行度を線維化の程度に応じてBruntらによって4段階に分類される(Brunt EM et al., Amr J Gastroenterol 94: 2467-2474 (1999))。この分類によれば、NASHは、小葉中心部(Zone 3)に線維化を認めるstage 1、小葉中心部(Zone 3)に加えて門脈域に線維化を認めるstage 2、さらに架橋形成を伴う門脈域の線維化を認めるstage 3及び肝硬変と認めるstage 4に分類される。
さらに、NASHは、その進行度を壊死・炎症の程度に応じてBruntらによってグレード1〜3に分類される(Brunt EM et al., Amr J Gastroenterol 94: 2467-24740020(1999))。この分類におけるグレード1は、軽度の壊死・炎症を意味しており、脂肪肝(主として大滴性)が66%以下であり、中心静脈周囲の軽度肝細胞風船様腫大が認められ、軽度の小葉内炎症細胞の浸潤が無く、軽度の門脈域炎症を認める病態である。この分類におけるグレード2は、中等度の壊死・炎症を意味しており、程度に関係なく脂肪肝であり、中心静脈周囲の軽度肝細胞風船様腫大が顕著に認められ、中心静脈周囲性線維化を伴う小葉内好中球の浸潤が認められ、軽度から中等度の門脈域炎症性細胞浸潤を認める病態である。この分類におけるグレード3は、高度の壊死・炎症を意味しており、小葉全体に広がる脂肪肝が認められ、肝細胞風船様腫大と明らかなdisarray(中心静脈周囲性)が認められ、好中球の浸潤を伴う肝細胞風船様腫大と軽度慢性炎症が認められ、軽度から中等度の門脈域炎症性細胞浸潤が認められる病態である。
本発明に係る診断方法によれば、被験者を健常者又は脂肪性肝疾患、若しくは脂肪性肝疾患の進行度(上述したMatteoriらやBruntらの分類)に分類することができる。具体的には、被験者から採取した血液由来試料に含まれるカイロマイクロン、超低比重リポタンパク質、カイロマイクロン・レムナント及び超低比重リポタンパク質・レムナントからなる群から選ばれる少なくとも1種に由来する測定値が基準値を有意に上回る場合、当該被検者を脂肪性肝疾患と診断するか、脂肪性肝疾患の疑いがあると診断することができる。ここで、基準値は、脂肪性肝疾患と確定診断された患者群における上記測定値の平均値及びその信頼区間を算出し、当該信頼区間の下限値として設定することができる。なお、本発明に係る診断方法において、基準値としては特に限定されず、健常者群における上記測定値の平均値及びその信頼区間を有意に上回る値を設定することもできる。また、基準値は、上述したリポタンパク質の測定方法に依存して異なる値となり、一意に定義できる数値ではない。また、基準値としては、人種や、性別、年齢、既往症等に依存して変化する可能性もあり、これら人種や、性別、年齢、既往症等に対応して複数準備しても良い。例えば、欧米人における血清中のリポタンパク質濃度については、Handbook of Lipoprotein Testing second Edition AACC Press 2000, 786-787を参照することができる。
また、本発明に係る診断方法によれば、被験者を健常者、単純性脂肪肝又は脂肪性肝炎に分類するができる。この場合も同様に、健常者と単純性脂肪肝との間の基準値並びに単純性脂肪肝と脂肪性肝炎との間の基準値を設定する。なお、この診断は、血液由来試料に含まれる上記測定値は、健常者、単純性脂肪肝及び脂肪性肝疾患の順に高くなっているといった本発明による新規知見に基づいている。
さらに、本発明に係る診断方法によれば、脂肪性肝炎が疑われる被験者を、当該被験者から採取した血液由来試料に含まれる上記測定値に基づいてASH又はNASHに分類することもできる。なお、ここで、脂肪性肝炎が疑われる被験者とは、従来の臨床検査に適用されていた手法(例えば、腹部エコー検査や肝生検)において脂肪性肝疾患が疑われるとされた者である。従来の臨床検査においては、脂肪性肝疾患が疑われる場合、当該被験者に対する問診によって飲酒歴を聞き取り、飲酒歴有りの場合にASHとし、飲酒歴なしの場合にNASHと診断していた。本発明に係る診断方法では、問診といった曖昧な基準ではなく、血液由来試料に含まれる上記測定値といった客観的な数値に基づいてASH又はNASHに分類することができる。なお、この診断は、血液由来試料に含まれる上記測定値は、ASHにおいては健常者と変わらない低レベルであり、NASHにおいて高レベルであるといった本発明による新規知見に基づいている。
さらにまた、本発明に係る診断方法によれば、NASHにおける進展過程(例えば、Bruntらの4段階分類、疾患の重症度及び進行度と同義)を診断することができる。なお、この診断は、血液由来試料に含まれる上記測定値は、NASHにおける進展過程、特に肝臓の線維化の進行度合いと相関しているといった本発明による新規知見に基づいている。この診断は、血液由来試料に含まれる上記測定値に基づいて、上述したBruntらの4段階分類に対応したstage 1〜4のいずれかにNASH患者を分類しても良いが、この分類に限定されるものではない。本診断においては、上述したMatteoriらの分類の3型又は4型にNASH患者を分類しても良い。本診断においては、上述したBruntらの壊死・炎症の程度に対応したグレード1〜3のいずれかにNASH患者を分類しても良い。或いは、上述した本発明による新規知見に基づいて、NASHの線維化進行度合いを上記測定値によって複数段階に新たに分類しておき、この新しい分類に対応するようにNASH患者を診断することもできる。
以上のように、本発明に係る診断方法によれば、血液由来試料に含まれるカイロマイクロン及び/又は超低比重リポタンパク質の分析結果によって脂肪性肝疾患を診断、その重症度の診断を簡易に行うことができる。特に、本発明に係る診断方法では、生検や腹部エコー検査といった手技の困難性を伴わず、また問診といった曖昧な基準も排除した、簡便且つ客観性に優れた検査となる。
また、本診断方法は、他の診断基準(例えば、飲酒歴がない、画像診断(エコー、CT、MRIなど)で脂肪肝と診断された、他の疾患(例えば、ウイルス性肝炎、自己免疫性肝炎など)が除外されるなど)と組合せて診断結果を確定してもよい。
また、本診断方法の基礎となる新規知見によれば、脂肪性肝疾患用治療薬のスクリーニングを行うことができる。詳細には、スクリーニング対象の供試物質を作用させる前後における血液由来試料に含まれるカイロマイクロン及び/又は超低比重リポタンパク質を分析し、得られた分析結果を比較する。作用後の血液由来試料に含まれる上記測定値が有意に低下している場合には、脂肪性肝疾患用治療薬の候補物質として同定されることとなる。また、上記測定値の低下率が高いほど、脂肪性肝疾患の治療効果が高いと推定される。本スクリーニング方法によれば、非アルコール性脂肪性肝疾患、アルコール性脂肪性肝疾患、非アルコール性単純性脂肪肝、アルコール性単純性脂肪肝、非アルコール性脂肪性肝炎及びアルコール性脂肪性肝炎からなる群から選ばれる少なくとも1種の脂肪性肝疾患に対する治療薬を同定することができる。
以上で説明した本発明に係る診断方法は、入力手段及び演算手段を有するコンピュータを脂肪性肝疾患の診断装置として機能させるソフトウェアとして提供することができる。ここで、入力手段とは、上記測定値を数値データとして入力するための装置であって、例えば、マウス、キーボード、各種インターフェイスを含む意味である。また、コンピュータにおける演算手段(例えばCPU)は、入力手段から入力された上記測定値を基準値と比較して上述したような脂肪性肝疾患の診断、重症度の診断を行う。このとき、演算手段は、基準値を記憶した記憶装置から基準値を読み出し、上記測定値と比較して診断結果を出力する。記憶装置は、コンピュータ内部のRAMやハードディスク等を利用しても良いし、インターネットやLAN等の通信回線網を介してコンピュータがアクセス可能であればよい。
また、記憶装置は、基準値と、人種や性別、年齢、既往症等の情報と関連付けられたリレーショナルデータベースであってもよい。この場合、入力手段から被験者に関する人種や、性別、年齢、既往症等の情報が入力されると、演算手段は、記憶手段から当該情報に対応する基準値を読み出し、当該基準値と上記測定値とを比較する。
なお、コンピュータは、診断結果を、ディスプレイやプリンタ等の出力手段に出力しても良いし、例えば電子メール形式で他の情報処理端末に出力しても良い。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
材料及び方法
<血清試料>
肝生検や各種検査にて診断が確定した健常者、単純性脂肪肝患者、NASH患者、ASH患者より文書による同意を得て早朝空腹時に採血し、血清分離を行った。また、NASHについては、肝生検の結果より、線維化の進行度により重症度を判定し、F1、F2、F3、F4に分類した。これらF1、F2、F3及びF4は、上述したBruntらの4段階分類(stage 1〜4)にそれぞれ対応している。
<測定方法>
本実施例において、血清試料に含まれるリポタンパク質の分析は、図1に示した分析装置を用いて行った。具体的に、本実施例では分析装置におけるHPLC装置として、Prominenceシリーズ(島津製作所社製)を使用した。分析カラムは、TSKgel LipopropakXL(東ソー株式会社製)を用いた。本実施例では、HPLC装置により分離されたカイロマイクロン及び超低比重リポタンパク質に含まれるコレステロール、中性脂肪、リン脂質及びフリーコレステロールを検出した。
コレステロールの検出には、検出用試薬としてコレステロール測定試薬 TCHO試薬SK-A及びTCHO試薬SK-B(東洋紡績株式会社製)を使用した。コレステロールの検出に際しては、それぞれの酵素を2:1の比率で混合した反応試薬を、HPLC装置により分離されたサンプルとシステム内で1:1の比率で混合した。この混合液を37℃に保った恒温器内で3分間保持した後、550nmの波長で測定することでコレステロールを検出した。
中性脂肪の検出には、検出用試薬として中性脂肪測定試薬 TG試薬SK-A及びTG試薬SK-B(東洋紡績株式会社製)を使用した。中性脂肪の検出に際しては、それぞれの酵素を3:1の比率で混合した反応試薬を、HPLC装置により分離されたサンプルとシステム内で1:1の比率で混合した。この混合液を37℃に保った恒温器内で3分間保持した後、550nmの波長で測定することで中性脂肪を検出した。
リン脂質の検出には、検出用試薬としてリン脂質測定用試薬 リキッドPL (東洋紡績株式会社製)を使用した。リン脂質の検出に際しては、リキッドPL酵素試薬AとリキッドPL酵素試薬Bを2:1の比率で混合した反応試薬を、HPLC装置により分離されたサンプルとシステム内で1:1の比率で混合した。この混合液を37℃に保った恒温器内で約3分間保持した後、550nmの波長で測定することでリン脂質を検出した。
フリーコレステロールの検出には、検出用試薬としてフリーコレステロール測定試薬 コレスカラー・リキッドFC(東洋紡績株式会社)を使用した。フリーコレステロールの検出に際しては、コレスカラー・リキッドFC酵素試薬Aとコレスカラー・リキッドFC酵素試薬Bを2:1の比率で混合した反応試薬を、HPLC装置により分離されたサンプルとシステム内で1:1の比率で混合した。この混合液を37℃に保った恒温器内で3分間保持した後、550nmの波長で測定することでフリーコレステロールを検出した。
分析装置を用いたリポタンパク質の分析は以下の条件で行った。先ず、血清試料を10μL注入し、溶離液としてTSK eluentLP-1又はLP-2を流速0.7ml/minで送液した。得られたクロマトグラムより、国際公開番号2006/057440に示した分析プログラムにより血清試料に含まれるリポタンパク質分画(カイロマイクロン、超低比重リポタンパク(VLDL)、低比重リポタンパク(LDL)、高密度リポタンパク(HDL))中のコレステロール、中性脂肪、リン脂質、フリーコレステロールの濃度を求めた。すなわち、得られたクロマトグラムを上述したG1〜G20の合計20個のピークに分割し、20個のピークに基づいて各成分の濃度を測定した。なお、本実施例では、対照となる標準血清として、デタミナー標準血清HDL-C測定用(協和メディックス株式会社)を用いた。
<結果>
健常者、単純性脂肪肝患者、NASH患者及びASH患者について血清試料中に含まれるカイロマイクロン分画中のコレステロール濃度、中性脂肪濃度、フリーコレステロール濃度及びリン脂質濃度を測定した結果をそれぞれ図3〜6に示す。図3〜6に示すように、血清試料中に含まれるカイロマイクロン分画中のコレステロール濃度、中性脂肪濃度、リン脂質濃度及びフリーコレステロール濃度は、健常人、単純性脂肪肝及びNASHの進行度に応じて順に有意に上昇することがわかった。すなわち脂肪性肝疾患の進展に伴い、カイロマイクロンが血中に増加することがわかった。また、ASH患者では、健常人よりも低濃度であることがわかった。
特に、図3に示すように、血清試料中に含まれるカイロマイクロン分画中のコレステロール濃度については、ASH患者、健常者及び単純性脂肪肝患者の順で有意に高濃度となることが判った。また、図4からは、血清試料中に含まれるカイロマイクロン分画中の中性脂肪濃度については、ASH患者、健常者、単純性脂肪肝患者、F1のNASH患者及びF2のNASH患者の順で有意に高濃度となることが判った。さらに、図5からは、血清試料中に含まれるカイロマイクロン分画中のフリーコレステロール濃度については、ASH患者、健常者、単純性脂肪肝患者、F1のNASH患者及びF2のNASH患者の順で有意に高濃度となることが判った。さらにまた、図6からは、血清試料中に含まれるカイロマイクロン分画中のリン脂質濃度については、ASH患者、健常者、単純性脂肪肝患者、F1のNASH患者及びF2のNASH患者の順で有意に高濃度となることが判った。
一方、健常者、単純性脂肪肝患者、NASH患者及びASH患者について血清試料中に含まれる超低比重リポタンパク質分画中のコレステロール濃度、中性脂肪濃度、フリーコレステロール濃度及びリン脂質濃度を測定した結果をそれぞれ図7〜10に示す。図7〜10に示すように、血清試料中に含まれる超低比重リポタンパク質分画中のコレステロール濃度、中性脂肪濃度、フリーコレステロール濃度及びリン脂質濃度は、健常人、単純性脂肪肝及びNASHの進行度に応じて順に有意に上昇することがわかった。すなわち脂肪性肝疾患の進展に伴い、超低比重リポタンパク質が血中に増加することがわかった。また、ASH患者では、健常人よりも低濃度であることがわかった。
特に、図7に示すように、血清試料中に含まれる超低比重リポタンパク質分画中のコレステロール濃度については、ASH患者、健常者及び単純性脂肪肝患者の順で有意に高濃度となることが判った。また、図8からは、血清試料中に含まれる超低比重リポタンパク質分画中の中性脂肪濃度については、健常者よりも単純性脂肪肝患者の方が有意に高濃度となり、単純性脂肪肝患者よりもF2のNASH患者の方が有意に高濃度となることが判った。さらに、図9からは、血清試料中に含まれる超低比重リポタンパク質分画中のフリーコレステロール濃度については、ASH患者、健常者及び単純性脂肪肝患者の順で有意に高濃度となることが判った。さらにまた、図10からは、血清試料中に含まれる超低比重リポタンパク質分画中のリン脂質濃度については、ASH患者、健常者、単純性脂肪肝患者、F1のNASH患者及びF2のNASH患者の順で有意に高濃度となることが判った。
また、健常者、単純性脂肪肝患者、NASH患者及びASH患者について血清試料中に含まれる、総コレステロール濃度に対するカイロマイクロン分画中のコレステロール濃度、総中性脂肪濃度に対するカイロマイクロン分画中の中性脂肪濃度、総フリーコレステロール濃度に対するカイロマイクロン分画中のフリーコレステロール濃度、総リン脂質濃度に対するカイロマイクロン分画中のリン脂質濃度を算出した結果をそれぞれ図11〜14に示す。図11〜14に示すように、血清試料中に含まれるカイロマイクロン分画中のコレステロール濃度、中性脂肪濃度、フリーコレステロール濃度、リン脂質濃度は、相対値としても健常人、単純性脂肪肝及びNASHの進行度に応じて有意に上昇することがわかった。また、ASH患者では、健常者よりも低濃度であることがわかった。
特に、図11に示すように、総コレステロール濃度に対するカイロマイクロン分画中のコレステロール濃度については、ASH患者、健常者、単純性脂肪肝患者、F1のNASH患者及びF2のNASH患者の順で有意に高濃度となることが判った。また、図12からは、総中性脂肪に対するカイロマイクロン分画中の中性脂肪濃度については、ASH患者、健常者、単純性脂肪肝患者、F1のNASH患者及びF2のNASH患者の順で有意に高濃度となることが判った。さらに、図13からは、総フリーコレステロールに対するカイロマイクロン分画中のフリーコレステロール濃度については、ASH患者、健常者、単純性脂肪肝患者、F1のNASH患者及びF2のNASH患者の順で有意に高濃度となることが判った。さらにまた、図14からは、総リン脂質に対するカイロマイクロン分画中のリン脂質濃度については、ASH患者、健常者、単純性脂肪肝患者、F1のNASH患者及びF2のNASH患者の順で有意に高濃度となることが判った。
さらに、健常者、単純性脂肪肝患者、NASH患者及びASH患者について血清試料中に含まれる、総コレステロール濃度に対する超低比重リポタンパク質分画中のコレステロール濃度、総フリーコレステロール濃度に対する超低比重リポタンパク質分画中のフリーコレステロール濃度、総リン脂質濃度に対する超低比重リポタンパク質分画中のリン脂質濃度、を算出した結果を図15〜17に示す。図15〜17に示すように、血清試料中に含まれる超低比重リポタンパク質分画中のコレステロール濃度、フリーコレステロール濃度、リン脂質濃度は、相対値として健常人、単純性脂肪肝、NASHの進行度に応じて有意に上昇することがわかった。また、ASH患者では、健常者よりも低濃度であることがわかった。
特に、図15に示すように、総コレステロール濃度に対する超低比重リポタンパク質分画中のコレステロール濃度については、ASH患者、健常者、単純性脂肪肝患者、F1のNASH患者、F2のNASH患者及びF3のNASH患者の順で有意に高濃度となることが判った。また、図16からは、総フリーコレステロールに対する超低比重リポタンパク質分画中のフリーコレステロール濃度については、ASH患者、健常者、単純性脂肪肝患者、F1のNASH患者、F2のNASH患者及びF3のNASH患者の順で有意に高濃度となることが判った。さらに、図17からは、総リン脂質に対する超低比重リポタンパク質分画中のリン脂質濃度については、ASH患者、健常者、単純性脂肪肝患者、F1のNASH患者及びF2のNASH患者の順で有意に高濃度となることが判った。
なお、図8を除く図3〜17に示したデータは、上記<測定方法>の結果として得られた測定値を用いたKruskal-Wallis検定の結果であり、図8に示したデータは上記<測定方法>の結果として得られた測定値を用いたt検定の結果である。
<考察>
カイロマイクロンは、腸で吸収された脂質を材料に腸管内で合成されて、リンパ管を経て肝臓の速やかに取り込まれ代謝される。通常、カイロマイクロンの代謝は非常に早く数10分以内に代謝されてしまう。脂肪性肝疾患患者においては、血中のカイロマイクロンが増加することから、肝臓におけるカイロマイクロン代謝の異常が生じていると考えられる。すなわち、脂肪性肝疾患の進展に伴い肝臓におけるカイロマイクロン代謝能力が低下するため、腸で合成されたカイロマイクロンを代謝できず、その結果としてカイロマイクロンが血中に増加すると考えられる。また、カイロマイクロンの血中増加に伴い、レムナントリポプロテインが増加すると予想される。今回の実験において総コレステロール濃度に対する超低比重リポタンパク質分画中のコレステロール濃度は顕著に増加しているが、これは肝臓の機能低下する一方でカイロマイクロンの代謝しきれなかった残渣、すなわちレムナントリポタンパクが蓄積していることを示している。
<結論>
以上の結果及び考察から、診断対象者の血清試料中の超低比重リポタンパク質、カイロマイクロン・レムナント及び超低比重リポタンパク質・レムナントからなる群から選ばれる少なくとも1種に含まれる成分の濃度、あるいはこれらのマーカーとなる蛋白質を測定することによって、当該診断対象者が単純性脂肪肝であるかNASHであるか診断でき、また当該診断対象者NASHの進行度について診断できることが明らかとなった。
診断対象者の血清試料中の超低比重リポタンパク質、カイロマイクロン・レムナント及び超低比重リポタンパク質・レムナントからなる群から選ばれる少なくとも1種に含まれる成分の濃度、あるいはこれらのマーカーとなる蛋白質を測定することによって、脂肪性肝炎患者或いは脂肪性肝炎が疑われる患者についてNASHであるかASHであるか診断できることが明らかとなった。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許および特許出願をそのまま参考として本明細書にとり入れるものとする。

Claims (53)

  1. 被験者から採取した血液由来試料に含まれるカイロマイクロン、超低比重リポタンパク質、カイロマイクロン・レムナント及び超低比重リポタンパク質・レムナントからなる群から選ばれる少なくとも1種を分析する工程と、当該分析の結果に基づいて脂肪性肝疾患への罹患、前記疾患の重症度又は前記疾患に対する治療効果を判定する工程とを含む脂肪性肝疾患の診断方法。
  2. 前記血液由来試料は血清試料であることを特徴とする請求項1記載の脂肪性肝疾患の診断方法。
  3. 前記分析する工程では、カイロマイクロン、超低比重リポタンパク質、カイロマイクロン・レムナント及び超低比重リポタンパク質・レムナントからなる群から選ばれる少なくとも1種に含まれる成分の濃度を測定することを特徴とする請求項1記載の脂肪性肝疾患の診断方法。
  4. 前記成分は、コレステロール、中性脂肪、リン脂質及びフリーコレステロールからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項3記載の脂肪性肝疾患の診断方法。
  5. 前記カイロマイクロン、超低比重リポタンパク質、カイロマイクロン・レムナント及び超低比重リポタンパク質・レムナントからなる群から選ばれる少なくとも1種は、高速液体クロマトグラフィーによって分析される、液体クロマトグラフィー-質量分析法により分析される、ガスクロマトグラフィー-質量分析法によって分析される、酵素試薬によって分析される、電気泳動法により分析される、核磁気共鳴法により分析される又は超遠心分離法により分析されることを特徴とする請求項1記載の脂肪性肝疾患の診断方法。
  6. 前記分析する工程は、
    前記血液由来試料に含まれるリポタンパク質を液体クロマトグラフィーで分離し、分離したリポタンパク質に含まれる成分に由来する信号を検出する工程と、
    少なくともカイロマイクロン及び/又は超低比重リポタンパク質が粒子径により規定される複数のサブクラスにより構成されていると仮定し、上記検出した信号を用いて、各サブクラスに対応するピークからなる近似波形を算出する工程と、
    得られた近似波形に基づいて、カイロマイクロン及び/又は超低比重リポタンパク質に相当する複数のピークの合計として分析する工程とを含む、ことを特徴とする請求項1記載の脂肪性肝疾患の診断方法。
  7. 前記血液由来試料に含まれるリポタンパク質を粒子径で複数の主要クラスに分離したときに、前記カイロマイクロンは平均粒子径が80nmを超える主要クラス成分であり、前記超低比重リポタンパク質は前記血液由来試料に含まれるリポタンパク質を粒子径で分離したときに平均粒子径が30〜80nmである主要クラス成分であることを特徴とする請求項1記載の脂肪性肝疾患の診断方法。
  8. 前記血液由来試料に含まれるリポタンパク質を粒子径で複数の主要クラスに分離し、各主要クラスが複数のサブクラスにより構成されているとしたときに、前記カイロマイクロンは、平均粒子径が90nmを超えるサブクラス成分及び平均粒子径が64〜90nmであるサブクラス成分の合計であり、前記超低比重リポタンパク質は、平均粒子径が53.6〜75nmであるサブクラス成分、平均粒子径が44.5〜64nmであるサブクラス成分、平均粒子径が36.8〜53.6nmであるサブクラス成分、平均粒子径が31.3〜44.5nmであるサブクラス成分及び平均粒子径が28.6〜36.8nmであるサブクラス成分の合計であることを特徴とする請求項1記載の脂肪性肝疾患の診断方法。
  9. 前記判定する工程では、前記分析結果に基づいて健常群又は脂肪性肝疾患に分類することを特徴とする請求項1記載の脂肪性肝疾患の診断方法。
  10. 前記判定する工程では、前記分析結果に基づいて前記被験者における脂肪性肝疾患の進行度を判定することを特徴とする請求項1記載の脂肪性肝疾患の診断方法。
  11. 前記脂肪性肝疾患の進行度は、非アルコール性単純性脂肪肝を認める1型、非アルコール性脂肪性肝炎を認める2型、非アルコール性脂肪性肝壊死を認める3型、及びマロリー体(Mallory Body)ないしは線維化を伴う肝細胞壊死を認める4型で定義されることを特徴とする請求項10記載の脂肪性肝疾患の診断方法。
  12. 前記判定する工程では、非アルコール性脂肪性肝炎に分類された前記被験者を、前記分析結果に基づいて非アルコール性脂肪性肝炎の進行度について更に分類することを特徴とする請求項1記載の脂肪性肝疾患の診断方法。
  13. 前記進行度は、非アルコール性脂肪性肝炎における線維化分類のステージ1〜4で定義されることを特徴とする請求項12記載の脂肪性肝疾患の診断方法。
  14. 前記進行度は、非アルコール性脂肪性肝炎における壊死・炎症グレード1〜3で定義されることを特徴とする請求項12記載の脂肪性肝疾患の診断方法。
  15. 前記判定する工程では、前記分析結果に基づいて前記被験者を、健常群、非アルコール性脂肪性肝疾患、非アルコール性単純性脂肪肝又は非アルコール性脂肪性肝炎に分類することを特徴とする請求項1記載の脂肪性肝疾患の診断方法。
  16. 前記判定する工程では、脂肪性肝炎が疑われる前記被験者を、前記分析結果に基づいてアルコール性脂肪性肝炎又は非アルコール性脂肪性肝炎に分類することを特徴とする請求項1記載の脂肪性肝疾患の診断方法。
  17. 被験者から採取した血液由来試料に含まれるカイロマイクロン、超低比重リポタンパク質、カイロマイクロン・レムナント及び超低比重リポタンパク質・レムナントからなる群から選ばれる少なくとも1種を分析する分析手段と、
    前記分析手段で分析した結果を入力する入力手段と、
    前記入力手段で入力した分析結果に基づいて脂肪性肝疾患への罹患、前記疾患の重症度又は前記疾患に対する治療効果を判定する演算手段と
    を備える脂肪性肝疾患の診断装置。
  18. 前記血液由来試料は血清試料であることを特徴とする請求項17記載の脂肪性肝疾患の診断装置。
  19. 前記分析手段は、カイロマイクロン、超低比重リポタンパク質、カイロマイクロン・レムナント及び超低比重リポタンパク質・レムナントからなる群から選ばれる少なくとも1種に含まれる成分の濃度を測定することを特徴とする請求項17記載の脂肪性肝疾患の診断装置。
  20. 前記成分は、コレステロール、中性脂肪、リン脂質及びフリーコレステロールからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項19記載の脂肪性肝疾患の診断装置。
  21. 前記分析手段は、高速液体クロマトグラフィー装置、液体クロマトグラフィー-質量分析装置、ガスクロマトグラフィー-質量分析装置、酵素試薬反応装置、電気泳動装置、核磁気共鳴装置又は超遠心分離装置であることを特徴とする請求項17記載の脂肪性肝疾患の診断装置。
  22. 前記分析手段は、
    前記血液由来試料に含まれるリポタンパク質を分離する液体クロマトグラフィー装置と、前記液体クロマトグラフィー装置で分離したリポタンパク質に含まれる成分に由来する信号を検出する検出部と、
    少なくともカイロマイクロン及び/又は超低比重リポタンパク質が粒子径により規定される複数のサブクラスにより構成されていると仮定し、上記検出部で検出した信号を用いて、各サブクラスに対応するピークからなる近似波形を算出する演算部と、
    前記演算部で得られた近似波形に基づいて、カイロマイクロン及び/又は超低比重リポタンパク質に相当する複数のピークの合計として分析する分析部とを含むことを特徴とする請求項17記載の脂肪性肝疾患の診断装置。
  23. 前記血液由来試料に含まれるリポタンパク質を粒子径で複数の主要クラスに分離したときに、前記カイロマイクロンは平均粒子径が80nmを超える主要クラス成分であり、前記超低比重リポタンパク質は前記血液由来試料に含まれるリポタンパク質を粒子径で分離したときに平均粒子径が30〜80nmである主要クラス成分であることを特徴とする請求項17記載の脂肪性肝疾患の診断装置。
  24. 前記血液由来試料に含まれるリポタンパク質を粒子径で複数の主要クラスに分離し、各主要クラスが複数のサブクラスにより構成されているとしたときに、前記カイロマイクロンは、平均粒子径が90nmを超えるサブクラス成分及び平均粒子径が64〜90nmであるサブクラス成分の合計であり、前記超低比重リポタンパク質は、平均粒子径が53.6〜75nmであるサブクラス成分、平均粒子径が44.5〜64nmであるサブクラス成分、平均粒子径が36.8〜53.6nmであるサブクラス成分、平均粒子径が31.3〜44.5nmであるサブクラス成分及び平均粒子径が28.6〜36.8nmであるサブクラス成分の合計であることを特徴とする請求項17記載の脂肪性肝疾患の診断装置。
  25. 前記演算手段は、前記分析結果に基づいて健常群又は脂肪性肝疾患に分類することを特徴とする請求項17記載の脂肪性肝疾患の診断装置。
  26. 前記演算手段は、前記分析結果に基づいて前記被験者における脂肪性肝疾患の進行度を判定することを特徴とする請求項17記載の脂肪性肝疾患の診断装置。
  27. 前記脂肪性肝疾患の進行度は、非アルコール性単純性脂肪肝を認める1型、非アルコール性脂肪性肝炎を認める2型、非アルコール性脂肪性肝壊死を認める3型、及びマロリー体(Mallory Body)ないしは線維化を伴う肝細胞壊死を認める4型で定義されることを特徴とする請求項26記載の脂肪性肝疾患の診断装置。
  28. 前記演算手段は、非アルコール性脂肪性肝炎に分類された前記被験者を、前記分析結果に基づいて非アルコール性脂肪性肝炎の進行度について更に分類することを特徴とする請求項17記載の脂肪性肝疾患の診断装置。
  29. 前記進行度は、非アルコール性脂肪性肝炎における線維化分類のステージ1〜4で定義されることを特徴とする請求項28記載の脂肪性肝疾患の診断装置。
  30. 前記進行度は、非アルコール性脂肪性肝炎における壊死・炎症グレード1〜3で定義されることを特徴とする請求項第28項記載の脂肪性肝疾患の診断装置。
  31. 前記演算手段は、前記分析結果に基づいて前記被験者を、健常群、非アルコール性脂肪性肝疾患、非アルコール性単純性脂肪肝又は非アルコール性脂肪性肝炎に分類することを特徴とする請求項17記載の脂肪性肝疾患の診断装置。
  32. 前記演算手段は、脂肪性肝炎が疑われる前記被験者を、前記分析結果に基づいてアルコール性脂肪性肝炎又は非アルコール性脂肪性肝炎に分類することを特徴とする請求項17記載の脂肪性肝疾患の診断装置。
  33. 入力手段及び演算手段を有するコンピュータに、
    被験者から採取した血液由来試料に含まれるカイロマイクロン、超低比重リポタンパク質、カイロマイクロン・レムナント及び超低比重リポタンパク質・レムナントからなる群から選ばれる少なくとも1種の分析結果を前記入力手段が入力するステップと、
    前記ステップで入力した分析結果に基づいて脂肪性肝疾患への罹患、前記疾患の重症度又は前記疾患に対する治療効果を前記演算手段が判定するステップとを実行させる脂肪性肝疾患の診断プログラム。
  34. 前記血液由来試料は血清試料であることを特徴とする請求項33記載の脂肪性肝疾患の診断プログラム。
  35. 前記分析結果は、カイロマイクロン、超低比重リポタンパク質、カイロマイクロン・レムナント及び超低比重リポタンパク質・レムナントからなる群から選ばれる少なくとも1種に含まれる成分の濃度であることを特徴とする請求項33記載の脂肪性肝疾患の診断プログラム。
  36. 前記成分は、コレステロール、中性脂肪、リン脂質及びフリーコレステロールからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項35記載の脂肪性肝疾患の診断プログラム。
  37. 前記入力手段は、高速液体クロマトグラフィー装置、液体クロマトグラフィー-質量分析装置、ガスクロマトグラフィー-質量分析装置、酵素試薬反応装置、電気泳動装置、核磁気共鳴装置又は超遠心分離装置から出力された分析結果、又は当該装置で分析された分析結果を記録した記録装置から出力された分析結果を入力することを特徴とする請求項33記載の脂肪性肝疾患の診断プログラム。
  38. 前記分析結果は、
    前記血液由来試料に含まれるリポタンパク質を液体クロマトグラフィーで分離し、分離したリポタンパク質に含まれる成分に由来する信号を検出する工程と、
    少なくともカイロマイクロン及び/又は超低比重リポタンパク質が粒子径により規定される複数のサブクラスにより構成されていると仮定し、上記検出した信号を用いて、各サブクラスに対応するピークからなる近似波形を算出する工程と、
    得られた近似波形に基づいて、カイロマイクロン及び/又は超低比重リポタンパク質に相当する複数のピークの合計として分析する工程により得られたデータであることを特徴とする請求項33記載の脂肪性肝疾患の診断プログラム。
  39. 前記血液由来試料に含まれるリポタンパク質を粒子径で複数の主要クラスに分離したときに、前記カイロマイクロンは平均粒子径が80nmを超える主要クラス成分であり、前記超低比重リポタンパク質は前記血液由来試料に含まれるリポタンパク質を粒子径で分離したときに平均粒子径が30〜80nmである主要クラス成分であることを特徴とする請求項33記載の脂肪性肝疾患の診断プログラム。
  40. 前記血液由来試料に含まれるリポタンパク質を粒子径で複数の主要クラスに分離し、各主要クラスが複数のサブクラスにより構成されているとしたときに、前記カイロマイクロンは、平均粒子径が90nmを超えるサブクラス成分及び平均粒子径が64〜90nmであるサブクラス成分の合計であり、前記超低比重リポタンパク質は、平均粒子径が53.6〜75nmであるサブクラス成分、平均粒子径が44.5〜64nmであるサブクラス成分、平均粒子径が36.8〜53.6nmであるサブクラス成分、平均粒子径が31.3〜44.5nmであるサブクラス成分及び平均粒子径が28.6〜36.8nmであるサブクラス成分の合計であることを特徴とする請求項33記載の脂肪性肝疾患の診断プログラム。
  41. 前記演算手段は、前記分析結果に基づいて健常群又は脂肪性肝疾患に分類することを特徴とする請求項33記載の脂肪性肝疾患の診断プログラム。
  42. 前記演算手段は、前記分析結果に基づいて前記被験者における脂肪性肝疾患の進行度を判定することを特徴とする請求項33記載の脂肪性肝疾患の診断プログラム。
  43. 前記脂肪性肝疾患の進行度は、非アルコール性単純性脂肪肝を認める1型、非アルコール性脂肪性肝炎を認める2型、非アルコール性脂肪性肝壊死を認める3型、及びマロリー体(Mallory Body)ないしは線維化を伴う肝細胞壊死を認める4型で定義されることを特徴とする請求項42記載の脂肪性肝疾患の診断プログラム。
  44. 前記演算手段は、非アルコール性脂肪性肝炎に分類された前記被験者を、前記分析結果に基づいて非アルコール性脂肪性肝炎の進行度について更に分類することを特徴とする請求項33記載の脂肪性肝疾患の診断プログラム。
  45. 前記進行度は、非アルコール性脂肪性肝炎における線維化分類のステージ1〜4で定義されることを特徴とする請求項44記載の脂肪性肝疾患の診断プログラム。
  46. 前記進行度は、非アルコール性脂肪性肝炎における壊死・炎症グレード1〜3で定義されることを特徴とする請求項44記載の脂肪性肝疾患の診断プログラム。
  47. 前記演算手段は、前記分析結果に基づいて前記被験者を、健常群、非アルコール性脂肪性肝疾患、非アルコール性単純性脂肪肝又は非アルコール性脂肪性肝炎に分類することを特徴とする請求項33記載の脂肪性肝疾患の診断プログラム。
  48. 前記演算手段は、脂肪性肝炎が疑われる前記被験者を、前記分析結果に基づいてアルコール性脂肪性肝炎又は非アルコール性脂肪性肝炎に分類することを特徴とする請求項33記載の脂肪性肝疾患の診断プログラム。
  49. 供試物質を作用させる前後における血液由来試料に含まれるカイロマイクロン、超低比重リポタンパク質、カイロマイクロン・レムナント及び超低比重リポタンパク質・レムナントからなる群から選ばれる少なくとも1種を比較する工程と、
    前記供試物質によりカイロマイクロン、超低比重リポタンパク質、カイロマイクロン・レムナント及び超低比重リポタンパク質・レムナントからなる群から選ばれる少なくとも1種に含まれる成分の濃度が有意に低下している場合には、脂肪性肝疾患の治療薬として同定する工程と
    を含む脂肪性肝疾患用治療薬のスクリーニング方法。
  50. 前記血液由来試料は血清試料であることを特徴とする請求項49記載の脂肪性肝疾患用治療薬のスクリーニング方法。
  51. 前記成分は、コレステロール、中性脂肪、リン脂質及びフリーコレステロールからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項49記載の脂肪性肝疾患用治療薬のスクリーニング方法。
  52. 前記カイロマイクロン、超低比重リポタンパク質、カイロマイクロン・レムナント及び超低比重リポタンパク質・レムナントからなる群から選ばれる少なくとも1種に含まれる成分は、高速液体クロマトグラフィーによって分析される、液体クロマトグラフィー-質量分析法により分析される、ガスクロマトグラフィー-質量分析法によって分析される、酵素試薬によって分析される、電気泳動法により分析される、核磁気共鳴法により分析される又は超遠心分離法により分析されることを特徴とする請求項49記載の脂肪性肝疾患用治療薬のスクリーニング方法。
  53. 前記治療薬は、非アルコール性脂肪性肝疾患、アルコール性脂肪性肝疾患、非アルコール性単純性脂肪肝、アルコール性単純性脂肪肝、非アルコール性脂肪性肝炎及びアルコール性脂肪性肝炎からなる群から選ばれる少なくとも1種の脂肪性肝疾患に対する治療薬であることを特徴とする請求項49記載の脂肪性肝疾患用治療薬のスクリーニング方法。
JP2009537013A 2007-10-12 2008-10-08 脂肪性肝疾患の診断方法、診断装置、診断プログラム及び脂肪性肝疾患用治療薬のスクリーニング方法 Pending JPWO2009048081A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007266431 2007-10-12
JP2007266431 2007-10-12
PCT/JP2008/068308 WO2009048081A1 (ja) 2007-10-12 2008-10-08 脂肪性肝疾患の診断方法、診断装置、診断プログラム及び脂肪性肝疾患用治療薬のスクリーニング方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2009048081A1 true JPWO2009048081A1 (ja) 2011-02-24

Family

ID=40549225

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009537013A Pending JPWO2009048081A1 (ja) 2007-10-12 2008-10-08 脂肪性肝疾患の診断方法、診断装置、診断プログラム及び脂肪性肝疾患用治療薬のスクリーニング方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPWO2009048081A1 (ja)
WO (1) WO2009048081A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013164755A (ja) * 2012-02-10 2013-08-22 Crust Inc 診断支援システム、診断支援プログラム及び診断支援方法
EP3776459A1 (en) * 2018-03-26 2021-02-17 Koninklijke Philips N.V. Spectral inflammation map from spectral imaging data

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006349457A (ja) * 2005-06-15 2006-12-28 Tokyo Medical & Dental Univ 非アルコール性脂肪肝の治療薬のスクリーニング方法
JP2007192746A (ja) * 2006-01-20 2007-08-02 Keio Gijuku 酸化ストレスの判定方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0915225A (ja) * 1995-04-28 1997-01-17 Tosoh Corp 血清リポタンパク質の分析方法
JP2002139501A (ja) * 2000-10-30 2002-05-17 Mass Medical Kk リポ蛋白サブクラスの分析ならびに診断方法
JP3899041B2 (ja) * 2003-02-07 2007-03-28 真一 臼井 リポタンパク質の分析方法及び分析プログラム

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006349457A (ja) * 2005-06-15 2006-12-28 Tokyo Medical & Dental Univ 非アルコール性脂肪肝の治療薬のスクリーニング方法
JP2007192746A (ja) * 2006-01-20 2007-08-02 Keio Gijuku 酸化ストレスの判定方法

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN7012003453; 岡崎 三代: '新しい血清リポ蛋白質の分析方法:ゲルろ過HPLC' 生物物理化学 第49巻,第4号, 20051215, P.111-118 *
JPN7012003454; Maurizio Cassader, Roberto Gambino, Giovanni Musso, Nadia Depetris,Fabio Mecca, Paolo Cavallo Perin,: 'Postprandial Triglyceride-Rich Lipoprotein Metabolism and Insulin Sensitivity in Nonalcoholic Steato' Lipids Vol.36, No.10, 2001, P.1117-1124 *

Also Published As

Publication number Publication date
WO2009048081A1 (ja) 2009-04-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3242588B1 (en) Blood based biomarkers for diagnosing atherosclerotic coronary artery disease
CN108445241B (zh) 用于鉴定高风险冠状动脉疾病患者的脂质组学标志
US11680949B2 (en) Lipoprotein analysis by differential charged-particle mobility
Öhrfelt et al. Screening for new biomarkers for subcortical vascular dementia and Alzheimer’s disease
Anada et al. Panel of serum protein biomarkers to grade the severity of traumatic brain injury
EP2645107A2 (en) Lipoprotein analysis by differential charged-particle mobility
US20080302666A1 (en) Apparatus for differential charged-particle mobility
JP5299960B2 (ja) 脂肪性肝疾患の診断方法、診断装置、診断プログラム、診断薬及び脂肪性肝疾患用治療薬のスクリーニング方法
CN111830142A (zh) 神经酰胺在制备用于评估心力衰竭患者发生不良事件风险的试剂盒中的应用
Mundra et al. Lipidomic analyses in epidemiology
Tian et al. A high serum level of taurocholic acid is correlated with the severity and resolution of drug-induced liver injury
JP2002139501A (ja) リポ蛋白サブクラスの分析ならびに診断方法
WO2017029401A1 (en) Means and methods for diagnosing cardiac disease in a subject
US20110136241A1 (en) Type ii diabetes molecular bioprofile and method and system of using the same
EP3194959B1 (en) Means and methods for diagnosing heart failure on the basis of cholesterol parameters, sphingomyelins and/or triacylglycerols
JPWO2009048081A1 (ja) 脂肪性肝疾患の診断方法、診断装置、診断プログラム及び脂肪性肝疾患用治療薬のスクリーニング方法
JP2010507093A (ja) バイオマーカー
WO2023035045A1 (en) Biological markers of liver fat
Dong et al. A simple and precise method for direct measurement of fractional esterification rate of high density lipoprotein cholesterol by high performance liquid chromatography
Pisarska et al. Lipidomic profiles as a tool to search for new biomarkers
JPWO2008123567A1 (ja) 内臓脂肪症候群の危険度及び/又はその進行度を判定する方法
Cascant-Vilaplana et al. Longitudinal perturbations of plasma nuclear magnetic resonance profiles in neonatal encephalopathy
JPWO2007052789A1 (ja) 大血管障害を判別するためのリポタンパク質の分析方法
CN113189234B (zh) 基于神经酰胺、鞘磷脂和富含花生四烯酸酰基链的磷脂的喉癌分析方法及应用
Li et al. Untargeted Lipidomics Reveals Specific Lipid Abnormalities in Ankylosing Spondylitis

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111004

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120821

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121018

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130625

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20131029