JPH08320245A - フローセンサ、その製造方法および駆動方法 - Google Patents

フローセンサ、その製造方法および駆動方法

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JPH08320245A
JPH08320245A JP7151092A JP15109295A JPH08320245A JP H08320245 A JPH08320245 A JP H08320245A JP 7151092 A JP7151092 A JP 7151092A JP 15109295 A JP15109295 A JP 15109295A JP H08320245 A JPH08320245 A JP H08320245A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大きな流速も計測できる高感度で高精度のフ
ローセンサを得る。 【構成】 第一の支持基板11の表側と裏側の表面にそ
れぞれ薄膜状の電熱ヒータ12と一方の温度センサの薄
膜13とを形成し、これらの薄膜状の電熱ヒータ12と
一方の温度センサの薄膜13との間にある支持基板材料
を異方性エッチャントを用いて部分的にエッチング除去
して第一の空洞15を形成する。第一と同等な第二の支
持基板16の一方の面に、他方の温度センサの薄膜17
を形成して、その下部の支持基板材料を第一基板と同様
に部分的にエッチング除去して第二の空洞19を形成し
たのち、第一と第二の空洞15、19を介して一対の温
度センサの薄膜13、17が薄膜状の電熱ヒータ12を
サンドイッチ状に挟むように第一と第二の基板11、1
6同士を接着剤18で張り合わせる。それぞれの薄膜に
連通孔21を形成し、被測定流体がゆっくりと空洞部1
5、19に出入りできるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、気体や液体などの流体
の流量や流速を計測するためのフローセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】電熱ヒータと薄膜状の一対の同等な温度
センサとを、これらの支持基板から浮かせ熱的分離を図
り、流体の流れを検出するようにしたフローセンサに、
従来例えば、シリコン単結晶基板を用い、異方性エッチ
ングで形成するダイヤフラム膜やエアブリッジ膜の同一
平面上の電気絶縁性の薄膜上に、薄膜電熱ヒータと薄膜
上の一対の同等な温度センサを形成し、一対の温度セン
サは薄膜電熱ヒータに対して流れの上流側と下流側に配
置するような構成をして、上流側の温度センサは冷やさ
れ、下流側の温度センサは薄膜電熱ヒータからの熱の気
流による伝播に基づき温度上昇するので、これらの温度
差から流速や流量を計測しようとするものであった(例
えば、特公平4−74672号公報、特開昭61−88
532号公報参照)。
【0003】しかし、薄膜電熱ヒータと薄膜状の一対の
同等な温度センサとがそれぞれ別のエアブリッジ膜上に
形成されている場合には、下流側の温度センサが冷却作
用も同時に受けるため、大きな流速の計測には問題があ
った。また、この問題を解決するために発明されたはず
の特公平4−74672号公報の流速センサにおいて
は、薄膜状の一対の温度センサが薄膜電熱ヒータで絶縁
膜を介して直熱型になっているので、下流側の温度セン
サの冷却効果は少なくなるが、冷却効果は少なくすれば
するほど一対の温度センサに温度差がつきにくくなり、
感度および精度が悪くなるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の流速
センサの問題点を解決するためになされたもので、大き
な流速も計測でき、高感度で高精度のフローセンサを提
供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では、電熱ヒータ
と薄膜状の一対の同等な温度センサとを、支持基板から
浮かせ熱的分離を図る点では従来のフローセンサと同一
であるが、被測定流体の上流側とか下流側とかの区別は
なく、流れに対してはほぼ同一の位置で一対の温度セン
サの面で電熱ヒータを熱伝導不良媒体を介してサンドイ
ッチ状に挟むように近接して設け、被測定流体の流れに
対して平行配置とさせ、これらの一対の温度センサのう
ち一方を被測定流体の流れから遮蔽されるようにし、他
方を被測定流体の流れに晒すように構成してある。
【0006】また、本発明は、一対の温度センサのう
ち、一方を被測定流体に連通孔を通して晒すが、被測定
流体の流れからは遮蔽されるようにし、他方を被測定流
体の流れに直接晒すよう構成したものである。
【0007】また、本発明は、電熱ヒータを薄膜状に形
成したものであり、さらに被測定流体の流れがないとき
には、電熱ヒータからの熱が一対の温度センサに同等に
伝えられるように構成してあり、また、被測定流体の流
れがないときには、一対の温度センサに温度差がなく、
被測定流体の流れがあるときに、この流れに関連した温
度差が生じるように構成することができる。
【0008】また、本発明は、基板に第三の温度センサ
を形成して、周囲温度を計測するようにしてある。
【0009】また、本発明は、熱伝導不良媒体として被
測定流体としたり、ポリイミドなどのプラスチックとし
たりすることができる。
【0010】また、本発明は、支持基板上に薄膜状の一
対の同等な温度センサの間に薄膜状の電熱ヒータを形成
し、それぞれの間の熱的分離を図るのに、一つに、それ
ぞれの間に犠牲層薄膜を形成しておき、犠牲層薄膜をエ
ッチング除去することにより行うようにしたフローセン
サの製造方法である。別の方法は、第一の支持基板の表
側と裏側の表面にそれぞれ薄膜状の電熱ヒータと一方の
温度センサの薄膜とを形成し、これらの薄膜状の電熱ヒ
ータと一方の温度センサの薄膜との間にある支持基板材
料を部分的にエッチング除去して第一の空洞を形成して
おき、第一と同等な第二の支持基板の一方の面に、他方
の温度センサの薄膜を形成して、その下部の支持基板材
料を部分的にエッチング除去して第二の空洞を形成した
のち、第一と第二の空洞を介して一対の温度センサを薄
膜が薄膜状の電熱ヒータをサンドイッチ状になるように
第一と第二の基板同士を張合わせたフローセンサの製造
方法である。
【0011】また、本発明は、ポリイミドなどの耐熱性
があり熱伝導不良媒体のプラスチックの支持基板の表側
と裏側の表面にそれぞれ薄膜状の電熱ヒータと一方の温
度センサの薄膜とを形成し、第一と同等な第二の支持基
板の一方の面に、他方の温度センサの薄膜を形成して、
一対の温度センサの薄膜がほぼ等間隔で薄膜状の電熱ヒ
ータをサンドイッチ状に挟むように第一と第二の基板同
士を張合せたフローセンサの製造方法である。
【0012】また、本発明は、フローセンサの駆動方法
として、電熱ヒータに矩形波パルスを印加して加熱し、
この矩形波パルスと同期して一対の温度センサの温度差
を検出するようにしたものである。
【0013】
【作用】本発明のフローセンサは、電熱ヒータと薄膜状
の一対の同等な温度センサとを、これらの支持基板から
浮かせ熱的分離を図っているので、電熱ヒータの消費電
力が少なく、高速応答であることは、従来と同様である
が、被測定流体の上流側とか下流側とかの区別はなく、
流れに対してはほぼ同一の位置で一対の温度センサの面
で電熱ヒータを熱伝導不良媒体を介してサンドイッチ状
に挟むように近接して設けてあり、これらの一対の温度
センサのうち、一方を被測定流体に連通孔を通して晒す
が被測定流体の流れからは遮蔽されるようにし、他方を
被測定流体の流れに直接晒すように構成してある。この
ため、被測定流体の流れに直接晒した方の温度センサは
冷えるが、流れから遮断された方の温度センサは、流れ
による冷却効果がないので、ほぼ飽和温度になり、被測
定流体の低速から高速までの流れに対して一対の温度セ
ンサの温度差が単調に変化するようになる。
【0014】熱伝導不良媒体として被測定流体を用いれ
ば、熱伝導不良媒体の層に連通孔を設け、連通孔を通し
て被測定流体が出入りできるようにすることにより、熱
伝導不良媒体の層とその外部との間の圧力バランスが良
くなると共に、熱の再分布もしやすくなる。
【0015】また、熱伝導不良媒体としてポリイミド等
のプラスチックとすれば、電熱ヒータと薄膜状の一対の
同等な温度センサとを固体で一体にできることから、機
械的強度が増加し、かつ、柔軟性をもたせることができ
るので、気体ばかりでなく、液体の被測定流体の流れを
計測できる。
【0016】電熱ヒータを薄膜状に形成すれば、その電
熱ヒータ体積の割りには表面積の大きく、熱容量が小さ
くでき、フォトアプリケーションの点からも有利なこと
が多い。
【0017】被測定流体の流れがないとき、電熱ヒータ
からの熱が一対の温度センサに同等に伝えられるように
構成すれば、流れがないときには、一対の温度センサに
温度差が小さくできるので、温度及び感度を上げること
ができる。
【0018】一般的には被測定流体の温度が変化するの
で、被測定流体の温度を測定しておく必要がある。この
ため基板に第三の温度センサを形成して、周囲温度を計
測するようにしておけばよい。
【0019】支持基板状に薄膜状の一対の同等な温度セ
ンサの間に薄膜状の電熱ヒータを形成し、それぞれの間
の熱的分離を図るのに、犠牲層薄膜をエッチング除去す
るようにすれば、犠牲層薄膜の厚みのギャップが形成さ
れるので、非常に微細なフローセンサが作製できる。
【0020】第一の支持基板の表側と裏側の表面にそれ
ぞれ薄膜状の電熱ヒータと一方の温度センサを薄膜を形
成し、これらの間を空洞化させた第一の基板と、一方の
面に温度センサの薄膜を形成し、その直下に空洞を形成
した第二の基板とを、薄膜状の電熱ヒータに対して一対
の温度センサがほぼ対称配置になるように張合わせたフ
ローセンサでは、これらの基板の厚みがほぼ電熱ヒータ
と一方の温度センサの薄膜との間隔になり、比較的大き
なフローセンサが作製できる。このため、一対の温度セ
ンサ間の熱的な相互作用が小さくなり、低い流速でも計
測しやすくなる。また、一対の温度センサを独立に形成
するので、製作上の歩止りが向上しやすい。
【0021】ポリイミドなどの耐熱性があり熱伝導不良
媒体のプラスチックの一方の支持基板に薄膜状の電熱ヒ
ータと一方の温度センサの薄膜とを形成し、他方の支持
基板に他方の温度センサの薄膜を形成して、これらの基
板同士を張合わせたフローセンサでは、柔軟性が向上す
る。
【0022】フローセンサの駆動方法として、電熱ヒー
タにパルスを繰り返し印加して加熱し、このパルスと同
期して一対の温度センサの温度差を検出するようにして
場合は、電熱ヒータの消費電力を小さくできること、被
測定流体の流れから遮蔽した側の温度センサの付近の被
測定流体の異常加熱を防ぎ、元の被測定流体の温度にす
みやかに戻すための冷却期間が設けられるため、精度が
向上するなどの効果がある。
【0023】
【実施例1】図1はダクト1内に配置したフローセンサ
10の説明図であり、このフローセンサは図2に示すよ
うに、第一の支持基板11として(100)面のSi基板
を用い、その表側と裏側の表面にそれぞれ薄膜状の電熱
ヒータ12と一方の温度センサの薄膜13とを形成し、
これらの薄膜状の電熱ヒータ12と一方の温度センサの
薄膜13との間にある支持基板材料を、例えば異方性エ
ッチャントであるKOH水溶液を用いて部分的にエッチン
グ除去して第一の空洞15を形成しておき、第一と同等
な第二の支持基板16((100)面のSi基板)の一方
の面に、他方の温度センサの薄膜17を形成して、その
下部の支持基板材料を第一基板と同様に部分的にエッチ
ング除去して第二の空洞19を形成したのち、第一と第
二の空洞15、19を介して一対の温度センサの薄膜1
3、17が薄膜状の電熱ヒータ12をサンドイッチ状に
挟むように第一と第二の基板11、16同士を接着剤1
8で張合わせた場合の例である。
【0024】なお、薄膜状の電熱ヒータ12と一方の温
度センサの薄膜13とは、シリコンオキシナイトライド
薄膜20をCVD法により形成しておき、この上に一対
の温度センサの薄膜としてGeサーミスタをスパッタリン
グ形成するとか、薄膜サーモパイルをするとかし、薄膜
状の電熱ヒータとしてパターン化したPt薄膜ヒータと
か、ポリシリコン薄膜ヒータなどを形成すればよい。薄
膜温度センサ13、17や薄膜ヒータ12をエッチャン
トから保護するために、例えば、シリコンオキシナイト
ライド薄膜やSiO2などの耐熱性で、かつ、電気絶縁性の
薄膜でこれらの表面を覆う方が良い。
【0025】この例では(100)面のSi基板11、1
6を用いているので、異方性エッチャントで(111)
面に囲まれた第一及び第二の空洞15、19を精度よく
形成でき、この上に薄膜状の電熱ヒータ12や一対の温
度センサ13、17が形成される薄膜エアブリッジやダ
イヤフラム型の薄膜を残すことができる。
【0026】また、この例では、それぞれの薄膜に連通
孔21を形成してあり、被測定流体がゆっくりと空洞部
15、19に出入りできるようにしてある。
【0027】さらにこの例では、周囲温度、特に被測定
流体の温度を検出するための第三の温度センサ13も設
けられており、さらにこれらの薄膜状の電熱ヒータと一
対の温度センサの薄膜とを搭載した張合わせ基板が一方
の温度センサを被測定流体の流れから遮断するために、
やはりSi基板の異方性エッチングにより形成された凹部
23をもつ基板25に貼り付けてある。この被測定流体
の流れから遮断された一方の温度センサ部への被測定流
体の出入りは、この温度センサの形成してある薄膜エア
ブリッジやダイアフラムに形成した連通孔を通すのでは
なく、この例では示していないが、別に下部の凹部を持
つ基板に形成したこの凹部である空洞と外部とを結ぶ連
通孔を通して行ってもよい。
【0028】また、必要に応じ、連通孔を閉じてもよ
く、第一と第二基板に形成してある空洞をポリイミド樹
脂などのプラスチックで充填してもよい。
【0029】
【実施例2】図3は、支持基板31上に第一犠牲層薄膜
32を形成し、その上に一方の温度センサの薄膜33、
第二犠牲層薄膜35、薄膜状の電熱ヒータ36、第三犠
牲層薄膜37、さらに他方の温度センサの薄膜39を形
成して後、第一、第二および第三の犠牲層薄膜をエッチ
ング除去して、電熱ヒータ36と薄膜状の一対の同等な
温度センサ33、39とを、これらの支持基板31から
浮かせ熱的分離を図ったフローセンサの実施例である。
符号43はシリコンオキシナイトライド膜、符号44は
酸化タンタル膜である。符号45は被測定流体の温度を
検出するための第三の温度センサである。
【0030】支持基板31として、例えば、Si単結晶基
板を用いることができる。シリコンオキシナイトライド
薄膜やSiO2薄膜などの、耐熱性で、かつ、電気絶縁性の
薄膜で形成した薄膜エアブリッジやダイアフラムに一対
の温度センサや薄膜状の電熱ヒータを形成する場合は、
これらの材料を侵さないエッチャントを用いるため、犠
牲層薄膜32、35、37として、例えば、ポリシリコ
ンやアルミニウムを用いるとよい。また、薄膜温度セン
サ33、39や薄膜ヒータ36をエッチャントから保護
するために、例えば、シリコンオキシナイトライド薄膜
やSiO2薄膜などの耐熱性で、かつ、電気絶縁性の薄膜で
これらの表面を覆う方がよい。
【0031】犠牲層薄膜を除去したために形成される空
洞部40は、そのままの形にしておいてもよいが、この
図にあるように連通孔41を設け、被測定流体の出入り
を許容したり、これらの空洞部をプラスチックなどで充
填してもよい。
【0032】この実施例では、被測定流体の流れに露出
した一方の温度センサ39が晒されやすく、かつ、渦が
生じにくいよう、ドーナツ状のガイドリング42を取り
付けてある。ガイドリングの代わりに、上流側と下流側
にガイド板を取り付けてもよい。
【0033】この実施例では、Si単結晶基板を用い、そ
の上に犠牲層薄膜、薄膜状電熱ヒータおよび温度センサ
の薄膜を形成したものであったが、ここでは示さないが
Si単結晶基板の表面に凹部を形成しておき、この凹部の
底部に犠牲層薄膜、薄膜状電熱ヒータおよび温度センサ
の薄膜を形成して、その上部の被測定流体の流れに晒す
温度センサがSi単結晶基板の表面付近に顔を出すように
すれば、上述のドーナツ状のガイドリングやガイド板が
不用になる。
【0034】
【実施例3】図4は、ポリイミドなどの耐熱性があり熱
伝導不良媒体のプラスチックの支持基板51の表側と裏
側の表面にそれぞれ薄膜状の電熱ヒータ52と一方の温
度センサの薄膜53とを形成し、第一と同等な第二の支
持基板55の一方の面に、他方の温度センサの薄膜56
を形成して、一対の温度センサの薄膜53、56がほぼ
等間隔で薄膜の電熱ヒータ52をサンドイッチ状になる
ように第一と第二の基板51、55同士を接着剤57で
張合わせたフローセンサの例である。符号60は被測定
流体の温度を検出するための第三の温度センサである。
【0035】例えば、15μm厚みのポリイミド薄膜を
用いて、実施例1に記載したような温度センサと薄膜電
熱ヒータとをスパッタリングとフォトファブリケーショ
ンにより形成できる。第一と第二のポリイミド基板同士
を張合わせた素子を、実施例1に記載したような凹部を
持つSi基板に貼り付け、張合わせた基板同士に連通孔5
9を形成して、流れから遮蔽された一方の温度センサが
被測定流体に接触するようにすることができる。第一と
第二のポリイミド基板同士を張合わせた素子は、プラス
チックの主材であるため、柔軟性に富み、例えば、水な
どの液体の流量や流速を計測することができる。
【0036】実施例1〜3のフローセンサは、被測定流
体が気体であるか、液体であるかにより異なるが、気体
の場合、流れがないときに一対の温度センサが被測定流
体より、例えば、30℃上昇するように電熱ヒータを調
節しておく。そして、流れにより、流れに露出した温度
センサが冷えるので、このときの一対の温度センサ間の
温度差を検出して、被測定流体の流量や流速に換算する
ものである。電熱ヒータの加熱方法は直流電流による加
熱でもよいが、電熱ヒータに矩形波パルス、例えば、電
熱ヒータの熱時定数40msのとき、矩形波パルス電流を
印加して、100ms間加熱して、矩形波パルス電流を
印加後60ms後から測定を開始し、加熱している100
msまで一対の温度センサ間の温度を測定するというよう
に、この矩形波パルスと同期して一対の温度センサの温
度差を検出するようにすることができる。このとき、矩
形波パルス電流は繰り返されるが、その周期は、必要に
応じ、任意に選択できる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、この発明は次のよ
うな効果がある。請求項1のフローセンサは、流れに対
してほぼ同一の位置で一対の温度センサの面で電熱ヒー
タを挟むように近接して設け、一対の温度センサのう
ち、一方を被測定流体の流れからは遮蔽されるように
し、他方を被測定流体の流れに直接晒すように構成した
ものであり、流れから遮蔽された方の温度センサは流れ
による冷却を受けないのでほぼ飽和温度になり、低速か
ら高速まで被測定流体の流速を精度よく計測することが
できる。
【0038】請求項2のフローセンサは、一対の温度セ
ンサのうち、一方を被測定流体に連通孔を通して晒すよ
うにしたものであり、熱伝導不良媒体の層とその外部と
の間の圧力バランスが良くなると共に、熱の再分布もし
やすくなる。請求項3は電熱ヒータを薄膜状に形成した
ものであり、体積の割りに表面積が大きく、熱容量も小
さくでき、フォトアプリケーション上も有利である。
【0039】請求項4のフローセンサは、被測定流体の
流れがないとき、電熱ヒータからの熱が一対の温度セン
サに同等に伝えられるように構成したものであり、請求
項5は、被測定流体の流れがないときには、一対の温度
センサに温度差がなく、被測定流体の流れがあるとき
に、この流れに関連した温度差が生じるように構成した
ものであり、いずれも、流れがないときに、一対の温度
センサの温度差が小さくできるので、精度および感度を
上げることができる。
【0040】請求項6は第三の温度センサで周囲温度を
計測するようにしたので、被測定流体自体の温度変化に
も対応できる。請求項7のフローセンサは、被測定流体
を熱伝導不良媒体として使ったものであり、熱伝導不良
媒体に特殊な材料が不用である。
【0041】請求項8は、熱伝導不良媒体をポリイミド
等のプラスチックで形成したので、機械的強度が強く、
かつ、柔軟性をもたせることができ、気体ばかりでな
く、液体の被測定流体の流れの計測にも適する。
【0042】請求項9のフローセンサの製造方法は、支
持基板状に薄膜状の一対の同等な温度センサの間に薄膜
状の電熱ヒータを形成した後、犠牲層薄膜をエッチング
除去するようにしたものであり、犠牲層薄膜の厚みのギ
ャップが形成されるので、非常に微細なフローセンサが
作製できる。
【0043】請求項10の製造方法は、第一の支持基板
の表側と裏側の表面にそれぞれ薄膜状の電熱ヒータと一
方の温度センサを薄膜を形成し、これらの間を空洞化さ
せた第一の基板と、一方の面に温度センサの薄膜を形成
し、その直下に空洞を形成した第二の基板とを、薄膜状
の電熱ヒータに対して一対の温度センサがほぼ対称配置
になるように張合わせたものであり、これらの基板の厚
みがほぼ電熱ヒータと一方の温度センサの薄膜との間隔
になり、比較的大きなフローセンサが作製できる。この
ため、一対の温度センサ間の熱的な相互作用が小さくな
り、低い流速でも計測しやすくなる。また、一対の温度
センサを独立に形成するので、製作上の歩止りが向上し
やすい。
【0044】請求項11の方法は、ポリイミドなどの耐
熱性があり熱伝導不良媒体のプラスチックの一方の支持
基板に薄膜状の電熱ヒータと一方の温度センサの薄膜と
を形成し、他方の支持基板に他方の温度センサの薄膜を
形成して、これらの基板同士を張合わせるようにしたも
のであり、柔軟性のあるフローセンサが得られる。
【0045】請求項12のフローセンサの駆動方法は、
電熱ヒータにパルスを繰り返し印加して加熱し、このパ
ルスと同期して一対の温度センサの温度差を検出するよ
うにしたものであり、電熱ヒータの消費電力を小さくで
きるだけでなく、被測定流体の流れから遮蔽した側の温
度センサの付近の被測定流体の異常加熱を防ぎ、また、
元の被測定流体の温度にすみやかに戻すための冷却期間
が設けられるため、精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】フローセンサの使用状態説明図である。
【図2】フローセンサの断面図である。
【図3】他のフローセンサの断面図である。
【図4】さらに別のフローセンサの断面図である。
【符号の説明】
12,36,52 電熱ヒータ 13,17,33,39,53,56 温度センサ 21,41,59 連通孔 22,45,60 第三の温度センサ 32,35,37 犠牲層薄膜 15,19,40 空洞 11,16,51,55 支持基板

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電熱ヒータと薄膜状の一対の同等な温度
    センサとを、これらの支持基板から浮かせ熱的分離を図
    り、流体の流れを検出するようにしたフローセンサにお
    いて、前記一対の温度センサの面で前記電熱ヒータを熱
    伝導不良媒体を介してサンドイッチ状に挟むように近接
    して設けると共に、被測定流体の流れに対して平行に配
    置し、前記一対の温度センサのうち、一方を被測定流体
    の流れから遮蔽されるようにし、他方を被測定流体の流
    れに晒すように構成しておき、被測定流体の流れに関連
    して前記一対の温度センサの温度差が変化するように構
    成したことを特徴とするフローセンサ。
  2. 【請求項2】 一対の温度センサのうち、一方を被測定
    流体に連通孔を通して晒すが被測定流体の流れからは遮
    蔽されるようにし、他方の温度センサを被測定流体の流
    れに晒すように構成した請求項1記載のフローセンサ。
  3. 【請求項3】 電熱ヒータを薄膜状に形成した請求項1
    記載のフローセンサ。
  4. 【請求項4】 被測定流体の流れがないときには前記電
    熱ヒータからの熱が前記一対の温度センサに同等に伝え
    られるようにした請求項1記載のフローセンサ。
  5. 【請求項5】 被測定流体の流れがないときには、前記
    一対の温度センサに温度差がなく、被測定流体の流れが
    あるときに、この流れに関連した温度差が生じるように
    構成した請求項1記載のフローセンサ。
  6. 【請求項6】 基板に第三の温度センサを形成して、周
    囲温度を計測するようにした請求項1記載のフローセン
    サ。
  7. 【請求項7】 熱伝導不良媒体が被測定流体である請求
    項1記載のフローセンサ。
  8. 【請求項8】 熱伝導不良媒体層がポリイミドなどのプ
    ラスチック層である請求項1記載のフローセンサ。
  9. 【請求項9】 支持基板上に第一犠牲層薄膜を形成し、
    その上に一方の温度センサの薄膜、第二犠牲層薄膜、薄
    膜状の電熱ヒータ、第三犠牲層薄膜、さらに他方の温度
    センサの薄膜の順番で形成して後、第一、第二および第
    三の犠牲層薄膜をエッチング除去して、電熱ヒータと薄
    膜状の一対の同等な温度センサとを、これらの支持基板
    から浮かせ熱的分離を図った請求項1記載のフローセン
    サの製造方法。
  10. 【請求項10】 第一の支持基板の表側と裏側の表面に
    それぞれ薄膜状の電熱ヒータと一方の温度センサの薄膜
    とを形成し、これら薄膜状の電熱ヒータと一方の温度セ
    ンサの薄膜との間にある支持基板材料を部分的にエッチ
    ング除去して第一の空洞を形成しておき、第一と同等な
    第二の支持基板の一方の面に、他方の温度センサの薄膜
    を形成して、その下部の支持基板材料を部分的にエッチ
    ング除去して第二の空洞を形成した後、第一と第二の空
    洞を介して一対の温度センサの薄膜が薄膜状の電熱ヒー
    タをサンドイッチ状に挟むように第一と第二の基板同士
    を張合わせた請求項1記載のフローセンサの製造方法。
  11. 【請求項11】 ポリイミドなどの耐熱性があり熱伝導
    不良媒体のプラスチックの支持基板の表側と裏側の表面
    にそれぞれ薄膜状の電熱ヒータと一方の温度センサの薄
    膜とを形成し、第一と同等な第二の支持基板の一方の面
    に、他方の温度センサの薄膜を形成して、一対の温度セ
    ンサの薄膜がほぼ等間隔で薄膜状の電熱ヒータをサンド
    イッチ状に挟むように第一と第二の基板同士を張合わせ
    た請求項1記載のフローセンサの製造方法。
  12. 【請求項12】 電熱ヒータにパルスを繰り返し印加し
    て加熱し、このパルスと同期して一対の温度センサの温
    度差を検出するようにした請求項1記載のフローセンサ
    の駆動方法。
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