JPH109922A - 感熱式マイクロブリッジセンサ - Google Patents
感熱式マイクロブリッジセンサInfo
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- JPH109922A JPH109922A JP8161514A JP16151496A JPH109922A JP H109922 A JPH109922 A JP H109922A JP 8161514 A JP8161514 A JP 8161514A JP 16151496 A JP16151496 A JP 16151496A JP H109922 A JPH109922 A JP H109922A
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- heating element
- downstream
- heat
- bridge
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 少ない消費電力で低流速・低流量領域におい
ても高感度・高出力の流量測定を可能とする。 【解決手段】 基台の表面に架橋構造のブリッジ3を薄
膜形成し、ヒートシンク作用によって上下流端から中央
部に向かうほど発熱温度が高くなる発熱体4をブリッジ
3上に設け、一対の上下流測温体5によって発熱体4の
発熱温度をその中央部を基準とする上下流二箇所で測定
するようにした。したがって、気体の流動により二箇所
の測定点に発熱温度差が生ずると、これが上下流測温体
5によって検出され、この検出結果に基づいて気体の流
量や流速が測定される。この時、発熱体4の発熱温度を
高くすることなく低流速・低流量領域においても高出力
で高い検出感度を得ることができるので、少ない消費電
力で精度の高い測定を行うことができる。
ても高感度・高出力の流量測定を可能とする。 【解決手段】 基台の表面に架橋構造のブリッジ3を薄
膜形成し、ヒートシンク作用によって上下流端から中央
部に向かうほど発熱温度が高くなる発熱体4をブリッジ
3上に設け、一対の上下流測温体5によって発熱体4の
発熱温度をその中央部を基準とする上下流二箇所で測定
するようにした。したがって、気体の流動により二箇所
の測定点に発熱温度差が生ずると、これが上下流測温体
5によって検出され、この検出結果に基づいて気体の流
量や流速が測定される。この時、発熱体4の発熱温度を
高くすることなく低流速・低流量領域においても高出力
で高い検出感度を得ることができるので、少ない消費電
力で精度の高い測定を行うことができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気体の流速や流量
を測定し、例えば、ガスメータやエアコンの風量制御装
置等に適用される感熱式マイクロブリッジセンサに関す
る。
を測定し、例えば、ガスメータやエアコンの風量制御装
置等に適用される感熱式マイクロブリッジセンサに関す
る。
【0002】
【従来の技術】この種の感熱式マイクロブリッジセンサ
は、例えば、特開平2−259527号公報や特公平7
−95076号公報に記載されている。
は、例えば、特開平2−259527号公報や特公平7
−95076号公報に記載されている。
【0003】特開平2−259527号公報には、基台
の表面に架橋構造のブリッジを薄膜形成し、ブリッジ上
に気体の流れ方向に並設された一対の測温抵抗エレメン
トを薄膜形成し、これらの測温抵抗エレメントをブリッ
ジに形成されたスリットによって熱的に絶縁するように
した感熱式マイクロブリッジセンサが記載されている。
この場合、各測温抵抗エレメントは、気体の流れ方向と
直交する方向に沿うパターンとなっている。このような
構造のものは、定電流駆動された各測温抵抗エレメント
の電圧差を測定することによって気体の流量を求める。
つまり、気体が流動すると、上流側の測温抵抗エレメン
トの発熱量が奪われ、これが下流側の測温抵抗エレメン
トに作用するため、二つの測温抵抗エレメントの抵抗値
が変動する。そこで、各測温抵抗エレメントの間の電圧
差を測定することで、気体の流量が求められる。
の表面に架橋構造のブリッジを薄膜形成し、ブリッジ上
に気体の流れ方向に並設された一対の測温抵抗エレメン
トを薄膜形成し、これらの測温抵抗エレメントをブリッ
ジに形成されたスリットによって熱的に絶縁するように
した感熱式マイクロブリッジセンサが記載されている。
この場合、各測温抵抗エレメントは、気体の流れ方向と
直交する方向に沿うパターンとなっている。このような
構造のものは、定電流駆動された各測温抵抗エレメント
の電圧差を測定することによって気体の流量を求める。
つまり、気体が流動すると、上流側の測温抵抗エレメン
トの発熱量が奪われ、これが下流側の測温抵抗エレメン
トに作用するため、二つの測温抵抗エレメントの抵抗値
が変動する。そこで、各測温抵抗エレメントの間の電圧
差を測定することで、気体の流量が求められる。
【0004】特公平7−95076号公報には、基台の
表面に架橋構造のブリッジを薄膜形成し、ブリッジ上に
全抵抗値を有する単一抵抗素子のパターンを薄膜形成
し、この単一抵抗素子のパターンに二つの電圧取出口を
対称形に設けた構造の流速センサが記載されている。こ
こで、単一抵抗素子のパターンは、気体の流れ方向と直
交する方向に沿うパターンとなり、電圧取出口は気体の
流れ方向の上下流位置に位置付けられている。そして、
電圧取出口は、全抵抗値の各終端との間で区切られるセ
ンサとして働き、このようなセンサ領域を除いた中央の
抵抗区間はヒータ素子として働く。このため、気体が流
動すると、上流側のセンサ領域(電圧取出口)が冷さ
れ、下流側のセンサ領域(電圧取出口)がヒータ素子
(センサ領域を除いた中央の抵抗区間)の作用で加熱さ
れる。これにより、上流側のセンサと下流側のセンサと
の抵抗値が変動するため、各センサ間の電圧差を測定す
ることで、気体の流速が求められる。
表面に架橋構造のブリッジを薄膜形成し、ブリッジ上に
全抵抗値を有する単一抵抗素子のパターンを薄膜形成
し、この単一抵抗素子のパターンに二つの電圧取出口を
対称形に設けた構造の流速センサが記載されている。こ
こで、単一抵抗素子のパターンは、気体の流れ方向と直
交する方向に沿うパターンとなり、電圧取出口は気体の
流れ方向の上下流位置に位置付けられている。そして、
電圧取出口は、全抵抗値の各終端との間で区切られるセ
ンサとして働き、このようなセンサ領域を除いた中央の
抵抗区間はヒータ素子として働く。このため、気体が流
動すると、上流側のセンサ領域(電圧取出口)が冷さ
れ、下流側のセンサ領域(電圧取出口)がヒータ素子
(センサ領域を除いた中央の抵抗区間)の作用で加熱さ
れる。これにより、上流側のセンサと下流側のセンサと
の抵抗値が変動するため、各センサ間の電圧差を測定す
ることで、気体の流速が求められる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平2−25952
7号公報に記載された気体流量測定方式では、各測温抵
抗エレメントの間の電圧差が小さいため、一般にその出
力が低いという問題がある。このため、精度良く気体の
流量を求めるためには、各測温抵抗エレメントの発熱量
を高くする必要があるが、この場合には消費電力が増大
してしまい、不都合である。
7号公報に記載された気体流量測定方式では、各測温抵
抗エレメントの間の電圧差が小さいため、一般にその出
力が低いという問題がある。このため、精度良く気体の
流量を求めるためには、各測温抵抗エレメントの発熱量
を高くする必要があるが、この場合には消費電力が増大
してしまい、不都合である。
【0006】特公平7−95076号公報に記載された
気体流量測定方式では、電圧取出口の一端を全抵抗値の
各終端としているため、低流速・低流量領域における上
下流での電圧差が小さく、その出力が小さいという問題
がある。これは、全抵抗値の各終端との間で区切られる
上流側と下流側とのセンサ領域が同一薄膜上で連続的に
つながっているため、流動する気体によって生ずる熱の
流れと反対方向に薄膜を通して熱が伝達されてしまうか
らである。
気体流量測定方式では、電圧取出口の一端を全抵抗値の
各終端としているため、低流速・低流量領域における上
下流での電圧差が小さく、その出力が小さいという問題
がある。これは、全抵抗値の各終端との間で区切られる
上流側と下流側とのセンサ領域が同一薄膜上で連続的に
つながっているため、流動する気体によって生ずる熱の
流れと反対方向に薄膜を通して熱が伝達されてしまうか
らである。
【0007】本発明の目的は、消費電力が少なく、低流
速・低流量領域においても高感度・高出力の流量測定を
可能にする感熱式マイクロブリッジセンサを得ることで
ある。
速・低流量領域においても高感度・高出力の流量測定を
可能にする感熱式マイクロブリッジセンサを得ることで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
基台の表面に薄膜形成された架橋構造のブリッジと、こ
のブリッジ上に気体の流れ方向に沿って配置され、上下
流端が熱伝導性部材に直接的又は間接的に接触し、通電
によって発熱する発熱体と、上下流端以外の部分で発熱
体に電気的非接触状態で重なり合い、発熱体の中央部を
基準とする気体の流れ方向上下流位置に配置された一対
の上下流測温体と、基台における発熱体の発熱に影響さ
れない部位に配置された気体温度測温体とを備える。
基台の表面に薄膜形成された架橋構造のブリッジと、こ
のブリッジ上に気体の流れ方向に沿って配置され、上下
流端が熱伝導性部材に直接的又は間接的に接触し、通電
によって発熱する発熱体と、上下流端以外の部分で発熱
体に電気的非接触状態で重なり合い、発熱体の中央部を
基準とする気体の流れ方向上下流位置に配置された一対
の上下流測温体と、基台における発熱体の発熱に影響さ
れない部位に配置された気体温度測温体とを備える。
【0009】したがって、発熱体は、その上下流端が熱
伝導性部材に接しているため、ヒートシンク作用によっ
てその上下流端の発熱量が奪われる。このため、発熱体
は、その中央部の発熱温度が最も高く、両端に向かうほ
ど温度が低くなるような発熱温度分布を示す。この状態
で、気体が流動すると、発熱体においてはその上流側の
熱量が奪われてこれが下流側に作用するため、発熱体の
発熱温度分布は、その上流側の発熱温度が低下し下流側
の発熱温度が高くなるように変動する。これにより、気
体の流れ方向上流側と下流側とにそれぞれ配置された上
下流測温体の抵抗値のバランスが崩れるため、これを検
出することで気体の流速や流量が測定される。この場
合、中央部をピークとする発熱体の発熱温度分布の変動
を上下流測温体で検出する構成であるため、小さな気体
の流れが生じただけで上下流測温体の抵抗値のバランス
が容易に崩れる。このため、発熱体の発熱温度を高くす
ることなく、低流速・低流量領域においても高出力で高
い検出感度が得られる。一方、気体温度測温体は、基台
の温度を検出することで、気体温度をモニタする。そこ
で、このモニタ結果に基づき、発熱体の発熱温度が気体
の温度に対して一定となるように発熱体を駆動すること
で、気体の温度の変化が上下流測温体の抵抗値に与える
影響が補償される。
伝導性部材に接しているため、ヒートシンク作用によっ
てその上下流端の発熱量が奪われる。このため、発熱体
は、その中央部の発熱温度が最も高く、両端に向かうほ
ど温度が低くなるような発熱温度分布を示す。この状態
で、気体が流動すると、発熱体においてはその上流側の
熱量が奪われてこれが下流側に作用するため、発熱体の
発熱温度分布は、その上流側の発熱温度が低下し下流側
の発熱温度が高くなるように変動する。これにより、気
体の流れ方向上流側と下流側とにそれぞれ配置された上
下流測温体の抵抗値のバランスが崩れるため、これを検
出することで気体の流速や流量が測定される。この場
合、中央部をピークとする発熱体の発熱温度分布の変動
を上下流測温体で検出する構成であるため、小さな気体
の流れが生じただけで上下流測温体の抵抗値のバランス
が容易に崩れる。このため、発熱体の発熱温度を高くす
ることなく、低流速・低流量領域においても高出力で高
い検出感度が得られる。一方、気体温度測温体は、基台
の温度を検出することで、気体温度をモニタする。そこ
で、このモニタ結果に基づき、発熱体の発熱温度が気体
の温度に対して一定となるように発熱体を駆動すること
で、気体の温度の変化が上下流測温体の抵抗値に与える
影響が補償される。
【0010】請求項4記載の発明は、基台の表面に薄膜
形成された架橋構造のブリッジと、このブリッジ上に気
体の流れ方向に沿って配置され、上下流端が熱伝導性部
材に直接的又は間接的に接触し、通電によって発熱する
発熱体と、発熱体の中央部を基準とする気体の流れ方向
上下流位置であって発熱体の上下流端以外の位置で発熱
体から延出する一対の電圧取出口と、基台における発熱
体の発熱に影響されない部位に配置された気体温度測温
体とを備える。
形成された架橋構造のブリッジと、このブリッジ上に気
体の流れ方向に沿って配置され、上下流端が熱伝導性部
材に直接的又は間接的に接触し、通電によって発熱する
発熱体と、発熱体の中央部を基準とする気体の流れ方向
上下流位置であって発熱体の上下流端以外の位置で発熱
体から延出する一対の電圧取出口と、基台における発熱
体の発熱に影響されない部位に配置された気体温度測温
体とを備える。
【0011】したがって、発熱体は、その上下流端が熱
伝導性部材に接しているため、ヒートシンク作用によっ
てその上下流端の発熱量が奪われる。このため、発熱体
は、その中央部の発熱温度が最も高く、両端に向かうほ
ど温度が低くなるような発熱温度分布を示す。この状態
で、気体が流動すると、発熱体においてはその上流側の
熱量が奪われてこれが下流側に作用するため、発熱体の
発熱温度分布は、その上流側の発熱温度が低下し下流側
の発熱温度が高くなるように変動する。これにより、気
体の流れ方向上流側と下流側とのそれぞれの電圧取出口
から取り出された電圧値のバランスが崩れるため、これ
を検出することで気体の流速や流量が測定される。この
場合、中央部をピークとする発熱体の発熱温度分布の変
動を上下流の電圧取出口から取り出された電圧値で検出
する構成であるため、小さな気体の流れが生じただけで
二つの電圧取出口から取り出された電圧値のバランスが
容易に崩れる。このため、発熱体の発熱温度を高くする
ことなく、低流速・低流量領域においても高出力で高い
検出感度が得られる。一方、気体温度測温体は、基台の
温度を検出することで、気体温度をモニタする。そこ
で、このモニタ結果に基づき、発熱体の発熱温度が気体
の温度に対して一定となるように発熱体を駆動すること
で、気体温度の変化が上下流測温体の抵抗値に与える影
響が補償される。
伝導性部材に接しているため、ヒートシンク作用によっ
てその上下流端の発熱量が奪われる。このため、発熱体
は、その中央部の発熱温度が最も高く、両端に向かうほ
ど温度が低くなるような発熱温度分布を示す。この状態
で、気体が流動すると、発熱体においてはその上流側の
熱量が奪われてこれが下流側に作用するため、発熱体の
発熱温度分布は、その上流側の発熱温度が低下し下流側
の発熱温度が高くなるように変動する。これにより、気
体の流れ方向上流側と下流側とのそれぞれの電圧取出口
から取り出された電圧値のバランスが崩れるため、これ
を検出することで気体の流速や流量が測定される。この
場合、中央部をピークとする発熱体の発熱温度分布の変
動を上下流の電圧取出口から取り出された電圧値で検出
する構成であるため、小さな気体の流れが生じただけで
二つの電圧取出口から取り出された電圧値のバランスが
容易に崩れる。このため、発熱体の発熱温度を高くする
ことなく、低流速・低流量領域においても高出力で高い
検出感度が得られる。一方、気体温度測温体は、基台の
温度を検出することで、気体温度をモニタする。そこ
で、このモニタ結果に基づき、発熱体の発熱温度が気体
の温度に対して一定となるように発熱体を駆動すること
で、気体温度の変化が上下流測温体の抵抗値に与える影
響が補償される。
【0012】請求項1記載の感熱式マイクロブリッジセ
ンサにおいて、請求項2記載の発明では、一対の上下流
測温体を、発熱体の上下流端と中央部との略中間位置に
それぞれ配置した。また、請求項4記載の感熱式マイク
ロブリッジセンサにおいて、請求項5記載の発明では、
一対の電圧取出口を、発熱体の上下流端と中央部との略
中間位置でそれぞれ発熱体から延出させた。したがっ
て、請求項2及び5記載の発明では、上下流の測定点間
で高い温度差が得られ、広い領域において精度の高い測
定が行われる。
ンサにおいて、請求項2記載の発明では、一対の上下流
測温体を、発熱体の上下流端と中央部との略中間位置に
それぞれ配置した。また、請求項4記載の感熱式マイク
ロブリッジセンサにおいて、請求項5記載の発明では、
一対の電圧取出口を、発熱体の上下流端と中央部との略
中間位置でそれぞれ発熱体から延出させた。したがっ
て、請求項2及び5記載の発明では、上下流の測定点間
で高い温度差が得られ、広い領域において精度の高い測
定が行われる。
【0013】請求項1記載の感熱式マイクロブリッジセ
ンサにおいて、請求項3記載の発明では、一対の上下流
測温体をそれぞれ二つずつ設け、発熱体の上下流端と中
央部との略中間位置を基準とする気体の流れ方向上下流
位置に二つのそれぞれを配置した。また、請求項4記載
の感熱式マイクロブリッジセンサにおいて、請求項6記
載の発明では、一対の電圧取出口をそれぞれ二つずつ設
け、発熱体の上下流端と中央部との略中間位置を基準と
する気体の流れ方向上下流位置で二つのそれぞれを発熱
体から延出させた。したがって、請求項3及び6記載の
発明では、気体の流量に応じて測定点を切り替えること
で、より広い領域において精度の高い測定が行われる。
ンサにおいて、請求項3記載の発明では、一対の上下流
測温体をそれぞれ二つずつ設け、発熱体の上下流端と中
央部との略中間位置を基準とする気体の流れ方向上下流
位置に二つのそれぞれを配置した。また、請求項4記載
の感熱式マイクロブリッジセンサにおいて、請求項6記
載の発明では、一対の電圧取出口をそれぞれ二つずつ設
け、発熱体の上下流端と中央部との略中間位置を基準と
する気体の流れ方向上下流位置で二つのそれぞれを発熱
体から延出させた。したがって、請求項3及び6記載の
発明では、気体の流量に応じて測定点を切り替えること
で、より広い領域において精度の高い測定が行われる。
【0014】請求項7記載の発明は、請求項1ないし6
のいずれか一記載の感熱式マイクロブリッジセンサにお
いて、発熱体、上下流測温体、及び気体温度測温体を白
金薄膜抵抗体によって形成した。したがって、感熱式マ
イクロブリッジセンサが製造しやすくなり、その量産性
が向上する。また、3V電池での駆動も可能となる。
のいずれか一記載の感熱式マイクロブリッジセンサにお
いて、発熱体、上下流測温体、及び気体温度測温体を白
金薄膜抵抗体によって形成した。したがって、感熱式マ
イクロブリッジセンサが製造しやすくなり、その量産性
が向上する。また、3V電池での駆動も可能となる。
【0015】請求項8記載の発明は、請求項1ないし7
のいずれか一記載の感熱式マイクロブリッジセンサにお
いて、基台として半導体基板を用い、ブリッジのたもと
の半導体基板断面が(111)面となる方向に架橋構造
を形成した。したがって、エッチングによる堀の加工時
にアンダーカットが少なくなり、これにより、ブリッジ
上の発熱体を発熱させると、その発熱温度分布が発熱体
の中央部を最大温度とした上下流対称な分布となる。よ
って、正確かつ安定した測定結果が得られる。
のいずれか一記載の感熱式マイクロブリッジセンサにお
いて、基台として半導体基板を用い、ブリッジのたもと
の半導体基板断面が(111)面となる方向に架橋構造
を形成した。したがって、エッチングによる堀の加工時
にアンダーカットが少なくなり、これにより、ブリッジ
上の発熱体を発熱させると、その発熱温度分布が発熱体
の中央部を最大温度とした上下流対称な分布となる。よ
って、正確かつ安定した測定結果が得られる。
【0016】請求項9記載の発明は、請求項1ないし8
のいずれか一記載の感熱式マイクロブリッジセンサにお
いて、熱伝導性部材として基台を用い、この基台を単結
晶シリコン基板によって形成した。したがって、基台が
ヒートシンク作用を奏し、これによって発熱体の上下流
端の発熱量が奪われる。この場合、単結晶シリコン基板
は他の半導体基板に比べて熱伝導率が高いため、高いヒ
ートシンク作用が得られる。したがって、発熱体におい
て、その上下流端と中央部との間の発熱温度差がより大
きくなり、測定精度が向上する。
のいずれか一記載の感熱式マイクロブリッジセンサにお
いて、熱伝導性部材として基台を用い、この基台を単結
晶シリコン基板によって形成した。したがって、基台が
ヒートシンク作用を奏し、これによって発熱体の上下流
端の発熱量が奪われる。この場合、単結晶シリコン基板
は他の半導体基板に比べて熱伝導率が高いため、高いヒ
ートシンク作用が得られる。したがって、発熱体におい
て、その上下流端と中央部との間の発熱温度差がより大
きくなり、測定精度が向上する。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の第一の実施の形態を図1
ないし図4に基づいて説明する。図1は気体の流れが無
い場合と有る場合との発熱体の温度変化を示す模式図、
図2は感熱式マイクロブリッジセンサ全体の平面図、図
3は架橋構造を示すその縦断側面図、図4はエッチング
により形成される架橋構造のより詳細な形状を示す縦断
側面図である。
ないし図4に基づいて説明する。図1は気体の流れが無
い場合と有る場合との発熱体の温度変化を示す模式図、
図2は感熱式マイクロブリッジセンサ全体の平面図、図
3は架橋構造を示すその縦断側面図、図4はエッチング
により形成される架橋構造のより詳細な形状を示す縦断
側面図である。
【0018】まず、基台1の表面に堀2を跨ぐ架橋構造
のブリッジ3が薄膜形成され、このブリッジ3上には発
熱体4がパターン形成されている。この発熱体4は、気
体の流れ方向(図2中白抜きの矢印で示す)に沿ってジ
グザグ状に配置され、上下流端が熱伝導性部材として機
能する基台1に間接的に接触している。そして、ブリッ
ジ3上には、発熱体4に電気的非接触状態で重なり合う
一対の上下流測温体5が設けられている。この上下流測
温体5は、発熱体4の中央部を基準とする気体の流れ方
向上下流位置に配置された上流側測温体5aと下流側測
温体5bとによって構成されている。上流側測温体5a
は、発熱体4の上流端と中央部との略中間位置に、下流
側測温体5bは、発熱体4の下流端と中央部との略中間
位置にそれぞれ配置されている。さらに、基台1には、
発熱体4の発熱に影響されない部位に気体温度測温体6
が配設されている。
のブリッジ3が薄膜形成され、このブリッジ3上には発
熱体4がパターン形成されている。この発熱体4は、気
体の流れ方向(図2中白抜きの矢印で示す)に沿ってジ
グザグ状に配置され、上下流端が熱伝導性部材として機
能する基台1に間接的に接触している。そして、ブリッ
ジ3上には、発熱体4に電気的非接触状態で重なり合う
一対の上下流測温体5が設けられている。この上下流測
温体5は、発熱体4の中央部を基準とする気体の流れ方
向上下流位置に配置された上流側測温体5aと下流側測
温体5bとによって構成されている。上流側測温体5a
は、発熱体4の上流端と中央部との略中間位置に、下流
側測温体5bは、発熱体4の下流端と中央部との略中間
位置にそれぞれ配置されている。さらに、基台1には、
発熱体4の発熱に影響されない部位に気体温度測温体6
が配設されている。
【0019】次いで、本実施の形態の感熱式マイクロブ
リッジセンサのより詳細な構造をその製造工程と共に説
明する。基台1として、(110)の結晶面を有するシ
リコンウエハからなる単結晶シリコン基板7が用意され
る。そして、この単結晶シリコン基板7には、その裏面
に1μm程度のSiO2 膜8が成膜され、表面にはTa
2 O5 からなる絶縁層9が膜状形成される。この絶縁層
9は、一般に用いられるEB(Electron Beam :電子ビ
ーム)蒸着法やスパッタリング法によって約1.5μm
の厚さで成膜される。
リッジセンサのより詳細な構造をその製造工程と共に説
明する。基台1として、(110)の結晶面を有するシ
リコンウエハからなる単結晶シリコン基板7が用意され
る。そして、この単結晶シリコン基板7には、その裏面
に1μm程度のSiO2 膜8が成膜され、表面にはTa
2 O5 からなる絶縁層9が膜状形成される。この絶縁層
9は、一般に用いられるEB(Electron Beam :電子ビ
ーム)蒸着法やスパッタリング法によって約1.5μm
の厚さで成膜される。
【0020】続いて、絶縁層9上には、EB蒸着法やス
パッタリング法により、Ptの一様な層が約1200Å
の厚さで成膜され、このPtの一様層がフォトリソグラ
フィ、エッチングによってパターニングされ、上下流測
温体5及び気体温度測温体6が形成されてる。したがっ
て、これらの上下流測温体5及び気体温度測温体6は、
白金薄膜抵抗体として形成されている。そして、絶縁層
9、上下流測温体5及び気体温度測温体6の上に層間絶
縁層10が成膜される。この層間絶縁層10は、約20
00ÅのTa2 O5 膜からなる。
パッタリング法により、Ptの一様な層が約1200Å
の厚さで成膜され、このPtの一様層がフォトリソグラ
フィ、エッチングによってパターニングされ、上下流測
温体5及び気体温度測温体6が形成されてる。したがっ
て、これらの上下流測温体5及び気体温度測温体6は、
白金薄膜抵抗体として形成されている。そして、絶縁層
9、上下流測温体5及び気体温度測温体6の上に層間絶
縁層10が成膜される。この層間絶縁層10は、約20
00ÅのTa2 O5 膜からなる。
【0021】続いて、層間絶縁層10上には、EB蒸着
法やスパッタリング法により、Ptの一様な層が約12
00Åの厚さで成膜され、このPtの一様層がフォトリ
ソグラフィ、エッチングによってパターニングされ、発
熱体4が形成される。したがって、この発熱体4は、白
金薄膜抵抗体として形成されている。
法やスパッタリング法により、Ptの一様な層が約12
00Åの厚さで成膜され、このPtの一様層がフォトリ
ソグラフィ、エッチングによってパターニングされ、発
熱体4が形成される。したがって、この発熱体4は、白
金薄膜抵抗体として形成されている。
【0022】続いて、層間絶縁層10及び発熱体4の上
には、Ta2 O5 膜を約1000Åの膜厚で成膜し、保
護層11とする。この場合、Ta2 O5 に限らず、Si
O2、Si3 N4 、AlN等であっても良い。特に、A
lNの場合、その熱伝導率が200W/(m・K)と高
いため、優れた特性の保護層11となる。
には、Ta2 O5 膜を約1000Åの膜厚で成膜し、保
護層11とする。この場合、Ta2 O5 に限らず、Si
O2、Si3 N4 、AlN等であっても良い。特に、A
lNの場合、その熱伝導率が200W/(m・K)と高
いため、優れた特性の保護層11となる。
【0023】最後に、発熱体4、上下流測温体5及び気
体温度測温体6を中空に浮かせた状態で保持するブリッ
ジ3を形成するため、その下部領域を300μm程度除
去し、堀2を形成する。この場合、この堀2は、発熱体
4の全体をブリッジ3上に保持するようには形成され
ず、気体の流れ方向上下流に沿った発熱体4の上下流端
を基台1に間接的に接触させるような大きさで形成され
る。これにより、単結晶シリコン基板7が基台1として
形成され、感熱式マイクロブリッジセンサが完成する。
ここで、堀2の上下流側の面、つまり、ブリッジ3のた
もとの単結晶シリコン基板7の断面は、(111)面と
なるように架橋構造が構成されている。また、下部領域
の除去は、KOH(水酸化カリウム)等のアルカリ溶剤
によるエッチング速度が結晶方向によって異なる性質を
利用して行う。エッチング液としては、KOH以外に、
ヒドラジン、TMAH(テトラメチルアンモニウムヒド
ロキシド)等を用いることも可能である。そして、エッ
チング工程においては、単結晶シリコン基板7の裏面に
成膜されたSiO2 膜8は、裏面から単結晶シリコン基
板7がエッチングされてしまうのを防止する。
体温度測温体6を中空に浮かせた状態で保持するブリッ
ジ3を形成するため、その下部領域を300μm程度除
去し、堀2を形成する。この場合、この堀2は、発熱体
4の全体をブリッジ3上に保持するようには形成され
ず、気体の流れ方向上下流に沿った発熱体4の上下流端
を基台1に間接的に接触させるような大きさで形成され
る。これにより、単結晶シリコン基板7が基台1として
形成され、感熱式マイクロブリッジセンサが完成する。
ここで、堀2の上下流側の面、つまり、ブリッジ3のた
もとの単結晶シリコン基板7の断面は、(111)面と
なるように架橋構造が構成されている。また、下部領域
の除去は、KOH(水酸化カリウム)等のアルカリ溶剤
によるエッチング速度が結晶方向によって異なる性質を
利用して行う。エッチング液としては、KOH以外に、
ヒドラジン、TMAH(テトラメチルアンモニウムヒド
ロキシド)等を用いることも可能である。そして、エッ
チング工程においては、単結晶シリコン基板7の裏面に
成膜されたSiO2 膜8は、裏面から単結晶シリコン基
板7がエッチングされてしまうのを防止する。
【0024】ここで、堀2の形成についてより詳細に説
明する。単結晶シリコン基板7を含む半導体基板として
は、<100>方向に結晶軸を持つ表面からなる基板、
いわゆる(100)基板、同様に(110)基板、(1
11)基板がある。一般に、半導体基板は、その結晶面
方向によって原子密度が異なるため、アルカリ溶液を用
いたエッチングでは結晶面方向に応じてエッチング速度
が異なる。その遅速の関係は、 (100)>(110)>(111) であり、(111)は極めてエッチング速度が遅いこと
が知られている。このため、本実施の形態のセンサを製
造する用途には適さない。
明する。単結晶シリコン基板7を含む半導体基板として
は、<100>方向に結晶軸を持つ表面からなる基板、
いわゆる(100)基板、同様に(110)基板、(1
11)基板がある。一般に、半導体基板は、その結晶面
方向によって原子密度が異なるため、アルカリ溶液を用
いたエッチングでは結晶面方向に応じてエッチング速度
が異なる。その遅速の関係は、 (100)>(110)>(111) であり、(111)は極めてエッチング速度が遅いこと
が知られている。このため、本実施の形態のセンサを製
造する用途には適さない。
【0025】(110)基板を用い、その(110)の
深さ方向に堀2を形成する場合には、ブリッジ3を掛け
る方向を<100>軸の方向に対して略54.7度又は
略平行の方向にする。図4(a)及び(b)には、(1
10)基板をエッチングした場合におけるブリッジ3を
掛ける方向の縦断側面図を示す。図4(a)は、ブリッ
ジ3を掛ける方向を<100>軸の方向に対して略5
4.7度にした場合の断面図である。この場合、基台1
の表面に対して略90度の角度をもって形成されたブリ
ッジ3のたもとの単結晶シリコン基板7の断面を(11
1)面とすることができる。図4(b)は、ブリッジ3
を掛ける方向を<100>軸の方向に対して略平行にし
た場合の断面図である。この場合、基台1の表面に対し
て略35.3度の角度をもって形成されたブリッジ3の
たもとの単結晶シリコン基板7の断面を(111)面と
することができる。
深さ方向に堀2を形成する場合には、ブリッジ3を掛け
る方向を<100>軸の方向に対して略54.7度又は
略平行の方向にする。図4(a)及び(b)には、(1
10)基板をエッチングした場合におけるブリッジ3を
掛ける方向の縦断側面図を示す。図4(a)は、ブリッ
ジ3を掛ける方向を<100>軸の方向に対して略5
4.7度にした場合の断面図である。この場合、基台1
の表面に対して略90度の角度をもって形成されたブリ
ッジ3のたもとの単結晶シリコン基板7の断面を(11
1)面とすることができる。図4(b)は、ブリッジ3
を掛ける方向を<100>軸の方向に対して略平行にし
た場合の断面図である。この場合、基台1の表面に対し
て略35.3度の角度をもって形成されたブリッジ3の
たもとの単結晶シリコン基板7の断面を(111)面と
することができる。
【0026】(100)基板を用い、その(100)の
深さ方向に堀2を形成する場合には、ブリッジ3を掛け
る方向を<110>軸の方向に対して略平行の方向にす
る。図4(c)には、(100)基板をエッチングした
場合におけるブリッジ3を掛ける方向の縦断側面図を示
す。このような方向にブリッジ3を掛けることにより、
基台1の表面に対して略54.7度の角度をもって形成
されたブリッジ3のたもとの単結晶シリコン基板7の断
面を(111)面とすることができる。
深さ方向に堀2を形成する場合には、ブリッジ3を掛け
る方向を<110>軸の方向に対して略平行の方向にす
る。図4(c)には、(100)基板をエッチングした
場合におけるブリッジ3を掛ける方向の縦断側面図を示
す。このような方向にブリッジ3を掛けることにより、
基台1の表面に対して略54.7度の角度をもって形成
されたブリッジ3のたもとの単結晶シリコン基板7の断
面を(111)面とすることができる。
【0027】このような構成において、本実施の形態の
感熱式マイクロブリッジセンサは、気体の流れの中に置
かれ、その流速や流量を測定する。つまり、発熱体4
は、その上下流端が熱伝導性部材として機能する基台1
に間接的に接触しているため、ヒートシンク作用によっ
てその上下流端の発熱量が奪われる。このため、発熱体
4は、その中央部の発熱温度が最も高く、両端に向かう
ほど温度が低くなるような発熱温度分布を示す。このよ
うな発熱体4の発熱温度分布を図1に示す。この状態
で、気体が流動すると、発熱体4においてはその上流側
の熱量が奪われてこれが下流側に作用し、発熱体4の発
熱温度分布が変動する。そこで、これを上下流測温体5
の抵抗値の変化として検出することで、気体の流速や流
量が測定される。以下、このような気体の流速・流量の
検出をより詳細に説明する。
感熱式マイクロブリッジセンサは、気体の流れの中に置
かれ、その流速や流量を測定する。つまり、発熱体4
は、その上下流端が熱伝導性部材として機能する基台1
に間接的に接触しているため、ヒートシンク作用によっ
てその上下流端の発熱量が奪われる。このため、発熱体
4は、その中央部の発熱温度が最も高く、両端に向かう
ほど温度が低くなるような発熱温度分布を示す。このよ
うな発熱体4の発熱温度分布を図1に示す。この状態
で、気体が流動すると、発熱体4においてはその上流側
の熱量が奪われてこれが下流側に作用し、発熱体4の発
熱温度分布が変動する。そこで、これを上下流測温体5
の抵抗値の変化として検出することで、気体の流速や流
量が測定される。以下、このような気体の流速・流量の
検出をより詳細に説明する。
【0028】まず、気体の流れが無い場合には、発熱体
4の発熱温度分布はその中央部を基準として上下流対称
となる(図1参照)。このため、上流側温度Tuと下流
側温度Tdとの間に差が生じず、上流側測温体5aの抵
抗値Ruと下流側測温体5bの抵抗値Rdとが一致す
る。これに対し、気体が流動すると、発熱体4の発熱温
度分布が変動する。つまり、上流側領域は気体の流れに
よって冷されるために温度が下がり、これが作用して下
流側領域は温められて温度が上がる(図1参照)。これ
により、上流側温度Tuと下流側温度Tdとの間に差が
生ずる。この差は、上流側測温体5aの抵抗値Ruと下
流側測温体5bの抵抗値Rdとの変化から、電圧値△V
vとして認識される。△Vvは、気体の流速が速くなる
に従い大きくなる。したがって、このVTvに基づき、
気体の流速が測定される。そして、気体が流れる図示し
ない流路の断面積より、流量が求められる。この場合、
中央部をピークとする発熱体4の発熱温度分布の変動を
上下流測温体5で検出する構成であるため、小さな気体
の流れが生じただけで上下流測温体5の抵抗値Ru,R
dのバランスが容易に崩れる。このため、発熱体4の発
熱温度を高くすることなく、低流速・低流量領域におい
ても高出力で高い検出感度が得られる。
4の発熱温度分布はその中央部を基準として上下流対称
となる(図1参照)。このため、上流側温度Tuと下流
側温度Tdとの間に差が生じず、上流側測温体5aの抵
抗値Ruと下流側測温体5bの抵抗値Rdとが一致す
る。これに対し、気体が流動すると、発熱体4の発熱温
度分布が変動する。つまり、上流側領域は気体の流れに
よって冷されるために温度が下がり、これが作用して下
流側領域は温められて温度が上がる(図1参照)。これ
により、上流側温度Tuと下流側温度Tdとの間に差が
生ずる。この差は、上流側測温体5aの抵抗値Ruと下
流側測温体5bの抵抗値Rdとの変化から、電圧値△V
vとして認識される。△Vvは、気体の流速が速くなる
に従い大きくなる。したがって、このVTvに基づき、
気体の流速が測定される。そして、気体が流れる図示し
ない流路の断面積より、流量が求められる。この場合、
中央部をピークとする発熱体4の発熱温度分布の変動を
上下流測温体5で検出する構成であるため、小さな気体
の流れが生じただけで上下流測温体5の抵抗値Ru,R
dのバランスが容易に崩れる。このため、発熱体4の発
熱温度を高くすることなく、低流速・低流量領域におい
ても高出力で高い検出感度が得られる。
【0029】このような気体の流速及び流量の測定に際
し、気体の温度が気体温度測温体6によってモニタされ
る。つまり、気体温度測温体6は、熱伝導率が高い基台
1の温度を検出することで、気体温度を正確にモニタす
ることができる。そこで、このモニタ結果に基づき、発
熱体4の発熱温度が気体の温度に対して一定となるよう
に発熱体4を駆動することで、気体の温度の変化が上下
流測温体5の抵抗値に与える影響が補償される。
し、気体の温度が気体温度測温体6によってモニタされ
る。つまり、気体温度測温体6は、熱伝導率が高い基台
1の温度を検出することで、気体温度を正確にモニタす
ることができる。そこで、このモニタ結果に基づき、発
熱体4の発熱温度が気体の温度に対して一定となるよう
に発熱体4を駆動することで、気体の温度の変化が上下
流測温体5の抵抗値に与える影響が補償される。
【0030】ここで、上下流測温体5を発熱体4の中央
近傍に配置すると、気体の流れに対してセンサ感度が向
上する反面、測定可能領域が狭くなる。これに対し、上
下流測温体5を発熱体4の上下流端近傍に配置すると、
測定可能領域が広くなる反面、センサ感度が低下する。
そこで、本実施の形態では、上下流測温体5を発熱体4
の上下流端と中央部との略中間位置にそれぞれ配置し
た。その結果、広い領域で高いセンサ感度が得られるよ
うになった。
近傍に配置すると、気体の流れに対してセンサ感度が向
上する反面、測定可能領域が狭くなる。これに対し、上
下流測温体5を発熱体4の上下流端近傍に配置すると、
測定可能領域が広くなる反面、センサ感度が低下する。
そこで、本実施の形態では、上下流測温体5を発熱体4
の上下流端と中央部との略中間位置にそれぞれ配置し
た。その結果、広い領域で高いセンサ感度が得られるよ
うになった。
【0031】また、本実施の形態では、発熱体4に図1
に例示するような発熱温度分布を持たせるため、発熱体
4の上下流端を熱伝導部材として機能する基台1に間接
的に接触させている。この場合、熱伝導性部材として使
用する基台1の熱伝導率が高いほど気体の流れの影響を
受けにくくなりセンサ感度が向上する。また、気体温度
測温体6による気体温度のモニタも、基台1の熱伝導率
が高いほど気体の流れの影響を受けにくくなりその検出
感度が向上する。そこで、本実施の形態では、熱伝導性
に優れたシリコンウエハからなる単結晶シリコン基板7
を基台1の材料として用いている。表1に示すように、
各種の半導体材料の中で、シリコンは特に熱伝導率が高
い。したがって、単結晶シリコン基板7は、本実施の形
態のような感熱式マイクロブリッジセンサの基台1に用
いる材料として優れている。
に例示するような発熱温度分布を持たせるため、発熱体
4の上下流端を熱伝導部材として機能する基台1に間接
的に接触させている。この場合、熱伝導性部材として使
用する基台1の熱伝導率が高いほど気体の流れの影響を
受けにくくなりセンサ感度が向上する。また、気体温度
測温体6による気体温度のモニタも、基台1の熱伝導率
が高いほど気体の流れの影響を受けにくくなりその検出
感度が向上する。そこで、本実施の形態では、熱伝導性
に優れたシリコンウエハからなる単結晶シリコン基板7
を基台1の材料として用いている。表1に示すように、
各種の半導体材料の中で、シリコンは特に熱伝導率が高
い。したがって、単結晶シリコン基板7は、本実施の形
態のような感熱式マイクロブリッジセンサの基台1に用
いる材料として優れている。
【0032】
【表1】
【0033】そして、本実施の形態では、単結晶シリコ
ン基板7において、ブリッジ3のたもとの断面が(11
1)面となっている。このため、エッチングによる堀2
の加工時にアンダーカットが小さくなる。これにより、
発熱体4の発熱駆動時、その発熱温度分布を上下流対称
の所望の分布とすることができ、正確かつ安定した測定
結果が得られる。
ン基板7において、ブリッジ3のたもとの断面が(11
1)面となっている。このため、エッチングによる堀2
の加工時にアンダーカットが小さくなる。これにより、
発熱体4の発熱駆動時、その発熱温度分布を上下流対称
の所望の分布とすることができ、正確かつ安定した測定
結果が得られる。
【0034】さらに、本実施の形態で、発熱体4、上下
流測温体5及び気体温度測温体6を白金薄膜抵抗体で形
成した理由を述べる。まず、発熱体4としては、白金薄
膜抵抗体の他、NiCr合金膜抵抗体、NiFe合金膜
抵抗体、トランジスタ等が使用可能である。また、上下
流測温体5及び気体温度測温体6としては、白金薄膜抵
抗体の他、NiFe合金膜抵抗体、トランジスタ、サー
ミスタ等が使用可能である。しかしながら、NiCr合
金膜抵抗体やNiFe合金膜抵抗体は、その製作におい
てバッチ間、基板間、基板内でNiとCrあるいはNi
とFeとの成分比を一定にすることが非常に難しく、そ
の結果、抵抗値の温度係数のバラツキが大きくなるので
量産時の歩留まりが悪いという問題がある。一方、トラ
ンジスタとしては、順方向電圧が温度に対して2.0〜
2.5mV/℃の線形な特性を持つことを利用して温度
検出をするもの(第一の種類のトランジスタという)
と、拡散法により形成した拡散抵抗値が温度により変化
することを利用して温度検出をするもの(第二の種類の
トランジスタという)との二通りの使用が考えられる。
しかしながら、第一の種類のトランジスタの場合、トラ
ンジスタの順方向電圧の温度依存性が線形であるのは限
られた温度範囲でしかないため、地域によっては−20
〜50℃の温度範囲を越えることも考えられるような野
外での使用は困難である。また、例えば3Vの電池駆動
の場合、発熱体4に印加することができる電圧は1〜2
V程度であるため、省電力の点からトランジスタの使用
は困難である。第二の種類のトランジスタの場合、薄膜
抵抗体をスパッタ装置や蒸着装置で製作するのに比べて
拡散法は遥かに工程数が多く、かつ、ドーピングにおけ
るバラツキも多いので、生産性が低いという問題があ
る。さらに、サーミスタは、蒸着法や印刷法を使用して
容易に製作することができるが、サーミスタそのものは
Mn、Ni、Co等の酸化物であるため、量産時にその
抵抗値の温度係数を一定値にすることが困難であるとい
う問題がある。以上述べた各種材料に対し、本実施の形
態で使用した白金薄膜抵抗体は、表2に示す通り、量産
性、低消費電力駆動等の点から優れた特性を示す。
流測温体5及び気体温度測温体6を白金薄膜抵抗体で形
成した理由を述べる。まず、発熱体4としては、白金薄
膜抵抗体の他、NiCr合金膜抵抗体、NiFe合金膜
抵抗体、トランジスタ等が使用可能である。また、上下
流測温体5及び気体温度測温体6としては、白金薄膜抵
抗体の他、NiFe合金膜抵抗体、トランジスタ、サー
ミスタ等が使用可能である。しかしながら、NiCr合
金膜抵抗体やNiFe合金膜抵抗体は、その製作におい
てバッチ間、基板間、基板内でNiとCrあるいはNi
とFeとの成分比を一定にすることが非常に難しく、そ
の結果、抵抗値の温度係数のバラツキが大きくなるので
量産時の歩留まりが悪いという問題がある。一方、トラ
ンジスタとしては、順方向電圧が温度に対して2.0〜
2.5mV/℃の線形な特性を持つことを利用して温度
検出をするもの(第一の種類のトランジスタという)
と、拡散法により形成した拡散抵抗値が温度により変化
することを利用して温度検出をするもの(第二の種類の
トランジスタという)との二通りの使用が考えられる。
しかしながら、第一の種類のトランジスタの場合、トラ
ンジスタの順方向電圧の温度依存性が線形であるのは限
られた温度範囲でしかないため、地域によっては−20
〜50℃の温度範囲を越えることも考えられるような野
外での使用は困難である。また、例えば3Vの電池駆動
の場合、発熱体4に印加することができる電圧は1〜2
V程度であるため、省電力の点からトランジスタの使用
は困難である。第二の種類のトランジスタの場合、薄膜
抵抗体をスパッタ装置や蒸着装置で製作するのに比べて
拡散法は遥かに工程数が多く、かつ、ドーピングにおけ
るバラツキも多いので、生産性が低いという問題があ
る。さらに、サーミスタは、蒸着法や印刷法を使用して
容易に製作することができるが、サーミスタそのものは
Mn、Ni、Co等の酸化物であるため、量産時にその
抵抗値の温度係数を一定値にすることが困難であるとい
う問題がある。以上述べた各種材料に対し、本実施の形
態で使用した白金薄膜抵抗体は、表2に示す通り、量産
性、低消費電力駆動等の点から優れた特性を示す。
【0035】
【表2】
【0036】本発明の第二の実施の形態を図5ないし図
7に基づいて説明する。第一の実施の形態と同一部分は
同一符号で示し、説明も省略する。図5は感熱式マイク
ロブリッジセンサ全体の平面図、図6は架橋構造を示す
その縦断側面図、図7は気体の流れが無い場合と有る場
合との発熱体の温度変化を示す模式図である。
7に基づいて説明する。第一の実施の形態と同一部分は
同一符号で示し、説明も省略する。図5は感熱式マイク
ロブリッジセンサ全体の平面図、図6は架橋構造を示す
その縦断側面図、図7は気体の流れが無い場合と有る場
合との発熱体の温度変化を示す模式図である。
【0037】本実施の形態では、上下流測温体5に替
え、発熱体4から延出する電圧取出口21が設けられて
いる。つまり、上流側測温体5aに対応する上流側電圧
取出口21aが上流側測温体5aと同一位置に形成さ
れ、下流側測温体5bに対応する下流側電圧取出口21
bが下流側測温体5bと同一位置に形成されている。
え、発熱体4から延出する電圧取出口21が設けられて
いる。つまり、上流側測温体5aに対応する上流側電圧
取出口21aが上流側測温体5aと同一位置に形成さ
れ、下流側測温体5bに対応する下流側電圧取出口21
bが下流側測温体5bと同一位置に形成されている。
【0038】本実施の形態の感熱式マイクロブリッジセ
ンセの製造過程としては、発熱体4、気体温度測温体
6、及び電圧取出口21が同一工程で形成される。つま
り、基台1となる単結晶シリコン基板7の表面に形成さ
れた絶縁層9上にPtの一様層を約1200Åの厚さで
成膜した後、このPt層のパターニングに際し、発熱体
4、気体温度測温体6、及び電圧取出口21を同時に形
成する。したがって、これらの発熱体4、気体温度測温
体6、及び電圧取出口21の形成後は、その上から保護
層11を形成し、エッチングにより堀2を形成し、これ
によって感熱式マイクロブリッジセンサが完成する。
ンセの製造過程としては、発熱体4、気体温度測温体
6、及び電圧取出口21が同一工程で形成される。つま
り、基台1となる単結晶シリコン基板7の表面に形成さ
れた絶縁層9上にPtの一様層を約1200Åの厚さで
成膜した後、このPt層のパターニングに際し、発熱体
4、気体温度測温体6、及び電圧取出口21を同時に形
成する。したがって、これらの発熱体4、気体温度測温
体6、及び電圧取出口21の形成後は、その上から保護
層11を形成し、エッチングにより堀2を形成し、これ
によって感熱式マイクロブリッジセンサが完成する。
【0039】このような構成において、気体の流れが無
い場合には、発熱体4の発熱温度分布はその中央部を基
準として上下流対称となる(図7参照)。このため、上
流側温度Tuと下流側温度Tdとの間に差が生じず、上
流側電圧取出口21aの電圧値Vuと下流側電圧取出口
21bの電圧値Vdとが一致する。これに対し、気体が
流動すると、発熱体4の発熱温度分布が変動する。つま
り、上流側領域は気体の流れによって冷されるために温
度が下がり、これが作用して下流側領域は温められて温
度が上がる。これにより、上流側温度Tuと下流側温度
Tdとの間に差が生ずる。この差は、上流側電圧取出口
21aの電圧値Vuと下流側電圧取出口21bの電圧値
Vdとの変化から、電圧値△Vvとして認識される。つ
まり、△Vv=Vd−Vuである。△Vvは、気体の流
速が速くなるに従い大きくなる。したがって、この△V
vに基づき、気体の流速が測定される。そして、気体が
流れる図示しない流路の断面積より、流量が求められ
る。この場合、中央部をピークとする発熱体4の発熱温
度分布の変動を二つの電圧取出口21から取り出された
電圧値Vu,Vdで検出する構成であるため、小さな気
体の流れが生じただけで上下流測温体5の電圧値Vu,
Vdのバランスが容易に崩れる。このため、発熱体4の
発熱温度を高くすることなく、低流速・低流量領域にお
いても高出力で高い検出感度が得られる。
い場合には、発熱体4の発熱温度分布はその中央部を基
準として上下流対称となる(図7参照)。このため、上
流側温度Tuと下流側温度Tdとの間に差が生じず、上
流側電圧取出口21aの電圧値Vuと下流側電圧取出口
21bの電圧値Vdとが一致する。これに対し、気体が
流動すると、発熱体4の発熱温度分布が変動する。つま
り、上流側領域は気体の流れによって冷されるために温
度が下がり、これが作用して下流側領域は温められて温
度が上がる。これにより、上流側温度Tuと下流側温度
Tdとの間に差が生ずる。この差は、上流側電圧取出口
21aの電圧値Vuと下流側電圧取出口21bの電圧値
Vdとの変化から、電圧値△Vvとして認識される。つ
まり、△Vv=Vd−Vuである。△Vvは、気体の流
速が速くなるに従い大きくなる。したがって、この△V
vに基づき、気体の流速が測定される。そして、気体が
流れる図示しない流路の断面積より、流量が求められ
る。この場合、中央部をピークとする発熱体4の発熱温
度分布の変動を二つの電圧取出口21から取り出された
電圧値Vu,Vdで検出する構成であるため、小さな気
体の流れが生じただけで上下流測温体5の電圧値Vu,
Vdのバランスが容易に崩れる。このため、発熱体4の
発熱温度を高くすることなく、低流速・低流量領域にお
いても高出力で高い検出感度が得られる。
【0040】図8は、第二の実施の形態の変形例を示す
感熱式マイクロブリッジセンサ全体の平面図である。こ
の変形例では、上流側電圧取出口21aが上流側上流電
圧取出口21auと上流側下流電圧取出口21adとに
二分割され、下流側電圧取出口21bが下流側上流電圧
取出口21buと下流側下流電圧取出口21bdとに二
分割されている。そして、上流側上流電圧取出口21a
uと上流側下流電圧取出口21adとは、発熱体4の上
流端と中央部との略中間位置を基準とする気体の流れ方
向上下流位置に配置されている。また、下流側上流電圧
取出口21buと下流側下流電圧取出口21bdとは、
発熱体4の中央部と下流端との略中間位置を基準とする
気体の流れ方向上下流位置に配置されている。したがっ
て、気体の流量・流速に応じて測定点を切り替えること
で、より広い領域において精度の高い測定を行うことが
できる。その理由を次に説明する。
感熱式マイクロブリッジセンサ全体の平面図である。こ
の変形例では、上流側電圧取出口21aが上流側上流電
圧取出口21auと上流側下流電圧取出口21adとに
二分割され、下流側電圧取出口21bが下流側上流電圧
取出口21buと下流側下流電圧取出口21bdとに二
分割されている。そして、上流側上流電圧取出口21a
uと上流側下流電圧取出口21adとは、発熱体4の上
流端と中央部との略中間位置を基準とする気体の流れ方
向上下流位置に配置されている。また、下流側上流電圧
取出口21buと下流側下流電圧取出口21bdとは、
発熱体4の中央部と下流端との略中間位置を基準とする
気体の流れ方向上下流位置に配置されている。したがっ
て、気体の流量・流速に応じて測定点を切り替えること
で、より広い領域において精度の高い測定を行うことが
できる。その理由を次に説明する。
【0041】電圧取出口21を発熱体4の中央近傍に配
置すると、気体の流れに対してセンサ感度が向上する反
面、測定可能領域が狭くなる。これに対し、電圧取出口
21を発熱体4の上下流端近傍に配置すると、測定可能
領域が広くなる反面、センサ感度が低下する。そこで、
図8に示す変形例の感熱式マイクロブリッジセンサで
は、気体の流量が少なく流速が遅い場合には、発熱体4
の中央部に近い上流側下流電圧取出口21adと下流側
上流電圧取出口21buとの対を使用して測定を行い、
気体の流量が多く流速が速い場合には、発熱体4の上下
流端に近い上流側上流電圧取出口21auと下流側下流
電圧取出口21bdとの対を使用して測定を行う。つま
り、気体の流量・流速に応じて測定点を切り替える。こ
れにより、広い領域において精度の高い測定を行うこと
ができる。
置すると、気体の流れに対してセンサ感度が向上する反
面、測定可能領域が狭くなる。これに対し、電圧取出口
21を発熱体4の上下流端近傍に配置すると、測定可能
領域が広くなる反面、センサ感度が低下する。そこで、
図8に示す変形例の感熱式マイクロブリッジセンサで
は、気体の流量が少なく流速が遅い場合には、発熱体4
の中央部に近い上流側下流電圧取出口21adと下流側
上流電圧取出口21buとの対を使用して測定を行い、
気体の流量が多く流速が速い場合には、発熱体4の上下
流端に近い上流側上流電圧取出口21auと下流側下流
電圧取出口21bdとの対を使用して測定を行う。つま
り、気体の流量・流速に応じて測定点を切り替える。こ
れにより、広い領域において精度の高い測定を行うこと
ができる。
【0042】なお、図8に示す変形例は、第二の実施の
形態の変形例として示したが、発熱体4の中央部を基準
とする気体の流れ方向上下流側のそれぞれに測定点を複
数設けておき、気体の流量・流速に応じて測定点を切り
替えるという考え方は、第一の実施の形態の感熱式マイ
クロブリッジセンサにも適用可能である。
形態の変形例として示したが、発熱体4の中央部を基準
とする気体の流れ方向上下流側のそれぞれに測定点を複
数設けておき、気体の流量・流速に応じて測定点を切り
替えるという考え方は、第一の実施の形態の感熱式マイ
クロブリッジセンサにも適用可能である。
【0043】
【発明の効果】本発明は、基台の表面に薄膜形成された
架橋構造のブリッジと、このブリッジ上に気体の流れ方
向に沿って配置され、上下流端が熱伝導性部材に直接的
又は間接的に接触し、通電によって発熱する発熱体と、
基台における発熱体の発熱に影響されない部位に配置さ
れた気体温度測温体とを備える。
架橋構造のブリッジと、このブリッジ上に気体の流れ方
向に沿って配置され、上下流端が熱伝導性部材に直接的
又は間接的に接触し、通電によって発熱する発熱体と、
基台における発熱体の発熱に影響されない部位に配置さ
れた気体温度測温体とを備える。
【0044】請求項1及び4記載の発明は、ヒートシン
ク作用によって上下流端から中央部に向かうほど発熱温
度が高くなる発熱体の発熱温度を発熱体の中央部を基準
とする上下流二箇所で測定し、気体の流動により二箇所
の測定点に生ずる発熱温度差を検出し、この検出結果に
基づいて気体の流量や流速を測定するようにしたので、
発熱体の発熱温度を高くすることなく低流速・低流量領
域においても高出力で高い検出感度を得ることができ、
したがって、少ない消費電力で精度の高い測定を行うこ
とができる。
ク作用によって上下流端から中央部に向かうほど発熱温
度が高くなる発熱体の発熱温度を発熱体の中央部を基準
とする上下流二箇所で測定し、気体の流動により二箇所
の測定点に生ずる発熱温度差を検出し、この検出結果に
基づいて気体の流量や流速を測定するようにしたので、
発熱体の発熱温度を高くすることなく低流速・低流量領
域においても高出力で高い検出感度を得ることができ、
したがって、少ない消費電力で精度の高い測定を行うこ
とができる。
【0045】請求項2及び5記載の発明は、各測定点を
発熱体の上下流端と中央部との略中間位置としたので、
上下流の測定点間で高い温度差を得ることができ、した
がって、広い領域において精度の高い測定を行うことが
できる。
発熱体の上下流端と中央部との略中間位置としたので、
上下流の測定点間で高い温度差を得ることができ、した
がって、広い領域において精度の高い測定を行うことが
できる。
【0046】請求項3及び6記載の発明は、上下流二箇
所の測定点のそれぞれを更に二分割し、発熱体の上下流
端と中央部との略中間位置を基準とする気体の流れ方向
上下流位置に二分割された測定点のそれぞれを配置した
ので、発熱体の中央部に近い方の測定点対と発熱体の上
下流端に近い方の測定点対とを気体の流量に応じて切り
替えることで、より広い領域において精度の高い測定を
行うことができる。
所の測定点のそれぞれを更に二分割し、発熱体の上下流
端と中央部との略中間位置を基準とする気体の流れ方向
上下流位置に二分割された測定点のそれぞれを配置した
ので、発熱体の中央部に近い方の測定点対と発熱体の上
下流端に近い方の測定点対とを気体の流量に応じて切り
替えることで、より広い領域において精度の高い測定を
行うことができる。
【0047】請求項7記載の発明は、発熱体、上下流測
温体、及び気体温度測温体を白金薄膜抵抗体によって形
成したので、感熱式マイクロブリッジセンサの製造を容
易にすることができ、したがって、その量産性が向上さ
せることができる。また、例えば3V電池等の小電力で
の駆動も可能となる。
温体、及び気体温度測温体を白金薄膜抵抗体によって形
成したので、感熱式マイクロブリッジセンサの製造を容
易にすることができ、したがって、その量産性が向上さ
せることができる。また、例えば3V電池等の小電力で
の駆動も可能となる。
【0048】請求項8記載の発明は、基台として半導体
基板を用い、ブリッジのたもとの半導体基板断面が(1
11)面となる方向に架橋構造を形成したので、エッチ
ングによる堀の加工時にアンダーカットを少なくするこ
とができ、これにより、ブリッジ上の発熱体の発熱温度
分布を上下流対称の所望の分布とすることができ、した
がって、正確かつ安定した測定結果を得ることができ
る。
基板を用い、ブリッジのたもとの半導体基板断面が(1
11)面となる方向に架橋構造を形成したので、エッチ
ングによる堀の加工時にアンダーカットを少なくするこ
とができ、これにより、ブリッジ上の発熱体の発熱温度
分布を上下流対称の所望の分布とすることができ、した
がって、正確かつ安定した測定結果を得ることができ
る。
【0049】請求項9記載の発明は、熱伝導性部材とし
て基台を用い、この基台を単結晶シリコン基板によって
形成したので、単結晶シリコン基板は他の半導体基板に
比べて熱伝導率が高いため、高いヒートシンク作用を得
ることができ、したがって、測定精度を向上させること
ができる。
て基台を用い、この基台を単結晶シリコン基板によって
形成したので、単結晶シリコン基板は他の半導体基板に
比べて熱伝導率が高いため、高いヒートシンク作用を得
ることができ、したがって、測定精度を向上させること
ができる。
【図1】本発明の第一の実施の形態として、気体の流れ
が無い場合と有る場合との発熱体の温度変化を示す模式
図である。
が無い場合と有る場合との発熱体の温度変化を示す模式
図である。
【図2】感熱式マイクロブリッジセンサ全体の平面図で
ある。
ある。
【図3】架橋構造を示すその縦断側面図である。
【図4】基板をエッチングした場合のブリッジの架橋方
向を示す縦断側面図である。
向を示す縦断側面図である。
【図5】本発明の第二の実施の形態を示す感熱式マイク
ロブリッジセンサ全体の平面図である。
ロブリッジセンサ全体の平面図である。
【図6】架橋構造を示すその縦断側面図である。
【図7】気体の流れが無い場合と有る場合との発熱体の
温度変化を示す模式図である。
温度変化を示す模式図である。
【図8】本発明の第二の実施の形態の変形例を示す感熱
式マイクロブリッジセンサ全体の平面図である。
式マイクロブリッジセンサ全体の平面図である。
1 基台、熱伝導性部材 3 ブリッジ 4 発熱体 5 上下流測温体 6 気体温度測温体 7 単結晶シリコン基板 21 電圧取出口
Claims (9)
- 【請求項1】 基台の表面に薄膜形成された架橋構造の
ブリッジと、 このブリッジ上に気体の流れ方向に沿って配置され、上
下流端が熱伝導性部材に直接的又は間接的に接触し、通
電によって発熱する発熱体と、 前記上下流端以外の部分で前記発熱体に電気的非接触状
態で重なり合い、前記発熱体の中央部を基準とする気体
の流れ方向上下流位置に配置された一対の上下流測温体
と、 前記基台における前記発熱体の発熱に影響されない部位
に配置された気体温度測温体と、 を備えることを特徴とする感熱式マイクロブリッジセン
サ。 - 【請求項2】 一対の上下流測温体は、発熱体の上下流
端と中央部との略中間位置にそれぞれ配置されているこ
とを特徴とする請求項1記載の感熱式マイクロブリッジ
センサ。 - 【請求項3】 一対の上下流測温体は、それぞれ二つず
つ設けられ、発熱体の上下流端と中央部との略中間位置
を基準とする気体の流れ方向上下流位置に二つのそれぞ
れが配置されていることを特徴とする請求項1記載の感
熱式マイクロブリッジセンサ。 - 【請求項4】 基台の表面に薄膜形成された架橋構造の
ブリッジと、 このブリッジ上に気体の流れ方向に沿って配置され、上
下流端が熱伝導性部材に直接的又は間接的に接触し、通
電によって発熱する発熱体と、 前記発熱体の中央部を基準とする気体の流れ方向上下流
位置であって前記上下流端以外の位置で前記発熱体から
延出する一対の電圧取出口と、 前記基台における前記発熱体の発熱に影響されない部位
に配置された気体温度測温体と、 を備えることを特徴とする感熱式マイクロブリッジセン
サ。 - 【請求項5】 一対の電圧取出口は、発熱体の上下流端
と中央部との略中間位置でそれぞれ前記発熱体から延出
していることを特徴とする請求項4記載の感熱式マイク
ロブリッジセンサ。 - 【請求項6】 一対の電圧取出口は、それぞれ二つずつ
設けられ、発熱体の上下流端と中央部との略中間位置を
基準とする気体の流れ方向上下流位置で二つのそれぞれ
が前記発熱体から延出していることを特徴とする請求項
4記載の感熱式マイクロブリッジセンサ。 - 【請求項7】 発熱体、上下流測温体、及び気体温度測
温体は、白金薄膜抵抗体によって形成されていることを
特徴とする請求項1ないし6のいずれか一記載の感熱式
マイクロブリッジセンサ。 - 【請求項8】 基台として半導体基板が用いられ、ブリ
ッジのたもとの前記半導体基板断面が(111)面とな
る方向に架橋構造が形成されていることを特徴とする請
求項1ないし7のいずれか一記載の感熱式マイクロブリ
ッジセンサ。 - 【請求項9】 熱伝導性部材として基台が用いられ、こ
の基台が単結晶シリコン基板によって形成されているこ
とを特徴とする請求項1ないし8記載の感熱式マイクロ
ブリッジセンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8161514A JPH109922A (ja) | 1996-06-21 | 1996-06-21 | 感熱式マイクロブリッジセンサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8161514A JPH109922A (ja) | 1996-06-21 | 1996-06-21 | 感熱式マイクロブリッジセンサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH109922A true JPH109922A (ja) | 1998-01-16 |
Family
ID=15736522
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8161514A Pending JPH109922A (ja) | 1996-06-21 | 1996-06-21 | 感熱式マイクロブリッジセンサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH109922A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103453958A (zh) * | 2012-11-09 | 2013-12-18 | 深圳信息职业技术学院 | 温差式流量传感器及其制作方法 |
JP5479641B1 (ja) * | 2013-07-23 | 2014-04-23 | 株式会社テムテック研究所 | 熱式流量計 |
-
1996
- 1996-06-21 JP JP8161514A patent/JPH109922A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103453958A (zh) * | 2012-11-09 | 2013-12-18 | 深圳信息职业技术学院 | 温差式流量传感器及其制作方法 |
CN103453958B (zh) * | 2012-11-09 | 2016-08-03 | 深圳信息职业技术学院 | 温差式流量传感器及其制作方法 |
JP5479641B1 (ja) * | 2013-07-23 | 2014-04-23 | 株式会社テムテック研究所 | 熱式流量計 |
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