JPH08319975A - ロータリ圧縮機 - Google Patents

ロータリ圧縮機

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JPH08319975A
JPH08319975A JP13003595A JP13003595A JPH08319975A JP H08319975 A JPH08319975 A JP H08319975A JP 13003595 A JP13003595 A JP 13003595A JP 13003595 A JP13003595 A JP 13003595A JP H08319975 A JPH08319975 A JP H08319975A
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JP
Japan
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roller
vane
rotary compressor
bearing
groove
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Application number
JP13003595A
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English (en)
Inventor
Eiichi Sato
栄一 佐藤
Muneo Mizumoto
宗男 水本
Hirokatsu Kosokabe
弘勝 香曽我部
Toshio Masuda
俊夫 増田
Yoichi Murai
洋一 村井
Hiroaki Hatake
裕章 畠
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ローラ11の表面に、ローラとベーンの接触幅
よりも狭い溝11a,微小空孔11b、あるいは軸受側
に連通しないノ形の溝11c,ハ形の溝11dを単独ま
たは組み合わせて設けベーン12よりも高硬度のローラ
11を用いた。 【効果】潤滑状態が厳しいローラとベーン摺動面に、積
極的に油膜を形成する作用と潤滑油を連続的に補給する
作用が発揮でき、圧縮性能の向上が図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は主に冷凍・冷蔵庫及び空
調機器に用いられるロータリ圧縮機に係り、特に、ロー
ラとベーンの接触部の潤滑機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来例のロータリ圧縮機について図11
及び図12を参照して説明する。
【0003】密閉容器1内に固定子2及び回転子3を有
する電動要素と、この電動要素によって駆動される圧縮
要素が収納される。圧縮要素はクランク軸9の偏心部1
0に自転自在に嵌合されたローラ11が、クランク軸9
の回転によってシリンダ4内を偏心回転運動する。そし
てローラ11に押圧されたベーン12によってシリンダ
4内を仕切られ、吸入パイプ15より吸入された作動流
体(冷媒ガス)を圧縮する。圧縮されたガスは密閉容器
内に吐き出され、吐出パイプ19より外部の冷凍サイク
ルに吐出される。
【0004】このような構成のロータリ圧縮機におい
て、信頼性上最も重要なのがローラ11とベーン12の
トライボロジに関する問題である。通常、ローラ11と
ベーン12は金属材料同士の組み合わせで用いられてお
り、潤滑不良の場合は異常摩耗が発生し圧縮性能が低下
するという問題があった。
【0005】ローラとベーン間の潤滑改善の公知例とし
てはかなり多くあるが、代表例としては特開昭61−1556
81号,特開平5−240179号公報がある。
【0006】特開昭61−155681号,特開平5−240179号
公報に記載のロータリ圧縮機は、ベーンの端面に油溝を
設けたものであり給油量は制御出来るが、ローラとベー
ン摺動面の摩耗低減に関しての効率的な給油については
配慮が無されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術のロータ
リ圧縮機において、圧縮機の信頼性上最も重要なのがロ
ーラとベーン間のトライボロジに関する問題である。ロ
ーラとベーン間の接触部は線接触となるため面圧が非常
に高く、また高温高圧となり、油膜形成が難しく、異常
摩耗が起こりやすかった。
【0008】また、ローラとベーン間の接触部の潤滑は
ローラ及びベーンのしゅう動部のすき間等を通ってシリ
ンダ内に漏れ込む油によって行われているが、ローラ及
びベーンのしゅう動部のすき間を拡げてシリンダ内への
潤滑油の供給量を増やした場合は、油による加熱損失等
が増大し、圧縮機の性能が低下するといった問題があっ
た。
【0009】また、従来、冷凍・冷蔵庫及び空調機器の
作動流体として使用されてきたフロンCFC12,HC
FC22などは分子中に塩素をもつため、成層圏のオゾ
ン層を破壊することが指摘され社会問題となっている。
そこで、オゾン層破壊の心配がない代替フロンに切り替
える必要があり、これら代替フロンとしては、分子中に
塩素をもたないHFC系の冷媒が最有力候補になってい
る。この代替フロンではこれまでのフロンと違い、塩素
の極圧剤的な潤滑作用が期待できなくなることから、ま
すます潤滑状態が厳しくなり、ローラとベーンの異常摩
耗による圧縮機の性能低下の問題があった。
【0010】本発明の目的は、潤滑状態が厳しい環境下
で、それ自身の潤滑効果が期待できない代替フロンを用
いた場合でも、ローラとベーンの接触部におけるトライ
ボロジの問題を解決でき、圧縮性能の高いロータリ圧縮
機を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、以下の技術的手段がある。
【0012】(1)容器内に、固定子及び回転子を有す
る電動要素と、この電動要素により駆動されるクランク
軸、このクランク軸の偏心部に回転自在に嵌合されたロ
ーラ、このローラに先端を接して往復運動し、シリンダ
内を低圧の吸入室と高圧の圧縮室に仕切るベーン、及び
前記クランク軸を支持し、前記シリンダの両端開口を閉
塞する端板を有する主軸受及び副軸受で形成される圧縮
要素を収納したロータリ圧縮機において、前記ローラの
表面に、ローラとベーンのヘルツ圧力による接触幅より
も小さな幅の凹部を設ける。
【0013】(2)(1)において、ローラの表面に、
ローラとベーンのヘルツ圧力による接触幅よりも小さな
幅の凹部として、ローラ両端部の主軸受及び副軸受側に
連通しないように、ローラの軸方向に長い溝を設ける。
【0014】(3)(1)において、ローラの表面に、
ローラとベーンのヘルツ圧力による接触幅よりも小さな
幅の凹部として、ローラ全周に無数の微小空孔を設け
る。
【0015】(4)(1)において、ローラの表面に、
ローラとベーンのヘルツ圧力による接触幅よりも小さな
幅の凹部として、(2)記載のローラ両端部の主軸受及
び副軸受側に連通しないように、ローラの軸方向に長い
溝と、(3)記載のローラ全周に無数の微小空孔を同時
に設ける。
【0016】(5)密閉容器内に、固定子及び回転子を
有する電動要素と、この電動要素により駆動されるクラ
ンク軸、このクランク軸の偏心部に回転自在に嵌合され
たローラ、このローラに先端を接して往復運動し、シリ
ンダ内を低圧の吸入室と高圧の圧縮室に仕切るベーン、
及び前記クランク軸を支持し、かつ前記シリンダの両端
開口を閉塞する端板を有する主軸受及び副軸受で形成さ
れる圧縮要素を収納したロータリ圧縮機において、前記
ローラの表面に、ローラ両端部の主軸受及び副軸受側に
連通しない溝を設ける。
【0017】(6)(5)において、ローラの表面に、
ローラ両端部の主軸受及び副軸受側に連通しないノ形の
溝を設ける。
【0018】(7)(5)において、ローラの表面に、
ローラ両端部の主軸受及び副軸受側に連通しないハ形の
溝を設ける。
【0019】(8)密閉容器内に、固定子及び回転子を
有する電動要素と、この電動要素により駆動されるクラ
ンク軸、このクランク軸の偏心部に回転自在に嵌合され
たローラ、このローラに先端を接して往復運動し、シリ
ンダ内を低圧の吸入室と高圧の圧縮室に仕切るベーン、
及び前記クランク軸を支持し、かつ前記シリンダの両端
開口を閉塞する端板を有する主軸受及び副軸受で形成さ
れる圧縮要素を収納したロータリ圧縮機において、前記
ローラの表面に、(1)〜(4)記載のローラとベーン
のヘルツ圧力による接触幅よりも小さな幅の凹部と、
(5)〜(7)記載のローラ両端部の主軸受及び副軸受
側に連通しない溝を同時に設ける。
【0020】(9)(1)〜(8)において、ベーン材
料よりも高硬度のローラ材料を用いる。
【0021】
【作用】ローラの表面に、ローラとベーンのヘルツ圧力
による接触幅よりも小さく、ローラの両端部に連通しな
い凹部として、溝や無数の微小空孔を設けた場合は、溝
や微小空孔がシリンダ内に浸入した潤滑油の油溜りとな
る。そしてローラがベーンの先端部を通過する際、ロー
ラとベーンの接触幅が溝や空孔よりも大きいので、油溜
り内の非圧縮性である潤滑油は外部への逃げ場が無く、
ローラとベーン間で高圧の油膜圧力を発生して油膜を形
成する。このためローラとベーン間は非接触状態となり
直接の金属接触が抑止され摩耗が軽減される。また、溝
や無数の微小空孔を同時に設けた場合も同様の作用があ
り、単独で設けた場合に比べさらに効果が大きい。
【0022】つぎに、ローラの表面に、ローラの両端部
に連通しないノ形やハ形の溝を設けた場合も、溝がシリ
ンダ内に浸入した潤滑油の油溜りとなる。そしてローラ
がベーンの先端部を通過する際、溝形状はローラの回転
方向に対しノ形やハ形になっているので、溝内の潤滑油
とベーンとの接触部はローラの回転に伴って順次移動
し、ベーン先端の接触部はほぼ全長に渡って潤滑される
ことになる。この際、ローラの両端部は軸受部と連通し
ていないので、過剰な潤滑油の浸入による圧縮性能の低
下が抑止される。
【0023】さらに、ローラの表面に、ローラとベーン
のヘルツ圧力による接触幅よりも小さな幅の凹部と、ロ
ーラ両端部の主軸受及び副軸受側に連通しない溝を同時
に設けた場合は、ローラとベーン間に高圧の油膜圧力を
発生して油膜を形成する作用と、摺動面に潤滑油を連続
的に補給する作用が重なり、単独で設けた場合に比べさ
らに効果が大きい。
【0024】また、ベーン材料よりも高硬度のローラ材
を用いることにより、ローラ表面に形成した凹部や溝が
損耗すること無く、長期間にわたって機能が発揮され
る。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を図により説明する。
【0026】図11は本発明を実施する横型ロータリ圧
縮機の一部の縦断面図、図12は図11のC−C断面に
相当する横断面図である。図11,図12において、密
閉容器1は、固定子2及び回転子3からなる電動要素
と、この電動要素によって駆動される圧縮要素が収納さ
れている。シリンダ4は、主軸受5,副軸受6でシリン
ダ4の両端開口を閉塞し、吸入室7と圧縮室8からなる
作動室を形成する。クランク軸9は偏心部10を有し、
この偏心部10にローラ11が自転自在に嵌合されてい
る。ベーン12は、ローラ11に密閉容器1内のガス圧
(吐出圧)とスプリング13により押圧されることによ
り、シリンダ4内を低圧の吸入室7と高圧の圧縮室8に
仕切っている。
【0027】この構成において、ロータリ圧縮機の圧縮
動作は以下のように行われる。電動要素に通電される
と、回転子3の回転はクランク軸9を駆動し、偏心部1
0に嵌合されたローラ11がシリンダ4内を偏心回転運
動する。ローラ11に押圧されたベーン12によってシ
リンダ4内を吸入室7と圧縮室8に仕切られることによ
り、吸入パイプ15より吸入室7内に吸入された作動流
体(冷媒ガス)は圧縮され、圧縮されたガスは吐出口1
6aから吐出弁16を通って副軸受6と吐出しカバー1
7により形成された吐出室18に入り、その後密閉容器
1内に吐出され、吐出パイプ19より外部の冷凍サイク
ル(図示せず)に吐出される。
【0028】軸受摺動部への給油は以下のように行われ
る。クランク軸9の回転により、ローラ11に押圧され
たベーン12が往復運動し、ベーン背面部のスプリング
13が装着されている空間の容積が変化する。この容積
変化による往復ポンプ作用で、密閉容器1の底部に貯溜
された潤滑油14は吸込み流体ダイオード20から吸引
され、吐出し流体ダイオード21,給油パイプ22を通
って、クランク軸9に形成された給油孔23及び給油溝
23に供給され、軸受摺動部の潤滑がなされる。
【0029】つぎに、ローラ11とベーン12の摺動面
への給油は、軸受摺動部へ給油した潤滑油のローラ11
の両端面からシリンダ4内への漏れ分,冷凍サイクル内
の冷媒中に含まれる潤滑油のシリンダ4内への吸入分、
そしてベーン背面部の潤滑油がシリンダ4とベーン12
のすきまからシリンダ4内へ漏れた分で行っており、油
量は毎分数ミリリットル程度と微量である。また、それ
らの潤滑油が全てローラ11とベーン12摺動面の潤滑
に寄与するのではなく、実際には極微量が寄与し、残り
はシリンダ4内でミスト状となり冷媒ガスとともに冷凍
サイクル内に吐き出される。逆に、シリンダ4内に多量
の潤滑油が浸入すると、圧縮性能が低下する。
【0030】以上のことから、ローラ11とベーン12
の接触面は高面圧、かつ潤滑効果が期待できない代替フ
ロン環境下で、いかに微量の潤滑油で有効な潤滑を行う
かがロータリ圧縮機の信頼性向上の最大の課題となって
いた。
【0031】本発明は上記のような問題点を解決するた
めに考案したものであり、以下に構成,動作及び効果に
ついて説明する。
【0032】本発明の第一の実施例を図1ないし図6に
より説明する。
【0033】図1の実施例は、ローラ11の表面に、ロ
ーラ11とベーン12のヘルツ圧力による接触幅よりも
小さな幅の凹部として、ローラ11の軸方向に長い溝1
1aをローラ両端部の主軸受5及び副軸受6側に連通し
ないように円周上数箇所に設けた。断面形状は図2に示
すように、四角形(a),三角形(b),円形(c)の
いずれでもよい。溝11aの幅はヘルツの接触理論から
求めると数十μm程度であるのでその値よりも多少狭い
方がよい。また、溝11aの深さは数μm程度がよい。
【0034】このような構成の溝11aが、シリンダ4
内に浸入した潤滑油の油溜りとなる。そして、ローラ1
1がベーン12の先端部を通過する際、ローラ11とベ
ーン12の接触幅が溝11aよりも大きいので、油溜り
内の非圧縮性である潤滑油は外部への逃げ場が無く、ロ
ーラ11とベーン12間に高圧の油膜圧力を発生して油
膜を形成する。
【0035】図3は本発明者らにより、溝の有無及び溝
の本数と油膜形成状態の関係を電気抵抗法により調べた
結果である。(a)の溝が無い場合は、油膜の形成は無
くローラ11とベーン12は接触状態である。一方、
(b),(c)の溝を付けた場合は油膜の形成が認めら
れた。また、溝の本数は3本でも6本でも同等の油膜形
成状態を示す。
【0036】このように、ローラ11の表面に溝11a
を設けることにより、ローラ11とベーン12間は非接
触状態となり直接の金属接触が抑止され摩耗が軽減され
る。
【0037】つぎに、図4の実施例は、ローラ11の表
面に、ローラ11とベーン12のヘルツ圧力による接触
幅よりも小さな幅の凹部として、ローラ11の全周に無
数の微小空孔11bを設けた。断面形状は図5に示すよ
うに、四角形(a),三角形(b)、円形(c)のいず
れでもよい。微小空孔11bの径は実施例の溝11aと
同様数十μm程度で、深さは数μm程度がよい。このよ
うな構成においても作用,効果などが実施例の溝11a
を設けた場合と同様であり説明は省略する。
【0038】さらに、図6の実施例は、ローラ11の表
面に、ローラ11とベーン12のヘルツ圧力による接触
幅よりも小さな幅の凹部として、溝11aと微小空孔1
1bを同時に設けた。このような構成では、溝11aや
無数の微小空孔11bを単独で設けた場合に比べさらに
効果が大きい。
【0039】本発明の第二の実施例を図7および図8に
より説明する。
【0040】図7の実施例は、ローラ11の表面に、ロ
ーラ11の両端部の主軸受5及び副軸受6側に連通しな
いノ形の溝11cを円周上数箇所に設けた。断面形状は
図2及び図5に示したように、四角形(a),三角形
(b),円形(c)のいずれでもよく、溝の深さは数μ
m程度がよい。
【0041】このような構成のノ形の溝11cが、シリ
ンダ4内に浸入した潤滑油の油溜りとなる。そしてロー
ラ11がベーン12の先端部を通過する際、溝形状はロ
ーラ11の回転方向に対しノ形になっているので、ノ形
の溝11c内の潤滑油とベーン12との接触部はローラ
11の回転に伴って、順次、移動し、ベーン12の先端
の接触部はほぼ全長にわたって潤滑されることになる。
すなわち、ノ形の溝11cを設けることにより、浸入し
た潤滑油を摺動面に連続的に補給することができ、ロー
ラ11及びベーン12の摩耗を軽減する。また、ローラ
11の両端部は軸受部と連通していないので、過剰な潤
滑油の浸入による圧縮性能の低下が抑止される。
【0042】つぎに、図8の実施例は、ローラ11の表
面に、ローラ11の両端部の主軸受5及び副軸受6側に
連通しないハ形の溝11dを円周上数箇所に設けた。断
面形状は図2及び図5に示したように、四角形(a),
三角形(b),円形(c)のいずれでもよく、溝の深さ
は数μm程度がよい。このような構成においても、作
用,効果などが実施例のノ形の溝11cを設けた場合と
同様であり説明は省略する。
【0043】本発明の第三の実施例を図9および図10
により説明する。
【0044】図9の実施例は、ローラ11の表面に、ロ
ーラ11とベーン12のヘルツ圧力による接触幅よりも
小さな幅の凹部として溝11aと、ローラ11の両端部
の主軸受5及び副軸受6側に連通しない溝としてノ形の
溝11cを同時に設けた。断面形状,溝の深さなどは第
一,第二の実施例と同様である。なお、図9の実施例で
は、ローラ11の両端部の主軸受5及び副軸受6側に連
通しない溝として、ノ形の溝11cを設けた場合につい
て記載しているが、ハ形の溝11dの場合も同様であ
り、図及び説明は省略する。
【0045】このような構成の実施例では、溝11aに
よりローラ11とベーン12間に高圧の油膜圧力を発生
して油膜を形成する作用と、ノ形の溝11cにより摺動
面に潤滑油を連続的に補給する作用が重なり、第一の実
施例の溝11aと、第二の実施例のノ形の溝11cを、
それぞれ単独で設けた場合に比べさらに摩耗軽減の効果
が大きい。
【0046】つぎに、図10の実施例は、ローラ11の
表面に、ローラ11とベーン12のヘルツ圧力による接
触幅よりも小さな幅の凹部として微小空孔11bと、ロ
ーラ11の両端部の主軸受5及び副軸受6側に連通しな
い溝としてノ形の溝11cを同時に設けた。断面形状,
溝の深さなどは第一,第二の実施例と同様である。本実
施例でも、ローラ11の両端部の主軸受5及び副軸受6
側に連通しない溝として、ノ形の溝11cを設けた場合
について記載しているが、ハ形の溝11dの場合も同様
であり、図及び説明は省略する。
【0047】このような構成でも、作用,効果などが図
9の実施例と同様であり、説明は省略する。
【0048】実施例において、ローラ11の表面に形成
した凹部や溝が損耗すること無く、長期間にわたって機
能を発揮させるためには、基本的にはベーン材料よりも
高硬度のローラ材を用いることや、お互い潤滑性の良い
材料の組み合わせを選定することが重要である。例え
ば、ベーン材料よりも高硬度のローラ材の材料組み合わ
せは、ベーン材として固体潤滑複合アルミ含浸カーボン
(HRC19)、ローラ材としてステダイト分散連続鋳
造合金鋳鉄(HRC57)がある。また、潤滑性の良い
材料組み合わせの例は、ベーン材としてVC,TiN分
散焼結合金鋼,ローラ材としてステダイト分散連続鋳造
合金鋳鉄がある。
【0049】また、これまでに述べた実施例では、1シ
リンダのロータリ圧縮機を例に説明したが、本発明は2
シリンダのロータリ圧縮機にも適用することが出来る。
また、圧縮機以外にも本発明と同様のロータリ形式を有
する膨張機や真空ポンプにも適用可能である。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、潤滑状態が厳しい代替
フロン環境下でも、ローラとベーン摺動面の潤滑状態が
大幅に改善され、また過剰な潤滑油の浸入もなく、圧縮
性能及び信頼性を向上したロータリ圧縮機を提供するこ
とが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例のローラとベーンの接触幅
より狭い溝を設けたローラの斜視図。
【図2】本発明の第一実施例の図1のローラのA−A矢
視断面図。
【図3】本発明の第一実施例のローラとベーンの接触部
における油膜形成状態の実験結果の説明図。
【図4】本発明の第一実施例の微小空孔を設けたローラ
の斜視図。
【図5】本発明の第一実施例の図4のローラのB−B矢
視断面図。
【図6】本発明の第一実施例のローラとベーンの接触幅
より狭い溝と微小空孔を同時に設けたローラの斜視図。
【図7】本発明の第二実施例のノ形の溝を設けたローラ
の斜視図。
【図8】本発明の第二実施例のハ形の溝を設けたローラ
の斜視図。
【図9】本発明の第三実施例のローラとベーンの接触幅
より狭い溝とノ形の溝を同時に設けたローラの斜視図。
【図10】本発明の第三実施例の微小空孔とノ形の溝を
同時に設けたローラの斜視図。
【図11】本発明を実施するロータリ圧縮機の一部縦断
面図。
【図12】図11のC−C矢視横断面図。
【符号の説明】
11…ローラ、11a…溝、11b…微小空孔、11c
…ノ形の溝、11d…ハ形の溝、12…ベーン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 増田 俊夫 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 村井 洋一 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 畠 裕章 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所冷熱事業部内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】密閉容器内に、固定子及び回転子を有する
    電動要素と、前記電動要素により駆動されるクランク
    軸、前記クランク軸の偏心部に回転自在に嵌合されたロ
    ーラ、前記ローラに先端を接して往復運動し、シリンダ
    内を低圧の吸入室と高圧の圧縮室に仕切るベーン、前記
    クランク軸を支持し、前記シリンダの両端開口を閉塞す
    る端板を有する主軸受及び副軸受で形成される圧縮要素
    を収納したロータリ圧縮機において、前記ローラの表面
    に、前記ローラと前記ベーンのヘルツ圧力による接触幅
    よりも小さな幅の凹部を設けたことを特徴とするロータ
    リ圧縮機。
  2. 【請求項2】前記ローラの表面に、前記ローラと前記ベ
    ーンのヘルツ圧力による接触幅よりも小さな幅の凹部と
    して、前記ローラの両端部の前記主軸受及び前記副軸受
    側に連通しないように、前記ローラの軸方向に長い溝を
    設けた請求項1に記載のロータリ圧縮機。
  3. 【請求項3】前記ローラの表面に、前記ローラと前記ベ
    ーンのヘルツ圧力による接触幅よりも小さな幅の凹部と
    して、前記ローラの全周に無数の微小空孔を設けた請求
    項1に記載のロータリ圧縮機。
  4. 【請求項4】前記ローラの表面に、前記ローラとベーン
    のヘルツ圧力による接触幅よりも小さな幅の凹部とし
    て、請求項2に記載のローラ両端部の主軸受及び副軸受
    側に連通しないように、前記ローラの軸方向に長い溝
    と、請求項3に記載のローラ全周に無数の微小空孔を同
    時に設けた請求項1に記載のロータリ圧縮機。
  5. 【請求項5】密閉容器内に、固定子及び回転子を有する
    電動要素と、前記電動要素により駆動されるクランク
    軸、前記クランク軸の偏心部に回転自在に嵌合されたロ
    ーラ、前記ローラに先端を接して往復運動し、シリンダ
    内を低圧の吸入室と高圧の圧縮室に仕切るベーン、前記
    クランク軸を支持し、前記シリンダの両端開口を閉塞す
    る端板を有する主軸受及び副軸受で形成される圧縮要素
    を収納したロータリ圧縮機において、前記ローラの表面
    に、前記ローラ両端部の前記主軸受及び前記副軸受側に
    連通しない溝を設けたことを特徴とするロータリ圧縮
    機。
  6. 【請求項6】前記ローラの表面に、前記ローラ両端部の
    前記主軸受及び前記副軸受側に連通しないノ形の溝を設
    けた請求項5に記載のロータリ圧縮機。
  7. 【請求項7】前記ローラの表面に、前記ローラ両端部の
    前記主軸受及び前記副軸受側に連通しないハ形の溝を設
    けた請求項5に記載のロータリ圧縮機。
  8. 【請求項8】前記ローラの表面に、請求項1,2,3ま
    たは4に記載のローラとベーンのヘルツ圧力による接触
    幅よりも小さな幅の凹部と、請求項5,6または7に記
    載のローラ両端部の主軸受及び副軸受側に連通しない溝
    を同時に設けたロータリ圧縮機。
  9. 【請求項9】前記ベーンの材料よりも高硬度のローラ材
    料を用いた請求項1,2,3,4,5,6,7または8
    に記載のロータリ圧縮機。
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